2008-10-27
Shadows Fade / Shadows Fade (2004)

Kevin Chalfantはご存じのとおり、707、THE STORM、The V.U.、Two Fires、などの産業ロック・バンドを渡り歩いてきたヴォーカリストで、The Storm、The V.U.、Two FiresといったバンドはモロJourneyしたサウンドのバンドでした。
また、最近では、2006年のShooting Starのヴォーカリストとして、"Circles"というアルバムに参加しております。
ソロ・アルバムも2枚出しており、2007年の""Fly 2 Freedom"は、それこそ、全曲Journeyのカヴァー曲で構成されたアルバムでした。
一方のAlex De Rossoは、今までに、1995年に"Alex De Rosso"を1998年に"Ossimoro"という2枚のソロ・アルバムを出しているギタリストです。
ギタリストのソロ・アルバムといえばインスト物を想像しますが、この2枚ともヴォーカル・ナンバーもフィーチャーしたアルバムで、特に1stの"Alex De Rosso"はかなりカッコ良いメロハーのアルバムでした。
今回のプロジェクトですが、プロデュースはAlex De Rossoが務め(Kevin Chalfantはヴォーカル・プロデュースのみ)ており、サウンドについては、Alex De Rossoが中心的な役割を果たしております。
Kevin Chalfantと聞いて、Journey風のサウンドを期待しがちですが、このShadows Fadeに限って言いますと、いわゆる普通のメロハーの(Journeyみたいな産業ロックでは無いという意味)アルバムです。
それでも、アルバム自体はメロディアスなナンバーが数多く収められており、メロディ・マニアには納得の1枚です。
Kevin Chalfantのヴォーカルはいつもどおりの上手さですし、さらにAlex De Rossoのギター・プレイがとてもカッコ良く、アルバムの出来もかなりなものだと思います。
1曲目の"Twisted Again"はAlexの素晴らしいギター・プレイから始まるミディアム・スロウのメロディアスなナンバーです。
バックの音は、John Sylesが在籍していた当時のWhitesnakeみたいな感じです。
"Is This Love"みたいなバラード・ナンバーで、AlexのギターのトーンはJohn Sykes風です。
こんなナンバーが1曲目から始まるので、かなり期待が膨らんでしまいます。
2曲目の"Sooner Or Later"はポップでメロディアスなナンバーです。
シングル・カットでもできそうな、とても良く出来たナンバーです。
このアルバム、ヴォーカルはKevin Chalfantですが、その他の楽器はほぼ全てAlex De Rossoが担当しており、この辺のアレンジやプロデュースはさすがAlexといった感じです。
3曲目の"Run To Me"はアコースティカルなミディアム・スロウのパワー・バラード風のナンバーです。
こんなナンバーを歌わせたらKevinって天下一品ですね。
4曲目の"My Ocean"でのギター・プレイもJohn Sykes風です。
このナンバーもミディアム・テンポのメロディアスなナンバーです。
Alexのギター・プレイがいかしてます。
5曲目の"First Love Song"もどちらかというとミディアム・テンポのナンバーです。
こういったミディアム・テンポのナンバーが多く収められているせいか、若干起伏に乏しい感じもしますが、まあ、私としては、この手のナンバーが好きですので、問題はありませんが。
6曲目の"Without You"も2曲目同様とてもポップなナンバーです。
これもお薦めのナンバーです。
7曲目の"Give It In"は前奏のアレンジがちょっとばかり凝ったナンバーで、この部分はイマイチですが、本編はまあまあといったところか?
8曲目"Masquerade"はほかのナンバーに比べアップ・テンポのナンバーですが、曲の出来としてはイマイチか?
9曲目の"I Won't Look Back"も全体的な出来としては、6曲目までのナンバーに比べるとメロディがイマイチといった感じも。
10曲目の"Now That You're Gone"はメロディアスなバラード・ナンバーで、まあまあの出来です。
ラストの11曲目"Speak"はAlexのピアノにKevinのハイ・トーンが乗ったバラード・ナンバーで、これは圧巻です。
Alex De RossoとKevin Chalfantのファンにはお薦めの1枚ですね。
私は彼らのファンですので、市内の中古ショップで1,000円で手に入れられたのは納得です。
スポンサーサイト
2008-10-26
Sacred Season / Sacred Season (1994)

ちょっとばかり大きな出費でしたが、レア盤も多少、また、珍しいアルバムもあり、「今を逃せば次は無い」という教訓に基づき、購入を決意しました。
そんな中に、本日紹介いたしますドイツのハードポップ・バンドSACRED SEASONの1st"Sacred Season"と2nd"No Man's Land"がありました。
このバンドについては、以前から知っていたわけではありませんが、中古ショップで試聴したところ、1曲目から哀愁を帯たサウンドがとても気に入り、購入いたしました。
ネットで調べてもあまりヒットはなく、ドイツのハードポップの1stアルバムということぐらいしか判りませんでした。
Amazonを覗くと2ndの"No Man's Land"はカタログに載っておりましたが、4,000円弱の値段が付いておりましたが、1stはカタログに載っていなく、この1stはPoint Musicからのディストリビューションですが、殆ど自主制作みたいなアルバムで、発表も1994年ということですので、おそらくレア盤だと思います。
冒頭にも書きましたが、ドイツのバンドらしからぬ抒情的な哀愁のハードポップしたサウンドを聴かせてくれています。
どちらかというと、UK産の抒情ハードポップといった感じです。
この手のサウンドが大好きな私としては、購入価格も1stも2ndも800円ということで、とてもお買い得だったアルバムでした。
1曲目の"I Won't Forget"での出だしのギターの音はもう堪りません。
これぞ哀愁のハードポップといったメロディアスで琴線に触れるサウンドです。
また、このサウンドにヴォーカルの声がピッタリなんですね。
もう言うこと無しのナンバーです。
2曲目の"Only For You"はミディアム・テンポのバックのキーボードがいかしたメロディアスなナンバーで、これもまた素晴らしいです。
ドイツといえば、ジャーマン・メタルですが、このSACRED SEASONは本当にドイツらしからぬUKの湿り気を帯びたサウンドを信条としているバンドのようです。
3曲目の"Kawa / Taking The Last Breath"は、ナイロン弦のようなギター・ソロの部分が"Kawa"で、その後、アコースティック・ギターから始まる部分が"Taking The Last Breath"だと思いますが、これがとてもメロディアスなバラード・ナンバーなんです。
4曲目の"Wings Of Love"は若干ハードなギターから入るブギー調のナンバーですが、キャッチーでメロディアスなご機嫌なナンバーです。
5曲目の"Loose My Pride"はメロディアスでポップなナンバーです。
バックのピアノやドラムスの音がかなり良いです。
6曲目の"The Chance"は再びメロディアスで琴線に触れる抒情ハードポップのナンバーです。
ギターのトーンが最高です。
申し分の無いナンバーです。
7曲目の"Change Your Heart"は哀愁を帯びた産業ロック風のナンバーで、これも出来はかなりのものです。
とにかくヴォーカルの声が聴き易いというか、サウンドにピッタリなんです。
8曲目の"Take Away The Pain"はミディアム・スロウなナンバーながらちゃんとロックしております。
バックのホルンの音とかギターのカッティングが良い味を出しております。
9曲目の"Tomorrow"は再びメロディアスなバラード・ナンバーです。
これは完全にAORしております。
10曲目の"Take Me Home"は4曲目同様若干ハードなギターのリフから始まるナンバーです。
メロディアスなハードロックといった趣のナンバーです。
11曲目の"Childhunter"もギターの音はハードで、メロディアス・ハードロック然としたナンバーです。
でも、メロディはとてもキャッチーです。
ラストの12曲目"I've Been In Love Before"は美しいピアノの音と旋律のバラード・ナンバーです。
ほぼピアノとヴォーカルによるナンバーで作られておりますが、こういったナンバーを聴く限りにおいても、このSACRED SEASONのヴォーカルは歌はとても上手なことが判りますね。
ほぼ全曲において捨て曲はなく、本当に強力な1枚です。
このSACRED SEASONですが、2枚のアルバムしか発表していないのでしょうか?
はっきり言って私の好みです。
誰か、彼らに関する知識をお持ちの方はいないでしょうか?
2008-10-25
Marvin Sease / Marvin Sease (1987)

