2008-08-31
Roxy Music / Flesh + Blood (1980)

毎日欠かさず、こうやってアップする作業って結構大変なんですね。
仕事の関係で遅くなったり、全く気が乗らなかったり、と理由はいくつか有りますが、でも、1日のアクセス数を見ると、こんな拙いブログにも訪れてくれる方がいらっしゃるということが、とても励みになり続けようと奮起するんですね。
あとは、やはり私が気に入っているアルバムを是非紹介したいということも、もちろんあります。
本日紹介するROXY MUSICは、私にとって不思議な魅力のあるバンドなんです。
サウンド・スタイルが自分の好みか、Bryan Ferryのヴォーカル・スタイルが好みに合っているかと自問しても、絶対そうですとは、すぐには答えられません。
それにも拘わらず、Roxy MusicのアルバムもBryan Ferryのソロ・アルバムも全て所有しています。
ことBryan FerryのちりめんビブラートやPhil Manzaneraのあの独特なギターのトーンが妙に気になるんですね。
ロック・ヴォーカリストの最高峰は、もちろんBOSTONのBRAD DELPだと思っておりますが、Bryan Ferryのあの歌い回しは妙に魅力的だったりします。
あとは、形でしょうか?
Bryan Ferryの伊達男ぶりは、特に有名ですが、歌っている姿が絵になるヴォーカリストはそんなにいないでしょうが、Bryanは絵になってます。
このROXY MUSICデビュー当時は、グラム・ロックのバンドとして紹介されていたのはご存知でしょうか?
1972年に彼らの1stアルバム"Roxy Music"を発表しておりますが、当時はDavid Bowieがイギリスで受けていた時で、このRoxy Musicもグラム・ロック一派とみられていたようです。
Roxy Musicは1982年の"Avalon"を発表して解散しますが、その間、7枚のスタジオ・アルバムと1枚のライヴ・アルバムを発表しております。
その後、2001年に再結成されておりますが。
実は、私が彼らを本格的に聴き始めたのは、1973年の3rdアルバム"Stranded"からなんですが、このアルバムに収められていた"Amazona"に妙に惹かれたことを今でも思い出します。
このアルバムは、当時バーゲンで手に入れたもので、ROXY MUSICというバンドが気になっていて購入しました。
あと、ジャケットですね。
どのアルバムのジャケット・デザインもBryan Ferryが担当しておりますが、これがとてもセンスが良く、そしてセクシー、これもROXY MUSICの魅力でしょうね。
さらに、バンド構成でしょうか。
ヴォーカル、ベース、ギターのほかにAndy McKayのサックス、Eddie Jobsonのヴァイオリンなどの楽器がバンド・サウンドのカラーにもなっていて、とても新鮮でした。
本日紹介する"Flesh + Blood"は1980年のバンド後期の作品ですが、私にとっては、彼らのベスト・アルバムです。
とにかくメロディアスなナンバーが多く収録されているのが魅力です。
さらにジャケット・デザインですね。
次作でスタジオ録音のラスト・アルバム"Avalon"も好きです。
この頃ののライヴ音源を耳にしたり、目にしたり、ということがこの頃のアルバムが好きな理由だと思います。
1曲目の"The Midnight Hour"や5曲目の"My Only Love"なんかはROXY MUSICの中でもとても好きなナンバーです。
特に"My Only Love"なんかメロディアスでAORの香りもプンプンのナンバーで、数あるロック・ナンバーの中でも10本の指に入るくらいの名曲だと思っております。
Bryan Ferryの官能的とさえ言えるヴォーカルと、Phil Manzaneraのギター・ソロ、Andy McKayのサックス・ソロはもう言うことありません。
このナンバーは、ROXY MUSICのベスト・ナンバーです。
あとこの頃のライヴでは、John Lennonの"Jealous Guy"を演っておりますが、John Lennon以外で、このナンバーをこれだけ感情豊かに詩の意味を理解して歌っているヴォーカリストはBryan Ferryを除いていないと思いますね。
まるで自分のオリジナル・ナンバーかのように嵌っています。
タイトル・ナンバーの"Flesh + Blood"でのAlan SpennerのベースとAndy Newmarkのドラムス、このリズム・コンビが素晴らしいの一言です。
"No Strange Delight"なんかもメロディアスなナンバーで、かなりいかしてます。
この頃のメンバーを見ると、Bryan Ferry、Phil Manzanera、Andy McKayの3人しかオリジナル・メンバーがおりませんが、この3人さえいればROXY MUSICというバンドが成立するということも、また、確かです。
2001年に再結成した時も、もちろんこの3人がおり、さらに、ドラムスのPaul Thompsonが復帰で、谷Chris Speddingがギターで参加したようです。
残念ながら再結成でのアルバムの発表はなかったようですが、是非、聴きたかったものです。
ROXY MUSICはとても魅力的なバンドです。
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2008-08-30
Kenny Rankin / Because Of You (1991)

何時ものように180円、380円、580円のコーナーへ行くと、今日と明日、市内のGEOで580円以下のCDを3枚買うと390円というバーゲンをやっていました。
1枚当たり130円ということですから、かなり安いと思います。
で、今日4店ほど回って51枚のCDを買ってきました。
車用としてダブって購入したものもありますが、無いと思って買ったCDが実は持っていたというのも2枚ありました。
GEOのこのコーナーには時々掘り出し物があったりします。
今日買った51枚の中にも掘り出し物(貴重盤ということではなく、値段がかなり安いという意味ですが)がありました。
KISSの"Alive II (2 CD)"が国内盤帯付で130円で買えたということは驚きだと思います。ジャケットは良好で、盤に薄い傷はありますが、この価格では絶対買えないでしょう。
他に、Foreignerのベスト・アルバム(1992年の16曲収録)(国内盤帯無)、"Vinnie Vincent Invasion"の"All Systems GO"(国内盤帯無)、Nat King Coleの3枚組のCDとか、130円じゃ、とってもじゃないですが買えないと思いますよ。
で、今日紹介するKenny Rankinの1991年発表の"Because Of You"も130円で購入したCDです。
Kenny Rankinは1976年の"Silver Morning"で初めて日本で紹介されたアーティストです。
当時は、Michael Franksを始め、このKenny Rankinもアダルト・センスを持ったアーティストということで、City Musicというジャンルにいた人です。
その後、City MusicがAORと呼ばれ、Michael FranksとともにAORミュージシャンとして人気を博すことになります。
私は、Kenny Rankinのアルバムを最初に聴いた時(もちろん、当時はレコードですが)、当時の印象があまりにも大人しめといった感じで、それ以降殆ど聴かずにおりました。
今でも、持っているアルバムも、このアルバムのほか1997年の"The Kenny Rankin Album"のみとなっております。
でも、この"Because Of You"の1曲目"Berimbau"を聴いた時に思ったことは、これってMichael Franksみたいで、結構聴けるということでした。
Michael Franksについては、1978年の"Burchfield Nines"を最初に聴いて好きになったアーティストで、"Art Of Tee"、"Sleeping Gypsy"、"Tiger In The Rain"などの70年代後半のアルバムなんかはとても好きです。
この1曲目は、それこそMichael Franksに通じるナンバーで、結構いけます。
2曲目の"What Am I Gonna Do With You...Aime ?"はバックのピアノがジャジーなメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Haven't We Met ?"はGeorge Youngのサックスがカッコ良いアコースティカルでジャジーなナンバーです。
4曲目の"'Round Midnight"はThelonius Monkの有名なジャズ・ナンバーです。
夜にお酒を飲みながらといった雰囲気ですね。
5曲目の"Someone To Watch Over Me"もスタンダード・ナンバーですが、これがメロディアスで最高にいかしたジャジーなナンバーに仕上がっております。
良いでね、このナンバー。
6曲目の"Erienda"はKenny Rankinのオリジナルですが、雰囲気いっぱいのジャジーなナンバーで、かなりいけます。
7曲目の"I Could Write A Book"もスタンダード・ナンバーで、ジャジーです。
8曲目の"Always"はアカペラのナンバーです。
9曲目の"This Old Man (For William Henry Rankin)"は美しいピアノの音から入るメロディアスなAORナンバーで、このナンバーの出来もかなり良いと思います。
10曲目の"Doralice"は1曲目に似たナンバーで、このナンバーもMichael Franksが演りそうなナンバーです。
ラストの11曲目"Because Of You"はKenny RankinのヴォーカルにGeorge Youngのサックスが絡む雰囲気のある1曲です。
130円でこの内容だったら、儲け物です。
2008-08-29
Work Of Art / Art Work (2008)

このアルバム、実は、国内盤が発売されてすぐに購入しましたが、今まで開封もせずそのままでした。
雑誌"BURRN!"では、かなりの高得点が付けられておりましたし、ネット上でも評判はとても良かったアルバムです。
アルバムのライナーを読むと、このバンド苦節16年でのレコード・レビューだそうで、ヴォーカルのLars Safsundはこのブログでも紹介した"The Lec Zorn Project"でも歌っている人です。
このバンドは、スゥエーデン出身のバンドで、このアルバムで聴けるサウンドはTommy Denanderのサウンドに通じる産業ロック・ハードポップのサウンドです。
なるほど、メロディアスで聴き易いナンバーが数多く収められており、メロディ・マニア納得の出来上がりとなっております。
このWork Of Artですが、2007年にデモEPを発表し、ネット上で大好評を得たということですが、今回紹介するアルバムに、EPで発表された3曲が収められているということのようです。
1曲目の"Why Do I ?"は、そのデモEPに収められていたナンバーで、これだけのサウンドを聴かせることができれば、ネット上で話題になるはずです。
メロディアスなハードポップ・ナンバーで素晴らしい出来です。
2曲目の"Maria"はいわゆるTOTOサウンドのメロディアスな産業ロックしたナンバーで、産業ロック・ファンに受けるのも当たり前かも。
3曲目の"Camelia"もデモEPに収められていたナンバーで、このナンバーは2曲目以上にTOTOしたナンバーです。
"Fahrenheit"や"The Seventh One"時代のTOTOといった感じです。
4曲目の"Her Only Lie"もデモEPに収められていたナンバーです。
Work Of Artのメンバー自身がTOTOへのオマージュだと言っているようですが、かなりTOTOから影響を受けているようです。
5曲目の"Too Late"もギターの音に厚みがあってカッコ良いハードポップのナンバーに仕上がっております。
6曲目の"Whenever U Sleep"は音にメリハリがあるハードポップ・ナンバーで、どことなくSAGA辺りを連想させてくれる、そんな曲です。
7曲目の"Once In A Lifetime"はとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、ヴォーカリストのLars Safsundの歌の上手さが光るナンバーです。
8曲目の"Piece Of Mind"はバックのギター、キーボード、ドラムスの音がとてもカッコ良いメロディアスなロック・ナンバーです。
9曲目の"Lost Without Your Love"はお蔵入りしそうになったナンバーだそうですが、これが壮大な感じがするメロディアスなナンバーでとてもいかしています。
こんなナンバーを書けるArt Of Workって凄いと思いますよ。
10曲目の"Like No Other"は出だしのコーラスがアクセントのナンバーですが、曲全体としてはファンキーです。
11曲目の"Cover Me"はこのアルバムの中でもバックの音はハードな方ですが、曲自体はとてもメロディアスで聴き易いものとなっております。
12曲目の"One Hour"はミドル・テンポのナンバーながらロック・スピリッツに溢れたナンバーとなっております。
バックの厚みのあるギターのトーンは最高です。
ラストの13曲目はボーナストラックで、3曲目"Camelia"のアコースティック・ヴァージョンとなっております。
このWork Of Art、TOTOファンだけでなく、産業ロック・メロハー・ファン納得の1枚です。
2008-08-28
Average White Band / Shine (1980)

