2007-11-29
Cory Wells / Ahead Of The Storm (1978)

出来はAOR然としたメロディアスなナンバーがたくさん収められていた1stアルバムに比べるとロック度が増し、曲の粒も揃っていませんが、あのソウルフルなCory Wellsのヴォーカルは相当カッコ良いです。
また、ほぼ全編で1stと同様Steve LukatherとJay Graydonのコンビによるギター・プレイも聴けますし、David Fosterのキーボード・プレイも1曲で聴けます。
今回は、早急の1stCD化祈願ということで紹介します。
また、もう少しすると貴重盤扱いになりそうですので、興味のある方へのお薦めという意味も込めています。
プロデューサーは前作同様David Anderleです。
中身は前述のとおりAOR度は後退し、ロック度アップの内容となっております。
バック・ミュージシャンを紹介しますと、
Guitar : Steve Lukather, Jay Graydon, Jeff Baxter, Danny Weis, Peter McRea
Keyboards : Jay Gruska, Jai Winding, David Foster
Bass : Lee Sklar, JohnPearce
Drums : Mike Baird
といったところです。
1曲目の"Comin' Home"はデラニー&ボニーのナンバーです。
オリジナルでは、Eric Claptonのギターが聴けましたが、このCoryのヴァージョンでは、Steve LukatherとJay Graydonがギターを担当しており、ソロはSteve Lukatherが弾いています。
オリジナルより数段ファンキーなアレンジで、Steve Lukatherがギターを弾き捲くっています。
2曲目の"Y-O-U"はJay Gruskaのペンによるナンバーです。
このナンバーはファンキーなAORといった感じで、1stアルバムに収められているかのようなナンバーです。
ここでもSteve Lukatherがソロを弾いていますし、Jay Gruskaのオルガンとバック・コーラスが聴けます。
とても洒落たナンバーで、出来も良いです。
3曲目の"Hold On And Do It Right"はCoryのオリジナルです。
ギターのカッティングが最高のファンキーなこれもAORナンバーとなっております。
このでのギター・ソロはDanny Weisです。
4曲目の"Jail Break"もCoryのオリジナルです。
これまたファンキーな1曲で、Coryのヴォーカルととてもピッタリのナンバーです。
ここでは、Jeff Baxterがソロを弾いています。
5曲目の"One Jump Ahead Of The Storm"はこのアルバムのタイトル・ナンバーです。
Jay Graydonのギター・ソロにDavid Fosterのピアノといえば、AIRPLAYを思い出しますが、曲調はAIRPLAYとは全く違いファンキーなソウル・ナンバーとなっております。
Jay Graydonのソロはカッコ良いです。
6曲目の"Hard Times"もCoryのオリジナルです。
これはモロAORしたナンバーです。
音も洒落ていますし、メロディもかなり良いです。
タイプ的にはBoz Scaggsが歌いそうなナンバーとなっております。
このナンバーでもJay Graydonがソロを弾いています。
7曲目の"Maggie"もソウルフルなCoryのヴォーカルがカッコ良いナンバーです。
ここでのギター・ソロはPeter McReaです。
8曲目の"You Don't Know Like I Know"はサム&デイヴのナンバーからです。
こういったR&Bタイプの歌を歌わせたら、Cory Wellsって最高にカッコ良いですよね。
もう、Coryにピッタリのナンバーです。
素晴らしいナンバーです。
9曲目の"Goin' Down Down Down"もCoryのオリジナルです。
Jeff BaxterのギターにSteve PorcaroのシンセととてもAORチックなサウンドのナンバーです。
ラスト・ナンバーの10曲目"I Just Can't Turn My Habit Into Love"はDavid Foster風のRhodes Piano(Bob Hoginsというアーティストで、このアルバムのアレンジを担当)が美しいバラード・ナンバーです。
なかなかの佳曲です。
あーあ、それにしても1stの"Touch Me"のCD化は何時になるのでしょうか?