Marvin Seaseの1987年の1stアルバムです。
今日、初めて知ったアーティストです。
このMarvin Seaseですが、この1stを出した時が41才ということですから、新人のデビューとしてはかなり遅い方だと思いますね。
Amazonで調べてみると、今も活躍中のシンガーで、すでにかなりの枚数のアルバムを出しているようです。
ジャケットが気になったのと価格(500円)で購入を決めました。
で、プレーヤーにかけて、流れてきたのは極上のブラコンでした。
Richrd "Dimples" Fieldsというブラコンのシンガーをご存じでしょうか?
このMarvinですが、雰囲気似ています。
セクシーでソフィティケイトなヴォーカルで、曲によっては、ナレーション風に囁くように歌うヴォーカル・スタイルは、まるでRichard "Dimples" Fieldsです。
これが堪らないんですね。
1曲目の"Double Crosser"の出だしは、ナレーションから入るナンバーで、セクシーに歌うMarvinのヴォーカルがいかしたメロディアスなブラコンのナンバーです。
もう、この1曲目を聴いたら虜になってしまうこと請け合いです。
2曲目の"Let's Get Married Today"はもうホントにRichard "Dimple" Fieldsしております。
私の大好きなRichardの"Mr. Look So Good !"に収められている"If It Ain't One Thing...It's Another"を彷彿させるナンバーで、最高にいかしたメロディアスなセクシー・バラード・ナンバーです。
これは一押しです。
3曲目の"Love Me Or Leave Me"もメロウなライト・ファンクしたナンバーで、これぞAORしたブラコンという感じが堪りません。
とてもメロディアスです。
4曲目の"Ghetto Man"は、タイトルだけを見るとファンク・ナンバーを想像しそうですが、これも2曲目に似たタイプのメロウなバラード・チューンです。
このMarvinですが、歌はもちろんかなり上手ですが、ヴォーカル・スタイルが最高です。
5曲目の"You're Number One"はこのアルバムの中で最もファンキーなナンバーですが、ゴリゴリという感じは全くなく、ライト&メロウといった感じです。
6曲目の"Dreaming"はとてもメロディアスなキラー・チューンです。
このナンバーも2曲目同様Marvinの囁くようなナレーションが入ったメロディアスなナンバーです。
とても良く出来たナンバーですね。
ラストの7曲目"Candy Licker"は10分弱の大曲で、これもライト&メロウなミディアム・テンポのナンバーで、Marvinのヴォーカルを堪能できるナンバーとなっております。
Richard "Dimples" FieldsやTeddy Pendergrass、Peabo Bryson、Ray Parker,Jr.などが好きなブラコン・ファンはもちろんAORしたブラコン・ファンにお薦めの1枚です。
他のアルバムも聴いてみたくなりました。
2008-10-22
Gino Vannelli / Black Cars (1984)

私もその一人でした。
Gino Vanneliiといえば、"I Just Wanna Stop"や"Appaloosa"だとばっかり思っておりましたし、次作"Nightwalker"でも"Living Inside My Love"だけでなく、タイトル・ナンバーの"Nightwalker"も最高にAORしたナンバーでした。
ですから、この"Black Cars"を聴いた時には、これって、ニュー・ウェーヴのアルバムじゃないかしら、というのがその時の印象で、落差が大きかったのが、一番の原因でしょうか。
もう1曲目のタイトル・ナンバー"Black Cars"を聴いた時は、完全にニュー・ウェーヴしたナンバーで、これはGino Vannelliじゃない、と感じました。
でも、この"Black Cars"にも、AORの名曲と誉れ高い"I Just Wanna Stop"に劣らないナンバーが収録されております。
それが、5曲目の"Hurts To Be In Love"です。
このアルバムには全9曲が収められておりますが、この"Hurts To Be In Love"が他の曲に比べ異質というか、"Brother To Brother"や"Nightwalker"に収録されても全く違和感がないナンバーなんですね。
他のナンバーがアレンジがニュー・ウェーヴしておりますが、この"Hurts To Be In Love"はもう完全にAORしたメロディアスなバラード・ナンバーなんですね。
実は私、Gino Vannelliのナンバーの中でも最も好きなナンバーなんです。
そう、私とっては、"I Just Wanna Stop"以上のナンバーなんですね。
このナンバー1曲だけでも、"Black Cars"を認めてしまいます。
他のナンバーも、アレンジを変えれば良くなるナンバーもそこそこ収められております。
2曲目の"The Other Man"のサウンドは打込みのニュー・ウェーヴそのものですが、バックのサウンドを無視してGinoのヴォーカルだけを聴いていると、"Appaloosa"みたいな力強さを感じますし、メロディもなかなかです。
3曲目の"It's Over"は、メロディアスなバラード・ナンバーですが、このアレンジは本当にいただけないです。
"Brother To Brother"ようなアレンジを施したら、全く違うナンバーになります。
6曲目の"Total Stranger"はBill LaBountyとの共作で、曲の出来やGinoのヴォーカルはとても素晴らしいのに、アレンジが?です。
バックのギター・ソロや曲の感じはなんかMr. Mister風です。
7曲目の"Just A Motion Away"は、このアルバムの中では、"Hurts To Be In Love"の次に良く出来たナンバーです。
アレンジもニュー・ウェーヴっぽくなく、メロディアスなAORナンバーに仕上がっており、お薦めです。
8曲目の"Imagination"もバックの音はエレクトニクスを多用したサウンドで、どこかMr. Mister風です。
ラストの9曲目"How Much"は若干ジャジーなメロディアスなナンバーで、お薦めです。
この"Black Cars"ですが、Amazonのマーケットプレイスを覗くとそこそこに値段が付いたレア盤のようです。
2008-10-20
Kathy Troccoli / Stubborn Love (1982)

