2013-05-01
大澤誉志幸 / CONFUSION (1984)

先ず、3rdアルバムの「CONFUSION(1984年)」、4thアルバムの「in・Fin・ity(1985年)」がCD化され、1stの「まずいリズムでベルが鳴る(1983年)」、2ndアルバムの「SCOOP(1984年)」などが2013年7月17日にリ・イッシューされる予定となっております。
この4作品が彼の絶頂期の作品といっても良いかもしれません。
どのアルバムも廃盤となっていたため、今までかなり高い取引をされていたようですが、今回のリ・イッシューは、初期作品を聴きたかった大澤ファンにとって、朗報だと思います。
私は彼の最初からのファンで、とにかくあのかすれ気味の独特なヴォーカルとソング・ライターのセンスの良さに惹かれておりました。
当時、角松敏生、黒住憲吾、浜田金吾そしてこの大澤誉志幸をジャパニーズAORとして良く聴いておりました。
大澤誉志幸の中で最も好きなアルバムは1st、次に2nd、そしてこの3rdとなりますが、この3rdには彼の大ヒット・ナンバー「そして僕は、途方に暮れる」が収録されております。
さらに私の好きなナンバー「雨のタップダンス」も収録されております。
このナンバーはメロディアスなバラード・ナンバーで、特にバックのピアノの音色は最高です。
「その気×××(ミステーク)」は確か化粧品のCMに使われたナンバーだったと思いますが、これまたノリの良いファンキーなナンバーで出来はかなり良いです。
さらに「BROKEN HEART」はパワー・バラード風のとてもメロディアスなナンバーで、これも一押しです。
もちろん他のナンバーの出来も良く、さすが大澤誉志幸といった感じです。
とにかく、本作を含む大澤誉志幸の初期4作品はお勧めのアルバムばかりです。
2013-01-12
荒井由実 / SUPER BEST OF YUMI ARAI (2 CD)

そうですね、今から40年弱前に友人から荒井由実のアルバムを紹介され、彼女の1stの「ひこうき雲」と2ndの「MISSLIM (ミスリム)」を、当時かなり聴き捲った記憶があります。
彼女も歌はそれほど上手だと思いませんが、ソング・ライターの資質は素晴らしいものがありますし、1stと2ndは雰囲気最高のアルバムです。
彼女の作品を取り上げたミュージシャンは、Hi-Fi-Setを始め、先日紹介した石川セリ、郷ひろみ、松田聖子、南沙織など列挙すれ暇もないくらいで、どのナンバーもいかにも荒井由実(松任谷由実)然としたナンバーばかりです。
特にHi-Fi-Setに提供したナンバーは名曲が多く、自らもカヴァーしております。
本日は、彼女の初期作品を収録したベスト・アルバム「SUPER BEST OF YUMI ARAI」を紹介いたします。
このアルバムは2枚組のベストで、
ディスク:1
01. ひこうき雲
02. 恋のスーパー・パラシューター
03. 空と海の輝きに向けて
04. きっと言える
05. 雨の街を
06. 返事はいらない
07. そのまま
08. 瞳を閉じて
09. やさしさに包まれたなら
10. 海を見ていた午後
11. 12月の雨
12. 魔法の鏡
13. コバルト・アワー
14. ルージュの伝言
15. ベルベット・イースター
ディスク:2
01. 卒業写真
02. 航海日誌
03. チャイニーズ・スープ
04. 少しだけ片想い
05. 雨のステーション
06. あの日にかえりたい
07. さざ波
08. 14番目の月
09. さみしさのゆくえ
10. 朝陽の中で微笑んで
11. 中央フリーウェイ
12. 天気雨
13. 避暑地の出来事
14. グッド・ラック・アンド・グッド・バイ
15. 翳りゆく部屋
の計30曲が収録されております。
東芝EMI時代の初期作品のベストですが、この当時のサウンドが一番好きです。
ベスト・アルバムですので、もちろんどのナンバーも最高にいかしてますが、ディスク1の01を聴いた時には、ちょっと物哀しい歌詞がちょっとばかり衝撃的でしたが、メロディ・ラインはもうこれは最高ですね。
私が特に気に入っているナンバーは、ディスク1の01、03、04、05、07、08、09、10、11、12、14、15、ディスク2では、02、05、06、10、11です。
しかしながら、ディスク1の10、ディスク2の05、10、11などはHi-Fi-Setのカヴァーが好きですが。
名曲を、心に残るあるいは何度聴いても飽きないと定義するとしたら、もちろん異論はあると思いますが、荒井由実時代に書かれたナンバーに名曲が多かったと思います。
彼女の最近のリ・イッシュー状況を見ても、やはり初期作品が多いことからも判ると思います。
今考えても、彼女の1st、2ndは衝撃的な作品だと思いますね。
2013-01-10
石川セリ / ときどき私は...

