2010-09-06
Kerli / Love Is Dead (2008)

ゴスロリ・ファッションに身を包んだ少女のイラストから連想させるサウンドは、大体がエモ系のインダストリアル・ゴシックというのが相場なんでしょうが、これが、ちょっと違うんですね。
もちろん、メランコリックでダークではありますが、ヴォーカルも至ってノーマルで、結構楽曲がキャッチーだったりするんです。
このKerliは23歳のエストニア出身のシンガーで、本日紹介する2008年の"Love Is Dead"が1stアルバムです。
もちろん、ジャケットから連想されるとおりゴシック的な要素はありますが、歌い方も至って普通ですし、ダークなポップスとでも言ったら良いのでしょうか。
アルバムに収録されている"Walking On Air"がi-tuneのダウンロードでトップ40に入ったとかで、アルバムもU.S. Billboard 200で126位にランクインしたようです。
収録ナンバーは、
01."Love Is Dead" (David Maurice, Kerli Kõiv, Miles Gregory) – 4:36
Contains elements of "Love Don't Live Here Anymore" by Madonna (Miles Gregory)
02."Walking on Air" (Kõiv, Lester Mendez) – 4:27
03."The Creationist" (Kõiv, Guy Chambers) – 3:38
04."I Want Nothing" (Maurice, Kõiv) – 3:58
05."Up Up Up" (Maurice, Kõiv) – 3:25
06."Bulletproof" (Kõiv, Thomas Who) – 5:01
07."Beautiful Day" (Kõiv, Dead Executives) – 3:51
08."Creepshow" (Maurice, Kõiv, Vanessa Bley) – 3:12
09."Hurt Me" (Kõiv, Mendez) – 3:37
10."Butterfly Cry" (Kõiv, Krister Linder) – 4:39
11."Strange Boy" (Maurice, Kõiv) – 3:18
12."Fragile" (Kõiv, Peter Agren, Anders Lennartsson) – 4:11
01の出だしのラウドな音を聴いた時は、インダストリアル・ゴシックかなと思いましたが、本編に入るとメランコリックでメロディアスなゴシック・ロックといった感じで、結構耳に馴染むナンバーなんですね。
この1曲を聴いて、アルバムが期待出来そうな感じがしました。
02になんか聴くと、Kerliのヴォーカルも結構上手いですし、このナンバーは、かなりポップに仕上がっていると思います。
03のバックのピアノはとても印象的です。
とてもポップなロックしたナンバーです。
04はEVANESCENCEやFIREFLIGHTなんかに通じるメランコリックなゴシック・ロックで、この手のナンバーは大好きです。
カッコ良く仕上がっております。
05はインダストリアル・ゴシック的なバックのナンバーですが、仕上がりはかなりポップです。
06はスロウ・テンポのバラード・ナンバーですが、バックのファズを効かせた歪んだギターの音といい、メランコリックなところが、かなり気に入っています。
07も結構メロディアスなナンバーです。
08はバックのギターのリフがちょっとばかりインダストリアルしておりますが、曲はラップ調で結構ポップです。
09のバックの音もエレクトリカルでインダストリアル・ゴシック的ですが、曲は至ってポップなんですね。
この辺りが、インダストリアル・ゴシックと違うところでしょうか。
10はバックの音は結構重たいスロウ・テンポのゴシック的なバラード・ナンバーです。
11が最もインダストリアル・ゴシック的なナンバーでしょうか。
バックのパフォーマンスも結構カッコ良いです。
12はメランコリックでメロディアスなバラード・ナンバーです。
この"Love Is Dead"ですが、ゴシック・ロックのファンは当然楽しめる内容ですが、普通に女性ヴォーカルのウ・ロックのファンの方にも十分楽しめるアルバムでは?と思います。
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2010-04-20
LaFee / Shut Up (2009)

主人公のLaFeeは15歳の2006年に"Scabies"というナンバーで本国ドイツでデビューし、1stアルバム"LaFee"はドイツのチャートの1位を記録したとか。
