2008-06-30
DNA / Party Tested (1983)

当初の予想通り、盤はCD-Rでジャケットもチープなものに変更されていました。
盤を見ると、かなり多くのキズ(これでも新品?)も見られましたが、音的には問題ありませんでした。
また、リ・マスターを施されているようで、この辺は、まあ、納得。
以前、Renaissance Recordsからのコンピレーション・アルバムに"Doctors Of Universe"が収められていたことがありましたが、アルバム全体をCDで聴ける(それもリ・マスターされているもの)のが、ただただ嬉しいだけです。
このアルバムが1983年に出された時、"Doctors Of The Universe"はヘヴイ・ローテーしておりました。
全7曲と局数は少ないですが、"Doctors Of The Universe"以外にも良い曲が収められております。
1曲目は、その"Doctors Of The Universe"ですが、これが素晴らしく良く出来た産業ロック風のナンバーなんですね。
それもご機嫌なポップ・ナンバーです。
このアルバムの一押しです。
2曲目の"Intellectual Freedom For The Masses"は、Rick Derringerのギター・プレイとCarmine Appiceのドラム・プレイが最高にカッコ良いナンバーです。
これも最高にご機嫌なナンバーです。
3曲目の"Rock & Roll Part II"はDNAのメンバーの演奏力の高さを表した殆どインストに近いナンバーです。
バンドは、Carmine、RickのほかにキーボードにDuane Hitchings(Eric Carmenとも良く曲を書いている)、ベースにJimmy Johnsonという4人です。
4曲目の"The Song That Wrote Itself"は軽めのハードポップといったナンバーです。
ここでもRickのギターとCarmineのドラムスはご機嫌です。
5曲目のタイトル・ナンバー"Party Tested"は、3曲目の続編みたいなロックン・ロールしたナンバーです。
このナンバーもほぼインストに近いナンバーで、メンバーの技量を惜しみなくだしております。
CarmineのドラムスはVanilla Fudgeの時からカッコ良かったですが、最高のドラマーですね。
6曲目の"The Recipe For Life"は曲自体の出来はそれほどでもないですが、バックの演奏は良いですね。
ラストの7曲目"What About?"も、インストがメインのナンバーで、5曲目同様、バンド・メンバーそれぞれのプレイが光っております。
特にやはりRickのギターとCarmineのドラムスは最高です。
下のジャケットが変更後のものですが、これが相当にダサい、ときています。
音はリマスターされカッコ良くなったのに、何故オリジナル・ジャケットを使用しなかった(できなかった?)のでしょうか。
この"Party Tested"はとてもいかしたハードポップ・アルバムですので、気になる方は、Carmine Appiceのオフィシャル・サイトへどうぞ。

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2008-06-29
Richard Marx / Repeat Offender (1989)

少なくとも、どのアルバムも中古価格以上の内容であることは間違いはありません。
元々David Fosterが見つけてきたというヴォーカリストですが、そのデビューは鮮烈なものでした。
1stアルバム"Richard Marx"からカットされたシングル4枚は全てチャート・インするという快挙でした。
AORも下火となっていた1987年にRichard Marxはデビューしました。
1stは、AORといえば若干ハードでしたが、とにかくメロディアスなナンバーが多く集められており、ソングライターとしても非凡な才能を著わしておりました。
本日紹介する"Repeat Offender"は1989年の彼の2ndアルバムです。
1stの出来が良く大ヒットすると、そのプレッシャーからか2ndはそれほどでもないというパターンは多く見受けられますが、このRichard Marxに限ってはそういうことはありませんでした。
当時のRichard Marxは日の出の勢いといった感じで、自分のアルバムをヒットさせたばかりではなく、VIXENに曲を提供するなど目を瞠るばかりの活躍ぶりでした。
この2ndも1stに優るとも劣らない内容となっております。
1曲目の"Nothin' You Can Do About It"はSteve Lukatherのエッジの効いたギターから始まるメロディアスなハードポップ・ナンバーで、今ではRichardの代表的なナンバーとなっております。
2曲目の"Satisfied"もMichael Laundauのカッコ良いギターソロから始まるいかしたハードポップのナンバーです。
これら1曲目、2曲目ともとても素晴らしいです。
3曲目の"Angelia"はRichard Marxお得意のパワーバラードのナンバーです。
このナンバーも彼の代表曲で、メロディも最高のフックに満ちたナンバーです。
Marc Russoの途中のサックスやMichael Landauのギター・ソロなど聴きどころがいっぱいです。
4曲目の"Too Late To Say Goodbye"はTHE TUBESのFee Waybillとの共作です。
前奏がとてもカッコ良いメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
とにかくカッコ良いという言葉がピッタリのナンバーですね。
5曲目の"Right Here Waiting"はピアノの音が美しいメロディアスなバラード・ナンバーで、しっとりと歌い上げているRichardのヴォーカルが最高のナンバーです。
6曲目の"Heart On The Line"は珍しくBruce Gaitschがギター・ソロを担当しているハードポップのナンバーです。
このナンバーもそこそこです。
7曲目の"Living In The Real World"はロックンロールしたご機嫌なナンバーです。
8曲目の"If You Don't Want My Love"もFee Waybillとの共作で、とても良く出来たハードポップのナンバーに仕上がっております。
また、このナンバーでのギター・ソロもBruce Gaitschが担当しております。
9曲目の"That Was Lulu"もロックンロールしたご機嫌なナンバーです。
Dave Kozのサックスも雰囲気を盛り上げております。
10曲目の"Wild Life"は日本盤のボーナストラックです。
レゲエ調のリズムに乗ったポップなナンバーです。
11曲目の"Wait For The Sunrise"もMichael Landouのギター・プレイがいかしたハードポップ・ナンバーです。
ラストの12曲目"Children Of The Night"は詩の内容がちょっとばかり重たいですが、曲はとてもメロディアスなバラードとなっております。
Michael Landau、Michael Omartian、Tom Scott、Kevin Croninがバックを固めており、バックの演奏は素晴らしいです。
Richard Marxの2ndもとても素晴らしいアルバムとなっております。
これからRichard Marxを聴こうとしている皆さん、Richard Marxのどのアルバムも中古市場ではめっぽう安いですので、是非、集めてください。
私も安くなってから、結構集めました。
2008-06-28
Kenny Loggins / Back To Avalon (1988)

それに伴いアルバムも買わなくなってしまいましたが、中古ショップでは結構安く売っており、まあこの値段だったらということで、Vox Humana以降のアルバムも最近買うようになりました。
で、本日購入したCDがこれです。
価格は380円でした。
それが聴いてみて出来が良いことにビックリでした。
このアルバムは、1988年に発表されたものですが、AORも下火になっておりましたし、前作の"Vox Humana"はDavid Fosterが絡んでいる割に、私としては手応えがなかったということで、この"Back To Avalon"は結局買わず終いでした。
この"Back To Avalon"は曲によってプロデューサーが違います。
収められているナンバーもとてもAORしたナンバーで、"High Adventure"を彷彿させる内容となっております。
1曲目の"Nobody's Fool"はDennis Lambertのプロデュースによるナンバーで、"Theme from "Caddyshack II"とありますから映画のサントラかなんかで使われたナンバーなんでしょうが、これが"Footloose"タイプの元気一杯のナンバーです。
2曲目の"I'm Gonna Miss You"はPeter Wolfのプロデュースによるミディアム・テンポのメロディアスなAORナンバーとなっております。
とても素敵なナンバーで、"Nightwatch"時代の全盛期を彷彿させてくれます。
3曲目の"Tell Her"はRichie Zitoのプロデュースによるナンバーです。
力いっぱいに歌うKennyのヴォーカルがカッコ良いポップな曲です。
4曲目の"One Woman"はRichard Pageのプロデュースによるナンバーです。
Pat Mastelotto、Steve Farris、Steve Georgeが脇を固めているせいか、Mr. Mister風です。
かなり良く出来たナンバーですし、Steve Farrisのギター・ソロが最高です。
タイトルナンバーの5曲目"Back To Avalon"は再びPeter Wolfのプロデュースによるナンバーです。
メロディアスな、これぞKenny Logginsのバラード・ナンバーといった感じです。
どことなくDavid Foster風でもあります。
Dann Huffのギターがカッコ良いです。
6曲目の"She's Dangerous"はPatrick Leonardのプロデュースによるナンバーです。
Michael McDonaldとの共作で、ヴォーカルもMichaelとデュエットしています。
Patrick Leonardのキーボード、Dann Huffのギター、John Robinsonのドラムスとくれば、バックの演奏がカッコ良いのも当たり前か。
7曲目の"True Confessions"は再びPeter Wolfのプロデュースで、John Waiteの"Missing You"に似たナンバーとなっております。
8曲目の"Hope For The Runaway"はPatrick Leonardのプロデュースです。
エレクトリック処理されたサウンドはPatrick Leonardのものでしょうが、こういったアレンジでなければ最高にいかした楽曲になると思うのですが。
メロディも良いですし、"Nightwatch"でのBob James辺りがプロデュースしたら全く違う曲になると思いますね。
9曲目の"Isabella's Eye"はPeter Wolfのプロデュースです。
このナンバーもKenny Logginsらしい、メロディアスなAORナンバーとなっております。
なかなか結構なナンバーですね。
10曲目の"Blue On Blue"はRichie Zitoのプロデュースです。
これは最高にいかしたナンバーですね。
とにかくメロディも良いですし、曲全体が素晴らしいです。
Tim Pierceのギター・ソロがとてもカッコ良いです。
さすが、Richie Zitoのプロデュースだけあります。
ラストの11曲目"Meet Me Half Way"はGiorgio Moroderのプロデュースによるナンバーです。
これが、また、良く出来たメロディアスなバラード・ナンバーなんですね。
こんなナンバーを歌っている時のKennyのヴォーカルは最高です。
とても良い曲です。
このアルバムに収められているナンバーは何曲かは、ベスト・アルバムで聴いておりますが、アルバム全体を通して聴いたのは初めてです。
Kenny Logginsのアルバムの中でもトップの方でしょうね。
2008-06-27
Richard Page / Shelter Me (1996)

