2007-03-31
Three Dog Night / It Ain't Easy (1970)

この'It Ain't Easy"、"Cyan"それと"Hard Labor"はネット上でもかなりの値段がついていました。
それが、昨年暮れにEdsel Recordsから2in1の形でCDが再発されました。
さらに、発売当時2枚組だったライヴ・アルバム"Around The World With Three Dog Night"も"Seven Separate Fools"とカップリングで発売(このライヴは初CD化(?))されました。
この"It Ain't Easy"は大ヒット・アルバムの"Naturally"と同じ年に出されたアルバムで、Three Dog Nightが最も油が乗っていた時期のアルバムです。
収められているナンバーも、"Out In The Country"、"Good Feeling (1957)"、"Mama Told Me (Not To Come)"など有名曲が並んでいます。
4曲目に収められた"Out In The Country"はメロディアスなナンバーで、とてもAORの香りがするナンバーです。今聴いてもまるで古さを感じさせません。
5曲目の"Good Feeling (1957)"はとてもファンキーなナンバーで、ソウルフルに歌い上げているヴォーカルが最高です。ファルセット・ヴォイスはCory Wellsだったと思いますが、これが、モロ、ブラックした感じが堪りません。
6曲目の"Rock & Roll Widow"のバックのオルガンの音はかなりサイケです。
7曲目の"Mama Told Me (Not To Come)"は大ヒットしたナンバーで、Three Dog Nightの代表曲ともなっております。最高にカッコ良いロック・ナンバーとなっております。
Three Dog Nightは他人の曲をカヴァーして、大ヒットさせており、その代表的なナンバーは,Harry Nilssonの"One"でしたが、このアルバムでも、8曲目のにElton Johnの大ヒット曲"Your Song"をカヴァーしております。"One"はそれこそThree Dog Nightのオリジナル・ナンバーみたいでしたが、さすがこの"Your Song"はオリジナルには負けますが、少なくともThree Dog Nightの選曲の上手さは光っております。
ラスト・ナンバーの9曲目"Good Time Living"の出だしの音がGrand Funkの"American Band"に似たナンバーで、とてもファンキーな出来となっております。
また、1曲目の"Woman"でのギターのリフは結構ハードですし、曲全体もハードロックしたナンバーとなっております。
このThree Dog Nightですが、ご承知のとおり、Cory Wells、Danny Hutton、Chuck Negronの専任の3人のヴォーカリストに、4人のバック・ミュージシャンという7人編成のバンド構成となっております。
3人のヴォーカルの上手さは有名なところですが、バックを支える音も最高で、演奏力もかなりハイ・レベルです。
彼等には、"One"、"Joy To The World"、"Black & White"さらには"Old Fashoned Love Song"など沢山の大ヒットナンバーがありますが、単なるTop40のバンドではありません。
選曲やアレンジ、さらには歌や演奏力の高さに裏打ちされたものがあったから、だと思いますね。
彼等のアルバムは全てCD化されましたが、集めるのであれば今ですね。
あと2,3年もすると、おそらく廃盤となるかも。
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2007-03-25
Vanilla Fudge / Vanilla Fudge (1967)

発表は1967年ということで、今から40年前です。
今、このアルバムを聴いて思ったことは、40年経っても、基本的な音楽スタイルは変わっていない、ということです。
当時から40年遡った時はどうかというと、それはとても大きな変化があったわけです。
私が考えますに、1950年代、1960年代さらには1970年代にかけて音楽スタイルが大きく変化したのでしょう。
特に1960年代の変化は顕著だったと思います。
ロックンロール・ミュージックの出現がそれまでの音楽史を塗り替えたといっても過言ではないと思います。
そういう意味でChuck Berryは偉大なミュージシャンだったと思います。
また、The Beatlesはロックンロール・ミュージックをポピュラー化させたバンドでしたが、それ以上に彼等が偉大なのは、"Revolver"でポップ・ミュージックというもののサウンド・スタイルを大きく広げ、さらに、"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"で、ポップ・ミュージックに芸術性をもたらした、ということでしょうか。
