2009-11-30
Under Suspicion / Under Suspicion (2001)

バンドのメンバーは、Jeff Adams : Vocals, Bass、Peter Roberts: Guitars, Keyboards、Klay Shroedel : Drums,Keyboards, Pianoの3人で、Kip WingerとMickey Thomasがヴォーカルで参加しております。
ということで、サウンドの方も想像のとおり、メロディック・ロック、ハードポップのアルバムとなっております。
1曲目の"Welcome To My Life"はアルバムの中でも結構ハードなナンバーですが、メロディアス度は高くアルバムの最初のナンバーとして、かなり期待させてくれる、そんなナンバーです。
2曲目の"Love Without A Net"もハードにドライヴィングしたナンバーです。
途中のギターソロとサビの部分がとても良いです。
3曲目の"End Of The Game"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、Kip Wingerがデュエットで参加しております。
出来もそこそこです。
4曲目の"Come Tomorrow"がこのアルバムのハイライトと言って良いと思います。
メロディアスな哀愁のハードポップといった趣のナンバーで、フックに満ちております。
これはお勧めです。
5曲目の"Hold On"はバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーで、結構盛り上がりもあります。
このナンバーもお勧めですね。
6曲目の"Just Your God"はキレがあってカッコ良いギターのリフが印象的なメロディック・ロックのナンバーです。
7曲目の"Fly"もフックに満ちたメロディアスなハードポップのナンバーで、Mickey Thomasがヴォーカルで参加しております。
8曲目の"Destination Unknown"もメロディアスなナンバーでフックもそこそこありますし、何といってもポップです。
9曲目の"I Will Live"はこれまたピアノをバックに始まるメロディアスなバラード・ナンバーで、これがかなり素晴らしい出来で、もう言うことありませんね。
途中のギター・ソロも泣いていて、お勧めです。
10曲目の"Traveler Of Time"はミディアム・テンポのナンバーながらとてもロックしたナンバーです。
ギター・ソロもカッコ良いです。
ラストの11曲目"Keep It All"はファンキーな感じのロック・ナンバーです。
このナンバーでも、ギターの音がとてもカッコ良いです。
メロディック・ロックのアルバムとしては軽く平均点を超えていると思います。
Under Suspicionですが、結局この1枚で終わってしまったようです。
2枚目を期待していたのですが。
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2009-11-29
Clark Kent / Reloaded (2009)

これが非常に良く出来たアルバムなんですね。
ドイツ産でありながらアメリカン・ウエスト・コーストを感じさせるメロディアスなハードポップ・AORな感じのサウンドです。
例えば、Channel 5やTime Galleryといったバンドを連想させてくれます。
全体的には軽めのサウンドのハードポップですが、その中で、1曲目の"Turn On The Radio"は若干ハードな音作りのギター・オリエンティドした産業ロック風のカッコ良いナンバーです。
お勧めは2曲目の"Precious Little Paerl"で、とてもメロディアスで良く出来たAORナンバーに仕上がっております。
とても洒落たナンバーで、ギターのカッティングなんかもう最高です。
この曲を聴いて、一発でこのClark Kentにいかれてしまいました。
3曲目の"Somewhere (Someone Is Crying)"もメロディアスなナンバーで、もうこれは完全にAORしております。
ヴォーカルも上手いですし、バックの音がとても心地良く、Clark KentはやはりSupermanだということでしょうか。
4曲目の"Miss You So"なんか聴いているとアメリカ産ウエストコーストしたポップ・ナンバーで、このバンドがドイツ産とは想像しがたいです。
Breakfast Clubの"Never Be The Same"みたいな軽いサウンドのナンバーです。
なんの予備知識がなければ、皆さんアメリカ産のバンドだと思うでしょうね。
5曲目の"Living Dust"もメロディアスなハードポップ・ナンバーで、これもお勧めです。
なんかClark Kentのサウンドって雰囲気があるんですね。
6曲目の"Children Of The Night"はメロディアスなバラード風のAORナンバーです。
7曲目以降は今回のCD化でボーナストラックとして追加されたナンバーです。
7曲目の"Siberia"は1988年のライヴからの1曲で、メロディアスなAORナンバーに仕上がっております。