Andy Gibbのバックバンドから盟友Steve Georgeと組んだPAGES、さらによりロックっぽさを追求したMr. Mister、そしてPat Leonardと組んだ3rd Matineeで大ズッコケしたRichard Pageが1996年に発表したソロ・アルバム。
プロデュースはRichard Page本人とKim Ballardで、バックにはMichael Thompson、Jerry Marottaなどが担当しております。
全体的にアコースティックしたサウンドで、私も含めてだと思いますが、Pages、Mr. MisterでのRichard Pageを知るものからみると、物足りなさも感じるかもしれませんね。
最初にこのアルバムを聴いた時は、事実そういった感じで、その後、あまり聴く機会も無いままでした。
で、その内、私のメインのサイト"AOR PARADISE"でPages、Mr. Misterの特集をと思い、このソロ・アルバムを久しぶりに棚から出して聴いてみました。
久しぶりに聴いた感じは、AORは基本的には、AIRPLAYタイプのロマンティック・ハードネス路線の方が好きですので、サウンドの物足りなさはやはり否めないですね。
でも、さすが、歌は最高に上手いです。
1曲目の"The Best Thing"は、このアルバムの中でもかなり良く出来たナンバーだと思いますね。
それもそのはずで、このナンバーは、Richard PageとMarc Jordanの共作です。
このままでもとても良く出来たAORナンバーだと思いますが、PAGES時代のアレンジだったら、さらに好きになるナンバーでしょうね。
2曲目の"My Oxygen"なんかも素晴らしいバラード・ナンバーですね。
こういったアコースティカルなシンプルなアレンジも良いかも。
3曲目の"Even The Pain"を聴いていると、Marc Jordanが"A Hole In The Wall"から次作"Talking Through Pictures"で見せたサウンド変化を思い出します。
4曲目の"Shelter Me"はこのアルバムを聴いた時、一番最初に好きになったナンバーです。
レゲエ調のリズムに乗ったメロディアスなAORナンバーです。
とにかく曲の出来が良いです。
5曲目の"Let Me Down Easy"はRichard Pageのヴォーカルを堪能できるナンバーです。
6曲目の"A Simple Life"はタイトル同様いたってシンプルなナンバーです。
7曲目の"Dependence"はナイロン・ストリングスのギターの音が雰囲気を醸し出しているナンバーです。
8曲目の"Just To Love You"も良く出来たメロディアスなパワーバラードのナンバーだと思いますよ。
バックのMichael Thompsonのギターもとても素敵ですし。
この曲は良いですね。
9曲目の"If All Else Fails"もRichard Pageのヴォーカルが堪能できるナンバーですが、いまいちフックに欠けるかな。
ラストの10曲目"Heaven Is 10 Zillion Light Years Away"はStevie Wonderのペンによるナンバーで、Steve Farrisがギターを、Steve Georgeがバッキング・ヴォーカルを担当しております。
"Go On..."時のMr. Misterの雰囲気もあります。
こうやって聴き直してみると、そんなに悪くないアルバムですね。
最初に聴いた時より、好きなナンバーが増えました。
2008-06-26
Victory Group / Tomorrow (1982)

1982年に発表されたVictory Groupのセルフ・タイトルのアルバムです。
レーベルからの紹介文は以下のとおりです。
HOLY SMOKES - WHAT IS THIS? AOR FANS AND COLLECTORS ALL OVER THE WORLD HAVE LONG LAMENTED THE FACT THAT ONE OF CANADA'S GREATEST 80s AOR ALBUMS WAS NEVER RELEASED ON CD.....BUT THANKS TO RETROSPECT RECORDS HERE IT IS IN ALL ITS GLORY! A FANTASTIC SLICE OF EARLY 80s AOR THAT EVERY COLLECTOR SHOULD OWN. GREAT VOCALS , HUGE CHORUSES AND A PERFECT BLEND OF KEYS AND GUITARS MAKES THIS AN ESSENTIAL ADDITION TO YOUR 80s MELODIC ROCK / AOR COLLECTION. VERY VERY HIGHLY RECOMMENDED TO FANS OF: Survivor , Styx , Dixon House Band , Franke & The Knockouts , Prism , RPM , Sharx , Alliance , Michael Stanley Band , Jackson Browne , New England , Spys AND EVERY OTHER TOP-NOTCH EARLY 80s BAND. WOW!
紹介文で出てくるバンド名を見ていただくと、いわゆる、産業ロックのバンドが数多く挙げられております。
一部アメリカン・プログレハードのバンド名もありますが、このVICTORY GROUPはそれとはちょっと違った感じで、ウエスト・コーストした産業ロックといいますが、音が乾いた感じがします。
CDを聴く感じでは、演奏力も高く、ヴォーカルもオーソドックスなスタイルで聴き易いものとなっております。
曲によって若干の出来・不出来がありますが、全体としては、当時の産業ロックとしてのレベルはクリアしていると思いますね。
当時、こういった産業ロックやAORのバンドやアーティストが発表したアルバムが多数存在したということですが、これらのバンド・アーティストのほんの一部が陽の目を見ることができました。
多くのバンド・アーティストはアルバムを1枚出しただけで、あるいはお蔵になったものもあるのでしょうが、消えていったのでしょうね。
そういったバンド・アーティストに目をつけ、CD化して現在において知らしめるRetrospect Recordsは素晴らしいレーベルだと思いますね。
レーベルのサイトを覗くと、Coming Soonのコーナーに無名のバンドがズラリと並んでおります。
アルバムの紹介文を見ると、食指が動きそうなバンドもたくさんあり、今から出るのが楽しみです。
VICTORY GROUPですが、先ず、ジャケットがダサい、これが売れなかった原因の一つでしょうね。
音は、メロディアスですし、ジャケットとはまるで違います。
1曲目の"Tomorrow"はとてもポップな感じのナンバーです。
全体的に悪くないですが、ちょっとインパクトに欠ける、そんなナンバーです。
2曲目の"Rock Thru The Night"は当時の産業ロックの音そのまんまの、キーボードとギターのアンサンブルがカッコ良いメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
ウエストコースト風の乾いた感じのナンバーです。
3曲目の"Goodbye, Goodbye"もキーボードとギターの音がカッコ良い産業ロックしたナンバーです。
特にギター・ソロはとても良いです。
4曲目の"Turn And Walk Away"は曲全体がえらくカッコ良いナンバーです。
バックの演奏がかなり良いです。
5曲目の"Take The Time"は洒落た感じのバラード・タイプのナンバーです。
AORテイストも満喫できます。
6曲目の"Falling Down"はメロディアス度はイマイチといった感じですが、キーボードの音が魅力的な産業ロック・ナンバーです。
7曲目の"Don't Let Go"は曲にキレがあるいかしたハードポップ・ナンバーです。
これはお薦めのカッコ良いナンバーです。
8曲目の"Fantasia"もバックの音が良く出来た産業ロックのナンバーです。
ラストの9曲目"It's The Road"はピアノの音が華麗なメロディアスなバラード・ナンバーです。
曲の展開も良いですし、ヴォーカルもそこそこ上手ですし、このアルバムの一押しですね。
盛り上がりもあり、言うこと無いですね。
Retrospect Recordsからは目が離せないです。
2008-06-25
南佳孝 / MONTAGE (1980)

70年代後半から日本ではニュー・ミュージックというジャンルがもてはやされておりました。
これが洋楽でAORが流行った時期とも重なりシティ・ミュージックと名前を変えていきました。
山下達郎、大瀧詠一、伊藤銀次から始まり本日紹介する南佳孝、さらには芳野藤丸、濱田金吾、松下誠、黒住憲五、角松敏生へと連なっていくことになります。
本日紹介の南佳孝は現在に至るまで多数のアルバムを出しており、代表するナンバーとして、「モンロー・ウォーク」や「スローなブギにしてくれ」なんかが有名です。
私にとって、彼のベストを選べと言われれば、迷わずこの「MONTAGE」を選びます。
発表はAOR全盛期の1980年です。
バック・ミュージシャンはこれまた豪華で、南佳孝と昔から交流がある、坂本龍一、高橋ユキヒロ、細野晴臣、大村憲司などのYMO一派、土方隆行、松任谷正隆、鈴木茂などの当時の売れっ子ミュージシャンが務めております。
内容も、最高に良く出来た日本のAORアルバムだと断言できます。
1曲目の「憧れのラジオ・ガール」は当時シングル・カットして結構ヒットしたナンバーです。
キャッチーなメロディを持ったポップ・ナンバーです。
坂本龍一、高橋ユキヒロ、大村憲司などがバックを固めており、YMOらしいデジタル感覚一杯のナンバーとなっております。
2曲目の「コンポジション・1」もレゲエ調のリズムにデジタル処理されたサウンドが乗っかったナンバーで、当時のサウンドとしては漸進的だったと思います。
3曲目の「夜の翼」はタンゴのリズムに乗るメロディアスかつポップなバラード・タイプのナンバーです。
バックのストリングが素晴らしく、本当に良く出来たナンバーです。
4曲目の「カウボーイ・ブーツとハイヒール」はデジタル処理されたアレンジですが、曲自体はメロディアスでポップなナンバーで、60年代のGSバンドが歌いそうな感じの曲だと思いますね。
5曲目の「月に向って」は、ブルース・フィーリング溢れるメロディアスなバラード・ナンバーです。
6曲目の「Midnight Love Call」は私として、南佳孝の数あるナンバーのうち、最も好きなナンバーです。
このナンバーの作詞も南佳孝ですが、彼の感性に共感できます。
彼は相当なセンチメンタリストだと思いますね。
素晴らしくメロディアスなメロディに乗る詩も最高のラブソングのバラード・ナンバーです。
もう言葉もありません。
7曲目の「クレッセント・ナイト」も6曲目の次に良く出来たナンバーで、これぞ日本のAORといった洒落たサウンドを持ったメロディアスなナンバーです。
8曲目の「デジタル・ツイスト」はタイトルどおりデジタル処理を施されたロックン・ロールしたナンバーです。
もちろんバックは、坂本龍一、高橋ユキヒロ、大村憲司のYMO一派が務めています。
9曲目の「風にさらわれて」は松任谷正隆、鈴木茂などがバックを務めるスケール感のあるメロディアスなバラード・ナンバーです。
バックのストリングスも良いですが、松任谷正隆のピアノが最高のナンバーです。
ラストの10曲目「回転扉」は内田勘太郎と大村憲司のアコースティック・ギター、さらに宮内良和のアコースティック・ピアノが冴えるジャジーな感じのナンバーです。
この「MONTAGE」は南佳孝の最高傑作だと思います。
2008-06-24
Naked City / Crawlin' (2008)

