2009-11-11
Gregg Rolie Band / Rain Dance (2009)

Gregg RolieのソロはいわゆるAOR系のハードポップ・アルバムでしたので、そういったサウンドを期待し、ライヴ・アルバムだということもあり"I Wanna Go Back"が収録されていればいいなあ、などと思っていたら、1曲目から"Jingo"を演っていて、これはAbraxas Poolの路線かなとも思いましたが、収録ナンバーを見ると、"No One To Depend On"、Evil Ways"、"Black Magic Woman"や"Oye Como Va"などというナンバーが収録されているし、"Jingo"なんかを聴くと、もうこれはSantanaでした。
最近のSantanaのアルバムを聴いても昔のようなアイデンティティもあまり感じられませんでしたので、これがとても新鮮でしたね。
私にとってのSantanaはNeal SchonやこのGregg Rolieがいた頃の初期とAOR路線とも言われた80年代前半までで、特に初期Santanaはラテンロックという言葉を生みだすほどの勢いとアイデンティティがありました。
そういう意味でこのGregg Rolie Bandの"Rain Dance"はとても楽しんで聴くことができました。
Gregg Rolie以外のメンバーを見ると、Kurt Griffey (guitars), Alphonso Johnson (bass), Wally Minko (keyboards), Michael Carabello (congas), Ron Wikso (drums) and Adrian Areas (timbales)となっており、Santanaのメンバーに名を連ねていた者もおり、サウンド的には初期Santanaそのものと言って良いかも知れません。
特にギターを担当しているKurt Griffey(私は初めて耳にするプレイヤーですが)のギター・プレイはそれこそCarlos Santanaを髣髴する官能的なギター・プレイをしており、とても気に入りました。
収録ナンバーは、
01 Jingo
02 Going Home
03 No One To Depend On
04 As The Years Go Passing By
05 Evil Ways
06 Across The Water
07 Give It To Me
08 Soul Sacrifice
09 Black Magic Woman
10 Gypsy Queen
11 Oye Como Va
12 Bailamos El So
の全12曲が収められております。
本作品は今年出されましたが、2007年のライヴの音源のようです。
初期Santanaのナンバー"Jingo"、"Evil Ways"、"Black Magic Woman"、"Oye Como Va"などは、Gregg RolieがSantanaのリード・ヴォーカリストとして活躍していた時期のナンバーですので、全くといって良い程違和感はないですね。
声もかなり出ておりますし、先にも書いたとおりKurt Griffeyのギター・プレイも最高ですし、言うことありません。
他のナンバーを聴いてもラテンロックしたご機嫌なナンバーばかりで、最近のSantanaのアルバムを聴くより、ずっとSantanaらしいサウンドで最高の出来だと思います。
最近のSantanaの音に満足していないラテンロックのファンもそうでない方にもお勧めの1枚です。
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2008-09-18
Santana / Caravanserai (1972)

"Black Magic Woman"や"Samba Pa Ti"が収録された2ndの"Abraxas"を挙げる方もいると思いますし、"Europa (Earth's Cry Heaven's Smile)"が収録された9枚目(ベスト含む)や、日本公演を収録した1974年の"Lotus"という方もおられると思います。
また、AORファンから評価が高かった1982年の"Shango"を挙げる方だっているかも知れませんし、最近になってSANTANAを聴かれた人は、グラミー賞8部門を獲得した大ヒット・アルバムの"Supernatural"だという人もいると思います。
私の個人的な好みからいいますと、本日紹介する4thアルバムの"Caravanserai"こそが、SANTANAのベストだと思っております。
特に、このアルバムと前作の"SANTANA III"には、ギタリストとしてNeal Schonが参加しており、当時、このNealは若干17才という年齢にも拘わらず、Carlos Santanaと同等のプレイを聴かせてくれております。
Eric Claptonが"Derek & The Dominos"のギタリストとして迎えたいと考えたも頷ける、稀代のギター・プレーヤーだったということです。
この"Caravanserai"ですが、ヴォーカル・ナンバーが少なく、インストものが多く収録されており、アメリカ辺りでは、ロック・ミュージックというだけではなく、ジャズのアルバムとしても紹介されております。
この時のバンド・メンバーは最強で、Michael Shrieve – drums, Percussion,、José Chepitó Areas – Percussion, Conga, Timbales, Bongos、Gregg Rolie – Organ, Piano, vocals、Doug Rauch – Bass, Guitar、James Mingo Lewis – Percussion, Conga, Bongos, vocals、Armando Peraza - Percussion
Carlos Santana – Guitar, vocals, Percussion、Neal Schon – Guitar、Wendy Haas – Pianoという布陣となっております。
もちろん、その後加入するTom Coster在籍時のSANTANAも強力でしたが。
私は、Carlso Santanaのあの官能的なギター・プレイはもちろん最高だと思っておりますが、若干17才のNeal Schonのギター・プレイ、Gregg RolieのヴォーカルとMichael Shrieveのドラムスがとても好きでした。
1972年に発表されたアルバムにも拘わらず、そのサウンドは現在においても通用するということって、凄いと思いませんか?