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2007-11-25
Shed Seven / A Maximum High (1996)

メロコアやギター・ポップのアルバムはあまり聴きませんが、値段が安ければ、まあ別ですが。
このアルバムも市内の中古ショップで国内盤帯付が390円だったということで、購入したものです。
以前、このブログで紹介したHALOというバンドは、それこそゴシック的アプローチの耽美的なでメロディアスなギター・ポップで、最高に気に入りました。
このSHED SEVENは、HALOに比べるとメランコリックな部分は少ないですが、とてもメロディアスなギター・ポップを聴かせてくれています。
The Beatlesの流れを汲むBrit Popがいかしてます。
1曲目の"Getting Better"はこれぞギターポップといったラウドなギター満載のナンバーですが、とてもポップでメロディアスです。
最初にシングル・カットされたナンバーだそうです。
この1曲目を聴くとこのアルバムが私の好みそうな内容じゃないかな、ということが判ります。
2曲目の"Magic Streets"の出だしのギターは、どこかThe Beatlesの香りも。
ポップで最高にいかしたナンバーです。
3曲目の"Where Have You Been Tonight"はメタリックした若干ハードなバックにポップに歌うRick Witterのヴォーカルがいかしてます。
4曲目の"Going For Gold"は、The Beatlesの"I've Got A Feeling"風のギターのミディアム・テンポのパワー・バラードといった感じのナンバーです。
バックのホーンセクションが良いアクセントとなっております。
メロディアスでなかなか良く出来たナンバーだと思います。
5曲目の"On Standby"はとてもポップなナンバーです。
ポップスとはこれだ!みたいなナンバーです。
6曲目の"Out By My Side"はバラード・ナンバーですが、メロディアス度はイマイチといったところか。
7曲目の"Lies"は前奏のピアノとギターの美しいコラボの後、曲が転調しとても最高のパワーポップ・ソングとなります。
こんな曲は私の大の好みです。
8曲目の"This Day Was Ours"はハードながらとてもポップなナンバーです。
かなりいかしたナンバーです。
これも大好きです。
9曲目の"Ladyman"は軽めなポップといった感じのナンバーで、こんな曲も演るのか?といったちょっとばかりビックリのナンバーです。
10曲目の"Falling From The Sky"はカッコ良いドラム・ソロから入るThe Beatlesにも通じるパワーポップのナンバーです。
これもかなり良いです。
11曲目の"Bully Boy"はギターポップ然としたパワフルなポップ・ナンバーです。
良いですね、こういったギターの音色も。
12曲目の"Parallel Lines"はアコースティカルなちょっとばかりヒネリの効いたナンバーです。途中からラウドなギターに曲が転調します。
ラスト・ナンバーの13曲目"Song Seven"は日本盤のボーナス・トラックで、ボーナス・トラックとは思えないぐらい良く出来たギターポップのナンバーとなっております。
このSHED SEVEN、結構良いですよ。
2007-11-24
Beatallica / Sgt. Hetfield's Motorbreath Pub Band (2007)

最高にいかしたカヴァー・アルバムが発表されました。
あのMetallicaのリフにJames Hetfield節のヴォーカルがクセになりそうです。
あのMetallicaがThe Beatlesのナンバーをカヴァーしたらこうなるんじゃないか、なんて思ったりして(まあ、カヴァーすることは無いと思いますが)。
とりあえず、収録ナンバーを列挙しますと( )オリジナルのタイトル・タイトルです)
1 Sgt. Hetfield's Motorbreath Pub Band
(Sgt, Pepper's Lonely Hearts Club Band)
2 Revol-ooh-tion
(Revolution)