また、ロックンロール・ミュージックにブルースを取り入れたCreamも忘れることが出来ないバンドです。
私は、ハードロックのルーツはこのCreamだと思っております。
そんな、The Beatlesのサイケデリックな面(後期の)とCreamのハードロック的な部分をうまくミックスさせて成功したバンドがこのVanilla Fudgeだと考えております。
当初のメンバーは、Mark Stein (Vo, G), Tim Bogert (vo,B), Vinnie Martell (Key), Carmine Appice (Dr)の4人となっております。
もちろん、サウンドの要は、Tim BogertとCarmine Appiceのリズム・コンビです。彼等の叩き出す音は、最高にカッコ良いです。
さらに、バンド・カラーのサイケデリックな部分を受け持っているVinnie Martellのオルガンの音は芸術的ですらありますし、Mark Steinのギターはハードにドライヴィングし、この4人が集まってこそ、Vanilla Fudgeの音楽だったのだと思います。
この1stには彼等の大ヒット・ナンバー、"You Keep Me Hanging On"が収められております。これは最高にご機嫌なハードロック・ナンバーだと思います。
また、The Beatlesの"Ticket To Ride","Eleanor Rigby"さらには、"People Get Ready"や"She's Not There"など他人の曲をカヴァーしておりますが、これらのナンバーに共通するのが、とてもサイケデリックなアレンジで、それが最高にカッコ良いということなんです。
自分たちのナンバーみたく、うまく消化しているのが、このバンドの上手さであり、魅力となっているのだと思います。
とりわけ、前出の"You Keep Me Hanging On"や彼等の3rdアルバム"Renaissance"に収められていたDonovan作の"Season Of The Whitch"なんかは、殆ど彼等のオリジナル・ソング然としており、彼等のサウンド・スタイルを良く現していたナンバーだと思います。
このVanilla Fudgeというバンドもその後の音楽スタイルに多大な影響をもたらした偉大なバンドだと思います。
また、彼等のサイトを見ますと、いまだライヴ活動をやっており、新作も録音中とか。
とにかく、この1stアルバムは最高に良く出来た、サイケデリックなアルバムです。
2007-03-19
Art In America / Art In America (1983)

今回紹介しますArt In Americaは1983年に発表されたアメリカのバンドで、1996年にRenaissance Recordsから再発されたアルバムです。
このArt In Americaですが、サウンドを一言でいうと、アメリカン・プログレハードですかね。
そうですね、カナダのプログレハード・バンドのSagaに似たサウンドともいえますし、ヴァイオリンは入っておりませんが、Kansasのような雰囲気も持ったバンドだと思います。
ジャケットを見てもプログレ風で、内容を期待させるものとなっております。
アレンジはSteve Morseが担当しております。
メンバーはChris Flynn (Vo, G)、Shishonee Flynn (Vo, Harp)、Dan Flynn (Dr)、T.Lavitz (Key)、Jim Kuha (B)の5人で、Flynn兄弟がバンドのフロント・マンを務めているようです。
全曲Chris Flynnのペンによるオリジナル・ナンバーで構成されております。
プロデュースはEddie Offordが担当しておりますが、このEddie Effordはあまり有名なプロデューサーじゃありませんが、Jay Aaronというハードポップ系のアーティストをプロデュースしておりますが、このJay Aaronのアルバムも良く出来たアルバムでした。
このArt In Americaのセル・タイトルのアルバムには、全9曲が収められております。
冒頭にも書きましたとおりアメリカン・プログレハードの趣といった内容ですが、適度のハードといった感じで、ゴリ押しのサウンドではありません。
メロディもそこそこといった感じで、ヴォーカルはイマイチといった感じもありますが、演奏はハイレヴェルです。
1曲目のバンド名を冠したタイトル・ナンバーの"Art In America"は、美しいハープの音から始まるプログレ然としたナンバーです。ヴォーカル・スタイルはSagaのMichael Sadler風ですが、彼より数段落ちるかも。それでも雰囲気はあります。なかなか魅力的なナンバーです。
2曲目の"If I Could Fly"はキーボードの音の響きと途中のギター・ソロがカッコ良いハードポップ・ナンバーです。また、このナンバーでもハープが効果的に使われています。
3曲目の"Undercover Lover"もハープの音が美しいバラード・ナンバーとなっております。ただ残念なのはメロディに起伏がなく、ちょっとというところかな。
