2006-12-31
Chicago / CHICAGO XXX (2006)

既にブログで取り上げてあったりして、どれにしようかと迷っていましたが、1枚ありました。
それが今回紹介しますCHICAGOの30枚目のアルバム"CHICAGO XXX"です。
このアルバム、実は、今回紹介するまで、殆ど聴いていなかったアルバムです。
しかし、CHICAGOというバンドは凄いですね。
バンドを結成してから40年弱ですから、これはもう並大抵なことではありません(もっと凄いのは、やっぱりTHE ROLLING STONESですが)。
当初は、ブラス・ロックなるジャンルの第一人者(二番目は、BLOOD, SWEAT & TEARSか)で、「長い夜(25 Or 6 To 4)」は、その昔、私のヘヴィ・ローテーションのナンバーでした。
彼等のサウンドもプロデューサーが James William Guercio からPhil Ramoneに替わった辺りぐらいからサウンドが変わり始め、David Fosterがプロデュースした"CHICAGO 16"からは完全なるAORになってしまいました。
もちろん、私は初期のブラス・ロックもその後のAORも大好きです。
プロデューサーの交代が一番大きいと思いますが、バンドのメンバーもTerry Kathの没後、Peter Cetera辺りが主導権をとり始めた頃からサウンドも変化し始め、10thアルバム(このアルバムにはまだTerry Kathはいましたが)の"If You Leave Me"は大ヒットしたナンバーで、これは完全なAORナンバーとなっております。
その後、メンバーは、Peter Ceteraが抜け、Bill Champlinが参加するようになり、AOR度も増しました。
そんなCHICAGOが久し振りに出したオリジナル・アルバムが"CHICAGO XXX"です。
このアルバムも当然AORしたサウンドとなっております。
とにかくこのCHICAGOには、リード・ヴォーカルをとれるメンバーが、Robert Lamm、Jason Scheff、Bill Champlinという3人がいる最強のバンドです。
バックの演奏も上手いですが、それ以上にヴォーカルはどのバンドも適わないとおもいますね。
1曲目の"Feel"はモロAORしたメロディアスなナンバーで出来もかなり良いです。このアルバムの一押しのナンバーです。
2曲目の"King Of Might Have Been"は美しいピアノと旋律を持ったバラード・ナンバーです。このナンバーは聴き応え十分のナンバーです。
3曲目の"Caroline"はJason Scheffのペンによるナンバーで、いかしたパワー・バラードとなっております。
4曲目の"Why Can't We"も華麗なピアノの音から始まるバラード・ナンバーで、Bill ChamplinとShelly Fairchildとのデュエットがいかしたナンバーとなっております。
5曲目の"Love Will Come Back"は、今度はJason ScheffとRascal Flattsとがデュエットしたバラード・ナンバーです。このナンバーもメロディアスでかなりいかしてます。
6曲目の"Long Lost Friend"はJason Scheffのペンによるパワー・バラードのナンバーです。このJason Scheffですが、自身のソロ・アルバムに収められているナンバーより、CHICAGOでのナンバーが良いのはどうしてでしょう。
7曲目の"90 Degrees And Freezing"は、御大Robert Lammのヴォーカルがかなりカッコ良いナンバーで、バックのブラスの音も最高で、往年のCHICAGOサウンドを聴かせてくれています。
8曲目の"Where Were You"はJason ScheffとBill Champlinのペンによるメロディアスな産業ロック風のAORナンバーとなっております。このナンバーもかなりいかしてます。
9曲目の"Already Gone"はBill Champlinのペンによるナンバーですが、メロディはイマイチといったところか。
10曲目の"Come To Me, Do"はRobert Lammのペンによるナンバーですが、これが最高にいかしてます。メロディも良いし、アレンジも最高です。
11曲目の"Lovin' Chains"はかなりロックっぽいナンバーです。
12曲目の"Better"はBill Champlinのペンによるナンバーで、このナンバーの出来は良いですね。少しばかりファンキーで、バックのブラスの音が最高です。
ラスト・ナンバーの13曲目"Feel"は1曲目にHornsを加えたものとなっておりますが、オリジナルの1曲目の方がアレンジも素敵で良いと思いますよ。
まあ、CHICAGOですので安心して聴くことが出来ます。
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2006-12-30
Sabrina / Sabrina (1987)

このSABRINAはイタリア出身のヴォーカリストです。
アルバムのライナー・ノーツを見ると、当時彼女は19歳で、モデルやタレントなどをして、歌手の仲間入りをしたとありますが、身長175cmで、スリーサイズは上から、100cm、58cm、90cmということでかなりのナイスボディの持ち主のようです。
インナースリーブの写真を見ますと、やっぱりと頷けます。
このアルバムは近くの中古ショップで380円だったということと、彼女の名前も一応知っていたということで購入しました。
これは1987年の彼女の1stアルバムで、この日本でもかなりヒットしましたので、私も知っている曲も収められております。
1曲目の"Boys (Summertime Love)"はそれこそ耳タコの当時大ヒットしたナンバーです。当時はバブルの始まりの頃で、若い女性の間では、ワンレン、ボディコン、爪長ハイヒール(私は、こういった女性のスタイルを見てはときめいていました?)が流行っていた時期でした。マハラジャを代表するようにディスコでは、こういった女性がお立ち台で踊っていたのは有名ですよね。そんな頃に流行っていたのがこのナンバーです。
4曲目の"Kiss"は1986年のPRINCEのヒット・チューンですが、彼女が歌うとまた違った味わいがあります。
5曲目の"Sexy Girl"は彼女のデビュー曲ですが、ホント、彼女の持つ雰囲気はタイトルを地でいっているような感じです。