3 Blackened The U.S.S.R.
(Back In The USSR)
4 Sandman
(Taxman)
5 Helvester Of Skelter
(Helter Skelter)
6 A Garage Dayz Nite
(A Hard Days Night)
7 Anesthesia (I'm Only Sleeping)
(Birthday)
8 Leper Madonna
(Lady Madonna)
9 Ktulu (He's So Heavy)
(I Want You (She's So Heavy)
10 For Horsemen
(For No One)
11 Hey Dude
(Hey Jude)
12 Sgt. Hetfield's (Reprise)
(Sgt. Pepper's (Reprise)
13 ...And Justice For All My Loving
(All My Loving)
ということで、ヘヴィなリフが最高の1枚ですが、特に、4曲目では、あのMetallicaの最高のナンバー"Enter Sandman"のギターのリフがそのまま使われています。
アレンジも素晴らしいですし、これは最高にいかしたナンバーに仕上がっています。
このナンバーだけでも儲け物です。
それにしても、アレンジがオリジナルの"Taxman"ととても合ってます。
2曲目はThe Beatlesの中でもとてもハードなナンバーでしたが、このナンバーについては、もっと激しいギターのリフを期待してましたが、ちょっとガッカリかな。
3曲目のギターのリフとドラムスの前奏はかなりカッコ良いです。
5曲目はオリジナルよりもちろんヘヴィですが、The Beatlesの方がハードにロックしているような感じも。
ということは、このオリジナルは最高のハード・ロック、ヘヴィ・メタルしたナンバーだったのですね。
7曲目は最高にいかしたアレンジで、このアルバムの中でも良くできてます。
とてもメタリックな"Birthday"です。
9曲目は、オリジナルが結構ヘヴィでしたが、アレンジ的にはそれを若干上回っておりますが、結構オリジナルに近いものがあります。
このナンバーの出来も素晴らしいです。
10曲目なんか聴くと、やっぱりオリジナルが素晴らしいのでしょうね。
このアルバムの中でも最もポップな仕上がりとなっております。
11曲目はこのBeatallicaもさすがにバラード以外にアレンジ出来なかったようです。
ヴォーカルは相変わらずJames Hetfield節ですが、バックの音は最高にバラードしています。
13曲目も元々ポップなナンバーでしたので、このBeatallicaもかなりポップです。
とにかく面白いアルバムです。
4曲目の"Sandman"は名曲です。
2007-11-23
David Matthews & Guitars On Fire / Guitars On Fire (1996)

タイトルは"Guitars On Fire"ということで、フュージョン界の有名ギタリストを一堂に会した超豪華アルバムです。
収められているギタリストは、Lee Ritenour、Larry Carlton、Al Di Meola、Mike Stern、Hiram Bullock、Larry Coryell、David Spinozza、Steve Khan、Chuck Loeb、Brian Hughes、Billy Ericというメンバー。
もう名前を聞いただけで、涎が出そうです。
とにかく、これらギタリストが縦横無尽に弾き捲っております。
1曲目の"Air Brower"はもちろんJeff Beckのナンバーですが、ここでは、Lee Ritenourと思えないくらいロック・フィーリングのギターを聴かせてくれております。
最高にいかした1曲となっております。
2曲目のタイトル・ナンバー"Guitars On Fire"はDavid Matthewsのオリジナル・ナンバーで、この曲では、Al Di Meoraのあの独特なギター・トーンを聴かせてくれています。
3曲目の"A Lull In The Rain"では、Larry Carltonのギターが聴けます。
「夜の彷徨」の頃のロック・フィーリング溢れたギターの音色が最高です。
4曲目の"Samba Pa Ti"はSantanaの超有名なナンバーです。
ここでのギターは、Mike Sternです。
このナンバーについては、やはりCarlos Santanaの伸びのあるギターの音色に軍配があがりますが、Mike Sternのギターもまた違った味わいがあって、まあまあです。
5曲目の"Rollin' And Tumbling"はマディ・ウォーターズの有名なブルース・ナンバーですが、ここでは、1stソロがHiram Bullock、2ndソロがIra Seagal、3rdソロが再びHiram Bullockとなっております。
このナンバーはCream (Eric Clapton)のナンバーで有名ですし、Claptonのテイクの方が良いと思いますね。
6曲目の"Passion Flower"では、再び1stソロと3rdソロでLee Ritenourが、2ndソロはRoss Trautが弾いています。
こちらは、1曲目と違いFusionテイスト溢れるナンバーとなっております。