本日紹介するNAKED CITYの"Crawlin'"は2008年に発表されたアルバムですが、アルバムのクレジットを見ると、ベースに3人、ドラムスに3人、キーボードに4人の名前が載っており、おそらく、過去の未発表音源を集めたアルバムではないかと思います。
でもこれが、最高にいかしたメロハーを聴かせてくれています。
それこそ、日本人好みのフックに満ちた琴線に触れるサウンドを奏でております。
ジャケットは、ご覧のとおりとてもチープですが、内容は最高に良く、アルバムの1曲目から、これは!というメロディアスなサウンドのオン・パレードです。
1曲目の"Que Sera Sera"のギターのリフから、もう目を離せない(いや、耳を離せない)といった感じで、もう言うこと無しのメロハー・サウンドです。
とにかくギターとドラムスがメチャカッコ良いんです。
また、バックのサックスの音が流れてきますが、これがとてもファンキーでよろしい!
2曲目の"Here I Go Again"はWhitesnakeにも同じタイトルのナンバーがあり、Whitesnakeのナンバーもかなり良かったですが、このNakes Cityのナンバーも決して曲の良さでは負けておりません。
いわゆる、メロハーのバラード・ナンバーですが、ポップかつメロディアスなナンバーで言うことありません。
3曲目の"Dear John"もポップなメロハーで、バックのギター・ソロはもう涙モノです。
さらにフルートなんかも入っていて、1曲目のサックス同様、この辺りにオリジナリティを感じます。
4曲目の"What You Mean To Me"は前奏のサックスのゆったりとして音がいかしたミディアム・スロウのバラード・タイプのナンバーです。
サックスとフルートを担当すミュージシャンがバンド・メンバーとしてクレジットされており、これが一味もふた味も変えているところが他のバンドと違うところなんでしょうね。
5曲目のタイトル・ナンバー"Crawlin'"でも前奏でのサックスいかしてます。
ポップロックしたBon Joviタイプのポップなロック・ナンバーです。
とにかく、ヴォーカルもそこそこですし、バックのプレイが最高です。
6曲目の"Pessimistic Views"はキーボードとギターが絡む産業ロックしたナンバーです。
ポップで適度にハード、申し分無いですね。
7曲目の"Love Slippin' Away"はメロディアスなギター・ソロから入る私好みのナンバーです。
メロディアスなナンバーで、言葉もありません。
いやー、ギター・ソロとサックス・ソロはホント最高です。
8曲目の"Sometimes It Takes More Than Love"はアコースティックギターから入るナンバーですが、本編はメロディアスなハードポップした作りとなっております。
9曲目の"The Other Side"は雷の効果音に続きメロウなサックスの音、そしてピアノ、ドラムスが被さっていくスケール感のあるメロディアスなバラード・ナンバーです。
サックスの音、これは素晴らしいです。
中間部のギター・ソロといい、そんじょそこらのメロハー・バンドとの違いを見せつけてくれています。
10曲目の"You're The One"は、Praying Mantisの"Letting Go"に似たこれぞメロハーといった最高に良く出来たナンバーです。
私は、このPraying Mantisの"Letting Go"というナンバーが大好きですので、この"You're The One"を聴いた時は、っお!!という感じでしたね。
これまた、サックス・ソロからギター・ソロへと変わるとことなんかとてもしびれるし、バックのキーボードがとてもいかしてるんですね。
11曲目の"Restless"はアコースティック・タイプのパワー・バラードといったナンバーです。
コーラス・ワークもバックのプレイもかなり良いです。
ラストの12曲目"Naked City"はバンド名を冠したナンバーですが、自分たちのサウンド・スタイルをそのまま表したようなナンバーとなっております。
サックス、キーボード、ギター、ドラムス、ベースそれぞれのプレイがとてもいかしたメロディアスでポップ、さらに適度にハード、これがNaked Cityだ!と言わんばかりのナンバーだと思いますね。
全曲捨て曲無しの強力な1枚で、最近聴いたメロハーのアルバムの中でもピカ一だと思いますよ。
Retrospect Recordsからの発売ということで、メジャーなCDショップの流通経路には乗らないだろうと思いますが、メロハー・ファンは絶対に聴いてみるべきですね。
2008-06-23
Bootcamp / Final Drill (2008)

ここのサイトを見ると、結構な早さで、70年代後半、80年代、90年代のハードポップ、メロディアス・ハードのインディーズのバンドのアルバムのCD化を行っております。
私は、このサイトを知ってから頻繁に覗いておりますが、またまた食指を動かすようなバンドのアルバムが紹介されました。
このサイトは、レーベルが運営するネット・ショップともなっており、Paypalを利用すれば簡単に購入できます。
値段も1枚10ドルちょっとで送料を入れても15,6ドルで手に入れることができますので、私もかなりの頻度で利用しております。
ブログで紹介したALLIANCE、FURY、SHARX、Jim Goareなどはここから直接購入しました。
本日紹介いたしますBOOTCAMPというバンドのアルバムも本日届いたばかりのCDです。
今回はこのBOOTCAMP以外にも興味が湧きそうなアルバムを4枚ほど購入いたしました。
BOOTCAMPのサイトの紹介は、
"HOLY SMOKES - WHAT IS THIS? AOR FANS AND COLLECTORS ALL OVER THE WORLD HAVE FALLEN ALL OVER THEMSELVES FOR YEARS TO FIND THESE EXTREMELY OBSCURE TRACKS AND NOW HERE THEY ARE ON CD FOR THE FIRST TIME EVER! MANY OF THESE SONGS HAVE NEVER SEEN THE LIGHT OF DAY BEFORE , IN ANY FORMAT! WHAT WE HAVE HERE ARE 12 TOP-NOTCH EARLY 80s MELODIC ROCK / AOR TRACKS LOADED WITH RICH KEYBOARD WORK , BIG HOOKS AND VERY TASTY GUITAR WORK. VERY HIGHLY RECOMMENDED TO FANS OF: Fortune , Beau Geste , I-Ten , The Producers , Aviator , Charlie , Dreamstreet , Sharx , The Innocent , Avalon , Agent , Balance , Spys AND MANY OTHER QUALITY 80s AOR ACTS... "
となっております。
この紹介で出ているバンド名を見て、興味を示す産業ロックやハードポップのファンはたくさんいると思います。
私は、全く知らないバンドについては、サイト紹介の記事を見て購入をしてきましたが、全くのハズレのバンドはありませんでした(もちろん、あまり興味を覚えなかったバンドもありましたが)。
少なくとも、私のブログで紹介したバンドのアルバムはかなり出来が良かったと思っております。
本日紹介するBOOTCAMPも出来としてはかなりのレヴェルだと思います。
前出のバンドを見ると産業ロックしたサウンドを期待すると思いますが、このBOOTCAMPのサウンドはまさに産業ロックしたポップなサウンドです。
ジャケットを見ても殆どクレジット的なものが載っていないので、どんなバンドか全く不明ですし、アナログでもアルバムが出されたかどうかもわかりませんが、全12曲が収録されており、1979年から1985年のにかけて録音された音源だとわかる程度です。
メンバーは、Tom Alonso (Keys)、Tim Camp (Vo, B)、Bob Fallin (G)、Howard Zizzi (Dr)の4人組で、バンド名を考えると、おそらくヴォーカルとベースを担当しているTim Campなる人物がリーダーだと想像できます。
このBOOTCAMPですが、紹介文にあるバンドを引き合いに出しておりますが、産業ロックには違いありませんが、引き合いに出されているバンドの音に似ているかというとそうでもありません。
結構オリジナリティがある軽め(と表現したら良いのかどうか)のサウンドですし、演奏力やヴォーカルの声質はかなり私の好みです。
どちらかというと、Novo Comboというバンド(Michael Shrieve, Carlos Riosなどが在籍)のサウンドに近いかも。
1曲目の"Ring Circus"はかなりカッコ良いキーボードの音から入るナンバーで、これに絡むギターの音といい、これは紛れもなく産業ロックしたナンバーです。
2曲目の"Shoot The Moon"もキーボードが主体のメロディアスな産業ロックしたナンバーです。
3曲目の"Let Her Go"なんかもメロディアスでポップな軽快なナンバーで、とてもお薦めです。
4曲目の"Rise Or Fall"は若干Mr. Misterの香りがする産業AORのナンバーです。
5曲目の"Fire In The Hole"は美しいキーボードの音から入るメロディアスなナンバーで、ポップかつハードなこれぞ産業ロックしたナンバーです。
産業ロック・ファン納得の1曲だと思いますね。
6曲目の"This Time"は、バックの音やコーラスなんか当時の産業ロックしたサウンドそのまんまのナンバーです。
このナンバーもご機嫌です。
7曲目の"A Woman's Touch"は前奏はあのGoblinの"Susperia"そっくりですが、曲に入るとポップな産業したナンバーに変わります。
8曲目の"Get A Hold Of Yourself"なんかは、サウンド・スタイルはまさにMr. Misterといった感じでしょうか。
音にキレがあります。
9曲目の"Another Day"は軽快なハードポップ・ナンバーです。
DNA(Dick Derringer、Carmine Appice)の"Doctors of The Universe"にどことなく似ているナンバーだと思います。
今、Carmine Appiceのサイトを覗いたらこのDNAがCDで売られていました(ジャケットも変更されているし、ミュージシャン・サイトでのCD販売ということで、おそらくCD-Rかも知れませんが、あとで購入します)。
10曲目の"I'm A Victim"はメロディアス度はイマイチですが、結構面白いナンバーです。
11曲目の"Boots"もメロディアス度はイマイチです。
録音が1979年から1985年ということなので、後半の曲は年代が新しいのかも。
サウンドもエレクトリック処理されています。
ラストの12曲目"Hold On To The Night"はメロディアス度が高いナンバーです。
メロディもこなれていますし、とにかくバックの音が産業ロックしております。
BOOTCAMP、初めて耳にするバンドですが、産業ロック・ファンであれば一度は聴いてみても良いと思いますね。
いかしてます。
2008-06-22
Street Talk / Collaboration (1997)

