2010-11-29
Indranil Bhattacharya & Aashish Khan / Homage To Our Guru (1994)

インドの楽器「シタール」の音を最初に聴いたのは、The Beatlesの"Revolver"でした。
摩訶不思議な音色に戸惑ったというか異様なとか、そんな感じを受けたのを覚えております。
The BeatlesというよりGeorge Harrisonと言った方が良いですが、それ以降、The Rolling Stonesを始め、いろいろなロック・ミュージシャン達が「シタール」をパフォーマンスの一つとして取り入れるようになった訳です。
"Within You Without You"はシタールをパフォーマンスのメインとして本格的に取り入れた一番最初のポップスではないでしょうか。
私は、このブログにも何度も書いているように、1965年以前のロックンロールを中心とした初期The Beatlesよりもスタジオに籠って当時の録音技術の粋を集めていろいろと実験しながらもメロディに磨きをかけた後期The Beatlesの方が好きです。
世界には、いろいろな民族楽器がありますが、シタールという楽器の知名度を上げ、こうして誰もこの音を聴く、聴けるようになったのも、The Beatlesというバンドが存在していたからだと思います。
シタール奏者はもちろんインドにはたくさんいるのでしょうが、私たちが良く知っているアーティストはRavi Shankerでしょうね。
バングラデシュのコンサートの2枚組のレコードのトップに収められていたのがRavi Shankerによる"Bangla Dhun"というナンバーでしたが、コンサートに先立ってGeorge HarrisonがRavi Shanker達を紹介しますが、その時に「インド音楽はとてもシリアスな音楽だから、静かに聴いてくれ。」みたいなことを言っていたと思いますが、本当に、シタールの音色や独特なメロディや座りながらの静的なパフォーマンスは多分に精神的な感じがして、瞑想にピッタリの音楽だと思います。
また、George Harrisonの2ndアルバム"Living In The Material World"のイラストなんかは多分に曼荼羅的で微妙にそそられるところがあります。
それ以来、ときどきシタールのアルバムを聴きたくなり、今は5,6枚持っております。
本日紹介するアルバムもその1枚で、Indranil Bhattacharyaというシタール奏者とAashish Khanというサラド奏者のデュエット・アルバム"Homage To Our Guru"です。
Aashish Khanは前出の"Concert For Bangladesh"でのサラド奏者Ustod Ali Akbar Khanの息子です。
ほかにAnindo ChatterjeeのタブラとShefali Nagのタンブーラの4人によるパフォーマンスです。
収録ナンバーは、
01 Darbari Kanara 27:30
02 Kiravani 31:40
03 Khammaj 16:05
の3曲です。
1曲ずつがとても長いですが、01はゆったりと流れるナンバーですので、このようにブログを書いている時のBGMとしても最適ですし、瞑想(ほとんどすることが無いですが)にはやはり持ってこいの音楽です。
02、03もゆったりと流れるナンバーですが、タブラとタンブーラの音がとてもいかしていて、全体的に心地良い感じが良いですね。
札幌市内には「タジ・マハール」というインド人がシェフのインド料理店(というかカレー専門店)がありますが、ここへ行くと、BGMはもちろんインド音楽で、壁のいたる所に曼荼羅絵が貼られておりますが、私はここのカレーが好きです。
何よりも、曼荼羅絵を見ると、ホント、微妙に心が疼くんです。
たまには、良いですよ、インド音楽も。
そう言えば、Ravi ShankerとGeorge Harrisonのコラボのボックス・セットも発売されますね。
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2010-10-07
Various Artists / Bossa Nova (2006)

ここでは、CDのほか単行本の購入で良く利用しているお店ですが、CDの値段は結構安めです。
まあ、「Geo」や「Book Off」同様に2000年代に入ってからのダブついているポップスやヒップ・ホップといった種類のものが多いのですが、時々お宝があります。
今日も、ジャズのお宝(レア盤)を4枚ほど購入してきました。
