2008-04-20
Greg Mathieson / For My Friends (1989)

タイトルどおりフレンドリーな感じのフュージョン・ナンバーが収められております。
気の合う仲間たちは、ギターにMichael Landau、ベースにAbraham Laboriel、ドラムスにCarlos Vega、パーカッションにLuis Conteとなっております。
全9曲中7曲はこのメンバーたちとなっており、他にギターにPaul Jackson,Jr.、パーカッションにAlex Acuna、Lenny Castroなどが参加しております。
1曲目の"I Don't Know"は1980年代前半のモロFusionしたご機嫌なナンバーです。
少しばかりラテン・フレーヴァーを感じる夏向けのナンバーで、これからの季節にピッタリです。
2曲目の"Song For My Grandfather"はGreg Mathiesonの華麗なピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
Michael Landauのギターのトーンも曲の感じにピッタリです。
3曲目のタイトル・ナンバー"For My Friends"でのGreg MathiesonのオルガンはNeil Larsenを彷彿させてくれます。
心が和む温かい感じのナンバーですね。
4曲目の"All Blues"は9分弱の大曲で、ブルージーなGregのオルガンに心に響くAbraham Laborielのベースの音、さらにそれらに絡みつくようなMichael LandauのギターとCarlos Vegaの叩くドラムスが一体となったナンバーです。
5曲目の"Savada"は映画のサントラみたいな感じのナンバーで、曲に景色がついているかのようです。
Gregのキーボードの音なんかは、聴いている限りフルートの音みたいです。
6曲目の"Goe"は一転して軽快なフュージョン・ナンバーです。
Gregのキーボードはとてもファンキーです。
このナンバーも、Larsen-Feiten Bandを感じさせてくれています。
7曲目の"20 Bar Blues"は、Gregのキーボードを大々的にフィーチャーしたナンバーで、ブルースというより、ファンキーさが溢れるナンバーとなっております。
また、このナンバーと次のナンバーでギターを担当しているのはPaul Jackson,Jr.です。
8曲目の"Slow Glide 2"は、大らかさを感じさせるGregのキーボードの音が堪らないですね。
曲もメロディアスですし、とてもいかしてます。
ラスト・ナンバーの9曲目"Lmnop"は11分を超える大曲となっております。
このナンバーもメンバー全員のテクニックをぶつけ合ったナンバーですが、いつもの気の合う仲間との演奏ということもあり、一体感があります。
Steve LukatherとのBaked Potatoでのライヴのような華々しさはありませんが、これはこれでGreg Mathiesonのアーティスト性を現したアルバムだと思いますね。
私は結構気に入っています。
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2008-04-16
Michael Sembello / Without Walls (1986)

先日、市内の中古ショップでこのCDを見つけました。
国内盤で帯は有りませんでしたが、ジャケット(ライナー付)も盤も綺麗でしたし、価格も504円という破格の値段でした。
「ボサノヴァ・ホテル」は"Maniac"という大ヒットナンバーも入っておりましたので、当時アナログ盤もCD化された時も購入しましたが、この"Without Walls"はアナログが出た時は購入しましたが、CD化された時は買い忘れておりました。
そして気が付いた時は既に廃盤と、私のいつものパターンでした。
この"Without Walls"はMichael Sembelloの1986年の2ndアルバムです。
なかなか良く出来たAOR(より幾分産業ロックした)のアルバムだと思いますね。
1曲目の"What You Really Want"はこのアルバムの中で最も良く出来たナンバーだと思います。
メロディ良しのギターの音が幾分ハードといった感じですが、最高のAORです。
2曲目の"Last To Know"はBobby Caldwell風のAORしたナンバーです。
3曲目の"Funkabilly Swing"はタイトルどおりかなりファンキーなナンバーです。
バックのホーン・セクションがいかにもといった感じですね。
4曲目の"Is This The Way To Paradise"はBobby Caldwellとの共作のナンバーです。
"Maniac"風の軽快なナンバーです。
5曲目の"Burn It Up"は若干ハードでビート感のあるナンバーです。
6曲目の"Angelina"はバックの音がちょっとエキゾティックなナンバーです。
7曲目の"Tear Down The Walls"はシングル・カットされたナンバーでしたが、ヒットせずでした。
結構ハードで打ち込みスタイルのナンバーですので、その辺もあるのでしょうか?
