2006-06-30
Daryl Hall & John Oates / Abandoned Lucheonette (1973)

彼がプロデュースしたアーティストは数多く、代表的なアーティストとして、Aretha Franklin、Chaka Khan、Ringo Starr、Roy Buchananなどが挙げられ、いろいろなジャンルのアーティストの作品となっております。
また、彼はグラミー賞でも最優秀プロデューサー賞なんかも受賞しております。
そんなArif MardinがプロデュースしたアーティストにDaryl Hall & John Oatesがおり、彼等のアトランティック時代の初期作品です。
それが、今回紹介します、"Abandoned Luncheonette"です。
このアルバムはHall & Oatesの2枚目のアルバムで、彼等の1stの"Whole Oats"も彼のプロデュース作品です。
Daryl Hall & John Oatesはご存知のとおり、RCAレーベルに移籍後にメジャーなアーティストになりました。
ヒット曲は数多くあり、RCAの初期作品では、"Rich Girl"や"Sara Smile"なんかが有名ですし、David Fosterがプロデュースした2作品、"Along the Red Ledge"と"X-Static"はAORファンから絶大な支持を受けております。
また、"Voices"以降の4作品では、"Kiss On My List"、"Private Eyes"、"Maneater"、"Out Of Touch"など出す曲出す曲がことごとく大ヒットし、1980年代前半のアメリカ音楽界に衝撃を与えたといっても過言ではないと、思っております。
彼等のサウンド・スタイルはいわゆる「ブルー・アイド・ソウル」と呼ばれておりますが、その原型が彼等のアトランティックでの初期作品です。
アトランティック時代には、オリジナル・アルバムを3枚、ベスト・アルバムを1枚出しておりますが、その中でも最も良く出来たアルバムが、1973年に発表された、この"Abandoned Luncheonette"です。
このアルバムには、初期作品の中でも秀逸の"She's Gone"やKalapanaがカヴァーした"When The Morning Comes"などの重要なナンバーが収められております。
収められている曲はHall & Oatesの共作かDaryl HallとJohn Oatesのそれぞれのペンによるものですが、二人の共作による4曲目の"She's Gone"はメロディアスで最高にいかしたナンバーであることは、皆さんもご存知のとおりです。この曲に限ってはもう何もコメントする必要はないと思います。
1曲目の"When The Morning Comes"は前述のとおり、Kalapanaが彼等の1stアルバムでカヴァーしております。このナンバーを選んだKalapanaのセンスも素晴らしいですし、彼等のアレンジもオリジナルを殺すことなく、最高の仕上がりになっております。オリジナルのHall & Oatesでのヴァージョンももちろんそれ以上の出来ですが。
2曲目のHad I Know You Better Then"はJohn Oatesのペンによるナンバーで、リード・ヴォーカルも彼が務めてます。John Oatesの声質はDaryl Hallとは全く違っておりますが、味もあり、また、上手だと思います。彼が歌ったナンバーで最も好きなナンバーは、1982年に出されたH2Oに収められている"Italian Girls"というナンバーですが、この曲は最高にいかしたナンバーだと思いますね。
6曲目のタイトル・ナンバー"Abandoned Luncheonette"もメロディアスなナンバーで、バックのRichard Teeにピアノが良い味を出しております。
7曲目の"Lady Rain"はメロディがとてもいかしたナンバーです。ソウルフルに歌うDaryl HallとJohn Oatesのヴォーカルが最高にカッコ良いナンバーです。
8曲目の"Laughing Boy"はDaryl Hallのピアノの弾き語りのバラード・ナンバーです。
ラスト・ナンバーの9曲目"Everytime I Look At You"はとてもファンキーなナンバーで、Daryl Hallのヴォーカルもとてもソウルっぽく、かなりいかしてます。
このアルバムのバックを務めるミュージシャンは前出のRichard Teeのほか、Hugh McCrackenやBernard Purdie、Gordon Edwards、Ralph MacDonaldなどニューヨーク周辺のスタジオ・ミュージシャンです。
さらに、全曲で、Christopher Bondがギターやシンセで参加しておりますし、クレジットを見ますとアシスタント・プロデューサーとしても彼の名前があります。
このChristopher Bondですが、Arif Mardinの下できっちり修行を積み、その成果がDaryl Hall & John OatesのRCAレーベルでの最初の3枚のプロデュースに繋がった、ということなんでしょうね。
Arif Mardinについては、Roy Buchananの「メシアが再び」やRingo Starrのアルバムでとても良い仕事をしておりますので、そちらの方も是非!
それにしても惜しい人を失くしました。
ご冥福を祈ります。
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2006-06-29
Paul Carrack / Blue Views (1995)

Mike & The Mechanicsの大ヒット曲、"Silent Running"や"The Living Year"での印象が強かったかもしれません。
でも、この2曲を聴けば、Paulは歌が上手で味のあるヴォーカリストだと判ると思います。
過去に何枚かアルバムも出しておりますし、Roxy MusicやNick Lowe、Roger Watersなどのアルバムでセッション・ヴォーカリストを務めるなどキャリアも凄い人です。
そんなPaul Carrackが1995年に出したソロ・アルバムが今回紹介します"Blue Views"です。
このアルバムは最高に良く出来たAdult Oriented Rockです。AORではなく、あくまでAdult Oriented Rockです。
まさに大人向けのロックなんです。
スロウ、ミディアム・スロウのナンバーが多く収められたアルバムで、全ての曲がメロディアスなんです。
私も、Paul Carrackといえば、Mike & The Mechanicsしか連想しませんでしたが、このアルバムを聴く限り、ただのバンドのヴォーカリストではなく、とても魅力あるソロ・アーティストだと思いました。
このアルバムの1曲目"Eyes Of Blue"はそんなPaul Carrackの魅力が大きく発揮されたナンバーで、一押しの曲です。とにかくメロディが素晴らしいバラード・ナンバーで、Paul Carrackのヴォーカルもとても魅力的です。これは、まさにAdult Oriented Rockのバラード・ナンバーでしょうね。最高にいかした曲です。バックの、Paul Carrackのキーボードもとても素晴らしいです。
2曲目の"For Once In Our Lives"もメロディアスなバラード・ナンバーで言うこと無しです。
3曲目の"No Easy Way Out"はヒット性抜群のポップなナンバーで、サビの部分なんかとても覚えやすく、耳に馴染む曲です。
4曲目の"Oh Oh Oh My My My"はWill Jeningsとの共作のナンバーで、若干ブルージーですが、メロディアスなナンバーです。
5曲目の"Only A Breath Away”は、Brenda Russellとの共作のナンバーです。このナンバーも良く出来ていると思います。
6曲目の"Nothing More Than A Memory"も1曲目に比べると出来は落ちますが、それでも、平均以上のナンバーです。この曲もメロディアスなナンバーでお薦めです。
7曲目の"Somewhere In Your Heart"はRafe Van Hoyとの共作です。Rafe Van Hoyという名前を聞くと、喜ばれるAORファンの方がかなりいるかも。このナンバーもとても良く出来たAORのナンバーとなっています。途中のギター・ソロはカッコ良いです。
8曲目の"Love Will Keep Us Alive"はJim Capaldiとの共作です。この曲でのPaul Carrackのヴォーカルは伸びがあり、とても素晴らしいと思います。この曲もメロディアスなバラード・ナンバーです。お薦めの1曲ですね。
9曲目の"Always Have Always Will"もBurenda Russellとの共作です。この曲でのPaul Carrackのヴォーカルは、前曲とはいささか違いソウルを感じさせ、曲調もR&Bしています。
10曲目の"Don't Walk Over Me"はAORしたメロディアスなナンバーです。本当にPaul Carrackという人は情感的に歌う人です。
ラストの11曲目"Hoe Long"はPaul Carrackが70年代初頭に組んでいたACEというバンドのヒット曲で、新たにレコーディングされたナンバーです。かなり良く出来たポップなナンバーで、ヒットしたのも頷けます。このナンバーも超プッシュ曲です。ご機嫌な1曲です。
なお、このアルバムで、バックを務めるのは、ドラムスにAndy Newmark、ギターにRobbie McIntosh、キーボードにRod Argent、バッキング・ヴォーカルにKatie Kissoon、Tessa Nilesといった有名どころのミュージシャン達です。
2006-06-28
Kiki Ebsen / Red (1993)