7曲目の"Destination"では、再びAl Di Meolaがソロを弾いております。
Fusionタッチのナンバーとなっております。
8曲目の"Don't Look Myself"では、メロディと1stソロがHiram Bullock、2ndソロがLarry Coryellが弾いております。
メロディアスなナンバーで、最高にいかしてます。
9曲目の"Get Ready"はあのRare Earthが大ヒットさせたディスコ・ナンバーです。
ここでは、メロディと1stソロがMike Stern、2ndソロがSteve Khan、3rdソロがDavid spinozza、4thソロがRoss Trautと4人の違ったギターの音色を聴くことができます。
10曲目の"Freeway Jam"はMax Middletonのナンバーで、オリジナルはJeff Beckで、ここではメロディと1stソロがHiram Bullock、2ndソロがDavid Spinozza、3rdソロがBilly Ericとなっております。
ブルージーなロック・ナンバーに仕上がっております。
ラスト・ナンバーの11曲目"Old Familiar Faces"では、メロディと1stソロがLarry Coryell、2ndソロがChuck Loeb、3rdソロがMike Sternとなっております。
スロー・ブルースのメロディアスなナンバーです。
Larry Coryell、Chuck Loeb、Mike Sternのそれぞれ全く違うブルース・フィーリング溢れるギターの音色を聴けます。
ギター・インストものが大好きな人には、とても楽しめる1枚です。
2007-11-22
Terence Boylan / Suzy (1980)

このたび、目出度くWounded Bird Recordsから初CD化の運びとなりました。
前作がAORの傑作アルバムとして評価されていますが、今作は、時代背景みたいものがあり、アナログ時代のA面は、ニューウェーヴっぽいサウンドが受け入れられなかったようです。ただし、B面の評価は全く違いましたが。
実を言いますと、私個人としては、前作より評価が高いのです。
それは前作に比べ、最高にいかしたAORナンバーが収められていたからです。
この1曲で、他のナンバーなんか帳消しになってしまいます。
そのナンバーは何かと言いますと、B面の2曲目に収められている"Did She Finally Get To You"というナンバーです。
これは、最高のAORナンバーです。
フックに満ち溢れた歌メロとバック・ミュージシャンが素晴らしいんです。
ドラムスにJim Gordan (ex Derek & The Dominos)、ベースにMichael Porcara (ex Toto)、ピアノにJai Winding、ギターにJay Graydon、Will McFarlane、バッキング・ヴォーカルにDon Henley、Tomothy Schmitという布陣です。
ギターソロはおそらくJay Graydonだと思います。
もう最高の1曲です。
B面2曲目の"Tell Me"もかなりメロディアスで優れたAORナンバーです。
ここでは、Larry Carlton、Jeff Baxter (ex The Doobie Brothers)がギターを弾いています。
B面3曲目の"Ice And Show"はストリングが印象的なナンバーです。
B面4曲目の"Going Home"もミディアム・テンポのAORナンバーで、バックでDon Felderの最高にいかしたギター・ソロを聴くことができます。
B面5曲目"End Of The World"はアコースティカルなバラード・ナンバーです。
B面ラスト6曲目"Miso Soup"はオリエンタルな感じの若干ジャジーなナンバーで、結構面白いナンバーだと思いますね。
評価の低いA面ですが、それでもそこそこだと思いますよ。
A面1曲目のタイトル・ナンバー"Suzy"だってかなり良く出来たAORナンバーです。
メロディもいかしているし。
A面2曲目の"Shake Your Fiorucci"を聴いた時に最初に思い出したナンバーは、Chris Speddingの"Guitar Jamboree"です。
途中Derek & The Dominosの"Layla"のフレーズがそのまんま挿入されています。
ギターのWill McFarlaneが良い味を出しています。
まあ、ちょっとはニュー・ウェーヴの香りもしないこともないですが、とても面白いナンバーです。
A面3曲目の"College Life"はギター・オリエンティドなAORナンバーです。
Will McFarlaneのギター。ソロがかなり良いです。
A面4曲目の"Dump It In The River"の出来はイマイチかも。
A面5曲目の"$50 An Hour"はそこそこ出来たナンバーだと思いますよ。
ポップだし、このナンバーでもWill McFarlaneのギターはカッコ良いです。
A面ラストの6曲目の"Roll Your Own"もギター・オリエンティドでメロディアスなAORナンバーで、かなり出来も良いとおもいますね。
こうやって通して聴いてみても、やっぱり私としては、前作よりこの"SUZY"の方が出来が良いと思いますね。
やっと、CDで聴けます。