もう1曲目の"Eternal Caravan Of Reincarnation"から思わず興奮してしまいます。
緻密に計算されたサウンドとそれに対応しているプレイの数々、これはもう素晴らしいの一言に尽きます。
このナンバーは、まじにジャズしております。
2曲目の"Waves Within"の曲の盛り上がり方なんか半端ではありません。
官能的なCarlso Santanaのギター・プレイには涙するだけです。
3曲目"Look Up (To See What's Coming Down)"でのGregg Rolieのオルガン・プレイにも惚れぼれします。
このナンバーでもCarlos Santanaのギター・プレイは最高です。
4曲目の"Just In Time To See The Sun"は、メロディアスなポップ・ロックしたナンバーで、Gregg Rolieのヴォーカルを聴けます。
5曲目の"Song Of The Wind"では、Carlos Santanaがほぼリードを執っておりますが、曲の最後の部分でNeal Schonとのツイン・リードを聴くことができます。
メロディアスなナンバーで、Carlso Santanaのギター・プレイはもう言うことがありません。
6曲目の"All The Love Of The Universe"はCarlos SantanaとNeal Schonのペンによるヴォーカル入りナンバーですが、Neal SchonとCarlos Santanaのギター・プレイだけではなく、それ以外のベース、キーボード、ドラムス、パーカッションのプレイもとてもいかしてます。
7曲目の"Future Primitive"はSANTANAらしいパーカっしょを主体としてナンバーとなっております。
8曲目の"Stone Flower"はAntonio Carlos Jobimのカヴァーです。
SANTANAの得意とするラテン・ミュージックです。
9曲目の"La Fuente Del Ritmo"はラテン・フュージョンのインスト・ナンバーです。
リード・ギターはCarlos Santanaですが、Neal Schonのギターもきちんと聴こえてます。
圧巻はラストの10曲目"Every Step Of The Way"で、このナンバーは、SANTANAの代表的なナンバーのうちの1曲ともいえます。
9分を超えるインスト・ナンバーの大曲です。
Carlos SantanaとNeal Schonのツイン・ギターを堪能できるナンバーです。
"Caravanserai"は名盤です。
あと、私は、1974年の"Borboletta"も大好きです。
2006-11-12
Santana / All That I Am (2005)

以前は、バンドとソロを使い分けていて、バンドではSANTANAをソロ・ワークではCarlos Santanaを標榜しておりました。
でも最近はSANTANA名義でのソロ・プロジェクトということで、かなり不満もあります。
やっぱり、Neal Schonがいて、Tom Coster、Michael Shrieve、Jose Chepto AreasやGregg Rolieがいた頃Santanaが懐かしいです。
とは言いながらも、最新作でもサウンドはラテン・ロックしておりますし、Carlos Santanaのギターの音色は相変わらず官能的です。
また。今回のアルバムのゲストには、METALLICAのKirk HammettやAEROSMITHのSteven Tylerなんかが参加しており、アルバム自体は、かなりの聴きものとなっております。
今回のアルバムのタイトルは、"All That I Am"ということで、このアルバムもSANTANAのアルバムだということで、「それら全てが俺だ!」とCarlos Santana自身も開き直っているのでしょうね。
1曲目の"Hermes"から昔ながらのサウンドに官能的なギターが乗っています。
2曲目の"El Fuego"も往年のSANTANAサウンドですし、やはりこうでなきゃという出来となっております。
3曲目の"I'm Feeling You"では、リードヴォーカルにMichelle Branchを据え、メロディアスなポップスという感じのナンバーに仕上がっております。曲全体の出来も良いですが、このナンバーがSANTANAのアルバムに入っている必然性があるのでしょうか?Michelle BranchのナンバーでバックでCarlos Santanaがギターを弾いているという構図の方がピッタリかも。でも、それを抜きにしたら、ヒット性抜群のナンバーです。
4曲目の"My Man"でもリード・ヴォーカルはMary J. Bligeですが、このナンバーも前曲同様といったところでしょうか。このナンバーも曲自体の出来は良い(SANTANAのアルバムでなければ)ですが、ラップなんかも入っており、これは、それこそ、SANTANAのアルバムなのに、何故?、です。
5曲目の"Just Feel Better"でのヴォーカルはSteven Tylerです。このナンバーは、一時期産業ロックっぽいサウンドに走っていた80年代前半のサウンド・スタイルと言えるでしょうね。この頃のサウンドも私は大好きでした。アルバム"Shango"に収められていた"Hold On"は名曲だと思います。
7曲目の"Con Santana"は再び往年のSANTANAサウンドで、聴いていて安心します。
9曲目の"Trinity"はインスト・ナンバーです。この曲にはMETALLICAのKirk Hammettが参加しておりますが、サウンドはメロディアスなバラード・タイプのナンバーとなっており、二人によるツイン・リードが最高にいかしております。Kirk Hammettのこういったギターの音もとても良いですね。
11曲目の"Brown Skin Girl"では、とてもいかしたブルース・ギターを聴かせてくれます。このナンバーもメロディアスで、私は大好きです。ホレボレするCarlos Santanaのギターです。
12曲目の"I Don't Wanna Lose Your Love"はLos Lonely Boysとのコラボですが、このナンバーも最高です。このナンバーでのCarlso Santanaのギターはとても官能的で言うこと無しです。このナンバーも往年のSANTANAを十分感じさせてくれています。
ラスト・ナンバーの13曲目"Da Tu Amor"も一聴しただけで、SANTANAだと判るナンバーです。
最後に一言、このアルバムがCarlos Santanaのソロ・アルバムであれば納得のしようもありますし、アルバム自体の出来もかなりのものです。
しかしながら、少なくともSANTANAというバンド名義のアルバムでは納得のしようがありません。
SANTANAは、もちろんCarlos Santanaがリーダーのバンドですが、このバンド名を使うのは違和感を感じます。
と思っているのは私だけでしょうか?