最近、紙ジャケで1500円という値段でリ・イッシューされました。
私はこのアルバムがCD化されてすぐ購入しましたが、その後"Miss Sun"をボーナス・トラックとして追加しリ・イッシューされ、今回の1500円盤もボーナス・トラックが追加されたものとなっております。
このAverage White Bandですが、イギリスはスコットランド出身のグループであるという事実は、皆さんご存じでしょうか?(って、ファンであれば知っていて当然かも知れませんが)
でも、この8枚目からのファンの方にあっては、アメリカのバンドだと思っていらっしゃった方もおられるのでは?
Average White Bandは1971年にAlan Gorrie、 Malcolm "Molly" Duncan、Onnie McIntyre、Hamish Stuart、Roger BallとRobbie McIntoshというラインナップで結成されたブルー・アイド・ソウルのバンドです。
1973年に1stアルバム"Show Your Hand"を発表し、現在までに、スタジオ録音、ライヴ録音を含め19枚のアルバムを発表しております。
最新作は、2006年に発表された"Soul & the City"というライヴ・アルバムです。
メンバーに目を向けると、Alan GorrieやHamish Stuartという名前があり、Alan Gorrieは1985年にJay Gruskaと本人によるプロデュースの"Sleepless Nights"というアルバムを発表し、このアルバムはAORのマスト・アイテムともなっております。
また、Hamish StuartはPaul McCartneyのバックでギターを担当し、ワールド・ツアーにも参加しておりますし、1988年にSteve Ferrone (Ds)とEasy Piecesというバンドを組んで、セルフ・タイトルのアルバムも発表しております。
このEasy Piecesもかなり良く出来たAORアルバムとなっております。
Steve Ferroneはオリジナル・メンバーのRobbie McIntoshが1974年にヘロイン中毒死した後に、ドラマーとしてAverage White Bandに迎えられております。
私がAverage White Bandを聴くようになったのは、本日紹介する"Shine"からです。
で、今所有している彼らのアルバムは1979年の"Feel No Fret...And More"1982年の"Cupid's In Fashion"、1978年の"Warmer Communications"と1977年の"Benny & Us "の2in1のCDとこの"Shine"だけです。
これ以降のアルバムも聴いてみたことはありますが、あまりピンと来なかったというのが正直な感想です。
やはり彼らのアルバムの中で最も好きなのは、本日紹介の"Shine"ですね。
David Fosterも一番脂が乗っていた時期のプロデュースということもあり、ホント、最高にいかしたAORアルバムに仕上がっております。
1曲目の"Our Time Has Gone"の前奏なんかは、これぞDavid Foster節といったサウンドで、メロディ最高の素晴らしいの一言に尽きます。
2曲目の"For You, For Love"はRoger BallとBill Champlinのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、このアルバムの1、2位を争うナンバーです。
私が真っ先に好きになったナンバーがこれです。
3曲目の"Let's Go Round Again"はAlan Gorrieのペンによるディスコ・タッチの軽快なAORナンバーです。
当時の息吹が感じられるナンバーですね。
4曲目の"Whatcha' Gonna Do For Me"はHamish StuartとNed Dohenyのペンによるナンバーで、Ned Doheny自身も1991年の自分のアルバム"Postcards From Hollywood"に収録しております。
このナンバーも2曲目と同じくらい良く出来たAORナンバーで、AORファンから多数の支持を得ているナンバーです。
5曲目の"Into The Night"はこれがAverage White Bandといった彼らの代表的なファンク・ナンバーで、彼らのプレイも一流だと認識させるようなインストの比重が高いナンバーとなっております。
彼らのライヴをスカパーで見たことがありますが、ライブでは欠かせないナンバーとなっております。
6曲目の"Catch Me (Before I Have To Testify)"もAverage White Bandらしさが良く顕わされたブルー・アイド・ソウルしたディスコ・ナンバーに仕上がっております。
7曲目の"Help Is On The Way"は3曲目に似たタイプのあのディスコ・ミュージックで聴かれるストリングスが印象的なナンバーです。
8曲目の"If Love Only Lasts For One Night"はAlan Gorrieのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、これぞAORといいた感じのナンバーです。
バックのピアノはDavid Fosterだと思いますがとても美しいです。
9曲目のタイトル・ナンバー"Shine"では、再びNed Dohenyが曲作りに関わっております。
これもAORしたメロディアスなナンバーです。
10曲目の"Miss Sun"はボーナス・トラックとして収められたナンバーで、もちろん、あのBoz Scaggsのヒット・ナンバーのカヴァーです。
このナンバーはDavid Paichのペンによるナンバーです。
TOTO自身のプレイや他のアーティストのカヴァーがありますが、このAverage White Bandのカヴァーも含め、Bozのヴァージョンより出来の良いナンバーは無いと思いますね。
今回紹介したものは、1500円の紙ジャケ・シリーズのものですが、タイトル曲が記載されただけのものがあり、ライナーや歌詞カードは付いておりませんが、まあ、この値段であれば仕方ないかも。
未だ聴いていないAORファン(はおりませんね)は是非聴いてみるべきですね。
あっ!失敗した。
今Amazonを覗いたら、新品で1050円で売っておりました。
HMVで1500円出して買って、悔やんでます。
2008-08-27
Chris Spedding / Hurt (1977)

60年代には、Alan PriceやJack BruceさらにはPete BrownらとBattered Ornamentsを結成し何枚かのアルバムを発表し、また、一方で、Nucleusというブリティッシュ・ジャズ・バンドでギターも弾いておりました。セッション・ギタリストとしてHarry Nilsson'の"Nilsson Schmilsson"にも参加しました。
1970年に1stアルバム"Backwood Progression"を発表し、1971年には"Songs Without Words"というジャズ・ロックのアルバムを出しております。
1972年にはAlan Parsonsのエンジニアの下、Abbey Road Studiosでレコーディングされたアルバム"Only Lick I Know" を発表しております。
その後、1972年から1974年までの間、Andy Fraser (ex Free)とSHARKSを結成して、"First Water"と"Jab It In Your Eye"の2枚のアルバムを出しました。
1975年にはそれまでのスタイルを変え、英Rakレーベルから"Chris Spedding"を発表しました。
このアルバムは、ロックンロールを基本としたアルバムで、シングル・カットされた"Motor Biking'"はイギリスのチャートで14位を記録するヒットとなりました。
また、このアルバムには、"Guitar Jamboree"というナンバーが収められており、この中で、Chuck Berry、B.B. King、Jimi Hendrix、Eric Clapton。George Harrison、Keith Richards、David Gilmourなどのギタリストのコピーを披露しており、このナンバーがChris Speddingを一躍有名にしたといっても過言ではないと思います。
その後、サウンドのスタイルはほぼこの路線で進みますが、70年代後半はパンク色も加わるようになりました。
現在も活躍中で、最近のスタイルはブルースあり、ロックンロールありのサウンドとなっており、最新作は2007年に発表された"It's Now Or Never"というアルバムです。
また、Chris Speddingはスタジオ・ミュージシャンとしても有名で、Bryan FerryやPaul McCartneyなどのアルバムに参加しております。
本日紹介する"Hurt"は1977年に発表されたアルバムで、サウンドはロックンロールが基本となっております。
私としては、1975年の"Chris Spedding"の次に好きなアルバムです。
1曲目の"Wild In The Street"はGarland Geffreysのペンによるナンバーで、最高にご機嫌なロックンロール・ナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Silver Bullet"はこのアルバムの一押しのナンバーで、出だしのChris Speddingのギター・プレイは最高です。
メロディアスでフックに満ちたナンバーで、もう言うことがありません。
3曲目の"Lone Rider"もとてもいかしたロックンロールのナンバーに仕上がっております。
4曲目の"Woman Trouble"はこのアルバムの中でも"Silver Bullet"に次くらいに良く出来たナンバーです。
メロディアスな仕上がりのポップなナンバーです。
5曲目の"Ain't Superstitious"は出だしのドラムスとベースがカッコ良いナンバーですが、ニュー・ウェーヴの香りもします。
6曲目の"Wild Wild Women"もとてもご機嫌なロックンロール・ナンバーに仕上がっております。
7曲目の"Road Runner"はこれぞまさしくロックンロールの正統的スタイルのナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
8曲目の"Stay Dumb"や9曲目の"Get Outa My Pagoda"、10曲目の"Hurt By Love"なんかもChris Speddingのギタープレイがカッコ良いロックンロール・ナンバーに仕上がっております。
特に9曲目はメロディも最高です。
このアルバムは、Repertoire Recordsからリ・イッシューされたCDで、11曲目以降ラストの14曲目はボーナス・トラックとして収められております。
11曲目"Pogo Dancing"、12曲目"The Pose"は1976年に出されたシングルのそれぞれA面、B面のナンバーです。
11曲目は基本的にはロックンロール・スタイルのナンバーですが、パンクの香りもあります。
13曲目の"Gunfight"、ラストの14曲目"Evil"は1978年に出されたシングルのそれぞれA面、B面のナンバーです。
13曲目の"Gunfight"はウエスタン・ミュージック調のナンバーで映画のサウンド・トラックとしても使えそうなインスト・ナンバーです。
私は、1975年の"Chris Spedding"からのファンですが、歌は上手とは言い難いですが、ギターのトーンはとても好きですし、アーティスト本人の雰囲気が大好きです。
彼のギターは最高にカッコ良いです。
エレクトリック・ギターが好きな人に聴いて欲しいですね。
2008-08-26
Dan Fogelberg / Phoenix (1979)

前作"Nether Lands"が1977年に発表されましたが、この"Phoenix"との間に、Tim Weisbergとのアルバム"Twin Sons of Different Mothers"も発表されており、このアルバムからは"The Power Of Gold"がポップ・チャートで24位にランク・インされております。
"Phoenix"はビルボードのポップ・アルバム部門で3位にランク・インされ、彼のアルバムの中で最も売れたアルバムです。
アルバムに収められている"Longer"はポップ・シングル部門で2位、アダルト・コンテンポラリー部門で1位といった記録を持っているナンバーで、彼の代表曲となっております。
他に、"Heart Hotels"がアダルト・コンテンポラリー部門で3位を記録しております。
この日本でも当時AORがもてはやされていた時期ということもあり、"Longer"で彼のファンになった方も多かったと思います。
また、1981年の次作"The Innocent Age"は2枚組にもかかわらず、アルバム・チャートは6位、シングル"Leader of the Band"は再びアダルト・コンテンポラリー部門で1位となっております。
その後も"Believe in Me"、"Lonely in Love"、"Rhythm of the Rain"などのナンバーがアダルト・コンテンポラリー部門で上位にランクされました。
2003年に"Full Circle"を発表しましたが、その後癌に侵され闘病生活をしておりましたが、2007年12月16日に帰らぬ人なりました。
最近のニュースでは、闘病生活中に録音されていた音源を集め"Love In Time"というタイトルで2008年(今年ですね)の遅くに発表されるという情報もあるようです。
このPhoenixもDan Fogelbergの暖か味があるサウンドで、彼の特徴が良く顕れたアルバムとなっております。
1曲目の"Tullamore Dew"はタイトル・ナンバーの2曲目"Phoenix"のプロローグといった短いナンバーです。
その2曲目"Phoenix"はTim Weidbergとのアルバム"Twin Sons of Different Mothers"に収められていた"Tell Me To My Face"タイプのウエスト・コースト・ロックしたいかしたナンバーです。
3曲目の"Gypsy Wind"はDan Fogelbergらしい温かみがいっぱいのアコースティカルなナンバーです。
4曲目の"The Last To Know"もアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
5曲目の"Face The Fire"はギターの音が結構ハードなナンバーですが、曲はポップでメロディアスな仕上がりとなっております。
6曲目の"Wishing On The Moon"もポップなAORナンバーです。
メロディもかなりいかしてます。
7曲目の"Heart Hotels"はシングル・カットされたナンバーで、バックのピアノがいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
とても盛り上がりのあるナンバーです。
8曲目"Longer"はAORファンに絶大な支持を受けたナンバーで、アコースティック・ギターの音もDan Fogelbergのヴォーカルもメロディも最高のナンバーです。
アダルト・コンテンポラリー部門で、全米1位となるのも当たり前のナンバーです。
9曲目の"Beggar's Game"も7曲目同様にバックのピアノが最高のバラード・ナンバーです。
7曲目より出来が良いかも。
ラストの10曲目"Along The Road"はゆったりとした感じのメロディアスなナンバーです。
さすが、ヒットしたアルバムだけあって捨て曲はありません。
このアルバムを聴いたことがないメロディ・ファンの皆さんには是非聴いて欲しいですね。
2008-08-25
Laima / Tango (1993)

アーティスト名及びタイトルは、Laimaの"Tango"です。
このアルバムも市内のGEOで190円で仕入れたものです。
GEOの中古CDコーナーには、通常の値段のCDコーナーのほかに、180円、380円、580円のコーナーが常設されております。
で、2か月に1度くらいの頻度で、1000円以下のCDを纏め買いしたら半額というバーゲンを実施しております。
そういったバーゲン・セールに数十枚単位で購入したりしてます。
メジャーなアーティストのアルバムももちろんありますが、たまにお宝があったりで重宝しております。
本日紹介のLaimaもこのセールで購入したものです。
購入のきっかけは、もちろん安価だったということとレーベルです。
このアルバム、GRP Recordsから1993年に発表されたものです。
GRPといえば、Dave GrusinとLarry Rosenが興したフュージョン、スムース・ジャズ系のレーベルで有名ですが、このレーベルから出されたCDだったというのが大きな理由でした。
"Tango"というちょっと心配なタイトルでしたが、これが、聴いてみるとかなりいかしたAORアルバムでした。
もちろん、ジャズ・ヴォーカルといった雰囲気はありますが、ほぼAORした内容で、この手のファンには結構気に入っていただけるアルバムではなかろうか、というのが第一印象でした。
バック・ミュージシャンに目を向けると、Marc Hugenbergerという全ての楽器をこなすマルチ・ミュージシャンがプロデュースを兼ねており、ほぼこの人物のサウンド・コンセプトにより、このアルバムが作られております。
他には、私が承知しているミュージシャンでは、Tim Heintz (Keys)、Gerald Albright (Sax)ぐらいなものでしょうか。
当然、このレーベルからの発表ということで、Dave GrusinとLarry Rosenがエグゼクティヴ・プロデューサーとして名を連ねております。
Laimaのヴォーカルもちょっぴりハスキーでセクシーな声がグッドです。
1曲目のタイトル・ナンバー"Tango"は、いわゆるタンゴ音楽といった感じは全くなく、夜に彼と彼女が一緒のシチュエーションで聴くような、メロディアスな雰囲気最高のナンバーです。
とてもいかしてます。
2曲目の"Undertow"はシティ感覚溢れるブラコン・タイプのナンバーで、素敵という言葉ピッタリのAORナンバーに仕上がっております。
3曲目の"Breakin' Away"はスムース・ジャズしたちょっぴりファンキーなナンバーで、Gerald Albrightのサックスを含めバックの音がとてもカッコ良いナンバーです。
4曲目の"What's Forever"はストリングスにアコースティック・ギターが被さる前奏で始まるメロディアスなバラード・ナンバーです。
どこかで聴いたようなナンバーですので、スタンダードのジャズ・ナンバーなんだと思います(この手の音楽にはあまり造詣が深くありません)。
バックのピアノは雰囲気満点です。
5曲目の"Baby It's You"はThe Beatlesもカヴァーしたあのナンバーです。
ここでのアレンジは、まさにジャズ・ヴォーカル風といったところでしょうか。
6曲目の"Shelter From A Storm"はメロディも洒落たポップなナンバーです。
このナンバーの出来も素晴らしいです。
7曲目の"Lost Without You"は映画のサントラにも使えそうな憧憬豊かなナンバーです。
英語で歌われておりますが、フランス映画にピッタリな感じのナンバーです。
8曲目の"Dream Love"は出だしを聴いた時はMr. Misterの"Something Real"か?と一瞬思ってしまったナンバーです。
バックの演奏の雰囲気は、Mr. Mister風です。
9曲目の"Died In The Midst Of A Dream"もメロディアスなバラード・ナンバーでこれもAORしております。
ラストの10曲目"One World"はバックの音はDavid Foster風で、完全にAORしております。
これで、190円は安い!
AORファンも納得の1枚だと思いますね。
Amazonマーケットプレイスでも300円で売っておりますが、この値段だったら買いでしょう。
2008-08-24
999 / Seperates (1978)

