2016-04-24
THE ALAN PARSONS PROJECT / EVE (1979)

The Alan Parsons Projectは、The BeatlesやPink Floydなどの作品で手腕を発揮したアビーロード・スタジオのエンジニアAlan ParsonsがEric Woolfsonと立ち上げたプロジェクトで、1976年に"Tales of Mystery and Imagination - Edgar Allan Poe"(邦題「怪奇と幻想の世界~エドガー・アラン・ポーの世界」)でデビューしました。
サウンドはいわゆるプログレッシヴ・ロックのスタイルでありながら、とてもポップで聴きやすいものとなっている。
私が彼らのサウンドに初めて触れたのが、この"EVE"(邦題「イヴの肖像」)です。
当時はほとんどAORしか聴いていなかった時期ですが、雑誌の紹介記事で、Alan ParsonsがThe BeatlesやPink Floydのエンジニアをしていたみたいな記事を読み、早速聴いてみたいという欲望にかられ、このアルバムを手にとりました。
このジャケットですが、フロントに2人、バックに1人の麗しい女性が写っております。
最初は全く気付かなかったのですが、顔にはベールがかかっており、良く見ると.....これは衝撃的でしたね。
で、そのサウンドは冒頭にも書きましたが、プログレッシヴでありながら、非常にポップでとても聴きやすく、当時はAORしか聴いていなかった私にもすんなり入ってきた、というより、これはとても素晴らしいアルバムだと思いましたね。
それから、過去のアルバムもこれ以降のアルバムも聴いてみましたが、私の個人的な意見としては、この"EVE"と1982年の"Eye In The Sky"が彼らのアルバムの中で最も出来が良いのではと思っております。
この"EVE"では、Lenny Zakatek、David Paton、Dave Townsend、Chris Rainbow、Clare Torry、Lesley Duncanと6人のヴォーカリストを起用しており、そのどれもが曲の感じとマッチしたものとなっております。
1曲目の"Lucifer"はインスト・ナンバーで、このナンバーが凄いところは、トランス・ミュージックの原型がここにあるということです。
トランスの元祖と呼ばれているRobert Milesなんかは、Alan Parsonsの模倣といった感じがします。
1979年の作品ということを考えれば、まさにProgressive(先進的)な音づくりだったと思いますね。
2曲目の"You Lie Down With Dogs"なんかは、メロディアスかつポップでアダルトな感じで、すぐに耳に馴染んでしまいました。
3曲目の"I'd Rather Be A Man"はメロディアスなテクノ・ミュージックといった感じです。
テクノの進化系がトランス・ミュージックであると考えると、やっぱり、このAlan Parsonsという人物はただ者ではなっかたということでしょうね。
久しぶりに4曲目の"You Won't Be There"を聴いた時に先ず浮かんだのがCAMELでした。
これは最高に良く出来たメロディアスなバラード・ナンバーです。
ヴォーカルのDave Townsendの声もこのナンバーにピッタリです。
5曲目の"Winding Up"でのヴォーカルはChris Rainbowですが、さすがですね。
6曲目の"Damned If I Do"もポップでメロディアスないかしたナンバーです。
7曲目の"Don't Hold Back"はこのアルバムでヴォーカルを担当している女性のうちの1人Clare Torryが歌っております。
これまた、ナイスなAORナンバーに仕上がっております。
8曲目の"Secret Garden"は途中スキャットが入りますが、ほぼインスト・ナンバーです。
このナンバーもポップでですが、結構美しい旋律を持ったナンバーとなっております。
ラストの9曲目"If I Could Change Your Mind"のヴォーカルはもう一方の女性Lesley Duncanが担当しております。
確かこのLesley嬢、Pink Floydのアルバムにもヴォーカルで参加していたと思いますが、素直なヴォーカル・スタイルに好感が持てます。
スポンサーサイト
2014-02-20
The Alan Parsons Project / Complete Albums Collection (11 CD Box)