全て輸入盤で売値は380円から480円でしたが、家に帰り、Amazonマーケットプレイスで検索したところ、最低でも2000円、高いもので4000円近い値段で売ってました。
こういうことがあるので、中古ショップ巡りが楽しみなんです。
で、本日紹介するヴァーブ・レコードから発表されたコンピレーション・アルバムの"Bossa Nova"も国内盤の帯無が580円で売っておりましたので、たまにボサ・ノバを聴くのもよいかなぁと思い、この値段だったらということで購入しました。
収録ナンバーとアーティストは、
01 Mas Que Nada (Tamba Trio)
02 The Girl From Ipanema (Sergio Mendes Trio)
03 Copacabana (Klaus Doldinger Quartet)
04 Discussao (Sylvia Telles)
05 Tristeza (Baden Powell)
06 El Gento (Joe Pass)
07 Upa, Neguinho (Edu Lobo)
08 Triste (Oscar Peterson)
09 Wave (Art Van Damme)
10 Useless Landscape (Ella Fitzgerald)
11 O Barquinho (J.T. Meirelles)
12 Desafinado (Coleman Hawkins)
13 Agua De Beber (Astrud Gilberto)
14 Bossa Nova Cha Cha (Luiz Bonfa)
15 A Felicidade (Bob Brookmeyer)
16 Meditation (Elsie Bianchi)
17 Once Again (Stan Getz & Laurindo Almeida)
18 Chega De Saudade (Antonio Carlos Jobim)
となっております。
ボサノバ界の有名アーティスト、有名ナンバーからマイナー(私が知らないだけかも知れませんが)なアーティスト、ナンバーが18曲も収録されております。
購入のきっかけは、冒頭の「たまにはボサノバ」ということと、ジャケット・デザインそして価格でしょうか。
棚に置かれてましたが、先ずジャケットが目に入り、デザイン的にもなかなかじゃないか、で、ボサノバ?(知っているミュージシャンも知っているボサノバの有名曲も入っているし)、580円か、じゃ買ってみようか、という具合でした。
実店舗でCDを買う時は、購入を決意するまでの過程が楽しめるのが一番ですね。
ネットだとこういう訳にはいきませんよね。
ジャケットが掲載され、レコード会社が判れば、物によってはある程度想像もつきますが、ジャケットが掲載されておらず、商品説明もなかったら判断できず、いくら安くても購入を躊躇ってしまいます。
実店舗だと、実際に手に取って見て、さらに裏ジャケ辺りにプロデューサーの名前が書いてあるものが多いですし、参加ミュージシャンのクレジットが掲載されていれば、ほぼ内容も判ります。
私的にも、ここ数年はネットでCDを購入することの方が殆どですが、実店舗は、こういった楽しみがありますので、お宝探しを兼ねて中古ショップへ良く出向いてます。
札幌市内も中古ショップの数は減ってますし、新譜を扱う店舗は、Tower Records、HMV Sapporoそして昔からある玉光堂くらいしかありません。
もちろん、HR/HM専門の「Rocks」やプログレ、70年代のハードロック専門の「Third Ear」といた新譜を扱うお店はあり、こういったお店はマニア向けですので、購買層は限られますが、これからは、こういったお店が残っていくんだと思います(もちろん、店舗の従業員は自分の取り扱っているジャンルに精通している必要はありますが)。
ネットショップも同じだと思います。
AmazonやHMVあるいはTowerなど(といいながらも業績はあまり芳しくないようで、企業合併あるいは吸収されているメジャーなショップもありますが)は別として、個人あるいは中小零細企業がネットショップの経営を考えた場合、専門的な知識を習得し、特化していかなければ立ち行かなると思います。
で、昨日の続きではありませんが、私がオープンしようとしているショップは、「AORとメロディック・ロック専門の中古ショップ」をうたい文句しております。
幸い、その分野はリアル・タイムで経験しており、評論家ほどの知識は有しておりませんが、人並み以上の知識はあると思いますので、そこそこ対応できるのではと考えております。
ショップ・オープンの暁には、是非、皆様のご利用をお待ちしております。
で、本日の"Bossa Nova"ですが、BGMとして持って来いのアルバムです。