てっきりレア盤だとばかり思っていたら、Amazon USAのマーケットプレイスで送料込みで13.08ドルで手に入れることができました。
アメリカのCCMシンガーのKathy Troccoliが1982年に発表した"Stubborn Love"というアルバムです。
とにかくジャケットに写るKathyの顔の度アップが気に入りました。
美形ですよねえ。
また、某氏のブログでは、「Jay Graydon風のギターが」とあり、とても気になっておりましたが、聴いてみると、「なるほど」と納得いたしました。
アルバムのジャケットを見ても参加ミュージシャンのクレジットが一切載っておりませんので、どういったミュージシャンが参加しているのか、全く判りません。
でも、曲によっては、Jay Graydon/David Fosterみたいな音のナンバーがあったりで、AORアルバムとしてもかなり聴けます。
このKathy嬢ですが、結構な数のアルバムを出しており、私もこのアルバムのほか、1991年の"Pure Attraction"を所有しておりますが、このアルバムもかなり良く出来たAORアルバムとなっております。
さて、この"Stubborn Love"ですが、1曲目の"You're All I Need To Get By"は若干ジャジーなAORといったメロディアスなナンバーです。
Kathy嬢のヴォーカルもとても素敵です。
2曲目の"Hand In Hand"は、Graydon/Foster風のAORそのまんまのナンバーです。
本当に、このナンバーのギター・ソロはJay Graydonしております。
もしかして、Jay Graydonが参加しているのでは?
3曲目の"All I Must Do"もAORした雰囲気最高のメロディアスなバラード・ナンバーで、バックのフェンダーローズはもうDavid Fosterです。
タイトル・ナンバーの4曲目"Stubborn Love"は3曲目以上にバラードしたナンバーです。
美しい旋律を奏でるピアノをバックにKathyの伸びのあるヴォーカルが乗っかった盛り上がりのあるナンバーです。
途中のギター・ソロもJay Graydonしております。
かなりお薦めです。
5曲目の"Lord I Need You Now"はCCMらしいタイトルのナンバーで、これも美しいピアノから始まる曲で、賛美歌風なナンバーで厳かに歌うKathyのヴォーカルが素晴らしいです。
6曲目の"There's Still Time"は軽快なポップ・ナンバーで、フランス人女性ヴォーカルのSheilaが発表した1981年に発表した"Little Darlin'"に入っていそうなナンバーです。
これも、Graydon/Foster風のAORナンバーです。
バックの伸びのあるギター・ソロってJay Graydonじゃないの?
7曲目の"Once In A Lifetime Love"も、モロAORしたナンバーです。
バックのギター・ソロが良いですね。
8曲目の"It's The Small Things"はバックのベースの音が最高の若干ファンキーな都会的なナンバーです。
これもとても良く出来たAORナンバーに仕上がっております。
9曲目の"It's Your Love"はミディアムスロウのゆったりとしたナンバーです。
ストリングスが美しいメロディアスなナンバーです。
ラストの10曲目"Love Of My Life"はFoster風のフェンダー・ローズにストリングスが被さって始まるナンバーで、とてもメロディアスです。
Kathyのヴォーカルも最高です。
ほぼ全曲、捨て曲なしといった強力な1枚です。
ところで、ミュージシャンは誰が参加しているのでしょうか?
どなたかご存じありませんか?
2008-10-19
Joe Lamont / Secrets You Keep (1985)

リ・イッシューといいながら、その全てがCD-RにコピーしたCDです。
ジャケットも光沢紙にちょっと程度の良いプリンターで打ち出したみたいな代物です。
殆ど、e-Bayなどでコレクター商品としてオークションにかけられている場合が多いです。
それがかなりの価格で落札されている実態を見ると、この2つのレーベルはかなり儲かっているのではないでしょうか?
これらのレーベルの優れている(?)ところは、本当に聴いてみたい珍しいもの、それこそレア盤が多く、ファンにとって垂涎の的のアイテムばかりなんですね。
本日紹介するJoe Lamontの"Secrets You Keep"もこのレーベルからリ・イッシューされたものです。プロデュースはPeter Bunetta & Rick Chudacoff、バックのギターにはDann Huffということで、これらの名前を聴くと、気になって仕方がない御仁もいらっしゃると思います。
と、言いながら純然たるAORアルバムではなく、ロマンティック・ハードネスをさらにハードにしたようないわゆる産業ロック・ハードポップといった音になっております。
とにかく、Dann Huffが弾き捲っているといっても、過言ではありません。
1曲目の"Secrets You Keep"はとてもポップな産業ロック風のナンバーで、シングル・カット出来そうなナンバーです。
アルバムのタイトル・ナンバーということで、Joeが自信を持って録音したナンバーなんでしょうね。
2曲目の"No Explanation"はサビの部分がとても覚えやすい、カッコ良いハードポップのナンバーです。
これもお薦めのナンバーです。
3曲目の"Total Breakdown"はメロディアスな琴線に触れるバラード・ナンバーです。
このナンバーは殆どAORしておりますね。
Dann Huffのギター・ソロも泣いています。
とてもお薦めです。
4曲目の"Heartbreak City"はバックの演奏がカッコ良いハードポップのナンバーです。
5曲目の"One Rumor Too Many"はこのアルバムの一押しのメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
キャッチーなメロディにのるJoeのヴォーカルも最高ですし、バックのプレイもいかしてます。
6曲目の"The Wanting"はAOR風のポップなナンバーです。
伸びのあるJoeのヴォーカルがいかしてます。
7曲目の"Victims Of Love"はアコースティカルなバラード・ナンバーです。
フックのあるメロディが堪らないポップ・ナンバーです。
8曲目の"Sharks"はとてもポップなナンバーで、メロディもかなりいかしてます。
ラストの9曲目"Enemy Lines"はキーボードがいかした、モロ、産業ロックしたナンバーです。
Joeのハイトーンと女性のバッキング・ヴォーカル(Lisa Edwards)がカッコ良いです。
CD-Rはまあ我慢は出来るけど、どうせ、コレクター商品として売るのであれば、最近、ドイツからいろいろと出されているコレクター商品みたく作れば良いと思うのですが。
この、ドイツ人の手によるコレクターズCDは出来は非常に良く、殆どオフィシャルに近いクオリティで、プレス盤となっております。
2008-10-17
Joe Lynn Turner / Under Cover 2 (1999)

