2006-11-27
Eric Burdon & The Animals / The Best Of 1966-1968

The Animalsといえば、"The House Of The Rising Sun (朝日のあたる家」)が有名過ぎて、他のナンバーが影が薄いような感じですが、それ以外にもかなり良い曲があります。
私がこのアルバムを購入したきっかけは、"Sky Pilot"が収められていたからです。このナンバーは7分強のナンバーで、当時、シングルのA面、B面に分かれて入っており、1曲通して聴くためにはLPを購入するしかなかったナンバーでした。最初聴いたのは、NHKのFM番組でしたが、とてもカッコ良い曲で、聴いてすぐ気に入ったナンバーでした。
このアルバムには、全15曲が収められておりますが、1966年以降の作品からですので、"See See Rider"辺りは結構有名なナンバーですが、知っている曲はそんなに多くはないと思います(The Animalsのファンの方は全て知っていると思いますが)。
私も熱心なファンでないため、知っているナンバーはそんなに多くはないですね。
で、13曲目の"Sky Pilot"ですが、これは彼等のオリジナル・ナンバーですが、とにかくEric Burdonの黒っぽいヴォーカルとバックの演奏が堪らなくカッコ良いんです。バックのバグ・パイプの音とか効果音がホント良い奮起を出しているんです。曲の後半部から綺麗なヴァイオリンの音のあとにEricのヴォーカルが再び始まりますが、これも最高です。このナンバーは本当にお薦めです。
1曲目の"Don't Bring Me Down"の作者がGoffin/Kingとなっており、Ericのソウルフルに歌う感じがたまらないですね。
2曲目の"See See Rider"も冒頭に述べましたとおり、彼等の代表曲となっているナンバーで、バックのオルガンや曲の感じは、モロ、The Doors風というか、こちらの方が古いので、The Doorsが影響を受けているのだと思いますが、最高にいかしたナンバーです。
3曲目の"Inside Looking Out"は、後にGRAND FUNK RAILROADがカヴァーしており、こちらの方がヒットしましたが、それでも、このThe Animalsヴァージョンも黒っぽいEricのヴォーカルがかなりいかしてます。
5曲目の"Help Me Girl"でもバックのオルガンの音やピアノの音がポップなナンバーで、曲の感じとしては、The Supremesがやるようなナンバーに仕上がっております。
6曲目の"When I Was Young"は、ちょっとばかりサイケデリックなナンバーで、タイプ的には、The Animalsの"Paint It Black!"に似たタイプのナンバーです。
7曲目の"A Girl Named Sandoz"はブルージーなナンバーで、結構ハードな曲となっております。
8曲目の"San Franciscan Nights"は、洒落たポップなバラード・ナンバーとなっております。そうですね、どちらかというと、The Rolling Stonesタイプのナンバーといっても良いかも知れませんね。
9曲目の"Good Times"もかなりポップなナンバーと言えるでしょうね。
10曲目の"Anything"は、彼等の楽曲って、結構ヒネたものが多いですが、珍しくごくオーソドックスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
11曲目の"Winds Of Change"はシタールなんかが入ったサイケデリック調のナンバーです。The Beatlesでも"Tomorrow Never Knows"なんかは、結構サイケですが、さらにひねった幹事のナンバーとなっております。
12曲目の"Monterey"はメロディ抜群のナンバーですが、バックの音がサイケでとてもカッコ良い(この表現がピッタリ)ナンバーとなっております。
14曲目の"White Houses"では、抑え気味に歌うEricのヴォーカルが他のナンバーと違って、新鮮な感じがするナンバーです。
ラスト・ナンバーの15曲目"River Deep, Mountain High"も7分強のナンバーですが、これもバックの演奏がカッコ良いナンバーに仕上がっております。Ericの黒っぽいヴォーカルもさすがです。
The Animalsの"The House Of The Rising Sun"しか聴いたことのない貴方、"Sky Pilot"を聴いてみてください。
気に入ります。
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2006-11-26
Matthew Wilder / I Don't Speak The Language - Bouncin' Off The Walls (1999)

この2枚のアルバムはそれこそ80年代の音そのままです。
ちょっとニューウェーヴっぽいですが、メロディがいかしたポップな曲が多く、一応これもAORだと思います。
特に、全米、全英で大ヒットした1曲目の"Break My Stride"は、レゲエのリズムに乗ったご機嫌なポップで、ヒットしたことが頷けるナンバーです。
2曲目の"The Kid's American"も出だしのドラムスの音がほぼMichael Sembelloの"Maniac"風で、それに続くサウンドもポップでメロディアスなナンバーで、こちらはかなりAORしたナンバーとなっております。
3曲目の"I Don't Speak The Language"はメロディアスなバラード・ナンバーですが、バックの音はエレポップしており、アレンジを変えれば、雰囲気も変わりとても良いAORナンバーになることは間違いないと思いますが。
4曲目の"Love Above The Ground Floor"もメロディはとても良いですし、Matthewのヴォーカルもなかなかです。バックの女性コーラスも雰囲気があり、これはモロAORしております。
5曲目の"World Of The Rich And Famous"のバックの音は、完全に80年代しております。ファンキーさが堪りません。
6曲目の"Ladder Of Lovers"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
10曲目から2ndアルバム"bouncin' Off The Walls"に収められているナンバーです。このMatthew Wilderは一発屋のイメージが強いアーティストですが、なかなかどうして、この2ndでもヒットしたナンバー"Hey Little Girl"なんか収められているし、出来も1stに負けない位の出来だと思いますよ。
11曲目のタイトル・ナンバー"Bouncin' Off The Walls"は6分強の大曲ですが、バックの音にもメリハリがあるナンバーで、なかなかのものだと思います。
2ndからのヒット・ナンバーの12曲目"Hey Little Girl"は、私としては、1stの"Break My Stride"よりもずっと良く出来たナンバーだと思いますね。覚えやすいメロディを持ったナンバーで、AORとしてもかなり楽しめます。
14曲目の"Naked Truth"も80年代の雰囲気を伝えさせてくれるナンバーとなっております。
15曲目の"Open Up (Let Me In)"もポップで曲の出来は良いです。アレンジが変われば雰囲気も変わるかも。
16曲目の"Cry Just A Little"でのバックの少しばかりハードなギターがカッコ良いナンバーです。音もタイトで良いかも。
17曲目の"Love Of An Amazon"はメロディがいかしてますので、アレンジを変えれば、相当良くなると思います。まあ、このアレンジが80年代なのかも。
ラスト・ナンバーの"Fortune Cookie"はとてもカッコ良いロック・ナンバーで、出来としてもかなりのものです。
80年代のエレポップしたサウンドですが、メロディが結構こなれており、AORとしても楽しむことが出来る1枚だと思いますよ。
2006-11-25
The Gadd Gang / Here & Now (1988)

ジャズ・フュージョン界だけでなく、ロック界でも最高のドラミングを聴かせてくれます。特にEric Claptonのバックでのドラムスは最高です。
このTHE GADD GANGのメンバーは、Steve Gaddのほか、ギターにCornell Dupree、ベースにEddie Gomez、ピアノ・キーボードにRichard Tee、サックスにRonnie Cuberと錚々たるメンバーとなっております。
STUFFの3人が入っておりますので、曲によってはSTUFFを彷彿させるものがあります。
Richard Teeのピアノが大好きな私にとっては、最高の1枚です。
1曲目の"I Can't Turn You Loose"は、Ortis Reddingが1965年にヒットさせたソウルの名曲で、The Blues Brothersのカヴァーが有名な、ファンキーなナンバーです。このTHE GADD GANGのヴァージョンもとてもファンキーなご機嫌の1曲に仕上がっております。
2曲目の"My Girl / Them Changes"は、前半は、The Temptationsの大ヒット・ナンバーの"My Girl"で、後半はThe Band Of Gypsyのナンバーで、この2曲を上手く繫げています。Cornell Dupreeのあの独特なトーンが最高です。
3曲目の"Soul Serenade"は、King Curtisの1964年のナンバーです。Ronnie Cuberのサックスがご機嫌なナンバーです。
4曲目の"A Whiter Shade Of Pale"はもちろんあのPROCOL HARUMの超有名なナンバーです。もちろん、このナンバーで主役を張るのは、Richard Teeですが、その音は厳かです。また、主旋律はサックスがこれもまた良い音を出しておりますし、それに続くCornell Dupreeのギターも最高です。
5曲目の"Tippin'"は、彼等のオリジナルで、Cornell Dupreeのブルージーなギターの音がとても味わい深いものとなっております。
6曲目の"Things Ain't What They Used To Be"は、1943年のDuke Ellingtonのナンバーで、このTHE GADD GANGのヴァージョンもビッグバンド・ジャズ風で、とてもご機嫌なナンバーに仕上がっております。
7曲目の"Che Ore So"は、メロディアスなバラード・ナンバーで、主旋律はサックスですが、バックのRichard Teeのロード・ピアノがとても美しいナンバーで、まるでSTUFFのバラードを聴いているようです。
8曲目の"Signed, Sealed, Delivered I'm Yours"は、1970年のStevie Wonderのナンバーです。このナンバーはSTUFF時代にもカヴァーしており、とてもファンキーでご機嫌なナンバーです。
ラスト・ナンバーの9曲目"America The Beautiful"は、Ray Charlesのヴァージョンが有名ですが、メロディアスなバラード・ナンバーに仕上げています。
ソウルフルでファンキーなアルバムでお薦めです。
2006-11-24
Trickster / Find The Lady (1977)


私は、この2枚ともアナログ・ディスクを所有しておりますが、特に2ndの"Back To Zero"についてはCD化を切望しておりましたの、非常に嬉しい限りです。
それも今回のCD化は2枚ともボーナス・トラックが追加されており、その辺もとても有り難く思っております。
冒頭に英国のハードポップ・バンドと書きましたが、CDのライナーにはElectric Light Orchestraとか10ccとかが引き合いに出されております。
もちろん、そういった部分もありますが、私といたしましては、多分にアメリカナイズされたサウンドで、発表した時期を考えますと、StyxあるいはToto辺りの産業ロックの音に近いのではないか、と思っております。
特に2ndアルバムは私のHPでも「CD化祈願アルバム」として一度紹介しておりますが、1曲目の"Tomorrow Belongs To Me"はまさにTOTOを彷彿するようなメロディアスな産業ロックで、ヒット性抜群のナンバーです。
この2ndのアルバム紹介は私のHPをご覧いただければと思います。
ところで、彼等の1stアルバムですが、当時のジャケットと全く違っております。
また、アルバムのタイトルもTRICKSTERというバンド名をタイトルにしておりました。
私が所有しているのは、国内盤で、邦題は「ロックン・ロール・マジック」と名付けられておりました。
全体の出来としては、2ndの方が良くできていると私は思いますが、それでも、ELOや10ccが引き合いに出されるくらいですから、曲作りに関しては、なかなかです。
また、この1stの方が、ELOや10ccといったバンドが挙がるのもわかりますね。
1曲目の"Listen To My Music"はなるほど雰囲気は10ccです。メロディアスなポップ・センス溢れるナンバーとなっております。
2曲目の"Rich Man"はアメリカナイズされた産業ロック然としたメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Louise"は美しいピアノの音から入るバラード・ナンバーです。
4曲目の"Miles And Miles Away"でのストリングスとピアノの音は、モロ、ELO風です。
5曲目の"If That's The Way The Feeling Takes You"もポップ・センス溢れたロック・ナンバーに仕上がっております。
6曲目のMoney Of Your Life"でのちょっとひねくれたようなポップ性は10ccにつながる感じですね。
7曲目の"The Song Will Always Be The Same"での出だしのサックスの音はそそります。
8曲目の"Goodbye 65"の邦題は「さらばビートルズ」というものでしたが、メンバーすべたがTHE BEATLESのファンらしく、THE BEATLESにインスパイアされて出来たナンバーだそうですが、あまりTHE BEATLESとは関係ないようなサウンドだと思いますが。
9曲目の"Let It Lie"は結構ハードな出だしにストリングスを被せておりますが、本編に入るとこれが壮大さを感じさせるパワー・バラードなんです。この辺はELOの影響が大きいのかも。このナンバーの出来は素晴らしいです。
10曲目以降はCD化に伴うボーナストラックです。
10曲目の"To Fly Away"は、3曲目に似たナンバーで、バックのピアノが美しいバラード・ナンバーです。
11曲目の"Never Too Old To Rock'N'Roll"はタイトルどおりご機嫌なロックンロール・ナンバーです。
12曲目の"Rock'N'Roll Honeymoon"もご機嫌なナンバーです。
ラスト・ナンバーの13曲目"If You've Got The Feeling"は、ギターのカッティングがカッコ良いファンキーなナンバーです。
アルバム全体の出来としては悪くないですが、やっぱり2ndアルバムの方が優っておりますね。
2006-11-23
The Beatles / LOVE (2006)