7曲目の"Lady Marmalade"は、1974年のLABELLの全米No.1ヒットのナンバーです。このナンバーは他のナンバーと雰囲気が違って、かなり良く出来たファンク・ナンバーとなっております。
8曲目の"My Sharona"はもちろんあのTHE KNACKの大ヒット・ナンバーです。アレンジもそんなに変わっておりませんし、このSABRINAのヴァージョンも結構聴けます。
ラスト・ナンバーの9曲目"Da Ya Think I'm Sexy?"はもちろんROD STEWARTの大ヒット・ナンバーです。このナンバーも元々ディスコ調のナンバーですし、まるで違和感はありませんね。「私のことセクシーだと思う?」なんてSABRINAから聞かれたら、誰だって「セクシーだよ」と答えてしまいますよね。そういった意味でも、このナンバーは彼女にピッタリのナンバーです。
こうやって、たまに違うジャンルのアルバムを聴くのも良いですね。
それと音楽というものは本当に最高ですね。その時期、その時期の時代背景を良く現しているものが音楽だと思いますね。
私は、いろいろなジャンルの洋楽を40年以上聴いておりますが、それこそ、私にとっては、音楽が私の足跡というか人生で、昔のナンバーを聴くと、当時の想い出が鮮明に浮かび上がってきます。
とにかく音楽って最高です。
2006-12-29
Mr. Big / Deep Cuts - The Best Of The Ballads (2000)

このアルバムの楽しみは何と言っても、新曲2曲と、Richie Kotzenがギターを弾いているニュー・ヴァージョンの3曲です。
また、これは国内盤ですので、ラストに"My New Religion"のボーナス・トラックが追加されていることでしょうか。
このアルバムは、Eric MartinとPat Torpeyの発案によるものということですが、元々"To Be With You"を代表にバラード・ナンバーに定評があるMR. BIGです。
それこそ、エモーショナルなバラード・ナンバーばかりが収められております。
1曲目の"Where Are They Now"は新曲で、盛り上がる最高のナンバーです。バックのRichieのギター・プレイも最高です。かなり良く出来たナンバーです。
2曲目の"I'll Leave It Up To You"も新曲です。しかし、Eric Martinって歌上手いですね。
3曲目の"Had Enough"、4曲目の"Promise Her The Moon"、5曲目の"Just Take My Heart"はニュー・ヴァージョンです。ギタリストが替わるだけで、結構曲の雰囲気も変わりますね。私は、Paul GilbertよりもRichie Kozenが好きですので、それだけで満足です。どのナンバーもそうですが、Richie Kotzenのギターは最高ですね。でも、Richie Kotzenは元々はソロ活動が始まりでしたが、POISONやこのMR. BIGなどグループに参加しては脱退するということの繰り返しが絶え間ないギタリストですね。すっぱりソロ活動に徹すれば良いのにといつも思います。5曲目の"Just Take My Heart"は"To Be With You"と同じくらい良く出来たバラードですが、やっぱり良いですね。
7曲目の"You Don't Have To Be Strong"はRichie Kotzenのペンによるナンバーで、ここでの魅力は何と言っても、EricとRichieによるデュエットでしょうね。Richieのヴォーカルはギターと同じくらい定評があり、かなり良いです。もちろん、このナンバーでのギター・ソロも申し分ありません。
8曲目の"Anything For You"は最高にいかしたパワー・バラードのナンバーです。バックの演奏といい、Ericのヴォーカルといい、これ以上のものはありません。
9曲目の"Wild World"も"To Be With You"と同じくらい有名なナンバーですが、Paul Gilbertのアコースティック・ギターが最高です。
11曲目の"Dancin' Right Into The Flame"は若干ブルージーな感じがするバラード・ナンバーです。こういう雰囲気のナンバーも良いですね。
14曲目の"If That's What It Takes"もパワー・バラードですが、バックのギターが最高です。
15曲目は、MR. BIGのバラード・ナンバーといえば、誰もが思いつく"To Be With You"です。このナンバーについては、コメントのしようがありませんね。
ラスト・ナンバーの16曲目は、"My New Religion"のライヴ・ヴァージョンです。
このMR. BIGですが、日本ではかなりの人気でした。
結構な枚数のアルバムを出しておりますが、相当だぶついているようで、中古盤はとても安くゲット出来ます。
この私も最近になって、やっと、MR. BIGを集めだしました。
もし、これから聴こうとする方がおりましたら、中古盤をかなり安くゲットできますので、今がその時かも。
2006-12-24
AOR / L.A. Concession (2000)

私は彼の3rd以降のアルバムしか持っておりませんでしたので、この再発は嬉しい限りです。あとは、1992年に発表された1st " L.A. Rendez-vous"を待つだけです。
この2ndでも、相変わらず豪華なミュージシャンを取り揃えています。
ギターには、Tommy Denander、Steve Lukather、Michael Landau、Michael Thompson、Peter Friestedtらが、キーボードには、David Diggsが、ベースには、Tony Franklin、ドラムスには、Jeff Porcaro、Carlos Vega、Gregg Bissonette、バッキング・ヴォーカルには、Richard Page、Steve Georgeの二人、また、ヴォーカルは、2000年時点では、ほぼ無名な人ばかりで、David Chamberlin、Kristoffer Lagerstrom、John Fluker、Doug St. Johnの4人が務めています。
ということで、この豪華メンバーを見ただけで、内容が想像出来ると思います。
これは紛れも無くAORの作品です。美旋律なナンバーばかりで、言うことがありません。