でも、シングル・カットするなら1曲目だと思いますね。
8曲目の"Gravity (Special Dance Mix)"は、ほぼディスコしたナンバーです。
ちょっと、詰まんない感じが。
9曲目の"Wonder Where You Are"は、このアルバム唯一のバラード・ナンバーです。
メロディアスなとてもいかしたナンバーです。
10曲目の"Dangerous"はStevie Wonderの"Superstition"タイプのナンバーで、Michael Sembelloの歌い方も相当Stevieを意識していると思いますね。
なかなか良く出来たナンバーだと思いますね。
ラスト・ナンバーの11曲目"The Picture"は、Michael Sembelloのハードなギター・ソロから入るナンバーで、曲全体もメロディアスながらそこそこハードです。
"Bosa Nova Hotel"より若干ハードですが、メロディが結構良いナンバーが収められております。
2008-04-15
The Lec Zorn Project / It Began In The Underground (2007)

彼のオフィシャル・サイトを覗くと、Kansas, Survivor, Styx, Boston, Queen, Pink Floyd, Shooting Star, Asia, Genesisなどに影響を受けたとのことで、サウンドもメロハーあるいは産業ロックのアルバムとなっております。
参加ミュージシャンを見ると、ドラムスにEli Hludzik (ex Dakota)、ギターにTommy Denander、Mike Walsh (ex Departure)、Tracy White (ex Intruder, Shotgun Symphony)、ヴォーカル陣にPierre Wensberg (ex Prisoner)、Lars Safsund、Phil Vincentなど参加しております。
このラインアップを見たtだけで、メロディ・マニアは涎を垂らしそうです。
4曲を除き、Lec Zornが曲を書いており、作詞はKerry Livgren、Phil Ehart、Richard WilliamsといったKANSAのメンバーが書いております。
全曲メロディアスなナンバーで、産業ロックしたナンバーと、それを若干ハードにしたナンバーが収められております。
1曲目の"Lecoverture"はギター・オリエンティドのインスト・ナンバーです。
エレクトリック・ギターの大好きな私としては、とても楽しめるナンバーです。
2曲目の"Long Time Coming"はMike Walshのとてもカッコ良いギター・ソロから入るフックに満ちたメロハーです。
最高にいかしてます。
3曲目の"Second Chance"は、Survivor風の産業ロックです。
なんか80年代前半の産業ロック華々しき頃に戻ってしまった、という錯覚に陥りそうです。
最高にご機嫌なナンバーです。
ギター・ソロはTommy Denanderです。
4曲目の"Play The Game Tonight"はDakota風のメロディアスな産業ロック・ナンバーです。
いやー、このナンバーも素晴らしいですね。
バックのギターとキーボードの音が最高です。
5曲目の"Eternal Flame"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
Styxが演りそうなナンバーです。
Mike Walshのヴォーカルがとても素晴らしく、Dennis DeYoungを彷彿させるものとなっております。
6曲目の"Fighting Chance"は、もう完全にSurvivorしてますね。
"Burning Heart"に似たナンバーで、ヒット性抜群といったところでしょうか。
おそらく、Survivorのナンバーを意識して作ったのだろうと思います。
7曲目の"You Keep Me In The Dark"もフックに満ちたメロハーです。
曲やアレンジも最高です。
8曲目の"Starting All Over Again"はToto風とでもいった感じのナンバーです。
もう素晴らしいの一言に尽きます。
9曲目の"The Rush Of Passion's Fire"もほぼSurvivorしたナンバーとなっております。
メロディも最高ですが、ヴォーカルやバックの演奏も素晴らしいです。
10曲目の"Perseverance"は再びメロディアスなインスト・ナンバーです。
Steve Walshのギター・プレイは涙ものです。
11曲目の"Going The Distance"もとても良く出来た産業ロック・ナンバーとなっております。
このナンバーも80年代前半を感じさせるナンバーです。
ラスト・ナンバーの12曲目は3曲目のオルタネート・ヴァージョンとなっております。。
それにしても、このThe Lec Zorn Projectの"It Began In The Underground"ですが、メロディ・マニア必聴のアルバムです。
産業ロック・ファンだけでなく、メロディアス・ハードロック・ファンも十分納得させる内容のアルバムとなっております。
最近聴いたメロハーものの中でもトップ・クラスに入るアルバムだと思いますね。
2008-04-13
John Paul Young / Love Is In The Air (1978)

タイトル・ナンバーが大ヒットし地元オーストラリアだけではなく、アメリカやここ日本でも彼の名前が一躍有名となりました。
このアルバムですが、今までCD化されたことはなかった(?)と思います。
シングル・ヒットした"Love Is In The Air"はディスコ調のAORナンバーで、彼のベスト・アルバム(何枚か出ている)にも収められておりますが、アルバムのロング・ヴァージョンは今まで一度もCDでは聴いたことはありません。