このアルバムも今回手に入れるまで、全く知らないアーティストのものでした。
私の所有しているアルバムは国内盤で、1曲目と12曲目がボーナス・トラックとして収められたものです。
輸入盤は、Amazonマーケットプレイスではまだ売られているようですが、国内盤は廃盤となっているようです。
この国内盤も先日市内の大型リサイクル・ショップで280円で仕入れたものです。
輸入盤に未収録の1曲目は、"Kiss Me Again"というタイトルで、日本テレビ系のトレンディ・ドラマ「大人のキス」の挿入歌として使われたそうです(殆どテレビなんか見ないので、知りませんでしたが)。この曲は、オリジナル・ラヴの田島貴男が作曲したナンバーですが、とても素敵なバラード・ナンバーで、このアルバムの中で最もお薦めのナンバーなんです。そういった意味で、このアルバムは国内盤をお薦めしますが、既に廃盤となっているようですので、気になる方は中古CDショップ巡りをする必要があるかも。本当に素晴らしいバラード・ナンバーです。なお、12曲目は、同じ曲のアコースティック・ヴァージョンとなっております。
2曲目から11曲目までが、オリジナル・アルバムに収められているものですが、バック・ミュージシャンは、ギターにBuzzy Feiten、ベースにJimmy Haslip、パーカッションにLenny Castroらが数曲に参加しております。
2曲目の"My Desire"はミディアム・スローのAORナンバーで、曲の出来も良いです。ギターはBuzzy Feitenで、短めながらなかなかのギター・ソロを披露しております。
3曲目の"Diamond In The Dust"なんかもメロディアスなバラード・ナンバーで、とてもお薦めです。このナンバーでは、サックス(Boney Jamesという人で、Bobby Caldwellのツアー・メンバーでもある)とギター(こちらは、Gregg Montanteなる人物)の音が最高にいかしてます。このサックスとギターの音が曲をかなり盛り上げていると思います。
6曲目の"Candles"も3曲目に負けないくらいのアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーですが、この曲の魅力はKikiのヴォーカルと彼女が奏でるピアノの音でしょうか。彼女の歌はとても上手です。このナンバーもお薦めです。
8曲目の"Cool Water"では、Kenny GばりのBoney Jamesのソプラノ・サックスが聴けます。この曲もメロディアスなバラード・ナンバーでお薦めの1曲です。
9曲目の"I Won't Wait"もKikiの伸びやかなヴォーカルがとても魅力的なナンバーとなっています。メロディも良いし、これもお薦めですね。
このKiki Ebsenですが、1993年10月のBobby Caldwellの日本公演に一緒に来日し、同じステージに立ったとかで、Sin-Drome Recordsでは大分プッシュしていたようですが、結局この1枚のみだったようです。
2006-06-27
SRC / Lost Masters (1993)

彼等のサウンドを一言で言うと、「サイケデリックなハードロック」といった感じといえると思います。
ヘヴィさもありますが、適度にポップですしメロディに甘さもあります。ちょっと歪んだギターの音色がヘヴィさを醸し出しています。
彼等のデビューは1968年で、1970年代の初頭までバンド活動をしていたみたいです。その間3枚のアルバム、1stの"SRC"、2ndの"Milestone"、3rdの"Traveler's Tale"を発表しております。
今回紹介します"Lost Masters"ですが、録音時期が1970年から1972年の間となっておりますので、彼等の4枚目のアルバムとして録音された曲に未発表曲を追加したものとなっております。
このアルバムの1曲目から10曲目までが、彼等の4thアルバムとして録音された音源ですが、この"Lost Masters"が発表するまで日の目を見ることが出来なかったナンバーです。
実を言いますと、このアルバムを手にするまで、このSRCというバンドは知りませんでした。
このアルバムは、今日、市内の古本も置いてある小さな中古屋さんで1200円で仕入れたものですが、One Way Recordsから出ていたことと何となく気になる感じでしたので購入した次第です。
家に帰って早速CDプレーヤーにかけて、流れてきた音を聴いて、「うーん、これは!」と頷いてしまいました。
そこにあったのは、冒頭でも書きましたとおり、「ヘヴィでポップでサイケな音」でした。かなり好きです、こんなアルバムは。
それで、ネットでこのバンドを調べると、アルバムを3枚出していることと、メンバーの一人でギタリストのGary Quackenbushが今だ現役で活動しているということでした。
メンバーは、Garyのほか、キーボードにGlenn Quackenbush(Garyと兄弟)、ヴォーカルにScott Richardson、ドラムスにE.G. Clawson、ベースにRichard Haddadの5人で、このうちベースのRichardを除く4人のメンバーはバンド当初からのメンバーで、Quackenbush兄弟とG.E. ClawsonはこのSRCの前身のバンドThe Fugitivesで一緒だったようです。
この"Lost Masters"ですが、お薦めの1曲目"After Your Heart"はとってもポップな覚えやすいメロディを持った曲です。
2曲目の"Gypsy Eyes"はハードロック然としたナンバーで、ご機嫌な1曲です。
3曲目の"Valerie"はインスト・ナンバーですが、この曲でのギター・ソロは圧巻です。
4曲目の"Love Is Here Now"はそれこそこの時代のポップさを持ったナンバーですが、バックのギターのハードさが堪らないです。
5曲目の"Heatwave"はHolland-Dozier-Hollandのペンによる超有名曲のカヴァーです。ロック調のアレンジに乗るギター・ソロがカッコ良いです。
7曲目の"Badaz Shuffle"はどこかUriah Heepっぽいメタリックな音を持ったインスト・ナンバーです。バックのキーボードなんかモロUriah Heepといったところか。
8曲目の"Eliza Green The Shimmie Queen"はとてもカッコ良いロックンロール・ナンバーで、ホント、ご機嫌な1曲です。好きですね、こんなロックンロール・ナンバーは。
12曲目の"No Rules In Love"はポップでメロディアスなナンバーです。コーラス・ワークがいかしたナンバーとなっております。
14曲目の"Lovelight"もHolland-Dozier-Hollandのペンによる曲のカヴァーです。この曲での女性のバックコーラスは、モロ、モータウン・ソウルしているところが堪りませんね。
17曲目のEvil"はWillie Dixonのペンによるブルース・ナンバーで、Hawlin' Wolf風に歌う声とバックのピアノ、さらにハーモニカの音がいかにもそれ風です。
18曲目の"I'm Crying"はThe Animalsのカヴァーで、16曲目の"Get The Picture"もそうでしたが、いかにもEric Burdonを意識した歌い方をしているナンバーです。この2曲は、後期The Animals風を感じさせるナンバーです。
19曲目のRide The Wind"は他の曲と違って、アコースティカルなポップ・バラードで、メロディが最高にいかしてます。ほんわかした感じのナンバーです。
ラストの20曲目の"Richard's Song"は、メンバーのベーシストのRichard Haddadに捧げたメロディアスなバラード・ナンバーです。このRichardですが、1977年に自動車事故で亡くなったようです。Richsrdを除く4人のメンバーで作られたナンバーですので、この曲だけ、1977年以降の録音かも知れません。
このアルバムが気に入り、オリジナル・アルバムを探してみましたら、以前には同じくOne Way Recordsから出ていたようですが、既に廃盤となっているみたいです。Amazonマーケットプレイスを見ますと、かなり高い価格で売っていました。EMIから出されているベストはまだ在庫もあるようですので、そのうち購入したいと思っております。
2006-06-26
Lost City / Watching You (1993)

