2007-05-31
Gary Moore / Close As You Get (2007)

2001の"Back To The Blues"以後、Garyは再び渋めブルース・ギターを聴かせてくれています。
途中2002年に"Scars"というオルタナティヴ的なハードロック・アルバムがありましたが、これが往年のGaryのハードロック・アルバムの足元にも及ばないような駄作でした。
しかしながら、これを除けば、かなり良く出来たブルース・アルバムをコンスタントに出しております。
その他、ベスト・アルバムがかなりの枚数が出ておりますが、これについては、まあ、許しましょう。
ただ、最近のブルース・アルバムについては、もちろん、内容も素晴らしく、軽く平均点は超えていますが、残念なのは、あの"Still Got The Blues"を超えるような中身のアルバムが無いのがちょっと残念ですね。
Garyのハードロック時代のベスト・アルバムは1982年の"Corridors Of Power"ですし、ブルース・アルバムは、もちろん、1990年の"Still Got The Blues"である、ということに異論を唱える方はまずいらっしゃらないと思います。
"Parisienne Walkways"、"Falling In Love With You"、"Empty Rooms"、"Still Got The Blues"など、バラード・ナンバーでのGaryのギターはとにかく泣いています。
このギターが、彼の持ち味だと思います(もちろん、ハードロック・タイプのナンバーでのGaryのギターも最高で、あの、Roy Buchananの"The Messiah Will Come Again"なんか涙モノですが)。
Eric Claptonのブルース・ナンバーも最高ですが、Gary MooreのブルースはEricとは全くアプローチの仕方が違います。でも、これがまた、最高なんです。
私は、現役のギタリストの中では、この二人を超えるギタリストはいないと思っております。
もちろん、技術面だけを捉えれば彼等に優るギタリストは沢山おります。
でも、ことロック界全体を考えれば、彼等がこの業界に与えた影響は計り知れないと思っております。
Jeff Beck、Jimmy Page、Jim Hendrix、Eddie Van Halenなど敬愛すべきギタリストは沢山おりますが、私にとって、この二人のギタリストは別格ですね。
この最新作でも、スロー・ブルースのナンバーでのギターは最高です。
ヴォーカルの衰えも微塵も感じさせません。
1曲目の"If The Devil Made Whisky"はGaryのオリジナルですが、とても力強く歌うGaryのヴォーカルとギター・ソロがカッコ良いナンバーです。
2曲目の"Trouble At Home"もGaryのオリジナルですが、こちらは得意のスロー・ブルースのナンバーです。"Still Got The Blues"にも通ずるナンバーで、Garyのむせび泣くようなギターが最高です。いやー、Garyのギアt?・ソロって何回聴いても良いですね。
3曲目の"Thirty Days"はChuck Berryのナンバーで、とてもご機嫌なロックンロール・ナンバーに仕上がっております。
4曲目の"Hard Times"はGaryのオリジナルで、ハーモニカの音がアクセントのブギー調のナンバーとなっております。
5曲目の"Have You Heard"はJohn Mayallのペンによるナンバーです。これも2曲目に負けないくらい良く出来たスロー・ブルースのナンバーです。オルガンとギターの絡みが最高です。
6曲目の"Eyesight To The Blind"はEric ClaptonがThe Whoのサントラ盤"Tommy"で演奏していたナンバーですが、こちらは、かなりアップテンポのアレンジとなっており、Ericのヴァージョンと聴き比べると面白いかも。まるで違う曲のように聴こえます。
7曲目の"Evenin'"は再びスローのブルース・ナンバーです。最高のバラード・ナンバーです。
8曲目の"Nowhere Fast"はGaryのオリジナルで、スロー・ブルースの体裁をとりながら、とてもポップな仕上がりだと思います。とても聴き易いナンバーだと思います。
9曲目の"Checkin' Up On My Baby"もハーモニカとGaryのギターが絡むファンキーなブルース・ナンバーとなっております。
10曲目の"I Had A Dream"もGaryのオリジナルで、これはとてもいかしたバラード・ナンバーに仕上がっております。どことなくSkeeter Davisの"The End Of The Woirld (邦題「この世の果てまで」)"に似ているような感じのナンバーだと思います。
ラスト・ナンバーの11曲目"Sundown"はGaryのドブロ・ギターが聴けるオールド・タイプのブルース・ナンバーとなっております。
何れにいたしましても、Gary Mooreのブルース・アルバムって最高ですね。
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2007-05-28
Roger Voudouris / On The Heels Of Love (1981)