嬉しい限りです。
2007-11-19
Linda Bengtzing / Ingenting Att Forlora (2006)

氏のレビューでは、「初期エリカや初期トーネ・ノーラムを想起させる哀愁&透明感たっぷりのハードポップ....」とあり、この記事を見て思わず購入を決意したアルバムです。
ところが、手に入れるのにちょっとばかりの苦労も。
先ず、AmazonやHMVのカタログには載っておりませんでした。
DISC HEAVENで見つけた時は、良かったと思ったものの、既に売り切れとのメールが届きとてもガッカリしました。
それでも、ネットでいろいろ検索したところ、CD WOWというネットショップに在庫があり、目出度く手に入れることができました。
このCD WOWですが、送料込みで16.99USドルというかなり安い価格で、さらに発注から手元に届くまで5日間という素早さで、とても優れたネットショップだと思いますね。
で、CDプレーヤーから流れてくるサウンドは、藤木氏の言うとおり、歌は上手いし、泣きメロのフックが強烈なナンバーもたくさん収められているし、とても良くできたアルバムでした。
全曲母国語のスウェーデン語で歌われていますが、全く違和感はなし。
曲によっては、ABBA風のナンバーもありますが、私のHPで紹介したドイツの歌姫GRACIAよりもハードポップした内容となっております。
もう1曲目のタイトル・ナンバー"Ingenting Att Forlora"から最高で、ギター、キーボード、ドラムスといったバックの音は素晴らしいです。
歌もホント上手いですし、言うこと無しですね。
2曲目の"Jag Ljuger Sa Bra"もとてもポップでメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Kan Du De"は泣きメロの最高にいかしたナンバーで、このアルバムの一押しです。ヴォーカルといい、バックの音といい、もう最高です。
4曲目の"Himlen Ar Du"は美しいピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーです。盛り上がりのある申し分ないナンバーです。
5曲目の"Medan Du Sov"はアコースティック・ギターから入る、これまたメロディアスなパワー・バラードといった雰囲気満点のナンバーです。
このナンバーもお薦めですね。
6曲目の"Alla Flickor"は若干ABBA的なポップ・ナンバーです。
70年代のポップスといった感じがまた良いです。
7曲目の"Han Ar Min"も6曲目に似たタイプのナンバーです。
8曲目の"Ett Ogonblick"は再び美しいピアノの音から入るバラード・ナンバーです。
全編に流れるピアノはとても素晴らしいです。
とてもAORっぽいメロディアスなナンバーで、私としては4曲目よりこちらの方が好きですね。
9曲目の"Vad Hande Sen"はミディアム・スローのメロディアスなナンバーです。
途中から転調しますが、このナンバーもとても良く出来ています。
10曲目の"Diamanter"はヴァイオリンの音から入りますが、曲調はABBAを連想させるディスコ・タッチのナンバーです。
11曲目の"Vem"はスローながらどことなくロック・スピリットを感じさせるナンバーとなっております。
メロディアスなそこそこのナンバーです。
12曲目の"Nu Kommer Jag Tillbaks"は、再び哀愁のハードポップのナンバーで、かなりいかしてます。
好きです、この曲。
ラスト・ナンバーの13曲目"Ingenting Ar Storre"は少し歪んだ音のギターから入るナンバーですが、曲全体としてはメロディアスナンバーでとてもいかしてます。
また、このナンバーでは、Pontus Assarssonという男性ヴォーカルとデュエットしております。
ほぼ全曲で捨て曲はありません。
ハードポップ・ファンは是非聴いてみるべきですね。
藤木氏も、「手に入るうちに買いましょうね」といっておりますが、まさにそのとおりだと思いますよ。
2007-11-17
Los Angeles / Los Angeles (2007)

バックには、Tommy DenanderとGregg Giuffriaの名前が。
プロデュースはイタリアのAOR仕掛け人のFabrizio Grossiが担当。
ということで、その音も想像できるというものです。
結論から先にいいますと、もう言うこと無しの産業ロックっぽいメロディックロックのアルバムです。
Fabrizio Grossiプロデュースの一連のアルバムの中でもかなり良く出来たアルバムだと思いますね。
先ず、Los Angeles (L.A.)というプロジェクト名がオシャレですし、ジャケットなんかもL.A.の夜景なんか使っちゃりして、アルバムの内容を期待させるものとなっています。
Michael Luppiのヴォーカルなんかもハイトーンで、かなり上手な歌を聴かせてくれていますし、Tommy DenanderのギターはSteve Lukatherばりにギンギンに弾き捲くっていてもう最高です。もちろん、Gregg Giuffriaのキーボード・プレイもかなり良いです。
とにかく、収められている楽曲がメロディアスで素晴らしい曲ばかりなんです。
