2009-07-31
Delegation / Eau de Vie (1979)

先ず、ジャケットがオシャレで素敵です。
こんなジャケットだったら当然音の方も期待してしまいますよね。
それが期待に違わずのオシャレなアーバン・ソウル、ライト・ファンクしたサウンドで、これが堪りません。
このDelegationですが、The Real Thingなどを手掛けたソングライター・プロデューサーのKen Goldに見出された男性3人組のヴォーカル・グループで、1975年にグループが結成され、1977年に発表したシングル""Where Is The Love (We Used to Know)" がUKチャートで22位にランクインされ、その後、
1979年に発表したシングル "Oh Honey"が全米R&Bチャートで6位にランクインされたことによりワールド・ワイドなグループとなりました。
当初のメンバーは、Ricky Balley、Len Coley、Roddy Harrisの3人でしたが、1979年にLen Coleyの代わりにBruce Dunbarが参加し、本日のアルバム"Eau de Vie"が発表されました。
そんな"Eau de Viw"は、それこそジャケットから想像される通りのサウンドを持った"Heartache No.9"から始まります。
このナンバーもインターナショナルなヒットを記録したナンバーで、当時、アナログ・レコードで聴いた時に、ヘヴィーローテーしていたナンバーです。
メロウでアーバンなライト・ファンクしたナンバーで、もう最高にご機嫌なナンバーです。
2曲目の"Sho' 'Nuff Sold On You"はバックのプレイがいかしたポップなファンク・ナンバーです。
3曲目の"One More Step To Take"は70年代後半のあのディスコティークしたAORナンバー、そのまんまの音です。
このナンバーも聴きもので、AORファンに間違いなく受けるサウンドだと思いますね。
4曲目の"Blue Girl"はメロディアスなバラード・ナンバーで、これもモロAORでしょう。
気に入ってます。
5曲目の"Darlin' (I Think About You)"は、これまた軽快なファンク・ナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
6曲目の"You And I"はベースがビンビンのカッコ良いファンク・ナンバーです。
メロディも良いですし、バックのプレイはホント最高です。
7曲目の"Stand Up (Reach For The Sky)"もメロディがとてもいかしたファンク・ナンバーです。
8曲目の"Welcome To My World"もシングル・カットされたナンバーで、ミディアム・スロウの60年代ソウルを感じさせるソウル・バラードです。
さすが、コーラス・ワークとリード・ヴォーカルのファルセットは最高です。
9曲目の"Put A Little Love On Me"はギターのカッティングがカッコ良いディスコティークしたナンバーで、メロディ最高の曲です。
10曲目の"You And I"はシングル・ヴァージョンの1987年リミックスのナンバーです。
ラストの11曲目"Put A Little Love On Me"はスペシャル・リミックス・ヴァージョンです。
このアルバムに収められているナンバーの殆どは、Ken GoldとMicky Denneのペンによるものですが、この2人はDenne & Goldというコンビで、AORファンからも高い支持を得ているブルー・アイド・ソウルしたAORアルバム"Denne & Gold"を1978年に発表しております。
この"Eau de Vie"は確かAOR本にも紹介されていたアルバムだと思いますが、ブラコン・ファンクのファン以外にもAORファンからも支持を得られるアルバムだと思います。
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2009-07-30
Magic Lady / Magic Lady (1988)

特に70年代後半から80年代のブラコン、特にファンクが好きな私としては、それまで聴いたことのないアーティスト・バンドの音源を聴けたことは良かったと思います。
本当は、The Bar-Kaysの一連のアルバム特に1985年の"Banging the Wall"がCD化されれば、もっと評価しましたが。
でも、CameoやCon Funk Shun辺りは良かったですね。
また、この時期のブラコン・ファンク・ミュージックについては、ここ日本だけでなく、海外でも結構リ・イッシューされており、WindjammerがCDで聴けるとは思っておりませんでした。
で、本日紹介するMagic Ladyですが、今回のCD化まで全く知らないバンドでした。
CDの帯裏には、「名プロデューサー、マイケル・ストークスのベスト・ワークとして名高い88年発表のブラコンの傑作」とあります。
まあ、マイケル・ストークスと聴いてもピンと来なかった私ですが、EnchantmentやBooker T. Jonesといったバンド・アーティストのプロデュースを手掛けていた人なんですね。
で、このアルバムの内容は?というと、嫌いじゃない、というより、どちらかというと好みで、まあいかしてるかな、という感じでしょうか。
88年という時代を考えると打ち込みが多いというのは仕方がないですが、そこが少しばかり気になるところです。
私が90年代以降のブラコンにあまり興味をも多くなったのも、この打ち込みの多用とラップだった訳でして。
でも、このMagic Ladyは先に書いたように打ち込みが主体といいながらサックスやギターなど生の楽器も使われており、それなりに聴けます。
一番の魅力はMichael Stokesの奥方Lindaのヴォーカルでしょうか。
特に1曲目の"Betcha Can't Lose (With My Love)"はシングル・カットされ、全米R&Bチャートの45位にランクインされたライト・ファンクの名曲だと思います。
メロディもいかしてますし80年代初頭のファンク・ミュージックといった感じで、かなり気に入っています。
2曲目の"Love Overdrive"は打ち込み主体のナンバーです。
3曲目の"Misty-Eyed"も打ち込み主体のナンバーですが、ミディアム・スロウのバラード・ナンバーに仕上がっており、メロディが良いですし、サックの音が滲みります。
曲が良いですね。
4曲目の"Yes I'm Ready"も曲の感じやメロディがいかしたミディアム・スロウのバラード風ナンバーでいかしてます。
5曲目の"I Will Be His Fool"は軽快でメロウなファンク・ナンバーで、曲もポップで聴きやすく、シングル向きの、これがかなりいかしている曲なんですね。
6曲目の"Hit And Run"も打ち込みによるサウンドが?というか、あまり面白みが無い感じかな?
7曲目の"Cupid"も打ち込みによるサウンドですが、バックにストリングスを配すなど、曲のアクセントがあって良いかも。
8曲目の"Wait A Minute"もサックスの音が心地よいミディアム・スロウのメロディアスなバラード・ナンバーですが、このLindaさん、こういったバラード・ナンバーを歌わせるととても魅力的ですね。
このナンバーもかなり良いです。
9曲目の"Paradise"はミディアム・テンポのメロディがとてもいかしたナンバーで、とてもいけます。
好きです、こんなナンバーは。
ラストの10曲目"Summer Love"もポップでいかしてます。
これも好きです。
この"Magic Lady"、結構いけるかも。
2009-07-29
MFSB / MFSB (1973)

いわゆるフィリー・ソウル(フィラデルフィア・ソウル)と呼ばれているアーティスト軍団の一つです。
フィリー・ソウルは、Kenneth GambleとLeon Huff (Gamble & Huff)の2人により作られたもので、1971年にPhiladelphia International Recordsが設立されました。
このレーベルにはMFSBのほかに、Teddy Pendergrass、Harold Melvin & The Blue Notes、The O'Jays、McFadden & Whiteheadなどが在籍しており、70年代ソウルの牽引役として一世を風靡したレーベルです。
MFSBの大ヒット・ナンバーといえば、Three Degreesと共演した"TSOP(ザ・サウンド・オブ・フィラデルフィア)"で、この曲はアメリカで人気だった音楽TV番組「ソウル・トレイン」のテーマ曲に採用され、記録的なヒットとなった。
このテレビ番組は日本でも放送され、同じように人気を博しておりました。
本日紹介する"MFSB"は彼らの1stアルバムで1973年に発表されたものです。
スタジオ・ミュージシャンの集団らしく、演奏のレベルはとても高く、ほぼ全曲ファンキーなインスト・ナンバーですが、その後のフュージョン・ミュージックを予想させる内容となっております。
もちろんミュージシャンの中には、フィリー・ソウルの立役者であるLeon Huffがピアノで参加しております。
1曲目の"Freddie's Dead"はCurtis Mayfieldのペンによるナンバーで、最高にいかしたファンクのインスト・ナンバーです。
ピアノ、オルガンも素敵ですが、ホーンセクションが本当にカッコ良いです。
2曲目の"Family Affair"はメロディアスですがノリの良いファンク・ナンバーです。
思わず踊りたくなるようなナンバーで、シングル・カット向けの仕上がりもポップなナンバーです。
3曲目の"Something For Nothing"はLeon Huffのピアノ・ソロから始まる盛り上がりのある壮大さを感じさせるナンバーです。
4曲目の"Back Stabbers"はもちろん同レーベルのバンドThe O'Jaysの1972年の大ヒット・ナンバー「裏切り者のテーマ」です。
ヴォーカルはもちろん入っていないですが、オリジナルに引けを取らない良く出来たナンバーに仕上がっております。
5曲目の"Lay In Low"はLeon Huffのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、映画のサウンド・トラックとしても使えそうなそんなナンバーです。
ピアノとサックスが最高にそそります。
6曲目の"Poinciana"はストリングスがいかしたどこか聴いたことのあるようなナンバーです。
おそらくカヴァーだと思いますが、これって何かの映画に使われましたっけ?
聴き覚えのあるナンバーなんですがねえ。
ラストの7曲目"T.S.O.P."はもちろんあの「ソウル・トレイン」のテーマ・ソングです。
ここでは、イギリスでのThree Degreesのライヴ音源が収録されております。
誰でも良く知っているナンバーで、やはりあのテレビ番組を思い出させますよね。
MFSBやTeddy Pendergrass、Harold Melvin & The Blue Notes、The O'JaysさらにThree Degreesとフィラデルフィア・ソウルってやっぱり良いですね。
でも、このアルバムってちょっとレア化しているんですね。
2009-07-28
The Brothers Johnson / Light Up The Night (1980)