彼らの魅力は、おそらくヴォーカルとギター・プレイなんだと思います。
とにかくギターのカッティングは最高です。
8曲目の"Keep On Fly Away"は1993年の録音で、これも良く出来たAORナンバーに仕上がっております。
相変わらずバックのギターはカッコ良いです。
9曲目の"Wasted Time"は1983年の録音ですが、初代ヴぉーカリストによるナンバーですが(ヴォーカルとしては8曲目までのヴォーカリストの方が良いと思います)、バックのピアノが印象的なAORナンバーです。
ラストの10曲目"Believin' My Eyes"も1983年の録音で、これも9曲目に似たタイプのナンバーで、ほぼAORしております。
このClark Kentの"Reloaded"ですが、限定プレスのようです。
とても良く出来たハードポップ・AORのアルバムですのでご興味のある方は早めに手に入れた方が良いと思いますね。
なくなればレア化必至だと思います。
2009-11-28
Linda Ronstadt / Mad Love (1980)

今までベスト・アルバムのVol.1とVol.2、それと4枚組のボックス・セットのみの所有でしたが、AmazonやHMVを覗くと各オリジナル・アルバムが1000円未満で買える(中にはレア化しているアルバムもありますが)ということで、何枚か纏め買いしました。
初期の頃はどことなくカントリーしていて私の好みか?というとそうでも無いのもありますが、1977年の"Simple Dreams"辺りからAORらしくなり、リアル・タイムではこのアルバムから聴き始めました。
翌年の9thアルバム"Living in the USA"は結構聴き込んだアルバムでした。
彼女のアルバムで最も売れたのが、"Simple Dreams"ですが、私が最も好きなアルバムが本日紹介する1980年の"Mad Love"です。
このアルバムもビルボード200で2位にランクインするヒットしたアルバムです。
このアルバムでは、特にElvis Costelloのペンによる"Party Girl"、"Girls Talk"、"Talking In The Dark"の3曲が良いです。
Elvis Costelloの作品は前作"Living in the USA"で彼の大ヒット・ナンバーの"Alison"をカヴァーしておりましたが、これがベスト・マッチな出来でとても気に入っておりました。
また、このアルバムでは、Waddy Wachtel、Danny Kortchmarといったいつもギタリストのほかに当時The Cretonesを率いていたMark Goldenbergが参加しております。
The Cretonesもいわゆるニュー・ウェーヴ・タイプのバンドでしたし、Elvis Costelloのナンバーなんかも取り上げていたので、最初聴いた印象は若干ニュー・ウェーヴっぽいなとも感じましたが、聴き込むとこれがとてもポップな仕上がりのアルバムだったということが気に入っていた理由なんです。
1曲目の"Mad Love"はMark Goldenbergのペンによるナンバーで、ポップな仕上がりのロック・ナンバーでとてもカッコ良いナンバーです。
バックのギターはMark Goldenbergだと思いますか、これが結構音がきれていて良いんですね。
2曲目の"Party Girl"はElvis Costelloのナンバー。
私は初期の頃のCostelloが結構好きで、特に前作でカヴァーした"Alison"は最高に良く出来たバラード・ナンバーでしたが、この"Party Girl"もその路線のナンバーで、Lindaのヴァージョンもとても素敵です。
3曲目の"How Do I Make You"はBilly Steinbergのペンによるナンバーです。
Billy Steinbergは皆さんご存じのとおりTom Kellyとi-TenというAOR・産業ロックのプロジェクトを組んでいた人で、色々なミュージシャンに曲を提供しており、有名なところでは、Madonnaの"Like A Virgin"、Cyndi Lauperの"True Colors"などがあります。
この"How Do I Make You"もバックの音が結構ハードポップした音作りになっていてカッコ良いです。
4曲目の"I Can't Let Go"もとてもポップなナンバーでいかしております。
途中のギター・ソロは最高ですね。
5曲目の"Hurt So Bad"はメロディアスなバラード・ナンバーでAORしております。
このナンバーでもギター・ソロ、良いですねえ。
6曲目の"Look Out For My Love"はNeil Youngのカヴァー。
これも良く出来たAORナンバーに仕上がっております。
7曲目の"Cost Of Love"もMark Goldenbergのペンによるナンバーで、メロディアスでポップです。
8曲目の"Justine"も同じくMark Goldenbergのナンバー。
若干ニュー・ウェーヴの香りもするナンバーですが、結構出来も良いです。
9曲目の"Girls Talk"とラストの10曲目"Talking In The Dark"はもちろんElvis Costelloのナンバーです。