2007年には、2ndアルバム"Jetzt Erst Recht"を発表し、本日紹介の"Shut Up"は1st、2ndに収めれていたナンバーをピックアップし歌詞を英語に替えて発表された日本国内編集盤で日本デビュー・アルバムです。
タイプ的には、EvanescenceやFireflightなどのゴス・ロックで、曲によっては扇情的ですし、メロディアスなナンバーも数多く収められております。
特筆すべきは彼女のヴォーカルですね。
ハイティーンながら、かなり歌は上手いです。
1曲目の"Midnight Strikes"は出だしのギターのリフが結構ハードでカッコ良く、本編に入るとこれがとてもメロディアスなナンバーで、ゴシックを感じさせてくれています。
このナンバーはかなり良い仕上がりを見せております。
2曲目の"Shut Up"はシングル・カットされたナンバーで、バックの音は結構ハードですが、メロディアスなポップなナンバーです。
シングル・カットされたのも頷けますが、出来としては1曲目の方が良いと私は思います。
3曲目の"Now's The Time"も出だしのギターのリフがカッコ良いゴシック・ナンバーです。
バックのピアノの音がとても効果的で、これぞゴシックといった感じのメロディアスなナンバーです。
4曲目の"On The First Night"はバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
メランコリックでダークなナンバーで、このナンバーもゴシックを感じさせてくれています。
お勧めです。
5曲目の"Come On"もギターのリフがカッコ良いナンバーですが、サビの部分は良いのですが、全体的にはメロディアス度はイマイチといった感じか。
6曲目の"Set Me Free"は、再びバックのピアノが美しいパワー・バラードしたメロディアスなゴシックです。
バックにスクリームしたラップを入れるところなんかは、Evanescenceをかなり意識しているのでは?
このナンバーの出来もかなり良いです。
7曲目の"Tell Me Why"もピアノの音が美しいメロディアスなゴシックのバラード・ナンバーです。
Lafeeのヴォーカルもとてもいかしてます。
8曲目の"Little Princess"はヘヴィなギターのリフから始まるナンバーですが、これも1曲目同様、本編に入ると結構メロディアスなゴシックしたナンバーで、かなりお勧めです。
9曲目の"Scabies"は彼女の1stシングルのナンバーで、メランコリックでダークなゴシックですが、仕上がりはとてもポップな感じです。
10曲目の"What's Wrong With Me"もゴシックを感じさせますが、仕上がりはポップです。
11曲目の"Lonely Tears"もメランコリックでダークなゴシック・ナンバーで、このナンバーもEvanescenceを感じさせてくれています。
かなりいかしてます。
ラストの12曲目"Hot"もメランコリックでダークなゴシック・ナンバーです。
このLaFee、かなり良いです。
私は大好きです。
ゴシック・ファンは聴いてみるべきでしょうね。
2008-08-20
Gravity Burn / Weight And Sea (2008)

その内の一つは、Rertrospect Recordsの直営店と、もう一つはRenaissance Recordsの直営店です。
それぞれのレーベルで扱っているCDが出品(Retrospect Recordsの方はたまにレア盤も扱っております)されており、オークションの結果によっては、それぞれのレーベルから直接購入することよりもかなり安く手に入れることができます。
ただ、1枚当たりの送料が6ドル近くかかり、購入したCDよりも送料が高いということもしょっちゅうですが。
でも、1枚5とか6ドルで買えれば、送料を入れても12ドル(日本円で1,200円程度)ぐらいですので、AmazonやHMVと価格を比較しながら(Retrospect Recordsは両サイトでも扱っておりませんが、Renaissance Recordsのものは結構カタログに載っています)購入しております。
本日紹介するGravity Burnというバンドの"Weight And Sea"というアルバムは、Renaissance Recordsのe-Bay直営店から購入したものです。
本体価格3ドル、送料6ドル計9ドルのCDです。
Renaissance Recordsは、当初、707、Tycoon、Russ Ballardなどの産業ロック系のバンド・アーティストのアルバムなどをリ・イッシューするレーベルとして立ち上がりましたが、一度は、ホームページも閉めて潰れたのかなと思っておりましたが、ここ2,3年で再開されたレーベルです。