洋楽通の御仁には、Kofi BakerとMalcolm Bruceと聞いて、アレッて思われる方もいらっしゃると思います。
先ず、Kofi BakerはGinger BakerのMalcolom BruceはJack Bruceの息子さんです。
さらにヴォーカルを担当しているRue Phillipsの3人で、1989年にTHE NOWというバンド名でアルバムを1枚出しております。
このTHE NOWにつきましては、私のホームページでも紹介しておりますが、かなりメロディアスなサウンドを持ったアルバムでした。詳細は、ホームページを参照してください。
ということで、この3人がTHE NOWを発展的解消して出来上がったのが、このLOST CITYのアルバムです。
バンド名も変わり、中身も相当変わっています。
基本にあるのは、ハードロックですが、このLOST CITYはTHE NOWよりもサウンドに広がりが出ました。
THE NOWでは、メロディアスなハードロックを演っておりましたが、このLOST CITYでは、相当LED ZEPPELINから影響を受けたのか、それもファークっぽいところが、かなりZEP風のハードロックを演っています。
また、全体的な作りとしては、あくまでもヴォーカル主体の楽曲で構成されています。
2曲目の"Egypt"は前奏のギターが若干ダークなメタリックな曲で、メロディもなかなか良く出来たナンバーで、お薦めの1曲です。このサウンドを聴くとTHE NOWとは相当変化していることが判ります。
3曲目の"Last Crescendo"の前奏のアコースティック・ギターの音は、Led Zeppelinの「天国への階段」を感じさせるナンバーで、Rue Phillipsのヴォーカルも多分にRobert Plantを意識していると思います。前半はバラード調で、中盤からギター・ソロが入るところなんか、モロ、「天国への階段」だと思いますね。もちろん、曲の出来としても、「天国への階段」には及びませんが、それでも、かなり良く出来てます。
4曲目の"Mad Dog"もかなりZEPPELIN風です。ヴォーカルのRueの声って、やっぱりRobert Plantに似てるかも。少なくとも、歌い方は、相当意識してますね。
6曲目の"I'll Be Watching You"なんかもシタールなんか使ったりして、この曲もモロZEPしていると思いますね。
9曲目の"Shine On"はメロディアスなバラード・ナンバーで、ブリティッシュ・ロックの香りがする曲です。お薦めの1曲です。この曲でのRueのヴォーカルは、THUNDER風です。
10曲目の"Life"は上手くストリングスを使ったナンバーで、Kofi Bakerは父親のGinger Bakerを髣髴させるドラミングを聴かせてくれます。
ラストナンバーの11曲目"Tears And T-Cells"は若干土着的なナンバーで、これまた、ZEP風の曲です。
このアルバムも昨日、リサイクル・ショップで280円で手に入れたものです。国内盤でした。
ZEPに興味のある方にはお薦めのアルバムだと思いますよ。
2006-06-25
DEWA / DEWA (2000)

ジャケットに写る4人の顔が何となく東洋系で、どんなバンドかも知りませんでしたが、ジャケット・デザインも良かったことから購入しました。
このDEWAというバンドですが、インドネシアのバンドみたいです。
でも、聴こえてくる音は、ジャケット・デザインに違わず、The Beatlesにも通ずるポップな音でした。
母国語で歌っておりますが、サウンド・スタイルは、メロディアスな曲がいっぱい詰まった少しおとなしめのパワーポップ系の音です。
もう、この音にはビックリです。インドネシアにもこんなセンスの良いバンドがいるなんて思ってもいませんでした。
1曲目の"Mukadimah"は美しいストリングスの短いナンバーで、2曲目の"Roman Picisan"の前奏みたいな曲です、その2曲目は、マイナーなメロディを持ったナンバーで、言うことありません。バックのストリングスも効果的です。
3曲目の"Dua Sedjoli"はとてもメロディアスなバラード・ナンバーです。バンドのメンバーでキーボードを担当しているDhani Ahmadなる人物が、全曲で作曲しておりますが、メロディ・メーカーとしても優れています。
4曲目の"Risalah Hati"は、メロディアス度最高の1曲で、Dhaniの作る曲は、メジャーなコンポーザーに比べても全くと言って良いほど負けてはおりません。このナンバーは最高にお薦めです。
5曲目の"Separuh Nafas"ちょっとばかりタイトな音を聴かせてくれますが、メロディは極上です。この曲もお薦めです。
6曲目の"Cemburu"はパワーポップ然とした元気のあるナンバーで、とてもポップな曲です。
7曲目の"Hidup Adalah Per Juangan"もOasis辺りを連想させてくれるパワー・ポップ・ナンバーです。このDhaniですが、ホント、優れたメロディ・メーカーだと思います。
8曲目の"Lagu Cinta"は一転してメロディアスなバラード・ナンバーです。おそらく曲作りに当たっては、The Beatlesの影響を受けていること大だと思います。
9曲目の"Cinta Adalah Misteri"もメロディアスなパワー・ポップ・ナンバーです。このバンドの魅力は、曲が良いのはもちろんですが、コーラス・ワークと演奏力の高さもあると思います。
10曲目の"sayap-Sayap Patah"はバックのドラムスとベースのリズム・コンビの音が最高にカッコ良いパワーポップ・ナンバーです。なかなかいかしてます。
ラスト・ナンバーの11曲目"1,000 Bintang"は1曲目同様、ストリングスの短いナンバーです。
このDEWAというバンドですが、本当にお薦めのバンドです。
音を聴く限りでは、インドネシア産ということが信じられないです(インドネシアの音楽事情が判りませんので、このように思うのかも知れません)。
サウンドを聴く限りでは、インドネシアは絶対に音楽後進国では無いと思います。
それにしても、280円は得しました。
2006-06-24
David Morgan / You Light Up My Life (1998)

そんなDavid Morganの初のリーダー作がこの日本編集によるミニ・アルバムです。
自作曲2曲にカヴァー曲4曲を収めたこのアルバムですが、とても良く出来たAORアルバムとなっております。
参加アーティストは、私の大好きなギタリストの一人のMichael Thompson、ドラムスはJohn Robinson、ベースにはNiel Stubenhausといったウエスト・コーストの有名ミュージシャン達です。
全編バラード・ナンバーで、カヴァー曲は、1曲目に"You Light Up My Life"で、このナンバーは「恋するデビー」という邦題でDebby Gibsonが歌って大ヒットしたナンバーです。Davidのヴォーカルは少し掠れた声の持ち主ですが、しっとり歌う声はこのナンバーにピッタリです。
2曲目の"So Far Away"はキャロル・キングのナンバーで、彼女の出世作で1971年に発表されたアルバム「つづれおり」に収められていたナンバーです。このナンバーについては、ロッド・スチュワートもカヴァーしております。とてもメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Can't Help Falling In Love"は、エルヴィス・プレスリーが大ヒットさせた「好きにならずにいられない」です。このナンバーも沢山のアーティストにカヴァーされておりますが、最近では、コリー・ハートのナンバーが有名です。David Morganが歌うこのヴァージョンもなかなかです。
4曲目の"The End Of The World"は、スキーター・デイヴィスの大ヒット・ナンバーで、彼女のオリジナル・ナンバーは本当にいかした曲です。David Morganのカヴァーもオリジナル曲がとても良い曲ですのでそこそこ聴けますが、この曲に限っては、スキーター・デイヴィスの右に出る人はいないと思います。
5、6曲目がDavid Morganの自作曲です。5曲目の"You've Still Got It"は、他のカヴァー曲より良く出来たAORナンバーで、自身のピアノの音がとても心に沁みる音ですし、とてもメロディアスなナンバーです。こんな曲を聴くと、David Morganのオリジナル・ナンバーでのフル・アルバムを聴いてみたくなります。
6曲目の"My Permission To Try"もピアノ主体のメロディアスなバラード・ナンバーです。
このDavid Morganですが、私はこのアルバムで初めて知ったアーティストで、その後のアルバムを期待していましたが、どうもこの1枚のみのようです。
かなりマイナーなアーティストだと思いますが、AORフリークを自称する方には是非聴いて欲しいアルバムですね。
2006-06-22
Billy Preston / That's The Way God Planned It (1969)