これら2曲とも、ポップでとても良く出来たナンバーです。
最近のLinda Ronstadtは殆ど聴きませんが、70年代、80年代の頃のLindaが最も輝いていましたね。
2009-11-27
Pete Carr / Not A Word On It (1976)

紹介したCDは、オフィシャルではなく、Pete Carrのウェッブ・サイトで購入したもので、ジャケットもオリジナル・デザインと違いましたしパソコンで印刷した粗末なものでしたし、盤もCD-Rでしたが、とりあえずCDで聴けるということが嬉しかったわけですが、そのPete Carrの"MULTIPLE FLASH"と本日紹介する1976年の1stアルバム"Not A Word On It"が来年1月にWounded Bird RecordsからオフィシャルCD化されるというアナウンスがありました。
LeBlanc & Carrの"Midnight Light"やThe LeBlanc-Carr Bandの"Live From The Atlantic Studios"がWounded Bird RecordsからCD化されましたので、若干の期待はしてましたが、本当にCD化されるなんて、とても嬉しいです。
特に"MULTIPLE FLASH"は、"Someday We Will"という最高のインストのバラード・ナンバーでしたし、タイトル・トラックの"Multiple Flash"はホントいかしたクロスオヴァーしたナンバーでした。
本日紹介します"Not A Word On It"もギター・インストのアルバムです。
参加ミュージシャンは、Pete Carr (G)、Roger Clark (Ds)、Tim Henson (Keys, Synths)、Chuck Leavell (Keys, Organ)、Clayton Ivey (Keys)、Tom Roady (Perc)、Lenny Le Blanc (B)、Harvey Thompson (Sax)とマッスルショールズのスタジオ・ミュージシャンが脇を固めています。
1曲目の"Tuscumbian Lover"は"Someday We Will"に似たメロディアスなバラードから始まるインスト・ナンバーで、途中から曲調がファンキーに転調しますが、これはかなりお勧めです。
2曲目の"Foxfire"は多分のクロスオヴァーしたファンキーでジャジーなナンバーです。
3曲目の"Journey With The Breeze"はカリプソ風の南国気分を満喫出来る、そんなナンバーです。
4曲目の"On Lucifer's Knee"は2曲目に似たファンキーなフュージョン・インストです。
好きですね、このナンバーは。
5曲目の"Theme From Sparkle"はChuck Leavellのオルガンがカッコ良いブギ調のロック・ナンバーに仕上がっており、全体的にファンキーです。
6曲目の"Trapped In A Bubble"はPete Carrのギターのトーンとバックのキーボードがいかしたフュージョン・インストです。
Harvey Thompsonのサックスはとてもファンキーです。
7曲目の"Broken Stone"もブギー調のロックンロールしたインストでカッコ良いです。
8曲目の"Race Of The Computers"も当時のフュージョン・インストといった感じのナンバーです。
ラストの9曲目"Twisted Her"もタイトルから連想されるとおりのファンキーな1曲です。
なお、紹介したジャケットはオリジナルではありません。
このジャケットはPete Carrのウェッブ・サイトで売っているものです。
まあ、出来としては"MULTIPLE FLASH"の方が良いですが、ギター・インストのフュージョン・ミュージックのファンにはお勧めです。
2009-11-26
Various Artists / All This And World War II (2 CD) (1976)

Hip-O Selectレーベルから2007年にCD化されたようです。
この"All This And World War II"は1976年に上演されたミュージカル映画"All This and World War II"のサウンド・トラック・アルバムとして同年に2枚組のボックス・レコードとして発表されたものです。
私は映画は見たことはありませんが、全曲The Beatlesのナンバーで構成され色々なミュージシャンが演奏しているということで、当時アナログ・レコードを購入しました(今も持っていますが)。
同じようにThe Beatlesのナンバーを色々なミュージシャンが演奏しているアルバムとして、これもミュージカル映画ですが、The Bee GeesやPeter Framptonが出ていた"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1978 Film)"というアルバムもありましたっけ。
この"All This And World War II"には以下のナンバーとミュージシャン・バンドが参加しております。
All songs by Lennon/McCartney.