時は、AOR、フュージョン、ファンクなどが注目されていた時期で、この"Light Up The Night"はまさに時代にマッチしたアルバムでした。
このアルバムはファンク・アルバムともフュージョン・アルバムとも紹介されており、このアルバムはヴォーカル入りのナンバーが多いですが、Cameo、Con Funk Shun、The Bar-Kaysなどのファンク・バンドと違い、どちらかというとQuincy Jonesプロデュースということが一番の理由でしょうが、バック・ミュージシャンの人選からもフュージョン・タッチのファンク・アルバムだと言えます。
Quincy Jonesの"The Dude"なんかもブラコンのアルバムなのかフュージョンのアルバムなのかジャンル分けが難しいところです。
まあ、ジャンル分けする必要は無いのかも知れませんが、私も含めとかく日本人はジャンルで分けるのが好きなようですが。
The Brothers Johnsonは、1976年にアルバム"Look Out For"でデビューし、シングル・カットされた"I'll Be Good to You"は全米R&Bチャートで1位を記録する幸先の良いスタートを切りました。
このアルバムからは、"Get The Funk Out Ma Face"(全米R&Bチャート1位)、"Free And Single"(全米R&Bチャート26位)と計3曲がシングル・カットされております。
その後、1977年に"Right On Time"、1978年に"Blam !"、1980年にこの"Light Up The Night"、1981年に"Winners"、1982年に"Blast !"とコンスタントにアルバムを発表しましたが、1982年に一度は解散し、1984年に再結成し、同年に"Out Of Control"、 1988年に"Kickin'" とアルバムを発表するものの1988年以降は活動も休止状態でしたが、2002年に活動を再開しておりますが、オリジナル・アルバムは発表しておりません。
本日紹介する"Light Up The Night"は冒頭にも書きましたが、最も注目されたアルバムだと私は思っております。
まあ、彼らが一番脂が乗っていた時期ということもありますが、時代のサウンドにマッチしていたというのが大きい理由だと思います。
このアルバムからも"Stomp!"、"Light Up The Night"、"Treasure"の3曲がシングル・カットされましたが、特に"Stomp!"は全米R&B、全米ダンスのそれぞれのチャートで1位を記録大ヒットとなり、彼らの代表曲となっております。
1曲目の"Stomp!"はディスコ・タッチの軽めのファンク・ナンバーで、メロディもいかしており大ヒットも頷ける最高のナンバーです。
この日本でも特に人気が高かったナンバーです。
Greg Phillinganesのムーグ・シンセのソロがとてもいかしてます。
2曲目の"Light Up The Night"もメロディアスなライト・ファンクしたナンバーです。
このナンバーの出来も素晴らしく、全米R&Bチャートで16位を記録してますが、もっと売れても良かったと思える出来です。
3曲目の"You Make Me Wanna Wiggle"はJohnson Brothersの2人によるギター・ソロがカッコ良いファンク・ナンバーです。
4曲目の"Treasure"はRod Tempertonのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
リード・ヴォーカルは、このアルバムにパーカッションで参加しているRichard Heathで、情感豊かに歌いあげております。
5曲目の"This Had To Be"はMichael Jacksonも曲作りとバッキング・ヴォーカルで参加しております。
曲はとてもポップです。
6曲目の"All About The Heaven"は、再びRod Tempertonのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
このナンバーでは、George Johnsonがリード・ヴォーカルを執っておりますが、こちらも情感豊かに歌いあげております。
でも、曲の出来としては、4曲目よりこちらの方が勝っておりますね。
7曲目の"Smilin' On Ya"はインスト・ナンバーで、当時のフュージョン・ミュージックそのまんまのサウンドですが、これがとてもいかしてます。
8曲目の"Closer To The One That You Love"はメロウなナンバーで、ほぼAORしております。
ラストの9曲目の"Celebrations"も一部コーラスなど入るほぼインストのナンバーで、Paulinho DaCostaのパーカッションとLarry Wiiliamsのシンセサイザーがいかしたフュージョン・ナンバーとなっております。
この"Light Up The Night"はホント良く出来た作品だと思いますね。
AORファンからもブラコン・ファンからも支持を受けたのが良く判るアルバムだと思いますね。
2009-07-27
Commodores / United (1986)

特に"Easy"や"Three Times a Lady"といったバラード・ナンバーが有名ですが、彼らのサウンドは元々はファンク・ミュージックなんですね。
Lionel Richie脱退後は、1985年の"Nightshift"が全米12位にランクインするヒットとなりましたが、それ以外はあまりパッとしなかったようです。
本日紹介の"United"は"Nightshift"発表の良く年に出された彼らの15枚目のアルバムです。
このアルバムは中古で100円か200円で購入したもので、もし500円以上だったら買わなかったと思いますね。
購入してから1年以上は経過していますが、今まで、一度も聴いていなかったアルバムですが、最近はファンク・アルバムを何枚か続けて紹介しており、ちょっと聴いてみようかと思い、手にとってみました。
そしたら、あなた!とても100円とか200円とかいう金額以上の価値がある良く出来たファンク・アルバムでした。
すでにLionel Richieはおりませんが、1曲目からカッコ良いファンク・ナンバーの目白押しでした。
1曲目の"Goin' To The Bank"はシングル・カットされたナンバーで、全米HOT100で65位、全米R&Bチャートで2位とそこそこヒットしたナンバーです。
これがとてもカッコ良いファンク・ナンバーでとてもいかしてます。
2曲目の"Take It From Me"もバックのプレイがとてもいかしたメリハリのあるファンク・ナンバーで出来も良いです。
3曲目の"United In Love"はCommodoresお得意のバラード・ナンバーで、Lionel Richieがいなくても俺達はCommodoresだと強く表明しているようなナンバーです。
メロディアスなナンバーで聴きものです。
4曲目の"Can't Dance All Night"はミディアム・テンポのメロディアスなライト・ファンクのナンバーで、曲の出来もまあまあです。
5曲目の"You're The Only Woman I Need"もバラード・ナンバーですが、ここではGreg Mathiesonがアレンジとキーボードを担当しておりますし、バッキング・ヴォーカルでBill Champlinが参加するなどAORの雰囲気が一杯のナンバーに仕上がっております。
6曲目の"Land Of The Dreamer"もバックのプレイがいかしたファンク・ナンバーです。
曲もポップで良いですね。
7曲目の"Talk To Me"はヴォーカルがとてもいかしたメロウなナンバーで、軽い感じのファンク・ナンバーに仕上がっており、出来も良いと思います。
8曲目の"I Wanna Rock You"はバックの打ち込みが少し耳に障る感じがするナンバーですが、曲自体の出来は良いのに残念です。
9曲目の"Let's Apologize"は再びGreg Mathiesonのアレンジによるナンバーで、Michael ThompsonとPaul Jackson,Jr.がギターで参加しているナンバーです。
また、Bill ChamplinとJason Scheffがバッキング・ヴォーカルで参加しております。
早いテンポのナンバーですが、AORの雰囲気もあります。
ラストの10曲目"Serious Love"はとてもポップな仕上がりのファンク・ナンバーです。
さすが、Dennis Lambertのプロデュースだけあり、あまりハズレがないですね。
出来としてもかなりなものだと思いますね。
2009-07-26
Con Funk Shun / Spirit Of Love (1980)