1曲目の"Never Gonna Let Her Go"は美しいメロディの前奏から始まるバラード・ナンバーで、雰囲気最高のナンバーです。サビの部分も覚え易くヒット性抜群のAORナンバーです。ヴォーカルはJohn Flukerで、かなり歌も上手いですし、このナンバーにピッタリの声をしています。
2曲目の"On Dangerous Ground"もバックのピアノの音が美しいバラード・ナンバーで、このナンバーも1曲目に引けをとらない仕上がりとなっております。こちらのナンバーは曲にしっとり感があります。ヴォーカルはDoug St. Johnです。この人のヴォーカルもかなりいかしてます。
3曲目の"Caught Inside Your Heart"は、ミディアム・テンポのメロディアスなナンバーでが、曲にキレがあります。バックのキーボードの音がカッコ良いナンバーです。曲のラストのギター・ソロもかなりカッコ良いです。
4曲目の"Worlds Away"は再び魅力的なキーボードから始まる、これもメロディアスなバラード・ナンバーです。これはかなり盛り上がりのあるナンバーで、とてもカッコ良いギターの音が全編で流れています。クレジットが無いので、誰が弾いているのか判りませんが、このギターの音は最高です(何となくMichael Thompsonのような感じがします)。最高にいかしたバラード・ナンバーです。
5曲目の"In My Crystal Ball"は今までのナンバーと趣を異にしたナンバーです。真夏のカリフォルニアを連想させる爽やかなナンバーです。バックのギターのカッティングが最高にいかしてます。メロディアスでポップなナンバーです。
6曲目の"The Way Of The Night"もメロディアスなAORナンバーです。これもかなりいかしてます。
7曲目の"Leave Her To Heaven"も前奏は美しいピアノから始まりますが、すぐに曲が転調してカッコ良いギターに変わる産業ロック・ナンバーです。ファズがかかったギターの音がとてもカッコ良いです。
8曲目の"Only In My Dreams"もバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。しかし、こんなにも沢山良い曲を書けるFrederik Slamaってどういう人なんでしょうか。
9曲目の"From L.A. To Tokyo"はとても軽快なナンバーです。メロディも良くポップな最高にいかしたAORナンバーに仕上がっております。
10曲目の"Lost In Your Eyes"は、ミディアム・スローの最高に雰囲気があるナンバーです。とにかくバックの音が素晴らしいのです。けっして弾きまくっているわけじゃないけど、ギターの音はもう言うことありません。
11曲目の"Don't Let Her Go"も軽快な産業ロックっぽいナンバーです。このナンバーもかなりいかしてます。
12曲目の"Love Has Found Its Way"は伸びのある官能的なギター・ソロから始まるナンバーです。これもメロディアスなバラード・タイプのナンバーです。
次の13曲目以降が今回のCD化に伴うボーナス・トラックです。
その13曲目"Can One Of Your Kiss Do All This?"も美しいピアノから始まるナンバーで、これもとてもメロディアスです。
14曲目の"Secrets In Her Heart"もバックのギターの音がとってもカッコ良いナンバーです。こういった感じの曲って堪りませんね。言うこと無しです。
15曲目の"The Spark Of My Soul"はこのアルバムの中ではイマイチのナンバーですが、こんなナンバーがイマイチなこのアルバムってどういうことなのでしょう。
ラスト・ナンバーの16曲目は1曲目"Never Gonna Let Her Go"のインスト・ヴァージョンで、ギター・ソロはTommy DenanderとSteve Lukatherです。この二人のギターって最高です。
これは、AORの2ndですが、かなり出来が良いです。
あーあ、早く1stもCD化されないでしょうか。
2006-12-23
Frozen Ghost / Nice Place To Visit (1988)

これは1988年に出された彼等の2ndアルバムです。
ハードポップといいながらも、かなりAORした作りとなっております。
1曲目の"Better To Try"は、ハードポップ然としたナンバー、バックのコーラスとサックスがいかしたものとなっております。キレのあるリズムを持ったナンバーでお薦めです。
2曲目の"Pauper In Paradise"はイギリスのニューロマンティックスを思わせるナンバーです。Spandau Balletにも通ずるナンバーで、かなりカッコ良いナンバーです。
3曲目の"Selling Salvation"はメロディアスなナンバーですが、このナンバーもイギリス的雰囲気を持ったナンバーです。
4曲目の"step By Step"はこのアルバムの一押しのナンバーで、ミディアム・テンポのメロディアスでポップなナンバーです。
5曲目の"Mother Nature"はとてもポップなナンバーで、どことなく60年代を感じさせるナンバーです。
7曲目の"Round And Round"はバックのピアノの音がカッコ良い産業ロック・ナンバーに仕上がっております。
8曲目の"Dream Come True"はメロディアスなバラード・ナンバーです。このナンバーは完全にAORしております。曲の感じは全く違いますが、4曲目と同じくらい出来の良いナンバーです。
9曲目の"Perfect World"の音にはキレがあります。かなりいかしたハードポップ・ナンバーとなっております。
ラスト・ナンバーの"Suspended Humanination"は打ち込み主体のナンバーとなっておりますが、それでもバックのギターの音はとてもカッコ良いです。曲全体もポップで良いです。
このFROZEN GHOSTですが、日本ではかなりマイナーなバンドですが、彼等の1stは2nd以上に良く出来たAOR・ハードポップですので、産業ロックやAORファンにはお薦めのバンドです。
2006-12-22
Johnny Bristol / Bristol's Creme (1977)

"Slow Dancer"は1974年の作品で、前作"My Time"に比べ、サウンドも非常に洗練されたものとなりました。
それから3年を経過した1977年に今回紹介します"Bristol's Creme"が発表されました。