CDのデータ・ベース化のソフトは何度かHP等で紹介しておりますが、オランダの"Music Collector"というソフトを使用しております。
これが優れたソフトで、インターネット上のデータ・ベースから、タイトル、アーティスト、トラック・リストなどをダウンロードして、自分のパソコンでデータ・ベース化出来るといった代物です。
ジャケットのスキャンとか自分でインプットする項目もあり、1枚のCDをデータ・ベースするのに5分程度かかります。
もちろんインターネット上のデータ・ベースに登録されていないCDなんかもあり、これは全ての項目を自分でインプットする必要があります。
また、こういったCDはこちらからインターネット上のデータ・ベースに登録することもできます。
日本オンリーの新譜なんかは登録されていない方が多いですね。
で、私のデータ・ベースですが、現在、7,400枚の登録を終えたところです。
まだ、約1,000枚弱はあり、これからも買い続けますので、いつ終わるか先が見えません。
ジャケットをスキャンする仕事が結構大変なんですね。
1日10枚ほど整理するのが限界ですね。
また、これだけの枚数があるとダブりもかなりあります。
好きなアーティストなんかは、国内盤と輸入盤、紙ジャケ、ボートラ付き再発など知ってて買うものや、安ければ車用で買うのもありますが、そうでないものも結構あり、失敗したと思う時も少なからずあります。
これだけの量のCDになるとプラケースでの保管は出来なく、現在は、"Flash Disc Ranch社"の厚さが1/3になるソフト・ケースで保管しておりますが、データ・ベース上は所有しているのは間違いないのですが、A,B,C順に整理していない(というか多すぎて出来ない)ので、現物がどこにあるのか探すのがとても大変です。
ということで、前書きがとても長くなりましたが、今日紹介する999の"Separates"も中古で買ってずっと聴いていなかったアルバムです。
このアルバムは1978年に発表されたものですが、当時はAOR一辺倒でしたので、ニュー・ウェーヴやパンクのアルバムは殆ど聴いておりませんでした。
たまにElvis Costelloの"Alison"やBoomtown RattsやNick Lowe、Tom Robinson Bandなんか聴いてはおりましたが。
この999もニュー・ウェーヴのバンドとして紹介されておりましたが、当時はバンド名を知っているだけで、アルバムは聴いたことがなかったと思います。
このCDも中古で290円という値段で売っていたので、とりあえず購入したものです。
で、本日、データ・ベース化の作業を、アルバムを聴きながら行っていたところ、「えっ?999ってこんなにポップなの?」って初めて知りました。
ニュー・ウェーヴといえばそうかも知れませんが、パワーポップでも通じるサウンドにビックリしました。
1曲目の"Homicide"なんか、ロックンロール・タイプのポップしたナンバーです。
メロディも最高ですし、ギターやベースなどのバックの音もプレイも素晴らしいです。
途中のギター・ソロなんか言うこと無しです。
2曲目の"Tulse Hill Night"はもう完全にパワーポップしています。
メロディもしっかりしているし、999を全く誤解しておりましたね。
3曲目の"Rael Rean"もごポップなロックンロール・ナンバーです。
とても機嫌なナンバーです。
4曲目の"Let's Face It"のラウドなギターは、それこそ、最近下火にはなりましたが、ギター・ポップのサウンドに通じるものがあります。
こんなナンバーを聴くと、この999はギター・ポップのバンドに相当影響を及ぼしたのでは、と思います。
5曲目の"Crime Part1&2"はNick Loweタイプのニュー・ウェーヴといった感じのナンバーでしょうか。
6曲目の"Feelin' Alright With The Crew"は結構哀愁度もあったりで、最近のブリット・ポップなんかにも通じたサウンドとなっております。
7曲目の"Out Of Reach"や8曲目の"Subterfuge"辺りは、当時のニュー・ウェーヴ、そのまんまのサウンドですね。
9曲目の"Wolf"なんかは結構ハードな音で、これなんかはThe Whoの影響を受けてるのでは?というナンバーです。
The Whoがいて、999がいて、現在のブリット・ポップやギター・ポップがある、代々引き継がれているんですね。
10曲目の"Brightest View"もとてもメロディもかなりいかしておりますし、ポップに仕上がっております。
この曲はほのかにThe Beatlesの匂いも感じ取れます。
ラストの11曲目"High Energy Plan"はこれぞニュー・ウェーヴといった感じの、当時のそのまんまのナンバーです。
今回999を聴いて感じたことは、とてもポップだということと、バックのギターは最高(かなり弾き捲っています)だということです。
かなり気に入りました。
なお、現在流通しているCDはボートラ付きのようです。
2008-08-23
Cameo / Knights Of The Sound Table (1981)

ユニバーサル・レコードのSurfer SoulシリーズやSoul Masterpieceシリーズなど1980年代のファンク、ブラコンのアルバムがこれでもか、というぐらいにCD化されており、中には、今までン万円もしたようなアルバムもリ・イッシューされており、ファンとしては嬉しい限りですね。
特に、この頃のファンク・ミュージックが好きな私としては大歓迎です。
今回のCD化でも、Con Funk Shunや本日紹介するCameoなどのアルバムをまとめて購入しました。
ただ、残念なのは、全てのアルバムがCD化されたわけじゃないということと、最も好きなThe Bar-Kaysのアルバムが1枚も出せれていないのが、ちょっと寂しいですね。
本日紹介するCameoは1973年に"Cardiac Arrest"でデビューしたファンク・バンドです。
現在までに、オリジナル・アルバムを17枚、ライヴ・アルバムを1枚、さらにベスト物が16枚ほど出されております。
特に輝いていたのが1980年前後のCameoで、本日紹介する"Knights Of The Sound Table"は彼らの7枚目のアルバムで1981年に発表されました。
このアルバムは、当時ブラック・チャートの2位にランク・インされたアルバムで、収録ナンバーの"Freaky Dancin'"はビルボード誌で3位を記録しております。
ファンク・ミュージックの好きなところは、楽曲がノリの良いファンキーなディスコ・ミュージックで、聴いているだけで踊りだしたくなるということと、アルバムに必ず1曲は入っている極上のバラード・ナンバーに魅せられているところでしょうか。
あとは、ヴォーカル・グループではなく、メンバー自らが演奏して歌も歌っており、それがそれぞれ素晴らしいということですね。
特に演奏のレベルも高く、たまにインスト・ナンバーなんかも収められてしておりますが、これが極上フュージョン・ミュージックだったりもします。
この"Knights Of The Sound Table"にも軽快なディスコ・ナンバーのほかに、"I Never Knew"と"I'll Always Stay"の2曲のバラード・ナンバーが収められております。
このアルバムはもちろんアナログが出た時にすぐ購入しましたが、とろけるようなバラード・ナンバー"I Never Knew"は当時カセットに入れてヘヴィ・ローテーしておりました。
1曲目の"Knights By Nights"や2曲目の"Freaky Dancin'"は本当にご機嫌なファンク・ナンバーです。
3曲目の"I Never Knew"はとろけるようなメロディアスなバラード・ナンバーです。
私は、ファンク・バンドのバラード・ナンバーには目がなく、The Bar-Kaysの"Love Don't Wait"、Con Funk Shunの"By Your Side"、Future Flightの"Hip-Notic Lady"、Hi-Glossの"You'll Never Know"などは今でもかなりの頻度で聴いております。
そしてこの"I Never Knew"もやっと仲間入りです。
もう最高のバラード・ナンバーです。
4曲目の"Use It Or Lose It"はサウンドがとてもポップです。
5曲目のタイトル・ナンバー"The Sound Table"はスキャットが入っておりますが、ほぼインスト・ナンバーで、メンバーもそれぞれのプレイのレベルの高さを証明しているフュージョン・ナンバーです。
6曲目の"Don't Be So Cool"でのバックの音、特にチョッパー・タイプのベースは最高です。
もう1曲のバラード・ナンバーの7曲目"I'll Always Stay"はストリングを上手く使った極上のナンバーです。
ファルセット・ヴォイスが素晴らしいです。
ラストの8曲目"I Like It"はカッコ良いギターのカッティングから入るご機嫌なファンク・ミュージックです。
Cameoの"Knights Of The Sound Table"は以前CD化された時、流していたので、このように再CD化されたことは大変嬉しく思っております。
おそらく、今回も1stプレスでお終いだと思いますので、買い逃した方はお早めに!
2008-08-22
Dave Raynor / Rain Or Shine (1980)

オフィシャル・リリースじゃないため、ジャケットは貧弱で盤がCD-Rというのは仕方がないところですが。
AORのど真ん中のアルバムで、メロディアスなナンバーがたくさん収められております。
このアルバムはCRUISIN' MUSICから購入したもので、今回耳にするまで、存在すら知りませんでした。
CRUISIN' MUSICのアルバム紹介では、バックにFRANKIE BLEU, GEORGE MERRILL,
STACY CHRISTENSON, MICHAEL KINDER などのミュージシャンが参加しているようです。
FRANKIE BLEUは1982年に"Who's Foolin' Who?"というアルバムを出しておりますし、GEORGE MERRILLはBoy Meets Girlが片割れで、ここ日本でも知られた存在です。
で、このDave Raynorですが、サウンド的には、前出のアーティスト同様のAORです。
1曲目の"The Way It Used To Be"は前奏のギターの音がカッコ良い、メロディアスなAORナンバーです。
声の質もオーソドックスですし、歌唱力もまあまあととても聴き易いです。
2曲目の"Leave Me Alone Tonight"はRoger Voudourisの"Get Used To It"に似たポップなAORナンバーです。
3曲目の"Stay Here Tonight"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
出来もかなり良いと思いますね。
4曲目のタイトル・ナンバー"Rain Or Shine"はメロディアスなフックに富んだAORナンバーで、このアルバムのタイトルにしたのも頷けるナンバーです。
お薦めの1曲です。
5曲目の"Slip Away Tonight"はブギー調の軽快なナンバーです。
ポップなナンバーで、出来もそこそこです。
6曲目の"I Can't Take It"は2曲目に似た雰囲気のナンバーで、このナンバーもRoger Voudouris風でバックのピアノの音が良いですね。
7曲目の"You've Got It"はディスコ・タッチのAORナンバーです。
そういえば、この頃のAORのアルバムには、数多くのアルバムにこんな感じのナンバーって1曲は収められていたような感じがします。
ラストの8曲目"Little Ones"は出だしのハーモニカの音が哀愁をそそる感じです。
バックのストリングスも美しいメロディアスなバラード・ナンバーで、このナンバーもお薦めです。
AORファンは納得の1枚だと思いますね。
気になる方がCRUISIN' MUSICへ
2008-08-21
Spy / Spy (1980)