Con Funk Shunは1973年に"Organized Con Funk Shun"でデビューし、現在まで、といってもオリジナル・アルバムは1996年の"Live for Ya Ass"まで、計14枚のアルバムを発表しているファンク・バンドです。
Con Funk Shunのメンバーは、Michael Cooper - guitar, lead vocals、Karl Fuller - trumpet, vocals、Paul "Maceo" Harrell - saxophone, flute, vocals、Cedric Martin - bass, vocals、Louis A. McCall - drums, percussion, vocals、Felton Pilate - trombone, keyboards, guitar, lead vocals、Danny "Sweet Man" Thomas - keyboards, vocalsの7人で、この頃のファンク・バンドはCon Funk ShunだけでなくCameoなどもヴォーカル・グループではなく、楽器もこなす、それも演奏のレベルも高い、バンドが多くいました。
Con Funk ShunはドラムスのLouis A. McCallとヴォーカルの Michael Cooper によって結成されたバンドですが、1997年にLouis A. McCallが亡くなってからバンド活動も停滞したようです。
Con Funk Shunの最盛期はこの"Spirit Of Love"の前後で、日本では、1978年の"Ffun"や1981年の"Too Tight"といった大ヒットしたファンク・ナンバーより、本アルバムに収録されている"By Your Side"や1981年の"California 1"といったバラード・ナンバーが受けていたような感じがします。
"By Your Side"は本国でもシングル・カットされBlack Singlesチャートで27位を記録するヒットでしたが、"California 1"は本国ではシングル・カットはされませんでしたが、確か日本ではシングル・カットされていたと思います。
"By Your Side"を収録したこの"Spirit Of Love"ですが、もう最高のファンク・アルバムです。
1曲目の"Got To Be Enough"はシングル・カットされたナンバーで、Black Singlesチャートで8位にランクインしたファンキーなナンバーです。
これぞCon Funk Shunといったとてもカッコ良いファンク・ナンバーです。
2曲目の"By Your Side"はメロディアスなバラード・ナンバーで、私としては、彼らのナンバーの中で最も好きなナンバーです。
何度も書きますが、Con Funk Shun、The Bar-Kays、Cameoなどのファンク・バンドのバラード・ナンバーって、どうしてこんなに良い曲ばかりなんでしょうね。
3曲目の"Curtain Call"はベースの音がビンビンのファンク・ナンバーでヴォーカルも良いですが、バックのプレイが最高です。
4曲目の"Early Morning Sunshine"はミディアム・テンポの一部コーラスが入る(これがとても素敵)ほぼインストルメンタルしたメロディアスないかしたナンバーです。
5曲目の"Spirit Of Love"はホーン・セクションがカッコ良いファンク・ナンバーで、ヴォーカルのファルセットがいかしてます。
6曲目の"Happy Face"もシングル・カットされたナンバーで、Black Singlesチャートで87位を記録しております。
これもベースがビンビンのポップなファンク・ナンバーです。
7曲目の"All Up To You"はキーボードが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
8曲目の"Juicy"はアーバンな香りがするミディアム・テンポのファンク・ナンバーで、メロディも良いですし、ファルセット・ヴォーカルもバックのプレイもいかしております。
9曲目の"Honey Wild"はミディアム・スロウのメロディアスなバラード・ナンバーで、いかしてます。
ラストの10曲目"Lovestruck 1980"はディスコ・タッチの軽めのファンク・ナンバーといったところでしょうか。
私としては、この"Spirit Of Love"はCon Funk Shunの数あるアルバムの中でもベスト・アルバムだと思っております。
かなり安く売っておりますので、未聴の方はどうぞ。
なお、"By Your Side"と"California 1"の2曲は彼らのベスト・アルバムに収録されております。
2009-07-25
Champaign / How 'Bout Us (1981)

この日本でも1981年はAORが時代を風靡していた時で、AORファンからも高い支持を得ていたバンドでした。
このバンドの魅力はなんといっても曲の出来が素晴らしく、メロウ&スウィートで、Pauli Carmanのヴォーカルが魅力でした。
この1stもまさにそんなナンバーのオン・パレードで、"How 'Bout Us"だけじゃありません。
というより、他のナンバーの出来の方が良いくらいです。
1曲目の"Can You Find The Time?"なんかはそんなナンバーで、メロウ&スウィートな軽めのファンク・ナンバーでいうことありません。
メロディアスナンバーで、Pauli Carmanのヴォーカルだけではなく、バックのプレイも最高です。
2曲目の"Party People"も軽めのファンク・ナンバーで、メロディ良しのポップなナンバーです。
このナンバーでもバックの女性ヴォーカルもプレイもいかしてます。
3曲目の"Whiplash"はシティ感覚溢れるファンク・ナンバーで言うことありません。
極めつけは4曲目の"I'm On Fire"で、これぞファンク・バンドのバラードで申し分ありません。
メロディアスですし雰囲気もばっちりのナンバーです。
このアルバムの中で最もお勧めのナンバーです。
5曲目の"How 'Bout Us"は、もう皆さんご存知のナンバーでコメントもいらないでしょう。
6曲目の"Spinnin'"も洒落た感じの軽めのファンク・ナンバーです。
7曲目の"Dancin' Together Again"もメロディアスなバラード・ナンバーです。
バックの女性ヴォーカルがとても良いです。
8曲目の"Lighten Up"はミディアム・スロウながらとてもファンキーさを感じさせるナンバーとなっております。
ラストの9曲目"If One More Morning"はポップな仕上がりのAORナンバーとなっており、これまたお勧めです。
この"How 'Bout Us"ですが1991年にCBSソニーから一度CD化された後、再CD化されておらずかなりのレア盤となっておりますので、是非、再CD化して欲しいアルバムですね。
Amazon JPを覗くと9800円で売っておりますが、さすがこれじゃ高くて手が出ないでしょう。
2009-07-23
New England / New England (1979)
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いわゆる、Kansas、Boston、Journey、Styxといったバンドがこのジャンルに当てはまるわけですが、アメリカン・プログレハードとは、よりハードでメロディアスで、キーボードを主体とするサウンドを指すもので、別の言葉で言えばアリーナ・ロック、あるいは産業ロックとも呼ばれております。
当時産業ロックという言葉はコーマシャリズムいっぱいの売れ線を狙ったロックとして揶揄される言葉で使われておりました。
私が思うに、売れ線狙いで何が悪い、メロディアスで聴きやすいロックのどこが悪い、なんて反発しておりましたので、端から産業ロックという言葉に全く抵抗感はありませんでした。
ですから、前出のバンドは全てお気に入りのバンドばかりです。
特にBostonはThe Beatlesの次に好きなバンドです。
そんな産業ロック・バンドのNew Englandが1979年に発表したのが本日紹介いたします1stアルバム"New England"です。
このNew EnglandはKISSのPaul Stanleyによって見出されたバンドで、この1stもPaul StanleyとMike Stoneがプロデュースを担当しております。
1曲目の"Hello, Hello, Hello"はポップでメロディアスなナンバーで、コーラスとハーモニーが美しいとても良く出来た曲です。
このアルバムのハイライトが2曲目の"Don't Ever Wanna Lose Ya"で、後にBronzというHRバンドがカヴァーしたナンバーです。
全米40位にランクインしたナンバーで、New Englandを一躍有名にした名曲です。
これぞ産業ロックといったキーボードが多用された分厚いサウンドのメロディアスなナンバーです。
産業ロック・ファンにとっては紛れもなく気に入る1曲です。
3曲目の"P.U.N.K."は出だしのギター・プレイとキーボードがいかしたこれまた産業ロック然としたポップロックしたナンバーです。
4曲目の"Shall I Run Away"は泣きのギターがふんだんにフィーチャーされたメロディアスなバラード・ナンバーでいけます。
バックのストリングスもかなり良いです。
5曲目の"Alone Tonight"もメロディアスでとてもいかしたハードポップ・ナンバーです。
まさに哀愁のハードポップといった趣のナンバーです。
かなりお勧めです。
6曲目の"Nothing To Fear"は出だしの部分はアコースティカルで、これまたメロディアスな産業ロックのナンバーです。
7曲目の"Shoot"は、Deep Purpleにも通ずるメロディアスなハードロックしたナンバーです。
出だしの音なんかはほぼDeep Purpleしておりますね。
8曲目の"Turn Out The Light"はピアノの音が美しい盛り上がりのあるメロディアスなバラード・ナンバーで、かなりいかしてます。
9曲目の"The Last Show"は再びギター・プレイがカッコ良いハードポップ・ナンバーです。
ラストの10曲目"Encore"はバックの音がTOTOした、これまた産業ロック然としたナンバーで、バックのコーラスもいかしてます。
New Englandはこのアルバムのほかに、1980年に"Explorer Suite"、1981年に"Walking Wild"の3枚のアルバム(後に、1stアルバムを出す前の音源を集めたアルバムやライヴ・アルバムも発表されましたが)を出しており、特に"Explorer Suite"に収められていた"Hope"というナンバーはメロディ・マニアから高い評価を受けております。
2009-07-22
Three Dog Night / Greatest Hits Live (2008)