オリジナル・アルバムとは言い難いですが、出来上がりとしては面白いアルバムだと思いますね。
人によっては、THE BEATLESのアルバムと認めない方もいらっしゃると思いますが。
このアルバムは。アメリカのラスベガスで公演中、Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)によるエンターテインメント・ショー『Love』からインスパイアされた作品だそうです。
このショウ"LOVE"は、元々George Harrisonがシルク・ドゥ・ソレイユの創始者、Guy Laliberté(ガイ・ラリベルテ)氏に、映像とダンスと音楽を融合させたショーで「ビートルズの曲で何か出来ないか」と提案したのがきっかけだとされているようです。
アルバムの内容は、既発表ナンバーの楽器やヴォーカルなどをトラックごとに解体し、バラバラのパーツとパーツを組み合わせる事によって生まれたマッシュ・アップ的な作品で、彼等のナンバーがまるで新しいナンバーに生まれ変わっているという触れ込みで、全26曲が収められていて中には、本当に良く出来たナンバーも収められております。
その筆頭が2曲目の"Get Back"で、"A Hard Days Night"のジャンー!という音から、"The End"のドラムソロとギターソロの一部から"Get Back"への前奏部分へと移ります。バックの音も"A Day In The Life"の一部があったりで、結構楽しめます。
1曲目の"Because"はオリジナルのバックの音を全て排除し、完全にアカペラとなっております。
3曲目の"Glass Onion"は全く変わり果てたといっても過言ではないでしょう。ヴォーカル部分がオリジナルのほかは、バックの音は彼等のいろいろなナンバーを上手く繋ぎ合わしたものとなっております。
4曲目の"Eleanor Rigby / Julia"はタイトルどおり"Eleanor Rigby"と"Julia"を合体したナンバーで、"Eleanor Rigby"は殆どオリジナルに近く、"Julia"はアコースティック・ギターの部分だけです。
私の大好きなナンバーの5曲目"I Am The Wakrus"は、オリジナルに新たにストリングスを被せ、オリジナルに比べとても華麗なナンバーに仕上がっています。このナンバーも素敵です。
6曲目の"I Want To Hold Your Hand"は、オリジナルにオーディエンスの叫び声を被せ、臨場感豊かなライヴ仕様となっております。
7曲目の"Drive My Car / The Word / What You're Doing"では、オリジナルナンバーを繋げ、さらに、バックの音はオリジナルナンバーの各パーツを集めておりますが、中でも"Lady Madonna"のあのホーンの音を入れておりますが、これが妙に嵌っています。
8曲目の"Gnik Nus"は初めて聴くナンバーですが、歌っているのは紛れも無くTHE BEATLESです。
9曲目は"Something / Blue Jay Way"で、これも新たにストリングスを被せているようです。これも華麗なナンバーに仕上がっています。
10曲目の"Being For The Benefit Of Mr. Kite / I Want You (She's So Heavy / Helter Skelter"は、メインの部分は、"Being For The Benefit Of Mr. Kite"で、後半部分に"I Want You"に"Helter Skelter"を被せるといった離れ業を披露してくれ、まるで元々1曲のナンバーみたいです。
11曲目の"Help!"は、殆どオリジナルに近く、どこが違うの?という感じも。
12曲目の"Blackbird / Yesterday"は、この2曲を繋げることはある程度予想がつきそう、というナンバーですよね。曲のメインの部分は"yesterday"で全く違和感なく聴けます。
13曲目の"Strawberry Fields Forever"はオリジナルに比べ、曲がとても軽くなっております。バックの音も他のナンバーから集めています。
14曲目の"Within You Without You / Tomorrow Never Knows"もオリジナルを繋げたくなるナンバーですよね。これのナンバーも繫げたり、被せたりして、纏まった1曲に仕上がっております。ホント、良く出来てます。
15曲目の"Lucy In The Sky With Diamonds"でもオリジナルにいろいろな音を被せた作りとなっております。
16曲目の"Octopus's Garden"は、"Good Night"の前奏から始まり、"Octopus's Garden"へと繋がっています。
17曲目の"Lady Madonna"は、前奏部分に苦労がみられますが、オリジナルのシャキっとしたところがちょっとという感じですね。
18曲目の"Here Comes The Sun / The Inner Light"でもタブラの音を被せたり結構苦労が見られます。
19曲目の"Come Together / Dear Prudence / Cry Baby Cry"は、どうやって繫げるのかなと思っておりましたが、それ以前に、先ずオリジナルの"Come Together"を分解して、ベースとドラムスの音を増幅させ、再び組合わせたような感じです。オリジナルより迫力があります。これは凄いと思いますね。あとは、曲の最後の部分で2曲を被せたり、繫げたりです。
20曲目の"Revolution"でも同じようなことを行っているのか、オリジナルに比べ数段迫力が増しています。とにかく、ギターの音が最高なんです。これぞリ・メイクといった感じで、素晴らしいです。
21曲目の"Back In The U.S.S.R."も迫力満点で、こういったロック・ナンバーをオリジナル以上の出来にするGeorge Martinは、やはりTHE BEATLESの楽曲を良く知っているということでしょうね。こんな曲を聴くと、THE BEATLESがこれほど世界中で売れたのも、彼等の作るナンバー以外に、George Martinのプロデュースがあったからだと思います。
22曲目の"While My Guitar Gently Weeps"はアコースティック・ヴァージョンにストリングスを被せ、中途半端だったこのアコースティック・ヴァージョンが完成されたナンバーとなりました。この美しさは、THE BEATLESのほかのバラード・ナンバーに引けを取らないナンバーに仕上がりました。
23曲目の"A Day In The Life"も、オリジナルと殆ど変わりませんが、ドラムスの音が鮮明になっております。
24曲目の"Hey Jude"もオリジナルに比べ、楽器の各パーツが鮮明に聴こえます。やはりこの辺はGeorge Martinの手腕によるところが大きいと思いますね。
25曲目の"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)"は、殆どオリジナルと同じです。
ラスト・ナンバーの26曲目"All You Need Is Love"もバックの各パーツが鮮明になっております。これはオリジナル以上の出来ですね。
こうやって、全曲を聴きましたが、これは"Let It Be Naked"以上の出来だと思いますね。
2曲目の"Get Back"でちょっとビックリでしたが、それ以上に"Come Together"、"Revolution"、"Back In The U.S.S.R."などのロック・ナンバーの出来はオリジナル以上です。
The Beatlesファンはもちろん、そうでない方にもお薦めです。最高のリマスター、アレンジです。
2006-11-22
Tatsuro Yamashita / Come Along (2002)

70年代後半のAORミュージックに呼応するかのように、日本のアーティストのサウンドも洗練されたものとなり、それまで、殆ど(というわけでもないですが)日本のアーティストに見向きもしなかった私が、ジャパニーズAORを聴き始めたのも、この山下達郎がいたからと言っても過言ではないかも。
それだけ、音が洒落ていてグルーヴィーだったからだと思います。
この"COME ALONG"ですが、当時は販促用のLPとして店頭用として配布されたものでしたが、かなり話題となり、カセットとして正規に発売されました。
その後、山下達郎がMOONレーベルに移籍した後、山下達郎の意思と関係なく、LP化、CD化されたようです。
しかしながら、今回紹介する"COME ALONG"はRCA/AIRレーベルでの山下達郎の音源のリマスター化に合わせ、RCA/AIRでの達郎の全アイテムを購入した者へのプレゼントとしてリマスターされた非売品のCDとなっております。
アルバムの中身はご存知の方が多いと思いますが、小林克也のDJによるPart 1の"Danding Dide"とハワイのKIKIラジオ・ステーションを再現したPart 2の"KIKI Station Side"の二つのパートに分かれております。
収められているナンバーは達郎のヒット・ナンバーばかりで、ベスト・アルバムの色彩が強いアルバムとなっております。
何がカッコ良いかと言いますと、もちろん、達郎のヴォーカルと彼が作った名曲の数々ですが、それ以上に小林克也のDJがホントご機嫌なんですね。
その昔、「ベスト・ヒット・USA」という音楽番組があり、紹介するナンバーがAORなどのメロディアスなナンバーが多かったですが、この番組のDJも小林克也で彼の話す英語がとてもカッコ良く見えました。
また、小林克也といえば、伊武正刀とのコンビによるスネークマン・ショウは忘れることが出来ませんね。
さらに、この"COME ALONG"では、小林克也とともに達郎の奥方竹内まりやもDJで参加しております。
また、ジャケットは鈴木英人ということで、これもカッコ良いです。
なお、収められているナンバーは次のとおりです。
01 Bomber
02 Let7s Dance Baby
03 Slid Slider
04 Let's Kiss The Sun
05 愛を描いて
06 Last Step
07 Love Space
08 Windy Lady
09 Circus Town
10 素敵な午後は
11 Paper Doll
12 潮騒
2006-11-21
The Richie Zito Project / Avalon (2006)