当然、リ・イッシューにも力を入れており、ごく最近は、City Boyの再リリース、さらにはBalanceの1stと2ndの2in1のCDも再リリースされました。
また、オフィシャル・サイトを覗くと、リ・イッシューだけでなく、自らのレーベルでアーティストも抱えているようです。
このGravity BurnもRenaissance Recordsお抱えのバンドで、ジャンルとしては、女性ヴォーカルをフロントに置いたEvanescenceタイプのゴス・ロックです。
哀愁度という観点からは、Evanescenceや最近売れているFireflightに比べると若干差はつきますが、それでも、ゴス・ロックのアルバムとしては、一定のレベルはクリアしていると思います。
バックのメタリックなサウンドに乗るMagda Ollarという女性のヴォーカルはかなりいかしてますし、哀愁度はイマイチといいながらも流れてくる旋律はメロディアスです。
1曲目"Forward"は2曲目"Stranger"の導入部分で、その2曲目はメタリックでラウドなサウンドのカッコ良いナンバーです。
3曲目の"Falling Down"はメロディアスなゴス・ロックで、Evanescenceを彷彿するとても良く出来たナンバーです。
ゴス・ロックのファン納得の1曲だと思いますね。
4曲目の"All The While"はヘヴィなギターのリフがカッコ良いナンバーで、バックにストリングを使うなどゴシック度も高く、Magda Ollarのヴォーカルも良いですね。
5曲目の"The Visitor"もメタリックでラウドなサウンドですが、これもしっかりゴシックしています。
6曲目の"Not A Dream"はアコースティック・ギターから入るメロディアスなゴシックのバラード・ナンバーです。
それにしてもこのバンドのギタリストMike Buffaという人物のテクニックもかなりなものです。
7曲目の"Other Side"もEvanescenceタイプのメロディアスなゴス・ロックです。
8曲目の"Losing You"もMagda Ollarのヴォーカルだけじゃなく、バックのサウンドもカッコ良いナンバーです。
9曲目の"Closure"は全体的にはポップな感じのナンバーです。
10曲目の"Slowly Killing Me"はメロディアスなナンバーで、結構いけます。
11曲目の"Broken Promise"なんか聴いていてもMagda Ollarのヴォーカルはかなり良いと思います。
ラストの12曲目"Remiez"でも、Mike Buffaのメタリックなギターを始め、バックの音はとてもカッコ良いです。
EvanescenceやFireflightが好きな方にはお薦めです。
2008-07-31
Soulrelic / Love Is A Lie We Both Believed (2006)

メランコリックでメロディアスなゴス・ロックが最近は"LOVE METAL"とも言われているようですが、上に掲げたバンドはほぼごの手のバンドです。
さらにここ数年では、LOVEXと本日紹介するSOULRELICなど新しいバンドが次々とフィンランドで生まれております。
GOTHIC METALという言葉は、元々PARADISE LOSTに対して付けられたもので、メランコリック、荘厳、暗鬱、美といったイメージを連想させるサウンド・スタイルだと思います。
GOTH ROCKはGOTHIC METALをよりポップにしたサウンドと言えばいいのでしょうか。
例えば、フィンランドのPOISON BLACKというバンドのサウンドは、GOTHIC METALとGOTH ROCKの中間的なバンドだと思います。
私は、どちらのサウンドも大好きです。
本日紹介するSOULRELICもメランコリックでポップな美旋律なサウンドを聴かせるバンドです。
バンドのメンバーには、ETERNAL TEARS OF SORROW(彼らの"Chaotic Beauty"というアルバムは最高でしたね)とかTO/DIE/FORに関係していたメンバーもいるようです。
1曲目の"Hollow Craving"は1stシングルとなったナンバーで、GOTHロックの見本みたいなナンバーです。
メランコリックながらポップでメロディアス、最高の1曲です。
2曲目の"Tears Of Deceit"は2ndシングルに選ばれたナンバーです。
結構メタルしたギターがカッコ良いメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Dying Angels"はメロディアスなゴス・ロックのバラード・ナンバーです。