また、このアルバムにはもう1曲"Lost In Your Love"というヒット・ナンバー(これもベスト・アルバムには収録されている)も収録されております。
でも、ほかにもメロディアスなとても優れたナンバーも収められており、もうずっとCD化を望んでいるのですが、今まで一度も拝んだこと(CD化されていたらでの話ですが)がありません。
最近、アナログ・レコードも良く聴いており、本日もこのアルバムを紹介したいと思います。
A面1曲目の"Love Is In The Air"は冒頭にも書きましたがJohn Paul Youngのベスト・アルバムにも収められておりますし、70年代のナンバーを集めたコンピレーション・アルバムにも良く収録されておりますので、AORやメロディ・マニアの皆さんには耳馴染みのあるナンバーだと思います。
これぞポップスといった最高にご機嫌なナンバーです。
でも、ベストやコンピ物に収められているのはシングル・ヴァージョンで、このアルバム・ヴァージョンを聴くと物足りなさを感じます。
2曲目の"Fool In Love"もとても良く出来たポップ・ナンバーです。
サビの部分がとても素敵です。
3曲目の"Open Doors"はキーボード主体のメロディアスなバラード・ナンバーです。
とても雰囲気があるナンバーです。
A面ラストの4曲目"The Day That My Heart Caught Fire"は、再び"Love Is In The Air"タイプの軽快なポップ・ナンバーです。
バックのリズム・アレンジは"Love Is In The Air"と殆ど同じで、まるで同じナンバーを聴いているような感じがします。
B面の1曲目"Lost In Your Love"も"Love Is In The Air"の次にJohn Paul Youngを代表するナンバーです。
このナンバーもバックのリズムは"Love Is In The Air"風の軽快なポップ・ナンバーです。
2曲目の"Lazy Days"はアコースティカルな味のあるナンバーです。
3曲目の"Things To Do"は重厚なピアノの音から入るバラード・ナンバーです。
John Paul Youngのヴォーカルも結構力強く、曲を盛り上げております。
4曲目の"12 Celsius"もピアノの音から入るバラード・ナンバーです。
B面ラストの5曲目"Lovin' In Your Soul"も軽快なポップ・ナンバーですが、これはかなり出来が良いと思います。
バックの跳ねた感じのピアノの音なんか最高です。
"Love Is In The Air"は最高に良く出来た永遠のポップスといった感じのナンバーで名曲だと思いますね。
このアルバム、やはりCD化して欲しいですね。
2008-04-12
White / White (2006)

Roger Deanのイラストに"WHITE"のロゴが乗った、ジャケットを見る限りかなりそそるアルバムだと思いませんか?
Roger Deanのデザインによるアルバムって、YESを代表するようにプログレのアルバムが多いですが、このWHITEというバンド名から連想されるとおり、Alan White (ex YES)がリーダーのアルバムです。
他のメンバーに目をやるとGeoff Downesの名前もあり、オッ、プレグレのアルバムかと思いますが、それがちょっと違うんですね。
ASIAみたいな産業ロックとも違うメロディック・ロックのアルバムなんですね。
中ジャケットに写るメンバーの写真を見ると、メンバー全員が結構の年齢で、それぞれが結構キャリアのある人ばかりだと思いますが、私が知っている名前は、Alan WhiteとGeoff Downesだけです。
1曲目の"New Day"は出だしのギターの音が若干ハードなメロディアス・ハードロックのナンバーです。
ギターを担当しているのは、Karl Haugなる人物ですが、結構弾き捲っており、テクもかなりなものです。
2曲目の"Beyond The Sea Of Lies"では、バックの演奏の上手さが目立っております。
ベースはSteve Boyce、ヴォーカルはKevin Curriesの5人のメンバーによるWHITEですが、曲のレヴェルも平均点はクリアしてますね。
3曲目の"Give Up Giving Up"はミディアム・スロウのメロディアスなナンバーです。
ヴォーカルは少しかすれ気味の声で、音程がひどいというほど下手ではありませんが、ヴォーカルを替えれば、まだまだ良くなるバンドだと思います。
4曲目の"Crazy Believer"はメロディアスなバラード・ナンバーですが、曲は良いですが、ヴォーカルはイマイチといったところか。
5曲目の"Fate"もミディアム・スロウのナンバーで、バックの音はかなりいかしてます。
6曲目の"Dream Away"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
7曲目の"Once And For All"はいかしたメロディック・ロックのナンバーで、Karl Haugのギター・ソロは最高です。
8曲目の"Mighty Love"はリズムがどこかレゲエっぽい感じのナンバーで、Alan WhiteのドラミングとKarl Haugのギターのカッティングがとても心地良い、そんなナンバーです。
曲の感じもポップで、結構聴けます。
9曲目の"Loyal"はバックの音がどこかYESっぽい感じのナンバーです。
ラスト・ナンバーの10曲目"Waterhole"はKarl Haugのアコースティックのギター・ソロから入るナンバーです。
このナンバーは、かなりYES的でプログレしております。
出来も素晴らしいです。
それにしても、やっぱり、ヴォーカルを替えた方が良いと思うのは私だけでしょうか?