2013年最初に紹介するアルバムは、石川セリの1976年発表の「ときどき私は...」です。
このアルバムは一度CD化されましたが、昨年暮れに「タワー・レコード限定」で彼女のアルバムの何枚かがリ・イッシューされたものの1枚です。
作品の内容は、荒井由実の作品が数曲収録され、プロデュースは松任谷正隆が担当し、「なんとなく……」でシュガー・ベイブがコーラスで参加するなど、当時のいわゆるニュー・ミュージックです。
もちろん、当時はアナログ・レコードを擦り切れるほど聴いた1枚です。
父親がアメリカ人、母親が日本人のハーフということもあり、かなりの美形で、ジャケットの印象が収録曲の「SEXY」とピッタリでした。
歌はそれほど上手いと思いませんが、雰囲気は最高です。
既に20枚ほどアルバムを発表しており現在も活動中ですが、確か60歳という年齢にも拘わらず最近の写真を見ても、やはり綺麗でした。
彼女の大ヒット・ナンバーは、「ダンスはうまく踊れない」ですが、このナンバーは後に結婚する井上陽水が彼女のために作ったナンバーだとか。
このアルバムには、
01 Introduction~朝焼けが消える前に
02 霧の桟橋
03 ときどき私は……
04 虹のひと部屋
05 なんとなく……
06 さよならの季節
07 ひとり芝居
08 SEXY
09 TABACOはやめるわ
10 優しい関係
11 フワフワ・WOW・WOW
12 遠い海の記憶
の12曲が収録されております。
01、02、07が荒井由実の作品でやはりお勧めです。
タイトル・ナンバーの03なんかもかなりいかしてますし、08、11も出来は良いです。
もちろん他のナンバーも含め、このアルバムには「雰囲気」があります。
伊藤銀次、後藤次利、村上秀一、矢野晶子、斉藤ノブ、松木恒秀など当時のニュー・ミュージック界のミュージシャンが脇を固めており、まさにジャパニーズAORといった内容だと思います。
今年も「タワー・レコード限定」には目が離せません。
2012-10-05
松下誠 / FIRST LIGHT (1982)

かなり良く出来たAORアルバムです。
昨日紹介いたしました芳野藤丸の1枚と肩を並べる程の内容です。
3曲目、7曲目の2曲の短いナンバーは、まあアクセントみたいなものですが、それ以外の全ての曲の出来は最高に素晴らしいAORナンバーです。
ボーカルはそこそこという感じですが、松下のギター・プレイはもう最高です。
1曲目のタイトル・ナンバー"First Light"はカッコ良いベースの音がビンビンのアーバンなAORです。
アレンジも洒落ていて、これが松下 誠の音を如実に顕しているナンバーだと思います。
途中のフルーゲル・ホルンの音が最高のアクセントになっています。
かなりお薦めのナンバーだと思いますね。
2曲目の"One Hot Love"では、松下 誠の最高にいかしたギター・ソロが聴けます。
メロディもとてもいかしていて、もう云う事なしのAORナンバーです。
こんな最高なナンバーを奏でる日本のAORアーティストがいるなんて、最高ですね。
4曲目の"September Rain"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
この曲は全編英語で歌われています。
作詞は本人で、使われている単語も難しいものはないけど、それでも英語で詩を書けるなんて羨ましいですね。
とても素敵なバラードだと思います。
5曲目の"Lazy Night"もバラード・タイプのナンバーです。
こういった軽めのナンバーでは松下 誠のヴォーカルが本当にフィットしています。
それにしても、彼のギター・プレイは最高ですね。
6曲目の"This Is All I Have For You"は、1曲目に似たタイプのアーバン・フィーリング溢れるAORナンバーです。
AB'Sのアルバムを聴いても似たタイプの曲は、松下 誠の作によるナンバーですので、やはり、この音が松下なんです。
7曲目の"I Know ..."は、再び英詩のナンバーです。
アカペラ・タッチのバラード・ナンバーですが、私にとってはちょっと消化不良の感も。
8曲目の"Love Was Really Gone"も全編英詩のナンバーです。
この曲もバックのベースがビンビンのメロディアスで最高にいかしたナンバーです。
もう堪りませんね。
ラスト・ナンバーの"Sunset"は出だしの音に違和感がありますが、全体的にはメロディアスなナンバーです。
しっとりとしたバラード・ナンバーで、曲の後半はとても素晴らしいですね。
バックのピアノの音がとても良い。
最近、「タワー・レコード限定」ということで、この1stと2nd、3rdがリ・イッシューされました。
私は、最初にCD化された時に、全て買い揃えましたが、2nd、3rdはプログレチックが強まり、1stだけあればいいか、と一度手放してしまいました。
その後、再度聴きたいと後悔しておりましたので、今回のリ・イッシューはとても嬉しかったです。
これらのアルバムも、芳野藤丸、AB'Sの各アルバム同様、5桁近い価格が付いていたので、Japanes AORファンの方には朗報だった筈です。
HMVでもAmazonでも売っておりません。
Tower Recordsだけです。
2012-10-03
芳野藤丸 / YOSHINO FUJIMAL (1982)