KANSASと同じレーベルKirshner Recordsから発表されたこともあり、KANSASの弟分的に紹介されたことも。
サウンドはいわゆるアメリカン・プログレハードで、BOSTONやSTYX、FOREIGNERなどと同系列の産業ロックです。
バンド・メンバーにヴァイオリニストがいることから、KANSASと比較されますが、私としては、Trillionなんかに似ているのでは、と思っております。
当時の産業ロックのアルバムの中でも出来は良い方だと思いますし、Trillionがアルバム2枚を出して消えたバンドで、その2枚とも名盤と讃えられていることを考えると、このSPYはちょっと可哀そうなバンドだと思いますね。
アルバムのクオリティは同レベルだと思います。
まあ、Trillionには後にTOTOに加入するFargie Fredriksonがいた分だけ、後になって注目されたんだろうと思いますが。
このSPYのメンバーは、David Nelson (Vo, G)、Bob Goldman (Ds)、John Vislocky (Vo)、Dave LeBolt (Keys)、Danny Seidenberg (Violin, Keys)、Michael Visceglia (B)の6人編成となっております。
ヴォーカリストが2人で、どちらも歌はかなり上手いですし、ギターもキーボード、それぞれプレイは最高です。
1曲目の"Crimson Queen"はこのアルバムの一押しのナンバーで、このナンバーはホントTrillionを聴いているようで、メロディアスでポップでハード、これぞ産業ロックといったナンバーです。
当時、ヘヴィ・ローテーしていたナンバーです。
もうこの1曲で、お釣りがきます。
2曲目の"Easy Street"はキーボードとギターのプレイがいかした、これも産業ロック然としたナンバーです。
また、このナンバーでのヴァイオリンの音にはうっとりします。
3曲目の"Best That We Can Do"はメロディアスなバラード・タイプのナンバーです。
曲の出来も悪くないですし、もっとメジャーになっても良かったと思いますが。
4曲目の"Can't Complain"は出だしのギターとドラムスがカッコ良いハードポップ・ナンバーです。
5曲目の"Ruby Twilight"はバックのピアノとヴァイオリンが美しいバラード・ナンバーです。
ピアノとヴァイオリンの絡みが実に素晴らしいです。
やはりこのSPYというバンドはこのアルバム1枚で消えるバンドでは無かったハズです。
6曲目の"Love's There"はギター・オリエンティドの産業ロック・ナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリです。
このナンバーなんかはSTYXに通じるものがあります。
7曲目の"Feelin' Shining Through"もバラード・ナンバーですが、メロディアス度はイマイチか。
8曲目の"Anytime, Anyplace"なんかも、もしTrillionの2ndに入っていても全く違和感がないかも。
曲の感じや雰囲気はもうTrillionです。
ラストの9曲目"When I Find Love"はメロディアスでポップなとても良く出来たナンバーです。
バックのヴァイオリンはかなりいかしてます。
これは、産業ロックの隠れた名盤です。
2008-08-20
Gravity Burn / Weight And Sea (2008)

その内の一つは、Rertrospect Recordsの直営店と、もう一つはRenaissance Recordsの直営店です。
それぞれのレーベルで扱っているCDが出品(Retrospect Recordsの方はたまにレア盤も扱っております)されており、オークションの結果によっては、それぞれのレーベルから直接購入することよりもかなり安く手に入れることができます。
ただ、1枚当たりの送料が6ドル近くかかり、購入したCDよりも送料が高いということもしょっちゅうですが。
でも、1枚5とか6ドルで買えれば、送料を入れても12ドル(日本円で1,200円程度)ぐらいですので、AmazonやHMVと価格を比較しながら(Retrospect Recordsは両サイトでも扱っておりませんが、Renaissance Recordsのものは結構カタログに載っています)購入しております。
本日紹介するGravity Burnというバンドの"Weight And Sea"というアルバムは、Renaissance Recordsのe-Bay直営店から購入したものです。
本体価格3ドル、送料6ドル計9ドルのCDです。
Renaissance Recordsは、当初、707、Tycoon、Russ Ballardなどの産業ロック系のバンド・アーティストのアルバムなどをリ・イッシューするレーベルとして立ち上がりましたが、一度は、ホームページも閉めて潰れたのかなと思っておりましたが、ここ2,3年で再開されたレーベルです。
当然、リ・イッシューにも力を入れており、ごく最近は、City Boyの再リリース、さらにはBalanceの1stと2ndの2in1のCDも再リリースされました。
また、オフィシャル・サイトを覗くと、リ・イッシューだけでなく、自らのレーベルでアーティストも抱えているようです。
このGravity BurnもRenaissance Recordsお抱えのバンドで、ジャンルとしては、女性ヴォーカルをフロントに置いたEvanescenceタイプのゴス・ロックです。
哀愁度という観点からは、Evanescenceや最近売れているFireflightに比べると若干差はつきますが、それでも、ゴス・ロックのアルバムとしては、一定のレベルはクリアしていると思います。
バックのメタリックなサウンドに乗るMagda Ollarという女性のヴォーカルはかなりいかしてますし、哀愁度はイマイチといいながらも流れてくる旋律はメロディアスです。
1曲目"Forward"は2曲目"Stranger"の導入部分で、その2曲目はメタリックでラウドなサウンドのカッコ良いナンバーです。
3曲目の"Falling Down"はメロディアスなゴス・ロックで、Evanescenceを彷彿するとても良く出来たナンバーです。
ゴス・ロックのファン納得の1曲だと思いますね。
4曲目の"All The While"はヘヴィなギターのリフがカッコ良いナンバーで、バックにストリングを使うなどゴシック度も高く、Magda Ollarのヴォーカルも良いですね。
5曲目の"The Visitor"もメタリックでラウドなサウンドですが、これもしっかりゴシックしています。
6曲目の"Not A Dream"はアコースティック・ギターから入るメロディアスなゴシックのバラード・ナンバーです。
それにしてもこのバンドのギタリストMike Buffaという人物のテクニックもかなりなものです。
7曲目の"Other Side"もEvanescenceタイプのメロディアスなゴス・ロックです。
8曲目の"Losing You"もMagda Ollarのヴォーカルだけじゃなく、バックのサウンドもカッコ良いナンバーです。
9曲目の"Closure"は全体的にはポップな感じのナンバーです。
10曲目の"Slowly Killing Me"はメロディアスなナンバーで、結構いけます。
11曲目の"Broken Promise"なんか聴いていてもMagda Ollarのヴォーカルはかなり良いと思います。
ラストの12曲目"Remiez"でも、Mike Buffaのメタリックなギターを始め、バックの音はとてもカッコ良いです。
EvanescenceやFireflightが好きな方にはお薦めです。
2008-08-19
Night Plane / Night Plane (1982)

ただ、このアルバムは、確か"Melody Blvd"というAOR専門のアメリカのネット・ショップ(Dakotaの1stなどを売っていて、もう既に無くなったショップですが)でCD化のアナウンスがあり、予約を受け付けていて私も予約した口ですが、いつの間にかCD化の話も立ち消えとなった、いわくつきのアルバムです。
そのアルバムは、Night Planeというバンド(というよりHaden GreggとJim Dykannの二人のデュオです)のセルフ・タイトルのアルバムです。
発表は1982年で、当時はポリドール・レコードから国内盤も出ておりました。
バック・ミュージシャンに目を向けると、Craig Doerge (Key, ex Section)、Steve Lukather (G)、Danny Kortchmar (G)、Kenny Edwards (G)、Bob Glaub (B)、Russ Kunkel (Dr)といった布陣となっております。
このメンツを見て、通り過ぎるAORファンはいないと思いますが、内容はFirefallや1stの頃のFools Goldといった趣のライト&メロウなAORミュージックです。
A面の1曲目でタイトル・ナンバーの"Night Plane"はとても良く出来たポップなAORナンバーで、ヒット性抜群の曲です。
Steve Lukatherのギター・ソロは、あくまでもTOTOっぽくではなく、スタジオ・ミュージシャンのギター・ソロといった感じです。
当時のAORナンバーと比べてもそこそこのナンバーだと思います。
2曲目の"Slow Down"はLittle Featや初期Eaglesみたいなメロディアスなウエスト・コーストのロックといった趣のナンバーです。
このナンバーでのSteve Lukatherはかなり弾いています。
3曲目の"Out Of Control"は洒落たシティ感覚のあるバラード・ナンバーです。
このナンバーは完全にAORしております。
4曲目の"Tried Too Hard"はレゲエのリズムを取り入れたナンバーです。
5曲目の"Cheated"はミディアム・テンポのAORナンバーで、途中のSteve Lukatherのギター・ソロとBryan Savageのサックス・ソロは圧巻です。
B面1曲目の"Don't Be Fooled"はBryan Savageのサックス・ソロから入るモロAORのメロディアスなナンバーです。
また、バックのリズム・セクションも最高です。
2曲目の"Illusions"はRuss Kunkelのパーカッションが聴きもののナンバーです。
3曲目の"Line On Fire"はスロウながらシャッフルしたいかしたナンバーです。
Craig Doerge、Russ Kunkel、Danny KortchmarのSECTIONがバックを固め、Bryan Savageのサックス・プレイも最高にいかしたナンバーです。
4曲目の"Another Hotel"はKenny Edwardsのアコースティック・ギターとSteve Lukatherのエレクトリック・ギターのアンサンブルがとてもカッコ良いナンバーです。
ミディアウム・テンポのナンバーですが、ロック・スピリットを感じます。
ラストの5曲目"Who Knows!"はSteve Lukatherの短いながらカッコ良いギター・ソロから入るナンバーで、ポップでAORナンバーに仕上がっております。
また、このナンバーでは、全編でSteve Lukatherのギター・ソロを堪能できます。
このアルバムでは、B面3曲目を除き、Steve Lukatherがバックでギターを弾いておりますが、ギターのトーンとしては、Wilson Bros.でのギターのトーンと似ております。
Steve Lukatherの参加したアルバムの中でもかなりカッコ良いプレイをしていると思います。
一度、CD化のアナウンスがあったのに勿体ないです。
2008-08-18
Robert John / Robert John (1979)

アルバムは、Robert Johnが1979年に発表した3rdアルバム"Robert John"です。
このRobert Johnですが、オリジナル・アルバムとして発表されたものはそう多くはないようです。
1968年に1stアルバムの" If You Don't Want My Love "(このアルバムは2006年にソニー・レコードからボーナス・トラックを収録して紙ジャケでCD化されています)、1971年に2ndアルバムの"On the Way Up"、そして1979年に本日紹介する"Robert John"が、1980年に4thアルバムの"Back on the Street"(これがラスト・アルバムのようです)といった具合で4枚しか発表されていないようです。
1972年にThe Tokensの"The Lion Sleeps Tonight"のカヴァーが全米3位にランクインされましたが、オリジナル・ナンバーとしては、本作に収められている"Sad Eyes"がビルボードでナンバー・ワンになっております(確か)。
Robert Johnと言えば、彼のファルセット・ボイスが特徴というか有名ですが、大ヒットした"Sad Eyes"も彼のファルセット・ヴォイスがいかされたナンバーとなっております。
このアルバムは基本的にはAORアルバムとして認知されておりますが、1979年に発表されたという時期、また、彼のファルセット・ヴォイスということもあるかも知れませんが、あのThe Bee Geesによるディスコがバカ受け(まさにFever)していたということで、The Bee Gees風のナンバーも結構収めらております。
で、このアルバムはそういったナンバーから始まります。
A面の1曲目"That's What Keeps Us Together"はモロThe Bee Geesしています。
あのファルセット・ヴォイスを駆使したディスコ・ナンバーです。
私は、The Bee Geesのディスコ・ナンバーは嫌いじゃない(というか結構好きかも)ので、全く違和感がありません。
メロディアスでカッコ良いナンバーです。
2曲目の"Love Of A Woman"は、これは紛れもなくAORしたポップでメロディアスなナンバーです。
とても素敵なナンバーです。
3曲目の"Lonely Eyes"もメロディアスな少しばかりディスコっぽいAORナンバーです。
4曲目の"Am I Ever Gonna Hold You Again"はThe Bee Geesの"How Deep Is Your Love"タイプのメロディアスなディスコティークのバラード・ナンバーで、かなりいかしてます。
5曲目の"Dance The Night Away"はタイトルどおり軽快なディスコ・ナンバーです。
まるでThe Bee Geesを聴いているようです(決して悪い意味ではなく)。
B面の1曲目"Give A Little More"も軽快なディスコ・タッチのナンバーです。
2曲目の"Sad Eyes"は彼の大ヒットナンバーで代表曲です。スロウなブギ・タイプの良く出来たバラード・ナンバーです。
Robert Johnのファルセットには惚れぼれします。
3曲目の"Takin' My Love For Granted"は曲にメリハリがあるナンバーで、バックの演奏はかなり良いです。
特にバックのギター・ソロが。
4曲目の"Only Time"は得意なファルセットではありません。
何となく雰囲気はPeter Allenといった感じです。
ラストの5曲目"Stay A Little Longer"はあくまでもRobert Johnスタイルのロックンロール・ナンバーです。
テンポ的には速くはありませんが、これはロックンロール・ナンバーですね。
ベスト・アルバムは出ておりますが、Robert Johnのオリジナル・アルバムでCD化されているのは1stのみだと思いますが、他のアルバムも是非CD化して欲しいですね。
2008-08-17
Phillips/MacLeod / Le Partie Du Cocktail (1979)