曲や演奏が素晴らしいのに勿体ないです。
2008-04-11
The Writers / All In Fun (1979)

フュージョン・シーン華々しき1978年にSTUFFに対抗するかのようにデビューしたTHE WRITERS。
今回紹介します"All In Fun"は彼らの2ndにしてラストのアルバムで1979年に発表しました。
メンバーも錚々たるもので、バンド結成に中心的役割を果たしたパーカッショニストRalph MacDonaldのほか、ギターにHugh McCrackenとJeff Mironov、ピアノ・キーボードにJerry Peters、ベースにAnthony Jackson、ヴォーカルにFrank Floydといった布陣となっております。
全6曲中ヴォーカル入りナンバーが5曲と、STUFFに比べるとそのサウンドもかなりR&Bしたものとなっております。
1曲目の"No Tears (In The End)"はノリの良い最高にいかしたファンキーなナンバーで、Flank Floydのヴォーカルも素晴らしいです。
AORファンにも受けるナンバーですね。
2曲目の"Share Your Love"はそのFlank Floydのペンによるナンバーで、とてもメロディアスです。
これは、とてもいかしたブラコン・ナンバーですが、AORファンも納得するナンバーだと思いますね。
もちろん、バックの演奏も最高です。
3曲目の"I Wanna Get The Feelin' Again"は、メロディアスなバラード・ナンバーで、さすが、キーボーディストのJerry Petersが作っただけあります。
シングル・カットも出来そうなとてもいかしたAORしたブラコン・ナンバーです。
言うこと無しのナンバーです。
タイトル・ナンバーの4曲目"All In Fun"はHugh McCrackenのペンによるナンバーで、さすがタイトル・ナンバーにするだけあって、出来もかなりなものです。
STUFFにRichard Teeばりに弾くJerry Petersのピアノがとても魅力的ですし、Hugh McCrackenのハーモニカが曲を盛り上げております。
また、Jeff Mironovのギターもいかしてます。
5曲目の"What's Come Over Me"はHarvey Mason(このアルバムにもゲスト参加している)とFrank Floydの共作のナンバーです。
Frank Floydのファルセット・ヴォイスが素晴らしいメロディアスなバラード・ナンバーです。
ラスト・ナンバーの6曲目"A Shift In The Wind"は唯一のインスト・ナンバーです。
Jeff Mironovのペンによるナンバーで、当時のフュージョン・ミュージックそのまんまの最高に生かしたナンバーです。
ギター・ソロもJeff Minorovだと思いますが、かなりのものです。
このThe Writersですが、2枚ともアナログ・レコードを持っておりますが、ずっと、CD化を望んでいたアルバムでした。
最近、良くアナログ・レコードを聴くようになり、このアルバムもデジタル化するリストに入れ、CD化祈願コーナーで取り上げようとしておりましたが、何気に"The Writer"でネット検索したらこの4/2にソニーからCD化されたことが判り(完全限定生産だそうです)、すぐ手に入れることとなったわけです。
フュージョン・ファンだけでなくAORファンも納得する1枚です。
2008-04-07
Homi & Jarvis / Friend Of A Friend (1984)

このアルバムは一度CD化されておりますが、今では、かなりの貴重盤となっております。
いろいろなAORの紹介本を見ても、必ずと言って良いほど、このアルバムを紹介しております。
実は私、このアルバムがレコードとして発売された1984年当時、このアルバムの存在は知っておりましたが、購入するのを見送ってしまいました。
ジャケットに写る男女ですが、レーベル(GRP Records)も見ないで、ディスコっぽい内容だろうと判断したからでした。
その後、AORの紹介文を見て、内容がAORだったということを初めて知りました。
もう、その時には、一度CD化されていたものの、既に入手困難という状況でした。
それで、中古レコード屋さんでこのアルバムを見つけた時は、早速購入の運びとなったわけです。
値段も500円ぐらいでした。
レコードの帯(帯付で、状態もかなり良かったです)には、「豪華なミュージシャンに囲まれてアダルトで都会派感覚のヴォーカルが冴える」とあります。
先ず、プロデュースがGRP Recordsの創始者のDave Grusin & Larry Rosenということで、音的には帯の文句が先ず間違いないだろうと思いました。
参加ミュージシャンもLee Ritenour、David Sanborn、Marcus Miller、Steve Khanなどフュージョン界を代表するアーティストばかりです。
まあ、これで内容が悪い訳がない、そう判断できます。
AOR本に紹介されているだけあって、全体の出来もかなりのものだと思います。
特に、A面の1曲目"I'm In Love Again"は数多のAORナンバーの中でも出来はかなりのものだと思いますね。