これはJohnnyの3rdアルバムということになりますが、この3rdと次の4thは、アーバンなブラコンで、中身も十分AORしていることから、ブラコン・ファンばかりではなく、AORファンからも相当支持されているアルバムです。
とにかく、収められているナンバーがソフト&メロウなものばかりなんです。
極めつけは1曲目の"Do It To Mind"です。ファンキーな中にも甘さがあり、とても洒落たサウンドに仕上がっております。これぞAORといったナンバーです。
2曲目の"I Love Talkin' 'Bout You"はメロディアスなバラード・ナンバーで、これも最高にいかしたナンバーです。
3曲目の"I Sho Like Grooving With Ya"はファンキーなダンス・ナンバーですが、こういったナンバーもとても洒落ていてご機嫌という言葉がピッタリです。
4曲目の"You Turned Me On To Love"は一転してメロディアスなバラード・ナンバーです。
5曲目の"She Came Into My Life"はミディアム・スローのソウルフルなナンバーで、さらにメロディアス。言うこと無しですね。
6曲目の"Love To Have A Chance To Taste The Wine"は再びメロディアスなバラード・ナンバーです。華麗なピアノをバックにソウルフルに歌うJohnnyのヴォーカルは最高です。
7曲目の"Baby's So Much Fun To Dream About"はソウルフルな中にもポップ性が溢れたナンバーで、とても聴き易いナンバーです。
ラスト・ナンバーの8曲目"Have Yourself A Good Time Thinkin' 'Bout The Good Times..."はモータウン・サウンドを感じさせるポップで軽快なナンバーです。
このアルバムはブラコン・ファンだけじゃなく、AORファンも必聴のアルバムです。
2006-12-21
Robert Hart / Robert Hart (1992)

その時は、The Distanceというアメリカのロック・バンドのヴォーカリストとしてでした。
このバンドには、Bernard Edwards、Jeff Bova、Eddie Martinezなどが在籍しており、アルバム"Under The One Sky"のプロデューサーはバンド・メンバーのBernard Edwardsが担当していたこともあり、ファンキーなハードロックといった内容のものでした。
その後、1992年に出されたアルバムが、このソロ・アルバムですが、内容は、かなりAORしたものとなっております。
実は、このアルバムを購入したのは、ここ2、3年のことで、購入するまでこのアルバムの存在も知りませんでした。
購入のきっかけは、AORを専門に扱うネットショップ"CRUISIN' MUSIC"で見つけたからでしたが、その時は、貴重盤扱いされていて3000円弱の値段だったと思います。
このアルバムは先にも書きましたが、かなりAORしたものとなっております。
Robertの若干ハスキーなヴォーカル・スタイルに好き嫌いが分かれると思いますが、私は結構好きです。
収められている曲の出来も良く、メロディアスなナンバーが数多く収められております。
さらに、このアルバムの魅力は何と言っても、Russ Ballardが作曲、バックのギター及びプロデュースまでしているということでしょうね。
極めつけは7曲目の"Someone To Watch Over Me"ですね。これはメロディアスなスロー・ブルースのナンバーなんですが、先ず、曲がRobertのヴォーカルに良く合っているということと、Russ Ballardのエモーショナルなブルース・フィーリング溢れるギター・ソロが最高なんです。この1曲だけを聴くために、高いお金を払ってこのアルバムを購入しても損はないと思います。
もちろん。このナンバー以外にも沢山良い曲が収められております。
1曲目の"Heart And Soul"は曲の出だしはミディアム・スローで途中からテンポも早くなりますが、AORしたいかしたナンバーに仕上がっています。
2曲目の"Alone"はメロディアスなバラード・ナンバーでお薦めです。
3曲目の"Ridin' On The Wind"は7分強の大曲ですが、このナンバーもミディアム・テンポのナンバーですが、かなり盛り上がりを見せてくれています。
4曲目の"I Don't Want To Be Here When You're Gone"も、メロディアスなバラード・ナンバーで、なかなか魅力的なナンバーです。
5曲目の"Boys On The Corner"はアコースティカルなアメリカン・ロックしたナンバーです。
6曲目の"Fooled Around And Fell In Love"はElvin Bishopのペンによるナンバーですが、7曲目の次に好きなナンバーです。これも若干ブルージーなナンバーですが、バックのピアノとギターの音が最高のメロディアスなナンバーです。
8曲目の"Better Than The Rest"は洒落た感じのモロAORしたナンバーです。このナンバーの出来もかなり良いですね。
9曲目の"Running Man"もバックのピアノが魅力的なメロディアスな産業ロックっぽいナンバーです。このナンバーも聴きものです。
ラスト・ナンバーの10曲目"A Little Love Is Overdue"も若干ブルージーなナンバーですが、それでもかなりポップな印象を受ける曲となっています。
で、最近またこのRobert Hartの名前を見ることとなったのですが、これがちょっとビックリで、Bad Companyのヴォーカリストとしてでした。
彼の参加した1995年の"Company Of Strangers"はサウンド的には初期Bad Companyを彷彿させる内容で、Robert のヴォーカルもPaul Rodgersに負けないくらい良かったと思います。
2006-12-18
Denander - Gaitsch / Counterparts (1998)

1998年に発表されたアルバムで、主役はTommy DenanderとBruce Gaitschです。
スウェーデンのプロデューサー、ギタリストのTommy Denander、彼のプロデュースするアルバムはAOR、産業ロックファンから大きな支持を得ておりますし、方やBruce GaitschもKing Of HeartsやAORの数多くのアルバムでセッション・ギタリストとして、これもAORファンからかなりの支持を得ております。