私が彼を初めて知ったのは、もちろんThe Beatlesの"Let It Be"でのアルバムですが、"Let It Be"でのあの味のあるオルガンがとても好きでした。また、"GET BACK"セッションを収めた映画"LET IT BE"でのルーフトップ・コンサートでの彼の演奏も忘れることが出来ません。
Billy PrestonはSam CookやRay Charlesといった大物アーティストのツアー・メンバーも務めており、George HarrisonがThe Beatlesのバッキングのキーボーディストとして誘ったということは有名な話です。
彼のオフィシャル・サイトを見ますと、"Let It Be"のほかに"White Album"でもバックを務めたようです。
その後は、George Harrisonのソロ・アルバムのほぼ全て、Ringo StarrやJohn Lennon、さらにはThe Rolling StonesやEric Claptonなど有名なアーティストのアルバムでバックを務めたのはご存知のとおりです。
特に、"Consert For Bangla Desh(バングラ・デシュのコンサート)"での彼のパーフォーマンスは他の出演者より光輝いておりましたっけ。最近、画質も音質も向上したDVDが再発されましたが、今回紹介するアルバムにも収められている"That's The Way God Planned It"のパーフォーマンスは、心温まるパフォーマンスで、Billyが皆に親しまれていることが良く現れているものでした。
BillyはApple Recordsに2枚のアルバムを残しておりますが、この"That's The Way God Planned It"はAppleでの1枚目で1969年に出されたものです。
このアルバムのプロデューサーはGeorge Harrison(中の数曲は違いますが)で、バック・ミュージシャンには、George HarrisonのほかRingo Starr、Eric Clapton、Nicky Hopkinsなどが務めております。
特に、タイトル・ナンバーの12曲目"That's The Way God Planned It"は、シングル・カットもされ、ファンキーですが、とてもメロディアスなナンバーです。Billyのヴォーカルやオルガンの音は最高にファンキーで申し分ありませんし、バックのClaptonのギターの音も最高です。
また、このアルバムには、ボーナス・トラックが3曲収められておりますが、13曲目の"Through All Times"はゴスペル・タッチのメロディアスなナンバーです。
14曲目の"As I Get Older"はRay Charlesのプロデュースによるロックン・ロールのインスト・ナンバーで、シングル・カットもされています。バックのピアノはおそらくNicky Hopkinsだと思いますが、ご機嫌な1曲です。
また、ラストの15曲目の"That's The Way God Planned It"はAlternate Versionとなっております。
"That's The Way God Planned It"というナンバーは本当に最高にいかしたナンバーですので、是非聴いて欲しいですね。
また、この曲のライヴ・パフォーマンスを収めた「バングラ・デシュのコンサート」も一見の価値ありだと思います。
John Lennonが亡くなり、またGeorge Harrisonが亡くなり、さらにBilly Prestonが、ですから60年代70年代の音楽を築いた人たちが居なくなるは、本当に寂しい限りです。ご冥福を祈ります。
2006-06-21
Eric Clapton / Jesus Coming (2 CD) (2001)

The Beatles(ソロも含め)、Eric Claptonk\関係、Badfinger、Bostonぐらいです。オフィシャルのライヴ・アルバムもこれらのアーティストが殆どですね。大抵の人はライヴの臨場感が好き、ということでライヴ・アルバムを購入するのでしょうが、私は、どちらかと言うと、スタジオ録音での完成された音の方が好きですね。
でも、前出のアーティストに限っては、単に大好きということで、かなりの数を所有しておりますが。
以前にも書きましたが、私といたしましては、Derek & The Dominos時代のClaptonが一番好きです。"Layla & Other Assorted Love Songs"に収められている曲は全て好きですが、特に、"Bell Bottom Blues"、"Nobody Knows You When You're Down And Out"、"Why Does Love Got To Be So Sad"、"Have You Ever Loved A Woman"、"Layla"の5曲が飛びぬけて大好きです。
このアルバムに関しましては、オフィシャルで出された4種類(最初にCD化されたもの、Laylaセッションの3枚組、SACDでリマスターされたもの、でかジャケのもの)を持っております。もちろん、アナログも。
とにかく、このアルバムが大好きなんです。
で、今回紹介しますEric Claptonのブートですが、2枚組で、1975年のパフォーマンスのオーディエンス録音のもので、先ず演奏されている曲が気に入ったこととCarlos Santanaが1曲"Why Does Love Got To Be So Sad"でゲスト出演していることです。
オーディエンス録音ですが音はそこそこです。
"Have You Ever Loved A Woman"が収められていないのがちょっと淋しいですが、その他の選曲はとても良いですね。
Disc 1の2曲目の"Layla"はまあ別格として、3曲目の"Bell Bottom Blues"はとても良いですね。この辺は、スタジオ録音と違い、Claptonのライヴでのギターを堪能できます。ホント、この曲って最高にいかしてますね。一昨年でしたか、Claptonの来日コンサートでも演ってましたが、まさに鳥肌モノでした。
Disc 2の3曲目"Crossroads"についても以前にコメントしましたが、この曲もライヴで何度も演奏された曲ですが、この曲に限っては、Creamの"Wheels Of Fire"に収められているヴァージョンが最高に良いと思います。このCreamのヴァージョンは曲が短めですが、とても迫力あるClaptonのギターが聴けるのが最高です。そのほかのヴァージョンは単に冗長であったりで、ちょっと詰まんない感じがします。それでも、最近のCream再結成のアルバムでのヴァージョンはまあまあでした。
4曲目の"Why Does Love Got To Be So Sad"については、Derek & The Dominosのオフィシャルのライヴ・アルバムのヴァージョンが最も好きですね(このブートには収められておりませんが、"Have You Ever Loves A Woman"もDerek & The Dominosのオフィシャルのライヴ・アルバムに収められているヴァージョンが最高ですが)。このブートには、前述のとおりCarlos Santanaがゲスト出演しておりますが、これが最高にいかしたライヴ・パフォーマンスなんです。20分弱の曲で、Carlso Santanaとのギター・バトルというかインプロヴィゼーションは最高です。こういったところにライヴ・アルバムの価値があるのだと思います。
Bootlegですので、音質は望むべくもありませんが、臨場感やインプロヴィゼーションといった迫力が大事な要素になると思いますが、そういった意味では、このアルバムの出来はとても良いと思います。
2006-06-20
Miles Davis / Just Squeeze Me (10 CD Box) (2005)

以前に40枚組のジャズ・ピアノのボックスを4000円弱とか、10枚組のボックス・セットが1500円を切る値段で、HMVで購入しました。
このボックス・セットを出しているレーベルは、ドイツのMembran Musicというレーベルで、かなりの数のアーティストのボックス・セットを出しております。
今回紹介しますこのMiles Davisの10枚組のボックス・セットも同じレーベルからのもので、17日の土曜日に市内のTower Recordsで手に入れたものです。
この時には、Miles Davisの他、Glenn Miller、Louis Armstrong、Benny GoodmanとFrank Sinatraほか9名のヴォーカリストを集めたボックス・セットなどを手に入れました。
その全てが、50年代の音源を集めた10枚組のボックス・セットで、価格も1500円を切るものでした。
聴きますと、確かに音源は古く、雑音が入っているものもありますが、おそらく、オリジナル・テープからのCD化だと思いますので、以前までは貴重な音源だったのであろうと思います。
1950年代といえば、私が生まれた年代ですので、もう50年近く経っておりますが、その当時の雰囲気はビンビンと伝わってくる感じがします。
このMiles Davisのボックスも、全て50年代の音源で、Prestige、Blue Note、Columbiaからのものとなっております。
1969年に発表された"Bitches Brew"以降の難解な音ではなく、あくまでもオーソドックスなジャズという感じが、かなり良いです。
普段、ジャズはピアノを中心に聴いており、トランペットは敬遠していたところがありますが、このボックスは結構耳に馴染めます。
それにしても10枚組のボックス・セットで1500円を切るという価格はとても安いです。1枚あたり150円しないということですから、対費用効果が抜群です。
このようなボックス・セットはおそらく50代以上の人をターゲットにしているのだと思いますが、実態はどうか判りませんが、私みたいに子供の頃から(中学生くらい)音楽をずっと聴いて来た者であれば、即買いだと思いますので、結構売れているのだと思います。
また、今の若い人にとっても、オリジナルの音源に触れてみるということでは、価値あるボックス・セットだと思いますね。
2006-06-18
The Raspberries / Greatest (2005)