2006-06-15
ABRAXAS POOL / ABRAXAS POOL (1998)

今回紹介いたしますこのABRAXAS POOLのアルバムですが、1998年に発表されたものです。メンバーは、Neal Schon、Gregg Rolie、Michael Shrieve、Jose Chepito Areasなど元SANTANAのメンバーが一堂に会しております。もちろんこのアルバムの内容はSANTANAに通ずるものです。Carlos Santana顔負けの官能的なNeal Schonのギターに先ず脱帽です。また、ヴォーカルは全曲にわたってGregg Rolieが担当しております。
1曲目の"Boom Ba Ya Ya"は、モロ、ラテン・ロックしたサウンドで、当然その音はSANTANAを彷彿させるものとなっております。Michael ShrieveのドラムスとJose Chepito Areasのパーカッションは最高にご機嫌ですし、途中のNeal Schonのギター・ソロは圧巻です。
2曲目の"A Million Miles Away"はGregg Rolieのヴォーカルが素敵なバラード・ナンバーです。メロディアスですし、曲の出来も良いと思います。
3曲目の"Baila Mi Cha-Cha"は、1曲目以上にSANTANAっぽいラテンロック・ナンバーとなっております。SANTANAの"Abraxas"に入っていても、全く違和感が無いというような曲です。
4曲目の"Waiting For You"は、Neal Schonの最高にいかしたギター・ソロが聴けるナンバーです。この曲はGregg RolieとMichael Shrieveのペンによるナンバーですが、ほぼ、Gregg Rolieのソロ・アルバムを聴いているようなメロディアスなAORチックの曲となっております。
5曲目の"Going Home"のオルガンやパーカッションはまるでSANTANAを聴いているようです。これもファンキーでいかしたラテンロック・ナンバーとなっております。
6曲目の"Szabo"は、SANTANAの"Caravanserai"や"Welcome"時代の音そのままです。Carlos Santanaに負けないぐらい否それ以上のとても官能的なNeal Schonのギター・ソロを聴くことが出来るインスト・ナンバーです。この曲は最高の出来です。
7曲目の"Guajirona"も"Abraxas"に入っていてもおかしくないようなラテン・フレヴァー一杯のナンバーです。Greg Rolieのオルガン、Jose Chepito Areasのパーカッション、Michael Shrieveのドラムス、Neal Schonのギターと、どれをとっても最高にご機嫌な1曲です。
8曲目の"Cruzin'"もラテン・フレーヴァー溢れるナンバーで、とてもいかしたインスト・ナンバーです。この曲もモロSANTANAでしょう!!
9曲目の"Don't Give Up"はSANTANAの"Marathon"に入っていても良いような、メロディアスでとてもいかした産業ロック・ナンバーとなっております。The StormとかGregg Rolieのソロ・アルバムにも通ずるこれぞ産業ロックといった曲の作りが堪らないです。
10曲目の"Ya Llego"はJose Chepito Areasのペンによるナンバーで、当然、彼のパーカッションがメインとなっております。
11曲目の"Jingo"はもちろんSANTANAで有名なナンバーですが、元SANTANAのメンバーによる曲ですので、SANTANAの曲と比べても充分納得出来る曲の仕上がりとなっております。
このアルバムですが、Amazon JPを覗くと、マーケットプレイスでの価格が7000円以上もしているのには、とてもビックリしました。そいうえば、巷でも殆ど見かけることがなくなりましたね。