この二人のギタリストによるコラボレートされたアルバム"Counterparts"は、今は亡きJeff PorcaroとCarlos Vegaの二人のドラマーに捧げられたアルバムとなっているようです。
3曲目の"Crawfish Blues"を除き、インスト・アルバムに仕上がっております。
この3曲目には、Bill Champlinがヴォーカルとして参加しており、とてもファンキーでブルージーなナンバーです。Tommy Denanderのリード・ギターも良いですが、Bruce Gaitschのスライド・ギターの音がこのナンバーの雰囲気を盛り上げております。もちろん、Bill Champlinのヴォーカルも負けてはいません。
ほかのナンバーはインスト・ナンバーで、それぞれのギタリストとしての特徴が良く出ています。
それが良く現れているのが1曲目の"Quality Time"で、Tommy Denanderのエレクトリック・ギターに対して、ナイロン弦によるBruce Gaitschのギターというコントラストが最高のナンバーで、さすがこの二人が合体しただけある、といったナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Hellevator Music"はメロディ部分と途中のギターソロがBruceで、ラスト部分のギターソロがTommyが堪能しているナンバーで、これまた、それぞれの特徴が良く出たナンバーだと思います。このナンバーでは、Bruceのギターの音もかなりハードで、Tommyに引けをとっていません。
4曲目の"Sirens"は太目のBruceのギターに硬質のTommyのギターが絡まるといったナンバーです。また、後半部分は二人の繊細な感じのギターを聴くことが出来ます。
5曲目の"Long Distance"は、それぞれが交互にソロを聴かせてくれるナンバーで、これは圧巻です。ここでも、やっぱり二人の特徴が良く現れております。軟らかめのBruce、硬めのTommyといった感じでしょうか。
6曲目の"Falcons Groove"は、ジャズ的アプローチのBruceに対してロック的アプローチのTommyと、このナンバーでも両者の違いがとても興味をそそります。
7曲目のSteamrollin'"はとてもロックしたナンバーで、この辺の曲の感じはMichael Landauのギターを聴いているようです。このナンバーでは、TommyのギターにBruceのギターが被さるといった感じです。
8曲目の"Fretwalking"はタイトルどおり、ギターのフレットの部分にTommy、Bruceの指がリズミカルに動き回っている感じがするナンバーです。
9曲目の"The Secret"は、6曲目以上に、Jazzギター然としてBruceのギターに繊細さを感じさせるTommyエレクトリック・ギターが絡んでおり、とても面白いナンバーに仕上がっております。
10曲目の"Unspoken Joy"は、Tommyのワウワウ・ギターに対し、Bruceのクリーンなギターと、このナンバーも聴きものとなっております。フュージョン・タッチの洒落たファンキーなナンバーとなっております。
ラスト・ナンバーの11曲目"Never Forget You"はBruceのギター・ソロが堪能できるナンバーとなっております。
このアルバムのジャケットには、二人にとってのギター・ヒーローが掲載されておりますが、先ず、Tommy Denanderは、Carlos Santana、Jimi Hendrix、Larry Carlton、Micheal Landau、Steve Stevens、Eddie Van Halenを、Bruce Gaitschは、Segovia、Wes Montgomery、Jimi Hendrix、Eric Clapton、Larry Carlton、Jeff Beckをそれぞれ挙げております。
このギタリストたちを見れば、二人の違いも明らかだと思いますね。
それにしても、このアルバム、私は、5年ほど前に、海外のネットで購入しましたが、それ以降殆ど目にすることもありません。
もったいない限りです。
2006-12-17
Karen Blake / Just One Heart (1984)

当時このアルバムについては、発売されていたことは知っていましたが、ジャケットに移るKarenの感じが何となくニューウェーヴっぽかったので、あまり食指を覚えたといった記憶も無く、そのまま買わず終いでした。
ですから、AORの紹介本に載ったのを見た時は、結構気になるアルバムとなりましたが、それでも、すぐには手に入れることもありませんでしたが、ここのところ、COOL SOUNDから発売されているアルバムが種々廃盤となっているようですので、最近やっと手に入れました。
プロデュースはKyle Lehning (ex Thunder, Wilson Bros., England Dan John Ford Corey etc.)で、バック・ミュージシャンもSteve Lukather、Michael Landau、Dann Huff、Robbie Buchanan、James Newton Howard、Alan Pasqua、Nathan East、Carlos Vega、Pat Mastelotto、Ernie Watts、Karla Bonoff、Christopher Cross、Andrew Goldなど錚々たるメンバーで、先ずこの豪華さにびっくりです。
ただ、この豪華さに割には、全体的に華々しさに若干欠けていると思うのは私だけでしょうか?
出来としては悪くはないと思いますが、これぞ!という曲が少ないのがちょっと残念ですね。
それでも、2曲目の"I'm Only Here For You"は、Robbie Buchananのエレピの音とSteve Lukatherのギターの音がかなりいかしたメロディアスなバラード・ナンバーで、これはとてもお薦めのAORナンバーです。
1曲目の"I Want You Back"は、1970年のJackson 5の全米No.1のカヴァーで、ファンキーなダンス・ポップなナンバーとなっておりますが、出来としてはオリジナルの方が良いでしょうね。
3曲目の"Anything At All"もAOR然としたナンバーで、バックの音が良いです。
4曲目の"Just One Heart"はトロピカルな感じがするナンバーですが、若干ニューウェーヴの香りがするナンバーです。