Three Dog Nightは皆さんご存知のとおり、Chuck Negron、Danny Hutton、Cory Wellsの3人のヴォーカリストにMichael Allsup (G)、Joe Schermie (B)、Jimmy Greenspoon (Keys)、Floyd Sneed (Ds)の4人のプレイヤーの計7人編成によるバンドで、米Billboard誌のトップ40に21曲がチャート・インし、その内3曲が1位を獲得した70年代の代表的なグループです。
Three Dog Nightと言えば、いろいろなアーティストのカヴァーを得意とするバンドで、例えば、Randy Newmanの"Mama Told Me Not to Come"、 Laura Nyroの"Eli's Coming" (US #10)、 Russ Ballardの "Liar" (US #7)、 Hoyt Axtonの"Joy to the World"と"Never Been To Spain"、 Elton Johnの"Lady Samantha"や "Your Song"、John Hiattの"Sure As I'm Sittin' Here" (US #16).、Leo Sayerの"The Show Must Go On" (US #4).、Paul Williamsの"An Old Fashioned Love Song" (US#4)と"Out in the Country" (US #15)、 Harry Nilssonの"One"(US #5)なんかが良く知られており、その殆どが彼らのオリジナル・ナンバーといっても良いぐらいに嵌っております。
本日紹介する"Greatest Hits Live"はそんなThree Dog Nightの最も輝いていた1972年と1973年のライヴ音源を収めたもので、悪いわけはありません。
収録ナンバーは、
1 One Man Band
2 The Family Of Man
3 Easy To Be Hard
4 Never Been To Spain
5 Mama Told Me (Not To Come)
6 An Old Fashioned Love Song
7 Eli's Coming
8 Liar
9 Celebrate
10 Try A Little Tenderness
11 One
12 Joy To The World
の全12曲です。
"One Man Band"は全米19位にランクインしたナンバーで、1970年の5thアルバム"Naturally"に収められております。
Chuck Negronのリード・ヴォーカルによるとてもファンキーなポップロックしたナンバーです。
" The Family Of Man"は全米12位にチャートインした1971年の"Harmony"からの1曲。
3人のリード・ヴォーカルによるこれまたポップ・フィーリング溢れたナンバーで、バックのオルガンがとても良い味を出しております。
"Easy To Be Hard"は1969年の"Suitable For Framing"からのナンバーで、全米4位にランクインしたナンバーです。
Chuck Negronのリード・ヴォーカルによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
"Never Been To Spain"は1971年の"Harmony"から。
全米5位にランクインされたナンバーで、私の大好きなCory Wellsのリード・ヴォーカルによるナンバーです。
これまたメロディアスなバラード・ナンバーで、ブルーアイド・ソウルしたCory Wellsのヴォーカルが堪りません。
"Mama Told Me (Not To Come)"は1970年の"It Aint Easy"からのナンバーで、全米1位を記録し、この日本でも一躍Three Dog Nightの名前を有名にしたナンバーです。
リード・ヴォーカルはCory Wellsで、黒っぽい歌い方が堪りません。
"An Old Fashioned Love Song"は1971年の"Harmony"からのナンバーで、全米4位にランクインされました。
この日本でもThree Dog Nightのナンバーの中ではかなり人気のある曲です。
"Eli's Coming"はLaura Nyloのペンによるナンバーで全米10位にランクイン。
1969年の"Suitable For Framing"からのナンバーで、Cory Wellsがリード・ヴォーカルを担当しております。
Cory Wellsの歌の上手さが光るナンバーです。
"Liar"は1970年の"Naturally"から。
Russ Ballardのペンによるナンバーで、全米7位を記録しております。
リード・ヴォーカルはDanny Huttonが執っています。
この"Naturally"には他に"Joy To The World"という彼らの代表曲が収められており、Three Dog Nightのアルバムの中で最も良く知られているアルバムです。
"Celebrate"は"Suitable For Framing"からのナンバーで、全米15位にランクインされたナンバーで、3人がリード・ヴォーカルを執っております。
"Try A Little Tenderness"は1969年の1stアルバム"One"からのナンバーで、Cory Wellsがリード・ヴォーカルを執っております。
全米29位にランクインされたナンバーで、出だしはメロディアスなバラード風で後半はとてもファンキーなCory Wellsのヴォーカルが最高にいかした曲です。
Harry Nilssonのペンによる"One"はThree Dog Nightのナンバーの中で最も私が好きなナンバーです。
全米5位にランクインされました。
メロディアスな盛り上がりのある最高のナンバーで、まるでThree Dog Nightがオリジナルかのようです。
"Joy To The World"はThree Dog Nightのナンバーで最も知られているナンバーで、もちろん全米1位を記録しております。
このアルバムに収められている12曲は全て全米トップ40にランクインされたナンバーばかりですし、彼らの全盛期のライヴ・パフォーマンスが収録されておりますので、とてもお勧めです。
2009-07-21
Ish / Ish (1979)

その後、OXOというバンドを結成し、ポップ感覚溢れる溌剌とした曲"Whiry Girl"を1983年にヒットさせております。
このIshの1stアルバムは未CD化のアルバムですが、先ずジャケットを見ただけでそそられる感じがしませんか?
内容はというと、ディスコティークした極上のAORアルバムとなっております。
以前に私のHPで取り上げました2005年に発表されたIshの2枚組のベスト・アルバム"Ishology - Foxy - Oxo - Company B"にもこの1stアルバムから"Don't Stop"が、また、1994年のFoxyの"The Best Of Foxy"には、"Let's Make Love"と"Faster Than A Speeding Bullet"さらに"Deep Down I'm Funky"の計4曲がCDの音源で聴け、"Let's Make Love"はこのソロ・アルバムのベスト・テイクということで嬉しい限りですが、他に"Babe"というメロディアスなバラード・ナンバーなんかも収録されておりますので、是非、CD化をお願いしたいアルバムなんです。
A面の1曲目"Let's Make Love"はIshのギター・ソロとヴォーカルがカッコ良いミディアム・ハイのメロディアスなAORナンバーで、このアルバムのベスト・テイクです。
曲の出来がとても素晴らしくもう言うことなしです。
当時は、かなりヘヴィ・ローテーしていたナンバーです。
2曲目の"Superthriller (Super-Thrilling-Me!)"はLezlee Livranoとのデュエットによるファンキーなディスコ・ナンバーで、踊れます。
とてもポップでいかしたナンバーです。
3曲目の"A Lover A Day"はMichael Breckerのサックス・ソロから入るメロディアスなバラード・ナンバーで完全にAORしております。
Ishのファルセットもセクシーですし、もう堪らないナンバーです。
4曲目の"Faster Than A Speeding Bullet"はバックのビンビンのベースの音がカッコ良いいかしたナンバーです。
5曲目の"Don't Stop"はカリプソ風のディスコチックしたナンバーで、ここでもファルセットのIshのヴォーカルがいかしてます。
B面の1曲目"Please"は出だしのIshのギター・プレイがカッコ良いファンキーなナンバーで、これもAORしております。
2曲目の"Julie"でもMichael Breckerのサックスが聴けますが、こちらはファンキーなナンバーですが、メロディアスでこれもAORしております。
3曲目の"Deep Down I'm Funky"はタイトルどおりFoxyに通じるファンキーなディスコ・ナンバーです。
4曲目の"Babe"はこれまたメロディアスで良く出来たバラード・ナンバーで、これもAORしております。
バックのピアノが美しいナンバーで、言うことありません。
かなりお勧めです。
5曲目の"Peak"もIshのギター・プレイがカッコ良いファンキーでご機嫌なロックンロールしたナンバーです。
ラストの6曲目"I Want You"は10秒ほどの短いナンバーで?という感じです。
この"Ish"ですが、ブラコンやファンクそしてAORのファンには必ずや気に入っていただけるアルバムだと思いますよ。
早くCD化されないでしょうか?
2009-07-20
Jack Russell / Shelter Me (1996)