この内、78年と79年のアルバムは、以前ワーナーからCD化されましたが(現在は、廃盤でプレミアとなっておりますが)、80年のアルバムは未CD化で、この4枚目に当たる81年の作品が2003年にCD化されました。
最初の2枚はMichael Omartianのプロデュースの下、2ndにはJay Graydonなどの名前もあり、アルバムに収められていたナンバー"Get Used To It"は全米21位を記録するヒットとなり、本国以外、この日本でも、彼の名前が一躍有名となりました。
私もこの2ndで彼の名前を知り、1stを改めて購入した一人でした(当時は、こういった人が多かったと思いますが)。
その時の感想として、1stはAORというよりシンガー・ソングライターといった趣の大人しめの音で物足りなさを感じておりましたし、2ndはそれこそヒットした"Get Used To It"のみといった感じもしました。
3rdに至っては、これがニューウェーヴっぽいアルバムでがっかりしたことを覚えております。
で、この4thを聴いた時は、これぞまさしくAORといった感じのアルバムで、彼の4枚の中では最も良く出来たアルバムだと思っておりました。そういう意味で、このアルバムのCD化は大変嬉しく思っておりました。
前の3作がワーナーで、この4枚目はボードウォークというマイナーなレーベル(それでもTIERRAを抱えておりましたの期待のレーベルでしたが)でしたのでCD化は無理かも、と思っておりましたので、喜びもひとしおでした。
1曲目のタイトル・ナンバー"Heels Of Love"は美しいストリングスをバックに、しっとりとしたメロディを持ったまさしくこれぞAORナンバーで、この曲の中でもベスト・ソングと呼べる曲だと思います。
2曲目の"When Two Divide"も美しいメロディのバラード・ソングで、1曲目の甲乙つけがたいナンバーです。これら2曲とも最高のナンバーです。
3曲目の"She's Too Cold"はバックのサックス(Tom Scottか?)がカッコ良いアーバンな感じのAORナンバーに仕上がっております。また、このアルバムでは、Richard Page、Steve George、Tom Kelly等がバッキング・ヴォーカルを務めていますが、このナンバーでのバッキングのコーラスワークは最高です。
4曲目の"First Love"は美しいピアノの音から入るバラード・ナンバーで、結構盛り上がりのある曲となっております。途中のエレクトリック・ギターの音は最高のアクセントとなっております。
5曲目の"Let Her Get Away"はこれまた洒落たシティ・ミュージックといった感じのAORナンバーとなっております。
6曲目の"Another Sad Love Song"はアコースティカルなサウンドのバラード・ナンバーで、バックのアコースティック・ギターとピアノの絡まるようなサウンドがとても優しさを感じさせてくれます。もちろん、メロディの良いですし、Rogerの抑え気味のヴォーカルも素晴らしいです。
7曲目の"I Can See Him (In Her Eyes)"もメロディアスなバラード・ナンバーです。このRoger Voudourisという人は、結構こういったバラード・ナンバーがしっくりくる人なんだな、と改めて納得しました。
ラスト・ナンバーの8曲目"Outgrowing Me"も美しいピアノとヴァイオリンの音から入るしっとりとしたバラード・ナンバーです。このナンバーも申し分ないです。
とにかく、このアルバム、捨て曲が1曲も無いのがスゴイ!です。
以前CD化されたアルバムは手の届かない価格が付いているようですが、内容的に見れば、今回紹介した"On The Heels Of Love"が最も良い出来だと思いますし、このアルバムはまだ定価で売っておりますので、もし、このアルバムを聴いたことのないAORファンが居られましたら是非聴いてみるべきですね。
2007-05-27
Freddie Jackson / Don't Let Love Slip Away (1988)

このFrddie Jacksonですが、アルバムをかなりの枚数出しておりますが、日本での評価はそれほどでもないようです。
私も彼のアルバムを5枚ほど持っていますが、全て500円以下で購入したものばかりです。
内容は、それこそTeddy PendergrassとかPeabo Bryson、Maarvin Gayeとかのいわゆるソウル・ミュージックです。
もちろん、古臭さは無く、アーバンな感じのブラック・コンテンポラリーです。
Amazonの中古市場を見てもかなり安価で売られていますので、彼のアルバムを聴いたことのない正統派ブラコンやAORファンが居られましたら、聴いてみることをお薦めします。
1曲目の"Nice 'N' Slow"はアーバンな感じのミディアム・テンポながらファンキーさを感じさせるナンバーとなっております。
2曲目の"Hey Lover"はミディアム・スローのバラード・ナンバーです。Freddieのヴォーカルがかなりいかしてます。
3曲目の"Don't Let Love Slip Away"はメロディアスなポップ性抜群のナンバーで、シングル・カット向けのナンバーです。ヴォーカル良し、メロディ良しの一押しのナンバーです。
4曲目の"Crazy (For Me)"はタイトルから想像できるとおりファンキーなナンバーです。こういったナンバーもFreddieの一面を現しているようです。
5曲目の"One Heart Too Many"のようなしっとりとしたバラード・ナンバーが最もFreddieに合っていると思います。メロディも最高のナンバーです。
6曲目の"If You Don't Know Me By Now"はディスコティークなポップ・ナンバーです。
7曲目の"You And I Got A Thang"は2曲目と同じようなミディアム・スローのバラード・タイプのナンバーです。バックの女性コーラスが雰囲気を醸し出しています。
8曲目の"Special Lady"は多分にAORっぽいナンバーで、曲全体の雰囲気がかなり良いと思います。
9曲目の"Yes, I Need You"はポップでメロディアスなナンバーです。
ラスト・ナンバーの10曲目"It's Gonna Take A Long, Long Time"はこれまたいかしたバラード・ナンバーで、アルバムの最後を飾るのに相応しいナンバーです。
悪い意味じゃなく、BGMとして聴くには待ってこいのアルバムです。
2007-05-26
Autumn / Arrival (1984)

バンド名はAUTUMNで、アルバム・タイトルは"ARRIVAL"というCDです。
このCDは新品でしたので、バーゲン価格ではなく、2500円ほどでした。
先ず、ジャケットの雰囲気が良く、裏ジャケを見るとギターを抱えている姿やベースやスティックを持っているメンバーがいたりします。
また、裏ジャケのクレジットを見ると、1984年の作品で、プロデューサーがCON FUNK SHUNのプロデュースを担当しているSkip Scarboroughとありましたので、私がいつも購入する値段から見てちょっと高かったですが、即購入を決意したアルバムでした。
もちろん、CON FUNK SHUNタイプのタイトなファンク・ミュージックを期待して購入したアルバムでしたが、これがビンゴでした。
1曲目の"Creepin' (Ah-Ah There You Go)"はタイトなギターのカッティングから入るご機嫌なファンク・ナンバーで、バックの演奏はもちろんカッコ良いですが、それと同じくらいヴォーカルが最高です。ジャケット写真には4人のメンバーが写っておりますが、この内の2人がヴォーカリスト、1人がギタリスト、残る1人がキーボーディストとなっております。裏ジャケにあと2人ベーシストとドラマーが写っております。で、2人のおりなすコーラスが最高なんですね。途中のギター・ソロなんかも素晴らしいです。
2曲目のタイトル・ナンバー"Arrival / Sure Sounds Shaky To Me"なんかもCON FUNK SHUNのタイトなファンク・ナンバーを聴いているようです。さすが、Skip Scarboroughのプロデュースです。ファルセット・ヴォイスとコーラス、さらにタイトなリズムといかした演奏、もうこれはファンクです。
3曲目の"Living Free"もギターのカッティングが最高のファンク・ナンバーです。また、このナンバーでは、メンバーのシンセの音がいかしていて、曲にカッコ良さが溢れています。
4曲目の"Can't Stop Lovin' You"はタイトルから想像出来るようなミディアムスローのバラード・ナンバーです。CON FUNK SHUNのバラード・ナンバーは"By Your Side"とか"California 1"などで定評がありますが、このAUTUMNのバラード・ナンバーもCON FUNK SHUNに負けておりません。メロディアスかつメロウです。このナンバーでもメンバーのギター・ソロは最高です。このAUTUMNですが、演奏力はかなりハイ・レベルです。
5曲目の"Culture Shock"は再びタイトなリズムのご機嫌なファンク・ナンバーです。この曲でもバックのギター・ソロは最高です。
6曲目の"In Time"はミディアム・テンポのアーバンな感じがするバラード・タイプのナンバーです。バックのチョッパー・ベースの音が当時の音を感じさせてくれて、雰囲気満点です。
7曲目の"Computer Touch"はタイトルどおりシンセの音を多用したデジタル処理されたサウンドとなっておりますが、バックのベースとドラムのリズムが最高にタイトで、曲全体に締まりがあります。
8曲目の"Hopscotch"は再びCON FUNK SHUNに通ずるファンキーなナンバーです。コーラス・ラインとメロディがいかしています。
ラスト・ナンバーの9曲目"Come Walk My Way"は、再びバラード・ナンバーで、メロディアス度では、4曲目以上かも。以前、私のHPでThe Bar-Kaysのアルバムを紹介しましたが、その時にも書きましたが、ファンク・バンドのバラード・ナンバーって最高です。それはこのAUTUMNも同じで、メロディといい、ヴォーカル・スタイル、さらにバックの演奏など申し分ありません。
このAUTUMNですが、既に廃盤のようで、AmazonやHMVのカタログに載っておりません。
そういう意味では、買得のアルバムだったと思いますね。
2007-05-19
The Stylistics / The Stylistics (1991)

