2009-11-23
Affinity / Affinity (1970)

ジャケット・デザインに惹かれ購入した1枚。
Affinityのスタートは65年にまで遡り、前身バンドとなるTHE JAZZ TRIO、RUSSELL’S CLUMP、ICEそして、Affinityとグループ名を改名してからも、インストゥルメンタル・ナンバーを中心に演奏していた第一期、Linda Hoyle嬢がリード・ヴォーカルとして加入した第二期、Linda Hoyleが脱退、新たにVivienne Jill McAuliffeを新ボーカリストに迎えての第三期と、大きく3つに大別できます。
本作は、Linda Hoyleがヴォーカルを担当する第二期のアルバムで、そのサウンドはサイケデリックなプログレ風と言えると思います。
ジャケットのデザインはKeefというデザイナーですが、ご覧のとおり色使いや構図などかなりいかしており、このジャケットにつられて直ぐにレジへ、となりました。
このアルバムには全15曲が収められておりますが、アルバム・オリジナルの7曲に8曲のボーナストラックが追加されております。
モロ70年代前半のブリティッシュ・ロックしたアルバムで、音には若干古さも感じますが、オルガンを主体とするサウンドはとてもサイケデリックでいかしてます。
収録ナンバーは、
01 I Am And So Are You
02 Night Flight
03 I Wonder If I'll Care As Much
04 Mr. Joy
05 Three Sisters
06 Coconut Grove
07 All Along The Watchtower
08 Eli's Coming
09 United State Of Mind
10 Yes Man
11 If You Live
12 I Am The Walrus
13 You Met Your Match
14 Long Voyage
15 Little Lonely Man
となっております。
ご覧の通りカヴァー・ナンバーが結構収められております。
03はEverly Brothersのカヴァーですが、サイケデリックなアレンジが癖になりそうです。
06はJohn Sebastianのナンバーですが、アコースティカルなバラード・ナンバーに仕上がっております。
07はもちろんBob Dylanのカヴァーです。軽めのアレンジがイマイチか。このナンバーのカヴァーはやはりJimi Hendrixでしょうか。
08以降がボーナス・トラックですが、08はもちろんLaula Nyroのカヴァーです。このナンバーもThree Dog Nightなんかがカヴァーしておりますが、このAffinityのヴァージョンは少しアップテンポのアレンジで、出来はそこそこです。
10は彼らのオリジナルですが、異国情緒感たっぷりのインスト中心のナンバーですが、演奏がとても素晴らしいです。レベルも高いです。
11はジャジーな感じがとても良いです。
12はもちろんThe Beatlesのあのナンバーのカヴァー。このナンバーに関してはどのバンドもオリジナルを超えるということは無いと断言出来るナンバーですが、勝負はどれだけオリジナルを理解してプレイしているか、ということだと思います。このAffinityのヴァージョンもかなりサイケな出来あがりで、合格点は挙げれるかな?
13はStevie Wonderのカヴァー。14はCarol Kingのカヴァー。何れもアレンジがサイケです。
70年代ロックが好きな方にはお勧めですが。
このアルバムですが、最近日本国内ではエアメール・レコーディングズが過去音源などを含め紙ジャケ5枚組のボックス・セットを出しましたが、これはあくまでコレクターズ・アイテムといったところでしょう。
私は結構聴けますが、とにかくジャケットに惹かれました。
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2008-06-16
Nucleus / Nucleus (1969)