6月、7月の北海道は例年になく、まるで梅雨のように雨が降る不順の天候が続いており、せっかくの函館も雨に当たりっ放しでした。
札幌も今年の夏は雨ばかりで、北海道という感じがしません。
やっぱり夏は太陽がサンサンで暑くなくては。
今年は9月にも5連休がありますが、その内の何日かは仕事が入りそうで、遠くへは行けそうにもありませんので、聴かないで溜まっているCDもたくさんありますのでCD三昧でもと考えております。
本日紹介するJack Russellの"Shelter Me"もかなり前に中古を購入して全く聴いていなかったものです。
この"Shelter Me"はJack Russellの1stソロ・アルバムで、1996年に発表されたアルバムです。
Jack Russellはハードロック・ファンでは皆さんご存知のとおりブルージーなハードロックを聴かせるGreat Whiteのヴォーカリストです。
Great Whiteはアメリカのバンドで、1984年にキャピトル・レコードから"Great White"でデビューしたバンドです。
その後、一度活動を停止し、2009年に"Rising"という12枚目のスタジオ・アルバムを出しております。
最も売れたアルバムは、1989年の"...Twice Shy"で全米アルバム・チャートの9位にランクインしております。
私はGreat Whiteのブルースをベースにしたハードロック・サウンドが気に入っていて、かなり好きなバンドです。
最も気に入っているアルバムは、1992年の"Psycho City"で、収録ナンバーの"Love Is A Lie"は8分を超える壮大なバラード・ナンバーです。
この"Love Is A Lie"は全てのジャンルのバラード・ナンバーの中でも高位にランクインされるナンバーだと私は思っております。
とにかく最高の1曲です。
また、Great Whiteの1999年の作品"Great Zeppelin: A Tribute to Led Zeppelin"は全曲Led Zeppelinのカヴァーで、"Stairway To Heaven"や"Immigrant Song"などが収録され、企画物として楽しめるアルバムでした。
で、Jack Russellが、Great White1996年の"Let It Rock"を発表後に完成させたのが、この1stソロ・アルバムです。
また、2002年には"For You"という2ndアルバムも発表しております。
1stアルバムの"Shelter Me"ですが、あのTim Bogert (ex: Vanilla Fudge、Cactus、Beck Bogert & Appice)がベースで参加していることと、Matthew Johnsonという無名ながらブルース・フィーリング溢れるギターを聴かせるギタリストが参加しております。
特にMatthew Johnsonは収録ナンバーのかなりの曲でソング・ライティングもしており、センスも抜群です。
このアルバムには全13曲が収められており、ほぼGreat Whiteに通ずるサウンド作りをしていると思いますが、ギター・プレイやソング・ライティングをMatthew Johnsonが関わっていることで、ブルース色が薄れ若干音が違っているかな?という感じです。
3曲目の"Leave Me Lonely"はそのMatthew Johnsonのペンによるアコースティカルな壮大な感じのアメリカン・ロックのバラードという感じです。
4曲目の"Long Way To Go"は、ほぼGreat Whiteしたブルージーなロック・ナンバーでもう言うことありませんね。
5曲目の"Hey Bulldog"はもちろんJohn Lennon & Paul McCartneyのペンによるあのナンバーです。
最高のナンバーは誰が演っても、やっぱり最高なんだなあということを証明している、そんな仕上がりです。
6曲目の"You'll Lose A Good Thing"もカヴァー曲ですが、これが60年代のドゥワップ風の雰囲気満点のナンバーで、バックのMatthew Johnsonのギター・プレイはもう最高です。
このアルバムの一押しですね。
7曲目の"24/7"もGreat Whiteに通じるご機嫌なロックン・ロール・ナンバーです。
8曲目の"The Fault's All Mine"は日本盤ボーナス・トラックで、とてもポップで良く出来たナンバーです。
10曲目の"Faith In You"はメロディアスでブルージーなバラードで、雰囲気もばっちりのAORナンバーに仕上がっております。
11曲目の"Save Your Love"はGreat Whiteの1987年の"Once Bitten"に収録されていたナンバーです。
このJack Russellのヴァージョンはアコースティカルなバラードに仕上がっており、"Love Is A Lie"を彷彿する出来上がりとなっております。
Jack Russellの歌の上手さが光っております。
12曲目の"Shine On"はJack Russell、Mark Kendall、Michael Lardieの3人のGreat Whiteのメンバーによるロックンロール・ナンバーで、もうこれは完全にGreat Whiteしております。
ラストの13曲目"When I Look Into Your Eyes"はタイトルから想像されるとおりのメロディアスなバラード・ナンバーで、バックのピアノがとても良いです。
Jack Russellの"Shelter Me"はGreat WhiteのファンはもちろんのことAdult Oriented Rockのファンにもお勧めです。
決してハードロックではありません。
2009-07-14
稲垣潤一 / 246:3AM (1982)

当時はAORの隆盛期で、日本でも、山下達郎、大滝詠一、角松敏生、黒住憲五などの日本のAORアーティストがもてはやされていた時期で、この稲垣潤一もその一人と目されておりました。
私も前出のアーティストの80年代のアルバムはほぼ全て揃えておりました。
この稲垣潤一の1stアルバム「246:3AM」もレコードが発売されすぐに購入したアルバムで、当時ヘヴィ・ローテーしておりました。
当時の歌番組にも結構出ていて、ドラム'nヴォーカルというスタイルが新鮮だったのと、声に少しばかり特徴がありましたが、嫌いではなかったですね。
1982年のデビュー後、
・246:3AM (1982年7月21日)
・SHYLIGHTS (1983年2月1日)
・J.I. (1983年9月1日)
・Personally (1984年5月19日)
・NO STRINGS (1985年5月1日)
・REALISTIC (1986年3月1日)
・Mind Note (1987年3月4日)
・EDGE OF TIME (1988年4月25日)
・HEART & SOUL (1989年4月19日)
・Self Portrait (1990年4月4日)
・WILL (1991年4月3日)
・SKETCH of HEART (1992年5月20日)
・for my DEAREST (1993年3月24日)
・Signs of Trust (1994年4月6日)
・J's DIMENSION (1995年6月14日)
・PRIMARY (1996年9月21日)
・V.O.Z. (1997年11月21日)
・MY ONE (2000年6月21日)
・endless chain (2001年11月21日)
・稲垣潤一 (2002年11月21日)
と20枚のオリジナル・アルバムと18枚のベスト・アルバム、そして47枚のシングルを発表しております。
初期の稲垣潤一は自作曲というのは殆どなく、外部のライターに書かれたナンバーを歌っておりました。
、ライター陣には、湯川れい子、井上鑑、秋元康、売野雅勇、松任谷由実、安井かずみなど売れっ子の作詞家の曲に松尾一彦、筒見京平、安部恭弘、大滝詠一などの作曲家など有名どころばかりで、出来上がった曲も悪いわけがありません。
また、バック・ミュージシャンに目を向けると、井上鑑、今剛、林立夫といったこの頃の日本のAORアルバムに欠かせないメンバーが脇を固めております。
この1stアルバムからシングル・カットされたナンバーの「雨のリグレット」と「246:3AM」は、詞:湯川れい子、曲:松尾一彦、編曲:井上鑑ですし、 それ以外のナンバーにも杉真理や見岳章などの名前を見ることができます。
1曲目の「ジンで朝まで」は秋元康と杉真理のペンによるナンバーで、このナンバーを聴いただけでこのアルバムの良さが判る、そんな出来が良いAORナンバーです。
2曲目の「バハマ・エアポート」もメロディアスな軽快な感じのAORナンバーで素敵な曲です。
3曲目の「海鳴りに誘われて」はメロディアスなバラード・ナンバーです。
4曲目の「蒼い追憶」は湯川れい子と見岳章のペンによるナンバーですが、詩もメロディも最高にいかしたメロディアスなAORナンバーに仕上がっており、このアルバムの中でも出来はかなりのもので、聴きものです。
5曲目の「月曜日にはバラを」はメロディアスなバラード・ナンバーで、これも出来はかなりなものです。
6曲目の「246:3AM」の出だしのギターは今剛だとすぐに判りますし、アレンジも井上鑑だと判るサウンドとなっております。
メロディアスなAORナンバーに仕上がっております。
7曲目の「雨のリグレット」は今では稲垣潤一の代表的なナンバーで、このナンバーのヒットで一躍有名になったといっても良いでしょう。
ミディアム・スロウのメロディアスなナンバーで言うことありませんね。
8曲目の「ハート悲しく」はMarty Balinの大ヒットナンバーのカヴァーで、日本語の詩が付けられております。
ラストの9曲目「日暮山」はミディアム・スロウのフォークっぽいナンバーで、8曲目までと雰囲気を異にしたナンバーで、何か浮いている感じがします。
私にとっては?といった感じのナンバーです。
2009-07-13
Paul Stanley / KISS (1978)

別に当時はDeep Purpleといったハードロックも聴いておりましたし、"In Rock"や"Machine Head"なんかを好んで聴いておりましたが、彼らの見た目のスタイルだけで、殆ど彼らのサウンドも聴かずに敬遠しておりました。
ですから70年代中盤からこの日本でも彼らの人気が高まろうが、まるで彼らのレコードなんかを聴く気にもなりませんでした。
もちろん、彼らのヒット・ナンバーの"Detroit Rock City"や"Beth"といったナンバーはラジオ辺りから流れているのを聴くぐらいでした。
1979年の大ヒット・ナンバー"I Was Made For Lovin' You 「ラヴィン・ユー・ベイビー」"はメロディアスな良い曲だなあと思いながらもレコードまでは買うといったことはありませんでした。
それが、1994年の"Greatest Kiss"をCDで買ってみて、初めて彼らのサウンドに触れたと言っても良いかも知れません。
決定的なのは、1998年の"Psycho Circus"だったと思います。
これが彼らのアルバムで2番目に購入したアルバムでしたが、タイトル・ナンバーの"Psycho Circus"を聴いた時の彼らのカッコ良さというのはなかったですね。
ですから、彼らのアルバムを本格的に集め聴きだしたのは1998年以降となります。
そういう意味では、彼らの初期アルバムなんかも新鮮に聴くことができました。
まあ、それでも十数枚しかアルバムを持っておりませんが。
で、良く聴いてみると、彼らのサウンドはポップで明快なハードロックを演っており、これがかなりいかしていて、「食わず嫌い」はやっぱりダメだな、と思いました。
KISSの4人によるそれぞれのソロ・アルバムは、1978年に発表されておりますが、私はやっぱりというか何というかこのPaul Stanleyのものが最も気に入っています。
メロディアスでポップなハードロックというところが良いですね。
1曲目の"Tonight You Belong To Me"はアコースティック・ギターから始まるナンバーですが、途中からのPaul Stanleyのエレクトリック・ギターは力強くて最高です。
これぞアメリカン・メロディアスハードといったナンバーでとても気に入っています。
2曲目の"Move On"もポップなハードロックです。
このナンバーでもPaul Stanleyのギター・ソロはとてもカッコ良いです。
3曲目の"Ain't Quite Right"はミディアム・テンポのメロディアスなアメリカン・ロックしたバラード風ナンバーです。
4曲目の"Wouldn't You Like Me To Know"もとてもポップな聴きやすいハードロック・ナンバーです。
5曲目の"Take Me Away (Together As One)"はアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーで曲の出来も素晴らしく、お勧めのナンバーです。
6曲目の"It's Alright"は一転してPaul Stanleyのハードドライヴィングしたギターのリフがとてもカッコ良い、小気味良ささえ感じるポップなハードロック・ナンバーです。
このナンバーもお勧めです。
7曲目の"Hold Me Touch Me (Think Of Me When We're Apart)"は5曲目とはまた違った味わいのあるバラード・ナンバーで、バックのピアノがとても素晴らしいですし、メロディも最高で、抑え気味のPaul Stanleyのヴォーカルも聴きものです。
8曲目の"Love In Chains"はまたまたPaul Stanleyのギター・プレイが最高にいかしたハードロック・ナンバーです。
曲の出来も良いです。
ラストの9曲目"Goodbye"もポップでメロディアスなハードポップしたナンバーです。
このナンバーもホント良く出来てます。
KISSのオリジナル・アルバムよりも数段良く出来たアルバムで、ほぼ捨て曲なんか無い強力な1枚だと思います。
2009-07-12
角松敏生 / See Breeze (1981)