このアルバムは、1991年にビクター音楽産業から出されたJapanオンリーのアルバムだと思いますが、選曲は素晴らしいです。
The Stylisticsのヒット・ナンバーがほぼ全曲収められております。
全18曲でThe Stylisticsの魅力がほとばしった内容となっております。
彼らの魅力は何といっても、あのファルセット・ヴォイスとコーラス・ワークです。
とにかく、聴いていてほれぼれします。
1曲目は、冒頭で紹介した"Can't Give You Anything (But My Love)"です。最初のトランペットの音とそれに続くディスコ調のストリングス、さらにファルセット・ヴォイス、そしてコーラス・ライン。メロディも最高で、もう云う事無しです。サビの部分なんか鳥肌が立つ、そういった感じのナンバーです。このナンバーが前出のCMで使われたこともあり、来日してコンサートも開催されたようですし、テレビの「スマスマ」にも出ておりました。これは名曲です。
2曲目の"Sixteen Bars 邦題「16小節の恋」"も彼らの大ヒット・ナンバーです。このナンバーも美しいストリングスとトランペットの音がとてもいかしたメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Only You (And You Alone)"はThe Plattersがオリジナルのナンバーです。The Plattersのオリジナルの方が耳慣れているせいか良く感じますが、これはこれで、いかしたナンバーに仕上がっております。
4曲目の"You Are Beautiful"も彼らの大ヒット・ナンバーです。こちらは、ファルセット・ヴォイスと普通の声とのコラボレーションが楽しめるナンバーとなっております。どちらもとても上手で安心して聴いていられます。
5曲目の"Betcha By Golly, Wow"も最高にいかしたナンバーです。このナンバーを聴くと、後にディスコ・ナンバーで大ヒットを飾ったThe Bee Geesを思い出します。彼らのヴォーカルを聴くと、このThe Stylisticsに相当影響を受けていたのでは?と思います。
6曲目の"Rockin' Roll Baby"はタイトルどおりロックンロールを感じさせるナンバーとなっております。
7曲目の"Disco Baby"も大ヒットしたナンバーです。それこそ60年代のディスコを思い浮かべられるナンバーです。「ダンス!ダンス!ダンス!、ディスコ・ベイビー?」というフレーズが最高です。
8曲目の"Love Is The Answer"も彼らの代表的なナンバーです。1曲目に似たタイプのナンバーで、とにかく、コーラス・ラインとメロディがいかしてます。云う事ありません。
9曲目の"Break Up To Make Up 邦題「涙の試練」"も最高のメロディアスなバラード・ナンバーです。コーラスも美しいです。
10曲目の"Wonder Woman"や11曲目の"Shame And Scandal In The Family"なんかは、まさにソウル・ミュージックはこうだ!といった、この時代を感じさせるナンバーです。
12曲目の"Funky Weekend"はタイトルどおりとてもファンキーなノリの良いナンバーです。バラードが多いThe Stylisticsですが、こういったノリの良いナンバーも彼らの魅力ですね。
13曲目の"From The Mountain"も彼らを代表するナンバーです。スローのバラード・ナンバーで、このナンバーも言葉はいらないですね。
14曲目の"You Make Me Feel Brand New 邦題「誓い」"は1曲目と甲乙つけがたい彼らの大ヒット・ナンバーです。ソウル・ミュージックの永遠のバラードとは、まさにこのナンバーだと思います。素晴らしい曲です。
15曲目の"You Are Everything"はDiana Ross & Marvine Gayeがカヴァーして大ヒットしたナンバーです。こちらは、オリジナルよりDiana & Marvineに軍配が上がると思います。曲自体の出来がとても良い、最高のナンバーです。
16曲目の"People Make The World Go Round 邦題「愛の世界」"と17曲目の"I'm Stone In Love With You 邦題「愛のとりこ」"もファルセット・ヴォイスがいかしたナンバーとなっております。
18曲目"Stop, Look, Listen (To Your Heart)"はこのアルバムのラストに相応しいメロディアスなバラード・ナンバーとなってpります。
それにしても、このベスト・アルバムは、これでもか、これでもか、というぐらいThe Stylisticsの魅力を前面に出しているアルバムで、彼らのベストとしては、ホント最強のアルバムだと思います。
2007-05-13
Lucy Woodward / While You Can (2003)