その理由は、全曲新たにリマスターされた音源を収めているからです。
私も、オリジナルや他のベスト・アルバムを所有しているのにも拘らず、リマスターと聞いて思わず購入してしまいました。
以前にCherry Red Recordsから、ヒット曲をほぼ網羅したベスト・アルバムが出ていましたが、今回のベストも選曲については全く問題ありません。
リマスターされ、音も大分良くなりましたし、言うことありません。
以前にCherry Red Recordsからのベスト・アルバムをこのHPで紹介し、その時にも書きましたとおり、彼等は相当数のヒット曲を出しておりますが、今回のリマスター盤にも収められている、3曲目の"Don't Want To Say Goodbye"は何度聴いても最高にメロディアスなバラード・ナンバーですね。彼等の曲の中では、この曲が最も好きですね。
このアルバムはベスト・アルバムですので、もちろんとても良い曲ばかりが収められておりますが、3曲目以外には、1曲目の"Go All The Way"、5曲目の"I Can Remember"、6曲目の"I Wanna Be With You"、8曲目の"Let's Pretend"、12曲目の"Tonight"、14曲目の"Ecstacy"、18曲目の"Starting Over"、20曲目の"Overnight Sensation"などがシングル・ヒットした有名曲です。その他にも9曲目の"I Reach For The Light"や11曲目の"If You Change Your Mind"などメロディアスなナンバーばかりが収められております。
冒頭にも書きましたが、とにかくこのアルバムの目玉はリマスターされているということで、既にオリジナル盤や他のベスト・アルバムを所有していても、The Raspberriesファンであれば、間違いなく買いでしょう!!
そうでない方もBadfingerとパワーポップの雄として並び称されているこのThe Raspberriesの入門編としてもお薦めですね。
The Raspberriesは最高にいかしたパワーポップ・バンドだと再認識されること請け合いです。
2006-06-17
Eric Clapton / Eric Clapton (Deluxe Edition) (2006)

最近新たにリマスターされ、2枚組のデラックス・エディションとして再発されました。
アルバムの構成は、Tom Dowdのミックスによるオフィシャル盤に、Delaney Bramlettがミックスしたアンリリース・ヴァージョン、さらにアウトテイクのセッション、Delaney & Bonnieとレコーディングした曲などが収められております。
この1stソロは、数多く出されているClaptonのソロ・アルバムの中では、決して目立ったものではありませんが、冒頭にも書きましたとおり、Derek & The Dominos結成にあたって、とても重要なアルバムだと思っております。
私自身、Claptonのアルバムの中で一番好きなアルバムはDerek & The Dominosの"Layla & other assorted love songs"です。ブルースを基本としながら、本当にメロディアスなラヴ・ソングがたくさん収められており、彼の代表作ともなっております。
そんな"Layla & other assoreted love songs"への橋渡しとなったこのソロ・アルバムですが、内容的には渋めの曲が多く、その辺がイマイチ人気が薄い原因ともなっているのでしょうか?
でも、収められている曲の中には、彼の代表的ともいえるナンバーがかなり収められていることも事実です。
"After Midnight"、"Blues Power"、"Bottle Of Red Wine"なんかはその後のライヴでも何度も演奏されておりますし、"Let It Rain"はClaptonの中でも隠れた名曲だと思っております。
このアルバムを最初に聴いた時は、私もちょっと渋すぎるかなとも思いましたが、"Let It Rain"だけはとても気に入り、一番目に好きになったナンバーでした。
それでも、次作の"Layla & other assorted love songs"が出るまでの間、棚の中でホコリが被りそうになっていたのは事実でした。
でも、"Layla & other assorted love songs"を聴くようになってから、改めてこのソロ・アルバムを聴き直してみると最初に聴いた印象の「渋さ」という部分は変わらないものの、根底にあるブルース・マインドや曲の良さについて再認識することが出来ました。
また、このソロ・アルバムがなければ、Derek & The Dominosというバンドが結成されることも無く、あの名曲「いとしのレイラ」も存在しなかったのだろうと思います。
そういった意味からも、このソロ・アルバムはClaptonの数あるアルバムの中でも重要な意味を持ったアルバムだと言えますね。
今回のアルバムの目玉は、"Let It Rain"のオリジナル・ヴァージョンである"She Rides"というナンバーとLeon Russell作の超有名ナンバーの"Groupie (Superstar)"、さらには、Olympic Studiosでの未発表曲でしょうか。
特に、"Superstar"については,The Carpentersでのヴァージョンは有名ですが、今回収められているナンバーはLeon Russellのヴォーカルではありませんが、Delaney & Bonnie and FriendsとしてリリースされたシングルのB面の曲で、これがオリジナル・ナンバーなんですから。
私はこの曲を聴けただけで満足です。
ということで、このアルバムを聴いてClaptonが辿ってきた道の一部を再認識してみてください。
"Let It Rain"は名曲です。
2006-06-15
ABRAXAS POOL / ABRAXAS POOL (1998)

今回紹介いたしますこのABRAXAS POOLのアルバムですが、1998年に発表されたものです。メンバーは、Neal Schon、Gregg Rolie、Michael Shrieve、Jose Chepito Areasなど元SANTANAのメンバーが一堂に会しております。もちろんこのアルバムの内容はSANTANAに通ずるものです。Carlos Santana顔負けの官能的なNeal Schonのギターに先ず脱帽です。また、ヴォーカルは全曲にわたってGregg Rolieが担当しております。
1曲目の"Boom Ba Ya Ya"は、モロ、ラテン・ロックしたサウンドで、当然その音はSANTANAを彷彿させるものとなっております。Michael ShrieveのドラムスとJose Chepito Areasのパーカッションは最高にご機嫌ですし、途中のNeal Schonのギター・ソロは圧巻です。
2曲目の"A Million Miles Away"はGregg Rolieのヴォーカルが素敵なバラード・ナンバーです。メロディアスですし、曲の出来も良いと思います。
3曲目の"Baila Mi Cha-Cha"は、1曲目以上にSANTANAっぽいラテンロック・ナンバーとなっております。SANTANAの"Abraxas"に入っていても、全く違和感が無いというような曲です。
4曲目の"Waiting For You"は、Neal Schonの最高にいかしたギター・ソロが聴けるナンバーです。この曲はGregg RolieとMichael Shrieveのペンによるナンバーですが、ほぼ、Gregg Rolieのソロ・アルバムを聴いているようなメロディアスなAORチックの曲となっております。
5曲目の"Going Home"のオルガンやパーカッションはまるでSANTANAを聴いているようです。これもファンキーでいかしたラテンロック・ナンバーとなっております。
6曲目の"Szabo"は、SANTANAの"Caravanserai"や"Welcome"時代の音そのままです。Carlos Santanaに負けないぐらい否それ以上のとても官能的なNeal Schonのギター・ソロを聴くことが出来るインスト・ナンバーです。この曲は最高の出来です。
7曲目の"Guajirona"も"Abraxas"に入っていてもおかしくないようなラテン・フレヴァー一杯のナンバーです。Greg Rolieのオルガン、Jose Chepito Areasのパーカッション、Michael Shrieveのドラムス、Neal Schonのギターと、どれをとっても最高にご機嫌な1曲です。
8曲目の"Cruzin'"もラテン・フレーヴァー溢れるナンバーで、とてもいかしたインスト・ナンバーです。この曲もモロSANTANAでしょう!!
9曲目の"Don't Give Up"はSANTANAの"Marathon"に入っていても良いような、メロディアスでとてもいかした産業ロック・ナンバーとなっております。The StormとかGregg Rolieのソロ・アルバムにも通ずるこれぞ産業ロックといった曲の作りが堪らないです。
10曲目の"Ya Llego"はJose Chepito Areasのペンによるナンバーで、当然、彼のパーカッションがメインとなっております。
11曲目の"Jingo"はもちろんSANTANAで有名なナンバーですが、元SANTANAのメンバーによる曲ですので、SANTANAの曲と比べても充分納得出来る曲の仕上がりとなっております。
このアルバムですが、Amazon JPを覗くと、マーケットプレイスでの価格が7000円以上もしているのには、とてもビックリしました。そいうえば、巷でも殆ど見かけることがなくなりましたね。
2006-06-11
Say / Heart Still Beats (1992)

