2009-10-31
Jack Wagner / Don't Give Up Your Day Job (1987)

彼は現在まで、"All I Need" (1984) #44 Peak Billboard 200、”Lighting Up the Night" (1985) #150 Peak Billboard 200、"Don't Give Up Your Day Job" (1987) #151 Peak Billboard 200、"Alone in the Crowd" (1993)、"Dancing in the Moonlight" (2005)の5枚のアルバムを発表しております。
さらに、 "All I Need" #2 US (2 weeks) - Jan 12, 1985 (#1 AC - 2 weeks) 、"Lady of My Heart" #76 US - Jun 15, 1985、"Too Young" #52 US - Dec 7, 1985 (#15 US Hot Adult Contemporary)、"Love Can Take Us All The Way" - #15 US Hot Adult Contemporary - April 26, 1986、"Weatherman Says" #67 US - May 30, 1987と5枚がHOT100のシングル・チャートにランク・インされております。
彼が80年代に発表した3枚のアルバムは最近までレア化しておりましたが、Friday Musicという新興のリ・イッシュー専門レーベルからCD化され、AORファンを喜ばせてくれました。
特にACチャートで2週続けて1位を記録した"All I Need"を含む1stアルバムは、Planet 3のGlen BallardとClif Magnessによりプロデュースされたアルバムで、シングル・ヒットとなった"All I Need"はGlen BallardとDavid Fosterによってプロデュースされたメロディアスなバラード・ナンバーで、このアルバムのCD化はAORファンが歓喜したと思います。
本日紹介する3rdアルバム"Don't Give Up Your Day Job"はRobbie Buchananなど色々な人がプロデュースしておりますが、これまた結構いかしたAORアルバムに仕上がっております。
1曲目の!Weathersman Says"はSteve BarriがプロデュースしたポップなAORナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Island Fever"はOlivia Newton-Johnのプロデュースで有名なJohn Farrarのペンによるナンバーで、プロデュースも担当しております。
ゆったりとした感じのメロディアスなナンバーです。
3曲目の"Love...Find It"はGlen BallardとClif Magnessのプロデュースによるナンバーです。
ヒット性抜群のポップでメロディアスなAORナンバーに仕上がっております。
Joel Peskinのサックスがかなりいかしてます。
4曲目の"It's What We Don't Say"はSieda Garretとのデュエットによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
雰囲気、なかなか良いです。
5曲目の"Easy Way Out"はあのi-TENのカヴァーです。
オリジナルには負けますが、元々曲が良いので、Jackのヴァージョンもとても良いです。
このナンバーは、Elliot Scheinerがプロデュースを担当しており、Michael Landauがバックでカッコ良いギターを弾いています。
6曲目の"Common Man"もタイプ的にはi-TENにも通ずるメロディアスで産業ロック風のAORナンバーでかなりいけます。
7曲目の"Lovers In The Night"はJack自身のプロデュースによるメロディアスなバラード・ナンバーで、AORのど真ん中のナンバーです。
8曲目の"Sneakin' Suspicious"はDiane WarrenのペンによるRobbie Buchananがプロデュースしたナンバーで、さすがRobbie Buchananといったキーボードがカッコ良いAORナンバーです。
さらにDann Huffのギター・ソロも素晴らしいです。
9曲目の"It's Been A Long Time"もJack自身がプロデュースしたナンバーです。
はつらつとした感じのポップなナンバーに仕上がっております。
ラストの10曲目"Back Home Again"は再びRobbie Buchananのプロデュースしたナンバーで、David Fosterにも通ずるメロディアスなバラード・ナンバーです。
1st、2ndそしてこの3rdとメロディアスなナンバーが多く収められておりますし、プロデューサーやバック・ミュージシャンなど最高の人たちによって作られたアルバムですので、AORファンから支持を得たのも当たり前ですね。
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2009-10-30
The Beatles / 1966-1970

もちろん、既に所有していたアルバムですが、今回仕入れたアルバムは、紙ジャケで1967年から1970年までのビデオ・クリップを収めたDVD付きの代物だったからです。
これに併せて"1962-1966"も購入しましたが、こちらもDVD付きの紙ジャケのものでした。
さらに"Oldies"も紙ジャケで日本の帯付で歌詞カードも日本語のもので、当時のレコードそのまんまでした。
あと、フランス盤の20曲収録されたベスト・アルバムの計4枚を100ドル(約9,000円)で手に入れることができました。
ということでもちろんオフィシャルではなく、コレクターズ・アイテムですが、これがかなり良く出来ていて、ジャケットだけじゃなく、中のCDもプレスしたもので、さらにアップル・レーベルでした。
ほかに"Hey Jude"も出品されておりましたが、これについては寸でのところで落札出来ず、とても残念な思いをしました。
"Oldies"の出来栄えを見ると、かなり期待出来そうですので、次にオークションに出品されたら、必ず落としたいと思っております。
The Beatlesについては、Revolver以降の中期・後期のサウンドが好きですので、この"1966-1970"は彼らの最高のベスト・アルバムだと思っております。
今回仕入れたアルバムはDVD付きで、これが見たくて購入しました。
既に見たものが殆どでしたが、中には、おそらく貴重な画像(私が見たことがないだけかも知れませんが)が入っていて、White Albumセッションの断片的な映像や同じ曲でも違うヴァージョンが入っていたりで、かなり楽しめました。
ただ、画像の状態はあまり良くないですし、音も歪んでいたりでしたが。
CDの方は既に出ているCDからのコピーですので、音は悪いわけはありません。
おそらくドイツでプレスされたもので、ジャケットの作りはかなり良く出来てます。
CDも歌詞が印刷された紙に入っていて、まるでブートという感じはありません。
The Beatlesのアルバムについては、以前のオフィシャル盤も今回のリマスター盤やモノラルのボックスも全て手に入れてますし、ブートやコレクターズものも含めると150枚ほど所有しております。
まあ、これがコレクターの性というものなんでしょうが。
以前にも書きましたが、The Beatlesが洋楽にのめり込んだきっかけで、彼らのサウンドをずっと聴いていますが、いつも新鮮な感じで全く飽きることはありません。
特に最近は、リマスター盤やモノラル盤が発売され、今が旬という感じもあり、何度も何度も聴いております。
モノラル盤はステレオ盤と違うヴァージョンがあったりでとても楽しめます。
彼らが世に出てからもう半世紀になろうとしております。
私も彼らと一緒に歩み続けてきたといっても過言ではありません。
余暇の殆どを音楽を聴くことに費やしている私ですが、今こうやってあるのも彼らが存在していたからだと思います。
音楽の無い人生なんて全く想像出来ません。
やっぱり彼らは偉大なんですね。
The Beatlesは最高です。
2009-10-29
Al Jarreau / Jarreau (1983)

発表は、1983年。
Jay Graydonが最も脂が乗っていた時期で、AORアルバムとしても秀逸です。
例によって、バック・ミュージシャンは、Jeff Porcaro、Abe Laboriel、David Foster、Steve Gadd、Michael Omartian、Bill Champlin、Richard Page、Robbie Buchanan、Steve George、Steve Porcaro、Greg Mathieson、そしてギターはもちろんJay Graydonが担当。
元々ジャズ・ヴォーカリストで、1978年に"Look To The Rainbow"が、1979年に"All Fly Home"がグラミー賞の最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞を受賞しましたが、Jay Graydonがプロデュースした1981年の"Breakin' Away"、1983年の本作、1984年の"High Crime"によってポップ・フィールドでも名前が知られるようになり、
"Breakin' Away"は、Best Male Pop Vocal Performance部門でグラミー賞を受賞し、同アルバムに収録されていたナンバー"(Round, Round, Round) Blue Rondo A La Turk"は最優秀ジャズ・ボーカル賞を受賞しました。
また、"High Crime"もBest Male Rhythm & Blues Vocal Performance部門にノミネートされました。
さらに、1993年には"Heaven And Earth"で最優秀R&Bボーカルを受賞し、Al Jarreauはジャズ、ポップ、R&Bの3部門にまたがってグラミー賞を獲得した、最初の個人となっております。
1曲目の"Mornin'"はAORのど真ん中のナンバーで、David Fosterのフェンダー・ロースが最高のメロディアスで素晴らしいナンバーに仕上がっております。
もうこのナンバーは、Graydon-Fosterしております。
2曲目の"Boogie Down"はMichael OmartianのシンセとJerry Hey、Chuck Findley、Gary Grant、Bill Reichenbachなどのホーンズがカッコ良いファンキーなナンバーに仕上がっております。
Al Jarreauのヴォーカルもいかしてますし、Richard Page、Bill Champlinのバッキング・ヴォーカルも素晴らしいです。
3曲目の"I Will Be Here For You"はRobbie Buchananのフェンダー・ローズがいかしたメロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
Steve Georgeがシンセを奏でており、Pagesにも通ずるナンバーです。
4曲目の"Save Me"は再びDavid Fosterのファンダー・ローズが素晴らしいジャジーなバラード・ナンバーです。
5曲目の"Step By Step"はタイトルどおりとても軽快でポップなAORナンバーに仕上がっております。
6曲目の"Black And Blues"はJeff Porcaroのドラミングがいかしたファンキーなナンバーです。
Earth Wind & Fire風のホーンが堪らないです。
また、Jay Graydonのギター・ソロを堪能できます。
7曲目の"Trouble In Paradise"はGreg Mathiesonのフェンダー・ローズが素晴らしいメロディアスなAORナンバーです。
8曲目の"Not Like This"はJeremy Lubbockのペンによるジャジーなナンバーで、Jerryはフェンダー・ローズを担当しております。
Al Jarreauのヴォーカルが光るナンバーです。
ラストの9曲目"Love Is Waiting"は再びEarth Wind & Fireタイプのホーンが入ったメロディアスで軽快な感じのAORナンバーです。
とてもポップに仕上がっております。
さすがJay Graydonのプロデュースで、良く出来たAORアルバムです。
2009-10-28
Marc Bonilla / American Matador (1993)

またごく最近は元ChicagoのDanny SeraphineとCTA (California Transit Authority)というバンドを結成し、ライヴ活動を展開しております。
Danny SeraphineはMarc Bonillaについて、既に他界したChicagoのギタリストTerry Kathと肩を並べるほどのギタリストとベタ誉めのようです。
私は、Marc Bonillaについては、彼がソロ・アルバム"EE Ticket"を発表した1991年からのファンです。
特にこのアルバムに収められていた"Slaughter On Memory Lane"はとてもメロディアスなギター・インストのナンバーで、今でもFavorite Numberの一つです。
この時期、Shrapnel Recordsからアルバムを発表していたRichie Kotzen、Tony MacAlpine、Marty Friedman、Greg Howe、Vinnie MooreやJoe Satriani、Steve Vaiなどのギター・インストのアルバムをかなり集めており、その他いろいろなギタリストのアルバムも良く聴いておりました。
Marc Bonillaはそんなギタリストの中でもかなり気に入っていたギタリストです。
本日紹介する"American Matador"はMarcの2ndアルバムで、1993年に発表されたものです。
この2ndも1stに負けないぐらい良く出来たナンバーで、Procol Harumの"A White Shade Of Pale"(青い影)のヴォーカル・ヴァージョンとインスト・ヴァージョンやThe Beatlesの"I Am The Walrus"のカヴァーが収録されております。
参加ミュージシャンに目を向けると、Glenn Hughes、Patrick Leonard (Toy Matineeつながり)、James Newton Howard、Ronnie Montrose (1stアルバムにも参加)などが参加しております。
ギタリストの腕としては超一流でこのアルバムでも、流れるような華麗なギター・プレイが満喫できます。
1曲目のAmerican Matador"は、タイトルよろしくフラメンコを連想させるとても良く出来たナンバーです。
2曲目の"Get Off The Fence"はハードブギ調のナンバーながら、Marcの奏でるメロディは流れるように華麗です。
3曲目の"Streetalk"はJoe Satrianiなんかを連想させるギター・インスト・ナンバーです。
4曲目の"A Whiter Shade Of Pale"は冒頭にも書いたとおりProcol Harumの超有名曲のカヴァーです。
このナンバーはヴォーカル入りで、Glenn Hughesが担当しております。
オリジナルのイメージを壊すことなく、メロディアスな佳曲に仕上がっております。
5曲目の"The Vanishing Road"は繊細なギターのトーンで始まるナンバーで、本編に入るとこれまた流れるようなギター・プレイがいかしたメロディアスなナンバーです。
6曲目の"Mephisto"はスラッシーなギターのリフから始まるナンバーですが、本編はメロディアスです。
7曲目の"Wake The Baby"はMarcがヴォーカルも担当したメロディアス・ハードロックしたナンバーです。
Marcはギターだけじゃなく、ヴォーカルも結構いけてます。
8曲目の"Under The Gun"は12歳のギタープレイヤーJames DePratoとのツイン・リードによるメロディアスなナンバーです。
結構いけます。
9曲目の"Vette Lag"では、全ての楽器をMarcが演奏しており、ギターだけじゃなく他の楽器も一級品で、マルチ・プレイヤーぶりを堪能できます。
10曲目の"Prelude"はMarcのアコースティック・ギターを堪能できるクラシック・タイプのナンバーです。
11曲目の"In The Blue Corner"はJude Coleとの共作によるナンバーで、メロディアスなナンバーです。
MarcのギターをJude Coleのヴォーカルに変えればAORの雰囲気も。
12曲目の"I Am The Walrus"では、Ronnie Montroseがスライド・ギターを担当しております。
元々はリハーサル用として取り上げたナンバーのようですが、その結果が良かったようで正式に録音したとか。
原曲のイメージどおりとてもサイケデリックに仕上がっております。
ラストの13曲目"A Whiter Shade Of Pale"はインスト・ヴァージョンです。
最初に録音したのがこのインスト・ヴァージョンでしたが、その後Glenn Hughesとのヴォーカル入りナンバーも録音し、どちらの出来も良かったので、この2曲を収録したとのこと。
Marc Bonillaは"EE Ticket"とこの"American Matador"の2枚しかソロ・アルバムを出しておりませんが、是非3rdアルバムを聴いてみたいです。
素晴らしいギタリストだと思いますね。
2009-10-27
Eddie Money / Love And Money (1995)