その間、紹介したアルバムは200枚強となりました。
1年365日ですから、かなりの日々をサボったことになりますが、仕事が忙しくてアップ出来ないこともありましたし、気分が乗らず全くサボった日もありました。
時には辛いと思うこともありましたが、無事、こうやって1年間を過ごすことが出来ました。
文章を考えることって、結構大変な作業だったりしますが、このブログを始めた意味が、自分で聴いたアルバムが良かったので、皆さんに聴いて欲しいといった単純な理由からでした。
また、多分に主観的なレビューですし、おこがましいのですが、購入のためのカタログとして利用していただけたらと思っておりました。
紹介しているアルバムも全てAORではありませんが、いろいろなジャンルからメロディアスなものを中心に紹介しているつもりです。
これからも、ガンガンと紹介していきますので、是非、このブログに立ち寄っていただければ幸いです。
以前から何度も申し上げておりますが、私の住んでいる札幌の中古市場は、例えば東京や大阪などに比べ、相当割安感があると思います。
特に貴重盤なんかは、市場が無いということもあり、かなり安く手に入ったりします。中古CDショップではなく、リサイクル・ショップでたまに見つけるものはかなり安いですね。
私は、最低週に一度は市内の中古ショップやリサイクル・ショップに出向いております。
昨日も、北大に近い中古ショップを覗きました。
ここは、99円や390円のコーナーがあり、昨日も99円のアルバムを40枚ほど購入しました。
今回紹介しますのは、その内の1枚です。
Lucy Woodwardの"While You Can"というアルバムです。もちろん、今まで見たことも聞いたこともないヴォーカリストでしたが、これがビンゴでした。
以前私のHPでも紹介しましたTrine Reinの時と同じようにかなり気に入りました。
マイナー調の曲が多く収められており、こういった音が大好きな私にもってこいのアルバムでした。
曲調がマイナーだけでなく、バックの音がかなりロックしているところなんて、もう最高です。
全てシングル・カット出来そうなナンバーばかりですが、その中でも、1曲目の"Dumb Girls"はシングル・カットされたナンバーらしく、メロディもバックのサウンドも申し分ありません。また、このLucy嬢は歌もかなり上手いときているし、言うことないですね。
3曲目の"Trust Me (you Don't Wanna See This)"の始まりのギターの音はかなりカッコ良いですし、この曲はほぼパワーポップしたメロディアスなナンバーで、かなり気に入りました。
4曲目の"Is This Hollywood"もバックの音が幾分ハードなパワーポップ・ナンバーですし、
5曲目の"Trouble With Me"はメロディがいかしたロック・ナンバーで、とてもご機嫌です。
6曲目の"What's Good For Me"はアコースティカルなパワーのあるバラード・ナンバーで、メロディもいかしていて最高です。
7曲目の"Standing"はメロディアスなバラード・ナンバーで、Lucyのヴォーカルがとっても良いです。
9曲目の"Always Something"もパワーポップのバラードといったナンバーです。
10曲目の"Gettin' It On"はとてもカッコ良いロックンロール・ナンバーです。メロディもいかしてます。
11曲目の"Done"はミディアム・テンポのナンバーですが、メロディが最高です。
12曲目の"More To Life"はとてもポップなナンバーです。
このアルバムの良いところは、メロディアスなことはもちろんですが、ポップだけどしっかりとロックしているところでしょうか。
また、捨て曲もありませんし、ありきたりな女性ヴォーカルのポップ・アルバムではありません。
少なくともパワーポップ・ファンからは受け入れられるアルバムだと思いますね。
99円で売っていなければ、私もずっと知らなかったと思います。
こうやって、安くCDが手に入るということは最高です。
2007-05-12
Quincy Jones / The Dude (1981)

大島渚監督の映画「愛のコリーダ」のタイトル・ソングとして使われた"Ai No Corrida"がこの日本でも大ブレークして、一躍スターダムに。
元々ジャズ畑の人ですが、このアルバムはどちらかというとブラコンのアルバムに近いですね。
アルバムには、Steve Lukather、David Foster、Earnie WattsなどのLAのミュージシャンが脇を固め、曲によっては、Patti Austin、James Ingramなどがリード・ヴォーカルを披露しております。
1曲目の"Ai No Corrida"は冒頭にも書いたとおり映画「愛のコリーダ」に使用されたナンバーです。オリジナルは、Chas Jankelというギタリストの作品で、同時期に彼のリーダー・アルバムにも収められていたナンバーです。最近といっても1年ほど前にCD化されましたが、そのうち手に入れようと思っておりますが、在庫があるかどうか。このナンバーは皆さんも充分ご存知のナンバーだと思います。
2曲目の"The Dude"はこのアルバムのタイトル・ナンバーで、Rod TempertonとPatti Austinとの共作のナンバーで、ヴォーカルはJames Ingramが担当したGroovyなナンバーです。
3曲目の"Just Once"はBarry MannとCynthia Weillの共作のメロディアスなバラード・ナンバーです。James Ingramがソウルフルなヴォーカルを披露しております。とても素敵なナンバーです。
4曲目の"Betcha' Wouldn't Hurt Me"はStevie Wonderのペンによるナンバーで、ヴォーカルはPatti Austinが、また、Stevie自身がシンセで参加しております。メロディアスな若干ファンキーさを感じさせるナンバーです。曲の出来も良いです。
5曲目の"Somethin' Special"は再びRod Tempertonのペンによるナンバーです。都会的なソフト&メロウなナンバーで、ヴォーカルはPatti Austinが担当しております。
6曲目の"Razzamatazz"もRod Tempertonのペンによるナンバーですが、これは前曲と一転してファンキーなビートに乗ったナンバーです。このナンバーでも、ヴォーカルはPatti Austinです。ヒット性抜群で、かなりポップです。
7曲目の"One Hundred Ways"は再びJames Ingramのヴォーカルによるメロディアスなバラード・ナンバーです。James Ingramは彼のソロ・アルバムでも、歌の上手さは実証されていますが、しっとりした感じで歌うこのナンバーも素晴らしいです。
8曲目の"Velas"はブラジル人のシンガー・ソングライターIvan Linsaが書いたナンバーですが、このQuincyヴァージョンでは、ハーモニカと口笛がとても良い雰囲気を醸し出しております。
ラスト・ナンバーの9曲目"Turn On The Action"は再度Rod Tempertonのペンによるナンバーで、軽快なメロディに乗って歌うPatti Austinのヴォーカルがいかしてます。
久し振りに聴いてみましたが、さすが売れたアルバムだと思いますね。
2007-05-10
Lush Life / Let Somebody Love You (1996)