メロウかつメロディアスで、雰囲気いっぱいのこれぞAORナンバーといった内容の曲です。
この1曲だけで、このアルバム価値の殆どを占めるといっても過言ではないかも。
ギターはJoe Beck(このアルバムの大半がこのギタリスト)の途中のギター・ソロは短いながらかなりそそります。
このナンバーが飛びぬけて良く出来ているため、他のナンバーの印象が薄いように感じられますが、他のナンバーも軽く平均点を超えていると思います。
その中で、2曲目の"Friend Of A Friend"は男性のBrian Jarvisがリード・ヴォーカルをとったナンバーですが、これも雰囲気満点のAORナンバーとなっております。
4曲目の"You Got Me Fallin'"はもう一方の女性Amanda Homiがリード・ヴォーカルをとるナンバーで、アーバン・ソウルといったメロディアスなナンバーで、こちらも雰囲気最高のナンバーです。
5曲目の"Believe In Yourself"も良く出来たメロディアスなバラード・ナンバーですが、特にDavid Sanbornのサックスが最高です。
B面の1曲目"If You See Him"はファンキーなナンバーで曲の出来としてはイマイチといった感じですが、Lee RitenourがギターをRoss VannelliとJoe VannelliがSynthesizerを担当しております。
2曲目"It Didn't Work Out That Way"は一転してメロディアスなバラード・ナンバーで、Amanda HomiとBrian Jarvisのデュエットがとてもいかした内容となっております。
また、このナンバーでは、Steve Khanがアコースティック・ギターを弾いておりますが、これがまた曲を盛り上げております。
3曲目の"Love's Taking Over"がまた都会的なサウンドを持ったナンバーで、Marcus Millerのチョッパー・ベースとDavid Sanbornのサックス・プレイがご機嫌です。
ミディアム・スロウなナンバーながら、とてもファンキーに聴こえます。
4曲目の"Run That By Me"でもMarcus Millerのベース・プレイはカッコ良いです。
このナンバーも3曲目同様、とてもファンキーなナンバーとなっております。
ラスト・ナンバーの5曲目"Some Hearts"はハーモニカをフィーチャーしたバラード・ナンバーです。
これが結構良いんですね。
ということで、非常に良く出来たAORアルバムだと思います。
中古ショップやネット・ショップでもこのCDは殆ど見たことがありません。
是非、再CD化して欲しいアルバムですね。
2008-04-06
Shaun Cassidy / Under Wraps (1978)

「レコードから音楽を手軽にパソコンへ取り込める」を謳い文句にした今回の発売ですが、なるほど、今まではサウンドボード経由でしたし、プレーヤーから直接取り込むことは出来なく、アンプ経由か、プレーヤーに増幅装置を繋げなければなかったことを考えると、プレーヤーとパソコンを直接繋げることが出来るということは、大変魅力的な話です。
私もすでに予約注文し、今から手元に届くことを楽しみしております。
世の中、CD化されていないアルバム、あるいは一度CD化されたが既に手に入らなくなっているアルバムが、それこそたくさんあります。
でも、そんなアルバムでも、CDでは聴けなくてもアナログのレコードでは、かなりの枚数を聴くことができます。
ということで、最近はまたアナログ・レコードの未CD化のアルバムを買い集めております。
今回紹介するShaun Cassidyの"Under Wraps"はアナログ・レコードが発売された時に購入したものですが、一向にCD化されることもなく、ずっとCD化を望んでいたもので、その内、私のホームページでCD化祈願アルバム特集に載せようかとしていたアルバムです。
ソニーからのUSB端子搭載のステレオレコードプレーヤーが出ると聞いて、アナログ・レコードを聴きなおしておりましたが、やっぱり、このアルバムの出来の良さを伝えたくてアップしました。
先ず、バック・ミュージシャンが凄いんですね。
ギターにJay Graydon、Davy Johnston、Ben Benayなどが、DrumsはCarlos Vega、KeyboardsにGreg Mathieson、Jim Greespoon (ex Three Dog Night)、Michael Lloyd、BassにDennis Belfieldなど、Backing VocalsにはBill Champlin、Tom Kelly、Bobby Kimballなど、といったAORファンが喜びそうなミュージシャンが参加しております。
もちろん、アルバムの内容も最高にいかしたAORアルバムとなっております。
曲は、Shaun Cassidyのオリジナル・ナンバーのほか、Bill Labounty、Brian Wilson、Carole Bayer Sager、Peter McCannなどの書いたナンバーが収められております。
A面の1曲目"Hard Love"はポップなロックンロール・ナンバーで、これぞポップスといった元気一杯のシングル・カット出来そうなナンバーです。