私は、1978年の2ndアルバム"Life for the Taking"を聴いてからずっと彼のファンですが、70年代、80年代のEddieは本当に輝いておりました。
サウンド的にはどちらかというとストリート系のロック・ミュージシャンだと思いますが、それでも、"Maybe I'm A Fool"、"Two Tickets to Paradise" 、"Let's Be Lovers Again"、"Think I'm In Love"、"I Wanna Go Back"などのバラード系のナンバーは十分にAORしておりますし、全体の音もいわゆる大人向けのロック(いわゆるAdult Oriented Rock)であることは間違いないと思っております。
1977年の1stから1988年の7thアルバムまでは、ビルボード200で常に100位以内にアルバムがランクインしておりましたが、1991年の8thアルバム"Right Here"はかろうじて160位となったものの、本日紹介する1995年の9thアルバム"Love And Money"、1999年の10thアルバム"Ready Eddie"はランクインせず、その後8年間は沈黙(といっても音楽活動は続けていたようです)を破り、2007年の"Wanna Go Back"を発表しました。
1978年の"Life for the Taking"はビルボード200で17位に、1982年の"No Control"は同20位、1985年の"Can't Hold Back"も同20位にランクインするヒット・アルバムとなりましたが、この当時のEddieは先ずパフォーマンスがカッコ良かったということと甘めのマスク、さらに彼の魅力的な声(といっても若干ハスキーがかっていますが、私はかなり気に入ってます)と当然楽曲が良かったということが売れていた要因だと思います。
本日紹介の"Love And Money"は1995年の作品で、Eddieが46歳の時のもので、2007年の"Wanna Go Back"では彼の体型も声にも年を感じましたが、この"Love And Money"では全く衰えを感じさせません。
ランクインはしませんでしたが、収録されているナンバーもかなり良く、何故?と感じますが、やはり当時の勢いがなかった(もう既に過去の人扱いだったのでしょう)からだったということでしょうか?
私は彼のファンですので、このアルバムも発表時に手に入れてはいましたが。
今、このブログを書きながら聴き直しておりますが、これがかなり良い出来なんですね。
まあ、プロデュースをRichie Zitoが担当しておりますし、バック・ミュージシャンには、John Robinson、Curt Cuomo、Kim Bullard、Timothy B. Schmidt、Mike Finnigan、Tommy Funderburk、Ricky Phillipsなどの名前を見ることができます。
また、内容も、スロウなナンバーが多いように感じます。
1曲目の"After This Love Is Gone"はメロディアスなナンバーで、モロAORしております。
とても魅力的なナンバーだと思います。
2曲目の"She's Like A Movie"はミディアム・テンポの結構ロックしているナンバーで、往年のEddieを感じることが出来ます。
3曲目の"Run Your Hurt Away"はスロウなブギ調のナンバーで、特に気に入っているナンバーです。
スロウなブギって最高ですね。
4曲目の"I'll Be The Fire"はバックの女性コーラスがいかしたポップでメロディアスなナンバーで、ヒット性も抜群だと思うのですが。
5曲目の"Take It From The Heart"はアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーです。
6曲目の"Died A Thousand Times"はバックのオルガンがいかしたメロディアスなナンバーで、これも完全にAORしております。
7曲目の"Just No Givin' Up"はとってもカッコ良いナンバーで、往年のEddieそのものです。
"Think I'm In Love"を髣髴させるナンバーで、かなりいけてます。
アルバムの一押しですね。
何故これが売れなかったんでしょう?
8曲目の"I'm Comin'"はこれまたバックのドラムスがカッコ良いナンバーで、サウンドも往年のEddieそのまんまです。
好きです、これ。
9曲目の"Almost Like We Never Met"はミディアム・スロウのメロディアスでブルージーなナンバーで、Eddieのヴォーカルが光っているナンバーです。
10曲目の"Running Out Of Reasons"もミディアム・スロウのメロディアスなバラード・ナンバーで、ギターを担当しているのはRichie Zitoではありませんが、ギタリストの出身のプロデューサーだけあります。
さすがRichie Zitoという感じですね。
ラストの11曲目"There Will Never Be Another You"もバックのサックスの音がとての良いメロディアスなナンバーで、これもモロAORしております。
発表当時に聴いた感じより、ずっと良く聴こえます。
"Love And Money"見直しました。
2009-10-26
The Limit (Oattes Van Schaik) / The Limit (Love Attaxx) (1985)


以前にも、このブログで、さらには私の拙いHP"AOR PARADISE"でのCD化祈願の特集でも紹介したアルバムのOattes Van Schaikの"Love Attaxx"ですが、昨日このアルバムが手元に届き、それこそ、ヘヴィ・ローテーしていますので、このアルバムの良さを皆さんに知っていただきたいですし、"Today's One"に相応しいアルバムだと思いましたので、紹介することといたしました。
もちろん、今もこのアルバムを聴きながらブログを書いております。
しかしながら、今回のCD化は"The Limit"名義となっており、私になんの情報もなくこのアルバムが出ていたらおそらく素通りだったと思います。
金澤さんとこのブログの書き込みを見て、初めてこのThe LimitはOattes Van Schaikのあのアルバムだと判りました。で、早速予約して、昨日手に入れたわけです。
The Limit名義でアルバムが出された経緯が今回のCDジャケットのインナーに書いてありましたが、このアルバムにも収められているシングル・ナンバー"Say Yeah"は母国オランダでは、The Limit名義で発表されましたが、法的な問題もあってアメリカではこのアルバムを"The Limit"名義で発表することが出来なかったようで、新たにCBS傘下のPortrait Recordsと契約を交わし、Oattes Van Schaik名義でタイトルも"Love Attaxx"で発表することとなったようです。
当時私が購入したレコードはアメリカ盤だったようで、Oattes Van Schaikの"Love Attaxx"でしたので、当時はそんな事情も知らなく、今までずっとOattes Van Shaikの"Love Attaxx"でしかなく、まして、ジャケットは掲載している右側のものしか知らなく、当時も中身のサウンドに比べると何コレ?状態ではありましたが、ずっと見続けていたこともあり、あまりオシャレじゃないなあと思いながらも愛着はありました。
ところが、いざCDを予約する段階で、The Limit名義となりジャケットもオリジナルに戻されたようで、かなり違和感がありました。
それが、CDが手元に届き、封を切って中を見ると、これがアメリカ盤とのリバーシブルになっているじゃありませんか。
これは嬉しかったですね。私はもちろんアメリカ盤のジャケットをメインにしております。
今回のCD化はVinyl Masterpieceシリーズの1枚として、PTG Recordsというヨーロッパのレーベルからのリ・イッシューです。
このレーベルからは、過去にRick Smith - We Should Be Lovers、Con Funk Shun - Fever、The Brooklyn, Bronx & Queens Band - Genieなどのアルバムがリ・イッシューされており、ブラコンやファンク専門のリ・イッシュー・レーベルです。
この"Love Attaxx"も基本的にはメロウなファンク・ディスコのアルバムですが、AORのアルバムとしても一級品だと思います。
すでに何度も書いておりますが、"Everything About You"を聴いた時の衝撃は凄かったです。
メロウという言葉はこのナンバーのためにあるのかも、と思ってしまうようなメロディアスなバラードで、もう最高のナンバーです。
いろいろなジャンルの音楽がありますが、私の好きなナンバーのベスト・テン(ナンバー・ワンはBostonの"A Man I'll Never Be"で、これも何度も言ってますが)に入る曲です。
"Say Yeah"での女性ヴォーカルは先日このブログでも紹介したGwen Guthrieです。
このナンバーはヨーロッパでかなりヒットしたナンバーで、全英シングル・チャートで17位を記録し、全米ではビルボードのダンス・チャートで7位を記録しました。
ライトなファンク・ナンバーで、ヒットしたのも頷けます。
"Could This Be Love"も本当にメロウでメロディアスなディスコティークしたAORナンバーで、かなり気に入ってます。
他のナンバーもとても良い曲ばかりです(曲の紹介は以前のOattes Van Schaikの"Love Attaxx"をご覧ください)。
このように、未CD化アルバムで特に気に入っているアルバムがCD化されるのは、本当に嬉しい限りです。
Bell & James / In Black And White、Mike Finnigan / Black & White、Stevie Woods / Take Me To Your Heaven、Novo Combo / The Animation Generation、Streek / Streek、Cory Wells / Touch Me、Jess Roden / Stonechaserなど他にたくさんありますが、早くCD化ならないでしょうか。
2009-10-25
Lisa Hartman / 'Til My Heart Stops (1987)

女優でシンガーで、過去に"Lisa Hartman" (1976)、"Hold On" (1979)、"Letterock" (1982)、と本日紹介します"'Til My Heart Stops" (1987)と4枚のアルバムを発表しております。
一方、女優業として、1977年にスチュワーデス役として"Murder at the World Series"への出演を皮切りに既におよそ30本もの映画に出ております。
1956年生まれということですから、既に53歳となっておりますが、30年近く前の映画のスチールを見ると、本当に美人です。
さらに、歌もかなり上手いときてますので、天は二物を与えたということでしょうか。
昨年Wounded Bird Recordsからリ・イッシューされたアルバムですが、実はそれまで、まるでノー・チェックで、彼女の名前もその時が初めてでした。
ジャケットを見てずっと気になっていたアルバムでした。
で、Lisa Hartmanをネットで検索するとカントリーとして紹介されていたこともあり、発売から今までスルー状態でしたが、バック・ミュージシャンにギターがMichael Landauで、サウンドもハードポップ調ということで、この度やっと手に入れました。
Wounded Bird Recordsのアルバムも中にはもう既に廃盤もあったりで、そうなる前に手に入れて置こうと考えたわけですが。
そして、このアルバムを聴いた時は、これが正解だと思いました。
全くカントリー臭はなく、極上のAORよりのハードポップのアルバムでした。
1曲目の"Tempt Me (If You Want To)"はJude ColeとLisa Hartmanのペンによりメロディアスなハードポップしたナンバーです。
Lisaの歌も上手いですし、バックのプレイも最高です。
ほぼ全編でMichael Landauがギターをプレイしておりますが、これがまたカッコ良いです。
2曲目の"I Don't Need Love"はゆったりとした感じのメロディアスなモロAORしたナンバーです。
出来も素晴らしく、お勧めの1曲です。
3曲目の"Ooh, I'm Satisfied"はモダンな感じの産業ロックしたナンバーで、マイナー調のメロディがとてもいかしてます。
このアルバムの一押しかも。
4曲目の"I Can't Get You Out Of My System"はポップでメロディアスなAORナンバーです。
それにしてもMichael Landauのギターはカッコ良いです。
5曲目の"Tender Kiss"はメロディアスなモダン・ポップといった感じです。
6曲目の"The Dress"はメロディアスなパワー・バラード風のナンバーで、ここではWaddy Wachtelがギター・ソロを弾いております。
このナンバーの出来もかなりなものです。
7曲目の"How Many Rivers"はミディアム・スロウのAORナンバーです。
8曲目の"Imagination"はエレポップしたモダンな感じのナンバーで、Timothy B. Schmidtがバッキング・ヴォーカルで参加しております。
ラストの9曲目"'Til Heart Stops Beating"はメロディアスで盛り上がるバラード・ナンバーで、この曲をアルバム・タイトルに持ってきたのも頷けます。
とても良く出来たAORナンバーです。
この"'Til Heart Stops Beating"ですが、ハードポップ・ファンもAORファンもおそらく納得していただけるアルバムだと思います。
私はかなり気に入りました。
2009-10-24
Allen Toussaint / Southern Nights (1975)