といっても私は注文中で未だ耳にしておりません。
ヴォーカルがまたまた変更となりましたが、雑誌"BURRN!"のディスク紹介コーナーで、「ヴォーカルをKevin Chalfantにしとけば良かったのにとならなければ良いのに」とありましたが、私も全くの同感です。
Kevin Chalfantの最新ソロ・アルバムは全曲JOURNEYのカヴァーで、安心して聴いていられる内容のアルバムでした。
JOURNEYといえば、フォロワー的なバンドが多数存在します。
本日紹介しますスウェーデンのバンドSTREET TALKもその一つです。
バンド名は、もちろんSteve Perryの1stから拝借したものです。
バンドは、Andreas Lidberg (G,B)、Fredrik Bergh (Keys)、Thomas Olsson (G)、Jon Persson (Dr)の4人で、ヴォーカルはあのGoran Edmanほか2人が担当しております。
サウンド・スタイルはもちろんJourneyから影響を受けたものとなっておりますが、ヴォーカルはゲストの専任ですし、バンドの4人もテクニックもあり、安心して聴くことができます。
日本盤はボーナス・トラックにJourneyの"Seperate Ways"を演っております。
1曲目の"Walk Away From Love"はJourneyサウンドを標榜するだけあって、フックに満ちたメロディックなハードポップ・ナンバーとなっております。
2曲目の"If You Say It's Over"は、John Waiteの"Missing You"スタイルのバラード・ナンバーです。
どことなくThe Babys風か。
3曲目の"Standing In The Rain"は、メロディアスな完全にAORしたバラード・タイプのナンバーです。
Goran Edmanのヴォーカルもいかした最高のナンバーです。
完全にノックアウトです。
4曲目の"Brand New Start"は再びJourneyサウンドを彷彿させるメロディックなナンバーです。
Kristian Andrenの伸びのあるヴォーカルがいかしてます。
5曲目の"Among Friends"は結構ハードですが壮大さを感じさせてくれるインスト・ナンバーです。
Andreas LidbergがNeal Schonばりにギターを弾き捲っております。
6曲目の"Could You Be The Only One"はクリアなトーンのギターから入るミディアム・テンポのナンバーで、フックのあるメロディがいかしてます。
7曲目の"Where Does Love Go"はとてもメロディアスなバラード・ナンバーです。
Goran Edmanという人はハードロックのナンバーを歌わしても上手いですが、こういったバラードも本当に上手く歌う人ですね。
8曲目の"In The Eyes Of A Woman"はコード進行も複雑なプログレ・ハードのナンバーとなっております。
9曲目の"If You Say It's Over"は2曲目のアコーステュック・ヴァージョンです。
10曲目のBorrowed Time"は再びインスト・ナンバーですが、ゆったりとしたスケール感のある曲に仕上がっております。
Andreas Lidbergのギター・プレイが光っております。
11曲目の"Seperate Ways (Worlds Apart)"は冒頭にも書きましたとおりJourneyのカヴァーです。
アレンジも殆ど変ってなく、モロ、Journeyしたサウンドとなっております。
Kristian AndrenのヴォーカルもKevin Chalfantに劣らず嵌っています。
良い曲は誰が歌っても、やっぱり良く聴こえますね。
ラストの12曲目"Conclusion"もボートラです。
このナンバーもインスト・ナンバーですが、ギターとドラムスのコラボといった曲です。
曲が短いのがちょっと勿体ないですね。
この"Collaboration"も今は廃盤となって、ちょっとばかりレアとなっているみたいです。
Street Talkは他にもアルバムを数枚出しておりますが、どれもがメロディアスなハードポップのアルバムとなっております。
2008-06-21
Shade / One Way Line (2006)

メンバーは、Emmaのほかキーボード担当のSimon Gardnerとあのメロディアスロック・バンドのDAREのギタリストのAndrew Mooreで、サウンドは、メロディアスでポップなロックを演っています。
フロントに立つEmma Shadeはブロンドのまあまあの美形で歌もそこそこです。
基本的にはAORやハードポップのファンからは十分支持を得られるサウンドでしょうね。
1曲目の"It's Alright"はメロディックなギターから入るミディアム・テンポのパワーバラード風のナンバーです。
音的にはパワーポップといっや趣のあります。
2曲目の"Lead On Me"は軽快なとてもポップでメロディアスなナンバーです。
このナンバーもいかしてます。
3曲目の"Shouldn't Have Let You Go"は、アメリカンロック・スタイルのスケール感のあるナンバーに仕上がっております。
4曲目の"Save Me"はアコースティカルな初期Eaglesを感じるナンバーで、この辺りが、自分たちのサイト(といってもCDを購入出来るだけ)で自分たちのバンドをRock/Country Popと紹介しているところなんでしょうね。
5曲目の"In My Dreams"もそういった感じのナンバーですが、ストリングスが美しいとてもメロディアスなバラード・タイプの出来が良いナンバーとなっております。
6曲目の"All I Am"もスケール感のあるメロディアスなナンバーとなっております。
7曲目の"I'll Hold On"はアコースティカルなメロディアスなバラード・ナンバーです。
ほぼAORしたナンバーでお薦めです。
8曲目の"One Way Line"も2曲目同様軽快なメロディアスなナンバーとなっております。
9曲目の"Now It's For Real"もメロディアスなバラード・ナンバーですが、スケール感があります。
バックのピアノやギターの音はかなり良いです。
10曲目の"Waiting For You"はバックのギターの音がカッコ良い軽快なポップ・ナンバーとなっております。
この辺はパワーポップ・ファンからも支持を得ることが出来ると思いますね。
11曲目の"Maybe This Time"はミディアム・スロウのナンバーながらロック・スピリッツを感じるナンバーとなっております。
曲の出来も素晴らしいです。
ラストの12曲目"You're Not The One"もアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
このSHADEの"One Way Line"というアルバムですが、メロディ・ファンは納得の1枚だと思いますね。
2008-06-19
Sayit / Sayit (1999)

すでに、本日紹介するSayitやSKAGARACK、 SNAKES IN PARADISE、TOYS OF JOY、STAN MEISSNER、DAN LUCAS、JIM JIDHED、HURRICANE、HARLOT、BLONDE ON BLONDE、B-JOEなどメロハー系の今までレア盤・貴重盤だったアルバムをリ・イッシューしております。
また、今後のリリース情報を見ますとVOODOO Xの"THE AWAKENING"やMARK FREEの"LONG WAY FROM LOVE"などが予定されています。
本日紹介するSAYITの1stアルバムは、1999年の発表当時、全世界で2000コピーしか発売されなかった超貴重盤(レア盤)で、私も再発されるまでは、CD-Rにコピーしたものしか持っておりませんでしや。
このSAYITですが、1999年にこの1stを、2001年に2ndの"Again"、2003年に3rdの"Louder"を発表しており、全てのアルバムでTommy Denanderがプロデュースとギターを担当しております。
Tommy Denanderが関わっているプロジェクトは結構ありますが、このSAYITのアルバムもどれもかなり良く出来たメロハーとなっております。
その中でもこの1stが最も良く出来ていると私は思います。
今回の再CD化でボーナストラックも1曲追加されております。
SAYITはバンド(プロジェクト)の名前というより、一人のギタリストの名前といった方が良いのでしょうね。
アルバムの内容もSAYITのギター(Tommy Denanderとのツイン・リードもある)にいろいろなヴォーカリストを集めアルバムを作ったという感じです。
この1stでは、Geir Ronning、Pete Wensberg、Andy Eklund、Annika Burmanという4人がヴォーカルを担当しております。
Tommy Denanderはギターのほか、ベースとキーボードを担当しており、5曲目では、Bruce Gaitschがアコースティック・ギターを担当しております。
冒頭にも書きましたが、3枚のアルバムでこの1stが最も出来が良いという理由は、このアルバムに収められているナンバーのどれもが、メロディアスでAORファンにも受けそうなメロハーだということです。
もちろん、2ndや3rdも良く出来たメロハーですが、1stに比べると少しばかり音がハードになっていて、比較すると1stが一番耳に馴染むということです。
1曲目の"A Second Start"は出だしのキーボードがいかした産業ロック・ナンバーです。
メロディアスでポップ、ツボを押えたメロディは聴いていて惚れぼれします。
Sayitのギター・ソロもかなり良いです。
2曲目の"House Of Glass"はギターの音が最高のバラード・タイプのナンバーです。
メロディも良いです。
3曲目の"Standing On The Outside"は70年代後半から80年代後半の産業ロックそのまんまといった感じの音が堪らないですね。
4曲目の"One Unguarded"はハードさもなく、メロディアスで良く出来たAORナンバーといったところでしょうか。
5曲目の"Could Yo Love Me Again"は若干The Doobie風のAORしたナンバーですね。
6曲目の"Garden Of Eden"はバックの演奏とコーラスがカッコ良いAORナンバーです。
都会的な感じのナンバーです。
7曲目の"You're My Inspiration"はChicagoにも同じタイトルのナンバーがありますが、こちらはストリングとピアノの音が美しい本当にメロディアスなバラード・ナンバーです。
ヴォーカルのちょっとばかりねちっこい歌い方がイマイチで、曲に合っていないような感じがするのが、少し残念です。
Mikael Erlandssonが9曲目でバッキング・ヴォーカルで参加しておりますが、却ってMikaelがこのナンバーでリード・ヴォーカルを担当すれば良かったのに、と思います。
曲の出来は素晴らしいです。
8曲目の"She's The One"はとてもポップで良く出来たAORナンバーだと思います。
9曲目の"Hear Me Heaven"はギター・オリエンティドな産業ロックしたナンバーです。
10曲目の"You"はミディアム・テンポのメロディアスなバラード・タイプのナンバーです。
11曲目の"Once You Love Somebody"はミディアム・テンポながらスケール感のあるギター・オリエンティドのナンバーで、Sayitのソロもいいですが、Tommy Denanderのリズム・ギターのカッティングが最高です。
それ以外のプレイも最高です。
ロック・スピリッツ溢れた力強さも感じさせてくれています。
ラストの12曲目"Talk To Me"は再CD化にあたってのボーナス・トラックです。
このナンバーも産業ロックが流行った当時の感じのナンバーです。
やはりSayitの3枚のアルバムの中では最も良く出来たアルバムだと思いますね。
メロディがいかしてます。
2008-06-18
Gregg Sutton / Soft As A Sidewalk (1979)