かなり好きですね、こういう曲は。
4曲目の"Down On My Path"もギターの音はメタリックですが、曲はポップなゴス・ロックのナンバーです。
5曲目の"The Key"は、ゴス風味もありますが、いたってオーソドックスなメロディアス・ハードロックのナンバーです。
6曲目の"Kiss Of A Saint"もメロディアスでポップなナンバーで、とても聴き易くなっております。
7曲目の"The Rain Of Sorrow"は美しいピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
メロディ・マニア必聴のナンバーで、このナンバーだけだったらAORファンにも受け入れられるかも。
8曲目の"Still Breathing"、9曲目の"Tears Are Home"はもう完全にゴス・ロックしているナンバーです。
10曲目の"It's All So Easy"でのギター・プレイはかなりいかしてます。
ラストの11曲目"Burned To Ashes"は6分を超える大曲ですが、メランコリックなとてもメロディアスで美しいナンバーです。
これはとてもゴシック・メタルしております。
ヴォーカルもいたってノーマルですし、ハードロック・ファンは気に入ると思いますし、普段ハードロックを聴かないメロディ・マニアの方にもお薦めだと思いますよ。
2008-03-28
Fireflight / Unbreakable (2008)

そしてこのバンドも米国はフロリダ産なんですね。
バンド名は、FIREFLIGHTで、1999年にバンドが結成され、2006年に1stアルバム"THE HEALING OF HARMS"が出され、本日紹介するこの"Unbreakable"が彼らの2ndアルバムとなっております。
女性2人と男性3人のグループで、もちろん、リード・ヴォーカルをとっているのは、Dawn Richardsonという女性で、もう一人の女性は、Wendy Drennenでベース・ギターを担当しております。
Evanescenceを引き合いに出すほど、サウンドは美メロのエモーショナルなゴス・ロックです。
Dawnの高音で歌っているところなんかEvanescenceのAmy Leeと同じくらい魅力的です。
1曲目のタイトル・ナンバー"Unbreakable"からちょっとばかり翳りのあるメロディアスなナンバーで、ヒット・ポテンシャルの高いナンバーとなっております。
このナンバーは、それこそEvanescenceと対を張る、そんな出来が良いナンバーです。
2曲目の"You Gave Me A Promise"はUKやフィンランド辺りのゴス・ロックに通ずるナンバーで、バックの音も結構メタリックです。
3曲目の"Brand New Day"はヴァイオリンの音を効果的に使ったメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
ホント、メロディアスです。
4曲目の"The Hunger"はUK産ギター・ポップに通じるラウドなギターをフィーチャーしたメロディックなナンバーとなっております。
5曲目の"Stand Up"は出だしのギターのリフがカッコ良いナンバーで、このナンバーもEvanescence風にカッコ良く仕上がっております。
6曲目の"Forever"は、タイトルから想像出来るとおりメロディアスなバラード・ナンバーです。
翳りがあってメロディが美しい、これはゴシック・ロックにとって必要不可欠な要素ですが、このバンドのサウンドにはそれが完全に当てはまっています。
7曲目の"Go Ahead"も出だしのギター・リフがいかしたナンバーで、ゴシックしております。
8曲目の"The Love We Had Before"はメタリックなギターの音から始まるナンバーです。
このナンバーでは、Dawnとギター担当のJustin Coxもヴォーカルで参加しております。
いたってノーマル・ヴォイスで歌っておりますが、結構歌も上手いです。
このナンバーの出来もかなりのものです。
9曲目の"So Help Me God"もメロディックなゴス・ロックです。
ラスト・ナンバーの10曲目"Wrapped In Your Arms"はアコースティカルなナンバーです。
でもサウンド・アプローチはあくまでゴス風です。
それにしても、このFIREFLIGHTってかなり良く出来たメロディを奏でるバンドですね。
Evanescenceが好きなら、また、フィンランド産のゴシック・ロックが好きなら、先ず間違いなく気に入るアルバムだと思いますね。