1975年にAllen Toussaintが発表した"Southern Nights"です。
私が初めて彼の名前を目にしたのは、Boz Scaggsの1976年の"Silk Degrees"でです。
このアルバムに収められていた"What Do You Want The Girl To Do?"がAllenのペンによるナンバーで、確かレコードのライナーにAllenを紹介していたと思います。
ただ、その時はAllen Toussaintのアルバムまで購入しようとは思いませんでしたが、それ以来、彼の名前は頭の隅っこにこびり付いておりましたが。
その後、昨年にたまたま中古ショップで、1991年に発表された"The Allen Toussaint Collection"を安価で仕入れて、何曲か聴いてみましたが、あまりピンと来なかったので、それ以上聴き込むこともありませんでした。
しかしながら、最近、再び中古ショップで本日紹介する"Southern Nights"が800円で売っており、このアルバムに、Bozがカヴァーした"What Do You Want The Girl To Do?"が収録されていることを覚えておりましたので購入してみると、これがかなり良く出来たアルバムだと思い、ブログで紹介することとしました。
Allen Toussaintは、1952年にフラミンゴスを結成し、1955年には、Fatts Dominoなどのセッションに参加するようになり、これを機に、セッション・ピアニストとして名を上げていきました。
1958年"The Wild Sound of New Orleans"を発表しております。
1960年になると、Minit Recordsにディレクターとして迎え入れられ、彼のプロデュース、作曲による数多くのヒット曲が世に送り出されるようになりました。その中にはBenny Spellmanの"Fortune Teller"(The Rolling Stonesのカバーでも有名)、などがありました。
60年代は自らの作品よりも他のアーティストのプロデューサーとして活躍したAllenでしたが、70年代になると"From a Whisper To A Scream"(1970年)を始めとして、自己名義のアルバムを複数リリースし、この"Southern Nights"(1975年)は彼の代表作と言われております。
70年代に入ると、Doctor Johnの"In The Right Place"(1973年)やalbert Kingの"New Orleans Heat"(1978年)をプロデュースしたり、Wingsの"Venus And Mars"(1975年)にピアノで参加する等、幅広く活動を展開していきました。
また、最近は、Elvis Costelloと"The River in Reverse"でのコラボが有名です。
この"Souther Nights"はR&Bというよりもロック・ポップスに近い内容でしょうか。
1曲目の"Last Train"はポップ感覚溢れた佳曲です。
2曲目の"Worldwide"はバックのサックスがいかした軽いファンキー・タッチのナンバーです。
3曲目の"Back In Baby's Arms"はバックの女性ヴォーカルがいかしたメロディアスでスロウなR&Bナンバーです。
4曲目の"Country John"はAllenのピアノがいかしたこれまたファンキーなナンバーです。
5曲目の"Basic Lady"もAllenのピアノとバックのサックスがいかしたポップなナンバーです。
6曲目の"Southern Nights"を聴いた時は、かなりの衝撃でしたね。とてもメロディアスなバラード・ナンバーなんですが、先ずAllenのピアノのプレイにいかれましたし、曲自体の出来も素晴らしいです。このナンバーを聴いて坂本龍一の「戦場のメリー・クリスマス」が目に浮かびました。坂本龍一は、Allenの影響をかなり受けているような感じがしました。
7曲目の"You Will Not Lose"はポップでAORしていると感じましたね。
8曲目の"What Do You Want The Girl To Do?"はBoz Scaggsのカヴァーが有名なナンバーですが、Allenのヴァージョンもとても味があります。曲自体の出来もかなり良く、Bozがこのナンバーをカヴァーしたのも頷けます。Allenのヴァージョンも十分AORしております。
9曲目の"When The Party's Over"はスロウですがファンキーでポップでブルージーな魅力的なナンバーです。
ラストの10曲目"Cruel Way To Go Down"はメロディアスでブルージーなナンバーで、ここでもAllenのピアノはとてもいかしてます。また、バックのサックスも雰囲気最高です。
さすが名盤と呼ばれるアルバムだと思いますね。
2009-10-23
Dave Mason / Dave Mason (1974)

そして、Derek & The Dominosの2ndギタリストとしてバンド結成当初には在籍しており、結局はアルバム"Layla And Other Assorted Love Songs"には参加しませんでしたが(代わりに?Duane Allmanが参加)、Derek & The Dominosのメンバーとしてシングル曲"Tell The Truth"のB面の"Roll It Over"を発表しております。このナンバーには他にGeorge Harrisonも参加しており、現在でもその音源を聴くことが出来ます(Eric Claptonの4枚組ボックス・セット"Crossroads"に収録)。はっきり言って、アルバム・ヴァージョンよりも出来は良いです。
その後Dave Masonは音楽活動の場をアメリカに移し、1970年に1stアルバム"Alone Together"を発表し、1971年に元Mamas & PapasのCass Elliotと"Dave Mason & Cass Elliot"を、1972年に"Headkeeper"、1973年に"It's Like You Never Left"、1974年に"Dave Mason"、1975年に"Split Coconut"、1977年に"Let It Flow"、1978年に"Mariposa De Oro"、1980年に"Old Crest On A New Wave"、1987年に"Two Hearts"、1987年に"Some Assembly Required"を発表しますが、それ以降彼の名前を聴くこともあまりありませんでしたが、90年代後半からJim Capaldiとライヴ活動を行うようになり、最近では、2008年に"26 Letters - 12 Notes"というオリジナル・スタジオ・アルバムを発表しました。
このことからも判るとおり彼のソロ・アーティストとしての絶頂期は70年代、80年代だったと思います。
特に本日紹介します"Dave Mason"をアルバムを発表したCBSレーベル在籍時が油が一番乗っていた時期で、1976年に発表したライヴ・アルバム"Certified Live"は名演として誉れ高いアルバムとして認められております。
"Alone Together"、"Dave Mason & Cass Elliot"、"Headkeeper"のCBS移籍前のアルバムはどちらかというと地味な印象を受けますが、CBS移籍第一弾の"It's Like You Never Left"以降のアルバムには彼の独自なサウンドにも磨きがかかり英国人アーティストながら独特なアメリカナイズされたサウンドを確立していきました。
CBSでは、"It's Like You Never Left"、"Dave Mason"、"Split Coconut"、"Let It Flow"、"Mariposa De Oro"、"Old Crest On A New Wave"の6枚のアルバムを残しておりますが、特に"It's Like You Never Left"、"Dave Mason"は名盤だと思いますし、AORファンからは"Split Coconut"が評価されております。
本日紹介する"Dave Mason"は1974年に発表されたCBSレコード移籍第二弾のアルバムで、彼の代表曲"Every Woman"、"Show Me Some Affaction"などのほか、Bob Dylanの曲でJimi Hendrixのカヴァーが有名な"All Along The Watchtower"が収録されております。
1曲目の"Show Me Some Affaction"はTim Weisbergのフルートがとても良い雰囲気の軽快なAORタッチのナンバーです。
2曲目の"Get Ahold On Love"はバックのホーン・セクションがいかしたメロディアスでポップなナンバーです。
また、Mike Finniganのピアノも素晴らしいです。
3曲目の"Every Woman"はRichard Bennettのpedal steel guitarの音とDave Masonのギターの音がカッコ良いメロディアスでポップなナンバーです。
pedal steel guitarが入っているからってカントリー臭があるかというとそんなこともありません。
このナンバーなんかは冒頭に書きましたアメリカナイズした部分だと思いますね。
4曲目の"It Can't Make Any Difference To Me"もポップなナンバーです。
このナンバーでは、Jim Kruegerがギター・ソロを弾いてます。
5曲目の"All Along The Watchtower"は1976年のライヴ・アルバム"Certified Live"でも演っておりますが、元々はBob Dylanのペンによるナンバーで、Jimi Hendrixなど色々なアーティスト・バンドがカヴァーしておりますが、このDave MasonのヴァージョンもJimi Hendrixと並び名演と言われております。
ここでは、ギタリストDave Masonを堪能することが出来ます。
6曲目の"Bring It On Home To Me"のオリジナルはSam Cookeで、ソウル・ナンバーよろしく、このDave Masonのヴァージョンもとてもソウルフルでブルージーです。
さらにJim Kruegerのギター・ソロはかなりカッコ良いですし、Mike Finniganのピアノもファンキーです。
7曲目の"Harmony & Melody"もとてもポップなナンバーですが、ここでもJim Kruegerのギターがとてもいかしてます。
8曲目の"Relation Ships"はアコースティカルなバラード・ナンバーです。
とても味のあるナンバーです。
ラストの9曲目"You Can't Take It When You Go"はロック・フィーリング溢れたとてもカッコ良いナンバーです。
このナンバーの出来も素晴らしいです。
AORファンからは"Split Coconut"が評価されておりますが、この"Dave Mason"ももちろんAORファンの方が聴いても違和感は無いと思いますね。
ただ、このアルバム、単体のものは既に廃盤でレア化しておりますが、このアルバムと他のアルバムとの2in1のCDは安く手に入りますので、ご興味ある方はどうぞ。
あと、"Mariposa De Oro"も廃盤となっており、こちらはさらにレア化しております。
私がこのアルバムのコピーしか持っておりませんので、是非再CD化して欲しいと願っているのですが。
2009-10-22
Ghost / The Other Side (1995)

しかしながら、このGhostですが、メンバーに元AtlanticのドラマーPhil Ridden(メロディアス・ハード・ロックのファンであればバンド名は知っているけどドラマーの名前までチェックしているかどうか)が在籍していたバンドだそうです。
このGhostもこのアルバム1枚を残しすでに存在しておりません。
アルバム・タイトルは"The Other Side"で1995年に発表されております。
私がこのアルバムを知ったのは、「Rock Avenue」という国内のメロハー専門のネットショップで、ショップでのこのアルバムの紹介文には、「先頃唯一のアルバムが再発となりメロディック・ロック・マニアを喜ばせたイギリス産メロディアスHRバンド「ATLANTIC」のドラマーがATLANTIC解散後に結成した産業ロック/AORバンドが'95年にリリースした唯一のアルバムです。ATLANTIC同様このバンドも極上の産業ロック/AORを聴かせるバンドでメロディック・ロック・マニア100%必聴の名作になっています。JOURNEY、MARK FREE、ARRIVAL、UNRULY CHILD、SIGNAL、JOHN WAITE、JEFF PARIS、DAN LUCAS、STAN MEISSNER、BRYAN ADAMS、HEARTLAND等を彷彿とさせる極上チューンが数多く収録されています。#1曲目はMARK FREEとJEFF PARISを合わせたような超名曲です!」とあり、これが購入のきっかけでした。
もうこの紹介文を見ただけで、メロハー・マニアや産業ロック・ファンは買い物カゴのボタンをチェックしてしまいますよね。
この紹介文のとおり1曲目の"Can't Stop"はメロハー・ファン、産業ロック・ファンは泣いて喜ぶような名曲だと思いますね。
出だしのギター・ソロといい曲のメロディや全体の完成度などもう申し分の無いですね。
ボーカルもMark Free似(歌の上手さじゃ、Mark Freeより若干落ちますけど)で雰囲気最高のナンバーです。
2曲目の"Brand New Start"はこれまたメロディアスなパワーバラード風のナンバーで出来もかなりのものです。
とてもAORしております。
3曲目の"Country Boy"はアルバムの中ではどちらかというとハード目なスロウなブギ調のナンバーです。
バックのギター・プレイがとてもいかしたナンバーです。
4曲目の"Ten Years"は泣きのギター満載のメロディアスなこちらもスロウなブギ調のナンバーですが、曲の出来はかなりなものです。
お勧めです。
5曲目の"Send Me Somebody"はアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーです。
曲の盛り上がりも十分です。
6曲目の"Should Have Been Me"も出だしのギター・ソロがカッコ良いメロディアスな産業ロックしたナンバーです。
サウンドのポップでとてもいかしてます。
7曲目の"Get On The Bus"はこのアルバムの中で最もハードなナンバーですが、とても聴きやすいメロディアスハード・ロックに仕上がっております。
8曲目の"He'll Let You Down"もアコースティカルなバラード・ナンバーですが、メロディ位の起伏が少なくどことなく物足りなさも感じます。
9曲目の"Rescue Me"はレイド・バックしたアメリカン・ロック風のナンバーです。
悪くは無いのですが、他の曲がかなり良い出来ですのでそう感じるのかも。
ラストの10曲目"The Other Side"はバンド名やジャケットを連想出来そうなプレグレ・タイプのナンバーです。
バックの音はもうプログレですね。
紹介文にMark Free、Arrival、Unruly Child、Signalといったアーティストやバンドを引き合いに出しておりますが、おそらくヴォーカルがMark Freeに似ているからだと思います。
ただし、冒頭にも書きましたがMark Freeより若干落ちますが。
それでも、アルバムの出来はレベルもかなり高いと思いますよ。
既に廃盤のようでレア化しておりますが、メロハー・ファンや産業ロック・ファンは必聴の1枚だと思いますね。
2009-10-21
HB / Frozen Inside (2008)