アーティスト名はGREGG SUTTON、アルバム名は"Soft As A Side Walk"、プロデューサーは、当時Daryl Hall & John Oatesのアルバムを担当していたChristopher Bondです。
1979年にメジャーのCBSから発表されました。
内容はAORですね。
参加ミュージシャンも当時AORのアルバムに参加していた人たちで、ギターにJohn Hug、ベースにScott Edwards、ドラムスにEd Greene、キーボードはこのアルバムでGreggと一緒に曲作りをしているVince Melamedという人物が担当しております。
どちらかとキーボードやピアノが多く使用されているメロディアスでAORとしてはほんの少しハードっぽさを持った内容となっております。
私は、アルバムが発売された時にジャケ買いしたアルバムで、それ以来のファンです。
その後、Greggに注目しておりましたが、おそらくこの1枚で表舞台から退場したのだと思います。
当時は、そういうアーティストやバンドがたくさんいたように思います。
特に、AORや産業ロック(といっても当時は殆どそればかり聴いていたわけですが)のアーティストやバンドに多かったように思います。
A面の1曲目"Damaged Goods"を聴いて、このGregg Suttonが一発で好きになりました。
これが最高にメロディアスでフックに満ちた産業っぽいAORナンバーなんですね。
リードをとるのはVinceのシンセですが、これがえらくカッコ良いときています。
このナンバーはメロディ・ファンには是非聴いて欲しいですね。
気に入るはずです。
2曲目の"Desperately"はこれまたメロディアスなバラード・ナンバーで、出来も素晴らしいです。
Greggのヴォーカルに艶があります。
AORファン納得の1曲です。
3曲目の"Out On The Fringe"はポップでロック・フィーリング溢れたAORナンバーです。
メロディもいかしてます。
A面ラストの4曲目"Hope Street"は美しいピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーで、当時のAORそのものといった感じのナンバーです。
言うことありません。
B面の1曲目"Danger Zone"はタイトルどおりエッジの効いたサウンドがいかしたAORナンバーです。カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
2曲目の"Roll The Dice Again"も1曲目と似たギター・オリエンティドの少しばかりハードさのあるロックンロール・タイプのナンバーです。
Greggのヴォーカルもシャウト気味です。
3曲目の"Kidstuff"はVinceのピアノがいかしたポップロックのナンバーです。
4曲目の"Boulevard"はタイトルどおりカリプソ風の前奏から入るほんわかとした感じのナンバーです。
B面ラストの5曲目"Rose"はアルバムの最後を飾るのに相応しいメロディアスなバラードです。
ファルセット気味に歌うGreggのヴォーカルは聴きものです。
当時のAORや産業ロックのアルバムで、CD化されていなものがたくさんありますが、あんなアルバムがCD化されるんだったらというものも結構あり、それならこのGreggのアルバムをCD化した方が良いと思うのですが。
メジャーのCBSから出されたアルバムですので、権利関係が複雑でなければCD化も可能だと思うのですが。
2008-06-17
Brian Spence / Brothers (1986)

17才の時にBilbo Bagginsを結成しシングルを6枚ほど出して、1978年にグループ名を Bilboと改め、"She's Gonna Win" などのシングル3枚を発表しました。
その後、1980年にBilboのメンバーのColin Chisholm と共にデュオを結成し、"Chisholm & Spence"というアルバムを発表しております。
私は、このアナログ・レコードを発表当時に購入しました。
アルバム・デザインは、Chisholm & Spenceの二人がフロント・カヴァーに映し出され、ジャケットを見た時に、これはAORでは?というのが購入のきっかけでしたが、内容はAORと呼ぶにはちょっとばかりニュー・ウェーヴっぽくもあり、あまり好みではありませんでした(でも、何故か今でもアナログ・レコードがあります)。
その後、1986年にソロ・アルバム第1弾として発表されたのが、本日紹介する"Brothers"です。
このCDを手に入れたのは最近で、実はこのBrian SpenceがChisholm & Spenceの片割れだということを知りませんでした。
最近アナログ・レコードも整理しており、久しぶりにChisholm & Spenceをターン・テーブルに乗せ、ジャケットを何気に見ていたら、Brian Spenceという名前があり、あれ?と思いネットで調べたところ、同一人物であることが判りました。
Chisholm & Spenceを聴き直しましたが、最初の印象とあまり変わらずでした。
それでも、"One Kiss"と"I Wouldn't Leave You Crying Alone"はまあまあといったところでしょうか。
ところが、ソロ第1弾の"Brothers"は"Chisholm & Spence"に比べるとかなり出来が良いときています。
少しばかり産業かかっていますが、これは紛れもなくAORのアルバムです。
1曲目の"Hear It From The Heart"は音にキレがあるナンバーで、バックの音も産業ロック風です。
メロディもいかしてますし、このナンバーを聴くと、このアルバムの内容も期待出来るそんな曲です。
2曲目の"Will You Never Be My Friend"でのバックのギターの音がとてもカッコ良く、産業ロックの香りがプンプンするナンバーです。
3曲目のタイトル・ナンバー"Brothers"はイギリス人アーティストとは思えないアメリカナイズしたウエスト・コースト風のAORナンバーです。
4曲目の"Making Up For Lost Time"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
歌も上手いですし、バックの演奏も最高です。
5曲目の"Back Door"は元気溌剌といった感じのポップロック・ナンバーです。
バックの演奏良いです。
6曲目の"When It Hurts"もミドル・ハイのポップなナンバーです。
7曲目の"I Will Call You Family"はロックン・ロールしたご機嫌なナンバーです。
8曲目の"Love Is The Glory"はフックに満ちたメロディを持ったいかしたナンバーです。
メロハーまではいきませんが、ちょっとハードめのAORナンバーです。
かなりいかしてます。
9曲目の"Breaking Every Stone"はア・カペラから始まりますが、本編に入ると力強いリズム・セクションによるポップなナンバーに仕上がっております。
10曲目の"Wondering How To Cry"もフックに満ちたメロディアスなバラード風のナンバーです。
曲の感じもThe Beach Boys風のとても素敵なポップ・ソングとなっております。
このアルバムの中でも出来は1、2を争う、そんなナンバーです。
ラストの11曲目"Ghandi (We Will Write)"の出だしのメロディアスなギター・ソロは最高です。
ゆったりとした感じのメロディアスなAORナンバーです。
AORファンであれば、納得する1枚だと思います。
ところで、この"Brothers"ですが、貴重盤なんでしょうか?
2008-06-16
Nucleus / Nucleus (1969)

私もこのアルバムを手にして、ジャケットのライナーを読むまでは、てっきりUKのバンドだと思っておりました。
まあ、TOWER RECORDSで500円で売っていなければ、おそらく手にしていなかったと思いますが。
で、アルバムを聴きながらライナーノーツを読み進むうちに、このNUCLEUSがカナダのバンドだと判りました。
録音等のクレジットもなく、ネットで調べたところ、このアルバムは1969年に発表された彼らのワン・アンド・オンリーのアルバムみたいです。
全6曲が収められており、1曲あたり6?7分と長いナンバーが収められております。
この長さからも判るとおり内容はプログレです。
サウンドの特徴として、オルガンを大々的にフィーチャーしており、これが彼らの売りとなっているようです。
音を聴くと、同時代に活躍したVANILLA FUDGEを連想させてくれます。
VANILLA FUDGEは当時アート・ロックというジャンルで呼ばれており、"You Keep Me Hangin' On"や"Season Of The Witch"、さらに"Break Song"というナンバーは実に23分にも及ぶ大曲で、サウンドも多分にプログレでした。
そういう意味で、このNUCLEUSのアプローチもほぼVANILLA FUDGEと同じだと思います。
1曲目の"Jenny Wake Up"はエレクトリック・ギターとオルガンの絡みから入り、この部分を聴いただけで、VANILLA FUDGEを思い出しました。
曲に入ると結構メロディアスでポップですが、途中エレクトリック・ギターが挿入される部分は曲が転調したりで、プログレ度が高い面白いナンバーです。
それぞれのプレイヤーのソロもあり、技量もかなりのレヴェルだと思いますね。
2曲目の"All About Me And The Spidery Bass"は出だしのギターのリフがカッコ良いナンバーです。
当時流行ったギターの音色が年代を感じさせます。
全体的にハードロック色が強いですが、メロディもこなれていて、かなりいけます。
3曲目の"Judgement Day"はメロディアスなナンバーで、雰囲気もVANILLA FUDGEですね。
リマスターされているせいなのか、とにかくメンバーそれぞれのプレイが結構明瞭に聞こえておりますが、どのプレイもいかしてます。
4曲目の"Lost And Found"は60年代ロックの息吹を物凄く感じるナンバーです。
特にエレクトリック・ギターの音はそのまんまの音です。
丁度その頃からロックを聴き始めた私としては、とてもノスタルジックに感じます。
5曲目の"Share Your Colour"もVANILLA FUDGEしたサウンドで、メロディもいかしてます。
オルガン、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスが一体となってサウンドを築き上げている、そんなナンバーです。
それは、ラストの6曲目"Communication"にも言えますが、何故、一聴してVANILLA FUDGEを思い出したかといいますと、オルガンやギターの音はもちろんですが、サウンドがサイケデリックだということが言えると思います。
VANILLA FUDGEの初期作品や60年代ロック、サイケデリック・ロックが好きな方にお薦めのアルバムですね。
あとは40代以上のロックが好きな方にももちろんお薦めです。
こんなアルバムを500円で仕入れることが出来たことに感謝!
一応、カテゴリーを「サイケデリック・ロック」としておきます。
2008-06-15
Eddie Money / Can't Hold Back (1986)