Phillips/MacLeod (Robert Phillips & Sean MacLeod'の1979年にPolydor Recordsから発表された彼らの1stアルバム"Le Partie Du Cocktail"です。
彼らは翌年に2ndアルバム"Phillips / MacLeod"を同レーベルから発表したあと、姿を消してしまったようです。
ネットで彼らを検索しても殆どヒットしないため、経歴等は全く不明ですが、アメリカのミュージシャンだと思います。
かろうじてドラマーのAndy Newmarkのセッション・ワークで、彼が2ndアルバムに参加したことぐらいです。
彼らの2枚のアルバムを持っておりますが、出来はこの1stの方が良く、2ndはちょっぴりニュー・ウェーヴっぽい感じでした。
先ず、この1st、ジャケットの雰囲気がAORといった感じがすると思いませんか?
当時レコードを購入したきっかけはもちろんこのジャケットでした。
プロデュースはTony Peluso (ex Playerの"Room With A View")で、バック・ミュージシャンにはDavid Kemperぐらいしか知っている名前はありません。
それでも、このアルバム、出来としては結構良く、このアルバムを聴いて2ndを購入したわけです。
A面の1曲目の"City Of Light"はこれぞAORといった感じのメロディアスなナンバーで、この1曲目を聴いて、彼らのサウンドがいっぺんに好きになりました。
とてもセンスが良いナンバーで、彼らのコンポーザーとしての才能もかなりなものだと思います。
2曲目の"Take Me To The High Ground"はとても良く出来たメロディアスでポップなナンバーです。
このナンバーって、誰かカヴァーしておりませんでしたっけ?
なんか、他のアーティストで聴いたことがあるような感じがします。
もう、これら1曲目、2曲目だけ聴いただけで、このアルバムの良さが判ってしまいます。
3曲目の"Come With Me"はライヴの効果音から入るスロウなブギなご機嫌なナンバーです。
このナンバーのメロディもとても素晴らしいですし、メロディ・メイカーとしてもかなりなものです。
4曲目の"Easy Street"は都会的な雰囲気を持ったナンバーのAORです。
バックのサックスがそそります。
5曲目の"Takin' It Easy"はブルー・アイド・ソウルしたファンキーでとてもカッコ良いナンバーです。
B面の1曲目"What Am I Gonna Do"はメロディアスなバラード・ナンバーで、盛り上がりのあるとてもいかしたAORナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Gone Are The Dreams"は曲の最初の部分はアコースティカルでメロディアスな、これもバラード・ナンバーです。
途中からベースがビンビンと撥ね、曲調が変わりますが、これがとてもカッコ良いんですね。
コーラス・ワークがとても素晴らしいです。
3曲目の"Wendy"はタイトルもそうですが、コーラス・ワークなんかもThe Beach Boys風です。
もちろん、The Beach Boysを意識して作ったことは間違いないと思いますね。
4曲目の"Viva Alessa"は夏を感じさせるラテン風味最高のファンキーなナンバーです。
ラストの5曲目"Lost In The Storm"もメロディアスでポップなAORナンバーです。
彼らの魅力は、曲の良さはもちろんですが、Robert PhillipsのヴォーカルとSean MacLeodのギター・プレイですね。
Robertのヴォーカルはかなり上手いですし、Seanのギター・プレイもいかしてます。
本当にマイナーなアーティストのアルバムですので、CD化はありえないかも知れませんが、AORファンには是非聴いていただきたいアルバムだと思いますね。
少なくとも"City Of Lights"は。
2008-08-16
Russ Ballard / Barnet Dog (1980)

また、THREE DOG NIGHTの"Liar"やRAINBOWの"Since You Been Gone"といったナンバーもこのRuss Ballardが作ったナンバーですが、これらも大ヒットしました。
彼は、1974年に1stアルバム"Russ Ballard"を発表し、現在までにオリジナル・アルバムを9枚出しております。
最新作は、2006年に発表した"Book Of Love"となっております。
冒頭にも書いたとおり、彼の作ったナンバーは、ミュージシャン受けするナンバーが多く、数多くのバンド、アーティストにカヴァーされており、また、ヒットにもつながっております。
彼のベスト・アルバムは、1984年に発表した"Russ Ballard"だと私は個人的に思っておりますが、本日紹介する1980年の"Barnet Dogs"も良く出来たハード・ポップ・アルバムに仕上がっていると思います。
1曲目の"Rene Didn't Do It"はシングル・カットされたナンバーですが、フックに満ちた最高にカッコ良く、サウンドにキレがあるハードポップのナンバーです。
Russ Ballardって才能豊かなコンポーザーだと思います。
2曲目の"Ain't No Turning Back"も良く出来たハードポップのナンバーで、こういうナンバーを聴いたら、ロック系のバンドやアーティストがカヴァーしたくなるのも判りますね。
3曲目の"Bad Boy"はレゲエ調のギターのカッティングから入るナンバーで、途中からハードロックするナンバーで、とても面白さを感じます。
4曲目の"On The Rebound"はベースとドラムスがビンビンのカッコ良いナンバーです。
5曲目の"She Said 'Yeah'"はご機嫌という言葉がピッタリのロックンロールのナンバーです。
Russ Ballardのギターはもちろんですが、彼のヴォーカルも素晴らしいです。
6曲目の"It's Too Late"なんかも他人からカヴァーされそうなロック・ナンバーです。
7曲目の"Feels Like The Real Thing"は出だしのギターとそれに続くドラムスの音がカッコ良いナンバーです。
このナンバーもフックのあるメロディアスなハードポップのナンバーです。
8曲目の"Riding With The Angels"はUFOなんかがカヴァーすればヒットしそうなナンバーです。
ギターのカッティングが素晴らしいナンバーです。
ラストの9曲目"Beware"は曲の出来としてはそれほどでもありませんが、コーラス・ワークは聴きものです。
Russ Ballardのアルバムは全てCD化されており、日本では、3rdアルバムの"At The Third Strike"がウエスト・コーストのバック・ミュージシャンを使っているということで、AOR関係でCD化されましたが、海外では、Renaissance Recordsが2in1でCD化されました(現在、廃盤となっているのも多い)。
ただ、1993年の"The Seer"や廃盤となっているCDはそこそこレア扱いされております。
でも、彼の作るナンバーはとても優れておりますので、産業ロックやハードポップ・ファンには是非聴いていただきたいですね。
でも、13,766円は高すぎですね
2008-08-15
Yvonne Elliman / Night Flight (1978)

1969年にイギリスへ渡り、いろいろなクラブで歌っていたそうです。
また、1972年(?)に"Jesus Christ Superstar"でMary Magdalene役でヴォーカルを担当していたことは有名な話です。
それがきっかけかどうかわかりませんが、1974年のEric Claptonの復活アルバム"461 Ocean Boulevard"でバッキング・ヴォーカルを担当し、そこそこ名前を知られる女性ヴォーカリストとなりました。
その後、Eric Clapton BandでMercy LevyとYvonneの2人がほぼ固定されたバッキング・ヴォーカリストとなったのは、皆さんの知るところです。
その彼女がEric Clapton Bandと並行してソロ・アルバムも何枚か出しております。
1972年の1stソロ"Yvonne Ellimanから始まり、翌年に"Food Of Love"、1975年に"Rising Sun"、1976年に"Love Me"、1978年には今回紹介する"Night Flight"、1979年にはAORの名盤として誉れが高い"Yvonne"を発表し、その後、音楽活動は続けていたと思いますが、2004年になって、オリジナル・アルバムとしては7枚目となる"Simple Needs"を発表しております。
彼女の名前が売れだしたのはEric Clapton Bandでバッキング・ヴォーカルを担当したことにありますが、一躍彼女をスターダムに押し上げたのが、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」で、Bee Geesが作ったナンバー"If I Can't Have You"が大ヒットしたのがきっかけです。
このナンバーは、今回紹介するアルバムのB面にも収められており、そういう意味で、このアルバムは彼女にとって重要なアルバムとなりました。
彼女のオリジナル・アルバムの何枚かはCD化されましたが、CD化されていないアルバムも多く、この"Night Flight"は未CD化の1枚です。
次作の"Yvonne"はAORアルバムの名盤として有名な1枚で、この日本でCD化されましたが、当時、この"Night Flight"も是非CD化して欲しかったと思っております。
彼女のヴォーカルは上手いですし、表現力もあり、素晴らしいですが、それ以外にこのアルバムのバックを支えるミュージシャンが凄いんです。
Mike Baird、Jim Keltner、Russ Kunkel、Scott Edwards、Lee Sklar、Paul Stallworth、Steve Cropper、Danny Kortchmar、Lowell George、Dean Parks、Richie Zito、Eric Carmen、Jim Hornなどがこのアルバムに参加しております。
収録ナンバーは、
(Side A)
1 Baby Don't Let It Mess Your Mind
2 In A Stranger's Arms
3 I'll Be Around
4 Lady Of The Silver Spoon
5 Down The Backstairs Of My Life
(Side B)
1 If I Can't Have You
2 Prince Of Fools
3 Sally Go 'Round The Roses
4 Up To The Man In You
5 Sailing Ships
の以上10曲です。
"If I Can't Have You"は皆さんが知っているとおり大ヒットした軽快なディスコ・ナンバーです。
このナンバーの印象が強すぎて、他のナンバーの影が薄い感じを受けますが、それはとんでもない誤解で、他にも素晴らしいナンバーがたくさんあります。
特に素晴らしいのは、"Baby Don't Let It Mess Your Mind"でNeil SedakaとPhil Codyのペンによるメロディアスで壮大な感じのバラード・ナンバーです。
一度聴いたら忘れられないくらいの印象的なナンバーです。
"In A Stranger's Arms"はDanny Kortchmarのペンによりナンバーで、あの幻の(?)バンドAttitudesのアルバム"Good News"に収めらていたナンバーです。
"Down The Backstairs Of My Life"もとてもメロディアスなバラード・ナンバーです。
ほかのライターのナンバーを取り上げることが多いYvonneですが、"Up To The Man In You"は彼女自身が作ったナンバーで、アコースティカルながらファンキーなナンバーです。
"Sailing Ships"はStephen Bishopのペンによるナンバーで、このナンバーもスケール感のあるナンバーに仕上がっております。
彼女のアルバムはCD化されたものもすでに廃盤となっておりますし、未CD化のも含め是非CD化して欲しいですね。
2008-08-14
Dakota / Runaway (1984)

プロデュースは1stに引き続きCHICAGOのDanny Seraphineが担当。
また、アルバムのクレジットを見ると、エンジニアには、Humberto Gaticaの名前も。
この当時のDAKOTAは、Jerry G. HludzikとBill Kellyの2人のプロジェクトみたくなっており、バック・ミュージシャンに目を向けると、ギターに、Richie Zito、Paul Kackson,Jr.、シンセサイザーに、Micheal Boddicker、Steve Porcaro、サックスにErnie Watts、バッキング・ヴォーカルにBill ChamplinなどAOR界の有名なミュージシャンが集まっております。
1stでは、素晴らしいメロディ・メイカーぶりを見せていたJerry G. Hludzikは、この2ndでもその才能を遺憾なく発揮しております。
まあ、出来は1stの方が素晴らしいですが。
1曲目の"Runaway"はこれぞ産業ロックといったメロディアスでハードでポップなサウンドの素晴らしいナンバーです。
Jerry G. Hludzikのハイ・トーンもとてもいかしてます。
2曲目の"Tonight Could Last Forever"はミディアム・テンポのポップなナンバーです。
ギター、キーボード、ドラムスなどの楽器の音もとてもいかしてます。
3曲目の"Heroes"は出だしのピアノの音が最高のパワー・バラードのナンバーです。
Jerry G. Hludzikは本当に優れたソング・ライターだと思いますね。
4曲目の"When The Rebel Comes Home"は、曲の出来としてはまあまあですが、ちょっとばかりニューウェーヴっぽいアレンジがいただけないという感じも。
5曲目の"Love Won't Last"もメロディは良いのですが、バックの音がちょっとうるさいという感じで、このアレンジは?ですね。
6曲目の"Into The Night"はスペイシーなシンセの音から入る大仰な前奏から始まるナンバーですが、それが過ぎると、これがDakota節ともいえるメロディアスなとてもカッコ良い曲に変身します。
1stの"Crazy For Your Love"にも劣らない内容のナンバーとなっております。
7曲目の"Angry Men"は美しいピアノの音から入るメロディアスなパワー・バラード・ナンバーで、とてもタイトルから想像できない、最高に良く出来たナンバーです。
このナンバーの出来は素晴らしいです。
8曲目の"If Only I'd Known It"も美しいピアノの音から入るナンバーですが、こちらは、とてもいかしたバラード・ナンバーに仕上がっております。
ただ、1stの"You Can't Live Without It"みたいなフックに満ちた琴線に触れるというのがイマイチですが、それでも、曲の出来はかなりなものです。
9曲目の"Over And Over"ではErnie Wattsのサックスが聴けるポップでご機嫌なナンバーとなっております。
10曲目の"Believin'"は出だしのギター・ソロがカッコ良いメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
ラストの11曲目"More Love"も仕上がりはとてもポップで、バックのシンセが良い音をだしております。
それでも、やっぱり1stには敵わないと思いますね。
Dakotaもすでに6枚ほどオリジナル・アルバムを出しておりますが、1stアルバムを超えたアルバムがないのが残念というか、1stがあまりにも良すぎたということもあると思いますが。
なお、このDakotaのアルバムですが、ほぼ全て廃盤となっており、今では、結構高い金額で取引されているみたいですが、"It's About Music"というレーベルから彼らの全てのアルバムを購入できます。
ただし、盤はCD-Rとなりますが。
それでも、彼らの音源を聴く分には申し分ないと思います。
値段も15ドル前後ですし、気になる方はどうぞ。
2008-08-13
Adrian Gurvitz / Acoustic Heart (1996)