ジャケ買いの1枚で、キレイなおねーちゃんの見た目そのまんまのシンフォニック・ゴシックということで高い国内盤を手に入れました。
最近は、2000円を超えると高いという感じがします。
で、フロント・ジャケットの写真が最も良く撮れていたようで、中ジャケットの写真を見るとそんなに美人ではありませんでした。
でも、中身のサウンドは全く以って私の好みでした。
このバンドいわゆるCCM ( Contemporary Christian Music)のメタル版のようで、歌詞にはJesusも。この手のバンド、Within TemptationとかNightwishとかに比べても全く引けをとりません。
というか私としては、こちらのHBの方が良かったりします。
とにかくメロディアスですし、Johanna(写真の女性)のヴォーカルもオーソドックスなスタイルで上手いです。
さらにバックの音も最高ですね。
ギターもちゃんとメタリックしてますし、プレイのレベルも高いです。
1曲目の"Intro (Holy One)"はJoannaのアカペラ・ナンバーです。
アカペラで歌うぐらいですから歌唱力もあります。
2曲目の"God Has All Glory"はまさにシンフォニック・ゴシックしたナンバーです。
クリスチャン・メタルらしくバックのクワイア(あくまでコーラスではありません)により、曲に荘厳さがプラスされております。
こんなナンバーを聴くとこれ以降も期待してしまいます。
3曲目の"It Is Time"はメタリックなギターのトーンから始まるシンフォニック・ゴシックのナンバーです。
全体的にギターの音はメタリックしておりますが、曲全体は結構ソフトです。
4曲目の"Be Aware"はバックのヴァイオリンとキーボードがいかしたメロディアスなナンバーです。
これは聴きものです。
5曲目の"Holy Secret"はゆったりと流れるようなナンバーで、チェロの響きが最高のメロディアスなバラード・ナンバーです。
Hym(讃美歌)のような荘厳さが堪らないナンバーで、このアルバムの一押しですね。
6曲目の"Frozen Inside"は出だしのアコースティック・ギターがカッコ良いメロディアスでポップな感じのナンバーです。
このナンバーも5曲目と違うタイプのナンバーですが、同じくらい良く出来たナンバーです。
7曲目の"Years Go By"は出だしのピアノが美しいナンバーで、ここでもクワイアが効果的に使われており、出来も素晴らしいです。
全体的にピアノの音がとても素敵です。
こういったクワイアが入っているのが彼らの魅力なんでしょうね。
8曲目の"Ambition"はメロディアス・ハードしたナンバーで、メロディがとても魅力的なナンバーです。
良いですね、この曲。
9曲目の"Why"は再びヴァイオリンとキーボードが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
透き通った感じのJohannaのヴォーカルがとても素敵です。
ラストの10曲目"Lovesong"はもうこれは讃美歌でしょう。
歌詞に"My Father"という言葉が何度も出てきます。
メロディアスなバラード・ナンバーです。
シンフォニック・ロックやゴシックが好きな私にとっては、捨て曲は全くありません。
最近のシンフォニック・ゴシックのアルバムの中では最も強力な1枚だと思いますね。
2009-10-20
Wham! / The Final (1986)

同じ年に"Young Guns (Go For It)"を引っ提げて、 BBCの人気番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出演し、一躍アイドル的人気を得ました。
そして1983年に1stアルバム"Fantastic"を発表し、イギリスでは史上4組目となる、デビューアルバムの初登場1位獲得を成し遂げ、同国で瞬く間にトップスターとなりました。
1984年には所属レーベルをイギリスではEpic Records、アメリカではCBS Inc.に移籍し、2ndアルバム"Make It Big"を発表し、本格的なアメリカ進出を果たしました。このアルバムからは"Careless Whisper"を始め数々の大ヒット曲が生まれ、Wham!は英米のみならず世界中で爆発的な人気を博しております。日本でも日立マクセルのカセットテープのテレビCMに"Bad Boys"や"Freedom"が使われ(CMには2人も出演)、一躍スターダムにのし上がりました。
また、同年に"Last Christmas"を発表し、MTV効果と曲の出来の素晴らしさも相まって、世界的な大ヒットとなり、このナンバーは現在でもクリスマス・ソングの定番となっております。
1986年には、3rdアルバム"Music From The Edge Of Heaven"を発表し、ここからは"A Different Corner"がヒットしておりますし、"Last Christmas"も収録されております。
そんな絶頂期の1986年にWham!は解散しました。
解散の理由はもっぱらGeorge Michaelがソロ活動をしたかったから、だとか。
まあ、"Careless Whisper"や"A Different Corner"は実質的にはGeorge Michaelのソロ名義でしたし、片割れのAndrew Ridgeleyはお飾りみたいなものだったと思いますし。
そんなWham!の解散後すぐに出されたアルバムが本日紹介する"The Final"です。
このアルバムには全14曲が収録され、彼らのヒット・ナンバーが満載の、まさにベスト・アルバムです。
Wham!がこれだけ世界的にヒットしたのは、もちろん楽曲が素晴らしかったということもありますが、George Michaelのルックスと歌唱力に尽きたということなんでしょうね。
ノリノリのディスコティックなナンバーもそうですが、特に"Careless Whisper"や"A Different Corner"さらには"Where Did Your Heart Go?"などのバラード・ナンバーを歌わせたら天下一品だと思います。
"Wham Rap (Enjoy What You Do?) "は全英8位を記録したノリの良い最高にご機嫌なナンバーですし、"Young Guns (Go For It)"はパーティーに持ってこいのナンバーです。
全米初のヒット"Bad Boys"はとてもポップで覚えやすいメロディを持ったナンバーでブレイクしたのも当たり前といった曲です。
"Club Tropicana"は出だしの効果音を聴いていると映像が想像出来るそんな視覚的なナンバーだと思います。
"Wake Me Up Before You Go Go"のMTVでさんざん流されたナンバーですが、これぞポップといった代表的なナンバーです。
極めつけは"Careless Whisper"でしょうか。
このナンバーは、1984年に全米・全英ともに1位を記録した大ヒット・ナンバーです。
今から25年前のナンバーですが、全くといって良いほど古さは感じません。
このナンバーには思い出がたくさん詰まっています。
永遠のバラード・ナンバーとして後世にも残る素晴らしいナンバーだと思います。
"Freedom"もMTVで良く流れていたメロディアスでポップなナンバーで、ここでもGeorge Michaelのヴォーカルはとても魅力的です。
全英1位・全米3位と大ヒットしたのも当然ですね。
今やクリスマスの定番となっている"Last Christmas"はイギリスのシングルチャート2位、日本のオリコンでも総合シングルチャート12位を記録しました。
クリスマス・ソングは"Jingle Bells (ジングルベル)"、"Rudolph the Red-Nosed Reindeer (赤鼻のトナカイ)、さらには"White Christmas"など定番のナンバーがたくさんありますが、このWHam!の"Last Christmas"もそういったナンバーに肩を並べる否それ以上の存在のナンバーだと思いますね。
そのほか最近のものといっても少し前ですが、John Lennon & Yoko Oneの"Happy Christmas"なんかもクリスマス・ソングの定番となっておりますね。
"Everything She Wants"もとてもポップでいかしたナンバーです。
2ndアルバムの"Make It Big"からはこのナンバーも含め、"Wake Me Up Before You Go-Go"、"Freedom"、"Careless Whisper"の4曲がシングル・カットされ、その何れもが全英・全米ともに一桁以内にランクインしております。
"I'm Your Man"はラスト・アルバムの"Music From The Edge Of Heaven"からの選曲で、もとてもポップなナンバーで、英1位・米3位と大ヒットしました。
"A Different Corner"は英1位・米7位を記録したメロディアスなバラード・ナンバーで、実質的にはGeorge Michaelのソロとなっております。
"Battlestatios"はシングル・カットはされておりません。
囁くようなGeorge Michaelのヴォーカルは良いですが、バックの打ち込みはちょっとという感じも。
ベスト・アルバムに収録するんだったらもっと良い曲があると思いますが。
"Where Did Your Heart Go?"は"Careless Whisper"風のメロディアスなバラード・ナンバーで、George Michaelのヴォーカルが光っております。
全米50位にランクインされたナンバーですが、もっと上位になっても良い出来なんですが。
ラストの"Edge Of Heaven"はこれも全英1位・全米10位と大ヒットしたナンバーです。
これまたポップで売れて当然というナンバーです。
George Michaelは解散後の1987年に1stソロ・アルバム"Faith"を発表します。
このアルバムも全英1位・全米1位を記録する大ヒット・アルバムとなり、"Faith" (UK#2,US#1)、"Father Figure" (UK#11,US#1)、"I Want Your Sex (Parts 1 & 2)" (UK#3,US#2)、"One More Try" (UK#8,US#1)、"Monkey" (UK#13,US#1)、"Kissing a Fool" (UK#18,US#5)と6曲ものシングル・ヒットしたナンバーが収録されております。
このアルバムも当時はかなりヘヴィ・ローテーしており、アルバム自体に思い出がいっぱい詰まっております。
まあ、これ以降の2nd辺りからGeorge Michaelもあまり聴かなくなりましたが、中古ショップではかなり安価で彼のアルバムが手に入りますので、CDはほぼ持っておりますが。
2009-10-19
Duran Duran / Seven And The Ragged Tiger (1983)

とにかくカッコ良いビデオ・クリップでした。
MTVのビデオ・クリップで特に印象に残っているのが、この"Hungry Like The Wolf"とa-haの"Take On Me"でしょうか。
Duran Duranについては、当時はガキのための音楽みたいな感じで馬鹿にしておりましたが、このビデオ・クリップと彼らのサウンドを聴いて、その考えを180度変えました。
それから1981年の1stアルバム"Duran Duran"も聴くようになり、特に"Planet Earth"や"Girls On Film"はFavorite Songsになってしまいましたね。
2ndの"Rio"は"Hungry Like The Wolf"のビデオ・クリップを見てすぐにレコードを買い、当時ヘヴィ・ローテーしておりましたね。
"Rio"についてはあのジャケット・デザインがとても気に入っておりましたし、"Hungry Like The Wolf"のほかに"Rio"、"My Own Way"、"Hold Back The Rain" 、"Save A Prayer"などとてもカッコ良いナンバーが収録されておりました。
本日紹介します1983年の3rdアルバム"Seven And The Ragged Tiger"も発表されてすぐに手に入れました。
その後、1984年にライヴ・アルバム"Arena"は結局手に入れず終いで、1986年に"Notorious"を発表する頃には、Duran Duranに対する興味も薄れ、それ以降のアルバムは殆どリアル・タイムでは聴いておりませんでした。
私が思うに、デビューから1985年辺りまでが彼らの黄金期だったような気がします。
それはUK、USAでのアルバム・チャートを見ても明らかだと思いますね。
3rdアルバムまでと、それ以降のチャート・アクションが全く違います。
まあ、1993年の"Duran Duran"や2004年の"Astronaut"はそこそこ売れたようですが。
それでも1989年の"Decade: Greatest Hits"は発表後すぐに手に入れましたね。
映画「007/美しき獲物たち」のサントラで使用された"A View to a Kill"が収録されておりましたので。
ということで、私が最も彼らを聴いていたのが、この3rdアルバム"Seven And The Ragged Tiger"です。
このアルバムには、"Union of the Snake"、"The Reflex"、"New Moon on Monday"と3曲がシングルカットされました。
Duran Duranの魅力は何と言ってもSimon Le Bonのルックスと彼のヴォーカルでしょう。
とにかくMTVなんかで彼の歌っているところを見ると、最高にカッコ良いですよね。
そして、Andy Taylorのギター・プレイも。
"The Reflex"は"Hungry Like The Wolf"と同じくらいカッコ良いナンバーで、まさにニューロマンティック・サウンドを代表するナンバーだと思いますし、"New Moon On Monday"のサビの部分もとてもカッコ良いです。
"Union Of The Snake"はAndy Taylorのギターのカッティングはもう最高です。
曲全体の出来も素晴らしいですし、大ヒットしたのも当たり前かも。
"Shadows On Your Side"なんかもメロディアスなナンバーで、ヒット性抜群です。
"The Seventh Stranger"はSimon Le Bonの歌の上手さが光るメロディアスなバラード・ナンバーで、聴きものです。
"Duran Duran"、"Rio"そしてこの"Seven And The Ragged Tiger"までのDuran Duranは輝いていましたね。
2009-10-18
REO Speedwagon / You Can Tune a Piano, but You Can't Tuna Fish (1978)

実は、私もこのアルバムを聴くまでは、バンドの存在は知っておりましたが、全くスルー状態でした。
聞くところによると、このアルバムを発表する前までは、バンドとしての知名度は徐々に上昇していたものの、メンバーの生活は破綻寸前だったようですので、まさに起死回生の一発だったんですね。
これもデビュー当初からのツアーや地道なライヴ活動を展開したからで、ブレイク前は「アメリカで最も売れていないが、長続きしているバンド」と評されていたそうですが、彼らのキャッチーなメロディ、爽やかなボーカルで大きな成功を収めたんでしょうね。
本日紹介するアルバムは、"Hi Infidelity"(『禁じられた夜』) の前々作となる1978年の7thアルバム"You Can Tune a Piano but You Can't Tuna Fish"です。
このアルバムも全米20位にランクインされたアルバムで、"Roll with the Changes" (#58)、"Time for Me to Fly" (#56)の2曲がシングル・カットされております。
"Hi Infidelity"(『禁じられた夜』) が発表される2年前のアルバムですが、それほど大差ないサウンド・アプローチだと思いますが、キャッチーさが足りないのかなあ?
でも、アルバムの出来は素晴らしいと思いますよ。
1曲目の"Roll With The Changes"はシングル・カットされたナンバーですが、とてもポップでキャッチーですし、58位より上位にランクインされても当然のナンバーだと思いますが。
とにかくバックの音がカッコ良いナンバーです。
2曲目の"Time For Me To Fly"はアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーです。
これもシングル・カットされており、出来もそこそこです。
3曲目の"Runnin' Blind"は元気いっぱいのロックンロールしたナンバーです。
とてもポップに仕上がっております。
4曲目の"Blazin' Your Own Trail Again"もアコースティカルなパワー・バラードしたナンバーです。
これも出来はかなりなものだと思います。
5曲目の"Sing To Me"はコーラスが素敵なマイナー調のメロディを持ったナンバーです。
バックのギター・ソロがとてもカッコ良いです。
6曲目の"Lucky For You"はハードにドライヴィングしたポップン・ロールしたナンバーです。
7曲目の"Do You Know Where Your Woman Is Tonight?"は出だしのマイナー調のギターとそれに続くコーラスが素敵なメロディアスなナンバーで、私はこのアルバムの一押しだと思います。
このナンバーをシングル・カットした方が良かったのでは?と思ったりします。
8曲目の"The Unidentified Flying Tuna Trot"はブギー調のインスト・ナンバーで、結構いけます。
特にピアノとギターがカッコ良いです。
ラストの9曲目"Say You Love Me Say Goodnight"はとても良く出来た軽快なロックンロール・ナンバーで、こういったロックンロール・ナンバーも彼らの魅力の一つですよね。
そういえば、REO Speedwagonは2007年に"Find Your Own Way Home"というオリジナル・アルバムを発表しておりますが、レコード・デビューは1971年ということですので、40年近くもバンドを続けている息の長いバンドなんですね。
2009-10-17
CC-ROCK / CC-ROCK (2007)