4曲目の"Sinatra Serenade"はフランク・シナトラに捧げたナンバーなんでしょうが、全くジャズっぽさはありません。曲の出来としては悪くはありません。でも、バックの演奏は素晴らしいと思います。
5曲目の"The Line"もバックの音はとても良いですが、曲の出来はイマイチといったところか。
6曲目の"Loot"はなかなかの佳曲で、ポップさも有り、お薦めですね。バックの演奏も音に厚みがあり、カッコ良いです。
7曲目の"Won't It Be Strange"も6曲目以上に良く出来たナンバーだと思います。メロディも良いですし、ハープを中心としてバックの演奏も良いですし、言うことありませんね。
8曲目の"Too Shy To Say"はAOR調のポップなナンバーです。親しみのあるバックの音が良いですね。
ラストナンバーの9曲目"Brett & Hibby"でもハープが効果的に使われています。このArt In Americaですが、このハープが売りなんでしょうね。
全体を通して聴いてみて、やはり、サウンド的にはSagaに似ていますね。
Sagaは大好きなバンドですので、このArt In Americaの音も充分馴染みます。
このCDも、タワーレコードで300円で仕入れたものですが、もちろん300円以上の価値があるアルバムでした。
2007-03-18
Stan Bush / Stan Bush (1983)

当時、このジャケットのカッコ良さが気に入り、即ゲットしたアルバムでした。
AORの隆盛を極めていた頃ですが、元々ハードロックが好きだった私は、AORもTOTOやAIRPLAYといったロマンティック・ハードネス路線が好きでしたので、このジャケットを見てAORとは判断しませんでしたが、それでもかなり期待出来るジャケットでした。
もちろん、Stan Bushというアーティストは全く知りませんでした。
早速、家に帰りターンテーブルを回し、聴こえてきた1曲目の"It's Hot"でノックアオウトさせられました。とにかく「カッコ良い!」、その一言でした。メロディ最高、ギター最高、ヴォーカル最高、さらにポップで適当にハードで、もういう事ありませんでした。Stan Bushの曲の中でも1,2位を争うナンバーですね。もちろんもう一つのナンバーは、2ndに収められている"Love Don't Lie"です。
2曲目の"Fire In My Heart"もメロディがいかしたハードポップ・ナンバーです。このナンバーでも力強いStan Bushのヴォーカルが最高です。
3曲目の"Can't Live Without Love"はピアノの音から入るメロディアスなパワーバラードのナンバーです。覚えやすいメロディのポップなナンバーで、さすがStan Bushは最高のメロディ・メーカーだと思います。また、彼のギター・ソロもまた最高にカッコ良いです。
4曲目の"Don't Accuse Her"はStan Bushのドライヴィングしたギターがカッコ良い幾分ハードなナンバーです。
5曲目の"Love Has Taken Me Away"は高音に伸びるStan Bushのヴォーカルが素敵な産業ロックしたナンバーです。曲の出来もかなりのものです。
6曲目の"All American Boy"は唯一Stan Bush以外の作者によるナンバーです。この」ナンバーは、AORファンに有名なVan Stephensonのペンによるナンバーです。ポップで適度にハード、バックの演奏がカッコ良く、特にサックスの音が良いですね。
7曲目の"Say The Word"もはつらつとしたロック・ナンバーで、曲もポップです。
8曲目の"Time Isn't Changing You"も美しいピアノの音から入るバラード・ナンバーです。バラード・ナンバーといえば、"Love Don't Lie"ですが、これを彷彿させる出来で、とても盛り上がるナンバーです。途中のStan Bushのギター・ソロは涙モノです。
9曲目の"Round And Round"はカッコ良いロックンロール・ナンバーです。
ラストナンバーの10曲目"Keep Your Love Alive"はピアノとシンセの音が最高の産業ロックしたナンバーです。
Stan Bushはこのアルバムで全てのギターを担当しておりますが、彼のプレイは最高にカッコ良いです。
そのほか、このアルバムには、Mike Baird、Alan Pasqua、Dennis Belfield、Leland Sklar、Gary MallaberなどAORのアルバムでも良く耳にするミュージシャンが参加しておりますし、プロデュースは産業ロックのアルバムを結構担当しているKevin Beamishといったラインナップとなっております。
1999年にREWIND RecordsからCD化されたこのアルバムですが、既に廃盤となっており、通常ルートではなかなか手に入りませんが、LA RecordsからCD-Rですが手に入れることが出来ますので、まだ、耳にしていないメロディアスロック・ファンは、このサイトから手に入れてみては?