角松敏生のこの1stアルバム「See Breeze」は1981年に発表されました。
私が彼のアルバムを初めて聴いたのは、1982年の2nd「Weekend Fly To The Sun」からですが、この2ndを聴いて彼の虜となり、それ以来、現在も彼のアルバムを買い続けています。
今でも買い続けてはいますが、90年代以降の彼にアルバムの中身は多少不満もありますが。
彼のアルバムの中で最も好きなアルバムは、1982年の2nd「WEEKEND FLY TO THE SUN」で、初めて彼のサウンドに触れ、あまりにも印象が深かったからだと思います。
あと、1985年の「T's BALLAD」もかなり聴きこんだアルバムです。
もちろん、1stから1986年の9枚目のアルバム「Touch And Go」までは、どれもかなり良く出来たアルバムだと思っております。
この頃の角松が好きな理由は、もちろん内容がAORだということと、当時の思い入れがいっぱい詰まっているからです。
特にこの1stに収められている「Still, I'm In Love With You」は彼にナンバーの中で最も好きなナンバーで、メロディ、歌詞がとても素晴らしいメロディアスなAORナンバーです。
このナンバーを聴くといつも心が切なくなります。
また、"Elena"もとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、角松のソング・ライティングの優秀さが判ります。
さらに、80年代の角松のアルバムに関しては、アレンジも見事で普段洋楽のAORしか聴かないようなファンも彼のアレンジやプロデュースのマジックには脱帽せざるを得ないものがあります。
"Wave"を聴いても、それらのことを十分証明していると思います。
そして、歌詞の斬新さもかなりなもので、80年代の彼のナンバーでは、女性の気持ちとか、働く女性にスポットを当てております。
ラヴ・ソングには違いはありませんが、詩の内容は不倫を歌ったりと切なさが滲んでいます。
彼の曲は男性の私が聴いてもその素晴らしさが判りますが、当時は女性のファンもかなりいたと思います。
時代はバブルが始まる頃で、彼の歌うナンバーでの女性も丁度その頃の女性そのままといった感じです。
彼のサウンドも彼が書く曲や詩もその頃の世相に受けるものだったんだと思いますね。
特に2ndアルバムなんかはタイトルが「WEEKEND FLY TO THE SUN」で、週末の金曜日から日曜日にかけ、海外へ遊びに行く女性をテーマにしたタイトルで、まさにバブル期の先端を行っている女性の行動そのものだと思います。
角松には、やはり都会の夜とか夏とか軽くてファンキーな音が似合っていると思っております。
ですから1991年の「ALL IS VANITY」以降のサウンドには少しばかり不満なんです。
80年代の角松敏生はやっぱり最高です。
「Still, I'm In Love With You」は永遠のバラードです。
2009-07-11
Peter Frampton / I'm In You (1977)

ジャケットをご覧の通り甘めのマスクのせいもあり、女性からもかなりの支持を受けておりました。
"Frampton Comes Alive!"は、"Show Me the Way"、"Baby, I Love Your Way"、"Do You Feel Like We Do"の3曲のシングル・ヒットを生み、アルバムは全米1位を記録し、全世界で1000万枚を売り上げる驚異的な大ヒット作となりました。
そんな脂が乗っていた時期に発表されたこの"I'm In You"もアルバムは全米2位を記録し、シングルカットされたタイトル・ナンバーの"I'm in You"は、チャート2位を記録する大ヒットとなり、他に"Signed, Sealed, Delivered I'm Yours"はチャート18位、"Tried To Love"はチャート41位のヒットとなっております。
また、このアルバムのゲスト・ミュージシャンも凄く、 Mike Finnegan (Vo)、Stevie Wonder(Harmonica)、Richie Hayward (Dr, Perc)がゲスト参加しております。
1曲目の"I'm In You"はバックのピアノがとてもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーで、今ではPeter Framptonを代表するナンバーとなっております。
AORチックな最高のナンバーです。
2曲目の"(Putting My) Heart on the Line"はPeter FramptonのARPシンセの音が魅力的なポップなナンバーです。
3曲目の"St. Thomas (Don't You Know How I Feel)"はこんどはPeter Framptonのギターがとても魅力的なナンバーです。
4曲目の"Won't You Be My Friend"はシャッフル・ビートがいかしたファンキーなナンバーです。
5曲目の"You Don't Have to Worry"はPeter Framptonの泣きのギターを大々的にフィーチャーしたメロディアスなバラード・ナンバーで、とてもいかしていてお勧めです。
6曲目の"Tried to Love"はアコースティカルながらポップな感じのナンバーです。
7曲目の"Rocky's Hot Club"はフォーキーな感じのナンバーで、Stevie Wonderのハーモニカとヴォーカルが聴けるナンバーです。
8曲目の"(I'm A) Road Runner"もPeter Framptonのギターがカッコ良いポップロックのナンバーです。
ラストの9曲目"Signed, Sealed, Delivered I'm Yours"も全米18位を記録しただけあるナンバーで、ポップでいかしたナンバーに仕上がっております。
Peter FramptonのA&Mレーベル時代ののアルバムは、アルバムによってはそこそこレア化しておりましたが、輸入盤では2in1、国内盤では紙ジャケ化が最近されましたので、今では普通に聴けますが、A&Mレーベルを離れてからの80年代、90年代のアルバムは今でもそこそこの金額で取引されているようです。
また、この"I'm In You"は輸入盤は廃盤らしくレア化しておりますが、国内盤の紙ジャケはまだ在庫もあるようですので、興味のある方はどうぞ。
2009-07-09
Dave Mason / Two Hearts (1987)

Dave MasonといえばTrafficを皆さんは思い出すでしょうが、私はソロに転向後、特に、1973年以降の"It's Like You Never Left"、1974年の"Dave Mason"、1975年の"Split Coconut"辺りのサウンドがかなり好きです。
極めつけは、1976年の2枚組のライヴ・アルバム"Certified Live"が彼のベスト・アルバムだと思っております。
特にレコードの1枚目のA面には、"Feelin' Alright"、"Pearly Queen"、"Show Me Some Affection"、"All Along the Watchtower"の4曲が収められており、当時はこの面ばかりを聴いていた記憶があります。
"Paerly Queen"はEric Claptonの"Rainbow Concert"でも演っていたナンバーですが、同じナンバーを聴くんだったら絶対Dave Masonのヴァージョンだと思います。
また、"All Along the Watchtower"はBob Dylanのナンバーですが、出来はオリジナル以上だと思います。
ということで、Dave Masonについては、やはり70年代のサウンドがメインになるのだろうと思いますが、この1987年の作品も曲の粒も揃っておりますし、Dave Masonらしいアルバムに仕上がっていると思います。
また、AORのアルバムとしても聴けます。
このアルバムには、Steve Winwoodがバッキング・ヴォーカルとオルガンで、Phoebe SnowとMIke Finniganがバッキング・ヴォーカルで参加しております。
1曲目の"Two Hearts"はポップで覚えやすいメロディを持ったかなり良く出来たAOR風のナンバーです。
ドラムスは打ち込みでベース以外の楽器をDave Masonがプレイし、マルチ・プレイヤーぶりを見せておりますが、流石ギターはカッコ良いです。
Steve Winwoodのバッキング・ヴォーカルもかなり良いです。
2曲目の"Just A Little Lovin'"もメロディアスなナンバーで、あの独特なDave Masonの歌い回しとギタープレイが魅力的なナンバーです。
3曲目の"Forever"はタイトルから連想されるとおりのバラード・ナンバーです。
Steve Neivesのサックスプレイがそそられる感じでとてもいかしてます。
4曲目の"Dreams I Dream"はDave MasonとPhoebe Snowとのデュエット・ナンバーで、ファンキーな感じのAORナンバーに仕上がっております。
5曲目の"Something In The Heart"はこれまたメロディアスなAORしたナンバーで、Steve Winwoodのミニ・ムーグがとてもいかしてます。
曲の出来もかなり良いですが、やっぱり、あのSteve Winwoodのミニ・ムーグの音は特に魅力的です。
6曲目の"Ballerina"もAORしたナンバーで、バックのプレイが魅力的です。
7曲目の"Fighting For Love"はメロディアスなAORナンバーです。
ラストの8曲目"Replace The Face"はDave Masonのワウワウ・ギターがカッコ良いポップロックしたメロディアスなナンバーです。
冒頭にも書きましたが、この"Two Hearts"、Dave Masonのアルバムの中ではそれほどヒットしたアルバムでもなく存在が地味ですが、内容的には結構良く出来たAORアルバムに仕上がっていると思います。
2009-07-06
The Dukes / The Dukes (1979)