まあ、その間もRichie Zitoのプロジェクト"Avalon"などで歌ってはいたようですが。
彼のオフィシャル・サイトを覗くとぶくぶくと肥って、70後半から80年代前半のあのカッコ良かった頃の面影もありませんが、それでも精力的に活動を行っているようです。
私は、彼の2ndアルバムから聴き始めてからのファンで、ロックっぽさを前面に押し出したサウンドは、純粋なAORとは呼べませんが、Adult Oriented Rockであることは間違いないと思います。
この"Can't Hold Back"は1986年発表された彼の6枚目のアルバムです。
プロデュースはRichie ZitoとEddie Moneyの共同で行っております。
この二人の関係は長く、冒頭にも書いておりますとおり、2006年に発表された"Avalon"ではEddieが数曲でヴォーカルを担当しております。
1曲目の"Take Me Home Tonight"はThe RonettsでヒットしたPhil Spectorの名曲"Be My Baby"のメロディも挿入されており、その部分のヴォーカルはRonnie Spectorが担当しております。
メロディアスなミディアム・テンポのナンバーでかなりいかしてます。
2曲目の"One Love"はメロディアスでポップなAORナンバーとなっております。
抑え気味のEddieのヴォーカルが雰囲気満点です。
3曲目の"I Wanna Go Back"はGregg Rolieがオリジナル(?)のメロディアスなAORナンバーです。
Greggのヴァージョンは最高の出来ですが、このEddieのヴァージョンもなかなかなものです。
このナンバーは最高にいかしたAORのバラード・ナンバーですので、是非Gregg Rolieのヴァージョンも聴いていただきたいですね。
4曲目の"Endless Nights"もとてもAORしたナンバーです。
ポップでメロディも良い素敵なナンバーです。
5曲目の"One Chance"は、あのStan Meissnerのペンによるナンバーで、メロディアスな最高に良く出来たバラード・ナンバーに仕上がっております。
バッキング・ヴォーカルでRichard PageとSteve George、さらにPat MastelottoのMr. Misterのメンバーが参加しております。
ホント、素晴らしいナンバーです。
6曲目の"We Should Be Sleeping"はRichie Zitoのギターがカッコ良いロック・ナンバーです。
このナンバーはご機嫌です。
7曲目の"Bring On The Rain"はミディアム・ハイのポップロックしたナンバーです。
8曲目の"I Can't Hold Back"はスケール感のあるミディアム・スロウのメロディアスなナンバーです。
バックの演奏が堪らなくカッコ良いです。
9曲目の"Stranger In A Strange Land"はドラムスのビートが効いたロック・ナンバーです。
メロディはイマイチか。
ラストの10曲目"Calm Before The Storm"は産業ロックしたバックの演奏がカッコ良いナンバーです。
このアルバムで、ギター・ソロの多くを披露しているのはJohn Nelsonというプレイヤーですが、このギターの音がとてもカッコ良いですが、この曲のプレイはかなりいかしてます。
Eddie Moneyのヴォーカルはホントカッコ良いですね。
もっと日本でも売れて良かったアーティストだと思いますね。
2008-06-14
Orianthi / Violet Journey (2006)

あとは、もちろんVixenのJan Kuehnenmundです。
で、最近見つけた、これまたかなり上手な女性ロック・ギタリストが、本日紹介するOrianthiというアーティストです。
これが最高なんですね。
Shrapnel Recordsに所属していても良いくらいのテクニシャンの持ち主なんです。
また、このアルバムのクレジットを見ると、ギター以外のインストも彼女が演奏しているということです。
本日紹介する彼女の"Violet Journey"にはギター・インストもののナンバーが何曲か収められておりますが、男性顔負けに弾き捲っております。
ヴォーカルも彼女自身で、歌も上手いと思いますし、安心して聴いていられます。
1曲目の"Lights Of Manos"はインスト・ナンバーです。
スロウ・テンポのメロディアスなバラード・ナンバーですが、彼女のギターはもう最高の雰囲気です。
スタートがこんなナンバーだったら、アルバムも期待できます。
2曲目の"He's Gone"はアコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの2重層に彼女の上手いヴォーカルが乗っかったミドル・テンポのポップロックしたナンバーです。
歌はかなり上手いです。
3曲目のタイトル・ナンバー"Violent Journey"はロック・スピリットいっぱいのインスト・ナンバーです。
この曲では、まさにShrapnel Recordsのアーティストといっても良いくらいのテクニックを披露してくれております。
4曲目の"Everyday"は軽めのトーンを使ったミドルテンポのヴォーカル・ナンバーです。
雰囲気あります。
5曲目の"Here On Earth"はスロウなブルース・ナンバーですが、最高にカッコ良いです。
ブルース・ギターも素晴らしいです。
6曲目の"Right Now"はハードなギターから始まるハードロック・ナンバーです。
こういったギターの音も素晴らしいです。
Vixen風のナンバーですね。
7曲目の"Anybody Else"は繊細なギターの音のミディアム・テンポのバラード・タッチのナンバーです。
全てのナンバーを彼女が書いておりますが、ソング・ライターとしてもなかなかなものです。
8曲目の"Out Of Reach"は柔らかいギターのトーンを使ったメロディアスなバラード・ナンバーです。
このナンバー、かなりお薦めです。
9曲目の"Wouldn't Change A Thing"はアメリカン・ロックを感じさせるポップなナンバーです。
ラストの10曲目"Anahiem"はスタジオでの一発録りのナンバーです。
これも最高にいかしたインスト・ナンバーです。
このOrianthi嬢ですが、ギター以外の楽器も全て、さらにはプロデュースまで自分でやってしまったということですから、全くもって凄い才能です。
とにかくカッコ良い1枚です。
2008-06-11
Kiki Dee / Stay With Me (1979)

Kiki Deeは元々ポップス系のヴォーカリストですが、今回紹介する1979年の彼女の7枚目のアルバムは、発表された年代ということもありますでしょうが、アルバムのバックを固めるメンバーが、ドラムスに、Jeff Porcaro、Jim Keltner、ベースに、David Hungate、Bob Glaub、ギターに、Davey Johnston、Steve Lukather、キーボードに、James Newton Howard、David Paich、Victor Feldman、Tom Snow、Greg Phillinganes、シンセサイザーに、James Newton Howard、Steve Porcaro、パーカッションにVictor Feldman、ホーン・セクションに、JIm Horn、Chuck Findley、バッキング・ヴォーカルに、David Lasley、Brenda Russell、などのAOR系のミュージシャンが多く登用されていること、さらに、プロデュースをBill Schneeが担当していることなどから、AOR本にも紹介されておりますように、AORファンからの支持も受けました。
収められているナンバーもTom SnowやDavid Lasleyのペンによるものもあり、サウンドもまさにAORといった内容で、かなり良く出来たアルバムに仕上がっております。
1曲目の"One Step"はTom SnowとGlen Ballardのペンによるナンバーで、出だしのピアノ・ソロもTom Snowが担当していると思いますが、ミドル・テンポのメロディアスなAORナンバーで、聴きものです。
また、バックのギター・ソロはSteve Lukatherが担当していると思いますが、これがまた良い感じです。
AORファンであれば、この1曲目を聴いただけで納得すると思います。
2曲目の"Talk To Me"はKiki DeeとDavid Lasleyのペンによるナンバーですが、これもまさしくAORの真ん中のサウンドです。
サックス・ソロはJim Hornだと思いますが、これが雰囲気満点です。
3曲目の"Don't Stop Loving Me"もKiki DeeとDavid Lasleyのペンによるナンバーです。
メロディアスなバラード・ナンバーで、申し分ありません。
4曲目の"Dark Side Of Your Soul"もKiki DeeとDavid Lasleyの共作です。
このナンバーも3曲目同様メロディアスなバラード・ナンバーですが、出来としては3曲目の方が良いと思いますが、3曲目の出来が良すぎるためそう感じるだけで、このナンバーも平均点は軽くクリアしていると思います。
5曲目の"Stay With Me"ですが、若い人はこのKiki Deeのヴァージョンではなく、スウェーデンの女性ヴォーカリストTrine Reinのヴァージョンを聴いている人の方が多いと思いますが、Kikiのナンバーを聴くと、Trineのヴァージョンは殆どアレンジを変えていないことがわかります。
このナンバーはとても良く出来たナンバーです。
Trineのヴァージョンが気に入っている若い方にもお薦めです。
6曲目の"Pne Jump Ahead Of The Storm"はこのアルバムの中でも若干ハードなナンバーですが、メロディアスなポップロックといった曲ですので、耳に馴染みます。
7曲目の"You're Holding Me Too Tight"はCynthia Weilのペンによる若干アップ・テンポのナンバーですが、バックのストリングスがとても良く、ヴォーカルをAlessi Brothersに替えれば、Alessiですね。
8曲目の"Love Is A Crazy Feeling"もこの時代のサウンドを代表するようなメロディアスなAORナンバーとなっております。
9曲目の"Safe Harbor"はKiki Deeのヴォーカルとバックのピアノが聴きものとなっているバラード・ナンバーです。
感じは違いますが、このナンバーを聴いて、ヴォーカルとピアノの組合せでいうと、Boz Scaggsの"We're All Alone"を思い出しました。
10曲目以降は今回のCD化に伴うボーナス・トラックです。
10曲目"The Loser Gets To Win"はElton Johnのプロデュースによるナンバーで、ラストの11曲目"I Want Our Love To Shine"は、どちらも1983年の作品ということもあり、9曲目までのナンバーと雰囲気違います。
両方とも曲の出来は悪くないですが、わざわざこのアルバムのボートラとして追加しなくても良かったのでは?と思います。
でも、オリジナル・アルバムとして紹介された1曲目から9曲目は、ホント、最高に良く出来たAORナンバーです。
AORファン必聴のアルバムだと思いますね。
2008-06-10
Tommy Knight / Tommy Knight (1981)