2007-03-17
Robert Palmer / Secrets (1979)

発表された時期が70年代末ということもあり、AORにも通ずる内容となっております。
その後、1985年の"Riptide"に収められた"Addicted To Love"が大ヒットいたしましたが、私としては、この"Secrets"と前作の"Double Fun"辺りのRobert Palmerが大好きです。
特にこれら2枚のアルバムはAORアルバムとしても秀逸で、楽曲の出来も素晴らしいと思います。
この"Secrets"は最高にいかしたアルバムで、もう1曲目の"Bad Case Of Lovin' You (Doctor, Doctor)"はカッコ良いポップロック・ナンバーに仕上がっております。シングル・カットされただけあるナンバーで親しみやすいメロディを持ったナンバーです。Robert Palmerのヴォーカルも最高ですが、バックのギター・ソロも最高にカッコ良いです。
2曲目の"Too Good To Be True"はRobertのソウルフルなヴォーカルをいかしたミディアム・スローもファンク・ナンバーです。バックの演奏もかなり良いです。
3曲目の"Can We Still Be Friends"はもちろんあのTodd Rundgrenの名曲のカヴァーです。このナンバーは色々なアーティストにカヴァーされておりますが、AORファンで有名なところでは、Wilson Brothersのカヴァーが有名です。このRobertのカヴァーもオリジナルを壊すことなく、いかしたアレンジで、まるでRobertのオリジナル・ナンバーみたいな出来となっております。
4曲目の"In Walks Love Again"はRobertのオリジナルですが、このナンバーもミディアム・テンポのファンキーな出来となっております。ヴォーカル・スタイルがブルーアイド・ソウルと言われる所以は、こういったナンバーからだと思いますね。
5曲目の"Mean Ol' World"はFREEのAndy Fraser作のナンバーで、AORしたアレンジが最高のナンバーとなっております。1曲目と同じくらいかそれ以上の出来となっております。メロディ最高、ヴォーカル最高のナンバーとなっております。
6曲目の"Love Stop"は結構ロックしたナンバーに仕上がっています。ソウルフルなRobertのヴォーカルが堪りません。
7曲目の"Jealous"もロックしたナンバーです。リズム主体のナンバーで、バックの演奏がカッコ良いです。
8曲目の"Under Suspicion"はブルージーな感じのナンバーで、このナンバーでもRobertのヴォーカルがいかしていますが、それ以上にバックのギターの音が最高です。
9曲目の"Woman You're Wonderful"もバックの演奏は結構ハードですが、この音がとてもカッコ良く聴こえます。
10曲目の"What's It Take?"はレゲエっぽい面白いリズムを持ったナンバーです。
ラスト・ナンバーの11曲目"Remember To Remember"は,ギターのカッティングがとても良い響きのナンバーです。どことなくThe Beatlesっぽいナンバーです。
こんな最高のヴォーカルを聴かせてくれたRobert Palmerも既に他界しており、とても残念です。
ところで、このRobert Palmerの全てのアルバムを一度は全て集めましたが、その後、中古屋さんに売ってしまったため、今では後悔しております。
彼の1976年の3rdアルバム"Some People Can Do What They Like"だけが、廃盤となっているようで手に入れることが出来ません。
いろいろ中古屋さんを回ってはいるのですが。
2007-03-12
Boston / Third Stage (1986)

こんなショッキングなニュースが飛び込んできた。
死因は現在のところ不明であるが,自宅で一人だったようで事件性は無いとのこと
享年55歳ということですので、若すぎる死だったと思います。
私は以前から,Brad Delpこそロック界最高のヴォーカリストであると言い続けておりましたが,今回のことで永久に彼の声を聴けなくなるということは,非常に残念で仕方がない。
2002年の”Corporate America”やBarry Goudreauとのアルバムを聴くと声量は衰えたとは言え,透きとおったエモーショナルなヴォーカルは健在で,聴く者に感動を与えてくれており,BOSTONのライヴ活動にも欠かすことの出来ない存在でした。