Adrian Gurvitzはご存じのとおりGUN、The Baker Gurvitz Army、Three Man Armyといったブリティッシュ・ハードロック・バンドで活躍したアーティストでしたが、1979年に"Sweet Vendeta"でDavid Paich、Jeff Porcaro、Steve PorcaroのTOTO一派をバックに従え、それまでのハードロック路線から一転してAOR路線に転向しましました。
ソロ・アーティスト転向後に、2ndアルバム"Il Assanio"に収められていた"Seventeen"が大ヒットし、一躍AORアーティストとして名を馳せました。
そんなAdrian Gurvitzが発表したアルバムがこの"Acoustic Heart"です。
冒頭にギタリストAdrianのアルバムと紹介しましたが、ここでのAdrianはエレクトリック・ギターをアコースティック・ギターに持ち替えてのプレイをしています。
全体的な作りとしては、スムース・ジャズあるいはニュー・エイジ色の強いものとなっており、過去のAdrianを知る者としては、えっ?、というものでした。
ただ、ハードロックをプレイしていた時から、彼の作る楽曲はメロディアスなナンバーが多かったので、AORシンガーに転向した時なんかは、あまり違和感もなく感じもしましたが、この"Acoustic Heart"を聴いた時は、結構ビックリもしました。
このアルバムを最初に聴いた時の印象は、ちょっと物足りないという感じでしたが、今、こうして聴き直してみると、タイトルから連想されるとおり心温まるものを感じます。
まあ、このアルバム自体が、彼の奥さんElaineに捧げたものであり、Love Adrianという言葉が添えられていることもありますし。
全11曲のナンバーが収められており、Adrianのギター・プレイも最高です。
かなり上手いです。
また、曲によっては、Robbie Buchananがフェンダー・ピアノを弾いております。
1 The Journey
2 Purple Rose
3 Images
4 Somedays
5 A Place In Heaven
6 Eric's Song
7 First Love
8 De L'amour
9 The World Tonight
10 Sorry Sadie
11 Coming Home
というタイトルのナンバーが収められており、タイトルを見ただけで、何となく内容が判るような感じがしませんか?
"Purple Rose"とか"First Love"とかいったタイトルから連想される、そんなサウンドとなっております。
聴きこむというより、何かをしながら、そう、こうやってブログを書きながらBGMとして聴くにはもってこいのアルバムです。
スムース・ジャズやニュー・エイジのファンにお薦めです。
2008-08-12
Steve Winwood / Arc Of Diver (1980)

また、1stの"Steve Winwood"と3rdの"Talking Back To The Night"の中古CDは、それぞれがほぼ5桁近い値段が付いております。
ところが、今年の10月22日に、これらIslandレーベルの4枚が紙ジャケで、それぞれ単体で再発されます。
2007年のリマスターということですから、以前の4枚組ボックス・セットと同じ内容だと思います。
私は、このボックス・セットも以前にCD化されたそれぞれのアルバムも所有しておりますので、今度の紙ジャケCD化はそれほど嬉しくはないですが、今まで高値の花だった1stや3rdを持っていらっしゃらない方にとっては、朗報だと思います。
特に、1stは最高の出来(あくまでも個人的な意見ですが)ですので、全てのロック・ファンに聴いて欲しいアルバムだと思います。
Steve Winwoodのアルバムで、最も売れたのは1986年の4tアルバムの"Back In The High Life"ですが、それと同じくらいヒットしたのが、今回紹介します1980年の2nd"Arc Of Diver"です。
このアルバムは全米3位にランクインし700万枚を超えるセールスを記録しました。
また、このアルバムからシングル・カットされた"While You See A Chance"も全米7位を記録しております。
この2ndはSteve Winwoodが殆ど一人で作り上げたアルバムで、マルチ・プレイヤーぶりを発揮しております。
私はSteveのブルーアイド・ソウルしたヴォーカルも好きですが、かれのMini Moogの音が特別好きです。
彼のプレイは、結構他のアーティストのアルバムでも聴けますが、特に好きなのが、George Harrisonの1979年の"George Harrison"に収められていた"Love Comes Everyone"でのプレイです。
で、この"Arc Of Diver"にも彼のMini Moogのプレイがふんだんに収められております。
1曲目の"While You See A Chance"はそのMini Moogから始まるナンバーで、とてもポップで最高のAORナンバーに仕上がっております。
冒頭にも触れましたが、全米7位と大ヒットしたのも頷けます。
2曲目の"Arc Of Diver"もとてもメロディアスでフックに満ちたナンバーです。
途中のSteveのギター・ソロもホント、カッコ良いです。
3曲目の"Second-Hand Woman"とは、また、やばいタイトルですね。
「使い古された女」とでも訳すのでしょうか。
そんな変なタイトルですが、流れてくるナンバーはとてもカッコ良いです。
4曲目の"Slowdown Sundown"ではSteveお得意のマンドリンを聴けるメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
これまた、とても素晴らしい出来上がりとなっております。
5曲目の"Spanish Dancer"はゆったりとした感じのナンバーです。
6曲目の"Night Train"はバックの音が最高のナンバーです。
ほぼ一人で作り上げたというのが信じられないくらいです。
ラストの7曲目"Dust"もミディアム・スロウのメロディアスなナンバーで、AORとしてもかなり優れていると思います。
Amazonのカタログにはまだ載っておりませんが、HMVのカタログには載っています。
初回完全限定盤ということですので、1stや3rdを、前回買い損ねた方はお早めに予約した方が良いかも。
2008-08-11
Alessi / Long Time Friends (1982)

彼らのオフィシャル・サイトを覗くと、Alessi Brotherとして、また、Barnaby Byeとしてライヴ活動も展開しているようです。
Alessi Brothersは現在までに、7枚のオリジナル・アルバムを出しております。
1982年に本日紹介する"Long Time Friends"を発表したあと、しばらく音楽活動を停止していたようですが、2003年にほぼ20年ぶりに6枚目のオリジナル・アルバム"Hello Everyone"を発表して復活を果たしました。
また、2007年に"Just Like That"、今年になって、Barnaby Byeとしての復活アルバム"Thrice Upon A Time"を発表したことについては、このブログにもアップしております。
私の個人的な意見としては、彼らのベスト・アルバムは、1977年の2ndアルバム"All For A Reason"だと思っておりますが、AORファンから評価が高いのは、この"Long Time Friends"のようです。
私が初めて彼らの音を耳にしたのは、"All For A Reason"からで、タイトル・ナンバーの"All For A Reason"を聴いた時の衝撃が忘れられなくて、あまりにも印象的だった、というのがベスト・アルバムと言わしめたわけです。
で、この"Long Time Friends"を含め他のアルバムを何度聴いても、やはりその印象は変わりませんでした。
"All For A Reason"があまりにも強烈で、このナンバーが収められているからだけかも知れませんし、もちろん他のアルバムもとても良く出来たAORアルバムには間違いありません。
この"Long Time Friends"は古巣のA&Mレコードを離れ、Quincy Jonesが主催するQuest Recordsから出されたものです。
プロデュースがChristopher Crossが担当しているということもAORファンから注目された理由だと思います。
他のアルバム同様、Alessi Brothersのソング・ライティングの才能は素晴らしいですし、彼らの持ち味ともいえるハーモニーも最高の極致です。
1曲目の"Jagged Edge"はポップでメロディアスなナンバーで、ハーモニーも最高です。
2曲目の"You Got The Way"はプロデューサーのChristopher Crossが色濃く出たナンバーだと思いますね。
3曲目の"Put Away Your Love"はピアノやシンセの美しい音がいっぱいのバラード・ナンバーです。
4曲目の"Rise Up"では、Eric Johnsonのギター・ソロが聴けます。
5曲目の"I'm Gonna Tell Her Tonight"はTom Scottのリリコン・ソロが聴ける美しメロディのバラード・ナンバーです。
6曲目のPut Away Your Love"はRobbie Buchananのシンセ(おそらく)から始まる、ちょっぴりハードなAORナンバーです。
7曲目の"What A Way To Go"は再びミディアム・スロウのメロディアスなナンバーです。
Ernie Wattsのサックス・ソロがそそります。
8曲目の"Still In Love"もAlessi Brothersのハーモニーが素晴らしいナンバーです。
9曲目の"How Long, How Much"では、Larry Carltonのギター・ソロが聴けます。
10曲目の"Forever"はタイトルから連想されるとおりメロディアスなバラード・ナンバーです。
これがまた、かなり良く出来てます。
ラストの11曲目"Long Time Friends"は全編にMichael Omartianの美しいピアノがフィーチャーされたナンバーです。
これは最高の1曲です。
Alessiのアルバムは全て廃盤で、プレミアが付いており、なかなか聴くことができないですが、Alessiのオフィシャル・サイトでは、全てのアルバムが購入できます。
ただし、おそらく、ジャケットはチープで、盤はCD-Rだと思いますが。
でも、一つだけ良いことがあります。
私は、彼らの最新作とBarnaby Byeの2ndをこのサイトから購入しましたが、手元に届いたアルバムのジャケットに彼らの直筆のサインが添えられておりました。
2008-08-10
Rupert Holmes / Singles (1976)

8/20にRupert HolmesのEpic Recordsから出されていた1974年の1st"Wide Screen"、1975年の2nd"Rupert Holmes"、1976年の3rd"Singles"の3枚がエアメール・レコーディングスからボーナス・トラック追加で紙ジャケでCD化されます。
このうち、"Wide Screen"はすでにCD化されております。
また、2nd、3rdも彼の5枚組ボックス"Cast Of Characters; The Rupert Holmes Songbook"で音源を聴けますが、オリジナル・ジャケットでのCD化は世界初となるものです。
特に3rdアルバムの"Singles"は4thの"Pursuit Of Happiness"、5thの"Partners In Crime"と同じくらい良く出来たアルバムですので、これがオリジナル・ジャケット、リマスターで復刻されることはとても嬉しい限りです。
この3rdアルバムについては、私のHP「AOR PARADISE」で、"Cast Of Characters; The Rupert Holmes Songbook"を紹介した時にも書きましたが、"Pursuit Of Happiness"の次に好きなアルバムですので、手を叩いて喜びたいと思います。
このアルバムの収録ナンバーは、
1 Who, What, When, Where, Why
2 Weekend Lover
3 I Don't Want To Get Over You
4 You Make Me Real
5 Aw Shucks
6 The Last Of The Romantics
7 For Beginners Only
8 Touch And Go
9 Annabella
10 Singles
となっており、今回のCD化で
11 Magic Trick
が追加されているようです。
このアルバムも捨て曲が1曲もなく、最高に良く出来たアルバムです。
1曲目、2曲目、10曲目などは、彼のベスト・アルバムなんかでも聴くことができるナンバーです。
どのナンバーもヒット性抜群のメロディアスなナンバーばかりですが、1曲目でのバックの女性コーラスがとても印象的ですし、Rupertのヴォーカルも最高です。
2曲目はというよりRupertの作るナンバー全てに言えることですが、彼の作る詩はどれも洒落ています。
この"Weekend Lover"というタイトル自体が洒落ていると思いませんか?
このナンバーもメロディアスで情景豊かなナンバーだと思いますね。
なお、この1曲目と2曲目はシングル・カットされました。
10曲目は以外にもシングル・カットされていないようですが、今ではRupert Holmesの代表するナンバーになっております。
とにかく、メロディが良いですよね。
3曲目も最高にメロディアスでいかしたナンバーです。
上記3曲に比べてもまるで遜色がないナンバーです。
4曲目でのストリングの使い方は素晴らしいです。
どことなく壮大な感じがするナンバーで、とても素敵です。
5曲目は少しばかりハードなナンバーで、このナンバーでは、Rupertのヴォーカルも他と違い若干者うと気味です。
一転して6曲目はアコースティカルなバラード・ナンバーで、メロディもいかした最高のナンバーとなっております。
7曲目は60年代風のメロディアスでポップなナンバーです。
彼の作る詩だけでなく、メロディも超一流です。
8曲目もメロディアスなバラード・ナンバーですが、こんなナンバーを作れるRuoert Holmesのソング・ライティングの才能って、凄いですね。
9曲目でのRupertの奏でるピアノも味わいがあります。
11曲目は、確か、八神純子のために書かれたナンバーと記憶しておりますが、アップテンポでポップなナンバーです。
バックの演奏やアレンジなんかを聴いていると、八神純子に似合いそうなナンバーだと思います。
Amazonにはまだカタログに載っておりませんが、HMVでは載っています。
私もすぐに、2ndとこの3rdは予約しました。
2008-08-09
Bombay / Bombay (1984)