Richie Zitoがプロデュースしたアーティストには、John O'Banion、Marc Tanner、Eddie MoneyなどのAOR勢のほか、Bad English、Heartなどの産業ロック勢、さらには、White Lion、Mr. Big、Tykett、Poison、Cheap Trickなどのハードロック勢など多数あり、その殆どがメロディアスなものばかりです。
こうやって、Richie Zitoが前面に出てのソロ・プロジェクトは今までなかったことでしたので、先ず愕き、さらに、Richie Zitoのプロジェクトであれば、今までのプロデュース作品から、メロディアスなサウンドで相当期待出来ると踏みました。
これがまさに期待どおりの出来で、もう申し分のないアルバムに仕上がっております。
曲によってヴォーカリストが違い、それぞれのヴォーカリストの個性も出ており、とても楽しめます。
1曲目の"Blue collar"は、Hugoのヴォーカルによるナンバーです。HugoはJOURNEYのSteve Perryばりのヴォーカルを聴かせてくれるアーティストで、自身でも3枚ほどアルバムを出しております。Richie ZitoがHugo在籍時のOPEN SKYZをプロデュースしたのがきっかけで、ここに名を連ねていると思います。メロディック・ロック然としたナンバーで、Hugoのヴォーカルにもピッタリのナンバーです。
2曲目の"Is He Better Than Me"は、Joe Lynn Turnerのヴォーカルとなっております。産業ロック然としたメロディアスなロック・ナンバーで、バックのRichieのギターソロもとてもカッコ良く、申し分ない出来だと思いますね。
3曲目の"Nightmare"では、Eddie Moneyのヴォーカルが聴けます。最近の彼の写真なんかみると昔のカッコ良かったロック・ヴォーカリストの面影は無いですが、それでも、少しハスキーな力強いヴォーカルは健在のようです。まるで、Eddie Moneyのアルバムの1曲を聴いている感じで、最高にご機嫌です。Richie Zitoのプロデュースで、Eddie Moneyのフル・アルバムを聴いてみたいです。
4曲目の"Oh Samantha"のヴォーカルは、Joseph Williamsです。メロディが美しいバラード・ナンバーで、完全にAORしております。Joseph Williamsの高音に伸びるヴォーカルは最高で、このナンバーは聴きものです。AORファンであれば、このナンバーのためだけに、このアルバムを手に入れるべきですね。
5曲目のタイトル・ナンバー"Avalon"では、元TykettのDanny Vaughnがヴォーカルを担当しております。このナンバーも哀愁を帯びたメロディアスなナンバーで、産業ロックの香りがプンプンするナンバーです。Danny Vaughnのヴォーカルも最高です。
6曲目の"Life Got In The Way"は、Eric Martinのヴォーカルによるナンバーです。前奏のギター・キーボードの音がとても雰囲気のあるメロディアスな産業ロック・ナンバーとなっております。これも言うこと無しのナンバーですね。
7曲目の"Blue Monday"では、Giorgio Moroderというとても珍しい名前を発見できます。Richieのギターはかなりハードで、弾きまくっています。
8曲目の"Forever I Will"では、何とRichie Kotzenがヴォーカルを担当しております。このRichie Kotzenはギタリストの名手ですが、ブルージーなヴォーカルも最高で、ヴォーカリストとしても一流です。このナンバーでもそんなRichie Kotzenのブルージーなヴォーカルが聴けるメロディアスなナンバーに仕上がっております。
9曲目の"I Can't Forget You"では、Philip Bardowellなる人物がヴォーカルを担当しております。John Waiteの大ヒットナンバー"Missing You"に似たタイプのロッカ・バラードとなっております。このナンバーもとても良く仕上がっています。
10曲目の"I Put My Life In Your Hands"は再びEddie Moneyのヴォーカルで、このナンバーを聴いても、やっぱり、Eddie Moneyのフル・アルバムを聴きたくなります。
11曲目の"Good Things Take Time"は、再びPhilip Bardowellのヴォーカルとなっております。壮大さを感じさせるロッカ・バラードで、Richieのギターが良い音を出しております。
12曲目の"I Don't Want To Want You Anymore"は、再びEric Martinのヴォーカルです。出だし美しいピアノの音が印象的なバラード・ナンバーで、扇情的なEric Martinのヴォーカルが最高です。メロディアス度も抜群で、曲の出来も素晴らしいです。
ラスト・ナンバーは日本盤のボーナス・トラックで、4曲目の"Oh Samantha"のオルタネイト。ヴァージョンとなっております。
それにしても、このアルバムは捨て曲なしの最強の1枚です。
産業ロック、メロディック・ロック、AORなどメロディ・マニアにとって、必聴の1枚です。
2006-11-20
Roby Duke / Not The Same (1982)

AORが真っ盛りに出されたアルバムで、私としては、ヴォーカル・スタイルやメロディ主体でAORを楽しんでいた時期でした。
ということで、当時は、CCM (Contemporary Christian Music)なる言葉にも無頓着でした。
基本的には、私はクリスチャンでも何でもないので、中身は英語ですから、JESUS、JESUSと連呼されない限り、AORの一つとして聴いておりましたね。
もちろん、CCMといってもいろいろなジャンルがあり、それこそ、聖歌からハードロックまで幅広いです。
私は、こういったAORからGUARDIANといったハードロックまで、好みのサウンドには一応目を(否、耳を)通していたおりました。
そんな中でもこのRoby Dukeの"Not The Same"は当時ヘヴィ・ローテーションしていたアルバムです。
当時はAORと言われたアルバムはお金の続く限りレコードを漁っておりました。
私が買ったのは輸入盤でしたので、このジャケットでしたが、国内盤はそれこそAORの雰囲気満載のジャケットに差し替えられておりました(このアルバムがCD化され、二つ折りのジャケットの裏側は差し替えられたジャケットとなっております)。
まあ、このオリジナルのジャケットを見ると差し替えたくなるのもわかりますし、アルバムから聴こえてくるヴォーカルとサウンド・スタイルを考えると、差し替えたのが正解だったのかも知れませんが。
アルバム・ジャケットは別として、当時、このアルバムを聴いた時は、かなりぶっ飛びましたね。
もう1曲目の"Love Is Here To Stay"はこれぞAORといった最強のナンバーで、この曲だけで十分といった感じでしたね。透き通った感じのRobyのヴォーカルとバックの音といい美しい旋律といい、申し分ない出来となっております。私は、このアルバムの中で最も好きなナンバーです。これは強烈でしたね。
2曲目の"Time To Stand"はストリングスが美しいバラード・ナンバーですが、Robyのヴォーカルを聴くと透き通った高音に伸びるスタイルは、第二のChristopher Crossと呼ばれていたのも、思わず納得してしまいます。
3曲目の"Seasons Of Change"は、結構タイトなリズムのナンバーですが、メロディは最高で、これも良く出来たAORナンバーです。
4曲目の"Carpenter"は出だしのキーボードの音が堪りません。美しい旋律を持ったバラード・ナンバーで、バックの女性のコーラスが雰囲気を盛り上げており、このナンバーも言うこと無しです。
5曲目の"Feel It Comin'"は、キーボードの音がいかしておりますが、途中の短いながらもギター・ソロがとてもカッコ良く、当時のAORナンバーらしい幹事の曲となっております。
6曲目の"O'Magnify The Lord"はタイトルにLORDと入っていることからわかるとおり、厳かな感じのするメロディアスなナンバーとなっております。バックのキーボードの音がとても魅力的なナンバーです。
7曲目の"Can't Stop Runnin'"は、Bruce Hibbardのペンによるナンバーで、かなり良く出来たAORナンバーとなっております。また、このナンバーでも短めながら、ギター・ソロがカッコ良いです。
8曲目の"Rested In Your Love"はメロディが美しいナンバーですが、本当にもう何もいえません。
9曲目のタイトル・ナンバー"Not The Same"はAORのコンピーレーション・アルバムに収められる機会の多いナンバーで、このナンバーももちろん出来は素晴らしいですが、私であれば、彼の代表曲は1曲目だと思っておりますので、コンピに入れるのであれば、"Love Is Here To Stay"を迷わず選びますが。
ラスト・ナンバーの10曲目"Promised Land"もほかのナンバー同様にメロディが美しいナンバーとなっております。
どのナンバーもそうですが、このRobyのヴォーカルはかなり魅力的だと思いますね。
このアルバムの後、何枚か発表(COOL SOUNDからも国内盤でCD化されていた)しておりますが、私といたしましては、この1stを超えたアルバムとは思えませんでしたが。
2006-11-19
Fools Gold / Mr. Lucky (1977)

そのせいかこの1stはDan Fogelbergにも通ずるアコースティカルな部分と少しばかりカントリー・フレーヴァーの内容でした。
それが1977年に発表されたこの"Mr. Lucky"では、1stの部分も残しながら、かなり洗練されたサウンドに進化しましております。
プロデューサーがKeith Olssonに変わったのが最大の要因だと思いますが、あとはバック・ミュージシャンによる洒落たサウンド作りだと思いますね。
このアルバムには、David FosterやJeff Porcaro、Mike Porcaro、David Paichの後のTOTO一派、さらには、Bill Champlin、Dan fogelberg、Andrew Gold、Tom Scottなど錚々たるメンバーが名前を連ねてます。
FOOLS GOLDは元は4人のメンバーによるバンドでしたが、このアルバムでは、Denny HensonとTom Kellyの二人のユニットとなっております。
面白いところでは、このDenny Hensonは、先日Wounded Bird Recordsから初CD化されたTHUNDERの2ndアルバム"Headphones For Cows"で正式なメンバーとしてキーボードとコーラスを担当しております。
一方のTom KellyはAOR界屈指のヴォーカリストとして非常に有名で、i-TENはBilly Steinbergとのプロジェクトですが、彼のソロ・アルバムみたいな感じですし、こちらも最近ソニー・レコードから初CD化されたGary Asherのプロジェクト"CELESTIUM"でヴォーカルを担当しております。
また、Tom Kellyは、AIRPLAYを始め、かなりの数のAORアルバムでバッキング・ヴォーカルを担当しております。
とにかく、Tom Kellyのハイトーン・ヴォーカルはとてもカッコ良いです。
このFOOLS GOLDでもやはりというか当然にDenny HensonのヴォーカルよりTom Kellyのヴォーカルの方が輝いています。
このアルバムでは、David Fosterがかなりの曲でアレンジを手がけておりますので、その辺が都会的な音を醸し出していると思いますね。
1曲目の"Sweet Country Air"はさおの最たるナンバーで、バックのピアノとサックスの音がとてもご機嫌なナンバーです。二人のコーラス・ワークの最高です。
2曲目の"I Can Hear The Whistle Blow"は1stアルバム的なカントリータッチのナンバーです。
次の3曲目"Wouldn't I Love To Love You"がアルバムの一押しナンバーで、かつ、いわゆる全てのAORのアルバムの中でも、その出来はトップ・クラスのナンバーだと思います。Bobby Caldwell、Boz Scaggs、Billy Joelは別格としても、例えば、Jimmy Messinaの"Seeing You"とかDan Fogelbergの"Longer"などAORの名曲に当然入るナンバーだと思います。とにかく、このナンバーを聴いた時は、ほれぼれしましたね。
4曲目の"Runnin' And Hidin'"のピアノもDavid Fosterだと思いますが、かなり良く出来たメロディアスなAORナンバーに仕上がっています。とにかくTom Kellyのヴォーカルはカッコ良いです。
5曲目の"Fly Away"もDavid Fosterのロードピアノがいかしたメロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
6曲目の"Gypsy Brew"はポップなメロディのナンバーです。この曲の出来もかなりのものです。
タイトル・ナンバーの7曲目"Mr. Lucky"は都会的な洒落たサウンドのナンバーで、ファンキーさが堪りません。こういった辺りは1stには無い部分ですね。City Musicという言葉がピッタリのナンバーです。
8曲目の"Where Did Our Love Go Wrong"は、再び当時のAORの香りが濃いナンバーです。Tom KellyのヴォーカルとバックのDavid Fosterのピアノがかなり良い雰囲気です。
ラスト・ナンバーの9曲目"Captain"は二人の息のあったコーラス・ワークが最高のナンバーです。特にこのナンバーでは、二人のコーラスが前面に出ており、メロディアス度も抜群のナンバーです。言うこと無しですね。
2006-11-18
Triumvirat / Spartacus (1975)