01 Ambrosia - "Magical Mystery Tour" -3:52
02 Elton John - "Lucy in the Sky with Diamonds" -6:15
Features John Lennon (under the pseudonym "Dr. Winston O'Boogie") on lead guitar &
back ing vocals. The recording had previously been released as a single in 1974.
03 The Bee Gees - "Golden Slumbers/Carry That Weight" -3:17
04 Leo Sayer - "I Am The Walrus" -3:49
05 Bryan Ferry - "She's Leaving Home" -3:07
06 Roy Wood - "Lovely Rita" -1:13
07 Keith Moon - "When I'm Sixty-Four" -2:36
08 Rod Stewart - "Get Back" -4:24
09 Leo Sayer - "Let It Be" -3:43
10 David Essex - "Yesterday" -2:44
11 Jeff Lynne "With a Little Help from My Friends/Nowhere Man" -6:56
12 Lynsey De Paul - "Because" -3:24
13 The Bee Gees - "She Came In Through The Bathroom Window" -1:54
14 Richard Cocciante - "Michelle" -4:00
15 The Four Seasons - "We Can Work It Out" -2:39
16 Helen Reddy - "The Fool On The Hill" -3:37
17 Frankie Laine - "Maxwell's Silver Hammer" -3:27
18 The Brothers Johnson - "Hey Jude" -4:58
19 Roy Wood - "Polythene Pam" -1:30
20 The Bee Gees - "Sun King" -2:03
21 Status Quo - "Getting Better" -2:19
22 Leo Sayer - "The Long and Winding Road" -4:47
23 Henry Gross - "Help!" -3:07
24 Peter Gabriel - "Strawberry Fields Forever" -2:30
25 Frankie Valli - "A Day in the Life" -4:04
26 Tina Turner - "Come Together" -4:08
27 Will Malone & Lou Reizner - "You Never Give Me Your Money" -3:04
28 The London Symphony Orchestra - "The End" -2:26
The Bee Geesは"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1978 Film)"にも出演してましたが、The Beatlesと同時期に活躍したバンドでもThe Beatlesの存在というのは特別なんでしょうね。
"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1978 Film)"では、Earth, Wind & Fireによる"Got to Get You into My Life"がかなり話題になりましたが、この"All This And World War II"では、Elton Johnによる"Lucy In The Sky With Diamonds"が1974年に先行してシングルとして発表されていたほか、Rod Stewartの"Get Back"は自身のアルバムでも演っていましたし、Peter Gabrielによる"Strawberry Fields Forever"はこれがかなりの出来でさすがという感じで、このナンバーは後にGenesisでも取り上げております。
また、Bryan Ferryは過去に"It's Only Love"なんかをカヴァーしておりましたが、このアルバムでは、"She's Leaving Home"を取り上げており、これがまた良く嵌っているんですね。
Leo Sayerがこのアルバムで数曲カヴァーしておりますが、"Let It Be"などのバラード・ナンバーでは本領発揮と言えますが、"I Am The Walrus"のカヴァーはちょっといただけないなあ。このナンバーのカヴァーであればロック寄りのバンド・アーティストじゃなきゃ。
あと、さすがJeff Lynneと言えるのが"With a Little Help from My Friends/Nowhere Man"でしょうか。
さらにTina Turnerの"Come Together"も嵌ってます。
The Beatlesをカヴァーしたバンドとして珍しいところでは、Ambrosiaの"Magical Mystery Tour"(このナンバーのカヴァーで有名なものでは、Cheap Trick辺りでしょうか)、Lynsey De Paulの"Because"はまあまあですし、Helen Reddyの"The Fool On The Hill"はさすがです。
Status Quoの"Getting Better"は悪くないですが、彼らであれば"Revolution"をカヴァーした方が良かったのでは?