このLONG ISLAND RECORDSですが、今は潰れたレーベルですが、AOR・メロディックロック系のアーティストを多数擁していたレーベルでした。
私は、このLONG ISLAND RECORDSから出されたアルバムに大変興味を持っていました。
バーゲンや中古ショップでこのレーベルのCDを見つけると、全く知らないアーティストでも必ず手に入れていましたね。
特に、カナダ産のAOR・ハードポップ物のリ・イッシューのシリーズは楽しみでした。
また、このレーベルのCDは今となってはレア物も多く、Stan Meissnerなど未だに手に入れていないものもあります。
今回紹介いたしますSAYもそんな若干レアな1枚です。
このアルバムはCRUISIN' MUSICで3200円で購入したものでしたが、後で判ったことでしたが、ドイツのネット・ショップSchmankerl Recordsで4.31ユーロ(650円弱)で売っているのを見つけガッカリしました。まあ、こういうことは良くあることですが。(ということは、レア物ではないのか?でも、レーベルは潰れているし、将来は必ずやレア物の1枚になることは間違いない?)
で、このアルバムの内容ですが、素晴らしいの一言に尽きます。
サウンドは、AORよりの産業ロックといったサウンドで、ほぼ全曲捨て曲無しの強力な1枚です。
実を言いますと、CRUISIN' MUSICで見るまで全く知らないバンドでした。
CRUISIN' MUSICの紹介文には、「ジャーニーの様な壮大なバラード・チューンがキャッチィーなメロディックAOR」とありましたが、ジャーニーの様なという部分は別にして、キャッチィーなメロディックAORという表現はまさにそのとおりでした。
1992年発売のアルバムですので、その当時の音楽事情からするとこういったサウンドはメイン・ストリートではなかったと思いますが、10年くらい前に遡って発表されていたらメジャー・デビューも夢ではなかったと思います。本当に良く出来た産業ロック・アルバムだと思います。
タイトル・チューンの2曲目"Heart Still Beats"は最高にメロディアスなこれぞ産業ロックといったナンバーで、ForeignerやJourneyを連想させてくれます。非常にいかした曲で、もう言うこと無しです。
3曲目の"It Doesn't Matter"は壮大な産業ロックしたバラード・ナンバーです。このナンバーもメロディアスで、最高の1曲です。とにかくヴォーカルも上手ですし、バックの音が素晴らしいです。
4曲目の"Right Here On My Mind"は、どこかChristopher Crossを連想させるナンバーです。Christopher Crossの1stアルバムに入っていてもまるで違和感が無いようなメロディアスなAORナンバーです。
7曲目の"Vacation"もメロディアスな産業ロック・ナンバーで、これも言うこと無しのナンバーです。
8曲目の"Nobody Else"は4曲目以上にChristopher CrossしたAORナンバーです。いわゆるAORアーティストが歌うAORより、さらにAORしたナンバーとなっています。曲も最高にいかしたメロディアスなバラードとなっています。かなりお薦めです。
11曲目の"English Skies"は7分の大曲です。バックのピアノがいかしたバラード・ナンバーで、この曲が最もChristopher Crossしています。ヴォーカルが似ていることもあるでしょうが、バックの各楽器の音といい、メロディといい、Christopher Crossの1stアルバムの雰囲気と似ているのでしょうね。このナンバーもメロディアスな最高に良く出来たAORとなっております。これは聴きものです。
12曲目の"Out Of Your Mind"もAORした産業ロック・ナンバーです。バックのコーラスとギター、キーボード、ドラムスなどバックの音が最高にいかしてます。
ラスト・ナンバーの13曲目"Make Believe"も壮大なバラード・ナンバーで、11曲目に負けない良く出来た曲です。とにかくメロディが素晴らしいの一言に尽きます。もう言うことありません状態です。
このアルバムの全てのナンバーは、バンドでキーボードを担当しているChris Lloydという人物が書いておりますが、メロディ・メーカーとして卓越したものを持っていると思います。また、ヴォーカルのSteve Murrayは、Christopher Crossに若干声質が似た歌の上手いシンガーですし、バックでギターを奏でるStu Ellisはテクニックも抜群で、ギターの音色が最高です。
ホント、久し振りに良く出来たアルバムに出会いました。
Schmankerl Recordsで4.31ユーロは別として、3200円出しても損は無いアルバムです。
これは、AORや産業ロック・ファンにはマスト・アイテムの1枚となることは間違いありません。今のうちにSchmankerl Recordsへ急げ!!
2006-06-09
LAVA / The Very Best Of LAVA (1996)

1977年から活動しているバンドだそうですが、最近まで、全く知りませんでした。
ネット・ショップのCRUISIN' MUSICで、紹介されていたの見て、とても気になっていたバンドでしたが、既に入手困難となっておりました。世界中のネット・ショップで検索してもヒットしなかったですし、是非聴きたいと思っておりました。
で、ようやくコピーでしたが、手に入れることが出来ました。
CRUISIN' MUSICを覗くと現在も活動を続けているらしく、1977年から現在に至るまで、サウンドがいろいろ変化しているようです。
実際、このベスト・アルバムを聴くと、AORあり、フュージョンあり、ファンクありで、曲に統一感はないものの、根底にあるものはメロディアスということです。そういった意味では、このアルバムを興味深く聴くことが出来ました。
1曲目の"Hold Out For Love"は少しばかりダンサンブルですが、とてもメロディアスなAORナンバーで、かなり良く出来た曲で、お薦めの1曲です。
2曲目の"Somebody Like You"は1990年の5thアルバム"THE RHYTHM OF LOVE "からのナンバーで、バックの音は若干ファンキーですが、これもメロディアスなAORナンバーに仕上がっております。バックのサックスとギターはとてもカッコ良いです。
3曲目の"You"は4thアルバムの"FIRE"からで、ヴォーカルでRandy Crawfordがデュエットしているナンバーです。これはとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、完全にAORした最高の1曲です。
4曲目の"Juliet"は、1981年の2ndアルバム"PRIME TIME "からのナンバーですが、これはモロ産業ロックでしょう!かなりいかしてます。
5曲目の"Journey"は1980年の彼等の記念すべきデビュー・アルバム"LAVA"からのナンバーです。ギターをメインに沿えたインスト・ナンバーです。当時のギター・インスト物のFusion Musicですね。この曲でのギターの音色は最高です。こういった曲って大好きです。
6曲目の"Hard Times"は2ndアルバムからのナンバーですが、これもいかしたメロディアスなAORとなっております。また、バックの音もメロディアスな産業ロックっぽいところが良いですね。これもお薦めのナンバーです。
7曲目の"The Rhythm Of Love"は5thアルバムからのタイトル・ナンバーです。これもメロディアスなAORです。
8曲目の"Aquilo Blow"はコーラスが美しいAORナンバーとなっております。
9曲目の"D.J."はとてもファンキーなナンバーでご機嫌な1曲となっております。
10曲目の"Holiday"は2ndアルバムからのナンバーでアコースティカルなFusionで、Earl Klughを連想させる曲となっております。これもかなりお薦めのナンバーです。
11曲目の"Take Your Time"は1982年の3rdアルバムの" CRUISIN'"からのナンバーですが、この曲もモロ産業ロックしたナンバーで、メロディもポップです。バックのベースとギターの音は最高です。
12曲目の"You've Taken My Heart Away"は5thアルバムからで、とてもメロディアスなバラード・ナンバーです。雰囲気は、モロ、David FosterがプロデュースしたChicagoを連想させるナンバーで、かなりお薦めです。
13曲目の"Rustic"は1stからのナンバーで、英国風ジャズ・ファンクしたインスト・ナンバーです。ギターとピアノの音がカッコ良い、ご機嫌なFusion Musicです。
14曲目の"Sophie"は4thアルバムからのナンバーで、この曲は他の曲とまるで趣が違う感じのニュー・ウェーヴした曲です。でも、サビの部分は、まあまあメロディアスですが。
15曲目の"Haertache"は5thアルバムからで、これも12曲目同様David FosterしたメロディアスなナンバーのAORです。
16曲目の"Hold On"は前奏のサックスの音が官能的なディープ・ソウルっぽいナンバーです。メロディアス度も抜群で、非常に良く出来たナンバーで言うこと無しです。
17曲目の"The Ratter"は3rdからで、サックスの音がとても心地よいFusion Musicです。この曲もお薦めです。
アルバムのラスト・ナンバーで18曲目の"Empty Shadows"は2ndアルバムからのナンバーです。とてもメロディアスで美しいバラード・ナンバーでアルバムの最後を飾るのに相応しいナンバーと言えます。
このLAVAですが、現在手に入れられるアルバムは、2003年の"POLARITY"と2005年の"ALIBI"の2枚のアルバムだけのようですですが、1st、2nd、3rd、5thの各アルバムは、是非オリジナルを聴いてみたいですね。
2006-06-07
Larry Carlton & Steve Lukather / No Substitutions (2001)