このバンドについては全く知識を有しておりません。
プロデュースはバンドのキーボーディストJurgen Fritzなる人物で、彼がサウンドの要のようです。
キーボード主体のサウンドでかなりメロディアスです。
このJurgen Fritzのほかには、ヴォーカル、ギター、ベースにHelmut Kollen。ドラムスにはHans Batheltの計3名によるバンドとなっております。
面白いところでは、ミキシングにGeoff Emerickの名前があったりします。
このGeoff EmerickはBADFINGERのエンジニアを担当している人物ですが、その彼がどうしてプログレのミキシングを手がけているのでしょうかという素朴な疑問も。
このアルバムのタイトルは、"SPARTACUS"というものですが、紀元前73年の古代ローマの英雄スパルタカスの物語がベースになったコンセプト・アルバムとなっているようです。
1曲目の"The Capital Of Power"は3分弱の短いナンバーで、このアルバムのプロローグともいえるナンバーです。JurgenのMoog Synthesizerがとても良い感じです。
2曲目の"The School Of Instant Pain"は4曲からなる組曲で、出だしのピアノの音が美しいナンバーです。このナンバーはヴォーカルが入ったナンバーです。ピアノとムーグ・シンセサイザーの音が最高に良いです。メロディアスなナンバーで、ポップ性も抜群です。ハモンド・オルガンも使用しており、感じとしては、どことなくPROCOL HARUMと似た部分もあります。
3曲目の"The Walls Of Doom"は、これまたシンセ主体のファンキーさを感じさせるインスト・ナンバーとなっております。曲の中盤からPFMっぽいサウンドとなっております。結構楽しめるナンバーです。
4曲目の"The Deadly Dream Of Freedom"はヴォーカル入りのメロディアスなバラード・ナンバーです。バックのピアノの音といい、曲の盛り上がりといい、かなり良く出来たナンバーだと思いますね。シングル・カットすればヒットするようなナンバーです。
5曲目の"The Hazy Shades Of Dawn"は多分にRick Wakeman的なキーボード主体のナンバーとなっております。このJurgen Fritzですが、かなりRick Wakemanを意識していると思いますね。
6曲目の"The Burning Sword Of Capua"も前曲同様キーボードが主体で、このナンバーも殆どRick Wakemanしております。
7曲目の"The Sweetest Sound Of Liberty"はアコースティック・ギターの音が結構そそるナンバーで、Helmutのヴォーカルが聴きものです。出来もかなり良いです。
8曲目の"The March To The Eternal City"も3曲からなる組曲です。このナンバーでもJurgenのピアノの音は最高です。この辺りの曲はオリジナリティも高くプログレ・バンドとしても他のバンドには負けておりません。技量も高く、かなりいけると思います。
ラスト・ナンバーの9曲目"Spartacus"はアルバムのタイトル・ナンバーですが、このナンバーも3曲からなる組曲となっております。このナンバーは多分にPFMっぽい音を聴かせてくれます。ピアノとムーグ・シンセサイザーの音が最高です。かなりのピアノの名手だと思います。
このアルバムも中古で700円くらいで仕入れたものですが、それ以上の価値があるアルバムでした。
2006-11-17
Northern Light / Northern Light (2005)

このNORTHERN LIGHTはノルウェー産のプロジェクトで、中心となっている人物は、Tor Talleというギタリストです。
このギタリストを中心にヴォーカリスト7人がそれぞれリードをとっております。
このヴォーカリストには、Fergie Frederiksen、Mikael Erlandsson、Grand IllusionのPeter Sundell、ShyのTony Mills、Urban TaleのKimmo Blom、MorattiのRob Morattiなど有名どころが参加しております。
中身の音は冒頭にも書きましたが、メロディアスなハードポップとなっております。
1曲目の"I Will Follow You"はPeter Sundellのヴォーカルによるナンバーで、透明感溢れたメロディアスなナンバーです。いかにも北欧産のハードポップといったナンバーです。
2曲目の"Don't Turn Away"もヴォーカルはPeterで、このナンバーはRTZといった感じの曲で、Brad Delp辺りが歌うともっと良くなると思いますね。
3曲目の"While There Still Time"はTor Talleのギターがとてもカッコ良いナンバーで、これぞメロディックなハードポップの見本みたいなナンバーです。なお、このナンバーでのヴォーカルはTony Millsです。ギターの音が本当にカッコ良いナンバーです。
4曲目の"Still My Hero"はKimmo Blomのヴォーカルによるナンバーです。ポップな感じのナンバーです。
5曲目の"When I Close My Eyes"はTony Millsがヴォーカルのナンバーです。こういったタイトルのナンバーはバラードと相場が決まっておりますが、このナンバーもご多分に漏れずメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。しっとりと歌い上げるTonyのヴォーカルも良いですが、Totのギター、さらには、Egil Orvedalのキーボード・プレイが冴えております。
6曲目の"Rain Of Tears"は出だしのギターのリフがカッコ良い、ポップでコマーシャルなナンバーです。
7曲目の"Eye To Eye"のヴォーカルはFrgie Frederiksenが担当しております。やっぱり聴いていて安心しますね。メロディアスな産業ロック・ナンバーとなっております。
8曲目の"High Above The Sky"でのヴォーカルはRob Morattiです。ミディアム・テンポのメロディが最高にいかしたナンバーで、Rob Morattiのハイトーン・ヴォーカルもかなり良いです。とても良い曲です。
9曲目の"Lay Down Your Defences"は再びKimmo Blomのヴォーカルによるナンバーです。このナンバーもミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、しっとり感がたまらないです。
10曲目の"Living On A Lie"はPeter Sundellのヴォーカルによるナンバーです。このナンバーもポップなメロディを持ったナンバーです。Tor Talleのギターがとてもカッコ良いです。
11曲目の"The Story Lives On"はMikael Erlandssonのヴォーカルによるナンバーです。壮大なスケール感を持ったナンバーで、そんな中で歌うMikael Erlandssonのヴォーカルが最高です。
12曲目の"Whenever You Go"はTor Talleのアコースティック・ギターから始まるメロディアスなナンバーです。産業ロックのバラード然としたナンバーで、出来もかなりのものです。バックのピアノの音が最高です。
ラスト・ナンバーの13曲目"Always Be The One"は日本のみのボーナストラックで、Tor Talleの伸びのあるギターの音がカッコ良い産業ロック・ナンバーとなっております。
メロディック・ロックや産業ロックのファンにとっては要チェックの1枚だと思います。
2006-11-16
Yvonne Elliman / Yvonne Elliman (1979)

そういえば、1997年に上映されたこの映画もかなりのフィーバーぶりを見せ、THE BEE GEESのがそれまでの活動の中で最も脚光を浴びた時代でした。
その後、Yvonne EllimanはEric Clapton Bandのメイン・ヴォーカルあるいはバック・ヴォーカルでMarcy Levyとの2枚看板で鳴らしたのは有名な話ですし、これをきっかけにさらに彼女の名前が浸透しました。
そのEvonne Ellimanが1979年に発表したのが、この4thアルバム"Yvonne Elliman"です。
プロデュースを担当しているのは、ダンヒルサウンドの立役者Steve Barriが、また、アレンジとキーボードはMichael Omartianが担当しております。
バック・ミュージシャンも豪華で、ドラムスにJeff Porcaro、Jim Keltner、ギターにJay Graydon、Marty Walsh、Richie Zito、Lee Ritenour、ベースにMike Porcaro、サックスにJim Hornという布陣となっております。
そんなミュージシャン達から出てくるサウンドは珠玉のAORとなっております。
1曲目の"Love Pains"は、"If I Can't Have You"タイプの軽快なナンバーで、ヒット性抜群のナンバーで、シングル・カットされ、そこそこヒットしたナンバーです。
2曲目の"Savannah"はMathew Mooreのペンによるナンバーで、私としては、このアルバムで最も好きなナンバーでもあります。オリジナルのMatthewのヴァージョンも聴いたことがありますが、オリジナルより雰囲気が出ていて、このYvonneのヴァージョンの出来の方が良いとおもいますね。アレンジもファンキーでとてもカッコ良くなっています。
3曲目の"Cold Wind Across My Heart"はTom Snowのペンによるナンバーです。最高にメロディアスなナンバーで、Jim Hornのフルートとギターがとてもいかしてますし、作曲者のTom Snowがキーボードで参加しているようです。このナンバーもお薦めの1曲です。
4曲目の"Greenlight"でリード・ギターを弾いているのはJay Graydonで、伸びのあるJayらしいギターとなっております。
5曲目の"Everything Must Change"はメロディアスなバラード・ナンバーです。こういったバラード・ナンバーからファンキーでソウルフルなナンバーまで歌いこなせるYvonne Ellimanは本当に歌が上手いヴォーカリストだと思います。
6曲目の"How Long"はミディアム・テンポのナンバーながら、ソウルフルに歌うYvonneのヴォーカルがいかしています。さらにバックの音がとてもカッコ良いんです。とてもご機嫌なナンバーです。
7曲目の"Sticks And Stones / Hit The Road Jack"はブルージーなナンバーですが、この歌いっぷりはいかしてます。また、このナンバーでは、Dr. Johnとのデュエットも聴けます。あの独特のヴォーカルと結構合っていたりします。
8曲目の"Rock Me Slowly"がまた、メロディアスなAORナンバーに仕上がっています。バックのストリングスがとても雰囲気が出ていて、もういうことありません。また、Jim Hornの切なそうなサックスの音も最高です。Jeff Porcaroのドラミングも存在感抜群です。とても良く出来たナンバーです。
9曲目の"I'm Gonna Use What I Got To Get What I Need"はレゲエ調の面白いナンバーとなっております。
ラスト・ナンバーの10曲目"No Where To Hide"はEric Carmenのペンによるナンバーで、彼の1977年の作品"Boats Against The Current"に収められていたナンバーです。また、このナンバーのバッキング・ヴォーカルにはEric Carmen本人も参加しております。まあ、この曲に関しては、オリジナルの方が出来としては素晴らしいと思います。
ただ、このアルバムは2000年に再発されておりますが、最近は見かける機会も少なくなってきました。
Amzonではまだカタログに載っていますので、興味のある方はお早めに手に入れた方が良いかも。
2006-11-15
Crossfade / White On Blue (2003)