5曲目の"Come Hell Or Waters High"は、作者のDave Logginsとのデュエット・ナンバーで、メロディアスな盛り上がりのあるバラード・ナンバーに仕上がっております。このナンバーも出来は良い方ですね。
6曲目の"Chain Reaction"は、Glen BallardとClif Magnessのペンによるナンバーで、ヴォーカルを替えてもう少しハードにすれば、PLANET 3になるかも。バックのErnie Wattsのサックスはとてもファンキーでカッコ良いです。
7曲目の"I'm Not A Loser"は、他の曲と比べちょっとばかりハードなカッコ良いナンバーです。2曲目と全く違うタイプですが、このナンバーもお薦めの1曲です。短いながらMichael Laundauのギター・ソロが最高です。
8曲目の"Someone To Love"は、再びメロディアスなバラード・ナンバーです。このナンバーでは、Steve LukatherとDann Huffのギター・ソロを聴け、この両者のギター・ソロは圧巻ですね。
9曲目の"I'll Shine My Light On You"もAOR然としたナンバーです。
ラスト・ナンバーの10曲目"Time Heals The Wounds"は、Todd Rundgrenのペンによるナンバーで、ギター・ソロはSteve Lukatherとなっております。
このKaren Blakeのアルバムですが、まだアマゾンにはカタログとして掲載されているようですが、在庫が無くなれば、もう二度とCD化されないような気がしますので、興味のある方はどうぞ。
2006-12-16
Rick Riso / The Best Of Rick Riso (1999)

私も以前は全て所有しておりましたが、このベスト・アルバムを入手したため、売り払ってしまいました(かなり後悔してますが)。
このRick Risoですが、CCM (Contemporary Christian Music) のAORです。
音的にはアーバンで洒落た感じのメロディアスなAORで、かなりいかしてます。
このアルバムはベスト・アルバムだけあって、選曲も素晴らしいものとなっております。
全体的にゆったりとしたバラード・タイプのナンバーが多いですが、極めつけはラスト・ナンバーの14曲目"Remember Me"でしょうね。とにかくメロディが美しいバラード・ナンバーです。曲と声がピッタリと合っているし、ピアノの音といい、ラストのギター・ソロといい、バックの音がもう何もいう事ありません。曲に盛り上がりもあり、永遠のバラードといった感じの最高のナンバーです。
1曲目の"Gotta Have The Real Thing"はどことなくハート・ウォーミングを感じさせるナンバーです。メロディもかなり良いですし、これもとてもお薦めですね。
2曲目の"Faithful"は伸びのあるRick Risoのヴォーカルが素晴らしいナンバーとなっております。
3曲目の"I Find Your Love Again"はメロディアスなバラード・ナンバーです。このナンバーも結構盛り上がりのあるナンバーです。
4曲目の"He Is Willing"もメロディアスなAORナンバーで、出来上がりも素晴らしいと思います。これもかなりお薦めのナンバーです。
5曲目の"Heart's Desire"は洒落た感じのナンバーで、言うこと無しのAORナンバーとなっております。曲は本当に良く出来ています。抑え気味に歌うRick Risoのヴォーカルは最高です。
6曲目の"Edge Od Darkness"は美しいピアノ・ソロから入るしっとりとした感じのバラード・ナンバーで、これもお薦めです。
7曲目の"See The Light"はタイトルを良く現した暖かい感じのナンバーです。
8曲目の"Even If"はこのアルバムの中でもかなり軽快な感じのナンバーです。メロディはまあまあですが、それ以上にバックの音がカッコ良いナンバーとなっております。
9曲目の"Sure Thing"も前曲同様軽快なナンバーとなっておりますが、曲の出来としてはこちらの曲が良いですね。バックのギターの音がとても良いです。
10曲目の"Heaven Must Have Sent You"は音的には、このアルバムの中で最もハードですが、出来はとても良いと思いますよ。
11曲目の"Shouting At The Walls"は前奏がプログレ的のナンバーで、産業ロックっぽいいかしたナンバーとなっております。このナンバーは聴きものです。
12曲目の"Take A Stand And Fight"は前奏のサックスの音がご機嫌のメロディアスなAORナンバーです。とてもアーバンな香織がするナンバーで、ご機嫌な1曲です。
13曲目の"Armor Of The Lord"はファンキーさが堪らないナンバーとなっております。このナンバーもお薦めです。
CCMの中でもかなり洒落たサウンドを奏でるRick Risoはとてもお薦めのアーティストです。
2006-12-13
Coldplay / X & Y (2005)

そのうち、一度聴いてみたいな、と思っておりましたところ、市内の中古ショップで1,200円で売っておりましたので、迷わず購入しました。
KEANE は、イギリス的な湿り気を帯びたメロディアスなポップスが魅力の最高にいかしたバンドでしたが、なるほど、このCOLDPLAYも同じようなテイストを持ったバンドだと思います。
ただし、このCOLDPLAYがKEANEと違うところは、こちらの方がハードな分、相当にロックしているということでしょうか。
私はどちらのバンドも好きですね。
ハードロック系は別にして、最近のロックやポップスにはあまり興味を持っておりませんでしたが、この二つのバンドは別ですね。
ハードロックの中でもゴシック・メタルやメロディック・デス・メタルは、メロディアスなこともありますが、特にヨーロッパの湿り気を帯びたサウンドが大好きで、最近のも良く聴いております。
このCOLDPLAYはそういったゴシック的なところも若干あるように思われ、とても気に入りました。
特に、1曲目の"Square One"を聴いた時は、バックの音も結構ハードで、湿り気を帯びた暗くも美しいメロディが耳につきささり、これって、最高!!という感じでした。この1曲でいっぺんにいかれてしまいました。バックのギターなんかPARADISE LOSTを聴いているかのような錯覚に陥りました。これは、紛れも無く BRITISH ROCK だと思いましたね。このナンバーは私にとって久し振りのヒットでした。もう最高です!!