昨年が第1回目だったようです。
で、昨年の優勝バンドは、北海道から出たBibselというバンドです。
実は、このバンドのリード・ヴォーカルは高校時代の友人です。
先日久しぶり(ホント、久しぶり)に電話がかかってきました。
高校時代の仲間から、彼が「日経おとなのバンド大賞」でグランプリを取ったという話を聴いていたので、すぐに思い出すことができました。
確か高校時代には、バンドをやっていなかったと思いますが、その後からやり始めたようです。
グランプリを取った時のナンバーは、UFOの"Rock Bottom"で、この時のグランプリの副賞として井上鑑氏のプロデュースによるレコーディングだったらしく、その音源が「日経おとなのバンド大賞」のオフィシャル・サイトで聴くことができます。
さすが、グランプリを取っただけあって、彼のヴォーカルもバックの演奏もプロ並みなんです。
友人は私と同じ年ですから、50代ということになりますが、これが年齢を感じさせないハイトーン・ヴォーカルですが、これがえらくカッコ良いんですね。
さらに、リード・ギターなんかはプロ級の腕前なんですが、このヴォーカルとギターでグランプリを取ったのでは?といっても過言ではないと思います。
是非、オフィシャル・サイトから聴いてみていただきたいと思いますね。
で、彼との電話のやりとりで、もちろんこの話題になり、UFOの"Rock Bottom"のカヴァーでグランプリを取ったんだってね、といったら、そうだけど、アレンジは、Joe Lynn Turnerの"Under Cover 2"に収められている"Rock Bottom"に近いとのことでした。
ということで、本日は、この"Under Cover 2"を紹介いたします。
以前に、このブログで"Under Cover 1"を紹介しておりますが、このJoe Lynn Turnerの歌の上手さには定評があります。
"Under Cover 2"では、ほぼ全てハードロックの名曲をカヴァーしております。
カヴァーされているナンバーとオリジナル・アーティストは以下のとおりです。
1 Lady Double Dealer (Deep Purple)
2 Wishing Well (Free)
3 Helter Skelter (The Beatles)
4 Rock Bottom (UFO)
5 Waiting For A Girl Like You (Foreigner)
6 Movin' On (Bad Company)
7 Rock And Roll, Hoochie Koo (Rick Derringer)
8 The Boys Are Back In Town (Thin Lizzy)
9 Born To Be Wild (Steppenwolf)
10 The Race Is On (Joe Lynn Turner)
11 Fool For Your Loving (Whitesnake)
12 Mississippi Quenn (Mountain)
13 Lost In Hollywood (Rainbow)
全てのカヴァーが良く出来ております。
特に気に入ったのは、"Helter Skelter"で、やっぱり、The Beatlesは凄いと思いましたね。
このナンバーは、"White Album"に収録されておりますが、当時、Paul McCartneyがThe Whoみたにハードなナンバーを、といって作ったのは有名な話ですが、もうこれは完全にハードロックしていたナンバーでした。
このJoe Lynn Turnerのカヴァーもハードに出来上がっており、かなりの出来だと思います(でも、The Beatlesには及びませんが)。
また、この"Under Cover 2"は、ギターにTony Bruno、ベースにGreg Smith、ドラムスにKenny Kramme、キーボードにPaul Morrisの4人がバックを担当し、ギター・ソロにゲスト・ミュージシャンが参加しております。
参加ミュージシャンは、Akira Kajiyama、Jeff Golub、Vernon Slamka、Godfrey Townsend、Rick Derringer、Leslie West、Al Pitrelliとなっております。
最近はFusionシーンで活躍しているJeff Golubが"Wishing Well"でギター・ソロを聴かせてくれておりますが、これがかなりハードな音で素晴らしいです。
また、"Rock And Roll, Hoochie Koo"と"Mississippi Quenn"では、それぞれのオリジナル・アーティストのRick DerringerとLeslie Westがギター・ソロを弾いております。
"Rock Bottom"を聴くと、なるほど、友人の言葉も頷けます。
"Fool For Your Loving"なんかの出来もかなり良いです。
この"Under Cover 2"ですが、友人の話を聴くまで、まだ手に入れていなかったCDで、彼の話を聴いているうちに聴いてみようと思ったわけですが、"Under Cover 1"は中古を580円で手に入れましたので、同じくらいの価格で中古があるかなと思いました。
しかしながら、この"Under Cover 2"に関しては、すでに廃盤となっているようで、HMVのカタログには載っておりませんし、Amazonのマーケットプレイスでも結構の値段が付いておりました。
それでも、Amazonのマーケットプレイスで新品が定価で売っておりましたので、手に入れることができました。
聴いた感じでは、"Under Cover 1"よりも選曲が良い分だけ、こちらの方がお薦めです。
それにしても、最近はおやじバンドが結構流行っており、テクもそこそこです。
私もギターが上手ければバンドでもやりたいなあ、と思っております。
2008-10-16
Jakob Magnusson / Special Treatment (1979)

AORファンには1981年の2nd"Jack Magnet"の方が有名ですが。
この2ndは、TOTO、ペイジズ、ジェイ・グレイドン等の参加で制作された幻の名盤としてAOR本にも紹介をされておりますが、私の個人的な意見としては、それほどべた褒めの内容だとは思っておりません。
AORとしては、ちょっとばかり中途半端な感じを持っておりますし、楽曲もそれほど優れているとは思えません。
それよりも、今回、Wounded Bird Recordsからリ・イッシューされたこの1stの方が、アルバムとしての存在感があると思います。
このアルバムは、AORではありません。
ファンキーさが一杯のフュージョン・アルバムです。
当時のフュージョン・サウンドそのもので、出来としてもかなりなものです。
アルバムに参加しているミュージシャンは、Jakob Magnusson, Carlos Rios, Steve Anderson, David Logeman, Michael Urbaniak, Tom Scott, Jeff Baxter, ernie Watts, Peter Banks, Joe Farrell, Richard Green, Victor Feldman, Steve Forman, Manolo Badrena, Rick Smith, Jerry Hey, Gary Herbig, Richard Elliott, Paul Brown, Michael Bolivar, Tommy Johnson, Abe Most, Venette Gold, Carmen Twillie, Bill Champlin, Michael Boddicker & Larry Williamsといったメンバーで、ベースとなるサウンドは、Jakob Magnusson、Carlos Rios、Steve Anderson、David Logemanの4人で、残るメンバーはゲスト・プレイヤーとなっております。
Yakob Magnussonのキーボード・プレイも光っておりますが、Carlos Riosのギター・プレイが素晴らしいです。
ほぼ、全曲でソロを聴かせてくれており、それが最高にいかしております。
1曲目の"Special Treatment"はBob Jamesのサウンドを意識しているかのような、洒落たフュージョン・サウンドとなっております。
お薦めの1曲です。
2曲目の"Bop Along"はCarlos Riosのカッコ良いギターのカッティングから始まるファンキーなナンバーで、Tom Scottのサックスもご機嫌です。
3曲目の"Magnetic Store"でもCarlos Riosのギターのカッティングとソロは最高ですし、Jakobのピアノソロも流れるような感じが堪らないですね。
また、このナンバーでは、Tom ScottがLyriconをGary HerbigがSaxソロを聴かせてくれております。
4曲目の"Burlesque In Barcelona"はミディアム・ハイのメロディアスなナンバーで、このアルバムの一押しです。
Carlos Riosが結構弾いております。
5曲目の"Ode To Abe"はこれぞフュージョンみたいな軽めのナンバーです。
JakobのシンセとCarlosのギターが絡み合ったとてもいかしたナンバーです。
6曲目の"Ginger Man"はSteve Andersonのベース・プレイが光るファンキーなナンバーです。
7曲目の"Porky"でのJakobのキーボードの音はご機嫌です。
軽快なフュージョン・ナンバーです。
8曲目の"Say, Fool !"は再びSteve Andersonのベースが素晴らしいミディアム・テンポのナンバーです。
このナンバーもメロディはかなりいかしてます。
ラストの9曲目"Madagascar"はタイトルどおりマダガスカル島の風景が目に浮かぶようなトロピカルなナンバーです。
70年代後半のフュージョン・ミュージックが好きな方には堪らない1枚だと思います。
なお、このJakob Magnussonですが、1986年に3rdアルバム"Time Zone"というアルバムを出しており、また、今回の"Special Treatment"は2001年にCD化され、今回が2回目のCD化ということらしいです。
2008-10-14
Pink Floyd / Wish You Were Here (1975)