この"All This And World War II"や"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1978 Film)"以外にもThe Beatlesのカヴァー・アルバムや各ミュージシャンのアルバムでのカヴァーなんかがかなりありますが、同じナンバーを色々なミュージシャン・バンドが演っているのを聴き比べてみるのも結構楽しいと思います。
2009-11-25
Gerald Albright / Dream Come True (1990)

ところが初めてアルバムを聴いて、サックス・プレイヤーによるフュージョン・アルバムだったということが判りました(ジャケット写真に写るGeraldがサックスを手にしていればもちろんそういう誤解はあり得ませんでしたし、実際に他のプレイヤーは殆ど自分が演奏する楽器を携えて写っているものが殆どです)。
で、調べてみると、このGerald氏、元々はピアノを演奏していたらしいのですが、ピアノの先生からサックスを譲り受けたことをきっかけに、サックスの方へシフトしていったそうです。
さらに、Louis Johnsonに痛く感銘し、大学生の特にベース・ギターも手にするようになりました。
卒業後、Patrice Rushenのグループにベーシストとして加わり、数多くのツアーもこなしたようで、当初はベース・プレイヤーとしてプロのキャリアをスタートさせました。
ところが、Patrice Rushenは、彼のサックス・プレイヤーとしての技量も高く買っていたようで、彼女のヒット曲"Forget Me Not"のバックではサックもを吹いております。
こうして、Geraldはサックス・プレイヤー、ベーシストの両方でスタジオ・ミュージシャンとして活動を展開していくこととなるわけですが、サックス・プレイの方が受けが良かったようで、サックス・プレイヤーにシフトしていったそうです。
スタジオ・ミュージシャンとしては、Phil Collinsを始め、Quincy JonesやAnita Baker、Olivia Newton-John、Temptations、Maurice White、Whitny Houston、Ray Parker,Jr.、Paul Jackson,Jr.など多数のアーティストのアルバムに参加しております。
そんなGerald Albrightの"Dream Come True"は1990年に発表された彼の3rdアルバムです。
もちろん、このアルバムではサックスはもちろん、ベースも彼が演奏しております。
全体的にファンキーでソウルフルな内容ですが、このアルバムを聴いて、Gerald Albrightって結構良いかもと思ったのは、1曲目の"My, My, My"を聴いてでした。
このナンバーは、Johnny Gillの90年のアルバム"Johnny Gill"に収められていたBabyfaceのペンによるナンバーですが、このGeraldのヴァージョンはミディアム・スロウの情感豊かなアルト・サックスが最高にいかしたメロディアスなナンバーに仕上がっており、とにかく素晴らしいナンバーです。もうこのナンバーだけでお釣りがくるというものです。
また、3曲目の"Say Yes"や5曲目の"Sweet Dreams"さらには7曲目の"Dream Come True"などのバラード・ナンバーではGeraldのハートフルでソウルフルなサックス・プレイはとても素晴らしいです。
さらにそれ以外のナンバーはファンキーに仕上がっており、こちらもソウルを感じます。
ラストの10曲目"Growing With Each Other"はヴォーカル入りナンバーで、ヴォーカルを執っているのはBe Be Winans (ex The Winans)でゴスペル調の盛り上がるナンバーです。
この"Dream Come True"ですが、とにかく1曲目の"My, My, My"を聴いてみろ!と言いたいですね。
2009-11-24
Blanc Faces / Falling From The Moon (2009)

AORやハードポップのファンの方はご存じのとおり、Brian & Robbie La Blancは1985年にFURY名義で同名タイトルのアルバムを発表しました。
その後、何の音沙汰もなく、2005年にBlanc Facesとして同名タイトルのアルバムを引っ提げて復活いたしました。