アルバムの左側のギターの音がLarry Carltonで右側がSteve Lukatherとなっております。
収録曲に"(It Was) Only Yesterday"と"Room 335"があるのが嬉しいですね。何と言ってもLarry Carltonの代表作は「夜の彷徨」ですし、このアルバムから、彼の代表曲は"Room 335"や"(It Was) Only YesterdayさらにはDon't Give It Up"の3曲が、ライヴ・ヴァージョンで聴けるということは最高です。さらに、このアルバムは全5曲で、その内3曲ということですから、「夜の彷徨」はLarry Carltonにとっても、相当気に入っているアルバムなんでしょうね。
実を言いますと、私見ですが、この「夜の彷徨」以降あまりパッとしたアルバムが無いのも事実だと思います。
この「夜の彷徨」については、私のHPでも紹介しておりますが、このアルバムが出なければ、それ以降のギター・インスト物のアルバムも巷に認められることも無かっただろうと思っております。それ程強烈なアルバムでした。
で今回紹介しますこの"NO SUBSTITUTIONS"ですが、本当に久し振りにロックしたLarry Carltonのギターを聴くことが出来ます。彼のトレード・マークとなっているGibson335が炸裂した最高の1枚に仕上がっております。
80年代中盤以降の彼のギターは、いわゆる、スムース・ジャズタイプのおとなしめの音でしたので、今回のアルバムで、そういったフラストレーションが一気に吹き飛んだ感じがします。相手方もSteve Lukatherということで、弟子には負けられないと相当頑張ったのでしょうね。
1曲目の"The Pump"はかなりファンキーなナンバーで、当然Steve Lukatherのギターはエモーショナルでロック・スピリットが一杯の音ですが、それに負けないくらいのLarry Carltonのギターもこの歳の割には最高にカッコ良いです。
2曲目の"Don't Give It Up"は「夜の彷徨」からのナンバーで、最高にご機嫌なロック・ナンバーに仕上がっております。途中のロックンロール・ピアノもとても良いです。
Larry Carltonの屈指のバラード・ナンバーの"(It Was) Only Yesterday"はライヴ音源ながらその美しさを維持しており、もう言うこと無しです。
4曲目の"All Blues"はMiles Davisのナンバーですが、このナンバーが最もジャズっぽく、Larry CarltonとSteve Lukatherの二人のギターの音も雰囲気最高です。
ラスト・ナンバーは"Room 335"で、オリジナルとは相当違うアレンジで、前奏のメロディ・パートはSteve Lukatherが、メインでは二人のギター・バトルを聴くことが出来ます。ちょっと残念なのは、曲が短いということですかね。もう少し長いギター・バトルを聴きたかったですね。
それでも、最近のLarry Carltonのギター・プレイの中では、最高にカッコ良いと思いますよ。
2006-06-05
Mason / Inside Your Head (1995)

MASONはドイツのメロディックロック・バンドで、確かこのアルバムのほかにもう一枚アルバムを出していたと思います。
このアルバムはメロディックロック・ファンの中では知る人ぞ知るといった若干マイナーなバンドですが、内容はかなりいかしたAOR/メロディックロックです。全曲にわたり、かなりメロディアスなナンバーが収められております。
1曲目の"A New Mission"は時計を刻むような効果音の短いナンバーで、それに続く2曲目のタイトル・ナンバー"Inside Your Head"はギターの音がいかしております。また、ヴォーカルのThomas Zigannは歌は上手いとまではいきませんが、味のある声を聴かせてくれております。この曲は最高にメロディアスです。
3曲目の"America"はタイトルどおりアメリカナイズした産業ロック・ナンバーで、明るい感じのポップス・ナンバーで、ご機嫌の1曲です。この曲でもギターの音はとてもカッコ良いです。
4曲目の"Can't Cry Anymore"はピアノの前奏から入るバラード・ナンバーで、どこかNilssonが歌ってヒットした"Without You"に似ております。メロディアス度抜群のナンバーで、AORしたかなりお薦めです。
5曲目の"Dressed For The Masquerade"はドイツ語のつぶやきから入るかなりロックしたナンバーです。
6曲目の"Sarah"もメロディアスな産業ロック・ナンバーです。この曲でのコーラス・ワークはかなり良いですよ。
7曲目の"Where Are You Now"は前奏のアコースティック・ギターから一転してアップテンポになるナンバーで、これもメロディアスでかなりいかした産業ロックのナンバーとなっております。
8曲目の"Only A Man"はとにかく洒落たナンバーです。他のナンバーもかなりアメリカナイズされた曲となっておりますが、この曲はその最たるものだと思いますね。
9曲目の"Hang On Son"はアコースティカルなバラード・ナンバーで、これはこれでまあまあですが、曲の出来としては4曲目のの方がかなり出来が良いですね。
10曲目の"Heaven's Not So Far Away"は一転して適度にハード・ドライヴィングしたナンバーですが、メロディアスで曲の出来もかなり良いです。これも仕上がりとしてはいわゆる産業ロックだと思います。
11曲目の"Games Of The Heart"もアメリカン・ロックしたナンバーで、ご機嫌な一曲です。
ラスト・ナンバーの12曲目"Wake Up Jimmy"もこのアルバムの中にあっては、結構ハードなナンバーですが、獏のギターとキーボードの音がかなり良いです。
このMASONですが、聴けば聴くほどドイツのバンドという感じがしません。以前に紹介しましたMr. Perfectとは違うタイプのバンドですが、とてもアメリカナイズしたバンドだと思いますし、かなり良く出来たアルバムだと思います。
2006-06-04
Paradise Lost / Draconian Times (1995)