このCROSSFADEは北欧(Sweden)のバンドですが、こういったAORを聴かせてくれるアーティストとしてTommy Denanderがおりますし、フランスでは、Frederic Slama (AOR)が有名なところです。
この二人のアーティストの出すサウンドはまさにアメリカ西海岸の、例えばAIRPLAY、TOTOなどのサウンドに近いものがあります。
Tommy DenanderにしてもFrederic Slamaにしても、ロス辺りで音楽修行に励んでいたようですので、ウエスト・コーストのミュージシャンと親交があったようですし。
で、このCROSSFADEですが、中心人物は、ギターを担当しているLars HallbackとキーボードのRichard Stenstromの二人で、全てのナンバーもこの二人に、ヴォーカルのGoran Edmanの3人によって曲作りがなされております。
Lars HallbackとRichard Stenstromの二人についてはこのアルバムを聴くまで知りませんでしたが、こんなアルバムを作れるのですから、かなり才能豊かなアーティストだと思います。
Goran EdmanはAORファンには馴染みがないかも知れませんが、メロディック・ロック、特に北欧系が好きな方にとっては、それこそ有名なヴォーカリストです。
Yngwie J. Malmsteen、Glory、Madison、Street TalkさらにはFrederic Slama (AOR)などの北欧メロハーのバンドでヴォーカルを担当しておりました。
今回、このアルバムを聴いて、先ずビックリしたことは、このGoran Edmanのヴォーカル・スタイルでした。
前出のメロハー・バンドでのヴォーカルは、それこそシャウトも入ったハードロック・スタイルのヴォーカルでしたが、このCROSSFADEでは、シャウトすることなく、殆どAORしたヴォーカルとなっていたことです。
さらに、Lars HallbackとRichard Stenstromによるサウンドが北欧系メロハーではなく、殆どAORしているということでした。
前曲捨て曲無しの強力な1枚です。
1曲目の"The Day The Music Died"は7分強のナンバーですが、メロディアスなサウンドで軽めのナンバーで、飽きるということはありません。しっとりとした感じで歌うGoran Edmanのヴォーカルもいかしてます。
2曲目の"Did You Really?"は前奏がTOTOっぽいナンバーで、バックのギターとキーボードがとても良い雰囲気で、さらにメロディも最高ときているナンバーです。このナンバーは、絶対にAORファンには受けると思いますね。
3曲目の"Vanity Fair"は、曲の感じといい、バックの音といい、ヴォーカルといいモロAORを感じさせるナンバーです。
4曲目の"Flying"はギターのカッティングとサックスの音が最高のウエストコースト・スタイルのナンバーで、サウンドはファンキーな感じですが、これとてもSteely Danした、もう完全にAORでしょう。
5曲目の"A Deeper Shade Of Love"はDavid Fosterみたいなピアノの音から入るバラード・ナンバーです。サウンド・スタイルも、モロ、David Foster風です。情感込めて歌うGoran Edmanのヴォーカルは圧巻です。
6曲目の"Thorns Of Life"もメロディアスなナンバーですが、前奏での控えめながら存在感のあるギターと後半のギター・ソロが最高です。曲も盛り上がる感じで、とても素晴らしいナンバーだと思います。
7曲目の"Loving Eyes"でもギターの音良いですね。このナンバーもウエストコースト・ロックの香りがプンプンするナンバーです。こんなナンバーを聴いていると北欧のバンドだとは全く思えないです。
8曲目の"Time"は70年代後半から80年代前半のAORの最盛期の音と殆ど変わりません。まるで、あの時代にタイムスリップしたような感じがします。
9曲目の"Don't Really Matter"はノリの良いご機嫌のナンバーで、この曲は、まさにPLAYERを感じさせるナンバーです。素晴らしいAORナンバーで、言うことありません。
ラスト・ナンバーの10曲目"You"もとてもご機嫌なナンバーです。バックの音もTOTO風で、曲にメリハリがあって申し分ありません。
TOTOやPLAYERさらにはSteely Danなどがお好きなAORファンの方で、もしこのアルバムを聴いたことがないのであれば、これは絶対買い、だと思いますね。
このアルバムは2004年に出されておりますが、今は2年もすれば廃盤になってしまいますので、在庫がある内に、手に入れた方が良いと思いますね。
2006-11-14
Over The Edge (Mickey Thomas) / Over The Edge (2004)

ソロ・アルバムとしては、1981年にエレクトラ・レコードから発表された"Alive Alone"以来の3枚目のアルバムだと思います。
この"Alive Alone"には、Don Felder (ex EAGLES)のギターを全編にフィーチャーし、TOTOのSteve PorcaroやJoe Vitale、Paul Harrisなどが脇を固めており、音的には、いわゆる産業ロックしたアルバムでした。
それほど話題にはなりませんでしたが、メロディ派マニアには注目の1枚だったと思います。
私としては、この"Alive Alone"のCD化も望んでいるのですが。
冒頭にも書きましたとおり、このMickey ThomasはJefferson Starship、後のStarshipでリード・ヴォーカルをとっていたわけですが、このバンドには、ほかにGrace SlickやMarty Balinといった傑出のヴォーカリストが在籍しておりました。
Jefferson Starshipの前身はもちろんあのJefferson Airplaneで、60年代後半から活躍していたバンドで、それこそ、60年代末期のフラワー・モーヴメントの立役者的存在で、Grace Slickは当時の憧れの的でした。
その後、Mickey Thomasが参加するようになってからサウンドも産業ロックへ変化し、1981年に発表された"Modern Times"は最高の産業ロック・アルバムに仕上がっていました。
そのMickey Thomasが20年以上の歳月を経て出したソロ・アルバムがこのOver The Edgeです。
このアルバムもメロディアスな産業ロックのアルバムとなっております。
バックを支えるミュージシャンも、Steve Lukather、Ritchie Kotzen、Neal Schonらがリード・ギターで参加しており、プロデューサーはイタリアの産業ロックの仕掛け人Fabrizio V.Zee Grossiとなっております。
イタリアのメロディアス・ロック専門のレーベルFrontier Recordsから発表される過去の大物アーティストのアルバムのプロデュースをこのFabrizio V.Zee Grossiが手がけております。
先日紹介した元TrillionのThom Griffinのアルバム"Ambition"も手がけておりました。
収められているナンバーもメロディアスな産業ロックで、1曲目のタイトル・ナンバー"Over The edge"から覚えやすいメロディのMickey Thomasのヴォーカルがいかした産業ロック・ナンバーとなっております。ヒット性抜群のナンバーだと思います。
2曲目の"One World"はNeal SchonとJack Blades (ex Night Ranger)の共作によるナンバーで、バックにNeal Schonは参加しておりませんが、このナンバーはBad English風のナンバーで、ヴォーカルをJohn Waiteに替えれば、ほぼBad Englishになると思います。メロディアスなバラード風のナンバーで、出来も良いと思います。このナンバーでのリード・ギターはRob Vanniなる人物ですが、かなり雰囲気良いです。
3曲目の"Thief"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーですが、これがまたとても良いナンバーなんです。かなりいかしてます。
4曲目の"Surrender"は再びNeal SchonとJack Bladesのペンによるナンバーで、このナンバーでは、Neal Schonがリード・ギターを弾いています。結構ハードエッジなギターを聴かせてくれており、Nealのギターを十分堪能出来るナンバーとなっております。
5曲目の"Eyes Wide Open"はJonathan Cainのペンによるナンバーです。いかにもJonathan Cainが書きそうなバラード・ナンバーで、とてもメロディアスなとろけそうなナンバーとなっております。
6曲目の"Forest For The Trees"では、Steve Lukatherのギターを聴くことが出来ます。Steveらしい派手なギターがとてもカッコ良いです。
7曲目の"The Man In Between"では、伸びのあるRitchie Kotzenのギターが聴けます。ミディアム・スローのメロディアスなナンバーで、このナンバーもいかしてます。
8曲目の"Cover Me"もメロディアスなナンバーとなっております。
9曲目の"Turn Away"は前奏のギターの音が洒落たナンバーです。本編もMickey Thomasのヴォーカルがかなりいかしてます。
10曲目の"Glory Day"もMickey Thomasのヴォーカルは最高です。
ラスト・ナンバーの11曲目"Cover Me"はボーナス・トラックで、8曲目のアコースティック・ヴァージョンとなっております。
このMickey Thomasの"Over The Edge"ですが、かなり良く出来たアルバムですので、メロディ派は要チェックです。
2006-11-13
Starcrost / Starcrost (1976)

2006年ということですから、今年Fable Recordsというアメリカのインディ・レーベルから初CD化されたものです。
サウンド・スタイルは、Brass Rockなんでしょうが、音が洒落ているせいか、とてもFusionの香りがするアルバムとなっております。また、曲によってはプログレ的でもあります。
2曲を除き、ほぼヴォーカル入りで、リードをとっているのは、Liza Farrowという女性です。
6人編成のバンドで、サックスとトロンボーンでそれぞれ専任のメンバーがおり、ヴォーカルの女性がピアノも弾いております。
バックの音は本当に洒落ています。ただし、サックスとトロンボーンの音はそれまでのBrass Rockそのものといった感じの音だったり、当時のFusionの音だったりで、この絶妙のアンバランスが魅力といえば、そうかも。
1曲目の"False Paradise"は、Fusionっぽいサウンドですが、どこかBrazil 66みたいなところもあり、多分にブラジリアンという感じも。
2曲目の"Catharsis"は、これはもう完全にFusion Musicでしょうね。インスト・ナンバーで、当時のCrossover、Fusionの息吹を感じさせてくれる、軽快なナンバーです。
3曲目の"Quicksand"も洒落たヴォーカル入りのFusion Musicといった感じのナンバーです。
4曲目の"Grandfather Clock"はバックのフルートが多分にプログレ的でもあるし、サックスの音はJazzっぽくもあります。まさにCrossover Musicだと思います。
5曲目の"Flow"もインスト。ナンバーですが、このナンバーでは、サックスとトロンボーンが前面に出ておりますが、この音は、それこそ、Blood Sweat & Tearsみたいな感じです。
6曲目の"Run"はボーナス・トラックのようです。曲がほかと比べ荒削りな感じがしますし、オリジナルに漏れたのも若干頷けるかも。
7曲目の"Getting Going"もロック的であり、かつJazz的でもあるということで、Crossover Musicを地でいっている曲です。
8曲目の"Funky Little Home"はタイトルどおりヴォーカルもバックの音もファンキーなナンバーです。
9曲目の"Da Ba O"はメロディアスなバラード・ナンバーで、しっとりと歌い上げる女性ヴォーカルが最高です。
ラスト・ナンバーの10曲目"I've Got A Plan"もBrass Rockといった雰囲気のナンバーです。
全体を通して聴いた感じとしては、今や死語になってしまったCrossover Musicというところでしょうか。
かなり面白いアルバムだと思います。
2006-11-12
Santana / All That I Am (2005)

以前は、バンドとソロを使い分けていて、バンドではSANTANAをソロ・ワークではCarlos Santanaを標榜しておりました。
でも最近はSANTANA名義でのソロ・プロジェクトということで、かなり不満もあります。
やっぱり、Neal Schonがいて、Tom Coster、Michael Shrieve、Jose Chepto AreasやGregg Rolieがいた頃Santanaが懐かしいです。
とは言いながらも、最新作でもサウンドはラテン・ロックしておりますし、Carlos Santanaのギターの音色は相変わらず官能的です。
また。今回のアルバムのゲストには、METALLICAのKirk HammettやAEROSMITHのSteven Tylerなんかが参加しており、アルバム自体は、かなりの聴きものとなっております。
今回のアルバムのタイトルは、"All That I Am"ということで、このアルバムもSANTANAのアルバムだということで、「それら全てが俺だ!」とCarlos Santana自身も開き直っているのでしょうね。
1曲目の"Hermes"から昔ながらのサウンドに官能的なギターが乗っています。
2曲目の"El Fuego"も往年のSANTANAサウンドですし、やはりこうでなきゃという出来となっております。
3曲目の"I'm Feeling You"では、リードヴォーカルにMichelle Branchを据え、メロディアスなポップスという感じのナンバーに仕上がっております。曲全体の出来も良いですが、このナンバーがSANTANAのアルバムに入っている必然性があるのでしょうか?Michelle BranchのナンバーでバックでCarlos Santanaがギターを弾いているという構図の方がピッタリかも。でも、それを抜きにしたら、ヒット性抜群のナンバーです。
4曲目の"My Man"でもリード・ヴォーカルはMary J. Bligeですが、このナンバーも前曲同様といったところでしょうか。このナンバーも曲自体の出来は良い(SANTANAのアルバムでなければ)ですが、ラップなんかも入っており、これは、それこそ、SANTANAのアルバムなのに、何故?、です。
5曲目の"Just Feel Better"でのヴォーカルはSteven Tylerです。このナンバーは、一時期産業ロックっぽいサウンドに走っていた80年代前半のサウンド・スタイルと言えるでしょうね。この頃のサウンドも私は大好きでした。アルバム"Shango"に収められていた"Hold On"は名曲だと思います。
7曲目の"Con Santana"は再び往年のSANTANAサウンドで、聴いていて安心します。
9曲目の"Trinity"はインスト・ナンバーです。この曲にはMETALLICAのKirk Hammettが参加しておりますが、サウンドはメロディアスなバラード・タイプのナンバーとなっており、二人によるツイン・リードが最高にいかしております。Kirk Hammettのこういったギターの音もとても良いですね。
11曲目の"Brown Skin Girl"では、とてもいかしたブルース・ギターを聴かせてくれます。このナンバーもメロディアスで、私は大好きです。ホレボレするCarlos Santanaのギターです。
12曲目の"I Don't Wanna Lose Your Love"はLos Lonely Boysとのコラボですが、このナンバーも最高です。このナンバーでのCarlso Santanaのギターはとても官能的で言うこと無しです。このナンバーも往年のSANTANAを十分感じさせてくれています。
ラスト・ナンバーの13曲目"Da Tu Amor"も一聴しただけで、SANTANAだと判るナンバーです。
最後に一言、このアルバムがCarlos Santanaのソロ・アルバムであれば納得のしようもありますし、アルバム自体の出来もかなりのものです。
しかしながら、少なくともSANTANAというバンド名義のアルバムでは納得のしようがありません。
SANTANAは、もちろんCarlos Santanaがリーダーのバンドですが、このバンド名を使うのは違和感を感じます。
と思っているのは私だけでしょうか?
2006-11-11
J.J. Cale & Eric Clapton / The Road To Escondido (2006)