"The Dark Side Of The Moon"だとばっかり思っておりましたが、このアルバムは、ヒット・チャートのランク・イン期間が長かったということが、その錯覚のようでした。
まあ、私に限って言えば、このPink Floydを聴いていた時期が、1970年の"Atom Heart Mother"から1977年の"Animals"くらいまででしたので、"The Wall"を聴いたのはだいぶ後のことでした。
当時は、プログレよりもDeep PurpleやGrand FunkなどのハードロックやDerek & The Dominosなんかを聴いておりましたので、プログレまで手が回らなかったことと、1977年の"Animals"を聴いた時に少しガッカリしたのが、Pink Floydから遠ざかった理由でもあります。
本日紹介する"Wish You Were Here"が素晴らしい出来だったこともあり、次作"Animals"への期待が大き過ぎたようです。
Pink Floydの最高傑作を挙げろと言われたら、おそらく、"The Wall"、"Th Dark Side Of The Moon"と"Wish You Were Here"の3つがリストに挙がると思います。
私としては、1973年というその年に個人的な出来事がいっぱいあった年に発表された"The Dark Side Of The Moon"なんかを聴くと、当時のことを手を取るように思い出させてくれ、かなり聴きこんだアルバムですので、これを最高傑作に挙げたいですね。
でも、今回紹介する"Wish You Were Here"も当時はヘヴィ・ローテーしてました。
アルバム全体の出来ということで、"The Dark Side Of The Moon"を最高傑作にしましたが、Pink Floydの全てのナンバーの中では、この"Wish You Were Here"に収められている"Shine On You Crazy Diamond (Part One)"が最も好きなナンバーです。
"Shine On You Crazy Diamon (Part One)"は13分30秒の大曲ですが、スリリングな内容で全く飽きるということがない名曲です。
とにかくDavid Gilmourの泣きのギターが最高に素晴らしいんです。
ロック史上、ベスト・テンに入る名曲であると私は思っております。
David GilmourがPink Floydのアルバムの中で、この"Wish You Were Here"が最も気に入っていると言っているそうですが、彼のギター・プレイが他のアルバムよりもDavid Gilmourらしさが出ているからかも知れません。
このアルバムは、もうこの1曲で語り尽くすことができるのでは?と思っております。
2曲目の"Welcome To The Machine"では、Richard Wrightのキーボード・プレイが光っております。
3曲目の"Have A Cigar"でヴォーカルを担当しているのは彼らの古くからの友人のRoy Harperです。
このナンバーもメロディアスでとてもいかしてます。
タイトル・ナンバーの4曲目"Wish You Were Here"は今では、彼らの代表的なナンバーとなっておりますが、アコースティカルなナンバーで、どこか、Crosby, Stills, Nash & Young風のアメリカンロックを感じさせてくれています。
ラストの5曲目Shine On You Crazy Diamond (Part One)"では、再び、David Gilmourの泣きのギターが聴けます。
とにかく、"Shine On You Crazy Diamond (Part One)"は最高に良く出来た曲だと思います。
2008-10-13
Nightingale / The Breathing Shadow (1995)

ジャケットはご覧のとおりDeath Metalっぽいものとなっておりますが、内容は全く違います。
サウンドはというと、非常にソフトかつメロディアスで少しエレクトロが入ったゴシック・メタルといったところでしょうか。
全くDeath Voiceではありませんし、とにかく、曲が良いので、とても聴き易いアルバムに仕上がっております。。
また、ギターのチューニングが個性的で少し歪んだ感じの幻想的な音で、収録ナンバーによってはプログレっぽいものもあったりします。
1曲目の"Nightfall Overture"は8分を超える大曲で、このアルバムの内容を予感させるナンバーとなっております。
この曲を聴いて耳に飛び込んできたのは、Dan Swanoの少し歪んだようなギターのソロ・パートですが、これが妙に心地よいんですね。
もう、この曲を聴いて、このアルバムの虜になってしまいました。
基本的には、暗鬱で美しいゴシックそのもののナンバーで、メロディもフックに富んでいて素晴らしい出来です。
2曲目の"Sleep..."は打込みを多用したエレクトロっぽいナンバーですが、ここでもDan Swanoのギターのトーンはとても魅力的です。
3曲目の"The Dreamreader"は少しテンポが速いナンバーですが、メロディアスでポップに仕上がっております。
途中のギター・ソロとピアノ・ソロは美旋律で言うこと無しです。
4曲目の"Higher Than The Sky"はSister Of Mercy風のエレクトロなゴスで、Paradise Lostの"Host"を思い浮かべそうなナンバーです。
途中から曲が転調し、そこからギター・ソロの奏でるメロディが美しくなります。
5曲目の"Recovery Opus"は短いながらもなかなかいかしたバラード・ナンバーろなっております。
6曲目の"The Return To Dreamland"はDan Swanoのギター・ソロを堪能できるインスト・ナンバーです。
いやあ、これはとても素晴らしいナンバーです。
7曲目の"Gypsy Eyes"は再びDan Swanoの長めのギター・ソロから入るナンバーで、このナンバーもSister Of Mercy風のエレクトロなゴシックです。
8曲目の"Alone?"は全体的にゆったりとした感じのナンバーです。
曲の終り部分のピアノ・ソロは美しいです。
9曲目の"A Lesson In Evel"はゴシック色の強いナンバーですが、メロディがとてもポップな感じがします。
途中のピアノ・ソロとギター・ソロが絡む部分はもう涙モノです。
1曲目同様にこのアルバムの圧巻はラストの9曲目"Eye For An Eye"でしょうか。
このナンバーも7分を超える大曲ですが、ここにあるのはPink Floydを彷彿するようなプログレなんです。
Dan Swanoの歪んだギターの音から入るナンバーで、途中のメロディはPink FloydのThe Dark Side Of The Moonに収められている"Eclipse"にそっくりですし、その後のそれぞれの楽器のパートなんかを聴いていると、これはまさにプログレでしょう。
このNightingaleは基本的にはゴシックですが、収められている曲がメロディアスですし、とても聴き易いので、普段メロディロック・ロックしか聴いていない方にも十分楽しめるアルバムだと思います。
2008-10-12
Level 42 / Running In The Family (1987)