BOSTONの中心人物はもちろんTom Scholzですが,Brad Delpのヴォーカルがあってこそ,BOSTONというバンドが成り立っていたはずです。
ヒット・ナンバーの”More Than A Feeling”,”Amanda”は彼のヴォーカルがあったからヒットしたナンバーだと思います。
また,私がロック界において,THE BEATLESの数々の名曲をを差し置いて,最も大好きなナンバーと言わしめた”A Man I’ll Never Be”はBrad Delpの声が曲と非常にマッチしており,メロディ,演奏などが最高のバラード・ナンバーでした。
世の中,ジャンルを問わず最も好きなナンバーを1曲選べ,と言われたら迷わずこの”A Man I’ll Never Be”を選びます。
このナンバーが私の音楽人生に与えた影響は計り知れません。
既に,30年近く聴いているナンバーにも拘わらず,毎回聴く毎に新鮮で全く飽きるということがありません。
もうこれはスゴイことだと思います。
そんなBrad Delpのヴォーカルをもう聴くことが出来ないなんて信じられません。というより信じたくありません。
BOSTONのオフィシャル・ページでは,「ロック界で最高の男を失った」とコメントしているそうですが,正確には「ロック界で最高のヴォーカリストを失った」ということだと思います。
BOSTONのアルバムもRTZのアルバムも全て私のホームページで紹介済ですが、本日は、1986年の彼等の3rdアルバム"Third Stage"を紹介いたします。
このアルバムに収められている"Amanda"は、全米No.1に輝いたナンバーでした。
この"Third Stage"では、Barry Goudreauは既にバンドを去っておりましたが、BOSTONサウンドそのものでした。
Brad Delpのヴォーカルは、このアルバムでも最高の出来で、9曲目の"Can'tcha Say / Still In Love"は"A Man I'll Never Be"を彷彿させるとても良く出来たパワーバラードのナンバーでした。
でも、もうこの透き通ったエモーショナルなヴォーカルを聴けないなんて、とても残念で仕方ありません。
2007-03-11
Raymond May / Unadulterated (1988)

エグゼクティヴ・プロデューサーとしてBruce Fairbairnの名前があります。
1曲目以外は結構骨太の音のハードポップ・アルバムとなっております。
Raymond Mayはカナダのアーティストで、カナダのハードロック・ハードポップはとてもメロディアスなものが多いですが、このアルバムもそこそこメロディも良い曲が入っています。
私が最も好きなナンバーは、もちろん、1曲目の"Romantic Guy"です。冒頭にも書いたとおりスローなブギ調のナンバーで、ギターのリフもメロディも堪らなくカッコ良く、もう言うことがありません。ギターを弾いているのは、Naoise Sheridanなる人物ですが、結構センス良いですね。
2曲目の"True Life"での出だしのギター・ソロはとてもカッコ良いです。曲もご機嫌なポップロック・ナンバーとなっております。
3曲目の"New Emotion"はバックの音がとても最高のロック・ナンバーとなっております。
5曲目の"True Pretender"はアコースティカルなナンバーです。バックのスライド・ギターの音がなかなかです。
6曲目の"Living In Exile"はご機嫌なロックンロール・ナンバーとなっております。
7曲目の"Turn Your Love Light On"は音に厚みがある少しハードめのナンバーとなっております。このナンバーでもギターの音はカッコ良いです。
9曲目の"Yellow Ribbons"はスローながらロックっぽい骨太さを持ったナンバーです。
ラスト・ナンバーの"Ride 'Em High"は再びアップ・テンポのナンバーですが、メロディがイマイチかも。
このアルバムも既に廃盤となっておりますが、中古市場ではかなり安く手に入ると思います。
AORではありませんが、Eddie Moneyとか結構ロックぽいソロ・アーティストの音が好きな方なら、気に入ると思いますよ。
2007-03-10
Louis XIV / The Best Little Secrets Are Kept (2005)

もちろん定価でCDを購入したわけではなく、市内の中古ショップで国内盤美品を390円という値段で手に入れたものです。