私のHPでCD化祈願アルバムVol.1で紹介していたアルバムですが、ようやくといった感じのCD化です。
このThe Dukesはイギリスのバンドですがサウンドはアメリカナイズされたもので、発表年を見るとちょうど産業ロックが流行っていた時期ということもあるでしょうが、メロディアスでポップで少しばかりハードといったほぼ産業ロックしたサウンドに仕上がっております。
メンバーは、セッションギタリストのMiller Anderson、元WingsのJimmy McCulloch、元Be Bop DeluxeのCharlie Tumahai、セッション・キーボディストのRonnie Leahyの4人となっております。
Jimmy McCullochはこのアルバムが発表されるわずか前に他界し、このアルバムの国内盤の帯にはJimmy McCllochの追悼盤として、「運命の旅立ち」というアルバム・タイトル出されました。
このアルバムの大のお勧めは1曲目の"Haerts In Trouble"で、とにかくメロディが最高のハードポップ・ナンバーです。
メロディ・マニアが泣いて喜ぶ、メロディアスな1曲です。
バックのピアノ、ギター、ベース、ドラムスと全てのプレイが一体となった素晴らしいナンバーです。
もうこの1曲でお釣りがくるぐらいです。
2曲目の"Leaving It All Behind"もポップで最高にいかしたこれぞ産業ロックしたサウンドで言うことがありません。
Jimmy McCullochのギター・ソロが泣けます。
この1曲目、2曲目だけで十分過ぎます。
3曲目の"All In A Game"はTOTOに通じるウエスト・コースト風の産業ロック・ナンバーです。
コーラス・ワークが素晴らしいです。
4曲目の"Billy Niles"はアレンジが面白いファンキーなナンバーです。
5曲目の"Crazy Fool"はピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
物悲しさをそそる盛り上がりのあるナンバーで聴きものです。
6曲目の"Who's Gonna Tell You"は再びアップテンポのポップなウエスト・コースト風の産業ロック・ナンバーです。
Jimmy McCullochのギターソロがカッコ良いナンバーです。
7曲目の"Time On Your Side"もウエスト・コースト風の産業ロックしたナンバーです。
Jimmy McCullochのギターとRonnie Leahyのシンセが最高にいかしてます。
8曲目の"I'll Try To Help"はこれまたメロディアスなミディアム・スロウのバラード・ナンバーです。
Miller Andersonのヴォーカルもいかしてます。
ラストの9曲目"Heartbreaker"はJimmy McCullochのハードなギターのリフがいかしたメロディアスなハードポップのナンバーです。
このナンバーでもコーラス・ハーモニーがいかしてます。
いやー、ホント、このアルバムのCD化は嬉し過ぎます。
産業ロック、ハードポップのファンだけでなく、少しハード目のAORファンにもお勧めの1枚です。
2009-07-05
Todd Rundgren / Faithful (1976)

で、おそらく彼のアルバムで最も知られているアルバムではなかろうか?、と私は思っているのですが。
かく言う私も、彼のアルバムで一番先に購入したのが、この"Faithful"なんですね。
1976年当時、もちろんTodd Rundgrenの名前は知っておりましたが、ほかに欲しいレコードがたくさんありましたので、彼のレコードを手に入れてまでとは思っておりませんでした。
でも、この"Faithful"は何がなんでも購入しようとしていたアルバムでした。
それは、もちろんレコードのA面を是非聴いてみたいと思っていたからです。
このアルバムは、A面が他のアーティスト・バンドのカヴァー曲、B面がTodd Rundgrenのオリジナル曲で構成されたアルバムです。
とにかく、A面に収録されたThe Beatles、The Beach Boys、Jimi Hendrixなどのナンバーを聴いてみたかったわけです。
収められているナンバーは、
1 Happenings Ten Years Time Ago (The Yardbirds)
2 Good Vibrations (The Beach Boys)
3 Rain (The Beatles)
4 Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine (Bob Dylan)
5 If Six Was Nine (Jimi Hendrix)
6 Strawberry Fields Forever (The Beatles)
の6曲がレコードのA面に収められておりました。
"Happenings Ten Years Time Ago"はJeff Beck、Jimmy Pageが在籍した1966年にイギリスでシングル・カットされたナンバーです。
サイケデリックでいかしたナンバーに仕上がっております。
"Good Vibrations"もThe Beach Boysが1966年に発表した彼らの大ヒット・ナンバーです。
私は、The Beach Boysのナンバーでは、最も好きなナンバーです。
そしてこのToddのヴァージョンですが、完コピです。
殆どオリジナルを聴いているようです。
"Rain"、実験的なこのナンバーのコピーなんか誰も無理だと思っていたと思います。
オリジナルのサイケさがそのまんまの最高にいかしたナンバーで、さすが、音の魔術師Todd Rundgrenです。
"Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine"、歌い方とか雰囲気Bob Dylanです。
"If Six Was Nine"なんかも完コピに近いです。
歌い回し、ギターのトーンはもうJimi Hendrixです。
" Rain"と同様にThe Beatlesの実験的なナンバー"Strawberry Fields Forever"もTodd Rundgrenにかかってしまうと、かくも上手く料理できてしまうんですね。
もうこれら6曲だけで十分お釣りがくるアルバムです。
7曲目以降はToddのオリジナル・ナンバーですが、7曲目の"Black And White"は結構ハードなナンバーでカッコ良さが目立つナンバーです。
8曲目の"Love Of The Common Man"はポップなウエストコースト風のナンバーです。
11曲目の"The Verb "To Love""は7分を超える大曲ですが、ミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、ほぼAORしたナンバーとなっております。
ラストの12曲目"Boogies (Hamburger Hell)"はバックの演奏がカッコ良いロックンロール・ナンバーです。
特にギター・ソロは最高です。
1曲目から6曲目を未だ聴いたことのないポップス・ロックのファンがいらっしゃれば是非聴いてみてください。
2009-07-04
黒住憲五 / Pillow Talk (1989)

待ちに待ったCD化でしたので嬉しさもひとしおです。
特に1982年の1stアルバム"Again"は最高に良く出来たアルバムで、当時ヘヴィ・ローテーしていたアルバムでしたので。
今回のCD化は、1stのほかに1983年の2ndアルバム"Still"のTDKコア時代のアルバムと日本コロンビアから発表された1989年の5thアルバム"Pillow Talk"の3枚で、どれもがAORの傑作と呼べるアルバムです。
1stの"Again"はこのブログで、ほぼ2年前の2007.8.8に紹介しており、その際CD化を切望するといったことを書いておりますので、アルバムの紹介記事はそちらを見ていただくとして、本日は、1989年の"Pillow Talk"を紹介いたします。
この3rdアルバムはL.A.のミュージシャンを起用したアルバムで、ミュージシャンは、Nathan East (B)、David Garfirld (Keys)、Michael O'Neil (G)、Jeff Porcaro (Ds)、Abraham Laboriel (B)、Michael Landau (G)、James Harrah (G)、Lenny Castro (Perc)などが参加しております。
1stはポップで明るいAOR、2ndはしっとりとした感じのAORそしてこの3rdはウエストコースト風のAORと三者三様の内容となっております。
それぞれにとてもいかしたアルバムですが、私としては、1stが一番気に入っております。
松原正樹プロデュースによる1stのポップで明るい(ちょっと間違えると歌謡ロック?)ナンバーの"My Sweet Lady"を聴いた時の印象が忘れられないというのがその理由なのかも知れません。
とにかく、音にキレがあるということと覚えやすいメロディ、これに尽きると思いますね。
それに比べ2ndは少しばかり大人しいというかしっとりした感じのアルバムで、アルバムの出来もそれぞれのナンバーも素晴らしいと思いますが、1stに比べると印象が薄い感じがするんですね。
で、この3rdですが、感じは2ndに近いものがありますが、AOR(大人向けのロック)といった観点からは、非常に良く出来たアルバムだと思います。
プロデュースがDavid Garfieldということもあり、サウンドがウエストコーストしたAORアルバムに仕上がっております。
1曲目の"八月のAngel"はバックのホーン・セクションが最高にいかしたアルバム・タイトルどおりの夏向けのポップでファンキーでメロディアスなAORナンバーで、このアルバムの一押しです。
2曲目の"彼女は悪くない"はDavid Garfieldのピアノが素晴らしいメロディアスなバラードしたAORナンバーで、これも言うことなしです。
3曲目の"Pillow Talk"はJeff Porcaroのドラムス、Michael LandauのギターがいかしたウエストコーストしたAORナンバーです。
4曲目の"Here Beside You"は出だしのプレイだけで引き込まれるメロディアスなバラード・ナンバーで、1曲目と全く違った雰囲気のナンバーですが、曲の出来は甲乙つけ難いものがあります。
聴きものです。
5曲目の"Morning Glow"はゆったりと流れるナンバーで、雰囲気満点です。
6曲目の"You & Me"はEarth Wind & Fire風のファンキーなプレイがいかした良く出来たナンバーで、これもお勧めです。
7曲目の"A-Way"は一転してスロウなバラード・ナンバーです。
メロディアスでこれもとてもいかしたAORナンバーです。
8曲目の"風のテラス"もゆったりした感じのメロディアスなAORです。
9曲目の"In The September Rain"はBrandon Fieldsのサックスがいかしたこれまた雰囲気満点のナンバーです。
ラストの10曲目"27階から"もメロディアスなバラード・ナンバーで、とてもいかしてます。
ほぼ全曲捨て曲無しの強力な1枚で、さすが黒住憲五といったアルバムです。
今回、黒住憲五のアルバムがCDで聴けるようになったのは本当に嬉しく思います。
2009-07-02
Bill Quateman / Bill Quateman (1972)