ギター・ソロはおそらくJay Graydonのように聴こえます。
2曲目の"Taxi Dancer"もいかしたポップスです。
さすが、ポップスを知り尽くしたMichael Lloydのプロデュースだけあるナンバーです。
このナンバーでも、途中のギター・ソロはJay Graydonだと思います。
3曲目の"Lie To Me"はBill LaBountyとJay Senterのペンによるナンバーで、メロディアスなミディアム・テンポのAORしたナンバーです。
このナンバーはかなりお薦めです。
軽めのサウンドとJohn D'Andreaのサックスがいかしてます。
4曲目の"One More Night Of Your Love"はバックの音がとてもいかしたミディアム・テンポのAORナンバーです。
このナンバーでも短いながらもJay Graydon(多分)のギター・ソロが収められており、また、バック・コーラスがいかしたナンバーとなっております。
5曲目の"It's Like Heaven"はBrian Wilson (ex Beach Boys)が曲作りに参加しているナンバーです。
さすが、コーラスを重視したナンバーで、The Beach Boys風ですね。
B面の1曲目"Our Night"はCarole Bayer SagerとBruce Robertsのペンによるナンバーです。
ディスコ・タッチの洒落たAORナンバーとなっております。
2曲目の"She's Right"はSteely Dan風のサウンドのナンバーです。
バックのドラムスとピアノの音なんかまさにSteely Danといったところか。
これもとても洒落た音となっております。
3曲目の"Midnight Sun"はPeter McCannのペンによるナンバーで、このアルバム一押しのナンバーです。
Shaun CassidyのCDといえば、ベスト・アルバム1枚しか出ておりませんが、このナンバーが収められていれば諦めもついたのでしょうが、CDには収められておりません。
ということで、このアルバムのCD化を切に望んでいるんです。
非常にメロディアスなバラード・ナンバーで、まさにAORしております。
もう、とにかく、「聴いてみろ!!」のナンバーです。
ラストの4曲目"Right Before Your Skies"も美しいピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
このナンバーは、Shaun Cassidyのオリジナルですが、Shaunといえば俳優としても有名ですが、何の何のソングライターとしても秀でたものを持っているようです。
ヴォーカルも聴きやすいですし、単なるティーン・エージャー向けのポップ歌手ではありませんね。
なお、このアルバムのプロデューサーはMichael Lloyd、アレンジはこのアルバムでサックスを吹いているJohn D'Andrea、エンジニアはHumberto Gaticaとなっております。
もう、このメンバーを聞いただけで、AORファンは涎が出ると思いますね。
でも、Shaun Cassidyのオリジナル・アルバムは何でCD化されないのでしょうか?
兄貴のDavid CassidyはCD化されているのにも拘わらず。
2008-04-04
Mr. Mister / Broken Kyrie (1998)

もちろん公式アルバムではなく、ブートCDです。
でも、これがライン録りで音質が非常に良いものとなっております。
そういうこともあり、ライヴの臨場感もばっちりです。
収録されているナンバーは全10曲で、1曲"Life Goes On"だけが1stアルバムから選曲されております。
ということで、"Welcome To The Real World"から漏れたナンバーは、"Run To Her"ですが、このナンバーのスタジオ録音の出来が良かったので、ライヴ盤から漏れたことは、とても残念です。
このライヴ音源を聴く限り、スタジオ録音と変わらない出来というか、ライヴの臨場感が素晴らしく、Mr. Misterというバンドは、最高にカッコ良いライヴ・バンドだということが判ります。
Richard Pageのヴォーカルとベースはもちろんのこと、Steve Georgeのキーボード、さらにPat Mastelottoのドラムスもカッコ良いですし、極めつけはSteve Farrisのギターですね。
このライヴ・パフォーマンスでのSteve Farrisは弾き捲っております。
それも、最高のテクニックで、です。
収録ナンバーは次の順番となっております。
1曲はバンド紹介のMCが入っているので、当日は、この順番で曲が披露されたのだと思います。
ただし、全てのナンバーが収録されているかどうかは判りませんが。
1 Black & White
2 Something Real
3 Tangent Tears
4 Is It Love
5 Broken Wings
6 Uniform Of Youth
7 Life Goes On
8 Welcome To The Real World
9 Don't Slow Down
10 Kyrie
1曲目でのSteve Farrisのギター・プレイは圧巻です。