復活作第一弾の"Blanc Faces"もAORやハードポップ・ファンの期待を裏切りことなく、とても良く出来たメロディアスなハードポップ・アルバムでした。
この復活作第2弾の"Falling From The Moon"も前作と同じくらいいやそれ以上に良く出来た産業ロックのアルバムとなっております。
1曲目の"I Come Alive"はとてもいかしたメロディアスな産業ロック・ナンバーとなっております。
お勧めは2曲目のタイトル・ナンバー"Falling From The Moon"で、キャッチーでメロディアス、そしてフックに満ちたパワー・バラードしたハードポップのナンバーで、もう言うことがありません。
メロディ・マニアの方は要チェックのナンバーです。
3曲目の"I Swear To You"は哀愁度の高いメロディアスなハードポップ・ナンバーで、これもとてもいかしてます。
しかし、Brian & Robbie La Blanc兄弟ですが、曲作りがとても上手いので、この25年間でアルバムが3枚しか出していないというのは、ビックリですよね。
彼らのサウンドのファンだったらたくさんいると思いますが。
4曲目の"Everything"はバックのピアノがとても良いメロディアスなバラード・ナンバーです。
5曲目の"It's All About The Love"もポップで良く出来たAORナンバーです。
6曲目の"Goodbye Summer Goodbye"はミディアム・テンポのメロディアスなバラード風のナンバーです。
7曲目の"Deep In The Heart"はメロディアスなほぼAORしたナンバーで、哀愁度も高いです。
バックのギター・ソロは良いですね。
8曲目の"Don't Take It Away"はハードエッジしたギターの前奏から始まるナンバーですが、メロディアスでとても良く出来たハードポップ・・ナンバーです。
9曲目の"Like I Believe"もメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
10曲目の"Light Of The World"はRobbie La Blancのヴォーカルがとてもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
11曲目の"I Will"はこれまたとてもカッコ良い、ポップでメロディアスな産業ロックしたナンバーで、お勧めです。
ラストの12曲目"Fly"はバックのピアノがいかした盛り上がりのメロディアスなバラード・ナンバーで、とてもお勧めです。
この"Falling From The Moon"ですが、捨て曲が殆ど無い強力な1枚です。
ハードポップ、産業ロックのファンの方は必聴のアルバムだと思いますね。
2009-11-23
Affinity / Affinity (1970)

ジャケット・デザインに惹かれ購入した1枚。
Affinityのスタートは65年にまで遡り、前身バンドとなるTHE JAZZ TRIO、RUSSELL’S CLUMP、ICEそして、Affinityとグループ名を改名してからも、インストゥルメンタル・ナンバーを中心に演奏していた第一期、Linda Hoyle嬢がリード・ヴォーカルとして加入した第二期、Linda Hoyleが脱退、新たにVivienne Jill McAuliffeを新ボーカリストに迎えての第三期と、大きく3つに大別できます。
本作は、Linda Hoyleがヴォーカルを担当する第二期のアルバムで、そのサウンドはサイケデリックなプログレ風と言えると思います。
ジャケットのデザインはKeefというデザイナーですが、ご覧のとおり色使いや構図などかなりいかしており、このジャケットにつられて直ぐにレジへ、となりました。
このアルバムには全15曲が収められておりますが、アルバム・オリジナルの7曲に8曲のボーナストラックが追加されております。
モロ70年代前半のブリティッシュ・ロックしたアルバムで、音には若干古さも感じますが、オルガンを主体とするサウンドはとてもサイケデリックでいかしてます。
収録ナンバーは、
01 I Am And So Are You
02 Night Flight
03 I Wonder If I'll Care As Much
04 Mr. Joy
05 Three Sisters
06 Coconut Grove
07 All Along The Watchtower
08 Eli's Coming
09 United State Of Mind