本日紹介する"Running In The Family"は1987年の彼らの7枚目のアルバムで、UKチャートで2位、USビルボードで23位にランク・インされております。
アルバムからシングル・カットされた"Lessons In Love"はUKチャートで3位、米ビルボードで12位を記録しており、また、タイトル・ナンバーの"Running In The Family"はUKチャートで6位、全米83位となっております。
また、イギリスでは、他に、"To Be With You Again"、"It's Over"、"Children Say"がシングル・カットされております。
Level 42のメンバーは、Mark King – bass, vocals、Mike Lindup – keyboards, vocals、Boon Gould – guitars、Phil Gould – drums の4人で、サウンドの要は、キーボードのMike Lindupとベース、ヴォーカルのMark Kingでしょうか。
もちろん、Boon Gouldのギター・プレイもPhil Gouldのドラミングも光っておりますが。
この"Running In The Family"ですが、大ヒットしたアルバムだけあって、内容はかなり良いです。
特に、1曲目の"Lessons In Love"はファンキーながらメロディアスかつポップなナンバーで、売れない訳がないという、本当に良く出来たナンバーです。
プリンス・トラストだったと思いますが、Eric Claptonのギターをバックに、ベースを抱えながら歌うMark Kingがとても印象的でした。
ジャズ・ファンクしているといいながらも、この"Lessons In Love"は十分AORファンにも受けるナンバーだと思いますし、おそらく殆どのAORファンは知っているナンバーでしょう。
また、3曲目の"Running In The Family"は"Lessons In Love"以上にファンキーで、ご機嫌なナンバーです。
このナンバーも売れたのが十分頷けるポップなナンバーです。
他に、4曲目の"It's Over"はMike Lindupのキーボードプレイが魅力的なメロディアスなバラード・ナンバーですし、5曲目の"To Be With You Again"や7曲目の"Fashion Fever"はそれこそブリティッシュ・ジャズ・ファンクしたカッコ良いナンバーです。
6曲目の"Two Solitudes"はメロディアスな、とてもAORしたナンバーです。
ラストの9曲目"Freedom Someday"はとてもオシャレなサウンドのナンバーです。
このLevel 42ですが、2006年に"Retroglide"というアルバムを発表して以来、オリジナル・アルバムは発表しておりませんが、2007年に2枚組のライヴアルバムを発表し、現在もライヴ活動をし、元気な姿を見せております。
2008-10-11
The Alan Parsons Project / Ammonia Avenue (1983)

そのAlan Parsonsが1976年にEric Woolfsonと組んで"Tales of Mystery and Imagination - Edgar Allan Poe"でデビューしました。
The Alan Parsons Projectは1986年までに10枚のアルバムを発表して解散し、その後、Alan Parsonsはソロ・アーティストとして活躍しております。
最もヒットしたアルバムは、1982年の6枚目のアルバム"Eye In The Sky"で全米7位にランク・インされました。
また、シングルは28枚発表しており、最もヒットしたシングルも"Eye In The Sky"で全米3位にランク・インされております。
私は"Eye In The Sky"も大好きですが、最も好きなアルバムは、1979年の"EVE (邦題「イヴの肖像」)"ですね。
The Alan Parsons Projectを最初に耳にしたのが、この"EVE"でした。
ジャケットも強烈でしたが、当時AORばかりを聴いていた私ですが、彼らのサウンドがすんなり耳に馴染みました。
いわゆるプログレッシヴ・ロックにジャンルされるThe Alan Parsons Projectですが、彼らのサウンドの魅力は何といってもメロディアスでポップだと言うことに尽きます。
本日紹介する"Ammonia Avenue"は大ヒットアルバム"Eye In The Sky"の2年後に出された彼らの7作目です。
"Eye In The Sky"ほど売れませんでしたが、それでも全米13位にランク・インするといった健闘を見せております。
このアルバムからは、"You Don't Believe"、"Don't Answer Me"、"Prime Time"の3曲がシングル・カットされており、"Don't Answer Me"はAC(アダルト・コンテンポラリー部門)チャートで4位、全米チャートで15位にランク・インされました。
このアルバムも他のアルバム同様、いろいろなアーティストがヴォーカルをとっております。
Eric Woolfson、Chris Rainbow、Lenny Zakatek、Colin Blunstoneというラインナップで、Mel Collinsがサックスで参加しております。
1曲目の"Prime Time"はメロディアスでポップなナンバーで、とてもAOR風です。
このナンバーでは、特にバックのギターが素晴らしいです。
3曲目の"One Good Reason"はどことなくSteely Dan風のナンバーです。
4曲目の"Since The Last Goodbye"はメロディアスなバラード・ナンバーで、とても素敵な曲です。
5曲目の"Don't Answer Me"はシングル・ヒットしたナンバーだけあって、とてもポップです。
このナンバーは、おそらくPhil Spectorにインスパイアされて書かれたナンバーではないでしょうか。
とてもPhil Spector的なサウンドのナンバーだと思います。
7曲目の"You Don't Believe"は"EVE"に収められていても良いようなAlan Parsonsしたナンバーだと思います。
ラストの9曲目のタイトル・ナンバー"Ammonia Avenue"はこれまた、メロディアスなバラード・ナンバーです。
バックのピアノの音がとても美しい音を奏でています。
ラストを飾るのに相応しいナンバーです。
The Alan Parsons Projectはやっぱり素敵ですね。
2008-10-09
The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1967)