先ず、アーティスト及びタイトルは、Tommy Knightのセルフ・タイトルのアルバムです。
レーベルはCBS Inc.で1981年の作品です。
内容は、アルバム・ジャケットから想像されるとおりAORです。
それもRandy Vanwarmerの1stアルバムを彷彿させるメロディアスでハートウォーミングなものです。
プロデュースは、Marc Wirtz-Petersなる人物(私は全く知らないプロデューサーですが)、参加ミュージシャンは、ドラムスにDenny Seiwell (ex Wings)、ギターにMichael Thompson、Marty Walsh、ベースにLes Hurdle、ピアノのTom Hensley、サックスにGary Herbig、バッキング・ヴォーカルにJoe Chemay、Jim Haas、Jon Joyceなどで、AORファンには結構知った名前もあります。
A面の1曲目"All I Do Is Dream"は冒頭にも述べましたとおりRandy Vanwarmerを彷彿させるメロディアスなAORナンバーで、このアルバムの一押しです。
ストリングスの美しさとともに華麗なメロディ、このナンバーを聴いて納得しないAORファンはまずいないでしょう。
バックのTom HensleyのピアノとGary Herbigのサックス、Tommyのクセのないオーソドックスなヴォーカルともう最高にいかした雰囲気です。
2曲目"Same Old Blue"はTim Mooreのナンバーに雰囲気が似ております。
メロディアスなちょっとばかりアップテンポのナンバーで、歌い方もTim Mooreに似た感じも。
3曲目の"Broken Hearts"はメロディアスでとてもポップなナンバーです。ここでもTom Hensleyのピアノがいかしてますし、Gary Herbigが華麗なフルートソロを聴かせてくれています。
4曲目の"A Song Of Love"はアコースティカルな心温まるナンバーです。
ヴォーカルの感じは違いますが、Stephen Bishopが書きそうなナンバーです。
A面ラストの5曲目"One Good Woman"はロックンロールしたナンバーで、このナンバーからもTim Mooreが連想されます。
Timの"Rock & Roll Love Letter"に雰囲気似てます。
B面1曲目の"Almost Home"は曲の感じはThe Beatlesですが、歌い方や雰囲気はRandy Vanwarmerです。
ストリングスが美しいバラード・ナンバーです。
2曲目の"School Days"もバラード・ナンバーですが、ちょっと間延びした感じがイマイチかも。
3曲目の"Love Me Like A Wheel"はシャッフルしたビートに乗ったナンバーです。
このナンバーもRandy Vanwarmerの"Suzi Found A Weapon"に似たタイプのナンバーとでも言えばようのでしょうか?
ラストの4曲目"Better To Love"はスケール感あるメロディアスなロッカ・バラードです。
バックのMichael Thompsonのギター・ソロは最高で、結構弾き捲っております。
A面1曲目と雰囲気は全く違いますが、このナンバーの出来はかなり良いと思います。
メジャー・レーベルから出された1枚ですが、アーティストがマイナーですので、CD化にはおそらくならないだろうとは思いますが、Gary PortnoyだってCD化されましたので、ひょっとして(?)ということはないか。
でもA面1曲目の"All I Do Is Dream"は、AORファンが泣いて喜ぶナンバーだと思いますよ。
2008-06-09
Gary Grimes / Starhand Visions (1982)

アルバムの最初の1、2、3、4曲目までを聴いた時は、何これ、プログレの失敗作?、といった感じで購入は失敗だったか、と思わず後悔しそうになりましたが、5曲目以降を聴くとこれが全く違うサウンドで、完全な産業ロックというかメロディアスながらハードなAORか、といった具合で、これが最高にいかしているんですね。
そのアルバムは、Gary Grimesの"Starhand Visions"でオリジナル・リリースは1982年とのこと。
このGary Grimesは、'60年代THE BEATLESトリビュート・バンドの1964 THE TRIBUTEでPaul McCartneyを担当するマルチ・ミュージシャンらしく、今回が初ソロということです。
ジャケットも何となくそそる感じもします。
1曲目の"They're Here..."、2曲目の"The Arrival Theme"、3曲目の"The Illusion"とこの3曲は冒頭にも書いたとおりプログレ風、それも前衛的なへんてこりんな(スペイシーといえば言えなくもない)感じのナンバーです。
まあ、これはお遊びでしょうが。
4曲目の"Safe From The Light Of Change"もプログレっぽさを感じさせるナンバーで、出来としては平均的で、このナンバーを聴いた時まではちょっと失敗したかな?なんて思いました。
それが5曲目"Hold On"を聴いた時は、それまでの重い気分が吹っ飛んでしまいました。
一転して、カッコ良い産業ロックが聴こえてきました。
Garyのハイトーンもカッコ良いですし、とにかくバックの演奏がカッコ良いんですね。
6曲目の"Hold On To Love"は申し分のないハードポップ・ナンバーで、メロディが素晴らしいですし、曲全体の出来もかなり良いです。
7曲目の"Daydream Lover"もメロディアスなハードAORのナンバーです。
ポップでとにかく曲がカッコ良いです。
歌も上手いですし、言うこと無いです。
8曲目の"Marla Star"はフックに満ち溢れたバックのギター・ソロがとても良いです。
AORっぽいミディアムテンポのナンバーで、メロディアスさが好きです。
9曲目の"Take Good Care Of Her Heart"はほぼAORしたナンバーです。
雰囲気はもうAMBROSIAです。
かなりお薦めのナンバーです。
10曲目の"Would You Say No?"の出だしのギターソロがいかした産業ロックのナンバーです。
11曲目の"Tell Her I'm Home"は出だしのサックス・ソロが切ないメロディアスなバラード・ナンバーで、もう雰囲気満点のAORです。
12曲目の"You Are My Heart"は短い語りです。
13曲目の"Because Of You"はSTYXを感じさせるメロディアスなナンバーです。
GaryのヴォーカルもDennis DeYoungに負けないぐらい上手いです。
14曲目の"I Can't Live Without Your Love"はギターに多重録音を取り入れればBOSTONといった感じもします。
ラストの15曲目の"Feel The Fire"は音にキレがあるモダンなハードポップといったナンバーです。
途中のサックス・ソロはかなりファンキーです。
後半部の長いギター・ソロはかなり泣いてます。
それにしても5曲目以降のナンバーはどれもメロディアスなナンバーばかりで、産業ロックやメロディックロックのファンにとっては、泪モノだと思いますね。
このアルバムは侮れないです。
2008-06-08
山本潤子 / Junko Yamamoto

元「ハイ・ファイ・セット」の山本潤子さんです。
私は、日本人女性ヴォーカルの中で歌の上手さと雰囲気がビカ一は彼女だと思っております。
あの透き通った声を聴くととても安まる気分になれるんです。
特に「ハイ・ファイ・セット」時代は、荒井由実のナンバーを歌ってメジャーになりましたが、荒井由実本人の声より山本潤子の声の方が、とてもピッタリと馴染んでいたように思います。
今回紹介するアルバムは、「ハイ・ファイ・セット」解散後に出した彼女のファースト・ソロ・アルバムで、1994年に発表されました。
このアルバムは、L.A.録音で、バック・ミュージシャンも地元の有名ミュージシャンばかりです。
ドラムスにRuss Kunkel、ギターにTim Pierce、Waddy Wachtel、ベースにBob Glaub、キーボードにCraig Doergeなどが担当しております。
特に全編でエレクトリック・ギターを弾いているTim Pierceのプレイは最高です。
もちろん、あのクリスタル・ヴォイスの山本潤子のヴォーカルも最高ですが。
1曲目の「鍵があわない」はバックのRuss Kunkelのドラムスの音とTim Pierceのギター・ソロが沁みるミディアム・テンポのナンバーです。
山本潤子のヴォーカルも素晴らしいです。
2曲目の「Cool」はメロディアスなバラード・ナンバーです。
ホント、こういったバラード・ナンバーを歌わせたら天下一品ですね。
3曲目の「膝まで5センチ」はRuss Kunkelの軽めのドラムソロから入るナンバーです。
曲もライト&メロウといった感じのナンバーです。
ここでもTim Pierceのギターは素晴らしいです。
4曲目の「Room #406」はジャジーな感じのナンバーで、このアルバムの一押しです。
とにかくメロディアスで、山本潤子のヴォーカルにピッタリのナンバーです。
Tim Pierceのギター・ソロも最高で、とてもロマンティックなナンバーです。
5曲目の「ヒアシンス」はゆったりとした感じのナンバーです。
6曲目の「ねぎの花」は最もL.A.を感じさせるサウンドのAORナンバーです。
バックの音がとても洒落てます。
これは紛れもなくAORでしょう。
7曲目の「True Friend」は4曲目と同じくらい良く出来たバラード・ナンバーです。
ゆったりとしたメロディアスなナンバーです。
Craig Doergeのアコースティック・ピアノの音は最高です。
8曲目の「セント・マーチンの夏」は「ハイ・ファイ・セット」の山本潤子を感じさせるナンバーで、とても良く出来ていると思います。
9曲目の「Woman」は若干ブルージーなナンバーです。
こんな歌も歌うんだね。
10曲目の「Tokyo Moon」は再びスロウなバラード・ナンバーです。
曲の感じとしては、ちょっと暗めです。
ラストの11曲目「ベジタリアンのライオン」はシャッフルしたスロウなブギのナンバーです。
このナンバーも、へー、こんな歌も歌うんだ?といった感じです。
それにしてもどんなタイプの歌でも山本潤子のヴォーカルは素晴らしいですね。
まさにクリスタル・ヴォイスです。
2008-06-07
Isom / Hearts On Fire (1987)