私もこのアルバムを手にして、ジャケットのライナーを読むまでは、てっきりUKのバンドだと思っておりました。
まあ、TOWER RECORDSで500円で売っていなければ、おそらく手にしていなかったと思いますが。
で、アルバムを聴きながらライナーノーツを読み進むうちに、このNUCLEUSがカナダのバンドだと判りました。
録音等のクレジットもなく、ネットで調べたところ、このアルバムは1969年に発表された彼らのワン・アンド・オンリーのアルバムみたいです。
全6曲が収められており、1曲あたり6?7分と長いナンバーが収められております。
この長さからも判るとおり内容はプログレです。
サウンドの特徴として、オルガンを大々的にフィーチャーしており、これが彼らの売りとなっているようです。
音を聴くと、同時代に活躍したVANILLA FUDGEを連想させてくれます。
VANILLA FUDGEは当時アート・ロックというジャンルで呼ばれており、"You Keep Me Hangin' On"や"Season Of The Witch"、さらに"Break Song"というナンバーは実に23分にも及ぶ大曲で、サウンドも多分にプログレでした。
そういう意味で、このNUCLEUSのアプローチもほぼVANILLA FUDGEと同じだと思います。
1曲目の"Jenny Wake Up"はエレクトリック・ギターとオルガンの絡みから入り、この部分を聴いただけで、VANILLA FUDGEを思い出しました。
曲に入ると結構メロディアスでポップですが、途中エレクトリック・ギターが挿入される部分は曲が転調したりで、プログレ度が高い面白いナンバーです。
それぞれのプレイヤーのソロもあり、技量もかなりのレヴェルだと思いますね。
2曲目の"All About Me And The Spidery Bass"は出だしのギターのリフがカッコ良いナンバーです。
当時流行ったギターの音色が年代を感じさせます。
全体的にハードロック色が強いですが、メロディもこなれていて、かなりいけます。
3曲目の"Judgement Day"はメロディアスなナンバーで、雰囲気もVANILLA FUDGEですね。
リマスターされているせいなのか、とにかくメンバーそれぞれのプレイが結構明瞭に聞こえておりますが、どのプレイもいかしてます。
4曲目の"Lost And Found"は60年代ロックの息吹を物凄く感じるナンバーです。
特にエレクトリック・ギターの音はそのまんまの音です。
丁度その頃からロックを聴き始めた私としては、とてもノスタルジックに感じます。
5曲目の"Share Your Colour"もVANILLA FUDGEしたサウンドで、メロディもいかしてます。
オルガン、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスが一体となってサウンドを築き上げている、そんなナンバーです。
それは、ラストの6曲目"Communication"にも言えますが、何故、一聴してVANILLA FUDGEを思い出したかといいますと、オルガンやギターの音はもちろんですが、サウンドがサイケデリックだということが言えると思います。
VANILLA FUDGEの初期作品や60年代ロック、サイケデリック・ロックが好きな方にお薦めのアルバムですね。
あとは40代以上のロックが好きな方にももちろんお薦めです。
こんなアルバムを500円で仕入れることが出来たことに感謝!
一応、カテゴリーを「サイケデリック・ロック」としておきます。
2007-03-25
Vanilla Fudge / Vanilla Fudge (1967)

発表は1967年ということで、今から40年前です。
今、このアルバムを聴いて思ったことは、40年経っても、基本的な音楽スタイルは変わっていない、ということです。
当時から40年遡った時はどうかというと、それはとても大きな変化があったわけです。
私が考えますに、1950年代、1960年代さらには1970年代にかけて音楽スタイルが大きく変化したのでしょう。
特に1960年代の変化は顕著だったと思います。
ロックンロール・ミュージックの出現がそれまでの音楽史を塗り替えたといっても過言ではないと思います。
そういう意味でChuck Berryは偉大なミュージシャンだったと思います。
また、The Beatlesはロックンロール・ミュージックをポピュラー化させたバンドでしたが、それ以上に彼等が偉大なのは、"Revolver"でポップ・ミュージックというもののサウンド・スタイルを大きく広げ、さらに、"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"で、ポップ・ミュージックに芸術性をもたらした、ということでしょうか。
また、ロックンロール・ミュージックにブルースを取り入れたCreamも忘れることが出来ないバンドです。
私は、ハードロックのルーツはこのCreamだと思っております。
そんな、The Beatlesのサイケデリックな面(後期の)とCreamのハードロック的な部分をうまくミックスさせて成功したバンドがこのVanilla Fudgeだと考えております。
当初のメンバーは、Mark Stein (Vo, G), Tim Bogert (vo,B), Vinnie Martell (Key), Carmine Appice (Dr)の4人となっております。
もちろん、サウンドの要は、Tim BogertとCarmine Appiceのリズム・コンビです。彼等の叩き出す音は、最高にカッコ良いです。
さらに、バンド・カラーのサイケデリックな部分を受け持っているVinnie Martellのオルガンの音は芸術的ですらありますし、Mark Steinのギターはハードにドライヴィングし、この4人が集まってこそ、Vanilla Fudgeの音楽だったのだと思います。
この1stには彼等の大ヒット・ナンバー、"You Keep Me Hanging On"が収められております。これは最高にご機嫌なハードロック・ナンバーだと思います。
また、The Beatlesの"Ticket To Ride","Eleanor Rigby"さらには、"People Get Ready"や"She's Not There"など他人の曲をカヴァーしておりますが、これらのナンバーに共通するのが、とてもサイケデリックなアレンジで、それが最高にカッコ良いということなんです。
自分たちのナンバーみたく、うまく消化しているのが、このバンドの上手さであり、魅力となっているのだと思います。
とりわけ、前出の"You Keep Me Hanging On"や彼等の3rdアルバム"Renaissance"に収められていたDonovan作の"Season Of The Whitch"なんかは、殆ど彼等のオリジナル・ソング然としており、彼等のサウンド・スタイルを良く現していたナンバーだと思います。
このVanilla Fudgeというバンドもその後の音楽スタイルに多大な影響をもたらした偉大なバンドだと思います。
また、彼等のサイトを見ますと、いまだライヴ活動をやっており、新作も録音中とか。
とにかく、この1stアルバムは最高に良く出来た、サイケデリックなアルバムです。