その時の印象は、ヒット曲も無いし知らないナンバーばかりで、The Beatlesのアルバムとしては、詰まらないなあ、というのが正直なところでした。
それまで、Rubber SoulにしてもRevolverにしてもシングル・カットされたナンバーもあり、The Beatlesってやっぱり良いよなあ、なんて思っておりました、
また、"Strawberry Fields Forever"とか"Penny Lane"なんかも聴いていたけど、この"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club"については、前述のとおりでした。
ただ、当時は、LPの値段も今の価値とは比較にならないぐらい高価なものであり、せっかく購入したのだから、ということで、何度も何度もそれこそ針が擦り切れるぐらい聴いており、耳に馴染んだのはもちろん、収録ナンバーの中にも結構好きな曲も出来ました。
また、巷の評価なんかもすこぶる良かったということもあり、私自身もそれなりに評価するようになりました。
このアルバムの凄いところは、楽曲の出来の良さもありますが、サウンド作りのプロセスが革命的だったこと、さらに、それまでのポップスをロックに作り上げたということはもちろんのこと、それまでシングル・ヒット主体のポップスをアルバム単位まで昇華させたということだと思います。
このアルバム以降、アルバムで聴かせるいわゆるトータル・アルバムという言葉が多く使われるようになり、特にプログレなんかのアルバムはトータル性を重視するようになりました。
そういうことを考えると、この"Sgt.Pepper's"はプログレッシヴなアルバムだったと思います。
このアルバムがロックの金字塔的アルバムとして誰もが認めるのは、楽曲の良さというより、それまでのポップスといったものに大変革をもたらしたアルバムだったからだと思います。
ロック・ミュージックについては、60年代に大変革し、70年代で発展し、80年代に熟成し、90年代に多様化したと私は考えております。
特に今の若い人は殆どJ-Popが主流で、洋楽を楽しんでいる(支えているといっても良いかも)世代は40代、50代の人たちだと思います。
こういった世代が60年代、70年代のロックを楽しんでいるんだと思います。
また、今の洋楽にしても、多様性が広がったといっても、その根底にあるのは、60年代、70年代のロック・ミュージックだと思います。
こう考えると、The Beatlesの出現は、偶然ではなく必然だったのではと思います。
時代がThe Beatlesを求めていたんだと思います。
また、The Beatlesが偉大なバンドだったということは、こと音楽だけにかかわらず、ファッションや生き方まで変えてしまったと言って良いと思います。
私に関しては、The Beatlesがいなければ、これほど洋楽にのめり込まなかったと思いますし、"Music Is My Life"というように、音楽のない生活なんか考えられなかったと思います。
とにかく、私の音楽人生はThe Beatlesから始まったといっても過言ではありません。
そういう意味では、The Beatlesを始め、60年代、70年代ロックをリアル・タイムで経験した私を含め40代、50代の方々はとても幸せな年代だと思います。
2008-10-06
Vertigo / Takes Me Back (2007)
.jpg)
ご覧のとおり、ジャケットはかなりダサいですが、内容は極上のメロディアス・ハードです。
カナダ産のメロハーって、Rush、Saga、Prism、Triumph、Loverboy、New England、Harlequin、April Wineなど数え上げればきりがないですが、その全てがメロディアスでポップなサウンド指向となっております。
このVertigoもとてもメロディアスなサウンドとなっております。
冒頭にも書きましたが、この音源は80年代末頃に録音され、お蔵入りとなっていたようですが、キーボードとギターを主体としたサウンドで、少なくともサウンド的にはメジャー級だと思いますね。
何故お蔵入りとなったのでしょうか?
メンバーは、Cam van As (Vo, G, Keys)、Rob Begg (B)、Eric Rowlett (G)、Rick olar (Ds)の4人で、2曲目の"Go All The Way"を覗く全てのナンバーはバンド4人の共作となっております。
2曲目の"Go All The Way"はもちろんThe Raspberriesのカヴァーですが、これがとても嵌っております。
The Raspberriesでも、結構ハードなナンバーでしたが、このVertigoのヴァージョンもほぼオリジナルに近いです。
このナンバー、おそらく誰が歌ってもそこそこの出来になると思いますね。
それだけ、オリジナルが素晴らしいと言えるわけですが。
他のオリジナル・ナンバーも、1曲目の"Freedom"はメロディアスでポップなメジャー・サウンドで、ヒット性は抜群です。
このナンバーはかなりお薦めです。
3曲目の"Takes Me Back"はBon Joviタイプのポップなメロハーです。
4曲目の"If I Give You My Heart"はミディアム・テンポのポップなナンバーです。
このVertigoのメロディ・メーカーとしてのセンスもなかなかのものです。
5曲目の"Enough Is Enough"もサウンドはメジャー級です。
6曲目の"Me Into You"は特にギターの音が最高のナンバーです。
7曲目の"Hold On"はアコースティカルでスケール感のあるメロディアスなバラード・ナンバーです。
8曲目の"Someone Like You"と9曲目の"Girls Alright"は元気一杯のロック・ナンバーです。
10曲目の"Turn Me On"はいかしたロックンロール・ナンバーです。
ラストの11曲目"Nobody's Girl"はキーボードとギターがいかしたメロディアスな産業ロックしたナンバーです。
このナンバーもお薦めですね。
メロハー・ファンは持っていて損はないアルバムだと思いますね。
2008-10-05
The McCoys / Fever (2002)

皆さんは、このThe McCoysにオリジナル・メンバーとして、Rick Derringerが在籍していたことはご存知でしょうか?もちろん、知っている、という答えが多いと思います。
元々このThe McCoysはRickとRandyのDerringer兄弟が始めたバンドで、1965年に発表した"Hang On Sloopy"は全米1位を記録しており、彼らの代表曲となっております。
その後、同じ年に"Fever"を、翌年1966年には"C'mon Let's Go"というナンバーもヒット・チャートに送っております。
Rick Derringerは、バンド解散後、Johnny WinterやCarmine Appiceとのセッションやソロ・アルバムもかなりの枚数を発表し、現在もギターの名手として活躍しております。
この企画物のアルバムには、全10曲が収められており、もちろん、"Hang On Sloopy"や"Fever"といったヒット曲も収録されております。
"Hang On Sloopy"は大ヒットしたナンバーらしく、とてもポップなナンバーに仕上がっております。
60年代のポップ・ロックそのままの音が懐かしさを感じさせてくれています。
"Don't Warry Mother, Your Son's Heart Is Pure"は若干サイケなナンバーで、Dave Dee Groupの"The Legend Of Xanadu"に似た雰囲気のナンバーです。
"Sorrow"はメロディアスなポップ・ナンバーで、雰囲気はモロ60年代です。
"Everyday I Have To Cry"は重厚なホーンから入る、これも60年代のポップ・ロックといった味わいのナンバーです。
"If You Tell A Lie"はいかにもラヴ・ソングといったポップ・ナンバーです。
60年代の音楽って聴いていて楽しいですね。
"Fever"も全米7位にランクインしたナンバーです。
このナンバーは、どこかThe Zombiesを連想させるナンバーです。
Rick Derringerのギター・ソロがその後を予感させてくれています。
"I Can't Explain It"は、どこかThe Beatles風です。
このナンバーもとてもポップです。
"You Make Me Feel So Good"も60年代といったナンバーですね。
"Smokey Joe's Cafe"でも、Rick Derringerのギターがカッコ良いです。
"Little People"もこれぞ60年代といったポップなナンバーです。
このナンバーは出来もかなり良いです。
こういった60年代のポップ・ロックのアルバムをたまに聴くのもホント良いですね。
2008-10-04
Mr. Mister / Go On... (1987)