バーゲンなどで、ジャケ買いなどして、たまに間違って買うこともありましたが、そんなCDは直ぐに棚の奥か、中古CD屋さん行きでした。
そんな私が、今では、好んでメロディック・デス・メタルを聴いております。
きっかけは、Parsdise Lostの"Host"でした。このアルバムでのNick Holmesの声は完全ノーマル・ヴォイスで、エレクトリック処理された楽曲が多めではありましたが、いわゆる、GOTHIC METALの暗く美しく憂いを帯びたメロディがありました。
それ以来Paradise Lostは気になるバンドの一つとなったわけですが、たまたまBURRN!でこの"HOST"についての記事があり、その中に"ICON"辺りからデス・ヴォイスが潜め、ノーマル・ヴォイスに近くなってきたとの記事を読み、彼等の過去のアルバムも聴いてみようと思い、先ず、"ONE SECOND"を聴いたら、これが"HOST"よりずっといかした内容にビックリでした。これが、GOTHIC METALかと思わず納得しました。
"ONE SECOND"に収められている曲は、"HOST"に収められているナンバーより、エレクトリック処理も少なく、美しくも憂いを帯びたサウンドが満載のアルバムでした。
その時点で、"ONE SECOND"は私の好きなアルバムの一つに仲間入りしたわけです。
しかし、続いて聴いたこの"DRACONIAN TIMES"を聴いた時の驚きは"ONE SECOND"以上でした。
元々British Rockって憂いを帯びたメロディアスなナンバーが多いと思いますが、この"DRACONIAN TIMES"はGOTHIC METALであると同時にBritish Rockの香りがするアルバムだと思います。
このアルバムには、美しく憂いを帯びたナンバーが数多く収められております。
1曲目の"Enchantment"は物悲しいピアノから入るナンバーで、また、2曲目の"Hallowed Land"は、Greg Mackintoshのメタリックなギターから入る曲ですが、これら2曲はこれぞゴシックといったメロディアスな美しくも憂いを帯びたナンバーで、これら2曲は、Paradise Lostの中でも1、2位を争う代表的なナンバーです。この2曲で完全にいかれましたし、完全に嵌りました。
3曲目の"The Last Time"も、もう何もいうことが無いメタリックなハードロック・ナンバーです。この曲でも、Gregのギター・ソロは最高にカッコ良いです。
4曲目の"Forever Failure"では、Nick Homesの力強いヴォーカルと囁くようなヴォーカルとで使い分けており、これがとても素晴らしい。この曲も最高です。
5曲目の"Once Solemn"ではGregの少し速めのギターのリフがいかしております。
6曲目の"Shadowkings"がまた、最高にメロディアスなナンバーで、云うこと無し!です。
7曲目の"Elusive Cure"はバラード・ナンバーで、文句のつけようが無い、メロディアスな曲です。
8曲目の"Wearn For Change"での、Gregのメロディアスなギターが最高のナンバーで、Nickのヴォーカルがまた堪らないとてもいかしたナンバーです。
9曲目の"Shades Of God"はメロディアスなバラード・タイプのナンバーで、この曲ももう言葉は不必要です。
10曲目の"Hands Of Reason"でのLee Morrisの畳み掛けるようなドラムスはかなりカッコ良いです。
11曲目の"I See Your Face"でもGregのギター、Leeのドラムス、Nickのヴォーカルどれをとっても最高です。強力なナンバーです。
13曲目の"Walk Away"もGregのギターが最高です。
14曲目の"Laid To Waste"はLeeの迫力あるドラム・ソロから入るナンバーで、それに続くGregのギター、Nickのヴォーカル、とこれも何も言うことはありません。
とにかく、全曲捨て曲無しのParadise Lostの1枚です。
私は、このアルバムを聴くようになってから、"ICON"以前のデス・ヴォイスのParadise Lostも聴けるようになり、それ以降デス・ヴォイスには殆ど抵抗がなくなりました。
それから間もなくしてCARCASSや他のメロディック・デス・メタルも聴くようになり、今では、このParadise Lostのほか、ARCH ENEMYの大ファンでもあります。
2006-06-03
Mr. Perfect / Fasten Seat-Belts (1993)

このMr. Perfect はドイツのバンドで、Andy Susemihlが在籍しておりましたが、このアルバム1枚で、バンドは解散。
内容は、いわゆるジャーマン・メタルではなく、メロディックロックした作りとなっております。
なかなかしっかりとした音を聴かせるバンドで、マイナーながら良く出来たアルバムになっていると思います。
1曲目の"Electric Man"は最高にイキの良いハードロック・ナンバーです。バックの音もメロディアスですし、このアルバムの中でもお薦めの1曲ですね。
2曲目の"Shotgun"はLAメタルっぽい曲で、チープな感じの曲ですが、また、そこが魅力的なナンバーとなっております。
3曲目の"Women & Whisky"なんかもアメリカン・ロック的なアプローチのナンバーで、とてもドイツのバンドとは思えない音を出しています。
5曲目の"Draggin My Baby"はツイン・リードギターがいかした音に厚みのあるナンバーです。
6曲目の"Nutbush"はご機嫌なロックンロール・ナンバーです。とてもカッコ良い仕上がりになっております。
7曲目の"Ballad Of Helen Keller"は、タイトルとまるきり違って、バラードからはとてもかけ離れた、かなりハードなナンバーです。
9曲目の"Bad Reputation"もご機嫌なハードロック・ナンバーです。
11曲目の"Come Together"はThe Beatlesのカヴァーです。The Beatlesの中でもかなりハードなナンバーでしたが、もちろん、オリジナル以上にハードです。アレンジがちょっとという感じが残念です。
12曲目の"House Of Love"でのバックの音は若干ハードな音作りとなっておりますが、最高にカッコ良いです。曲の出来も良く、これもお薦めの1曲です。
13曲目の"Queen Of My Dreams"もバックのギターの音がカッコ良いです。
全曲聴いて思うことは、本当にドイツのバンドなの?って疑ってしまうほど、アメリカナイズした音作りです。
2006-06-02
Quicksilver Messenger Service / Shady Grove (1969)

Quicksilverは数多くのアルバムを発表しておりますが、私としては、Nicky Hopkinsが在籍していたこの頃のサウンドが一番好きです。Nicky Hopkinsはこのバンドの中心人物ではありませんでしたが、彼の奏でるピアノが無ければ、このバンドの魅力は半減してしまいます。事実、彼の抜けたあとのQuicksilverはヒット曲にもあまり恵まれず、バンドの音もつまらなくなりました。
Nicky Hopkinsは、ソロ・アルバムを確か4枚ほど出しており、1973年に発表した2ndアルバムの"The Tin Man Was A Dreamer"が最も有名です。
このアルバムには、Shady Groveにも収められている"Edward,(The Mad Shirt Grinder)"のオリジナル・ヴァージョンが収められており、バックには、George HarrisonやChris Speddingなどが参加しておりました。
その後、マーキュリー・レーベルからソロ・アルバムを出しました(このアルバムの中の"Sea Cruise"は最高にカッコ良いロックンロール・ナンバーでした)が、殆ど話題にもなりませんでした。
それから、90年代に日本だけの発売でしたが、テレビ用のサウンド・トラックのアルバムを出しております。
Nicky Hopkinsの魅力はもちろん彼が奏でるピアノの音ですが、特にロックンロール・ナンバーでのあの跳ねた音は最高で、他に追随を許さないものであったと私は思っております。
The Beatles(George HarrisonやJohn Lennon)やThe Rolling Stonesの世界最強のロック・バンドのバックでピアノを弾いているといった事実も、彼のピアノがそれだけ魅力的で、欠かすことの出来ない音だったからだろうと思います。
このShady Groveでも、そんな彼の魅力的なピアノを堪能することができます。
1曲目の"Shady Grove"はNickyのピアノソロから始まるメロディアスな最高の1曲で、Quicksilverの楽曲の中でも1、2位を争うナンバーです。この曲での彼のピアノは、ホント最高で、言うことありません。
2曲目の"Flute Song"もこのアルバムの中で出来が素晴らしいナンバーです。メロディアスなバラード・ナンバーで、この曲でもNickyの華麗なピアノは最高です。
3曲目の"3 or 4 Feet From Home"では、そんなNickyのロックンロール・ピアノを堪能できます。彼の奏でるロックンロール・ピアノは、まさに、カッコ良いという表現がピッタリです。この曲ももう何も言うことはありません。
4曲目の"Too Far"では、Nickyのピアノのほか、John Cipollinaのギターの音がまた素晴らしいんです。この曲もメロディアスな最高の1曲です。
5曲目の"Holy Moly"も4曲目とタイプは違いますが、ギターの音最高です。この曲もお薦めですね。
6曲目のJoseph's Coat"でのNickyのピアノはとても良いです。サイケデリックな曲の感じは堪らないですね。
7曲目の"Flashing Lonesome"は2曲目と似たタイプのバラード・ナンバーですが、2曲目に比べると出来はちょっと落ちますね。でも、Nicky のピアノは素敵です。
8曲目の"Word's Can't Say"はほんのりとカントリー・フレーバーを感じさせるナンバーですが、Nickyのピアノは最高です。
圧巻はラスト・ナンバーの"Edward, (The Mad Shirt Grinder)"で、彼のソロ・アルバムのヴァージョンよりちょっと長めとなっておりますが、ここでのNickyのピアノはとても生き生きしております。このナンバーは、このアルバム唯一Nickyのペンによるインスト・ナンバーです。華麗で流れるようなNickyのピアノには、もう何も言葉は要りません。Nicky Hopkinsといえば、この"Edward, (The Mad Shirt Grinder)"というぐらいの彼の代表的なナンバーです。本当に最高の1曲です。
ただ、とても残念に思うことは、このNicky Hopkinsは既に帰らぬ人となっていることです。