先日紹介いたしました浜田金吾、山下達郎のほか、松下誠、Hi-Fi-Set、荒井由実、大澤誉志幸、上田正樹、南義孝、黒住憲五、角松敏生など80年代のアルバムを引っ張り出しては聴いております。
そして本日紹介いたします芳野藤丸もこのアルバムを含め、最近発表された「ショーグン」のベスト・アルバムなんかもヘヴィー・ローテーしております。
先日もブログでも書きましたが、タワー・レコード限定やVIVID SOUNDからこれら80年代のJapanese AOR作品のリ・イッシューが進んでおり、確かAB'Sあたりもその内リ・イッシューされるといったアナウンスもあったと思います。
そのAB'Sのリ・イッシューに先駆けて再CD化されたのが、芳野藤丸の1stと2nd。
この2枚は、過去に2回CD化されておりますが、今まで、5桁近い高値の花でした。
私は既に最初にCD化されたものを持っておりますが、今回のリ・イッシューがSHM-CDの紙ジャケ仕様ということ、さらにボーナス・トラックとして"Girl's In Love With Me"のアコースティック・ヴァージョンが収録されているということで、再度購入。
とにかく、この1st"YOSHINO HUJIMAL"はAB'Sのメンバーが全面的にバック・アップしたアルバムで、今回はSHM-CDということで、音もかなりクリアになっておりますし、内容的にもう申し分のない出来です。
1982年に発表された時、1曲目の"WHO ARE YOU?"を聴いて、一発でノック・アウトを食らった作品です。
芳野藤丸のヴォーカルもギターのカッティングも最高ですし、松下誠のギター・プレイとJake H. Conceptionのサックス・プレイはもう言うことがありません。
また、このナンバーでは、桑名晴子とのデュエットを聴くことができますが、これが堪らなく素晴らしいんです。
もう、この1曲だけでお釣りがくる、そういったアルバムです。
2曲目の"Midnight Plus 1"も軽快なAORナンバーで、バックのメンバーもAB'Sを中心としたミュージシャンで固められ、悪いわけがありません。
サビのところが最高にいかした曲です。
3曲目の"One Shot Lady" でのギター・ソロは、松下 誠が担当しており、彼のギター・ワークはホントご機嫌です。
4曲目の"Free Way 5 To South"でも、芳野藤丸の軽快なギターのカッティングが最高です。
もちろんギター・ソロも。
5曲目の"Girl's In Love With Me"からは"in the NIGHT time"へと移りまして、夜を意識した作りとなっているようですが、サウンドは極端に変化しているということはなく、あくまでも曲の指向としてだと思います。
まあ、サックスが前面に出てくるとそんな感じもしますしね。
このナンバーでもJake H. Conceptionのサックス・ソロはとても心地よいです。
6曲目の"Shang-Hide Night"は、少しばかりエスニックしたサウンドが面白いナンバーで、ここでも軽快なギター・カッティングがご機嫌です。
7曲目の"Not What I'm Looking For"は、ちょっとばかりSteely Danを感じさせる曲です。
でも音のほうは、かなりファンキーだと思います。
この曲でも、松下 誠のギター・ソロはカッコ良いです。
8曲目のの"Pretender"は、AB'Sの1stに収められている"De Ja Vu"に似たタイプの曲です。
メロディアスなナンバーで、この曲では、Flugelhornがとても効果的で良い味を出しております。
ラストは、ボーナス・トラックの"Girl's In Love With Me"のアコースティック・ヴァージョンです。
素晴らしいアルバムです。