メンバーは、サウンド・プロダクション(Keys, Programming, Trumpet)を担当するJames McMillanとヴォーカリストのSarah Brownの2人組みとなっております。
このアルバムがデビュー・アルバムとなっておりますが、全体的にスムースでソフィスティケイトされた洒落たサウンドで、最近のヘヴィ・ローティのアルバムです。
先日、Roberta Flackのアルバムでも紹介しました"Where Is The Love?"のカヴァーがデビュー・シングルとしてヒットとなり話題を集めたようです。
アレンジもJames McMillanが担当しており、彼の音作りも良いですし、トランペットがかなり良い雰囲気を醸し出しております。
1曲目の"Intro"はこのアルバムの良さを期待させるとてもジャジーなものとなっております。このアルバムの紹介、といったところでしょうか。
2曲目の"Let Your Feelings Show"はとてもダンサンブルなナンバーですが、Sadeを連想させるSarah Brownのヴォーカルがいかされたナンバーです。
3曲目の"Never Give Up On Love"はメロディ最高のバラード・ナンバーで、一押しです。曲の作りがとても良いですし、Sarahのヴォーカルが申し分ないですね。このナンバーは彼等のオリジナルですが、とても良いできだと思いますね。
4曲目の"Harmony"は、それこそSadeが歌いそうなナンバーです。このSarahのヴォーカルにも艶があります。また、Jamesのトランペットの音もご機嫌です。
タイトル・ナンバーの5曲目"Let Somebody Love You"はKeni Burksのカヴァーですが、都会的な洒落た軽めのファンクといったナンバーで、こういったナンバーに私は弱いですね。素晴らしいです。
6曲目の"Look No Further"はスローなバラード・ナンバーで、これぞジャズ・ヴォーカルといった趣の曲です。真夜中に合いそうなナンバーです。
7曲目の"Spread The Word"はMark Anthoniという男性ヴォーカルとのデュエット・ナンバーで、雰囲気満点のナンバーです。
8曲目の"Somebody To Love"もSarahのヴォーカルがとても気持ち良いナンバーです。
9曲目の"Where Is The Love?"は冒頭でも紹介しましたが、Roberta FlackとDonny Hathawayのデュエットでヒットしたナンバーのカヴァーです。このナンバーでもデュエットの相手はMark Anthoniですが、オリジナルな素晴らしいナンバーですし、こちらのアレンジもそれほど違わないので、とても良い曲に仕上がっております。このナンバーも聴きものです。
10曲目の"Let Your Feelings Show"は2曲目の、11曲目の"Never Give Up On Love"は3曲目のそれぞれオリジナル・ミックスとなっております。
12曲目の"Betcha By Golly Wow"がまた雰囲気満点のメロディアスなナンバーです。このナンバーはThe Stylesticsのカヴァーですが、選曲も素晴らしいですね。
そして、このアルバムは12曲目の"Outro"で幕を閉めることとなりますが、これがまたギターの音が最高のジャジーなナンバーなんです。
このLush Lifeの"Let Somebody Love You"ですが、サウンド・プロダクションを担当するJames McMillanのセンスとSarah Brownの卓越したヴォーカルにより出来上がった、最上のアルバムだと思います。
また、このアルバムは市内の中古ショップで390円で仕入れたものですが、もしこの値段でなければ、決して聴いていなかったですね。
このアルバムは、まさにビンゴ!でした。
2007-05-09
Surface / 2nd Wave (1988)

特に、バラード系が多いですね。
大体、バラード系のブラコンでは、ソロでもグループでも歌が下手な人はいません。
どちらかというと上手な人ばかりです。
また、とてもメロウかつスィートなナンバーが多く、安心して聴いていられます。
でも、最近のブラコンはラップやアカペラ調が多く、あまり馴染めません。
ということで、やはり70年代、80年代のブラコンが必然的に多くなります。
ディープなソウルからメロウで軽めのものさらにファンクなど好きですね。
以前紹介したTeddy Pendergrass、Peabo Bryson、Ray Parker,Jr.、Richard "Dimples" Fields、Bar-Kays、さらにはMarvin Gaye、The Manhattans、The Whispers、Con Funk Shun、Brickなど好きなアーティストを挙げればキリがありません。
今回紹介しますSurfaceもとても気に入っているグループです。
The WhispersとかThe Manhattansなどに通ずる正統派のソウル・グループです。
彼等に共通するのが、バラード・ナンバーが最高だということです。
さらに付け加えますと、コーラス・ワークが素晴らしいということです。
このSurfaceの1988年の2ndアルバム"2nd Wave"も最高のバラード・ナンバーやコーラス・ワークが美しいものがあったりで、ブラコン・ファンには堪らない内容になっております。
1曲目の"Shower Me With Your Love"はそれこそとても魅力的なバラード・ナンバーです。美しいフェンダーピアノの音から入るナンバーで、それに続くヴォーカルも最高のしっとりしたナンバーで、いう事無しです。
2曲目の"Closer Than Friends"もミディアム・スローのメロディアスなナンバーです。とても雰囲気のあるナンバーです。
3曲目の"Can We Spend Some Time"は、ささやく感じのヴォーカルから入るメロウなナンバーで、Ray Parker,Jr.やRichard "Dimples" Fieldsに通ずるナンバーです。甘めのヴォーカルには女性ファンに受けること間違いなし、ですね。
4曲目の"You Are My Everything"もSoft & Mellowのミディアム・スローのナンバーで、軽めに歌うヴォーカルが、とても都会的な感じがします。ヒット性抜群のかなり良く出来たナンバーだと思いますね。
5曲目の"I Missed"は一転して、ベースの音がビンビンのとてもファンキーなナンバーです。ご機嫌ナンバーで、こういった感じも良いですね。
6曲目の"Black Shade"も都会的なファンキーさを持ったナンバーです。バックの音がとてもご機嫌です。
7曲目の"Hold On To Love"はコーラス・ワークが美しいナンバーですが、タイプとしてはバラード・ナンバーですが、バックの音がちょっぴりファンキーです。また、このナンバーでは、フルートが効果的に使われています。
ラスト・ナンバーの8曲目"Where's That Girl"も結構ファンキーなナンバーです。
このアルバムですが、発売当時はアナログ・ディスクでしたので、A面がバラード・サイド、B面がファンキー・サイドという構成だったのでしょうね。
でも、SurfaceにはA面が似合うと思いますよ。
2007-05-06
Roberta Flack / The Best Of Roberta Flack (1981)