先ず、ジャケットに目を惹かれましたが、こういった感じのジャケットってパンク・ロックが結構多かったりします。
で、アルバムをCDプレーヤーに入れ、流れてきたサウンドはパンキッシュではありますが、バックのギターのリフがT.REXにも通ずるグラムな音で、これで390円は儲けものだった。
バンドの中心人物は、Jason Hillなる人物で、「03年のとある水曜日、自分がルイ14世だと思い込んでいる男をテーマにした映画のようなアルバムを作ろう」ということを思いついて、このアルバムを作ることを思いついたとか。
といって、そういったコンセプトなアルバムになっているとは思いませんが、バックの音は紛れもなくグラム・ロック(T.REXに通ずる)で、T.REXが大好きな私としては、結構、嵌ってしまいましたね。
とにかく、バックのギターのリフがご機嫌なんです。
3曲目の"Paper Doll"の出だしのギターのリフなんか最高にカッコ良いです。モロ、T.REX風です。
4曲目の"God Killed The Queen"はこれまたギターのリフがカッコ良いロックンロール・ナンバーとなっています。
5曲目の"A Letter To Dominique"なんかは曲の感じや音がそれこそT.REXしています。
6曲目の"Illegal Tender"でもバックのドラムス、ベース、ギターの音がカッコ良いナンバーとなっております。
9曲目の"All The Little Pieces"はマイナー調のメロディアスなバラード・ナンバーで、これがとても最高なんです。バックにヴァイオリンの美しい音があったりで、これがとても良い雰囲気を醸し出しております。
ほかのナンバーもパワーポップ風であったりグラム・ロック風であったりと、結構聴けます。
グラム・ロック、特にT.REXが好きな方には受け入れられるアルバムだと思いますね。
2007-03-04
Larry Hancock / Borderline (1988)

私は初めて耳にしたアーティストでしたが、コアなブラコン・ファンやAORファンの間では、激レア盤だったとか。
アルバム・タイトルは"Borderline"、歌っているのは、Larry Hancocckという黒人シンガーです。
このアルバムは発表当初はフランス国内のみの発売だったらしいですが、こうやって、日本でもCDとして日の目を見ることが出来て、良かったと思いますね。さすが、復刻王国ニッポンです。
それほど、内容はいかしていて、曲によってはソウルフルなブラコン・ナンバーも入っていますが、AORテイストがいっぱいのサウンドとなってなっております。
1曲目のタイトル・ナンバー"Borderline"からAORテイストいっぱいのナンバーです。先ず曲が良い、メロディが良い、ヴォーカル・スタイルが良い、そしてバックの演奏もカッコ良いといった、とてもオシャレなナンバーです。こんな良い曲なのに、何故発表当時は知らなかったのでしょうね。フランス・オンリーということもあったのでしょうが。
2曲目の"Time Out For Love"はAlphieという」女性とのデュエット・ナンバーで、メロディアスなバラード・ナンバーです。盛り上がりのあるナンバーです。また、バックのキーボードはDan Siegelが担当しております。
3曲目の"Too Much"はノリの良いポップ・ナンバーです。メロディも良いですし、とても聴き易いナンバーとなっております。
4曲目の"After All This Time"はバックのキーボード・スタイルがDavid Fosterしたナンバーです。曲のアレンジもDavid Foster的です。とても最高のバラード・ナンバーで、これはまさにAORでしょう。
5曲目の"Sweat Hard Work"はダンサンブルなビートの効いたナンバーですが、曲の出来は良いと思いますね。Larryのヴォーカルもいかしてます。
6曲目の"Sweet Persuation"は前奏のサックス・ソロがいかしたミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、これもAORしております。
7曲目の"I Can Fly"もDavid Foster的なサウンドのメロディアスなバラード・ナンバーです。このアルバムをプロデュースしているのは、Dan SchneiderとYves Desscaという人物ですが、かなりDavid Fosterから学ぶ所が多かったのでしょうか?