T-BELLのPatrik Tibellが見だしたバンドで、全面彼のヴォーカルがフィーチャーされ、プロデュースも担当しております。
CC-ROCKのメンバーは、Peter LundinとAnssi Alataloでどちらもギタリストです。
そういうこともあり、このアルバムはツイン・リードのギターの厚みが魅力のメロディアス・ハードロックのアルバムとなっております。
1曲目の"Wanna Feel Like The First Time"は出だしのPatrik Ttbellのヴォーカルがカッコ良いメロディアスなパワーポップ風のナンバーです。
メロディも曲の出来も申し分ないです。
2曲目の"The Best I Can"は出だしのツイン・リードがカッコ良いギター・オリエンティドのハードロック・チューンです。
3曲目の"Angel"もメロディアスなパワーポップしたナンバーです。
とにかく甘めのメロディが最高です。
このナンバーは良く出来ており、かなりお勧めです。
4曲目の"Dreamer"は出だしのギターが最高のメロハーです。
Patrik Tibellのヴォーカルも伸びがあって良いですが、それ以上にバックの音がとてもカッコ良いです。
5曲目の"My Special Lady"はCheap Trickが演りそうなナンバーで、音もCheap Trickしております。
まさにパワーポップしたナンバーで、とにかくギターの音が良いです。
ラストの6曲目"One Reason Why"もギター・オリエンティドのメロディアスなハードロック・ナンバーです。
このCC-ROCKは、さすがギタリスト2人よるプロジェクトらしく、ギター・サウンドを全面に押し出したとてもカッコ良いギター・オリエンティドのアルバムに仕上がっております。
さらにCheap Trickみたいなポップさが加わり、メロディアスですので、メロハー・ファンから支持を得たのも当たり前ということでしょうか。
それにしても全6曲は少ないですね。
フルレングスで聴いてみたいバンドです。
2009-10-16
Brenda Russell / Soul Talkin' (1993)

Brenda Russellは、1970年代初期にブライアン・ラッセルと結婚し、ブライアン&ブレンダのユニットを結成し、エルトン・ジョンのレーベル、ロケットより"World Called Love"(1976)と"Supersonic Lover"(1977)の2作をリリースし、本格的に音楽活動を開始しました。
ラッセル夫妻はロバート・パーマーのソウルポップ・アルバム"Double Fun"にも2曲参加しやり、この他シェリル・ラッドやシャカ・カーンのルーファス等に楽曲を提供もしておりますが、1970年代後半にブライアンと離婚し、以後ロサンゼルスに居を構え、ソロ活動をスタートしました。
で、現在までに、
・Brenda Russell (1979) Chart Peak: US Pop #65, R&B #26、
Singles: "So Good, So Right," "Way Back When",
・Love Life (1981) Chart Peak: US Pop #107, R&B #42
Singles: "If You Love (The One You Lose)"
・Two Eyes (1983)
Singles: "I Want Love To Find Me", "Two Eyes"
・Get Here (1988) Chart Peak: US Pop #49, R&B #20, UK #77
Singles: "Piano in the Dark" with Joe "Bean" Esposito, "Le Restaurant," "Gravity"
・Kiss Me With The Wind (1990) Chart Peak: US R&B #65
Singles: "Stop Running Away," "Kiss Me With The Wind"
・Greatest Hits (1992)
・Soul Talkin' (1993)
Singles: "No Time For Time"
・Paris Rain (2000)
Singles: "Catch On," "Walkin' In New York," "You Can't Hide Your Heart From Me," "Somethi ng About Your Love"
・Ultimate Collection (2001)
・So Good So Right: The Best Of Brenda Russell (UK) (2003)
・Between The Sun And The Moon (2004) (UK) / (2004) (US) Chart Peak: US R&B #96
Singles: "Make You Smile," "I Know You By Heart"
・In the Thick of It: The Best of Brenda Russell (2009) (UK)
といったアルバムを発表しております。
彼女の最大ヒットは1988年の"Get Here"でJoe Espositoがバッキング・ヴォーカルを担当した"Piano in the Dark"がR&Bチャートの23位にランクインされました。
本日紹介する"Soul Talkin' "は残念ながらアルバム・チャートの100位以内にはランクインしませんでしたが、とても良く出来たAORアルバムに仕上がっております。
元々彼女のアルバムはR&B、ブラコンといった黒っぽさは無く、ほぼAORしたアルバムばかりですが、本作にもBobby Caldwellとデュエットした"Who Are You?"は、Bobbyの"Stuck On You"タイプのジャジーなAORナンバーなんかも収められております。
お勧めは1曲目の"Matters Of The Heart"で軽いタッチのメロディアスなAORナンバーで、Brendaのヴォーカルだけでなく、バックのプレイも最高にいかしてます。
AORファンは必ずや気に入るナンバーだと思いますね。
2曲目の"Soul Talkin'"もとてもアーバンな感じの若干ファンキーなお勧めのナンバーです。
雰囲気最高です。
なお、このナンバーは、Chaka Khanのために書いたナンバーだそうで、Chaka Khanの1988年のアルバム"CK"に収録されております。
3曲目の"In Over My Heart"もとてもAORらしさを感じさせるナンバーです。
4曲目の"No Time For Time"はとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、バックのシンセとハーモニカの音は素晴らしいです。
これは本当にお勧めです。
5曲目の"You'll Fall In Love Again"もとてもメロディアスなバラード・ナンバーで、映画のサントラにでも使えそうなナンバーです。
バックのアコースティック・ギターとピアノやシンセに絡むストリングスは素晴らしいです。
6曲目の"10,000 Words"も軽いタッチのAORナンバーです。
7曲目の"Life Is Waiting"はMichael Thompsonのギターがカッコ良いファンキーな感じのナンバーです。
Michael Thompsonのギターのタッチは格別です。
8曲目の"Got To Love"ではJames Harrahのギターのトーンが印象的なこれまた若干ファンキーさのあるポップなナンバーに仕上がっております。
9曲目の"The Universe Is Calling You"はIvan Linsの作曲によるナンバーで、南米風のアレンジに中にもポップさが溢れ、都会的に仕上がっているナンバーです。
ラストの10曲目"Who Are You?"はBill Cantosのペンによるナンバーで、Bill自身も1995年のアルバム"Who Are You"で取り上げております。
冒頭にも書いたとおり、BrendaのこのヴァージョンはBobby Caldwellとデュエットしており、"Stuck On You"タイプのジャジーなナンバーに仕上がっております。
アルバム・チャートにランクインしなかったのが不思議なくらいに良く出来たアルバムです。
AORファンは必聴のアルバムだと思います。
こんなアルバムがAmazonマーケットプレイスでは1円から売っております。
2009-10-15
Ron Komie / Quest Of Dreams (1992)

プロデュースは松居和(Kazu Matsui)が担当。
Ron Komieのギター・スタイルは、Dann HuffやJay Graydonなどに似たタイプだと思います。
さすがKazu Matsuiのプロデュースらしく、とてもいかしたギター・フュージョンのアルバムに仕上がっております。
Ron Komieのギターも弾き捲くるという感じではなく、ソロ・アルバムながらバンドとしてのアンサンブルに重きを置いたそんな感じで、曲によってはYellow Jacket風だったりします。
1曲目の"Quest Of Dreams"はRonのギターのトーンが暖かみを感じさせるナンバーで、ギター・フュージョンとはこんなナンバーだと言いたげな仕上がりとなっております。
2曲目の"Trick Or Treat"はファンキーな軽めなタッチのナンバーで、70年代後半のフュージョン・ナンバーそのまんまの雰囲気です。
ギターの感じはJay Graydon風です。
なお、このアルバムにはPat Coilがピアノ・シンセで、Eric Marienthalがサックスで参加しておりますが、このナンバーでは、Eric Marienthalの伸びのあるサックスの音がかなりいけます。
3曲目の"I Know You Will"はLee Ritenour風の味のあるギターのトーンが素敵なナンバーです。
4曲目の"High Tide"はこれまたゆったりとした感じの70年代後半にフュージョン・ナンバー然としたナンバーです。
ここでのRonのギターはとても伸びのあるトーンで、これがとてもいかしてます。
5曲目の"Until Tomorrow"はRonのアコースティック・ギターの音がとても気持ち良いメロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
また、Eric Marienthalのサックスの音も素敵です。
6曲目の"Slam Jam"はそれぞれのプレイヤーの音が生きたジャム・セッション風のナンバーで、ここでのRonのギターはSteve LukatherやMichael Landau風のとてもロックした音となっております。
7曲目の"Jupiters Sunrise"は大らかさを感じさせるメロディアスなナンバーで、Spyro Jyra風の音作りとなっております。
8曲目の"Tears"はメロディアスなバラード・ナンバーで、Ronのギターの部分をヴォーカルに変えればそのまんまAORになってしまいそうなナンバーです。
また、Ronのギターのトーンがとてもカッコ良いです。
このナンバーを聴いてPete Carrの"Someday We Will"やLarry Carltonの"(It Was) Only Yesterday"といったギター・インストのバラード・ナンバーを思い出しました。
これは本当に素晴らしいナンバーです。
アルバムの一押しです!
ラストの9曲目"Backburner"はRonの伸びのあるギターがカッコ良いロック・ナンバーです。
70年代後半のLarry Carltonが演りそうなナンバーです。
このナンバーの出来もかなり良いです。
全体的にとても聴きやすいアルバムで、ギター・インスト・ファンには受けるアルバムだと思います。
まあ、ある面、聴きやすい分BGMのアルバムとして、いつの間にか終わっていた、ということも考えられますが。
私は特に8曲目とラストの9曲目はえらく気に入りました。
2009-10-14
John Lawton / Heartbeat (1980)

John Lawtonは美しく伸びのあるハイトーン・ヴォーカリストで、DEEP PURPLE?RAINBOWのギタリストのリッチー・ブラックモアが自身のバンドへの参加を要請したというほど、ミュージシャンの間でも、その実力は高く評価されているシンガーです。
冒頭に掲げたバンドでヴォーカリストとして活躍した実績を持つシンガーで活動歴も長く、1960年代から音楽活動を始め既に40枚以上のアルバムをバンドあるいはソロ名義で発表しており、最近は、ドイツ人ギタリストJan Dum醇Pe (ex-Focus) のプロジェクト"On The Rocks (OTR)"で2008年に"Mamonama"というアルバムを発表しました。
また今年になってからは、Jorn Landeと一緒にコンサート・ツアーなんかをやっており、既に60歳中盤に差し掛かろうという年齢にも関わらず精力的に音楽活動をしているようです
そんなJohn Lawtonの1stアルバムですが、1980年の発表ということもあるのでしょうが、とてもAORチックなハードポップ・アルバムに仕上がっております。
1曲目の"Lola"はメロディアスでハードロックとは違った感じのとてもポップなナンバーで、とても馴染みやすい感じの曲です。
2曲目の"Heartbeat"はプログレ風味のアレンジのナンバーですが、いたってポップに仕上がりとなっております。
3曲目の"Return To Sender"はバックのギターがカッコ良い産業ロック風のこれまたメロディがいかした聴きやすいナンバーです。
4曲目の"Christine"はレゲエっぽいアレンジの面白みのあるナンバーです。
5曲目の"Breaking Out"もメロディがとてもいかしたポップロックしたナンバーで、耳に良く馴染む、そんな曲で、かなりお勧めです。
バックの音もいかしてます。
6曲目の"Rainbow Chasing"は80年代の産業ロック・バンドがやりそうな雰囲気のナンバーです。
7曲目の"Stairway"はスロウなブギ調のロックンロールしたナンバーで、私はこのようなタイプのナンバーにはとても弱いです。
好きです、この曲。
8曲目の"Daddy's In The Money"は日本人が好きそうなメロディと雰囲気を持ったナンバーで、どことなく和製ポップスを聴いているような錯覚に陥りそうです。
歌謡曲チックな感じとでもいいますでしょうか。
9曲目の"What A Woman"は哀愁を帯びたメロディのハードポップのナンバーとでもいいましょうか、かなりいけてます。
10曲目の"Darkness Over The Island"はこれまた日本人が好みそうなメロディを持ったポップ・ナンバーと言えると思います。
11曲目以降ラストの14曲目は、2000年にCD化された時にボーナストラックとして追加されたナンバーです。
11曲目の"It's Alright With Me"はとても親しみやすいメロディを持ったポップ・ナンバーで、とてもボーナストラックとは思えない出来で、出来も素晴らしいです。
12曲目の"Hold Back The Night"も11曲目同様にとてもメロディアスなナンバーで、これもボーナストラックとしては勿体ない、そんなナンバーです。
もうこれは完全にAORしております。
13曲目の"Let It Ride"がこのアルバムの中でも最もハードロックに近いサウンドを持っております。
14曲目の"Downhill Run"はとてもいかしたロックンロール調のナンバーで、これまたカッコ良い、出来もかなりいかしてます。
これらボーナストラック4曲はとても良く出来ていて、おまけで追加したという感じではないですね。
この"Heartbeat"ですが、今じゃレア化しており、なかなか聴く機会も無いかも知れませんが、かなり楽しめるアルバムですので、ご興味のある方はどうぞ。
また、John Lawtonは2000年に2ndアルバム"Still Paying My Dues to the Blues"を発表しておりますが、この2ndは最近ドイツのリ・イッシュー専門レーベルNL Distributionからリ・イッシューされました。
2009-10-13
Bee Gees / Bee Gees Greatest (1979)