以前にB.B. Kingとのコラボレーションによるアルバムを発表していますが、今回のアルバムはかなり渋めです。
"Unplugged"でロック以外のフィールドのファンを集め、それまで以上の支持を得たClaptonですが、今回のアルバムを興味を持って聴く人が果たしてどれくらいいるのかな、と思わせる内容のアルバムです。
もちろん、私を含めた昔からファンにとっては、とても興味深いアルバムには違いませんが。
また、このアルバムには、ハモンドオルガンとロードピアノでBilly Prestonが参加しておりますが、この音が彼の最後の音となっていたようです。その辺りも興味深いところですね。
殆どのナンバーはJ.J. Caleのペンによるものですが、J.J. Caleといえば、"After Midnight"を思い浮かべるClaptonファンはかなり居るはずです。
もちろん、この私もそうですが、"After Midnight"はClaptonの代表曲にもなっておりますし、以前にDVDで、J.J. Caleとのライヴも見ましたし、とてもカッコ良いナンバーだと思います。
その"After Midnight"に似た感じのナンバーが1曲目の"Danger"です。これはかなりいかしたナンバーで、それこそ"After Midnight"を彷彿させてくれます。また、ClaptonのギターとバックのBilly Prestonのオルガンの音が何ともいえないです。
2曲目の"Heads In Georgia"はメロディアスなブルース・ナンバーで、この曲の出来もかなり良いと思います。
3曲目の"Missing Person"は枯れたClaptonのヴォーカルとギター・プレイが光っているナンバーで、最近のClaptonの音そのまんまです。
5曲目の"Sporting Life Blues"は最高にいかしたスロー・ブルースのナンバーです。私は、スロー・ブルースが大好きですが、このナンバーは最高です。
6曲目の"Dead End Road"はフィドルが入った、モロ、カントリーといったナンバーです。私は、このフィドルの音はとても苦手です、というそんなナンバーです。
7曲目の"It's Easy"はRobert Johnsonが書きそうなナンバーです。J.J. Caleのナンバーですが、オールド・ブルースといったとても雰囲気のあるナンバーです。
8曲目の"Hard To Thrill"はClaptonのペンによるナンバーです。アルバム"JOURNEYMAN"に入っていても良さそうな、そんな感じのブルース・ナンバーです。さすが、Claptonといったナンバーですね。
10曲目の"Three Little Girls"は再びClaptonのペンによるナンバーで、Claptonお得意のアコースティック・ナンバーです。"Tears In Heaven"にも通ずるナンバーで、とてもメロディアスなナンバーですので、この曲だったら、もちろん、多くの人の支持を受けると思います。
12曲目の"Last Will And Testament"もブルース・フィーリング溢れるナンバーです。それこそ、Claptonの真骨頂といったところです。
13曲目の"Who Am I Telling You?"は再びスロー・ブルースのナンバーです。このナンバーでのオルガンもBilly Prestonだと思いますが、本当に味のあるオルガンを聴かせてくれます。
ラスト・ナンバーの14曲目"Ride The River"はClaptonとJ.J. Caleのデュエット・ナンバーですが、このナンバーはご機嫌という言葉がピッタリするブルース・ナンバーです。
でも、全体的にはやはり渋いです。熱心なClaptonファンは買いますが、それ以外の人はどうでしょうか。
ところで、Claptonは札幌にも来ますが、チケットの販売が思わしくないようです。
前回来た時は4万人を超える大盛況でしたが、あれからまだ3年位しか経っていないということもあるのでしょうが、ちょっと寂しいですね。
今度はトリプル・ギターということだそうですが、どのようなサウンドを聴かせてくれるのでしょうか。
2006-11-10
Troy Newman / Gypsy Moon (1991)

内容はアメロカンロック・スタイルのAORという感じです。
サウンドに大らかさがありロック的アプローチですが、メロディもなかなかのAORです。
バック・ミュージシャンも有名どころを揃えています。
Russ Kunkel、Jerry Goodman、Waddy Wachtel、Rick Vito、David Lindley、Danny Kortchmarなど。
殆ど全曲Troy Mewman自作の曲ですが、唯一8曲目の"Drive My Car"は、THE BEATLESのナンバーです。このカヴァー・ナンバーが絶妙で、オリジナルに負けないくらいの良い曲に出来上がっています。アレンジもカッコ良く、若干テンポを落としていますが、バックの演奏もタイトで、とてもロックしたナンバーとなっております。このナンバーは聴きものです。
1曲目の"Love Gets Rough"は出だしギターのリフがカッコ良いナンバーですが、本編に入ると結構メロディアスで、お薦めです。
2曲目の"Raining"はメロディアスなバラード・ナンバーです。全体的に元気に歌うTroy Newmanですが、このナンバーでは若干抑え気味に歌っております。このナンバーでもバックの音はかなり良いです。
3曲目の"God Only Knows"はアコースティック・ギターが冴えたスローテンポながら、これぞアメリカンロックといった作りのナンバーとなっております。
4曲目の"Always Time"はアコースティカルなバラード・ナンバーです。サビの部分のメロディーはかなりいかしてます。
5曲目の"I Can Feel It"は、Jerry Goodmanのエレクトリック・ヴァイオリンから始まるナンバーです。このナンバーはメロディの良く、また、バックのギターも最高のナンバーで、とても良く出来たナンバーだと思います。
6曲目の"Whisper"でもバックの音はタイトです。メロディもなかなです。
7曲目の"Gone Are The Days"はメロディアスなAORしたナンバーとなっております。
9曲目の"So Deep"もAORしたナンバーですが、7曲目よりさらにいかしたナンバーとなっていて、お薦めです。
ラスト・ナンバーの"It Takes Time"はアコースティカルなバラード・ナンバーですが、このアルバムで最もAORしたナンバーだと思います。
このアルバムには冒頭にもあるとおり有名なギタリストが何人も参加しており、どの曲で誰がというのはクレジットがないので判りませんが、それぞれがソロを弾いており、どのナンバーでも、とてもいかした音を出しております。
全体的にはEddie Moneyと似たタイプだと思いますが、Eddie Moneyに比べると洗練さにちょっと欠けているかな、とは思いますが、バックの音が全体的にタイトですし、出来としては申し分ないと思います。
420円以上の価値が充分あるアルバムだと思います。
2006-11-09
Chris Montan / Any Minute Now (1980)

当時の邦題は、「トワイライト・アワーズ」というものでした。
大ヒットしたアルバムではなかったけれども、それこそ熱心なAORファンからは支持を集めていたアルバムだったと思います。
もちろん、私もアナログ・ディスクは持っていますし、当時は、ヘヴィー・ローティーしたアルバムでした。
サウンドは、いわゆるAIRPLAYタイプではなく、Stephen Bishopタイプというかホンワカした感じですが、曲にはちょっと翳りもあるそんなアルバムだと思います。
当時、私が最初に好きになったナンバーは、3曲目の"Empty Bed Blues"でした。曲の出だしのピアノとサックスが絡み合う音が何ともいえず、本編に入ってからの翳りのあるメロディが堪りませんでした。バックのギターも控えめながらかなりの存在感があったりします。さらにメロディアスときては、これはもう傑作というほかありません。
また、タイトル・ナンバーとなっている2曲目の"Any Minute Now"も憂いを帯びたサックスの音に乗るChris Montanのヴォーカルが、何となくもの悲しく感じるナンバーですが、これまた、バックのピアノの音といいメロディといい、申し分ありません。この2曲は、当時、かなり頻繁に聴いていた記憶があります。
1曲目の"Is This Way Of Love"はこれまた、優しさを感じるフェンダー・ローズの音から入るナンバーです。また、このナンバーでは、Lauren Woodがデュエット・ヴォーカルで参加しており、これぞAORといった見事なバラード・ナンバーに仕上がっております。
4曲目の"Let's Pick It Up (Where We Left Off)"は、このアルバムの中では比較的アップテンポのナンバーですが、ハーモニカの音がどことなく郷愁をそそる感じがするナンバーともなっております。
5曲目の"This Could Be The Night"は再び華麗なピアノの音から入るナンバーで、ミディアム・スローでメロディが進む中、Chris Montanの淡々としたヴォーカルがいかしたナンバーとなっております。
6曲目の"Doesn't Mean Much To You"もこのアルバムの中では比較的明るいナンバーとなっております。また、このナンバーでは、Dean Parksがギター・ソロを弾いております。
7曲目の"All Night With Me"は再びミディアム・スローのメロディアスなナンバーで、バックのMark Goldenbergのギターのカッティングがいかしておりますし、また、ピアノとシンセの音もかなり魅力的なものとなっております。
8曲目の"Ann"も美しい旋律のピアノから入るメロディアスなバラード・ナンバーです。哀愁感漂うサックス・ソロはもう言うことありません。
9曲目"Intentions"もこれぞAORといった感じのミディアム・テンポのナンバーです。ここでの、Mark Goldenbergのギター・ソロもとてもいかしております(後半部分での長めのギター・ソロは圧巻です)し、とにかく曲の出来が良いです。
ラスト・ナンバーの10曲目"Everyday I'm Gonna Love You More"は、"Any Minute Now"タイプのナンバーで、この曲でもバックのピアノとシンセがいかしておりますし、また、Karla BonoffとAndrew Goldのバッキング・ヴォーカルも聴きものです。
以上、このChris Montanの"Any Minute Now"ですが、聴きこめば、聴き込むほど魅力的なアルバムだと思います。
AORをリアルタイムで経験した方(私も含め)にとっては、結構忘れることが出来ないアルバムとなっております。
すでに、AmazonにもHMVにもカタログとして掲載されていないので廃盤となっていると思いますが、聴いたことが無い方がおられましたら中古盤を探す価値のアルバムだと思います。
2006-11-08
Jason Scheff / Chauncy (1997)