8曲目の"Outside Looking In"では、Lisa Capitanelliという女性とのデュエット・ナンバーです。バラード・ナンバーではないですが、ミディアム・テンポのとてもいかしたポップ・ナンバーに仕上がっています。かなりいかしたナンバーです。
9曲目の"A Universal Language"もメロディとLarryのヴォーカルがいかしたパワー・バラードのナンバーです。
10曲目の"Celebrate Love"はドラムのビートが効いたファンキーなナンバーです。といってメロディがおろそかか、というと全くそんなことはなく、メロディも良く出来てます。
ラスト・ナンバーの11曲目"We Never Called It Love"はボーナス・トラックですが、驚くことなかれ、このナンバーはDavid Fosterのペンによるナンバーなんです。このアルバムのアレンジが驚くほど、Foster的ですが、やっぱり、極めつけはこのナンバーでしょうか。モロ、David Fosterがプロデュースしたかのような曲に仕上がっております。
とにかく、捨て曲無しの強力な1枚です。
AORファンは是非聴くべきですね。
2007-03-03
Richie Kotzen / 「哀 戦士 ZxR」 (2006)

この「哀 戦士 ZxR」は、Richie Kotzenが「機動戦士ガンダム」の英語版ムービーコレクションからインスパイアされて出来上がってアルバムです。
Richie Kotzen自身が「機動戦士ガンダム」の大ファンだそうです。
もちろん、このアルバムはジャパン・オンリーのアルバムです。
アルバムは、Richie Kotzenのヴォーカル・ギター、Billy Sheehanのベース、Franklin Vanderbittのドラムスという布陣となっております。
プロデュースは、Richie KotzenとRichie Zitoの2人が担当しており、かなり期待の出来そうです。
マンガの「機動戦士ガンダム」については、殆ど興味がありませんでしたので、どの曲が使用されたナンバーかは判りませんが、Richie Kotzenのオリジナル・ナンバーもイメージ・ソングとして収められております。
もう1曲目の"Blue Star"の出だしのギター・ソロはもう堪りません。このナンバーはNeil Sedakaの作曲によるナンバーですが、とてもメロディアスなナンバーです。このナンバーは最高にいかしてます。
2曲目の"Take Flight Gundam"は「翔べ!ガンダム」という日本語タイトルが付いておりますが、曲自体ははっきりいって、あまり良いとは思いませんが、Richieのギターは最高です。
3曲目の"Soldiers Of Sorrow"はこのアルバムのタイトル・ナンバーで、Richieがこの曲のオリジナルを聴いて、気に入ったようで、このアルバムを企画したきっかけのナンバーです。ポップかつメロディアスなナンバーです。
4曲目の"Alone Against The Wind"はメロディアスなバラード・ナンバーで、Richieのアコースティック・ギターと切なく歌うヴォーカルが最高です。
5曲目の"Metamorphoze"はかなりハードなロック・ナンバーですが、結構メロディアスで聴き易いナンバーとなっております。もちろん、Richieのギターとヴォーカルは最高です。
6曲目の"The Way Forward"はRichieのオリジナル・ナンバーのインスト曲です。最高のテクニックですね。
7曲目の"Go Beyond The Time"もハードロック・ナンバーですが、かなりポップです。
8曲目の"The Winner"もハードですがかなりポップです。サビの部分が良いですね。
9曲目の"Because You Are Waiting"はRichieのギターが最高のハードロック・ナンバーです。