私は、"The New York Mining Disaster 1941 (ニューヨーク炭坑の悲劇)"、"To Love Somebody"、"Massachusetts"、"Holiday"、"Words"、First Of May(若葉のころ)"などがヒットした初期のBee Geesもリアル・タイムでしたので、もちろん大好きです。
でも、70年代後半のディスコ・ブームを作ったともいえる「サタデー・ナイト・フィーバー」の頃も同じくらい好きですね。
とにかく勢いがありました。
この頃のThe Bee Geesの勢いは1975年の"Jive Talkin"(全米1位, 全英5位)から始まります。
そして、1976年には、"You Should Be Dancing"(全米1位, 米R&B4位, 全英5位)、1977年には、"How Deep Is Your Love(愛はきらめきの中に)"(全米1位, 全英3位)、1978年には、"Stayin' Alive"(全米1位, 米R&B4位, 全英4位)、"Night Fever (恋のナイト・フィーバー)"(全米1位, 米R&B8位, 全英1位)、1979年には、"Too Much Heaven (失われた愛の世界)"(全米1位, 米R&B10位, 全英3位)、"Tragedy (哀愁のトラジディ)"(全米1位, 米R&B44位, 全英1位)、"Love You Inside Out"(全米1位, 米R&B57位, 全英13位 )ととどまることを知らないBee Geesでした。
"Bee Gees Greatest"は2枚組で全28曲が収められております。
収録ナンバーは、
(Disc 1)
01 Jive Talkin'
02 Night Fever
03 Tragedy
04 You Should Be Dancing
05 Stayin' Alive
06 How Deep Is Your Love
07 Love So Right
08 Too Much Haeven
09 (Our Love) Don't Throw It All Away
10 Fanny (Be Tender With My Love)
11 Warm Ride
12 Stayin' Alive (12inch Version)
(Disc 2)
01 If I Can't Have You
02 You Stepped Into My Life
03 Love Me
04 More Than A Woman
05 Rest Your Love On Me
06 Nights On Broadway
07 Spirits (Having Flown)
08 Love You Inside Out
09 Wind Of Change
10 Children Of The World
11 You Should Be Dancing
12 If I Can't Have You
13 Night Fever
14 How Deep Is Your Love
15 Stayin' Alive
16 If I Can't Have You
映画「サタデー・ナイト・フィーバー」は1977年の公開ですからすでに30年以上が経過しているんですね。
この映画は今の奥さんと見に行きましたが、その後ビデオでも何回か見た映画ですので、"Night Fever"、"How Deep Is Your Love"、"Stayin' Alive"を聴くと、当時のことが思い出されます。
また映画では"If I Can't Have You"はYvonne Ellimanの"More Than A Woman"はThe Tavalesのヴァージョンが使われておりましたね。
この2曲については、もちろんBee Geesのオリジナルも良いですが、どちらもカヴァー・ヴァージョンの方が聴きなれているせいか、そちらの方が良く聴こえます。
"How Deep Is Your Love"は本当に良く出来たメロディアスなバラード・ナンバーで、Bee Geesの全ての曲の中でも"First Of May"や"Melody Fair"と並ぶトップ・クラスのナンバーでしょうね。
恋人たちにピッタリのバラード・ナンバーだと思います。
"(Our Love) Don't Throw It All Away"はGibb兄弟の末弟Andy Gibbもカヴァーしておりますが、このナンバーは断然Andyのヴァージョンに軍配が上がります。
Andy Gibbの2ndアルバム"Shadow Dancing"に収められておりますが、このナンバー以外にも、"Shadow Dancing"、"Why"、"Melody"、"I Go For You"など最高にいかしたナンバーばかりが収録されております。
"Rest Your Love On Me"もAndy Gibbが3rdアルバム"After Dark"でカヴァーしております。
"Too Much Haeven"はユニセフのために書いたナンバーですが、これもメロディアスなバラード・ナンバーで、4週連続全米1位に輝いたナンバーです。
"Love Me"もYvonne Ellimanのために書いたナンバーで、彼女のヴァージョンは1976年に全米14位を記録しております。
"Love You Inside Out"は1979年に全米1位を記録したナンバーです。
Disc 2の11曲目以降は、最近のエレクトロニクス系のダンス・ミュージックのアレンジを施したナンバーで、オリジナルの良さを壊してしまっているように感じるのは私だけでしょうか?
まあ、おまけといったところでしょうか。
近いうちに2種類ほど、またBee Geesのベストが出るようです。
一つは、CD2枚組にDVD1枚を足したものと、もう一つは4枚組のベストのようです。
4枚組のボックスは過去に"Tales from the Brothers Gibb (1990)"にも出てましたね。
2009-10-12
The Guess Who / Wheatfield Soul (1968)

オリジナル・メンバーはギタリストのRandy BachmanとドラマーのGarry Petersonだけですが、The Guess Whoとして大成功に導いたBurton Cummingsはもちろん在籍しております。
そういう意味では、"American Woman"を大ヒットさせたカナダのバンドThe Guess Whoの1stアルバムと言っても良いかもしれません。
この頃のThe Guess Whoはサイケなバンドを目指していたのでしょうか?
内容は多分にThe Doorsを意識したアート・ロック(もう死語か!?)した内容だと思います。
Randy Bachmanのギターのトーンなんかは全てではありませんが、Bobby Krieger的なところもありますし、同じくBurton Cummingsのオルガンなんかも曲によってはRay Manzarek風だったりします。
さらにThe Doorsの"The End"を意識したような10分を超える大曲もあり、時として語るようなヴォーカルはまさにそれです。
1曲目の"These Eyes"はメロディアスなバラード・ナンバーでBurton Cummingsのヴォーカルが光っております。
このナンバーはシングル・カットされ、全米トップ6位となる大ヒットを記録しました。
2曲目の"Pink Wine Sparkles In The Glass"はサイケな感じのナンバーです。
特にRandy Bachmanのギターのトーンが。
3曲目の"I Found Her In A Star"はとても素敵なポップ・ナンバーです。
このナンバーでもRandy Bachmanのギターのトーンはとても素晴らしいです。
このナンバーの出来はかなり良いです。
4曲目の"Friends Of Mine"は10分を超える大曲で、冒頭にも書きましたがThe Doorsの"The End"を多分に意識して書かれたナンバーだと思いますね。
"The End"には及びませんが、それでも頑張りは認めます。
5曲目の"When You Touch Me"はこれまたThe Doors風のナンバーですね。
The Doorsの"Touch Me"みたいなロックしたナンバーです。
Burton CummingsのオルガンとRandy Bachmanのギター、さらにGarry Petersonのドラムスが、ホント、The Doors風です。
6曲目の"A Wednesday In Your Garden"はこれまた良く出来たメロディアスなバラード・ナンバーです。
Burton Cummingsのいかしたヴォーカルと華麗なピアノにストリングスが被さった素晴らしい楽曲に仕上がっております。
7曲目の"Lightfoot"はアコースティカルでポップなナンバーです。
8曲目の"Love And A Yellow Rose"はRandy BachmanのシタールとGarry Petersonのタブラをフィーチャーしたサイケなナンバーです。
9曲目の"Maple Fudge"はThe BeatlesというよりPaul McCartney的なポップ・ロックしたナンバーです。
ラストの10曲目"We're Coming To Dinner"はRandy Bachmanのファズが効いたギターのトーンがいかしたロック・ナンバーです。
このアルバムの後、1969年に"Canned Wheat"を1970年に"American Woman"を発表することとなりますが、"American Woman"とはまた違った味わいのあるアルバムだと思います。
このアルバムですが、2009年にボーナストラックが追加されリ・イッシューされました。
2009-10-11
Randy Crawford / Rich And Poor (1989)

先ずジャケットが素敵ですよね。色合いとかが。
Randy Crawfordは、日本では、1991年にフジテレビで放送されたドラマ「もう誰も愛さない」の挿入歌に用いられた"Almaz"(邦題:「スィート ラブ」)が特に有名ですが、このナンバーは、1986年にヒットし、UKシングル・チャートの4位にランクインされました。同曲は、1986年に発表したアルバム"Abstract Emotions"にも収められているナンバーです。
本日紹介する"Rich And Poor"はジャケットだけでなく、中身も最高です。
カヴァー曲が多く収められておりますが、選曲も良いですし、アレンジも素晴らしいと思います。
1曲目の"Knockin' On Heaven's Door"はもちろんBob Dylanのペンによるナンバーで、Eric Claptonのカヴァー・ヴァージョンがとても有名なナンバーです。
このナンバーでは、そのEric Claptonがバックでギター・ソロを弾いておりますし、David Sanbornのサックスが最高にいかしてます。
こんなナンバーを1曲目に持ってきたら、ホント期待してしまいますよね。
そんな期待を裏切らないのが、2曲目の"Every Kind Of People"です。
このナンバーは元FreeのAndy Fraserのペンによるナンバーですが、こちらもRobert Palmerのカヴァーが大ヒットしたナンバーです。
このナンバーも最高にいかしてます。
3曲目の"Wrap-U-Up"は美しいピアノから入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
Randy Crawfordの歌の上手さが光るナンバーです。
4曲目の"This Is The Love"はMadonnaが演りそうなスロウなダンス・ミュージックといった感じのナンバーで、メロディも良いですし、とてもいかしてます。
5曲目の"Seperate Lives"はバックのフェンダー・ローズやピアノの音が美しいメロディアスなスロウ・バラードのナンバーです。
これは聴きものです。
6曲目の"Believe That Love Change The World"は軽い感じのポップなナンバーで、ほぼAORしてます。
7曲目の"Rich And Poor"はバックのプレイ(特にサックス)がとてもいかしたメロディアスなナンバーで、これもかなりいかしてます。
8曲目の"Cigarette In The Rain"はジャジーな感じですが、仕上がりはとてもポップです。
9曲目の"Love Is"はKen GoldとBilly Oceanのペンによるナンバーで、メロディアスなAORしたナンバーに仕上がっており、好感の持てるナンバーです。
10曲目の"I Don't Feel Much Like Crying"はBabyfaceのペンによるスロウなブギ風のとてもメロディアスで聴きやすいナンバーです。
この曲の出来もかなり素晴らしいです。
ラストの11曲目"All It Takes Is Love"はRandy Crawford自作のナンバーです。
さすが自作だけあって、自分の声にピッタリのメロディアスで良く出来たナンバーだと思いますね。
ブラコンのシンガーって男性も女性も問わず、ホント、歌の上手い人が多いですよね。
Amazonマーケットプレイスでは中古が179円から売っておりますが、この値段だったら迷わず買いでしょう。
2009-10-10
Joe Cocker / I Can Stand A Little Rain (1974)