内容はもちろん良質のAORとなっております。
参加ミュージシャンはギターにTim Pierce、キーボードとドラムスにTomとJohnの Keane兄弟、バッキング・ヴォーカルはBill Champlin、Bobby Kimball、Kenny Rankinといった豪華な布陣となっております。
このアルバムのタイトル"Chauncy"はJason Scheffが飼っていた犬の名前で、この犬に捧げたアルバムとなっているようです。
サウンド全体は、ちょっと大人しめな感じがします。Jason Scheffということで、私はどちらかと言うともう少し産業ロック寄りのアルバムを期待していましたが、その辺りが不満と言えば不満ですが、AORアルバムとしては、メロディアスなナンバーも多数収められており、出来としてはそこそこだと思います。
このアルバムを購入したのは、発売後すぐではなく、3、4年してからでした。
それもいざ購入しようとしましたら、どこのCDショップにもあるといった状況ではなく、ほぼ品切れ状態だったのを覚えております。特に、ここ数年は、新譜でも2、3年を経過すると製造中止となったり、また、再発モノはファースト・プレスでお終いといったアルバムも珍しくありません。ですから、出た時に欲しいと思ったアルバムは買うように心がけております。それでも、出たことさえ知らないものもあり、出ているのが気が付いた時は、すでに廃盤といったこともたまにあります。特に中古盤は店で見つけた時に手に入れなければなかなか入手が難しくなります。
そんなアルバムがこの"Chauncy"かも知れません。すでに品薄状態でしたが、ようやく手に入れたアルバムがこれでした。
ということで、内容がどうこうというより廃盤になって手に入れることが難しくなるかも知れないという意味合いで購入したといっても良いかもしれません。
それでも、さすがJason Scheffということで、結構良い曲も収められており、6曲目の"Fade To Black"はバックのギターの音がとてもカッコ良いナンバーで、このアルバムの一押しのナンバーですね。
ほかには、9曲目の"Carry On"はとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、出来もなかなかです。
1曲目の"Standing Here Beside Me"もメロディアスなバラード・ナンバーで、Jason Scheffのハイトーン・ヴォーカルがいかしたナンバーで、このアルバムの中でも出来は良いと」思います。
ラスト・ナンバーでタイトル曲のの10曲"Chauncy"はJasonのスキャットが入ったほぼインストルメンタルなナンバーですが、このナンバーではJason Scheffのカッコ良いベース・プレイを堪能出来ます。
まあ、私としては、例えば6曲目のような少しロックっぽいもの、あるいは、もう少し産業ロックっぽい内容を期待しておりましたので若干消化不良気味ではありますが、アコースティカルなAORが好きな方にとっては満足できる内容となっていると思いますので、その辺りに興味がある方にはお薦めかも。
2006-11-07
Rex Smith / Sooner Or Later (1979)

私としては、同年に発表された"FOREVER"のCD化の方がより嬉しいのですが。
Rex Smithは今や完全にムービー・スターとなっておりますが、その昔、1976年にREXというハードロック・バンドでデビューしております。
このバンドはアルバム1枚のみで解散し、その後、ソロ・アーティストの道を歩みます。
REXのアルバム・ジャケットはRex Smithの顔写真のアップで、かなり甘めのマスクのせいで、女性からも支持を受けてました。
サウンドもメロハーということで、かなり聴き易いものとなっておりました。
その後のソロ作は殆どAORした作品となっていて、前出の"FOREVER"のタイトル・ナンバー"Forever"は最高にいかしたバラード・ナンバーとなっておりました。
で、この"Sooner Or Later"ですが、このアルバムもAORしたアルバムとなっております。
1曲目の"You Take My Breath Away"はバックのピアノの音が美しいバラード・ナンバーで、"Forever"を彷彿する出来となっており、このアルバムの一押しです。このナンバーのためだけに、このアルバムを購入しても損はないと思います。
2曲目のタイトル・ナンバー"Sooner Or Later"はバックのシンセの音が魅力的な産業ロック風のナンバーとなっております。
3曲目の"Simply Jessie"はアコースティカルなナンバーで、ハートウォーミングなAORソングとなっています。メロディも良いですし、このナンバーもお薦めですね。
4曲目の"Better Than It's Ever Been"は出だしのロックンロール・ピアノがご機嫌のナンバーです。いかしたロックンロール・ナンバーです。バックのギター・ソロもカッコ良いですし、こういった雰囲気のナンバーも好きです。
5曲目の"Love Street"は元気の良いロック・ナンバーですが、バックの女性コーラスがアクセントのAORナンバーに仕上がっています。
6曲目の"Never Gonna Give You Up"は、これまたメロディアスなAORナンバーで、このアルバムの中でもかなり出来が良いと思いますね。
7曲目の"Sway"は、バックの音がちょっぴりファンキーなナンバーで、ストリングの音もディスコティークな感じで、いかしたAORナンバーとなっております。
8曲目の"Oh What A Night For Romance"は、モロAORしたナンバーで、ストリングスの使い方とかバックの女性コーラスとか、当時のAORの典型みたいなナンバーだと思います。
9曲目の"Ain't That Peculiar"はハードな前奏から始まるナンバーで、それこそREX時代のRex Smithそのまんまといった感じとなっております。好きですね、こういうナンバーも。
ラスト・ナンバーの10曲目"If You Think You Know How To Love Me"は、アルバムの最後を飾るようなアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーです。
ところで、最近、この"Sooner Or Later"と"Everlasting Love"をカップリングした2in1のCD "Forever Rex"が出ておりますので、こちらのアルバムの方がお買い得かも。
でも、オリジナル・ジャケットで無いので、私は、この"Sooner Or Later"も買ってしまいました。
あとは、"FOREVER"のCD化を切に願っています。
2006-11-06
Lisa Loeb / Firecracker (1997)

今回の購入のきっかけも単に安かった(390円)からです。
基本的なサウンド・スタイルはアコースティカルというかネオ・アコースティックなサウンドだといえましょう。
彼女自身アコースティック・ギターを自在に操り、このアルバムでもかなりフィーチャーされております。
元々、エレクトリック・ギターの音が好きで、アコースティックなものには、それほど興味を持っておりませんでした。
これは、あくまでも私見ですが、アコースティックと聴くとなんか単調に曲が流れているという感じがしました。
ですから、ハードロックのアコースティック・ライヴなんかは、結構敬遠してましたね。
自ら進んで購入したのは、Eric ClaptonのMTVのアンプラグドくらいでした。
でも、最近中古で安いCDを買い漁っており、その中に、こういったアコースティックなアルバムもあり、何度か、あるいは何枚か聴いているうち、こういったアコースティックなものもたまには良いかも、と思い始めてます。
で、このLisa Loebのアルバムですが、全体的にはアコースティカルな大人しいアルバムといえますが、曲によってはエレクトリック処理されていたり、また、アコースティカルなナンバーだけど、Lisa Loebのヴォーカルが生き生きしているものもあったりで、飽きさせないようなものとなっております。
お薦めは1曲目の"I Do"で、このナンバーは割りとエレクトリック志向のナンバーですが、先ず曲の出来が良いことが挙げられます。また、バックのドラムスとベースのリズムコンビが最高だと言うことです。ドラムスは、名手John Robinsonが担当しておりますし、ベースはこれまた名うてのセッションマンLeland Sklarですから、当然といえば当然ですが。かなり気に入っています。
2曲目の"Falling In Love"はアコースティック主体のナンバーですが、バックのストリングスとメロディがとてもいかしたバラード・ナンバーです。
3曲目の"Truthfully"はサビの部分が印象的なナンバーです。
4曲目の"let's Forget About It"もエレクトリック志向のナンバーですが、このナンバーもメロディがとてもいかしたナンバーで、モロAORしているところが最高です。1曲目同様、かなりお薦めです。また、バック・ミュージシャンを見ると、1曲目と同じメンバーでした。
6曲目の"Furious Rose"は、Lisa Loebの魅力的なヴォーカルが堪能できるナンバーで、曲もけっこう盛り上がりがあって、なかなかの出来だと思います。
11曲目の"Split Second"がこのアルバムの中ももっともハードな音作りをしています。このナンバーは、他のナンバーとちょっと異質な感じがするナンバーですが、こういったナンバーも演るということに愕きましたね。バックのエレクトリック・ギターの音はかなりハードです。私は好きですね、こんなナンバーは。
ラスト・ナンバーのタイトル曲12曲目"Firecracker"を聴いた時は、John Lennonの"Working Class Hero"を思い出しました。最初のアコースティック・ギターのコード進行がそっくりですし、曲の感じも結構淡々と進みます。違うのはバックのエレクトリック・ギターの音だけがかなりハードだということです。<
こうやって全曲聴いてみますと、Lisa Loebのこのアルバムって結構面白いかも。
2006-11-05
Peter Frampton / NOW (2003)

あれから30年が経過し、頭の薄さも増し、外見もちょっと老けたPeter Framptonが2003年に出した最新作。
このアルバムを聴く限りでは、外見も変わりましたが、音に円熟味も加わり、とても安心して聴けるアルバムに仕上がっていると思います。
最近は、"Breaking All The Rules"や"Fingerprints"などがリ・イッシューされ、あとは、1986年の"Premonition"を待つばかりです。
特に、"Breaking All The Rules"は彼のベスト・アルバムだと思っておりましたので、このリ・イッシューは最高に嬉しかったですね。
で、このアルバムですが、前作の"PETER FRAMPTON"以来大人のロックを聴かせてくれており、それがさらに深まった感じがします。
バックを支えるメンバーもホントに旧知の間柄ともいえるBob MayoとJohn Reganが全曲でサポートしています。
特に、10曲目の"Greens"は、インスト・ナンバーですが、これが本当に味わい深いというか何と言うか、最高にメロディアスなバラード・ナンバーで、今のPeter Framptonを感じさせてくれるナンバーだと思いますね。
また、9曲目には、あのGeorge Harrisonの名曲"While My Guitar Gently Weeps"のカヴァーが収められております。このナンバーは、かなりの数のギタリストによってカヴァーされていますが、曲の良さもあり、殆どのカヴァーでハズレを聴いたことはありません。このPeter Framptonのヴァージョンも本当にカッコ良く仕上がっております。Peter Frampton、ギター、最高!!です。また、Bob Mayoのピアノの音もかなりカッコ良く、一聴の価値ありです。
3曲目の"Love Stands Alone"はアコースティック・ギターから始まるナンバーです、これまた、Peter Framptonの他の一面を感じることが出来るナンバーとなっております。
さらにその部分を推し進めたのが4曲目の"Not Forgotten"で、全編でPeter Framptonのアコースティック・ギターを堪能できるメロディアスなバラード・ナンバーとなっています。
5曲目の"Hour Of Need"はゆったりとした感じのロック・ナンバーです。ギターの音もとても最高です。
6曲目の"Mia Rose"なんかを聴くと、本当に円熟味が増したなあ、と感じます。こんな音は20年以上前のPeter Framptonでは想像出来なかったと思います。これこそ大人のロックといった感じのナンバーです。
1曲目の"Verge Of A Thing"や7曲目の"I'm Back"はかなりロックしたナンバーで、昔のPeter Framptonを思い出させてくれます。
2曲目の"Flying Without Wings"はブルージーなナンバーで、Peter Framptonのギターが冴え渡っております。こんなナンバーも良いですね。
ラスト・ナンバーの11曲目"Above It All"もスローなハート・ウォーミング一杯のナンバーです。メロディの良いですし、このナンバーもかなりお薦めです。
円熟味を増したPeter Framptonも最高にいかしてます。
2006-11-04
Peppino D'Agostino & Stef Burns / Bayshore Road (2005)

