2006-07-24
Jim Chappell & HearSay / Manila Nights (1994)

バンド名はJim Chappell & HearSayで、アルバム・タイトルはMANILA NIGHTSです。
市内の中古ショップで290円というかなり安めの値段でした。
中心人物は、もちろんJim Chappellなる人物で、ピアノ・キーボード、シンセサイザーを担当しております。
だからと言って、ピアノやキーボードが主体のサウンドではありません。例えばSPYRO JYROやYELLOW JACKETSなどのフュージョン・バンド的なスタイルとなっております。音的にもこれら二つのバンドに共通するものを持っていると思います。
音は軽めですが(軽快という意味で)、メロディもご機嫌です。
1994年の録音ということですが、一部ジャズっぽいナンバーもありますが、殆どのナンバーは、70年代後半から80年代にかけてのフュージョン・サウンドさながらのサウンド・スタイルだと思います。
全12曲が収められておりますが、大半のナンバーの主旋律をサックスやギターが奏でております。
このサックスはTom Politzerという人物が吹いていて、これが結構いかしてます。ギターは、Jean-Michel Hureが担当しておりますが、ジャケットの顔写真を見ると結構若めです(バンドの他のメンバーが年季が入っているので、そう見えるのかも)。また、ギターの腕前もそこそこだと思います。
1曲目の"Brother Of The Sound"なんかは、渡辺貞夫のカリフォルニ・シャワーに収められていてもシックリくるナンバーです。このナンバーでのサックスの音がナベサダ的なんだろうと思います。
2曲目の"Straightaway"なんかも70年代後半のフュージョン・サウンドそのままの音で、「ご機嫌」という言葉はこのナンバーのためにある、といっても良いくらいの軽快なナンバーです。
3曲目の"Lisa Marie"はピアノが主体のバラード・ナンバーで、Jim Chappellの流れるようなピアノの音にソプラノ・サックスとアコースティック・ギターが絡む旋律が最高にいかしてます。とてもメロディアスなナンバーです。
4曲目の"Victory"は勝利した時の嬉しさを現した音となっております。このナンバーでは、ベースとドラムスのリズム・コンビがとても良いです。また、サックスとエレキ・ギターの音もご機嫌です。
5曲目の"Tall"も70年代後半、80年代前半のフュージョン・サウンド然としたところが、とても好きです。主旋律はサックスとエレキ・ギターで、この辺の音も良いですね。
6曲目の"Emotion Road"は、扇情的なソプラノ・サックスを期待しましたが、流れてくるのはテナー・サックスでしたので、アレっ(?)ていう感じでしたが、それでも充分メロディアスですし、ピアノとアコースティック・ギターの音が美しいので、曲としての出来はまあまあでしょうか。でも、このナンバーでは、テナー・サックスよりソプラノ・サックスの音の方が合うと思いますね。
7曲目の"Tanzania"はドラムの音がとてもカッコ良いですが、リズム主体のナンバーではなく、ピアノ、サックス、ギター、ベースのそれぞれのパートがとても魅力ある音を奏でております。
8曲目のタイトル・ナンバー"Manila Nights"は、マニラでのコンサートのインプロビゼーションがベースになっているようです。ライヴ音源ではないですが、このナンバーの録音に関しては、おそらくライヴを意識した音作りをしているようで、それぞれのパートはとても迫力があります。とてもメロディアスでいかしたナンバーとなっております。
9曲目の"After A;; We Had Planned"は、ピアノの音がJoe Sampleの音に似ています。とてもメロディアスなバラード・ナンバーで、聴き応え万点です。
10曲目の"Television"もナベサダ的なサックスの音が心地よいナンバーで、これまた、フュージョン然としたところが良いですね。バックのギターの音は最高です。
11曲目の"Empire"はピアノが中心のアップテンポのナンバーで、全体的に跳ねたような感じがするナンバーです。バックのギターはLarry Carltonを連想させてくれます。このギターの音は大好きです。
ラスト・ナンバーの12曲目"Still"は、ピアノの音がとても美しいバラード・ナンバーです。このナンバーでは、本当にJim Chappellのピアノが良い音を出しております。かなり心に沁みます。
これはかなり儲け物のCDでした。
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