本BOXの最大の目玉となるのが、5thアルバムとして予定されていながら、お蔵入りとなった未発表作品『The Sicilian Defence』が収録されることで、作曲、レコーディングがたった3日で行われたという当該アルバムは諸事情によりリリースされることがなかったが、アラン・パーソンズ・プロジェクトのアルバムのExpanded editionの為に、エリックがボーナス・マテリアルを探していた際に、この未発表作品のマスターが発見されたようで、その中の一部は『イヴの肖像』のボーナス・マテリアルとして収録されたが、コンプリートな形でリリースするのは今回が初となる。
Alan Parsons Projectの最もヒットしたアルバムは、1982年の6枚目のアルバム"Eye In The Sky"で全米7位にランク・インされました。
また、シングルは28枚発表しており、最もヒットしたシングルも"Eye In The Sky"で全米3位にランク・インされております。
私は"Eye In The Sky"も大好きですが、最も好きなアルバムは、1979年の"EVE (邦題「イヴの肖像」)"ですね。
The Alan Parsons Projectを最初に耳にしたのが、この"EVE"で、ジャケットも強烈でしたが、サウンドはとてもメロディアスでポップでしたので、当時AORばかりを聴いていた私ですが、彼らのサウンドがすんなり耳に馴染みました。
私は、未発表アルバム以外のアルバムは全て持っておりますが、今回はこの未発表アルバムのためだけで予約してしまいました。
この未発表アルバム、"Eve (1979)"の後の音源ということで、とても楽しみにしております。
2011-11-21
Ekseption / The 5th (1998)

オランダのプログレッシヴ・バンドEKSEPTIONによるベスト・アルバムです。
バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、チャイコフスキーといったクラシックの原曲を現代の楽器を使って表現した作りとなっておりますが、原曲がとても有名ですので、すぐ耳に馴染んでしまいます。
私が一番最初にEKSEPTIONに触れたのは、1970年代の始めで、2曲目の"Air"を聴いてからです。
この時は、彼らのアルバムを聴いたわけではなく、いわゆる、コンピレーションのレコードでした。
原曲は、バッハの「G線上のアリア」ですが、ジャズっぽいピアノの音がとても新鮮に聞こえ、たいそう感激した記憶があります。
まあ、当時は、あまりお金もなくEKSEPTIONのレコードを買うということは無かったですが。
ただ、この「G線上のアリア」は、記憶の中に深く埋め込まれました。
その後、CD化の時代を迎えましたが、一向に情報は得られずじまいでしたが、ネットショップ巡りするようになって、10年近く前に彼らのこのアルバムを見つけたわけですが、その時は、とても嬉しかったですね。
また、価格もかなり安めだったと思います。
このアルバムは、前述のとおりクラシックを現代的にアレンジした曲がメインとなっておりますが、知っている曲が多いので、気楽に聴けます。
イージー・リスニング、BGMとしては最高です。
演奏力も高いですし、アレンジがカッコ良いのが最大の魅力となっています。
ちなみに収録ナンバーは、
01 The 5th ((P) 1969) 03:28
02 Air ((P) 1969) 02:53
03 Piano Concert N.3 In C Minor Opus 37 : Rondo ((P) 1970) 05:25
04 Suite No.2 In B Minor : Peace Planet - Badinerie ((P) 1970) 03:34
05 Adagio ((P) 1970) 03:52
06 Italian Concerto In F BWV 971 : Allegro ((P) 1970) 05:04
07 Rhapsody In Blue ((P) 1969) 04:02
08 Partita No. 2 In C Minor ((P) 1971) 05:47
09 A La Turka ((P) 1972) 02:29
10 Sonata No.2 In E Flat : 2. Siciliano In G ((P) 1972) 03:59
11 Romance For Violin And Orchestra No.2 In F Op.50 ((P) 1973) 03:34
12 Concerto ((P) 1970) 03:57
13 Concerto For Violin And Orchestra In A Minor : Vivace ((P) 1972) 02:51