内容を聴くまでは、メロディック・ロック系のアルバムを予想しておりましたが、これが完全に裏切られてしまいました。
内容はいわゆるSmooth Jazz系の音でした。
アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターのアンサンブルとなっております。
このアルバムで、エレクトリック・ギターを弾いているのは、もちろん、Stef Burnsで、アコースティック・ギターを弾いているのは、Peppino D'Agostinoという人物です。
Stef BurnsはPABLO CRUISE、Y & Tなどの在籍していたギタリストですので、メロディックロック・ファンからは良く知られておりますが、Peppino D'Agostinoという人は全く知りません。
でも、このアルバムを聴く限り、かなりのテクニシャンだと思います。
このアルバムには、ほかにパーカッションでShiela E.の名前もあり、この組み合わせって、何?という感じも。
冒頭にも触れましたとおり、内容はSmooth Jazz系ですが、アコースティック・ギターの比重が多いナンバーはNew Age風でもあります。
全体に大人しめのナンバーが多いですが、それでも、Stef Burnsがリードをとるナンバーは、やはりロックっぽいのもあります。
お薦めは5曲目の"Manha de Carnaval"で、このナンバーは良く知られているナンバーで、Peppinoのスパニッシュ・ギターとStefのナイロン弦のギターのアンサンブルが最高のナンバーです。
ほかには、6曲目の"A Night In Manarola"はStefのギターが官能的なバラード・ナンバーで、このナンバーもお薦めです。
タイトル・ナンバーの1曲目"Bayshore Road"での、アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの掛け合いは最高です。それぞれの特徴を生かしたナンバーで、このアルバムの内容を良く現したものとなっています。
3曲目の"Inner Sanctuary"はメロディアスなバラード・ナンバーで一聴の価値あり、のナンバーです。二人のギターの音がかなり美しいです。
4曲目の"Beyond The Dunes"はStefのエレクトリック・ギターを前面に押し出したインストルメンタル・ロックのナンバーとなっております。
7曲目の"Venus Over Venice"はちょっとばかりNew Ageの香りがするナンバーとなっております。
ラスト・ナンバーの10曲目"Birdland"はWeather Reportのナンバーで、モロ、Smooth Jazzしたご機嫌の1曲です。
Stef Burnsという名前に釣られて、ハードロック・ファンがこのアルバムを聴いたら、おそらくガッカリするだろうと思いますが、私は、Smooth JazzやNew Ageなども良く聴きますので、とても楽しめたアルバムでした。
2006-11-03
Stephen Bishop / On And On - The Hits Of Stephen Bishop (1994)

1stの"Careless"と2ndの"Bish"の印象が強すぎて"Red Cab To Manhattan"も"Bowling In Paris"もそれほどという感じはしませんでしたが、それでも"Red Cab To Manhattan"は今回のリ・イッシュー盤を手に入れて聴いてみましたら、かなりの出来だったということが判りました。
で、今日紹介しますアルバムは、Stephen Bishopの1994年の彼のベスト・アルバムです。
ベスト・アルバムは他にRhinoからも出ておりますが、この1994年のアルバムはStephen Bishop自らの選曲ということと、アルバム未収録のサウンド・トラックなどが収められており、かなり魅力的なベスト・アルバムとなっております。
1stの"Careless"から6曲、2ndの"Bish"から4曲、3rdの"Red Cab To Manhattan"から1曲、4thの"Bowling In Paris"から1曲、その他サウンドトラックがら6曲の計18曲が収められております。
1stからの"On And On"、"One More Night"、"Save It For A Rainy Day"、Never Letting Go"なんかを聴いていますと、このアルバムが出された1970年代の後半のAORの黎明期を思い出します。
1977年のアルバムですから、もう凡そ30年近く前になるということですね。
私も20代の前半でしたので、若かったということです。
まさに「光陰矢のごとし」です。
この時期Boz ScaggsやBilly Joel、Bobby Caldwellなどが脚光を浴び、これらを始めとするAOR系のアーティストのアルバムを何でもかんでも漁っていた時で、とにかく、メロディアスなナンバーをテープに一杯詰め込んで、「何となくクリスタル」を地で行くような生活にあこがれていましたね。
「音楽は恋愛の道具」として使うということは、真っ当な論理でしたね。
「楽しくなくちゃ音楽は」「楽しむため音楽」、これは今でも変わりません。
CARELESSは相当聴き込んでいたアルバムでしたね。
AORといってもAIRPLAYとかのロマンティック・ハードネスという炉伝ではなく、シンガー・ソングライター的なアルバムで、とてもハートウォーミングなアルバムでした。
"Save It For A Rainy Day"でのEric Claptonのギター・ソロ(当時は、何でこのアルバムにEric Claptonが参加しているのだろうと、訝っていましたが)はとてもカッコ良かったです。
"On And On"はそれこそ耳にタコが出来るほど良く聴いておりました。
"Never Letting Go"はPhoebe Snow"なんかがカヴァーしていたのも良く聴いていました。
また、2ndの"Bish"については、先ずアルバム・ジャケットがかなり気に入っていたのを思い出します。
"Everybody Needs Love"の出だしのギターのカッティングがとても気に入ってました。ミュージシャンを見ますとRay Parker,Jr.難ですね、このギター。
3rdの"Red Cab To Manhattan"からは、"Send A Little Love My Way (Like Always)"が収められており、さすがStephen Bishop自身の選曲だと思います。だって、このナンバーはこの3rdのベスト・トラックなんですから。
4thの"Bowling In Paris"からは、"Walking On Air"が収められております。このアルバムは若干エレポップしたサウンドでしたが、このナンバーはまさにAORです。
サントラは、"Animal House"、"Somewhere Inbetween"、"Only Love"、"It Might Be You"、"Separate Lives"、"(You'll Always Be) My Heart And Soul"が収められております。
"Only Love"は映画「ミスター・アーサー」からのナンバーで、メロディアスなAORナンバーです。そういえば、この映画からもう1曲有名なナンバーとして、Christopher Crossの"Best That You Can Do"というナンバーがありましたね。
"It Might Be You"は映画「トッツィー」からのナンバーですが、このナンバーは、1stや2ndに入っていてもまるで違和感がないナンバーです。
とにかく、このベストは、オリジナル・アルバムに未収録のサントラが入っているのが、とても魅力です。
すでに廃盤のようで、Amazonマーケットプレイスではかなりの値段が付いているようですが、巷の中古ショップではまだ手に入れることが出来ると思いますので、興味のある方はどうぞ。
2006-11-02
David Pomeranz / The Truth Of Us (1981)

発売は12月20日ということで、とても楽しみにしております。
テレビ・ドラマの「成田離婚」で、このアルバムに収められている"The Old Song"が使われた時は、ドラマもヒットしましたので、すぐにCD化されるかなとも思っておりましたが、その時は何も無く、今ようやっとVIVID SOUNDからCD化されることとなりました。
また、このナンバーは、田中 康夫氏原作の「何となくクリスタル」にも紹介され、映画化の時にも使用されていました。
今回CD化されるまで、アナログ・ディスクも結構高い値段で取引されていたようですので、今回のCD化は本当にAORファンにとっては朗報です。
で、このアルバムの中のナンバーでも、"The Old Song"は1曲目の収められていますが、やはり最も出来が良いナンバーとなっております。出だしのピアノの音が印象的なメロディアスなバラード・ナンバーで、しっとりと歌うDavid pomeranzのヴォーカルは、もういう事がありません。このしっとり感が堪りません。まさに、これぞAORのバラード・ナンバーというところでしょうか。
2曲目の"Ask Me To Say, "I Do" (And I Will)"も華麗なピアノから始まるナンバーですが、こちらのナンバーは軽快な感じの曲ですが、これまたメロディアスでバックの女性コーラスがとても良いアクセントとなっております。
3曲目の"This Is What I Dreamed"は、再びメロディアスなバラード・ナンバーです。このナンバーも1曲目同様、しっとりした感じのナンバーで、とてもお薦めです。また、途中のギターの音がとても扇情的で最高です。
4曲目の"My Buddy And I"は、弾んだ感じのピアノの音に乗るボードビル・タイプのナンバーで、とてもポップなナンバーとなっています。
5曲目のタイトル・ナンバー"The Truth Of Us"は、David Pomeranzのファルセットも聴けるナンバーで、1曲絵や3曲目同様に曲にしっとり感があります。
6曲目の"Fat"はほかのナンバーと趣を異にしていて、ちょっとばかりジャジーな感じがするナンバーです。
7曲目の"Old Home Town"は、AOR前夜のシンガー・ソング・ライター然としたナンバーです。Jackson BrowneやJames Taylorなどに通ずるナンバーだと思います。
8曲目の"Hit That Target"は前曲から続くナンバーで、このナンバーも前曲と同じようなアプローチによるナンバーだと思います。
ラスト・ナンバーの9曲目"Cloud Of Music"は再びしっとりしたバラード・ナンバーとなっています。まさに、こういったナンバーがDavid Pomeranzを良く現しているナンバーだと思いますね。
2006-11-01
Heat / Heat (1980)
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また、過去にリ・イッシューされたCDも廃盤になっているものも多いです。
中古市場でもクールサウンドから出されたアルバムは軒並み高値で取引されているようですし、気になるCDでまだ在庫があるものは、早く仕入れた方が良いかも。
そういう私も、つい最近です、このHEATを手に入れたのは、前から気にはなっておりましたが、新譜で3,000円弱はちょっと高いかなとも思っておりましたし、アナログ時代に聴いた時はそれほどの内容とは思っておりませんでしたので。
ところが、このCDを購入して久し振りに聴きましたら、このアルバムってこんなに良かったっけ?ということを素直に感じました。
基本的にはメロウなファンクで、全くといって良いほど泥臭さは感じません。
どちらかというと、EARTH, WIND & FIREタイプのバンドで、この音だったらAORファンにも受けるのも当然です。
また、AORファンから受けるもう一つの理由は、David Foster、Steve Porcaro、Harvey Mason、Nick DeCaroなど錚々たるメンバーが脇を固めているからでしょうね。
そんなHEATの1stアルバムですが、1曲目の"Just Like You"は最高にメロウでご機嫌なファンク・ナンバーです。このナンバーは、それこそEARTH, WIND & FIREを聴いているような錯覚に陥ります。バックのホーン・セクションが最高で、メロディアスな楽曲にのる女性ヴォーカルがこの上ない素晴らしさを感じさせてくれます。
2曲目の"It's Up To You"もいかしたファンク・ナンバーで、バックのギターのカッティングとベース・ラインがかなりいかしてます。
3曲目の"Baby (This Love That We've Found)"はサックスの音が切なさを感じさせるバラード・ナンバーです。さらに美しいピアノの音と情感豊かにに歌い上げる女性ヴォーカル(Jean Marie Arnold)が最高のメロディアスなナンバーです。こんな曲だったら、思わずAORファンも納得でしょう!
4曲目の"Don't You Walk Away"では、バックのキーボードにDavid Fosterとあり、また、ギターのカッティングが素晴らしく、これはファンクというより、モロAORナンバーでしょう。また、このナンバーでのヴォーカルはもう一人の男性ヴォーカリスト、Joe Pizzuloです。
5曲目の"Pickin' And Choosin'"は、The Bar-KaysやCon Funk Shunに通ずるファンク・ナンバーです。ダンスにはもってこいのご機嫌なナンバーです。
6曲目の"Whatever It Is"は、Steve PorcaroとJai WindingのキーボードとSteve Madaioを中心としたホーン・セクションがいかしたメロウでスローなファンク・ナンバーです。このナンバーは結構馴染みのあるナンバーで、アナログ時代も気に入っていたナンバーです。最高にカッコ良いナンバーで、もう言うことありません。
7曲目の"Side Steppin'"は、これまたご機嫌なファンク・ナンバーで、バックのホーン・セクションは相変わらずカッコ良いです。
8曲目の"Billet Doux"は、ドラムスにHarvey Mason、ベースにNeil Stubenhaus、キーボードとヴァイブにVictor Feldmanというメンバーによるインストルメンタル・ナンバーで、当時のフュージョン・ミュージックそのものです。かなりいかしてます。
あと、このアルバムにはボーナス・トラックが3曲収められており、9曲目は1曲目のシングル・ヴァージョン、10曲目は1曲目のダンス・ミックス、ラストの11曲目は3曲目のシングル・ヴァージョンとなっております。
それにしても、こうやって再びCDになったものを聴いて思うことは、やっぱり、このアルバムってこんなに良かったかなあ(?)ということです。
かなりお薦めのアルバムですので、廃盤になる前に早く手に入れましょう。