長い間私の愛聴盤となっております。
ベスト・アルバムということで、捨て曲も一切なし。
疲れた跡のほっとしたひと時に似合う、そんな1枚です。
1曲目の"Killing Me Softly With His Song"は邦題は「やさしく歌って」で、誰もが一度は耳にしたナンバーです。そう、あのTVのCM(ネスカフェ)で御馴染みの曲ですが、おそらく万人がほんわかした気持ちとなるであろうナンバーです。このナンバーを悪く言う人はまずいないと思います。
2曲目の"The Closer I Get To You"は1978年の全米2位のナンバーです。美しいメロディのバラード・ナンバーでRobertaのヴォーカルも聴きものです。
3曲目の"You've Got A Friend"はCarole Kingのペンによるナンバーで、James Taylorの大ヒット曲のカヴァーです。このナンバーはほかにCarloe KingとJames Taylorのヴァージョンを聴きましたが、やはりJames Taylorのヴァージョンがしっくり来るみたいです。
4曲目の"Feel Like Makin' Love"は邦題を「愛のためいき」といい、全米1位にランクされたナンバーです。これまた、1曲目と同じくらい良く出来たメロディアスなナンバーでいうことありません。
5曲目の"Will You Still Love Me Tomorrow"はCarole KingとGerry Goffinのペンによるナンバーで、皆さんも良くご存知のナンバーです。オリジナルより相当テンポを落とし、美しいバラード・ナンバーに仕上げてます。
6曲目の"Where Is The Love"はDonny Hathawayとのデュエット・ナンバーで、全米1位のミリオン・セラーのナンバーです。最高にいかしたナンバーです。
7曲目の"The first Time Ever I Saw Your Face"は美しいバラード・ナンバーで、Roberta Flackの真骨頂ともいうべきナンバーだと思いますね。
8曲目の"Back Together Again"はこのアルバムの中でもかなりソウルフルなナンバーとなっております。こういったタイプの曲でもRobertaのヴォーカルはいかしてます。
9曲目の"You Are My Heaven"はStevie Wonderのペンによるナンバーです。これも少しばかりファンキーな歌い方が良い感じです。
10曲目の"If Ever I See You Again"は再びバラード・ナンバーで、高音に伸びるRobertaのヴォーカルが最高です。
ラスト・ナンバーの11曲目"Jesse"はRobertaの美しいピアノの音から入るナンバーです。メロディも良いですし、これぞRoberta Flackといった感じの曲です。
このアルバムは本当に安心して聴けます。
2007-05-05
Alex Acuna & Unknowns / Thinking Of You (1990)

このアルバムは、昨日市内のGEO(このショップは何度もこのブログで紹介しておりますが)で、290円で仕入れたものですが、先ずAlex Acuneのリーダー作が出ていたということを知らなかったことと値段が格安だったということですね。
このアルバムは、Alex AcunaがCoinoiaを脱退後、初めて結成した彼自身のバンドUnknownsのデビュー作です。
もちろん、内容はラテン・フュージョンとなっており、かなりご機嫌な仕上がりとなっております。
ゲスト・ミュージシャンには、Carlos Santana、Brandon Fields、Abe Laboriel、Lou Pardini、Paulinho Da Costa、Luis Conteなどが参加しております。
1曲目の"Te Amo"はラテン・フレーバーいっぱいのナンバーで、バックの女性スキャットとフルートが色を添えています。モロ、夏向きのナンバーです。
2曲目の"Joe's Red Eye"はゆったりとしたカリプソ風のナンバーです。このナンバーでもFluteやWoodwind snytheの音がとても魅力的な音を出しております。
3曲目の"Marionetts"はおそらくBrandon Fielsのサックスだと思いますが、これがちょっとせつなそうな感じが堪らないバラード・ナンバーとなっております。これは聴きものです。
4曲目の"Hoppin' It"は一転してベースの音がビンビンのナンバーです。ベースを弾いているのはメンバーのJohn Penaです。このナンバーでもBrandon Fieldsのサックスが聴けますが、ベース同様かなりファンキーです。
5曲目の"Nice"はサックスをメインに置いたご機嫌なFusion Musicとなっております。途中のギター・ソロはおそらくCarlos Santanaだと思いますが、かなり弾き捲くっています。まるで、Santanaのアルバムを聴いているような錯覚を覚えます。
6曲目の"Cocho San"もゆったりと流れるようなナンバーで、太陽と海のコントラストを思い浮かべることが出来そうな軽やかさがあります。
7曲目の"Van Nuys Jam"はパーカッションによるジャム・セッションのナンバーです。おそらく、Paulinho Da Costaも参加していると思いますが、まさに競演といった感じです。
8曲目の"Thinking Of You"は唯一のヴォーカル入りナンバーです。リード・ヴォーカルはDiana Acunaとありますので、Alexの奥さんか誰かだと思います(ジャケット写真の女性はモデルさんのようです。メロディアスなバラード調のナンバーです。
9曲目の"Psalms"のクレジットには、Lou Pardiniとありますので、ここでキーボードとスキャットを疲労しているのは、Lou本人だと思います。また、バックの官能的なギターは、これはもうCarlos Santanaですね。メロディアスなナンバーですので、スキャットじゃなくちゃんとした詩が乗っかっていればもういう事がないのですが。AOR風のいかしたナンバーです。それにしてもCarlos Santanaのギターは最高です(ということは、5曲目のギターはCarlos Santanaでは」ないのか?曲毎のクレジットがないのでわかりません)。
ラスト・ナンバーの10曲目"Ten O'Clock Groove"はタイトルどおりグルーヴ感満載のラテン・フュージョンのナンバーとなっております。1曲目とラストのこのナンバーでアルバムを構成するのって、かなり良いセンスですね。このバンドの特色を良く顕したナンバーだと思いますね。
290円は本当に得をしました。
2007-05-04
Peabo Bryson / Take No Prisoners (1985)