2曲目の"What If"は前曲とは一転して、美しいピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーですが、初めて聴いた時は、前曲との落差で意表を衝かれましたね。メロディアスな美しいナンバーです。
3曲目の"White Shadows"はカッコ良いギターのリフから始まるナンバーです。メロディアスなナンバーで、これもゴズ的な部分を持った最高にいかしたナンバーです。
4曲目の"Fix You"は荘厳な感じのオルガンから始まるナンバーです。オルガンとピアノの音が合わさったメロディアスなとても魅力溢れるナンバーです。バックの演奏が最高です。
5曲目の"Talk"は再びギターの音が最高のメロディアスなナンバーです。このバンドの持ち味はこのギターの音だと思いますね。この辺りがKEANEと違ったところで、ギターの音が大好きな私としては、このCOLDPLAYのサウンドもKEANEと同じくらいとても好きです。
タイトル・ナンバーの6曲目"X & Y"は最高にいかしたメロディを持ったナンバーで、この湿り気や美しさは、Wishbone AshやPink FloydさらにはParadise LostなどのBritish Rockの良いとこ取りといった感じです。この辺りのセンスは最高です。
7曲目の"Speed Of Sound"は、とてもカッコ良いBritish Popに仕上がっております。
8曲目の"A Message"はPaul McCartneyに通ずるメロディを持ったアコースティカルなナンバーです。
9曲目の"Low"は、Oasisを連想させるパワーポップのナンバーです。カッコ良いという表現がピッタリのナンバーです。
10曲目の"The Hardest Part"はとてもポップなメロディを持ったナンバーで、60年代のブリティッシュ・ロックを感じさせるナンバーで、このナンバーも最高にご機嫌です。
11曲目の"Swallowed In The Sea"はスコットランド辺りのフォーキーさを感じさせるナンバーで、トラディショナルさが堪りません。
12曲目の"Twisted Logic"はバックの音がけっこう重ためのナンバーですが、これが最高でもういう事がありません。
13曲目の"Til Kingdom Come"はアコースティック・ナンバーで、ほかのナンバーとまた違った趣のナンバーです。
また、国内盤では、この13曲目のあとに隠しトラックが収められておりますが、これまたとてもメロディアスなナンバーで、このナンバーでもバックの音は最高です。
とにかく、この COLDPLAY のアルバムも全曲メロディアスなナンバーですので、メロディ派には聴いていただきたいアルバムだと思います。
KEANE とはまた違った音を聴かせるバンドです。
X&Y (CCCD)
2006-12-11
Vapour Trails / Vapour Trails (1979)

1999年に一度CD化されましたが、今回のCD化までの間、ネット・オークションではそこそこの値段も付いていたようです。
こういった再CD化は全くもって嬉しい限りです。
皆さんがご存知のとおりこのアルバムには、小林克也氏がDJを務めたテレビ番組「ベスト・ヒットUSA」のテーマ・ソング"Don't Worry Baby 邦題「サーフサイド・フリーウェイ」"が収められていることで有名です。
このナンバーを聴くと必ずと言って良いほど小林克也氏の顔を思い浮かべる、ということで、かなり強烈なナンバーだと思います。
また、このアルバムのプロデュースはLarry Carltonが担当しておりまして、バック・ミュージシャンも Michael Omartian、Steve Holly (ex WINGS)、Bill Cahmplin、Tom Scottなど錚々たる顔ぶれが揃っております。
このVAPOUR TRAILSは実はイギリスのバンドなんですが、流れてくるサウンドは、それこそウエスト・コーストのAORという感じです。
その代表的なナンバーが前出の2曲目の"Don't Worry Baby"です。最高にいかした前奏がウエスト・コーストの青い空を連想させてくれるメロディアスなAORナンバーです。この辺りは、THE BLISS BANDに通ずるものがあります。とにかく誰にでも口ずさむことが出来るメロディが良いですね。
1曲目の"Do The Bossa Nova"はタイトルどおりトロピカルな感じのポップなナンバーです。このナンバーの出来もそこそこです。
3曲目の"Night People"はベース・ラインがカッコ良いシティ・ミュージックといった感じの洒落たナンバーです。
4曲目の"True Love"はミディアム・スローのメロディアスなAORナンバーで、かなり良く出来ております。
5曲目の"It's All Right"はファンキーな感じのナンバーで、バッキング・ヴォーカルはBill Champlinが務めています。また、バックのギターの音がかなりロックしていることと、キーボードの音がかなり良い音を出しております。
6曲目の"Slow Dancing"はメロディアスなバラード・タイプのナンバーです。バックのキーボードの音がとても魅力的なナンバーです。
7曲目の"Modern Love"は曲作りとドラムス、バッキング・ヴォーカルにSteve Hollyが参加しているナンバーで、曲にキレがありいかしたナンバーに仕上がっています。
8曲目の"Non Merci"は多分にロックしたナンバーです。
9曲目の"Hold On To Something Good"は前奏のピアノの音が美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。かなりAORしたお勧めのナンバーです。
10曲目の"Strange Conversations"もミディアム・スローのナンバーでバックのキーボードが光ったナンバーとなっています。なお、このナンバーでは、Tom Scottがサックスを吹いております。
11曲目の"Throw Down The Dice"はポップなメロディを持ったAORナンバーに仕上がっています。
ラスト・ナンバーの12曲目"Falling"はコーラスが美しいバラード・ナンバーとなっております。
全体的にポップで聴き易いAORアルバムに仕上がっているのは、Larry Carltonがプロデュースしたからだと思います。
2006-12-10
707 / Magic (2006)

私が707を初めて聴いたのは、彼等の1stアルバムが出た1980年でした。
1stからの大ヒットシングルの"I Could Be Good For You"を聴いた時は、カッコ良い産業ロックバンドが出てきたなと思っておりました。
また、翌年の2ndには、"Tonite's Your Nite"という最高にカッコ良いナンバーが収められており、当時、ヘヴィローテーションしていたことを思い出します。
ですから、Renaissance Recordsからこの1stと2ndがカプリングで発売された時は興奮しましたね。