それも当然のことで、ソングライター陣が素晴らしく、Chris Eaton、Richard Marx、Brad Gillis、Jeff Paris、Bruce Gaitschなどの名前が挙がっております。
1曲目の"I Will Carry You"は伸びのあるTommy Denanderのギターに乗るMichael Luppiのヴォーカルがいかしたメロディアスなナンバーです。
この1曲目を聴いただけで、このアルバムの良さが判る、そんな感じのナンバーです。
2曲目の"I Must Be Blind"はMark WilliamsonとChris Eatonのペンによるフックに満ちたメロディアスなナンバーです。
ハードなAORナンバーといった感じで、言うことありませんね。
何となく、Bridge 2 Farのアルバムを聴いているような感じがするナンバーです。
3曲目の"Thanks To You"はRichard Marxのペンによるナンバーです。
出だしのTommy Denanderのギターソロが圧巻のメロディアスなバラード・ナンバーです。
Michael Luppiの伸びのあるハイトーン・ヴォーカルが素晴らしいです。
4曲目の"Edge Of Forever"もRichard Marxのペンによるナンバーで、ミドル・テンプのメロディアスなナンバーです。
5曲目の"Last Dance"はBrad Gillis、Kelly KeagyのNight Ranger勢とJeff Parisのペンによるナンバーです。
産業ロック然としたメロディアスなナンバーです。
6曲目の"Run"は再びChris Eatonのペンによるナンバーです。
このナンバーもフックのあるナンバーで、かなりいかしてます。
それにしても、Michael Luppiのヴォーカルは素晴らしいですね。
7曲目の"When You Think Of Me"はバラード風ですが、ちょっとばかり力強いナンバーです。
ここでのMichael Luppiのヴォーカルは圧巻です。
8曲目の"One More Try"はRichard MarxとBruce Gaitschのペンによるナンバーです。
さすがこのコンビに書かれたナンバーだけあって、申し分のないナンバーとなっております。
9曲目の"The Other Side"は再びRichard Marxのペンによるナンバーです。
このナンバーもさすがRichard Marxといったフックに満ちたメロディアスなロック・ナンバーです。
Tommy Denanderのギターも最高の素晴らしい出来です。
10曲目の"Caroline"もメロディアスな申し分のないナンバーです。
このナンバーは圧巻で、捨て曲が全くないこのアルバムの中でもランクは上でしょう。
Michael Luppiのヴォーカル、Tommy Denanderのギター、Greg Giuffriaのキーボード、どれをとっても最高です。
ラスト・ナンバーの11曲目"Measure Of Man"では、作者にCathy Dennisの名前があります。
このナンバーも良く出来ていて、メロディもいかしています。
このLos Angelesですが、最近聴いたメロディックロックのアルバムの中でも最高のレベルだと思いますね。
捨て曲は1曲もありません。
さすが、Fabrizio Grossiのプロデュースです。
Michael Luppi、Tommy Denander、Gregg Giuffriaそれぞれが良い仕事をしています。
2007-11-11
鈴木 茂 / バンド・ワゴン (1975)

サン・フランシスコ録音で、バックには、Bill PayneやDon Grusinの名前も。
今聴いても、とてもカッコ良い、と感じるアルバムです。
このアルバムには、彼の代表的なナンバー「砂の女」や「微熱少年」なんかが収められており、その後の活躍を充分期待させる内容でした。
また、「スノー・エキスプレス」と「ウッド・ペッカー」の2曲のインスト・ナンバーも収められており、ギタリスト鈴木茂も充分堪能できるものとなっております。
1曲目の「砂の女」は、フュージョン・タッチのメロウなシティ・ミュージックといったナンバーで、このアルバムの中でも最高の1曲です。
曲の作り方はどことなく山下達郎風です。
2曲目の「八月の匂い」は、ウエスト・コーストを感じさせるナンバーとなっております。
3曲目の「微熱少年」は鈴木茂の代表曲で、Doobie風のAORナンバーです。
4曲目の「スノー・エキスプレス」はインスト・ナンバーです。
鈴木茂のカッコ良いギターとBill Payneのピアノがご機嫌なファンキーでノリの良いナンバーに仕上がっております。
5曲目の「人力飛行機の夜」は、とてもブルージーなナンバーで、鈴木茂のヴォーカルもそれ風です。
6曲目の「100ワットの恋人」は、メロディアスなナンバーで、とてもAORな雰囲気を持ったナンバーとなっております。
7曲目の「ウッド・ペッカー」はこのアルバム2曲目のインスト・ナンバーです。
L.A.フュージョンを地でいくナンバーとなっております。
8曲目の「夕焼け波止場」もDoobie風のアメリカン・ロック調のナンバーとなっております。
ラスト・ナンバーの9曲目「銀河ラプソディー」では、鈴木茂のいかしたギターがたくさんフィーチャーされており、かなりお薦めです。