14 Toccata And Fugue In D Minor For Pipe Organ : Toccata ((P) 1973) 05:18
15 Gayaneh : Sabre Dance ((P) 1969) 03:50
16 Ave Maria ((P) 1971) 02:35
となっております。
純粋なクラシックを聴くのは気が引ける、つまんないと感じてるアナタ、是非、聴いてみると良いと思います。
最近リ・イッシューされたようで、ジャケット・デザインも変更されたようです。
2011-03-06
Glaz / Escalibur (1993)

もちろん、今回もレア盤が多数ありますので、興味のある方は覗いてみてください。
さて、本日は、フランスのフォーキーでトラディショナルなプログレッシヴ・バンド GLAZ の1993年の1stアルバム""を紹介いたします。
彼らは、この1stのほかに、1995年に"Ar Gest"、1996年に"Holen Ar Bed"の計3枚のアルバムを発表しております。
彼らのサウンドの特徴は、「フォーキーでトラディショナルなプログレッシヴ・ロック」です。
先ずメンバーは、Nathalie Brignognen (vocal)、 Loic Blejean (uillean pipe, whistle)、Jean-Claude Normant (piano, organ)、Yves Ribis(guitar)、Jean-Christophe Boccou (drums)、Yann Honore (bass, programming, composition, arrangement)の6人組みで、Nathalie Brignognenという女性が殆どのナンバーでリード・ヴォーカルをとっており、また使用している楽器を見ると、Loic Blejeanがバグ・パイプみたいなものを使っており、このことがトラディショナルな雰囲気を醸し出しております。
収録ナンバーは、
1 Tro Ha Tro 4:14
2 Marzhin 5:17
3 Wisdom 3:45
4 Dagda 3:54
5 Sail Away 4:30
6 Nerdud 3:40
7 Nostalgia 4:54
8 An Heni A Garan 4:55
9 Walk On 6:31
10 Piw A Varn 5:21
11 Aquilonia 4:03
12 BZH Fusion 3:56
の12曲が収録されておりますが、演奏時間を見ると、プログレといいながらも冗長なナンバーはありませんし、ギターも結構弾いておりますし、曲もメロディアスですので、かなり聴き易い感じがします。
また、Nathalie Brignognenのヴォーカルも上手いですし、声質もオーソドックスです。
ときどき、男性ヴォーカルがリードを執るナンバーもありますが、これにはちょっと?で、全てNathalie Brignognenのヴォーカルの方が良かったのにと思いますが。
1の出だしのサウンドはとてもそそりますし、それに続くNathalie Brignognenのヴォーカルを聴いた時は、とても期待しましたね。
このナンバーはかなり」いかしてます。
2はアコースティカルで牧歌的なナンバーで、こういったナンバーが彼らの特徴なんだと思います。
3はパイプの音をふんだんにフィーチャーしたナンバーですが、アコースティック・ギターの音色も良いですし、メロディアスです。
4なんか聴くと、彼らの演奏のレベルが高いのがわかります。
バックのパフォーマンスは素晴らしいです。
5もパイプをフィーチャーしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
6はバックのベースがビンビンで、かつ、エレクトリック・ギターをフィーチャーしたフュージョン・タッチのインスト・ナンバーですが、これが最高です。
お勧めのナンバーです。
7は一転してパイプをフィーチャーしたゆいったりと流れるようなナンバーですが、この男性ヴォーカルが余計ですね。
下手じゃないですが、バンド・イメージが崩れてしまいそうです。
8ミディアム・スロウのメロディアスなナンバーですが、結構盛り上がりがあって良いです。
Nathalie Brignognenのヴォーカルもバックのパフォーマンスも素晴らしいです。
9はメロディアスなポップな感じのナンバーです。
10もフォーキーでトラディショナルなナンバーです。
11はパイプとギターとコラボしたとてもカッコ良いインスト・ナンバーで、この曲の出来もかなりなものです。