活動歴は古く、1964年にデッカ・レコードからデビューするが不発に終わりますが、1968年にThe Beatlesの"With A Little Help From My Friends"をカヴァーし、全英チャート1位の大ヒットを記録し、さらに、1969年には彼の人気を決定づけたウッドストック・フェスティバルに出演し、公開された映画でのエア・ギターのパフォーマンスとパワフルな歌唱で一躍トップ・スターの仲間入りを果たしました。
1970年にはMad Dogs & Englishmenとしてツアーを行いますが商業的は成功に至りませんでしたが、その時のライヴ・アルバムMad Dogs & EnglishmenにはRita CoolidgeがLeon Russellの名曲"Superstar"を歌い、その後、The Carpentersのカヴァーで大ヒットしました。
70年代に入り、Joe Cockerは酒とドラッグに溺れ、音楽活動もままならなくなりましたが、心機一転を図って発表したアルバムが本日紹介する1974年のアルバム"I Can Stand A Little Rain"です。
このアルバムにはBilly Prestonのナンバー"You Are So Beautiful"をカヴァーしておりますが、これが翌年の75年にビルボードのヒット・チャートで5位にランクインする大ヒットとなりました。
このアルバムはJoe Cockerの中でもベストの出来だと思いますが、とにかく、バックを務めるミュージシャンのメンツが凄いんです。
Jay Graydon、Ray Parker,Jr.、Henry McGullough (ex: Greace Band、Wings)、Cornell Dupree、David Paich、Nicky Hopkins、Richard Tee、Greg Mathieson、Jim Price、Ollie E. Brown、Jeff Porcaro、Bernard Purdie、Chuck Rainey、Jim Hornなどが参加し、各々が本当に素晴らしいプレイを聴かせてくれております。
1曲目の"Put Out The Light"はJim Hornなどのサックスから入るとてもファンキーなナンバーで、Ray Parker,Jr.のギターのカッティングはさすがです。
2曲目の"I Can Stand A Little Rain"はNicky Hopkinsの華麗なピアノから入るメロディアスなバラード・ナンバーです。
ギターには、Jay GraydonとHenry McGulloughが。
おそらくどちらもソロを執っていると思いますが、これがかなり良いです。
3曲目の"I Get Mad"では、やはりRichard Teeのピアノが最高ですね。
Cornell DupreeのギターにChuck Raineyのベース、まさにこれはStuff的なサウンドです。
4曲目の"Sing Me A Song"はJim Priceのピアノとオルガンがとてもカッコ良いです。
5曲目の"The Moon Is A Harsh Mistress"はJimmy Webbのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、バックはJimmy Webbのピアノにストリングスだけが被さったナンバーです。
聴きものです。
6曲目の"Don't Forget Me"は再びNicky Hopkinsのピアノが素晴らしいスロウ・ブルースのナンバーです。
Henry McGulloughのブルース・フィーリング溢れたギター・ソロとJeff Porcaroのドラミングがとてもカッコ良いナンバーです。
7曲目の"You Are So Beautiful"は冒頭に書いたとおり全米5位を記録したヒット・ナンバーです。
Billy Prestonがオリジナルですが、ここでも全編でNicky Hopkinsが最高のピアノ・プレイを聴かせてくれております。
8曲目の"It's A Sin When You Love Somebody"はDavid Paichのこれまた華麗なピアノから入るバラード風ナンバーで、とてもメロディアスです。
9曲目の"Performance"ではGreg MathiesonがピアノをJay GraydonとRay Parker,Jr.がギターを担当しております。
短いながらJay Graydonのギター・ソロも聴けます。
このナンバーもメロディアスなバラード・ナンバーです。
ラストの10曲目"Guilty"はRandy Newmanのペンによるナンバーで、5曲目同様にバックの音はRandy Newmanのピアノのみです。
5曲目と同じくらい良く出来たナンバーです。
久しぶりに聴き直しましたが、このアルバムってこんなに良かったっけ?というのが正直なところです。
2009-10-09
Johnnie Taylor / Just Ain't Good Enough (1982)

その後、1957年にSam Cookeが在籍していたゴスペル・グループThe Soul StirrersにSam Cookeの後釜として参加し、そして1961年にSam Cookeが設立したレコード・レーベルSAR Recordsから1962年に"Rome Wasn't Built In A Day"でソロ・デビューを飾っております。
1966年にはStax Recordsに移籍し、8枚のアルバムを出しております。
Stax時代の1968年に"Who's Making Love?"というシングルを発表し、これがBillboard Hot 100で5位、R&Bチャートで1位を記録する大ヒットとなりました。
1970年代に入るとColumbia Recordsに移籍し、1976年には"Disco Lady"がBillboard Hot 100で4週連続1位となるJohnnie最大のヒット・シングルとなりました。
1980年代には、Columbia Recordsを離れMalaco Recordsに移籍しそこそこの枚数のアルバムを発表しますが、2000年の心臓病により他界いたしました。
そのJohnnie TaylorがColumbia Recordsを離れMalaco Recordsに移籍するまでの短い期間だけ在籍したBeverly Glen labelから1982年に発表したアルバムが本日紹介する"Just Ain't Good Enough"です。
このアルバムからは、"What About My Love" と"I'm So Proud"がシングル・カットされR&Bチャートでヒットしております。
さすがにSam Cookeに見出されただけあり、歌も最高に上手いですし、ソウル・フィーリング溢れたヴォーカルも素晴らしいです。
1曲目の"What About My Love"はシングル・ヒットしただけあって、メロディ最高のメロウなナンバーに仕上がっており、このナンバーだけでお釣りがきそうです。
極上のディスコティークしたナンバーで、Johnnieのヴォーカル、バックの女性コーラス、バックのストリングスを含むサウンド、どれをとっても最高です。
2曲目の"Don't Wait"はメロディアスで最高にいかしたバラード・ナンバーです。
これぞソウル・バラードといった感じで、もう蕩けそうです。
3曲目の"I'm So Proud"はミディアム・スロウのソウル・ナンバーです。
これまたメロディアスなナンバーで、本当にいかしてます。
4曲目の"Just Ain't Good Enough"は若干ファンキーなナンバーで、Johnnieのヴォーカルも素敵ですが、ピアノの音、ベース、サックス、ストリングスがおりなす、バックの音もかなりのものです。
5曲目の"I Need A Freak"はとてもファンキーなナンバーで、Johnnieのソウルフルなヴォーカルがいかしてます。
ラストの6曲目"Reaganomics"もディスコティックなファンキーなナンバーです。
バックの音はフュージョン的でもあります。
レコードではA面(1曲目から3曲目)スロウ・サイド、B面(4曲目から6曲目)がファンキー・サイドという作りだったんでしょうね。
メロウなナンバーばかりで、ブラコン・ファンだけじゃなくAORファンからもかなりの支持を得そうなアルバムだと思いますね。
2009-10-08
Babadu / Babadu! (1979)

KalapanaのキーボーディストのKirk Thompsonがプロデュースし、サウンドもKalapanaに近いものがあるというのが売りのようですが、私の率直な意見を言えば、「まあ悪くはないかな」といった感じで、少なくともKalapanaの名盤として名高い"Kalapana II"に比べると、足元にも及ばないのでは?、という疑問符が付いてしまいます。
比較の対象が悪すぎるかもしりませんが。
もちろん、Kalapanaサウンドの雰囲気は満載ですし、中には「これはっ!」というナンバーもありますがし、ハワイアンAORとしては一定のレベルは超えていると思います。
知る人ぞ知るみたいなアルバムですが、当時のKalapanaがあれだけメジャーな存在だったことを考える、何故このBabaduが話題にならなかったのでしょうか?
サウンド的にはKalapanaに及ばないものの一定のレベルを超えていることを考えますと、多分にこのジャケットでしょうね。
サウンドを知らなければ、これじゃどこかのおじさんの純粋なハワイアンかと思って、ピュアなハワイアンファン以外は誰も手を出さないと思いますし、実際にそうだったのかも知れません。
思うのですが、いわゆるAOR系の未CD化のアルバムは数多くあり、AOR本にもかなりの数が掲載されておりますが、中には筆者の思い入れが強いアルバムなんかも紹介されております。
掲載されているレビューを見るととても聴いてみたいというアルバムがありますが、例えばプロデュースが誰某、バック・ミュージシャンが誰某といったことばかりが注目され、期待した程じゃなかったアルバムも結構あります。
私にとっては、David FosterがプロデュースしたJaye P. MorganやDara SedakaとかJakob Magnussonのアルバムなんかはそういう感じのアルバムでした。
このBabaduも期待した程じゃなかったアルバムということになりますが、その中でも1曲目の"We're Not To Blame"はメロディアスなAORナンバーで、音的にはKalapana風で良く出来てます。
特にKalapanaのメンバーMichael Pauloのフルートは雰囲気が最高です。
2曲目の"Words To A Song"も夏向きのメロウなナンバーでかなりいけます。
4曲目の"Forget Leaving"なんかもバックの音は魅力的です。
Babaduのヴォーカルは可も不可もなしといった感じでしょうか。
6曲目の"I Did The Right Thing"はメロディアスなとても良く出来たバラード・ナンバーです。
Babaduのヴォーカルは下手ではないのですが、私にとっては、どうも魅力に欠ける部分があるのでしょうね。
このナンバーをBoz辺りが歌えば、もっと良い感じになると思いますね。
7曲目の"I Love Music"なんかも曲の出来は素晴らしいです。
これなんかもブルーアイド・ソウルしたヴォーカリストが歌えば曲の感じも全然変わると思いますね。
こうやって、聴いていて判りましたが、曲の出来はそこそこですがBabaduのヴォーカルにあまり魅力を感じないのが、冒頭に書いたことなんだと思います。
今回のCD化でどれ程プレスされたか判りませんが、廃盤後の投資として購入する(投資なるかどうか判りませんが)のであれば、といった感じでしょうか?
もちろん、これは私の個人的な意見です。
2009-10-07
Dan Fogelberg / Exiles (1987)

Dan Fogelbergは1972年の1stアルバム"Home Free"が全米2位となるヒットで一躍時の人となり、シンガー・ソングライターのファンを中心に支持を得ましたが、70年代後半のAOR人気とともに、1977年の4thアルバム"Nether Lands"や1978年のTim Weisbergとの"Twin Sons of Different Mothers"辺りからAORファンにも受け、1979年の"Phoenix"で再び脚光を浴びることとなります。
特に"Phoenix"に収録されていたナンバー"Longer"は彼の最大のヒットとなり、全米2位、ACチャートで見事1位を獲得します。
さらに、次作の"The Innocent Age"もアルバム・チャートで6位を記録し、"Same Old Lang Syne"、"Hard to Say"、"Leader of the Band"、"Run for the Roses" の4曲がシングル・カットされ、どれもがチャートの上位に食い込むヒットとなっております。
その後、1985年に"High Country Snows"というカントリー・アルバムを発表しますが、その次に出したアルバムがこの"Exiles"です。
このアルバムでは、再びAOR路線に戻り、"She Don't Look Back"、"Lonely in Love"、"Seeing You Again"の3枚のシングルを発表し、"Lonely In Love"がACチャートの2位を記録するヒットとなりました。
1曲目の"Exiles"は今までのDan Fogelbergとはちょっと違うロックっぽいフィーリングに仕上がっており、曲調もポップでいかしたナンバーで、こちらの方がシングル向きでは、と思います。
2曲目の"What You're Doing"なんかも今までと趣を異にしたエレクトリック色強いロック的なAORナンバーと言えると思います。
このナンバーもポップで、とても良く出来ていると思いますね。
3曲目の"Lonely In Love"はメロディアスでポップなバラード風ナンバーで、モロAORしており、ACチャートの2位を記録しただけあります。
4曲目の"Seeing You Again"はバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
Dan Fogelbergの本領発揮といったところですが、こういったナンバーでも"Nether Land"や"Phoenix"のバラード・ナンバーと比べても、なんかどこか違う感じもします。
5曲目の"She Don't Look Back"はKenny Logginsの"Footloose"に雰囲気がちょっと似たナンバーで、こういった感じのナンバーも今までに無かったんじゃないかな。
6曲目の"The Way It Must Be"は今までのDan Fogelbergといった感じのアーコースティカルなウエスト・コースト・ロックです。
7曲目の"Haerts In Decline"もバックのピアノが美しい本来のDan Fogelbergを感じさせるメロディアスのバラード・ナンバーです。
8曲目の"It Doesn't Matter"はManasusのナンバーのカヴァーで、とてもロック・フィーリング溢れたナンバーに仕上がっております。
9曲目の"Our Last Farewell"は、これまた7曲目に似たタイプのバックのピアノがとても美しいメロディアスなバラード・ナンバーで、聴きものです。
特にバックのギター・ソロは最高で、プレイはおそらくMichael Landauだと思います。
ラストの10曲目"Beyond The Edge"は同タイトルの映画で使用されたナンバーで、これまたロック色の強いナンバーです。
このアルバムが他のDan Fogelbergのアルバムと雰囲気が違うのは、エレクトリック色が強いからだと思います。
それでも魅力的なナンバーばかりが収められており、いわゆるシンガー・ソングライター的なDan Fogelbergのアルバムが多い中で最もAORらしいアルバムだと私は思います。
2009-10-06
Gerald Alston / Open Invitation (1990)