こうやって今聴いてもあまり古さを感じさせませんし、さすが鈴木茂といったアルバムだと思いますね。
2007-11-10
Salena Jones / Journey With Salena Jones (1995)

今回のアルバムは旅情編ということで、旅に関するナンバーが収められております。
これぞ、ジャズ・ヴォーカルといったSalenaの最高にいかした声を目いっぱい聴くことができます。
一言でこのアルバムを表現すると、「もう最高!」、言うことないですね。
安心して聴けますし、このアルバムの凄いところは、あまり大きくないカフェでSalenaのライヴを聴いている、そんなシチュエーションを感じさせてくれるアルバムです。
収められているナンバーは、
1 Take The 'A' Train
2 Sentimenta Journey
3 Summertime In Venice
4 A Foggy Day
5 April In Paris
6 My Blue Heaven
7 Old Man River
8 Moonlight In Vermont
9 The Lonesome Road
10 Georgia On My Mind
11 Green Dolphine Street
12 I Thought About You
13 Slow Boat To China
14 I Left My Heart In San Francisco
15 Autumn In New York
16 Goodbye
1曲目は、もちろんデューク・エリントン楽団で有名なナンバーです。
2曲目は、リンゴ・スターもカヴァーしたスタンダード・ナンバーですね。
3曲目は、キャサリーン・ヘプバーン主演の映画「旅情」の主題歌です。
4曲目も、フレッド・アステア主演の映画「踊る騎士」の主題歌で。オリジナルはもちろんフレッド・アステアです。
5曲目は、映画ではありませんが、1931年に上演された劇のナンバーだそうです。
6曲目も有名なスタンダード・ナンバーで、確かリンダ・ロンシュタットもカヴァーしていたと思います。
7曲目はミュージカル「ショウ・ボート」からのナンバー。
8曲目も大勢のアーティストがカヴァーしており、他に有名どころは、ウィリー・ネルソンでしょうか。
9曲目もビング・クロスビーのカヴァーが有名なナンバー。
10曲目も超有名なスタンダード・ナンバーで、これも本当に大勢のアーティストがカヴァーしており、ウィリー・ネルソンもその一人ですね。
11曲目も映画のタイトル・ナンバーから。
12曲目は、ベニー・グッドマン楽団のナンバーが有名です。
13曲目は、ケイ・カイザー楽団などのレコードが有名らしいです。
14曲目も皆が知っているスタンダード・ナンバーで、1962年のトニー・ベネットがヒットさせたナンバーです。
15曲目も超有名なスタンダードですね。
16曲目もベニー・グッドマン楽団のナンバーがヒットしました。
本当に、たまにこうして、ゆったりとジャズ・ヴォーカルのアルバムを聴いてみるのも良いですね。
特にこのアルバムはスローなナンバーばかりですので、とてもリラックスが出来ます。
2007-11-04
Paul Davis / Sweet Life ; His Greatest Hit Singles (1999)

流れてくるのは、AORやスムース・ジャズなどのゆったりとしてメロディアスな音楽。
それが、私にとって至福な時間でもあります。
もちろん、ゴシックやメロデスはそういうことは望めませんが、そういう音楽を聴いている時は、何か作業している時が多いですね。
最近、市内の中古本を売っているリサイクルショップで、ここ1年足らずで発表されたハードカバーのハードボイルドやミステリーの小説をまとめて10冊ほど購入しました。
値段は大体定価の6割ぐらいです。
以前は、新品を買っておりましたが、こういった類の小説は、活字による漫画みたいなもので、一度読んでしまうと再び読むことはありません。
で、何冊かまとめて中古本屋さんへ売っておりました。
ということで、最近ではリサイクルショップで購入することが多くなりました。
今、読んでいるのは、香納諒一の「第四の闇」という本です。
この小説家は結構好きで、最近「孤独なき地」という小説も読みました。
とにかく、小説はテンポが必要というのが、私の持論です。
あっという間に読める、これが小説の真髄だと思いますね。
とうことで、先ほどまで、今回紹介するPaul Davisのベスト・アルバムを聴きながら「第四の闇」を呼んでおりました。
まあ、本を読んでいる時は音楽を聴いているということではなく、流していると言った方が良いのですが、そんな中でも、やっぱり何を流すかというのは大事です。
冒頭にも書きましたが、そんなシチュエーションでは、AORやスムース・ジャズだろうということです。
このPaul Davisのベスト"Sweet Life;His Greatest Hit Singles"はタイトルどおり、彼のシングル・ヒットを収めたアルバムですが、このアルバムの良いところは、レーベルを超えて曲を収録しているということでしょうね。
Bang Records、Arista Records、Capitol Recordsと彼の軌跡を網羅しております。