Peabo BrysonといえばRoberta Flackとのデュエット・ナンバー"Tonight, I Celebrate My Love (愛のセレブレーション)"が有名ですが、彼の持ち味は昨日紹介したTeddy Pendergrassのようなディープ・ソウルと正反対のアーバンな感じがするライトなヴォーカルでしょうか。
ヴォーカルにいわゆるブラック臭というものがなく、ジェントリーさが際立っているように思います。
ところがこの1985年に出された"Take No Prisoners"はファンキーな音を取り入れたアルバムで、それまでのイメージを変えた音となっております。
プロデューサーにArif MardinとTommy LiPumaを据え、バック・ミュージシャンには、Robbie Buchanan、Dann Huff、Steve Ferrone、Maercus Miller、Will Lee、Anthony Jackson、Michael Sembello、Tom Kelly、Tommy FunderburkなどAORファンにとって垂涎もののミュージシャンが参加しております。
ということで、このアルバムですが、ブラコンながらとてもAORした内容のアルバムに仕上がっていると思います。
1曲目のタイトル・ナンバー"Take No Prisoners (In The Game Of Love)"は、Robbie BuchananのキーボードとDann Huffのギターの音がカッコ良いナンバーで、Tom KellyやTommy Funderburkなどがバッキング・ヴォーカルで参加しているAORの雰囲気が満点のナンバーとなっております。
2曲目の"There's Nothin' Out There"はChaka Kahnがバッキング・ヴォーカルに参加しているファンキーなナンバーとなっております。バックのRobbie Buchananのキーボードとシンセの音が最高です。
3曲目の"Let's Apologize"はBilly SteinbergとTom Kellyのi-TENのペンによるナンバーということに先ず驚きました。バッキング・ヴォーカルにはTom Kelly自身も参加しており、これについては、i-TENで聴きたかったですね。でも、このPeaboのヴァージョンも良いですよ。
4曲目の"Irresistible (Never Run Away From Love)"では、作曲者のPhilippe Saisseがキーボードを担当しております。かなりファンキーなナンバーですが、しかしそれもAOR的アプローチとでも言いましょうか。
5曲目の"Love Always Finds A Way"はPeaboお得意のバラード・ナンバーです。作曲はTom Snow、作詞はCynthia Weilということですから悪いわけがありません。情感たっぷりに歌うあげるPeaboのヴォーカルは最高です。これはまさにAORでしょう。
6曲目の"Falling For You"は出だしのサックス・ソロが堪らないミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、紛れもないAORです。
7曲目の"I'm In Love"は出だしのRobbie BuchananのRhodes PianoがDavid Foster風のナンバーで、まるでDavid Fosterがプロデュースしたような壮大なバラード・ナンバーとなっております。メロディの最高ですので、聴き応えがあります。
8曲目の"When You Talk To Me"もとてもAORしたメロディアスなナンバーで、Michael Sembelloがバッキング・ヴォーカルで参加しております。
ラスト・ナンバーの9曲目"She's Over Me"はBarry MannとCynthia Weilのペンによるナンバーで、美しいRobbie Buchananのピアノから入るバラード・ナンバーです。バックのDann Huffの情感たっぷりのギターの音も言うことありません。
このPeabo Brysonは本当にバラード・ナンバーを歌わしたら天下一品ですね。
このアルバムはとても良く出来たAORアルバムだと思います。
2007-05-03
Teddy Pendergrass / TP (1979)

このTeddy Pendergrassは元Harold Melvin & The Blue Notesのリードシンガーでしたが、ソロ活動でブレイクしたヴォーカリストです。
歌はもちろん上手ですが、ヴォーカルに艶というか雰囲気があります。
特にバラード・ナンバーを歌わしたら一級品です。
このTeddyを一躍有名にしたナンバーもバラード・ナンバーでこのアルバムに収められています。
それが、7曲目に収められている"Love TKO"ですが、私もこのナンバーを当時聴いた時は、完全にノックアウトさせられました。
とにかく最高のソウル・シンガーです。
1曲目の"Is It Still Good To Ya"はディープなTeddyのヴォーカルがいかしたスロー・ナンバーです。バックの女性ヴォーカルが良いアクセントになっております。
2曲目の"Take Me In Your Arms Tonight"はテンポの良いファンキーなナンバーです。バックのストリングスや演奏がモロディスコしたナンバーです。当時の雰囲気が満点のナンバーです。
3曲目の"I Just Called To Say"はミディアム・テンポのメロディアスなソウル・ナンバーです。少しハスキーなTeddyのヴォーカルがいかしたナンバーです。
4曲目の"Can't We Try"はメロディアスな最高にいかしたバラード・ナンバーです。こんなタイプのナンバーはTeddyの真骨頂といったところでしょうか。セクシーな雰囲気たっぷりのTeddyのヴォーカルには脱帽ですね。それにしても、この曲は"Love TKO"にも優るとも劣らないナンバーです。
5曲目の"Feel The Fire"も最高のバラード・ナンバーです。当時のアナログ盤もありませんし、私が持っているCDはリ・イッシューされたもので、詳しいクレジットが載っておりませんので誰かわかりませんが、このナンバーは、女性とのデュエット・ナンバーですが、こんなナンバーを彼女と2人きりの夜に聴けば盛り上がること間違いなし、のナンバーです。
6曲目の"Girl You Know"はバックの演奏がノリの良いファンキーなナンバーです。
7曲目の"Love TKO"はTeddyの代表的なナンバーです。私も含めてですが、このナンバーを聴いてTeddy Pendergrassというヴォーカリストを知ったという人が多くいらっしゃると思います。もう雰囲気最高のナンバーで、誰もがイチコロになること請け合います。
ラスト・ナンバーの8曲目"Let Me Love You"はバックのエレクトリック・ギターが最高のナンバーです。このギターの音といい、ベースの音、さらにはキーボードが一体化したバックの演奏が最高です。また、力強く歌うTeddyのヴォーカルも魅力的です。他の曲と雰囲気が違いますが、これ、良いです。
2007-05-02
The Entertainers / The Entertainers (1983)