1曲目がCDプレイヤーから流れてきた時の第一印象です。
そうですね、サウンド的にはBALANCEに近いと思います。
そういえば、BALANCEは、"In For The Count"がボーナス・トラックが収録されROCK CANDYというインディ・レーベルからリ・イッシューされましたが、最近、1stの"Balance"とこの2ndの2 in 1という形で、Renaissance Recordsから再発されました。
1stが廃盤となっておりますので、再発を期待していた方には、この2 in 1は嬉しい出来事だと思います。
また、かなり安価で設定されているみたいですし。
と、Balanceの話題が先行してしまいましたが、このBOMBAYの1曲目を聴いて、すぐにBALANCEを思い浮かべたというほど、雰囲気は似ていると思います。
もちろん、全体的なサウンドの出来やPeppy Castroのヴォーカルと比べるとほんのちょっとですが落ちますが。
このアルバムは1984年に録音されております。
メンバーは、Joel Shipp (Vo, B)、Rick Fowler (G)、Russell Daniel (Dr)の3ピース・バンドです。
キーボードもふんだんにフィーチャーされておりますが、クレジットに書かれていないので、スタジオ・ミュージシャンを使ったのだと思いますが、サウンドは、冒頭にも書いたとおりBALANCEタイプの産業ロックです。
プロデュースはEddy Offordということで、Jay Aaron、Art In America、RPMといったこれまたマイナーなアーティスト、バンドを手がけた人ですが、これらのバンドもマイナーながらメロディ・マニアからは一目置かれているバンドであることは間違いないと思います。
全5曲と収められている楽曲が少ないのがちょっと残念です。
これだけのナンバーを書けるのであれば、フル・アルバムで聴きたくなるバンドです。
収録ナンバーは、
1 Don't Say Those Things
2 She Can't Behave
3 You're Gone
4 On Your Knees
5 Rumble Tonight
で、
1曲目は出だしのキーボードを含め前奏がBALANCEしております。
メロディアスな産業ロックのナンバーで申し分ありません。
1984年といえば、このようなサウンドがもてはやされていた時期だったと思うけど、何故表舞台に出てこれなかったのでしょうか。
2曲目はRick Fowlerのギターがカッコ良いブギー調のナンバーです。
カッコ良いナンバーです。
3曲目は、産業ロックのバラード・ナンバーです。
メロディも最高ですし、とても魅力的なナンバーです。
このナンバーの出来も素晴らしいです。
4曲目も出だしのキーボードを聴いただけで、これぞ産業ロックといったナンバーです。
メロディアスでポップでハード、これが産業ロックですが、これを地でいっているようなナンバーです。
5曲目は、とても乗りが良い、ご機嫌な産業ロックです。
このBOMBAYのアルバムもRetrospect Recordsから出されたものですが、このレーベル、どれだけこういった音源を持っているのでしょうか。
メロハー・ファンにとっては、本当に目が離せないレーベルですね。
2008-08-08
City Boy / Book Early (1978)

彼らは、1976年に"City Boy"を発表して活動を開始し、同年に2ndアルバムの"Dinner at the Ritz"、1977年に"Young Men Gone West"を、1979年に5thアルバム"The Day The Earth Caught Fire"、1980年に6thアルバム"Heads Are Rolling"、1981年にラスト・アルバムの"It's Personal"を発表して解散しました。
その後、メンバーの一人Mike Slamerは、STREETSを結成し、2枚のアルバムを発表し、90年代後半には、Steelhouse Laneとしてアルバムを2枚、2000年に入ってからSeventh Keyといったバンドでアルバムを出し、最近では、2006年に自らの名前を付けたバンドSlamerでアルバムを発表しております。
もちろん、このCity Boyでも結構メタリックなギターを弾いており、彼無しではバンドは成立しなかったと思いますが、このCity Boyのサウンドの要は、ほぼ全ての曲を作っているSteve Broughton、Lol Masonの二人のヴォーカリストとキーボードを担当しているMax Thomasの3人のようです。
このことは、この3人にベースのChris Dunnの4人により70年代初頭にバンド結成されたことでも明らかです。
冒頭にも書きましたように彼らは、解散するまでに計7枚のアルバムと3枚にシングルを出しておりますが、特に本日紹介する"Book Early"は彼らの大ヒット・アルバムです。
この中に収められている"5-7-0-5"はシングル・カットされ、全英8位、全米27位と大ヒットしました。
City Boyのサウンド・スタイルはハードポップで、いわゆる産業ロックしたサウンドといえると思います。
この辺りのサウンドは、CharlieとかLakeとか欧州勢のバンドと共通したものと言えます。
この"Book Early"には、次の全11曲が収められております。
1 5-7-0-5
2 Summer In The School Yard
3 Goodbye Laurelie
4 Raise Your Glass (To Foolish Me)
5 Cigarettes
6 What A Night
7 Do What You Do, Do Well
8 The World Loves A Dancer
9 Beth
10 Moving In Circles
11 Dangerous Ground
アルバム発売当時、アナログ・レーコードを手に入れ、このアルバムに針を通した時の感動は今でも忘れることができません。
1曲目はそれほど強烈なナンバーでした。
電話のプッシュ音の効果音から入るこのナンバーは、シングルが大ヒットしたのも頷けるメロディアスでポップかつハードのナンバーで、最高に素晴らしい出来です。
もうこの曲だけで、このアルバムのお釣りがきます。
手数の多いドラムソロから入る2曲目のポップで元気一杯のナンバーです。
3曲目はメロディアスなバラード・タイプのナンバーで、これまたかなりいかし出来となっております。
4曲目は爽やかなコーラスがフィーチャーされたポップ・ソングです。
メロディも素晴らしいです。
このナンバーも聴きものですよ。
5曲目はMike Slamerのちょっぴりメタリックなギターをフィーチャーしたメロハーです。
6曲目はThe Beatlesの影響を受けたと思われるパワーポップのナンバーです。
このナンバーもメロディアスでかなり良いです。
7曲目もMike Slamerのメタリックなギターをふんだんにフィーチャーしたロック・ナンバーです。
9曲目はまるで10ccでも聴いているようです。
10曲目はとてもご機嫌なロックンロールのナンバーです。
Mike Slamerのギターはとてもカッコ良いです。
11曲目は美しいピアノの音から入るバラード・ナンバーです。
このナンバーなんかも10cc風です。
City Boyの"Book Early"ですが、かなり出来が良いです。
メロディ・マニアは必聴のアルバムだと思います。
2008-08-07
Crash / Crash (1993)

このアルバム、今じゃレア盤となっており、海外でもかなりの値段が付いております。
もちろん、Mikael Erlandssonがヴォーカル、キーボードを担当しており、収められているナンバーもフックに満ちたメロディアスなナンバーばかりです。
発表は1993年ということですから、Mikaelの1stアルバム発表の2年前となります。
さすが、この時からMikaelのヴォーカルは最高で、言うこと無しです。
Mikaelの他のメンバーは、John Melander (B)、Lars Eliasson (Dr)、Jan Eliasson (G, Keys)という布陣になっております。
Jan Eliassonが殆どのナンバーを書いており、彼がこのバンドのサウンドの要となっているようです。
Janのソング・ライティングの才能もかなりなものだと思います。
また、彼の奏でるギターもエモーショナルでとてもカッコ良いです。
1曲目の"Do The Dance Dirty"はJanのギターがとてもカッコ良いロックンロール・ナンバーで、サウンドもアメリカナイズされていて、とてもスウェーデンのバンドとは思えないような感じです。
2曲目の"Close At Hand"もJanのギターがカッコ良いフックに満ちたメロディアス・ハードロックのナンバーです。
バックの演奏はかなり良いです。
3曲目の"Eyes Don't Lie"はこのアルバムの一押しのナンバーです。
Mikaelのソロ・アルバムでのバラード・ソングに通ずるナンバーで、とにかくメロディアスです。
Mikaelのあの少しかすれ気味のヴォーカルも素晴らしいですが、曲の出来がホント最高です。
やはり、こんなナンバーを書けるJanのソング・ライティングには非凡さがあります。
4曲目の"Save The World"は、やはりJanのギター・プレイがカッコ良い、メロハーです。
このナンバーもどちらかというとアメリカの産業ロックっぽいナンバーで、あまり北欧といった感じはしないですね。
5曲目の"Angina"は、ハードにドライヴィングしたご機嫌なブギー調のナンバーです。
カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
6曲目の"Through The Shadows"なんか聴いても、やっぱりアメリカン・ロックした感じです。
7曲目の"Stranger's Kiss"はアコースティック・ギターから入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
3曲目の"Eyes Don't Lie"はどちらかというと欧州的湿り気を持ったバラードでしたが、こちらはアメリカン・ロックしたどちらかというと乾いた感じがします。
8曲目の"Six String And A Highway"はタイトルどおりJanのいかしたギターをふんだんにフィーチャーしたロックンロール・ナンバーとなっております。
9曲目の"October, 18"はJanのアコースティック・ギターにMikaelのヴォーカルが被さった最高にいかしたナンバーです。
このナンバーもどちらかというと乾いた感じのバラード・ナンバーです。
10曲目の"Livin' On Lovin'"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーながら、とてもロックを感じさせる、そんな曲です。
このナンバーでもJanのギター・プレイはいかしてます。
ラストの11曲目"Rock & Roll"はLed Zeppelinのナンバーのカヴァーです。
オリジナルを壊すことのないアレンジで、最高にご機嫌なロックンロール・ナンバーです。
Zepをカヴァーすることからも、他の北欧のバンドからも一線を画している、CRASHはそんなバンドだと思いますね。
演奏のレヴェルも結構高いです。
2008-08-06
村松邦男 / Green Water (1983)

村松邦男が1983年に発表した"GREEN WATER"です。
先ず、このアルバムが紙ジャケでCD化されていたということを知ったのは最近です。
この時代、AB'S、芳野藤丸、松下誠、佐藤博、黒住憲五、山下達郎、大瀧詠一、伊藤銀次、濱田金吾などのいわゆる日本のAORに嵌った時期でした。
前出のアーティストのレコードはほぼ揃えておりましたが、今残っているのは、その一部しかありませんが。
これらのアーティストを聴いていて、当時、購入したのが、この"GREEN WATER"でした。
上記のアーティストのうち、CD化されたものもありますが、山下達郎と大瀧詠一を除き、結構廃盤となっているものの方が多いです。
黒住憲五にいたっては、デビュー・アルバムの"AGAIN"は未だCD化されずにおります。
伊藤銀次については、最近紙ジャケCDで限定盤が出されましたが、大ヒットシングルが収録された"SUGAR BOY BLUES"はすでに廃盤となりプレミアが付いております。
また、AB'S、芳野藤丸、松下誠、佐藤博、濱田金吾のアルバムもかなり高い金額で取引されております。
松下誠は確か3枚ほどのアルバムを出しており、全てがCD化されましたが、その何れもが5桁の金額が付いており、1stアルバムしか持っていない私としては、是非是非、再CD化を望んであるのですが。
本日紹介する村松邦男は、山下達郎や大貫妙子が在籍していたあの「シュガー・ベイブ」のオリジナル・メンバーの一人でした。
そのほか、山下達郎や伊藤銀次のアルバムでもギターを弾いておりました。
この"GREEN WATER"は村松邦男のソロ・デビュー作です。
その後、何枚かソロ・アルバムを出しておりますが、残念ながらこの"GREEN WATER"を超えたアルバムはなかったと思っているのは、私だけでは無いと思いますよ。
とにかく、このアルバムに収められている「僕のガールズ」というナンバーが強烈でしたので、村松邦男=「僕のガールズ」といっても過言ではないと思います。
今回の紙ジャケCD化で、ボーナストラックが8曲も収められております。
収録ナンバーは、
1 The Party
2 僕のガールズ
3 フェアリー
4 ジェラシー
5 天国色の夢 (Heaven Color's Dream)
6 アフターケア
7 うたたね
8 KATHARINA
9 Midnight Desire
10 僕のガールズ(シングル・ヴァージョン)
11 Midnight Desire (シングル・ヴァージョン)
12 Get Together
13 今夜もDo it (デモ・ヴァージョン)
14 アフターケア (デモ・ヴァージョン)
15 KATHARINA (デモ・ヴァージョン)
16 フェアリーレディー (デモ・ヴァージョン)
17 Midnight Desire (デモ・ヴァージョン)
となっております。
10曲目以降が今回のボーナストラックとなっております。
やはり、2曲目の「僕のガールズ」の出来は出色で最高にメロディアスでポップなAORナンバーとなっております。
もちろん、シングル・カットされ、そこそこヒットしたナンバーです。
3曲目は山下達郎との共作ナンバーで、幻想的な感じがする作りとなっておりますが、とてもメロディアスなAORとなっております。
4曲目はepoとの共作で、完全にAORしたメロディアスなナンバーで、出来も素晴らしいものとなっております。
5曲目は60年代ポップスを意識したナンバーで、The Beatles的といったナンバーです。
9曲目は、ご機嫌なロックンロール・ナンバーです。
「僕のガールズ」のシングルB面として発表されております。
10曲名以降のうち、13曲目は「僕のガールズ」のオリジナル・ヴァージョンです。
この"GREEN WATER"はとにかくポップな作りとなっております。
今回の紙ジャケCDも限定盤ですので、プレス分がなくなればレア盤必至のアルバムだと思いますので、ご興味がある方はお早めにどうぞ。
2008-08-05
XL New York / Walkin' In New York (2006)