これは、スタジオ録音よりとてもいかしてます。
2曲目では、Steve GeorgeのキーボードとPat Mastelottoのドラミングがいかしてます。
4曲目は私の好きなナンバーですが、ライヴでも音のブレは全くなく、Mr. Misterがプロ集団だと判るバンドで、かつ、ライヴ・バンドであるということを証明してくれております。
5曲目は大ヒットのナンバーです。
Richard Pageのヴォーカルもスタジオ録音スタジオ録音と殆ど変りなく、本当に歌が上手な人なんだなと惚れぼれします。
6曲目では、Pat Mastelottoのドラミングが最高で、なるほど、King Crimsonというプロ集団の中に入っても務まるテクニックがあるということを証明してます。
こういったロック・ナンバーは、ホント、ライヴ向けにピッタリのナンバーだと思います。
7曲目は1stアルバムの"I Wear The Face"からのナンバーですが、全体的な雰囲気からはちょっと浮いている感じも。
1stからの選曲だったら、"Hunters Of The Night"の方が良かったと思いますし、敢えて"Run To Her"を外さなくても良かったと思います。
10曲目も5曲目と同じくらい大ヒットしたナンバーです。
Steve Farrisの最高にいかしたギターとSteve Georgeの素晴らしいキーボードから曲は入ります。
そして、Richard Pageのとても上手なヴォーカル、Pat Mastelottoのテクニカルなドラミング、どれをとっても言うこと無しです。
全10曲を聴いて思うことは、バラード・ナンバーが無いということですね。
そういう観点からも"Run To Her"は外して欲しくなかったですね。
でも、ライン録り、音質もバッチリですので、Mr. Misterファン必聴のブート・アルバムだと思いますね。
2008-04-03
Stan Bush / Higher Than Angels (1996)

今回紹介するのは、当時Zero Corporationが発売された国内盤ですが、本国で出されたオリジナル・アルバムは"The Child Within"というタイトルで、収録ナンバーも若干異なっております。
ところで、Zero Corporationは日本のインディ・レーベルでしたが、メロディアス・ハードロックの良質のアルバムを相当出しておりました。
当時、このレーベルから発表されたアルバムは全てチェックし、相当の枚数(アーティスト)のアルバムを購入しておりました。
海外では、Long Island Recordsという、これまた、最高のインディ・レーベルもありました。
この2つのレーベルもすでに潰れ、ここから発売されたCDは貴重盤となっているアルバムも結構あります。
このStan Bushのアルバムも、このZero Corporationから、今回紹介する"Higher Than Angels"のほかに、"Dial 818-888-8638"、"Call To Action"の3枚のアルバムが出ており、そのどれもが、貴重盤扱いとなっております。
といっても、Stan Bushが所属するL.A. Recordsでは、Stan Bushの全アルバムを購入できますが、これが盤はCD-Rで、ジャケットば素人がパソコンで印刷したような代物です。
まあ、Stan Bushの音源を聴けるということを考えれば、聴いてみたい人にとっては、少しは良いかも。
で、この"Higher Than Angels"でも、相変わらずのメロディアス・ロックというか、かなりAORしたサウンドを聴くことができます。
1曲目のタイトル・ナンバー"Higher Than Angels"はJohn Waiteの"Missing You"に似たタイプのアコースティカルなバラード・ナンバーです。
あるいは、Mr. Bigの"To Be With You"タイプのナンバーと言っても良いでしょうか。
2曲目の"I Never Wanted To Fall"もミディアム・テンポのメロディアスなナンバーです。
これもほぼAORしたナンバーとなっております。
3曲目の"Until I Was Loved By You"は美しいピアノの音から入るバラード・ナンバーで、Stan Bushの真骨頂といったところでしょうか。
ホント、Stan Bushというのは類稀なソングライターですね。
4曲目の"The Price Of Love"というタイトルからは、Bad Englishを思い出します。
Bad Englishの同じタイトルのナンバーもメロディアスなバラード・タイプの盛り上がりのあるナンバーでしたが、このStan Bushのナンバーも盛り上がりのあるバラード・ナンバーに仕上がっております。
5曲目の"If We Ever"は、Stan BushとCurt CuomoのいつものコンビにKissのPaul Stanleyも曲作りに参加しております。
このナンバーもメロディアスなバラード・タイプのナンバーです。
でも、途中のギター・ソロは圧巻です。
6曲目の"I Say A Little Prayer"は、このアルバムの中では少しハードめのナンバーですが、それでも、ほんの少しといった感じです。