10曲目の"Encounter"はメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。これは結構聴き物です。Richieのギター・ソロは涙ものです。
11曲目の"Re-Encounter"はRichieのオリジナルで、10曲目にインスパイアされたナンバーですが、結構ハードなインスト・ナンバーとなっております。途中のギター・ソロはかなりジャズっぽく、Richieの音としてはとても珍しいです。
ラスト・ナンバーの12曲目"The Beginning"もRichieのオリジナルです。とてもポップなナンバーです。このナンバーの出来もかなり良いです。
Richieのオリジナル・アルバムとしても聴けます。
2007-03-01
Steve Winwood / Talking Back To The Night (1983)

初回限定生産ということで、HMV Japanのネットショップでは完売となっており、カタログから削除されたようです。
3月1日現在、Amazon Japanにはまだ載っていますが、そのうち、廃盤となる可能性が大きいと思います。
この4枚のうち、1stのセルフ・タイトルと今回紹介します3rdの"Talking Back To The Night"は長らく廃盤状態だったということもあり、中古CDはかなり高額の値段が付いておりました。
このボックス・セットが廃盤となれば、引き続き高額の状態が続くかも知れません。
特に今回のCD化は日本オンリーということですので、今後も品薄状態が続くと思います。
1stと3rdは、中古盤でも、このボックス・セットの価格ぐらいの値段が付いていますので、持っていらっしゃらない方は、絶対、買いでしょう。
それに今回の紙ジャケ化に合わせ、リマスターもされています。
私は、全て所有していましたが、リマスターされたということで、即ゲットでした。
私は、これら4枚の中では、1stが最も好きですが、すでに私のHPで紹介しておりますので、今回は3rdアルバムを紹介したいと思います。
この"Talking Back To The Night"は1983年に発表されたアルバムで、"Valerie (邦題「青空のヴァレリー」"と"Still In The Game"が小ヒットしました。
その後、"Valerie"はリミックスしたニュー・ヴァージョンが全米トップ10に入りました。
このアルバムは、2ndの"Arc Of A Diver"の延長線上にあるアルバムで、Steve Winwoodのブルーアイドしたソウルフルなヴォーカルはもちろん最高ですが、特に彼の奏でるMini Moogの音がそれ以上にいかしているのです。メロディもとっても良く、もう言うことのないアルバムだと思います。
音は本当に良くなっております。
大ヒットナンバーの1曲目"Valerie"は音に透明感があり、SteveのMoogソロは最高にカッコ良いです。高音に伸びるSteveのヴォーカルもいう事ないです。
3曲目の"And I Go"はミディアム・スロウの味わいのあるナンバーで、Steveのヴォーカルもかなりいかしてます。
5曲目の"Still In The Game"は2ndの"While You See A Chance"と煮たようなポップロック・ナンバーとなっております。
6曲目の"It Was Happiness"もミディアム・スロウのメロディアスなナンバーとなっております。
7曲目の"Help Me Angel"では、Steveのソウルフルなヴォーカルがいかしてます。
タイトル・ナンバーの8曲目"Talking Back To The Night"は洒落た演奏のナンバーで、曲の感じもいかしてます。
ラスト・ナンバーの9曲目"There's A River"はゴスペル風のスロウなナンバーで、荘厳な感じがするナンバーです。
アイランド・レーベルから出されたこれら4枚ですが、それ以降のSteveのアルバムよりかなり良く出来ていると私は思っております。
1stと3rdのためにこのボックス・セットを手に入れる価値はあります。