Bang時代の大ヒット・ナンバー"I Go Crazy"、"Do Right"やArista時代の"Cool Night"、Capitol時代のカントリー・ナンバーまで、彼の魅力が満載されたアルバムとなっております。
珍しいところでは、後にNigel Olssonのカヴァーでヒットした"A Little Bit Of Soap"のPaulのオリジナル・ナンバーやTanya TuckerやMarie Osmondとのデュエット・ナンバーも収められております。
Capitol時代はKenny RogersやEddie Rabbittなどのポップ・カントリー(彼のルーツ)を歌うようになりますが、Bang時代の後期、Arista時代はまさにAORの真ん中でした。
"I Go Crazy"、"Do Right"、"Cool Night"などのナンバーは、今聴いていてもかなり良く出来たAORですし、曲の感じが柔らかく、彼の人柄(ホントは知りませんが、風貌から感じて)の暖かさが出ているように思います。
でも、Paul Davisのベスト・アルバムを購入するのでしたら、やっぱりこのアルバムでしょう。
2007-11-03
The Kazu Matsui Project / Pioneer (2006)

内容はもちろんAORです。
参加ミュージシャンも豪華です。
ヴォーカルには、Carl Anderson、Greg Walker(ex Santana)、Tommy Dunderburk、Jennifer Warnesなど、ギターには、Paul Jackson,Jr.、Carlos Rios、Robben Ford、Dann Huff、Charles Fearing(ex Pages)、ベースには、Dennis Belfield、Abraham Laboriel、Nathan Eastなど、さらにドラムスは、Carlos Vega、Ed Greene、Jeff Porcaro、Greg Bissonette、キーボードは、Randy Kerber、Keiko Matsui、Randy Waldman、Russell FerranteなどL.A.の一流アーティストが参加しております。
1曲目の"Love Is Gone"と2曲目の"Sentimental Slow Song"はMarva Kingという女性ヴォーカルをフィーチャーしたナンバーで、メロディアスなバラード・ナンバーです。
どこか日本の歌謡曲っぽいところを感じさせるナンバーです。
3曲目の"Afternoon Delight"はCarl Andersonのヴォーカルによるファンキーながらジャジーなナンバーです。
アーバンな香りのAORナンバーです。
4曲目の"I Close My Eyes"はメロウなこれぞAORといった1曲です。
お薦めのナンバーです。
5曲目の"Love Is Where You Find It"はあのLarry Leeのペンによるナンバーで、アーバンなAORナンバーです。
メロディアスで、バックのホーン・セクションもかなり良いです。
6曲目の"See You There"はこれまたメロウでメロディアスなAORナンバーです。
ポップでサビの部分がとても良いです。
7曲目の"Romantic Notion"はかなり良く出来たAORナンバーです。
メロウかつメロディアス、これがAORです。
8曲目の"Ariana"では、元SANTANA BANDのGreg Walkerがヴォーカルを務めています。
相変わらず伸びのあるヴォーカルを聴かせてくれています。
9曲目の"Castles"は再びメロディアスなバラード・ナンバーです。
10曲目の"Overture"はこのアルバム唯一のインスト・ナンバーです。
Carlos RiosのギターとRussell Ferranteのキーボードを大々的にフィーチャーした最高のナンバーです。
11曲目の"Standing On The Outside"はRobben Fordのギターをフィーチャーしたナンバーで、1983年に松井和プロデュースのRobben Ford名義で出されたアルバム"Love's A Heartach"に収録されていたナンバーです。
どうせなら、"Wheels Of Love"を収録して欲しかったですね。
12曲目の"Standing In The Wings"ではTommy FunderburkのヴォーカルとDann Huffのギターを堪能することが出来ます。
これはかなりお薦めです。
13曲目の"Sail To The Sun"はウエスト・コースト・サウンドのAORナンバーです。
このナンバーもそこそこ良く出来たナンバーです。
14曲目の"Sunset And The Minstrel"ではJeff Porcaroのドラムスが聴けます。
メロディアスなバラード・ナンバーです。
15曲目の"Farther On"は松井和の尺八が物悲しいマイナー調のメロディを持ったバラード・ナンバーです。
途中のRobben Fordのギター・ソロは圧巻です。
ラスト・ナンバーの16曲目"The Direction You Take"はJennifer Warnesのヴォーカルが聴けるAORナンバーです。
結構盛り上がりのあるナンバーに仕上がっております。
Carlos Riosのギター・ソロもカッコ良いですし。
ところで、前出の"Love's A Heartach"、再発されないでしょうかね。