マイアミで思い出すのはBobby CaldwellやIsh LedsmaなどのTKレーベルのアーティスト達です。
いわゆるブルーアイド・ソウルしたサウンドですが、このThe Entertainersも雰囲気満点のバンドです。
軽快なディスコ調のメロディですが、間違いなくAORファンにも受けるサウンドだと思いますね。
また、このアルバムはその筋のマニアでは、アナログ盤が5桁を超える超レア盤だったとか。
もちろん、私は、今回のCD化で初めて耳にしたバンドでしたが、B級バンドながら捨て曲もなく、さらに洒落たサウンドが堪らなく好きになりました。
1曲目の"Hot On A Thang"はノリの良いファンキーなナンバーで、直ぐにでも耳に馴染む曲となっております。
2曲目の"Pour Your Little Heart Out"は当時の息吹を感じさせるディスコ・ナンバーで、とてもポップなメロディアスな曲です。
3曲目の"In This Moment"はかなり良く出来たナンバーで、このアルバムの一押しかも。これはモロAORしたナンバーで、メロディもいかしてます。
4曲目の"It's Not What You Got"もファンキーなご機嫌なナンバーとなっております。
5曲目の"I'm Leavin'"はミディアム・スローのとてもソウルしたナンバーです。
6曲目の"I'm In Love With You"は、2曲目と同様にストリングスとホン・セクションが当時の息吹を感じさせる音作りとなっております。
7曲目の"I Won't Cry Anymore"はTurley Richardsのペンによるナンバーです。
8曲目の"Kidnapper"はちょっと物騒なタイトルですが、曲の感じは、そんなことを感じさせない明るい感じのナンバーです。
9曲目の"What Are We Gonna Do"は再び、Turaley Richardsのペンによるナンバーで、かなりAOR調のナンバーです。
ラスト・ナンバーの10曲目"Livin' For The Summer"はマイアミの青い空と海を連想させるタイトルどおりのビーチ・ミュージックです。
このアルバムは世界初CD化ということですし、プレス枚数もそれ程ではないと思いますので、ディスコティークなAORがお好きな人は、買いだと思いますね。
いずれ、高値で取引されるアルバムになると思いますね。
2007-05-01
Earl Klugh / Finger Painting (1977)

ですから、Unplugged Liveなんかはイマイチという感じなんですね。
MTV主催のこの手のライヴ・アルバムも有名アーティストでかなり出ましたが、持っているのはEric Claptonぐらいなものです。
AORもハードポップもハードロックもElectric Guitarでのソロが入ったメロディアスなものが大好きなんですね。
アコースティック=フォーキー・つまらない、という図式が私の頭にあるのかも知れませんね。
AOR前夜のシンガー・ソングライター時代もアコースティック主体のアーティスト、例えば、James TaylorとかJackson Browneなどはあまり好んで聴いていませんでした。
ただし、これがFusion Musicとなると別で、といいながら、やっぱりElectric Guitarのアルバムが好きですが、今回紹介するEarl Klughの"Finger Painting"は発売当時良く聴いたアルバムでしたね。
Acoustic Guitarといってもナイロン弦による音は独特の深みと優しさがあって、結構気に入ってます。このアルバムは1977年に発表されたアルバムで、当時はCrossover Musicと呼ばれていた時代でした。
Fusionを聴くきっかけは、Tom Scott、StuffやBob Jamesなどを聴いてからでしたが、それからバック・ミュージシャンを気にしながら、いろいろなアーティストのアルバムを聴くようになりましたね。
このアルバムでも、Lee Ritenour、Steve Gadd、Tom Scottなどが参加していたので、購入したと思います。
これはEarl Klughの3rdアルバムですが、このアルバムで初めて彼の音を聴いたわけです。
その後、彼のアルバムを何枚か聴きましたが、私としては、このアルバムがけ彼の最高傑作だと思っております。
全体を通して感じたことは、ハートウォーミングなアルバムだなと思ったことを覚えています。
タイトルの"Finger Paintinng"は指や手のひらで絵を描くことですが、まさにEarl Klughのギターの爪弾きによりそれぞれのナンバーの憧憬を思い起こさせる内容となっております。
1曲目の"Dr. Macumba"でのEarlのギター捌きと柔らかなトーンは最高で、このアルバムのベスト・テイクだと思いますね。
また、James Taylorのペンによる2曲目の"Long Ago & Far Away"はメロディがいかしたバラード・ナンバーで、1曲目とタイプは全く違いますが、甲乙つけがたいナンバーに仕上がっています。
3曲目の"Cabo Frio"では、Earlの情熱的なギターの音を聴くことができます。
4曲目の"Keep Your Eye On The Sparrow"はTVドラマ「刑事パレッタ」のテーマ・ソングですが、かなりファンキーなナンバーで、バックのサックスの音などからTom Scottの「刑事スタスキーとハッチ」を連想しました。
5曲目の"Catherine"がこれまたメロディアスなバラード・ナンバーで申し分のない出来なんです。
6曲目の"Dance With Me"はJohn HallのペンによるOreansの大ヒットナンバーです。
8曲目の"Summer Song"なんかEarlの爪弾くギターの音がモロ、トロピカルしているタイトルどおりのナンバーです。真夏のリゾート感覚満点のナンバーです。
ラスト・ナンバーの9曲目"This Time"はミディム・スローのナンバーで、どこか牧歌的なEarlのギターがいかしているナンバーです。
最近、そういえば、ハードロックやヘヴィメタルな音を聴いていませんね。
AORやSmooth Jazzのアルバムが多いような気がします。
仕事が忙しいせいか、帰宅して聴く音楽も癒し系がメインというところでしょうか。