その後、3rdアルバムの"Mega Force"、さらにお蔵入りとなっていた"The Bridge"、2005年には"Greatest Hits Live"と続き、今回は、この"Magic"ということで、とても嬉しい限りです。
この"Magic"ですが、録音時期が1979年ということですので、1stアルバムと同じくらいの時期だと思います。
このアルバムには、全20曲が収められておりますが、1stとダブっている曲もかなりありますので、これは幻の1stかも知れませんし、最初は2枚組みで発表しようとしたのが、1枚になったのかも、という想像も出来ます。
曲の出来や録音状態から、少なくとデモ・ヴァージョンということではありません。
1stに収められていなかったタイトル・ナンバーの1曲目"Magic"はヒット性抜群のメロディアスな産業ロックナンバーです。どうしてお蔵入りになっていたのか判らないぐらい良く出来たナンバーです。
2曲目の"I'm Tired"も同じく、音にもキレがあり、バックのキーボードが最高のメロディアスなロックナンバーです。
4曲目の"Duke's Instrumental"は、バンドのキーボーディストDuke McFaddenのペンによるナンバーで、音に厚みがありませんが、TOTOの2ndの"Hydra"を連想させるプログレッシヴなナンバーとなっており、かなり聴かせてくれています。
6曲目の"Never Know"はメロディアスなバラード・ナンバーで、かなりAOR的アプローチのナンバーです。
8曲目の"When You Go"はレゲエ・タッチの面白いナンバーです。曲がポップでとても聴き易いナンバーとなっております。
9曲目の"Lady"は、もうこれは完全にAORしたバラード・ナンバーでしょう。メロディも良いですし、いうことありません。バックのピアノの音がそそります。
10曲目の"Lifetime Lover"も前曲同様AORしたナンバーですが、こちらの方はかなりポップに仕上がっております。このナンバーの出来は本当に最高で、何でこの曲がお蔵入りしていたのか、とても疑問に感じます。このナンバーは、バックの演奏とメロディがとても素敵で、かなりお薦めです。
11曲目の"Hungry For Your Love"はロックンロール・タイプのポップな1曲で、出来もかなりのものです。ギターとピアノはとてもロックン・ロールしているご機嫌なナンバーです。
12曲目の"Need To Reach You"もバックの音がカッコ良いハードポップ・ナンバーです。
13曲目の"Nighttime In The City"はインスト・ナンバーで、フュージョン・タッチのナンバーです。途中のスキャットが効果的です。このナンバーは、フュージョン・ファンやAORファンも納得する1曲だと思いますね。演奏も最高ですし、メロディアスです。
15曲目の”Thinking It Over"もメロディアスで良く出来た産業ロック・ナンバーです。
16曲目の"Isabel"は、スローなブギ調のナンバーです。これがまた雰囲気最高のナンバーで言うことありません。
以上が、1stに収められていなかったナンバーで、12曲もあります。
ほぼアルバム1枚分ですが、ホント、これらのナンバーがお蔵入りしていたことが信じられません。
707の既発表曲と比べても出来は遜色ありませんし、それ以上の出来のナンバーだってあるのにです。
でも、こうやって、CD化されたことは、本当に嬉しい限りです。
あと、このアルバムのラストの20曲目には、"I Could Be Good For You"が収められておりますが、やっぱりこのナンバーは大ヒットしただけある名曲ですね。
なお、このアルバムですが、 "LOST & FOUND"というタイトルで発売されております。
興味のある方はどうぞ。
2006-12-03
Sunlightsquare / Urban Sessions (2006)

内容は、いわゆる今風のスムース・ジャズです。
ミュージシャンにSteve Gadd、Will Leeという名前があり思わず購入しました。
全10曲中8曲がヴォーカル入りです。最初の1曲目の始まりの音を聴いた時は、ちょっとテクノっぽい音で、え?って感じで、多少そういった部分もあるものの、それでも出来もそこそこですし、スムースな感じが良いですね。
このSUNLIGHTAQUAREというプロジェクトの中心人物は、Claudio Passavantiというキーボーディストという人物で全曲をプロデュースし、コンポーズしております。
タイトルも"Urban Sessions"ということで、まさにそんな内容になっております。
ほぼ全曲にSteve GaddのドラムスとWill Leeのベースを聴けます。二人のプレイは最高ですね。
1曲目の"From The Cosmos"は、冒頭にも書きましたが、若干テクノっぽい音ですが、メロディもなかなかで、Claudioのピアノの音が美しいナンバーです。女性ヴォーカルもかなりいけます。
2曲目の"Nu Bossa"はタイトルどおりボサノヴァ・タッチのファンキーなナンバーで、Steve Gaddのドラミングは最高です。
3曲目の"Summer Night"は、昔のサンバ風のジャズ・ヴォーカルといった雰囲気ですが、音的には、やっぱり今を感じますね。なかなか良く出来たナンバーで、私はこのアルバムの中で最も好きなナンバーですね。Steve Gaddのスネア・ソロが最高です。
4曲目の"Never Felt So Good"は洒落た感じのナンバーで、タイトルどおり「アーバン」を地でいっているようなナンバーとなっております。でも、バックの音はかなりテクノっぽいです。
5曲目の"Dub O Matic"は、曲のテンポはスローですが、かなりファンキーに聴こえます。女性ヴォーカルが嵌っていて、それが良いですね。
6曲目の"Mr Reeves Remix"はギター入りのナンバーで、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスの音は生で、バックのプログラミングを外せば、完全なジャズの音になると思いますこのプログラミングという装飾を外した曲で聴いてみたくなるナンバーですね。
7曲目の"Bust A Freakin Goal"もスローなナンバーながら、ラップとバックのギターのカッティングがとてもファンキーに仕上げています。
8曲目の"Ab Three"も洒落たナンバーで、Claudioのピアノの音がご機嫌です。
9曲目の"Wicked"には、サックスとダブル・ベースがアクセントとなっているナンバーで、面白いという言葉がピッタリのナンバーです。
ラスト・ナンバーの"Lively Kind Frozen Poem"は、ピアノ、ベース、ドラムスも3ピースによるオールド・ジャズ・スタイルのナンバーです。メロディアスなバラード・ナンバーで、やっぱりこういったナンバーは安心して聴けますね。
いわゆるUKジャズ・ファンクといった内容のアルバムなんでしょうが、こういったアルバムもたまには良いかも。