発表されたアルバムを見ていただいて判るとおり、The Manhattansの黄金期のヴォーカリストでした。
この間、1976年に"Kiss and Say Goodbye"が全米1位を記録したほか、"Shining Star"、"I'll Never Find Another (Find Another Like You)"、"Just One Moment Away"、"Forever By Your Side"、"Am I Losing You"などのヒットを飛ばし、The Manhattansの看板ヴォーカリストとして活躍しました。
その後、ソロ・アーティストとして、Gerald Alston (1987)、Open Invitation (1990)、Always In The Mood (1992)、First Class Only (1993)、Sings Sam Cooke (2008)と5枚のソロ・アルバムを出しております。
本日紹介するアルバムは彼の2ndアルバム"Open Invitation"です。
そのサウンドは、まさにThe Manhattansに通じる本物のソウル、ブラック・コンテンポラリー・ミュージックです。
これでもか、と迫るGeraldのソウル・フィーリング溢れたヴォーカル・ナンバーばかりが収められた最高の1枚に仕上がっております。
1曲目の"Slow Motion"は最高にいかしたメロディアスなブラコン・ナンバーで、囁きかけるGeraldのヴォーカルから始まるナンバーです。
ホント、蕩けそうなバラード・ナンバーです。
曲全体も素晴らしく、申し分ありません。
2曲目の"Getting Back Into Love"はJimmy Varnerのピアノがいかした、これもミディアム・スロウの蕩けそうなメロディアスなナンバーです。
バックの女性コーラスがそそります。
3曲目"Don't You Know How I Feel"はGerald Albrightの切そうなサックスから始まるナンバーで、これまた本当にいかした1曲です。
4曲目の"I'll Go Crazy"は軽めでポップな感じのナンバーです。
Geraldのヴォーカルも軽めですが、ソウルしております。
5曲目の"Never Give Up"はGeraldのファルセットっぽいヴォーカルが素敵なメロディアスなナンバーで、ここでもバックの女性コーラスとてもいかしております。
また、Jeff Porcaroのドラムスとソロではありませんが、Paul Jackson,Jr.のギターもいかしてます。
6曲目の"Tell Me This Night Won't End"はBrenda Russellとのデュエット・ナンバーで、とてもメロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
黒人の男性と女性のデュエット・ナンバーって、どうして素晴らしいナンバーが多いのでしょうね。
このナンバーでもドラムスはJeff Porcaroが、そしてSteve Lukatherが官能的なギター・ソロを聴かせてくれております。
7曲目の"Open Invitation"は打ち込み主体のファンキーなナンバーですが、Gerald Albrightのサックスが良い味を出しております。
どことなく感じが、Delegationの"Eau De Vie"に入っていても違和感がない都会的なメロウなファンク・ミュージックです。
8曲目の"Still In Love"も都会的でメロウなブラック・コンテンポラリー・ミュージックといった感じのナンバーでお勧めです。
ラストの9曲目"Any Day Now"も打ち込み主体のナンバーですが、メロディアスでポップで曲自体というかメロディの出来が良いの全く気になりません。
シングル・カット向きのホントPOPなナンバーです。
捨て曲が殆ど無い強力な1枚で、ブラコン・ファン、AORファンにお勧めの1枚です。
2009-10-05
Anointed / Under The Influence (1996)

市内のGEOで100円で手に入れたものですが、購入のきっかけは、レコード・レーベルでした。
CCMの有名レーベルのWORD Music (Myrrh Records)だったからです。
これが期待した以上の出来でした。
それほどR&B色は強くなく、ほぼAORした内容で、曲の出来もそこそこでしたので、100円はお買い得でしたね。
このAnointedは私は初めてでしたが、1993年に"Spiritual Love Affair"でアルバム・デビューし、The Call (1995)、Under The Influence (1996)、Anointed (1999)、If We Pray (2001)、The Best Of Anointed (2003)、Now Is The Time (2005)とスタジオ・アルバム6枚とベスト・アルバムを1枚出しているんですね。
この"Under The Influence"は彼らの3rdアルバムですが、最も売れたのが2ndの"The Call"らしいです。
それでも、この"Under The Influence"ですが、冒頭にも書いたとおりR&B色はそれほどではなく、メロディアスなバラード風ナンバーが多く収められてAORアルバムとなっております。
メンバーは、当初、Steve Crawford、Da'dra Crawford-Greathouse、Mary Tiller-Woods、Nissi Walls-Allenの4人の男性1人、女性3人の黒人ヴォーカル・グループとして結成されたようですが、この3rdでは、Mary Tiller-Woodsが既に抜けたようです。
タイトル・ナンバーの1曲目"Under The Influence"はシングル・カットされたナンバーらしく、アコースティカルでメロディアスなAORナンバーです。
3人によるソロやコーラスがとても素敵なナンバーで、バックのサウンドもとても良いです。
2曲目の"Waiting In The Wings"はChristopher Crossが書きそうなメロディアスなAORナンバーに仕上がっており、Goodです。
3曲目の"Adore You"でのメイン・ヴォーカルはSteve Crawfordが執っておりますが、これがまた素晴らしい出来のメロディアスなバラード風のAORナンバーなんですね。
これは聴きものです。
4曲目の"Get Ready"はDa'dra Crawford-GreathouseとNissi Walls-Allenのどちらがリードを執っているか判りませんが、少しばかりファンキーなサウンドにピッタリのヴォーカルですし、もちろん歌は上手いです。
5曲目の"Take Me Back"はバックのピアノとストリングスが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
バックのDann Huffのギターのトーンも素晴らしいですね。
Dann Huffのハードなギター・プレイも良いですが、こんなソフトな感じのプレイもいかしてますね。
6曲目の"Do"もコーラス・ワークがいかしたメロディアスなナンバーです。
7曲目の"Answer To My Prayer"は、これまたメロディアスなバラード・ナンバーで、出来も素晴らしいです。
バックの音もかなり良いです。
8曲目の"Walking In The Light"ももろAORしたナンバーです。
とにかく3人によるソロ、コーラスが最高に素敵です。
バックのギターにはDann Huffも参加しているようですが、ギターの音、とてもカッコ良いです。
9曲目の"Come Unto Me"はSteve Crawfordのファルセットとバックの2人のコーラスが素敵なゴスペル風のメロディアスなナンバーです。
10曲目の"Us"はアカペラ風のコーラスがいかしたこれまたメロディアスなナンバーです。
ホント、この人たちのコーラスって最高です。
ラストの"Under The Influence"は、ギタリストをDann Huffに変えての1曲目のミックス違いのナンバーです。
ギターが違うだけで、かなり雰囲気も変わります。
1曲目よりファンキーさが増した感じで、出来は最高です。
ブラコンのファンよりもAORファンにお勧めの1枚だと思います。
それもかなりお勧めの。
2009-10-04
Sally Moore / Sally Moore (1990)

プロデュースは、Marty Paich & David Paich、Ross Vannelli、Peter Bunetta & Rick ChudacoffとFreddie Washingtonで、参加ミュージシャンは、David Paich、Jeff Porcaro、Dean Parks、Dann Huff、Steve Porcaro、Abe Loboriel、Neil Stubenhaus、Lenny Castro、Lee Ritenour、John Robinson、Pat Kelly、Paulinho Da Costa、Robbie Buchanan、Leslie Smith、Siedah Garrett、Marilyn Scottなどです。
もうこれらのメンツを見ただけで音も想像出来るというもの。
1曲目の"My Heart Has A Mind Of It's Own"はMarty Paich & David Paichのプロデュースによるメロディアスなスロウ・バラードです。
彼女のヴォーカルも聴きやすく、歌もまあまあです。
とにかくバックの音が良いですね。
2曲目の"Saving The Best For You"はRoss Vannelliにペンによるナンバーで、プロデュースもRoss Vannelliが担当しております。
これまたミディアム・テンポのメロディアスなAORナンバーです。
John Robinsonのドラムスとソロを執っているわけではありませんがLee Ritenourのギターがとても良いです。
3曲目の"Lucky Break"はPeter Bunetta & Rick Chudacoffのプロデュースによるナンバーです。
このナンバーもメロディアスなAORのど真ん中のナンバーです。
Doug Norwineのサックス・プレイがとてもいかしてます。
4曲目の"What Are You Waiting For?"はTom Snow & Melissa Manchesterのペンによるナンバーで、プロデュースはMarty Paich & David Paich。
これまたメロディアスなAORしたナンバーです。
David Paichのシンセが良い音を出しております。
5曲目の"Happy Together"は1967年にThe Turtlesがヒットさせたナンバーのカヴァーで、Peter Bunetta & Rick Chudacoffがプロデュースを担当しております。
AORしたアレンジがとても良いです。
6曲目の"The Way To Your Heart"もPeter Bunetta & Rick Chudacoffがプロデュースしたナンバーで、ポップ感覚溢れたアレンジが素敵です。
7曲目の"Easier Said Than Done"と8曲目の"One Love"はRoss Vannelliのペンによるナンバーで、プロデュースもRoss Vannelliが担当。
"Easier Said Than Done"も"One Love"もメロディアスなバラード・ナンバーですが、"One Love"でのDavid Woodfordのサックス・プレイはとてもいかしてます。
9曲目の"Hero"はPeter Bunetta & Rick Chudacoffがプロデュースしたナンバーです。
メロディアスなバラード・ナンバーで、Robbie BuchananのキーボードとDann Huffのギター・ソロが良い音を出しております。
ラストの10曲目"Love Is A Step Away"はFreddie Washingtonのプロデュース。
他のナンバーとは一味違う感じのポップでファンキーなナンバーです。
でも、出来はまあまあです。
このアルバム、実は手に入れるまで私も知らなかったアルバムなんですが、冒頭にも書いたとおりAORの隠れた1枚ではないでしょうか?
2009-10-03
Various Artists / Summer Sounds (1989)

タイトルは、「Summer Sounds (サマー・サウンズ)」。
それにしてもジャケットがめちゃくちゃダサいですね。
でも、収録されているナンバーは、珍しい音源が入っているわけじゃありませんが、結構選曲がまともというか、かなり良いですね。
Summer Soundsと言いながら全てが夏向けの曲か、というとその辺は?も。
収録ナンバーは、
01 Reminiscing / Little River Band
02 (Do I Figure) In Your Life / Paul Carrack
03 Crazy / Icehouse
04 Fine Time / Yazz
05 Sad Eyes / Robert John
06 True / Spandau Ballet
07 SUKIYAKI / A Taste Of Honey
08 Marc Anthony's Tune / Tyka Nelson
09 Missing You / John Waite
10 You Can Do Magic / America
11 Tell Me / Pages
12 Sharing The Night Together / Dr. Hook
とほぼバラード・ナンバーが収められております。
Icehouse、Yazz、Tyka Nelsonといったバンド・アーティストは、普段私が聴かないですが、このアルバムに収められているナンバーは、とてもAORチックなナンバーばかりで、結構気に入りましたね。
特に"Crazy"はメロディアスですし、曲自体の出来も素晴らしいですね。
"Marc Anthony's Tune"も初めて聴きましたが、とてもメロディアスなバラード・ナンバーでいかしてます。
それにしてもLittle River Bandの"Reminiscing"はアルバム"Sleeper Catcher"に収められていたナンバーで、久しぶりに聴きましたが、良い曲は色褪せないですね。
Paul Carrackの"(Do I Figure) In Your Life"なんかも情感溢れるPaulのヴォーカルが最高のメロディアスなバラード・ナンバーです。
Robert Johnの"Sad Eyes"は1979年の大ヒットナンバーで全米1位を記録しております。
Robert Johnの魅力はあのファルセット・ヴォイスですね。
それにしても、1979年の"Robert John"、1980年の"Back on the Street"をCD化して欲しいですね。
Spandau Balletの"True"、この曲には思い出がいっぱい詰まってます。
Americaはデビュー当時の"Horse With No Name"がヒットした頃より、この"You Can Do Magic"がヒットした時代の方が好きですね。
Pagesの"Tell Me"も本当に良く聴きましたっけ。
Dr. Hookについては、この"Sharing The Night Together"よりも"Sexy Eyes"の方が夏向きだと思いますが。
このアルバムですが、今日、市内のGEOで100円で手に入れたものですが、それ以上の価値のある1枚だと思いますね。
選曲がとても良いです。
2009-10-02
Eddie DeGarmo / Phase II (1990)

ギタリスト・ヴォーカリストのDana Keyと組んで、DeGarmo & Key名義で、1978年に"This Time Thru"というアルバムでデビューし、2003年までの間ベスト・アルバムやライヴ・アルバムを含め18枚ものアルバムを発表しております。
サウンド・スタイルはいわゆる産業ロック・ハードポップですが、90年以降のアルバムは今でもそこそこの価格で手に入れることができますが、それ以前のものはかなりのレア盤となっております。
そのDeGarm & Keyの片割れ、Eddie DeGarmoが1990年に発表した2ndアルバムが、本日紹介する"Phase II"です。
サウンドはAORで、バッキング・ヴォーカルとして、Russ Taff、Michael English、Mark Farner (ex: Grand Funk)などのCCM系のアーティストなどが参加しております。
1曲目の"Fragile Heart"は軽い感じのメロディアスなナンバーで、AORファン納得の出来もかなり良いナンバーです。
2曲目の"Can't Stand Still"はポップな感じのバックのプレイがいかしたAORナンバーです。
3曲目の"My Way Home"はバックのピアノが印象的なメロディアスなバラード・ナンバーで、結構盛り上がりもあります。
お勧めです。
4曲目の"Phase II"はバックの音も若干ハードなポップロックのナンバーです。
5曲目の"There's Something About That Name"はメロディアスなバラード・ナンバーですが、タイトルから判るように"Jesus"の連呼でちょっと閉口してしまいますね。
CCMだから仕方がないですかね。
6曲目の"Prayed For A Woman Like You"はメロディアスなミディアム・テンポのナンバーで、バックの音やメロディも良く、曲全体の出来がとても素晴らしいと思います。
7曲目の"Make It Count"はメロディアス度はイマイチといったナンバーです。
8曲目の"Profession Of Faith"はミディアム・テンポのポップロックしたナンバーです。
バックのサックスはかなり良いのですが。
9曲目の"Shoreline"もメロディアスで良く出来たAORナンバーです。
10曲目の"Forgive Me For Doubting You"はスロウなバラード・ナンバーです。
ラストの11曲目"Beyond The Tears"はEddie DeGarmoのピアノの弾き語りのナンバーで、荘厳な感じのゴスペル・ナンバーと言えばよいのでしょうか。
曲の出来にバラツキはあるもののAORアルバムとしてはまあまあだと思います。