12はメロディアスでポップに仕上がったナンバーです。
GLAZ、なかなか良いですよ。
プログレ・ファンだけじゃなく、AOR、産業ロック、メロハーのファンにもお勧めできます。
2011-02-25
Zauber / EST (1991)

ZAUMERの1991年の作品"EST"です。
ZAUMERはイタリアのバンドで、サウンドは、キーボードやピアノを主体とする牧歌的(フォーキー)なプログレッシヴ・ロックを演っております。
イタリアはプログレ王国といって良いほど、プログレのバンドが存在しており、日本でもイタリア産のプログレを熱心に集めているファンも多数いるようです。
私はそういった熱心なプログレ・ファンンではありませんので、プログレといってもメジャーどころしか知りません。
このアルバムは、たまたま市内の中古ショップで900円で売っていたので、ジャケットの雰囲気も良かったので購入した次第です。
プログレのアルバムのジャケット・デザインって、結構そそるものがありますよね。
YESの一連のジャケットを手掛けたRoger Deanとか。
この"EST"なんかも、一目見てプログレのアルバムだと判るようなデザインですし、色がキレイですよね。
中身もかなり良くて、メロディアスですし、日本人に受ける音だと思います。
このバンドは、冒頭にも書きましたとおり、ピアノとキーボードをメインとした牧歌的なサウンドで、メンバーは、Liliana Bodini / lead vocals、Massimo Cavagliato / drums、Mauro Cavagliato / bass, guitar, synthesizers, chorus、Oscar Giordanino / lead vocals, synthesizers, pianoの4人となっております。
ヴォーカルは、Liliana BodiniとOscar Giordaninoの男女2人が執っていて、ギターは、イタリアのスタジオ・ミュージシャンを使用しているようです。
全曲母国語のイタリア語で歌われており、先ず旋律が美しいということと、さすがピアノ・キーボードの音色が素敵です。
収録ナンバーは、
01. Proibito
02. Gennaio
03. Gandalf
04. Auguri
05. Zauber
06. Strade
07. Un giorno migliore
08. Nightmare
09. '81
10. Dicembre
の10曲で、その内4曲はインスト・ナンバーです。
01の出だしのキーボードとこれに絡むベースの音がとてもいかしており、バックのストリングスも美しいですし、雰囲気はかなり良いインスト・ナンバーです。
曲もメロディアスですし、ポップに仕上がっており、1曲目がこういうナンバーだったら、アルバム全体の出来もかなり期待できます。
02もメロディアスで美しいバラード・ナンバーですが、どこかPMF辺りに通じる雰囲気です。
とても素敵な曲です。
03はミディアム・スロウのキーボードとシンセサイザーの音がとても牧歌的な感じの心休まるインスト・ナンバーです。
いいですね、これは。
04はパッショネイトなピアノの音から始まるメロディアスなナンバーです。
ヴォーカルはLiliana Bodiniが担当しており、彼女の声とバックの音がピッタリ合ってます。
05はベースとピアノのコラボで始まるナンバーで、タイトルがバンド名と同じですので、彼らのサウンドを如実に顕したナンバーだと思います。
ベース・キーボード・ドラムス・シンセサイザーとそれぞれのメンバーのプレイがとてもいかしたメロディアスなナンバーです。
06では、Oscar Giordaninoがヴォーカルを執っており、ミディアム・テンポのメロディアスなナンバーに仕上がっております。
07は、前半部分は、ほぼピアノ、キーボード、シンセサイザーだけで演奏されているメロディアスで美しいですが、後半は曲調がガラッと変わり、Liliana Bodiniのヴォーカルをフィーチャーしたポップ・フィーリング溢れた、そんなナンバーです。
08荘厳な感じのキーボードの音色とそれに被さるシンセサイザーとベース、そしてドラムスと、それぞれのパフォーマンスが素晴らしいナンバーです。
09はピアノ、シンセサイザーともにジャジーな感じのフュージョン・タッチに仕上がったナンバーで、とてもいかしてます。
10はギターも大々的にフィーチャーしたハードポップ風のメロディアスなナンバーです。
ムーグ・シンセサイザーの音がとてもカッコ良いです。
ZAUBERの"EST"ですが、とても良く出来たプログレのアルバムです。
たまに良いですね、こんな感じのプログレも。