2006-07-28
James Ingram / It's Your Night (1983)

発表年は1983年ということですから、AORやフュージョン、またブラコンあたりが注目されていた時期でした。
このアルバムのプロデュースはQuincy Jones、さらに"Yah Mo B. There"ではMichael McDonaldがデュエットしてシングル・カットされ大ヒット、また、Jim PhotogloやDavid Fosterのカヴァー曲なんかも収められていることや、David Foster、David Paich、Larry Carlton、John RobinsonなどL.A.辺りの売れっ子スタジオ・ミュージシャンを従えるなど、特にAORファンから一目置かれるアルバムでもありました。
本当にこのアルバムに収められているナンバーは、ほぼ全曲、捨て曲なしで、素晴らしい出来のアルバムだと思います。
1曲目の"Party Animal"は、James Ingram自身によるナンバーですが、共作者としてRichard Pageの名前も挙っており、ファンキーないかしたナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Yah Mo B. There"はこのアルバムからシングル・カットされたナンバーで、James Ingramという名前を世界中に売った大ヒット曲です。Michael McDonaldとのデュエット・ナンバーで、これは、もう完全にAORしております。
ビックリなのは、3曲目の"She Love Me (The Best That I Van Be)"です。このナンバーは、Jim Photogloがオリジナルですが、オリジナルに負けないくらい良く出来たバラード・ナンバーに仕上がっております。James Ingramのヴォーカルもこの曲に嵌っており、まるで、James Ingramのオリジナル曲といっても通用すると思いますね。
4曲目の"Try Your Love Again"も、ほぼAORといっても良いナンバーです。アーバンで洒落た感じのナンバーで、とてもカッコ良い曲です。
5曲目の"Whatever We Imagine"は、またまたビックリのナンバーです。このナンバーはDavid Fosterのペンによるナンバーで、自身も"The Best Of Me"で確かDavid Foster自身がヴォーカルを披露していたと思います。James Ingramのこの曲では、アレンジとバックのキーボードでDavid Fosterも参加しており、オリジナルより出来が良いかも。
6曲目の"One More Rhythm"は、これまた、カッコ良いフュージョン・タッチのメロディアスなナンバーです。バックのGreg Phillinganesのピアノの音が最高です。この曲の出来も素晴らしいです。
7曲目の"There's No Easy Way"は、Barry Mannのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、しっとりとした感じで歌うJames Ingramのヴォーカルは最高です。アレンジとバックのシンセをDavid Paichが担当しておりますが、バックに流れるこのシンセの音もヴォーカルに負けず、とても素晴らしいですよ。
8曲目の"It's Your Night"もアーバンな感じのブラコンです。この時期のブラコンってこういった感じの曲が多かったと思いますが、軽めに歌うJames Ingramのヴォーカルはこのナンバーにもピッタリ嵌っております。
ラスト・ナンバーの9曲目の"How Do You Keep The Music Playing"はPatti Austinとのデュエット・ナンバーで、映画「Best Friends」のテーマ曲となったナンバーです。これもメロディアスなバラード・ナンバーで、二人の息もピッタリです。また、バックのDavid Fosterのピアノの音がとても美しいナンバーでもあります。
James Ingramはこのアルバム以降何枚か出しておりますが、このアルバムを超えたものが無かったのは、ちょっぴり寂しい感じがします。
また、このアルバムは既に廃盤となっていて、Amazonのマーケット・プレイスを見ると5800円という価格も付いております。
でも、このアルバムであれば、中古CDショップを隈なく探せば、結構安く手に入ると思います。
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