Retrospect Recordsというインディ・レーベルについては、このブログで何度も紹介しておりますが、80年代、90年代のメロディアス・ハード・ロックや産業ロックのマイナーなバンドやアーティストのアルバムをCD化(リ・イッシュー)しているレーベルです。
中には、AllianceやFuryといった知る人ぞ知るといった産業ロックの名盤のCD化もしており、当時、産業ロックのアルバムを手当たり次第でレコードを買い漁っていた私としては、実に素晴らしいレーベルが出来たなと嬉しく思っております。
もちろん、初めて耳にするバンドやアーティストのアルバムもCD化しており、私も、もうすでに数十枚購入しておりますが、これがまた良く出来たアルバムばかりで満足しております。
このうちの何枚かは、このブログで紹介しており、その全てのアルバムに納得しております。
過去に掲載分はRetrospect Recordsからと載せておりますので、是非ご覧になってください。
で、本日は、最初の頃にまとめて手に入れたアルバムの1枚を紹介します。
バンド名とアルバムのタイトル名は、XL NEW YORKの"Walkin' New York"です。
バンド名にもタイトルにもNew Yorkとあり、もちろんNew York出身のバンドです。
1984年から1990年までの彼らの音源を集めたアルバムということで、これが世界初のお目見えだと思います。
当時アメリカ西部ではL.A.メタル隆盛の時期で、こちらのXL New Yorkの音も基本的にはあまり変わらないと思います。
サウンドもいたってメロディアスなハードロックといった感じで、当時としてもメジャーで通じる音にもかかわらず、アルバムを出すことが出来なかったのでしょうか?
AllianceやFuryみたく泣いて喜ぶほどのCD化ではありませんが、メロハー・ファンとしては、納得できる1枚だと思います。
全体的は、ヴォーカルも聴き易いですし、ギターを中心にキーボードなんかも入っていて、プレイのレベルも悪くありませんし、メロディもそこそこです。
ただ、BON JOVIみたく、もう少しキャッチーさがれば、当時話題に上っていたかも知れません。
アルバムの中では、3曲目の"Livin' On The Edge"はカッコ良いギターのリフから始まるナンバーで、タイトルにあるEdgeという言葉が似合うナンバーだと思いますね。
また、1曲目の"Ice Cold Katie"はカッコ良いという言葉がピッタリのポップなハードロックのナンバーで聴き応えがあります。
そうですね、サウンド的にはKISSみたいな感じでしょうか。
4曲目の"Get Back"は前奏はパワー・バラード風のナンバーで、途中から盛り上がる、そんなナンバーすが、もう少しフックがあれば申し分無いのですが。
5曲目の"Can't Stop The Girl"はキーボードが入ったハードな産業ロックしたなんばーで、BALANCEとかTOUCHなんかを連想させますが、曲にキャッチーさが無いのが難点かも。
あと、マスター・テープが古いのか、録音がチープなのか、その辺がひっかりますね。
6曲目の"Don't Touch Me"は哀愁を帯びたギターの音が良いですね。
曲にもフックがありますし、曲もメジャー級で、これは素晴らしいナンバーだと思います。
このアルバムの一押しです。
8曲目の"Rock Boy"は1984年のライヴ音源ですが、スタジオでの音とあまり変わらないということは、演奏力も高くライヴ・バンドとしても評価できそうです。
また、このナンバーもハードでポップしたナンバーで、魅力的です。
9曲目の"Why Can't You See Me"は6曲目と同じくらい良く出来たナンバーです。
ヴォーカルの歌い方はちょっと暑いですが、曲は哀愁を帯びた産業ロックといったナンバーです。
これもお薦めですね。
ラストの11曲目"Too Late"はハードにドライヴィングしたロック・ナンバーです、コーラスは結構いかしてますが、メロディがイマイチか?
このXL NEW YORKですが、冒頭にも書いたとおりメロハー・ファンには、まあ、納得の1枚だと思います。
2008-08-04
The Fantasy Band / The Kiss (1997)

メンバーは、Marion Meadows (Saxes)、Dave Samuels (Vibes)、John Lee (Bass)、Chuck Loeb (Guitars)の4人です。
私が知っているのは、Chuck Loebぐらいですが、他のメンバーも結構有名みたいです。
どのメンバーのテクニックも一流で、流れてくるのは、華麗なスムース・ジャズで、いっぺんに気に入りました。
1曲目の"The Last Laugh"は、最高にいかしたChuck Loebのギターから入るナンバーです。
ゆったりと流れるメロディは、もう蕩けそうなスムース・ジャズです。
深夜に酒を傾けながら彼女と聴く、といったシチュエーションにピッタリなナンバーです。
2曲目の"Lean On Me"はどこか聴いたことがあるようなナンバーだと思ったら、Bill Withersのカヴァーでした。
今度は、Marion Meadowsのちょっぴりファンキーなサックスがフィーチャーされたナンバーです。
タイトル・ナンバーの3曲目"The Kiss"もMarion Meadowsの繊細な感じのソプラノ・サックスがふんだんに盛り込まれたナンバーで、タイトルどおり、このナンバーも彼と彼女の二人だけのシーンで聴きたくなるようなナンバーです。
4曲目の"Double Talk"はNelson Rabgellのアルト・サックスとChuck Loebのギター、キーボード、プログラミングという二人だけで録音したダンサンブルなナンバーです。
Nelosn RangellのファンキーなサックスにChuck Loebのナイロン弦のギターが絡むナンバーです。
5曲目の"All In All"では、Andy Snitzerのアルト・サックスが聴けるナンバーです。
スローなとてもジャジーなナンバーで、映画のワン・シーンに使えそうな美しいナンバーです。
6曲目の"Could It Be I'm Falling In Love"はタイトルどおりとても洒落たスムース・ジャズのナンバーです。
どこか、"Touch Down"の頃のBob James風のナンバーです。
かなりいかしてます。
7曲目の"Class Tower"はDave Samuelsのヴァイブをふんだんにフィーチャーしたナンバーです。
ライト&メロウといったスムース・ジャズのナンバーです。
8曲目の"Body Language"はゆったりとした感じのナンバーですが、若干フュージョンしております。
メロディアスなナンバーです。
9曲目の"Hip Movement"はDave Samuelsのヴァイブがメロディの中心となっておりますが、タイトルにあるようなHipといった感じはあまりなく、メロディアスでとても聴き易いものとなっております。
ラストの10曲目"Over & Over"はDave SamuelsのヴァイブにChuck Loebのギターが絡む、とてもメロディアスなミディアム・テンポのナンバーです。
このナンバーも結構いかしてます。
良いですね、このアルバム。
スムース・ジャズのアルバムの中でも出来は良い方だと思いますね。
2008-08-03
Barnaby Bye / Touch (1974)

Barnaby Byeは前にも紹介いたしましたとおり、BillyとBobbyのAlessi Brothers と後にBalanceを結成するPeppy CastloとMike Ricciardellaの4人によるバンドです。
サウンドは、メロディアスなポップ・ロックを聴かせるバンドでした。
この2ndはAlessiが結成される2年前に作られたアルバムですが、もうすでにAlessiの原型が出来上がった、そんなサウンドを聴かせるアルバムです。
Alessiは爽やかなコーラスを聴かせるメロディアスなAORデュオでしたが、この2ndにもそんな感じのナンバーが多く収められております。
私は過去にこの1stと2ndの2枚のアルバムをアナログ・ディスクで所有しておりましたが、既に手元になく、CRUISIN' MUSICでカタログを見た時に、もう一度聴いてみたいと思っておりました。
CRUISIN' MUSICに注文したところ1stアルバムしか在庫がなく(これはCRUISIN' MUSICで購入)、この2ndはAlessiのミュージシャン・サイトから直接購入したものです(この時、併せて彼らの最新作も購入)。
届いたCDは、もちろんCD-Rで、ジャケットの作りもあまり良いものでありませんでしたが、Barnaby Byeの4人のメンバーの直筆のサインが書いてあったのは、とても嬉しかったですね。
Alessiのオリジナル・アルバムは全てCD化されましたが、全て廃盤となっており、どのアルバムもかなり高額な取引が行われているようですが、彼らのサイトから全て購入することができます。
おそらく全てCD-Rで、ジャケットもチープな作りだと思いますが、音だけでも聴いてみたいと思われる方がいらしたら、彼らのサイトからの購入もありだと思います。
そんな彼らの2ndアルバム"Touch"ですが、1stに比べ、出来はかなり良いです。
冒頭にも書いたように、ここにはAlessiの原型があります。
1曲目の"Blood"からあの爽やかなコーラスを聴くことができます。
とてもメロディアスなナンバーのAORで、もう申し分のない出来です。
かなりお薦めです。
2曲目の"Can't Live This Way"はアコースティック・ギターから入るナンバーで、曲の感じがとても爽やかです。
完全にAlessiしたナンバーです。
3曲目の"Jamie"もとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、その後のAlessiのアルバムに収められていても全く違和感が無いナンバーです。
バックのストリングスがとても良い雰囲気です。
4曲目の"Damn You Girl"はディスコ・タッチの最高に良く出来たAORナンバーです。
1974年の音ですが、当時の音としては、洗練されており、とても洒落ていたと思いますね。
このナンバーは一押しです。
5曲目の"Bein' A Star"は華麗なピアノの音から入る、メロディアスなバラード・ナンバーで、出来は素晴らしいです。
アルバムに収められているナンバーは全て素晴らしいですが、このナンバーは飛びぬけております。
AORファンであれば必ず気に入るナンバーだと思います。
6曲目の"Tumblin' Inn"は軽快なロックンロール・ナンバーです。
とにかく彼らの作るナンバーはメロディがとても良いです。
7曲目の"Happy Was The Day We Met"はPeppy Castroがヴォーカルを執っているナンバーです。
メロディアスなポップ・ロックのナンバーで、その後のBALANCEにも通ずるのも何となくわかる感じがします。
この時から、彼のハイ・トーンは素晴らしいです。
8曲目の"White Tornado"はとてもドラマティックな前奏から始まるナンバーで、サウンドも他のナンバーに比べハードです。
ギターの音が結構ハードで、私のかなり好きな音です。
この辺のサウンドは、やはりPeppy Castroの影響が多いかも。
9曲目の"Take Me With You"は再び華麗なピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
バックのストリングスの音はとても美しいです。
このナンバーも完全にAlessiしております。
ラストの10曲目"So It Ends This Way"はAllesi Brothersのあの素晴らしいファルセット・ヴォイスを聴くことができます。
"All For A Reason"ほどの曲の出来ではありませんが、この曲があって、"All For A Reason"が出来上がったということが想像出来る、そんなナンバーです。
はっきり言って、この"Touch"には捨て曲がありません。
Alessiファン、AORファンは是非聴いてみるべきですね。
なお、Alessi Brothersのオフィシャル・サイトはここです。
2008-08-02
Raf / Self Control (1984)

イタリアのAORアーティストといって、すぐに思い浮かべることができるのはAlan Sorrentiぐらいなものですが、このRAFも世界的に有名なアーティストです。
この1stに収められている"Self Control"がグローバル・ヒットしました。
全体的にハイテックなAORといった感じで、エレポップしたメロディアスなナンバーが数多く収められております。
実を言いますと、このアルバムを手に入れたのはホントつい最近のことです。
Amazonジャパンのカタログに載っていたもので、注文したのは半年ほど前ですが、配送されたのはつい最近でした。
Amazonからは何度も遅配のメールがきましたが、おそらく入手困難なアルバムだったのでしょうね。
私がAmazonから購入した金額は1480円と手ごろな値段でした。
また、現物が届くまで、てっきりベストかなんかだと思っておりました(オリジナル・ジャケットとは違ったので)が、このアルバムは1984年に出されたオリジナル・アルバムだと思います(ただし、1985年の"Hard"、1987年の"London Town"の2曲を追加しているようです)。
で、今、Amazonのカタログを見ると、Amazonの在庫はなく、マーケットプレイスからの出品で、5000円以上の値段がついてます。
これには驚きました。
1曲目の"Self Control"は本当に売れたナンバーで、曲を聴けばわかる人が多いと思います。
ダンサンブルながらとてもメロディアスでフックに満ちたAORナンバーです。
RAFのヴォーカルも若く瑞々しいです。
2曲目の"Black And Blue"は当時のイギリス辺りのニューロマンティック風のポップなナンバーです。
Duran Duranなんかが演りそうなナンバーです。
3曲目の"I Don't Want To Lose You"は華麗なピアノの音から入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
最高にいかしたAORナンバーで、こちらはSpandau Ballet風です。
4曲目の"Madeleine"はダンサンブルでファンキーなナンバーです。
ニューウェーヴの香りもあります。
5曲目の"London Town"もハイテックのAORナンバーといった感じです。
とてもポップです。
6曲目の"Hard"はメロディアスなパワーバラードしたナンバーですが、サウンドはニューロマンティックしております。
7曲目の"Change Your Mind"でのバックのシンセの音はかなり良いです。
全体的にミディアム・テンポのメロディアスなナンバーとなっております。
このナンバーもほぼAORしております。
8曲目の"Why In The World"はカリプソ風のポップなナンバーですが、サウンドはハイテックな感じです。
9曲目の"She's A Criminal"のバックもちょっぴりテクノしております。
でも、曲はとてもポップです。
10曲目の"Imagination Lover"はメロディアスな産業っぽいナンバーです。
曲の出来はかなり良いです。
RAFのヴォーカルもですが、メロディが良いんですね。
ラストの11曲目"Frontiers"はピアノをバックにしたジャジーなナンバーです。
前曲までの趣を全く異にして、殆どジャズ・ヴォーカル然としたナンバーで、メロディアスですし、曲も良いです。
このアルバムAORファンにもお薦めですが、Duran DuranやSpandau Balletなどニューロマンティックのバンドが好きな方にもお薦めです。