今もこのCDを流しながらこのブログを書いておりますが、全く邪魔になりません。
心地よいボサノバのリズムがとてもいかしたアルバムです。
2009-09-23
Dead Can Dance / Spiritchaser (1996)

彼らの音楽性は、いろいろなジャンルから持ち込まれた要素を持ちこんでおり、特定のジャンルに当てはめることは難しいく、初期の3作品はゴシック的であると良くいわれております。
しかしながら、The Serpent's Egg以降の作品では、古代や世界の様々な民俗音楽の手法を引用し、独特なスタイルのワールドミュージックであると考えられております。
私が彼らを初めて知ったのは最近のことで、昨年、Tower Recordsのバーゲンで、1stアルバム"Dead Can Dance"と3rdアルバムの"Within The Realm Of A Dying Sun"を手に入れてからです。
特に、3rdまではいわゆるゴシック(ただし、メタルでは決してありませんが)的なサウンドであると楽しみにしておりましたが、良い意味で肩透かしにあったような感じでした。
彼らのサウンドを表すジャンルとして、Ethereal Wave、Dream Pop、World Music、Darkwave、Gothic、Post-punk (1981–1985)、Ambientといろいろと使われておりますが、初期3作につきましても、Gothicだけに当てはまるような感じはなく、多分に前衛的であり、上に挙げたジャンル以外にProgressiveという言葉があっても良いかも知れません。
さすがGothicと標榜されたバンドらしく、Dead Can Danceのナンバーは、Liv KristineやGothic Metal の雄Paradise Lostが2002年に発表した"Symbol of Life "でXavier"をカヴァーしたり、さらにオランダのGothic MetalバンドThe Gatheringが"In Power We Entrust The Love Advocated"をカヴァーしております。
また、Sarah Brightmanも"Sanvean"などをカヴァーしております。
本日紹介する"Spiritchaser"は解散前の1996年の作品ですが、2005年に再結成をしているもののオフィシャルのスタジオ・アルバムは発表しておりませんので、実質ラスト・アルバムと言っても良いかも知れません。
内容はというと、ダークなワールド・ミュージックとでも言っておきましょうか。
収録ナンバーは、
01 Nierika 05:44
02 Song Of The Stars 10:13
03 Indus 09:23
04 Song Of The Dispossessed 05:00
05 Dedcace Outo 01:09
06 The Snake And The Moon 06:11
07 Song Of The Nile 08:00
08 Devorzhum 06:14
の全8曲で、曲の長さを見てもかなり長いナンバーもあり、曲の長さだけでなく、そのサウンドもプログレ的ですらあります。
1曲目から一種独特の雰囲気のナンバーで、Lisa Gerrardのヴォーカルがどこの言語か全く不明で、また、どこか妖しく、バックのパーカッションの音がとても印象的です。
3曲目はほぼインド音楽しており、そのメロディの一部(ストリングス部分)がThe Beatles (George Harrison)の"Within You Without You"のそのまんまのメロディで、このナンバーについては、彼らはGeorge Harrisonから許諾を得たということらしいですが。
これを聴いた時は、ビックリでしたね。
4曲目はフラメンコ・タッチのナンバーですが、もの悲しいメロディはとてもそそります。
ヴォーカルは、Brendan Perryが担当しておりますが、バックのギターとピアノがとても暗鬱ながら美しく、まさにこれはゴシックです。
3曲目も聴きものですが、この4曲目もとても素晴らしいナンバーです。
6曲目はアメリカ・インディアンが奏でるようなナンバーです。
ヴォーカルは、Brendan Perryでこれまた言語不明の妖しい雰囲気のナンバーです。
7曲目は"Song Of The Nile"というタイトルらしくエジプトを連想させてくれるナンバーです。
こちらも言語不明の妖しい感じのナンバーです。
8曲目はEnigmaにも通じるニューエイジっぽいアンビエント・ミュージックです。
Sarah Brightmanがカヴァーしたくなるのも判ります。
Dead Can Danceのサウンドって、どこか癖になりそうです。