2ndアルバムがアルバム・チャートの全米No.1を記録したせいで、この3rdアルバムは影が薄いですが、アルバムの内容としては、かなり優れていると思いますね。
ヒット曲こそありませんが、"Stand And Deliver"や"Something Real"なんかはヒット性抜群のナンバーですが、これが不発に終わってしまったのは、とても残念です。
エスニックなナンバーやエレポップしたナンバーがあったりしますが、そこそこの出来だと思いますね。
1曲目の"Stand And Deliver"はポップでリズミックのナンバーでとてもいかしてます。
特に、Steve George、Pat Mastelotto、Steve FarrisのそれぞれのプレイもRichard Pageのヴォーカルも全てが最高の出来だと思います。
2曲目の"Heraling Waters"はRichard PageのベースにPat Mastelottoのドラムが被さる前奏で始まるナンバーですが、曲にキレがあります。
曲も良く聴くとメロディアスです。
3曲目の"Dust"は尺八の音のようなシンセ(?)をフィーチャーしたエスニックなナンバーです。
尺八奏者のクレジットがないのでシンセだと思うのですが。
ミディアム・スロウのメロディアスなバラード風のナンバーです。
4曲目の"Something Real"はロブ・ロウ主演の映画「ヤングブラッド」に収められていたナンバーです。「ヤングブラッド」のサントラにはほかにMarc Jordanのナンバーなんかも収められていて、今となってはレア盤となっております。
このナンバーもポップで最高にいかしたナンバーで、前作"Welcome To The Real World"に収められていても全く違和感がないほどのナンバーです。
5曲目の"The Tube"はMadonnaの"Like A Virgin"みたいなダンス・チューンです。
"Like A Virgin"ほどポップではありませんが。
6曲目の"Bare My Soul"は、Pat Mastelottoのドラムソロから始まるナンバーで、その上にSteve Farrisのカッコ良いギターのカッティングが乗るナンバーです。
とてもリズミックなナンバーです。
7曲目の"Control"は"Broken Wings"風のメロディから始まる、ポップでメロディアスなナンバーです。
8曲目の"Watching The World"はフェード・インで入るポップなナンバーです。
シングル・カット向きのナンバーで、出来もかなりなものだと思いますが。
Steve Farrisのギターがとてもカッコ良いです。
9曲目の"Power Over Me"はアレンジがイマイチですが、おそらく、Pages時代のアレンジで聴いたら、全く別の曲になるのだろうなという、曲自体の出来はとても素晴らしいと思えるナンバーです。
10曲目の"Man Of A Thousand Dances"はメロディアス度はイマイチですが、バックのサウンド、特にPat Mastelottoのドラム・プレイがカッコ良いナンバーです。
ラストの11曲目"The Border"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
このナンバーこそ、アレンジをPages風にすいれば、"Take My Heart Away"みたく成るんじゃないでしょうか?
曲自体の出来は最高なんですが。
商業的には全く成功しなかったこの"Go On..."ですが、良く聴いてみると良い曲がたくさん詰まっております。
Amazonのマーケットプレイスでは209円から売っておりますが、少なくともそれ以上の価値があるアルバムです。
2008-10-01
Hydrogyn / Bombshell (2006)

別に裸の写真ではないですが、とにかくポーズがとてもなまめかしいというか卑猥というか、挑戦的というか、そんなジャケット写真がそそりました。
サウンド的には、パンクっぽいハードロックとかスラッシーなものを想像しておりましたが、これがかなり良く出来た結構メロディアスなハードロックを演っており、とても気に入りました。
リード・ヴォーカルをとるJulieの声もオーソドックスなもので、VIXENとかNo Shame、Lita Ford、Joan Jettなどの女性ヴォーカルもののハードロックと比べても、レベル的には全く遜色が無いですね。
そして、このJulie嬢ですが、彼らのオフィシャル・サイトを覗くと写真は何枚か掲載されており、その写真を見ると、かなり胸が大きい女性のようですし、容姿もどちらかというと美人タイプです。
アルバム全体としては、ヘヴィなギターのリフをバックに歌うJulie嬢のちょっと艶めかしいヴォーカルが乗る楽曲が多くを占めておりますが、バラード・ナンバーも収められており、これがとてもメロディアスと来ております。
1曲目の"Vesper's Song"の出だしは少しばかりゴス色を感じますが、途中からはヘヴィなギターリフのカッコ良いナンバーです。
2曲目"Blind"、3曲目の"Look Away"でのギターのリフはMetallica風です。
4曲目の"Breaking Me Down"はとてもメロディアスなバラード風のナンバーで、これが非常によろしい。
5曲目の"I've Been Waiting"はポップな感じのハードロックでとても聴き易いナンバーに仕上がっております。
6曲目の"Confession"は再びメロディアスでポップなナンバーで、作りとしてはパワー・バラードといった感じでしょうか。
7曲目の"Love Spoke"は6曲目と繋がったナンバーで、ギターの音といい、バックの演奏もかなりポップです。
8曲目の"And Life"もメロディアスなギターの音から入るナンバーの、普通のメロハーといったナンバーで、出来もかなりなものです。
9曲目の"The Sand"は再び重ためのギターのリフから入る、カッコ良いナンバーです。
10曲目の"Whisper"はタイトルどおり、Julie嬢が囁くように歌う、メロディアスな完全なバラード・ナンバーです。
出来も素晴らしいです。
11曲目の"Circle"もいわゆる普通のメロハーといった感じのナンバーです。
12曲目の"Book Of Names"はカッコ良いギターのリフから始まるメロディアスで力強いハードロックのナンバーで、このナンバーの出来もかなり良いと思います。
13曲目の"Come Back To Me"はアコースティック・ギターの音色が素晴らしいバラード・ナンバーです。
Julieのヴォーカルも他のナンバーと違いまるで普通の声で、とてもAORっぽいナンバーに仕上がっております。
ラストの14曲目"Multilated Mind"はバックの演奏がとてもカッコ良いポップなメロハーです。
パンキッシュでもなく、スラッシーでも無い、とても良く出来たメロディアス・ハードロックのアルバムで、特に女性ヴォーカルもののハードロックが好きな方にお薦めのアルバムです。
私は、このアルバムと一緒に彼らの最新作"Deadly Passions"も併せて購入しましたが、聴くのが楽しみです。