これもメロディアスなナンバーで、途中のサックスの音がかなりいかしてます。
7曲目の"Always"もアコースティカルなバラード・ナンバーとなっております。
どことなくJ.D. Southerが歌いそうなナンバーみたいです。
8曲目の"Yesterday's Song"は少しばかりハードですが、音的にはとてもシンプルです。
Stan Bushのヴォーカルを聴かせるナンバーとなっております。
9曲目の"Beginner's Luck"も再びメロディアスなピアノを主体としたバラード・ナンバーです。
完全にAORしたバラードとなっております。
ラスト・ナンバーの10曲目"I Was Wrong"はこれぞStan Bushといったパワー・バラードのナンバーで、最高にいかした1曲となっております。
このナンバーの出来は素晴らしいですね。
このアルバムですが、音(アレンジ)の華美・華燭といったものを極力排除したとてもシンプルな作りとなっていると思います。
そういう意味で、Stan Bushのメロディ・メーカーとして卓越したところが強調されたアルバムだと思います。
普段のハードポップしたアルバムというより、ほぼAORしたアルバムとなっております。
2008-04-01
Jeff Paris / Race To Paradise (1986)

実は、このアルバムについては、私がちょくちょくお邪魔するブログに紹介されていたのがきっかけで知りました。
私は、1987年の"Wired Up"でJeff Parisを知り、その後良く聴くようになりました。
Vixenの大ヒットナンバー"Cryin'"の作者で、自身もこのアルバムで披露しております。
それ以降、かなり良い曲を書けるソング・ライターとして認識もしましたし、この"Wired Up"には私の好きなギタリストの一人、Michael Thompsonが全面的にサポートしたアルバムでしたので、今でも愛聴盤の一枚となっております。
そんな、Jeff Parisが前年に、この"Race To Paradise"という1stを出していたということを知らなかったわけです。
また、そのブログには、このJeff Parisがあのブルーアイド・ソウルのバンド"PIECES"の中心人物 GEOFFREY LEIBだったという、私とっては驚きの事実が書かれておりました。
このブログを見てからというもの、是非、この"Race To Paradise"を聴いてみたいと思って、海外のネットショップをいろいろ覗くと、ドイツのネットショップ"Schmankerl Records"に在庫があるのが判り早速注文して、手に入れることができました。
レア盤と思い、相当高い値段を想定しておりましたが、送料込みで21ユーロくらいでしたので、おそらく通常の値段なんだと思います。
デッド・ストックものなのかも?
で、早速このアルバムを聴いてみると、2ndに通ずるメロディアスなハードポップのアルバムでした。
1曲目の"I'm Better"は、Bon Joviタイプのメロハーといったナンバーです。
2ndでは全編Michael Thompsonのギターでしたが、このアルバムでは、Jeff Paris本人がギターを弾いており、これがまたグッドなんです。
2曲目の"Mystery Girl"メリハリのあるナンバーで、これもそこそこの出来です。
3曲目の"My Girl"はフックもあり、とてもメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
Jeff Parisはギターのほかに、ピアノやキーボードも演奏しておりますが、それらもかなり良い雰囲気です。
4曲目の"Give It Away"はMichael Thompsonとの共作ナンバーで、これもBon Joviタイプのメロハーといったところです。
5曲目の"Don't Make Promises"は出だしのギターのリフがカッコ良いメロディアスでポップなナンバーです。
産業ロックを若干ハードにしたとてもいかしたナンバーです。
6曲目の"Back On My Knees"はメロディアスながらドライヴ感があるカッコ良いナンバーです。
ホント、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
7曲目の"Hot Love"もMichael Thompsonとの共作ナンバーです。
これぞメロディック・ロックしたご機嫌なナンバーです。
Jeff Parisのハイトーン・ヴォーカルも良いですが、それ以上に彼のギター・ソロが最高です。
8曲目の"Rock Tonighjt"はJeff Paris、Michael Thompson、David Batteauの3人による共作のナンバーです。
かなり良く出来たハードポップ・ナンバーで、これは聴きものです。
ヴォーカルも演奏もとても良いです。
ラストのタイトル・ナンバーの9曲目"Race To Paradise"はほぼ産業ロックしたメロディアスなナンバーです。
バックのキーボードの音が良いですね。
2ndの"Cryin'"みたく飛びぬけて良く出来たナンバーこそありませんが、アルバム全体の出来としてはそこそこですので、メロディ・マニアにはお薦めです。