このレーベルはアメリカのリ・イッシュー専門のレーベルで、アーティストのオフィシャル・サイトなんかで売られているCDを取り扱っているレーベルです。
殆どはマイナーなアーティストばかりですが、有名な所では、Dakota、Tycoon、Michael SembeloなどのアーティストのCDを出しております。
ただ、ジャケットは一般のプリンターに毛が生えた程度で、盤はCD-Rです。
それでもミュージシャン・サイトからの音源提供ですので、その辺りが気にならない方には珍しいアルバムをコレクト出来るというメリットがあり、私はかなり利用しております。
最近、この It's About Musicで取り扱っているバンド・アーティストのアルバムが、これまたアメリカのリ・イッシュー専門レーベル Renaissance RecordsからCD化されております。
冒頭に掲げたDakotaの1stやTycoonの未発表の3rdなどがオフィシャルCDとしてリ・イッシューされております。
こちらは、ジャケットも盤もプレスしたものとなっております。
今回そのRenaissance Recordsから本日紹介しますBill Quatemanの1stがリ・イッシューされました。
このアルバムも It's About Musicで取り扱っていたもので、私は以前に彼の1979年の3rdアルバム"Just Like You"をこの It's About Musicから手に入れております。
この3rdアルバムはAORアルバムとして良く出来たアルバムでBuzz Feitenなんかが参加してました。
アルバムの内容についてはこのブログで紹介しておりますのでそのページをご覧ください。
このように、It's About Music で取り扱っていたアルバムがRenaissance Recordsからオフィシャル・アルバムとしてリ・イッシューされるという道筋が出来上がったようで、今後のリ・イッシューも大変楽しみになってくると思います。
で、Bill Quatemanの1972年のこの1stアルバム"Bill Quateman"ですが、AORというよりそれ以前のシンガー・ソングライターのアルバムと言えるでしょうか。
まだまだ音の華麗さというかシティっぽさはなく、そうですね、John David Southerの1stとか2nd辺りの音を連想していただくとある程度想像出来るかも知れません。
まあ、どちらかと言うと、それほど私好みの音というわけではありませんが、Kenny RankinとかJames Taylorとかアコースティカルな大人しめの音が好きな方には結構楽しめるかも。
1曲目の"My Music"はアコースティカルなナンバーですが、メロディアスで結構いけるナンバーだと思いますね。
2曲目の"Circles"は歌い方がどことなくDon Henley風のアコースティカルなナンバーです。
曲の出来もまあまあでこれはいけます。
3曲目の"Only Love"はアコースティックですが、ロック・スピリッツを感じさせてくれるナンバーです。
4曲目の"Keep Dreaming"はブルージーなナンバーで、バックのエレクトリック・ギターの音が良い雰囲気を醸し出しております。
5曲目の"Only The Bears Are The Same"はAORっぽいポップなナンバーで、このアルバムの中でもお勧めのナンバーです。
6曲目の"Get It Right On Out There"はアコースティック・ギターを大々的にフィーチャーしたナンバーで、ギターのアンサンブルが素敵なとても素晴らしいナンバーです。
このナンバーは聴きものです。
7曲目の"What Are You Looking For"はバックのピアノが美しいバラード・ナンバーで、曲もメロディアスでAORしたナンバーです。
8曲目の"Your Love Can Make It Real"もアコースティックなロック・ナンバーです。
ラストの9曲目"Too Many Mornings"もバックのピアノの音がいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
音にオシャレっぽさはありませんが、シンガー・ソングライター系のアルバムが好きなAORファンにはお勧めです。
3rdアルバムは完全にAORしているアルバムでしたので、そのうちこのRenaissance Recordsからリ・イッシューされるまで待ちましょう。
ほかにIt's About Musicで抱えているアーティストでは、Aztec Two-Step(これもRenaissance Recordsから2枚組のベストが出たばかり)、Tufano/Giammarese、Unicornなどのアルバムが出てますが、これらのアルバムもRenaissance Recordsからリ・イッシューされるかも知れませんね。
2009-07-01
Kelly Groucutt / Kelly (1982)

イギリスのRock Candy Records然り、ドイツのNl Distribution、さらにアメリカのRetrospect Records、、Wounded Bird RecordsそしてこのRenaissance Recordsなどリ・イッシュー専門のレーベルがこのところ非常に元気です。
こんなKelly GroucuttみたいなアルバムまでCD化されるなんて夢みたいな話ですね。
Kelly GroucuttはE.L.O.には1975年の5枚目のアルバム"Face The Music"から参加し、1983年の"Secret Messages"まで在籍しておりました。
このソロ・アルバム"Kelly"には、Bev Bevan、Richard Tandy、Mik Kaminskiと他のE.L.O.のメンバーにより作られており、サウンド・スタイルはほぼE.L.O.を踏襲したものとなっております。
収められているナンバーもメロディアスなナンバーばかりでアルバムの出来は悪くないです、というより結構なものだと思います。
ただ、Jeff Lynneという稀代のメロディ・メーカーと比べると、やはり(?)というところもありますが、こればかりは比較するのが可哀そうですね。
そういう意味では、Electric Light Orchestra Part IIのサウンドに通ずる部分もありますか。
1曲目の"Am I A Dreamer"はマスターテープが古いせいか出だしの音が歪んでいる感じがしますが、曲自体の出来はかなり良いと思いますね。
あのE.L.O.サウンドが全開のナンバーです。
メロディアスでポップでMik Kaminskiのヴァイオリンがとても素敵です。
2曲目の"Oh Little Darling"はとてもポップなナンバーで、シングル・カット出来そうな良く出来たナンバーだと思います。
3曲目の"Dear Mama"はRichard Tandyのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
バックのストリングスも素敵な盛り上がりのあるナンバーで、とてもお勧めです。
4曲目の"You Don't Need To Hold Me Tight"なんかを聴いていても、もうこれはE.L.O.でしょう、というとても良く出来たポップでメロディアスなナンバーです。
5曲目の"Black Hearted Woman"はハイ・テンポのロックンロールしたナンバーです。
どことなく、メロディが"Show Down"っぽいです。
6曲目の"Midnight Train"は列車の効果音みたいな前奏から始まるテンポの良いナンバーです。
7曲目の"Don't Wanna Hear That Song Again"もバックのストリングスがいかしたナンバーです。
8曲目の"Anything Goes With Me"はオールド・スタイルのポップなナンバーで、Kelly Groucuttのギターの音色がGeorge Harrisonっぽいです。
9曲目の!"Can't Stand The Morning"は再びロックンロールしたポップなナンバーです。
10曲目の"Old Rock & Roller"はタイトルどおりロックンロールしたナンバーです。
まるで、E.L.O.のロックンロール・ナンバーを聴いているみたいです。
11曲目の"You've Been Telling Lies"もバックのストリングスが効果的なメロディアスなナンバーで、コーラス部分なんかを聴いていると、どことなくThe Beach Boys風です。
12曲目の"Sea Of Dreams"なんかもストリングスの配し方なんかはE.L.O.ですね。
13曲目の"I'll Cry For You Tonight"はKelly Groucuttのヴォーカルがとても魅力的なメロディアスなバラード・ナンバーです。
ラストの14曲目"Am I A Dreamer (New Version)"は1曲目の新録で、やはりこのナンバーだけ録音状態が良いといった感じです。
まさにE.L.O.といった最高のナンバーに仕上がっております。
Mik Kaminskiのヴァイオリンは何と言っても素晴らしいですね。
E.L.O.は必聴の1枚だと思いますね。
もちろん、それだけじゃなく、AORやポップスのファンも納得するアルバムだと思います。