紹介するアーティスト及びアルバムのタイトルは、ISOMの"Hearts On Fire"です。
中心人物は、Mark Isomというヴォーカリストで、彼の名前を冠としたバンドというかプロジェクトです。
もちろん、私は今回のCD化で初めて耳にしたアルバムです。
このアルバムのオリジナル・リリース・イヤーは1987年ということですが、ジャケットも初めて見るものでした。
今回のCD化では、CDのほかに彼らのライヴ映像を収録したDVDも付いております。
DVDはまだ見てはおりませんが、CDを聴いて、とてもビックリでした。
もう、メロディの嵐が吹きまくっております。
日本人好みの琴線に触れる、マイナー調のメロディが全編に溢れております。
こんなアルバムを知らなかったという事実がショックでした。
Marty Balinの"Heart"は歌謡曲を連想させるAORでしたが、このISOMはこれをハードにしたロックとでもいえばよいのでしょうか。
とにかく、良い意味で、いわゆる臭いメロディのオンパレードなんですね。
AORでもない、産業ロックでもない、ハードロックとも違うメロディアスなロックなんですね。
1曲目の"Your Eyes"は出だしのギターとキーボードがホントいかしたメロディアス・ロックです。
この曲を聴いただけで、このCDを購入して良かったと感じました。
フックに満ちた琴線に触れるメロディ、もう言うことありませんね。
2曲目の"Heart Break"も出だしのギターとキーボードで決まり!!のナンバーです。
Bon Jovi風(彼らより楽曲が良いかも)のメロディアスなナンバーで、2曲続けてこれだけのレヴェルの高い曲が収録されているこのアルバムは凄い。
3曲目の"The Last Goodbye"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
Mark Isomのヴォーカルも艶があって非常によろしいです。
4曲目の"Ready To Rumble"はハードにドライヴィングしたナンバーです。
Mark Isomのハイトーン・ヴォーカルがとてもカッコ良いナンバーです。
ちょっとばかりZepを感じさせるナンバーで、これはハードロックです。
5曲目の"Hearts On Fire"は出だしがアコースティック・ギターからエレクトリック・ギターに変わる、これもメロディアスなハードロックのナンバーです。
6曲目の"Love Affair"はSURVIVOR風のこれぞ産業ロックといったナンバーです。
バックのキーボードの音と全体的にメロディアスなサウンドは紛れもなく産業ロックでしょう。
7曲目の"Summer Time"もメロディアスなほぼ産業ロックしたナンバーです。
このMark Isomという人ですがかなり歌は上手いです。
このハイトーンはかなりなものです。
8曲目の"Stay"はスケール感のある極上のバラード・ナンバーです。
ホントにメロディアスで素晴らしいナンバーです。
バックのギターも泣いています。
9曲目の"Late At Night"もSURVIVORを連想させる産業ロックナンバーです。
70年代後半から80年代後半に発表されていたらメジャーも夢じゃなかったかも。
でも、このジャケットじゃ、チョットという感じも。
10曲目の"Danger Zone"もキーボード主体の産業ロック風のナンバーです。
途中のギターソロは圧巻です。
ラストの11曲目"Hold Back"はポップ感覚溢れるメロディック・ロックという感じです。
このバンド、ギターも良いですが、キーボードもかなり良いです。
しかし、こんなアルバムが過去に出ていたにもかかわらず、誰に注目もされず(注目していた人がいたのでリ・イッシューされたということも言えるのか?)通り過ぎていったんですね。
メロハー・ファン必聴のアルバムだと断言できます。
2008-06-06
Arrival / Point Of Origin (2008)

アメリカのメロハー・バンドARRIVALの未発表音源を集めたアルバムが目出度く発売されました。
といっても、私がこのバンドを知っていたのは、Mark Free情報からで、初めて彼らのサウンドを耳にします。
ジャケットのインナーを見ると1986年から1994年まで活動していたようで、バンドの中心人物は、ギタリストのCharlie McCotmickとキーボディストのNorm Petersonという人物のようです。
で、バンドの初期の1986年から1988年まで、King Kobraを脱退したMark Freeがヴォーカリストとして雇われたようです。
このアルバムには、全10曲が収められており、その内の6曲でMark Freeのヴォーカルを聴けます。
アルバムの内容は、King Kobraをさらにソフトにした感じのメロハーです。
後にMark Freeが結成するSIGNALのサウンドに近いですね。
全曲とてもメロディアスなナンバーばかりが収められております。
1曲目の"We Never Said Goodbye"はARRIVALのバンド後期の作品で、このアルバムの中でもハードめなサウンドです。
でも、メロディアスなナンバーで、フックもあります。
2曲目の"Disapper"では、Markのヴォーカルが聴けます。
キーボードの音がカッコ良いですし、Markのハイトーンが最高なポップなナンバーです。
3曲目の"Say Goodbye"のヴォーカルもMarkです。
出だしのメロディアスなギター・ソロがいかしたバラード調のナンバーです。
Markのソロ・アルバムに収められていても違和感がないナンバーです。
4曲目の"Born For Broadway"のヴォーカルもMarkです。
ギターとキーボードのアンサンブルがご機嫌のメロディアスな産業ロックのナンバーです。
このアルバムの一押しですね。
5曲目の"More Than Love"はARRIVALの中期のナンバーです。
メロディアスなナンバーで、Markに負けない程のMichael Badagliaccoのヴォーカルもかなり良いですし、サウンドの要となっているCharlieのギターも最高です。
6曲目の"Where Does My Love Go?"でもMarkのヴォーカルが聴けます。
こちらは、もう一方のサウンドの要となっているNormのピアノがいかしてます。
高音に伸びるMarkのヴォーカルが最高のパワー・バラードのナンバーで、4曲目と同じくらい出来も良いです。
7曲目の"Don't Stop Dreamin'"は出だしのギターのリフがカッコ良いナンバーです。
Bon Jovi風のメロディアスなポップロックのナンバーです。
8曲目の"Out Of Nowhere"のヴォーカルもMarkです。
このナンバーもNormのキーボードとCharlieのギターがカッコ良いナンバーで、若干シャウト気味のMarkのヴォーカルは後のSIGNALのアルバムに収録されていても違和感がないナンバーです。
9曲目"The Loneliest Man In The World"はJOURNEYの"Don't Stop Believin'"を連想させるバラード・ナンバーです。
最高にいかしたナンバーです。
ラストの10曲目"Turn Your Head Around"でのヴォーカルもMarkです。
このナンバーは、JOURNEYやFOREIGNERもまっ青のキーボード主体の産業ロックです。
とてもいかしてます。
それにしても、Mark Freeのヴォーカルは上手いですね。
こんな素晴らしい音源を世の中に発表したRetrospect Recordsはエライ!!
2008-06-01
Journey / Journey (1975)

ヴォーカリストは、Steve Augeriからフィリピン人ヴォーカリストの Arnel Pinedaに変更となっております。
新作はまだ耳にしておりませんが、私としては、Kevin Chalfantにヴォーカルを執って欲しかったのですが。
本日紹介するのは、JOURNEYの1975年の1stアルバムです。
皆さんご存じのとおり、JOURNEYは元SANTANAのNeal SchonとGregg Rolieが中心となって結成されたバンドで、この1stは後の産業ロックとは違う、ジャズ・ロックしたプログレといった感じです。
実は私、JOURNEYを本格的に聴き始めたのは、1982年の"Escape"以降の産業ロックとして広く認知されてからなんですね。
ということで、JOURNEYのアルバムも全て取り揃えたのがつい最近のことでした。
そして、この1stや2nd、3rdは、紙ジャケ化された、それこそ最近です。
この1st、冒頭にも書きましたとおり、ヴォーカルは入っているものの演奏を重視したプログレッシヴ・ロック然とした内容で、産業ロックのJOURNEYしか知らない人は、そのサウンドに戸惑うかも知れませんね。
Neal Schonのギターは縦横無尽に弾き捲っておりますし、Gregg Rolieのピアノやキーボードの音も華麗だし、Aynsley Dunbarのドラミングも手数も多く、最高の音を出しております。
1曲目の"Of A Lifetime"でのNeal SchonのギターはSantanaでの"Caravansarei"を彷彿させるサウンドです。
Gregg Rolieのキーボードも最高のメロディアスながらへヴィなサウンドのナンバーです。
2曲目の"In The Morning Day"はGregg Rolieのピアノがいかしたブルース・フィーリング溢れるメロディアスなバラード風のナンバーから、一転してハードになるナンバーです。
前半部分は70年代の音という感じはするもののメロディもこなれていてかなり良いと思いますが、転調は余計ですね。
3曲目の"Kohoutek"はインストルメンタルの完全にプログレしたナンバーです。
ギター、ピアノ、ベース、ドラムスが一体となったテクニカルなナンバーです。
4曲目の"To Play Some Music"はGregg Rolieのオルガンを大々的にフィーチャーしたポップロックのナンバーです。
5曲目の"Topaz"もSANTANAの"Caravansarei"でのGregg RolieのキーボードとNeal Schonのギター、そのまんまの音のナンバーです。
このナンバーもインストものです。
6曲目の"In My Lonely Feeling / Conversations"は前半の"In My Lonely Feeling"はヴォーカル入りナンバーで、メロディアスな最高にいかしたナンバーとなっております。
Neal Schonのギターは泣いております。
後半のインスト部分の"Conversations"ではNealは弾き捲っております。
ラストの7曲目"Mystery Mountain"は70年代ロックをモロ感じさせるサウンドを持ったナンバーです。
若干古さを感じますが、今聴くとかえって新鮮かも。
これがJOURNEYの原点ですが、これから5年もすると音も華麗でコーマシャリズムに変わっていくんですね。