10 Yes Man
11 If You Live
12 I Am The Walrus
13 You Met Your Match
14 Long Voyage
15 Little Lonely Man
となっております。
ご覧の通りカヴァー・ナンバーが結構収められております。
03はEverly Brothersのカヴァーですが、サイケデリックなアレンジが癖になりそうです。
06はJohn Sebastianのナンバーですが、アコースティカルなバラード・ナンバーに仕上がっております。
07はもちろんBob Dylanのカヴァーです。軽めのアレンジがイマイチか。このナンバーのカヴァーはやはりJimi Hendrixでしょうか。
08以降がボーナス・トラックですが、08はもちろんLaula Nyroのカヴァーです。このナンバーもThree Dog Nightなんかがカヴァーしておりますが、このAffinityのヴァージョンは少しアップテンポのアレンジで、出来はそこそこです。
10は彼らのオリジナルですが、異国情緒感たっぷりのインスト中心のナンバーですが、演奏がとても素晴らしいです。レベルも高いです。
11はジャジーな感じがとても良いです。
12はもちろんThe Beatlesのあのナンバーのカヴァー。このナンバーに関してはどのバンドもオリジナルを超えるということは無いと断言出来るナンバーですが、勝負はどれだけオリジナルを理解してプレイしているか、ということだと思います。このAffinityのヴァージョンもかなりサイケな出来あがりで、合格点は挙げれるかな?
13はStevie Wonderのカヴァー。14はCarol Kingのカヴァー。何れもアレンジがサイケです。
70年代ロックが好きな方にはお勧めですが。
このアルバムですが、最近日本国内ではエアメール・レコーディングズが過去音源などを含め紙ジャケ5枚組のボックス・セットを出しましたが、これはあくまでコレクターズ・アイテムといったところでしょう。
私は結構聴けますが、とにかくジャケットに惹かれました。
2009-11-22
Paul Davis / A Little Bit Of Soap (1970)

Paul Davisといえば"I Go Crazy"と言われますように、1977年の5thアルバム"Singer of Songs: Teller of Tales"からのシングルですが、この"I Go Crazy"はBillboard Hot 100では最高位7位で、実に40週間もランクインしていたナンバーだとか。
しかしながら最も上位にランクしたのが1981年の次作"Cool Night"に収められていた"'65 Love Affair"で6位となっております。
でも、同じアルバムに収められているタイトル・ナンバーの"Cool Night"は全米11位でしたが、ACチャートでは2位を記録(ACチャートでは、Paul Davisのナンバーでは最高位)しております。
"Cool Night"を発表して以降オリジナル・アルバムを発表しておりませんが、1986年にMarie Osmondとのデュエットで"You're Still New to Me"を、1988年にはTanya TuckerとPaul Overstreetと一緒に"I Won't Take Less Than Your Love"というカントリー・ナンバーを発表し、何れもカントリー・チャートで1位を記録しております。
その後は、全く音信が途絶えておりましたが、残念ながら昨年4月に心臓病で帰らぬ人となりました。
Paul Davisと言えば初期はいわゆるカントリー畑の人という印象が強いですし、"Cool Night"以降はDan Sealsと一緒に活動するなどカントリー・フィールドに戻っておりますが、"Singer of Songs: Teller of Tales" (1977) や"Paul Davis" (1980)さらに"Cool Night" (1981) はAORファンから高い支持を得たアルバムでした。
特に"Singer of Songs: Teller of Tales"の収録ナンバー"I Go Crazy"は田中康夫氏の「なんとなくクリスタル」で取り上げられ、この日本でも大ヒットしたナンバーです。
本日紹介する"A Little Bit of Paul Davis"は1970年に発表された1stアルバムです。
実はこのアルバムを聴くのは今回が初めてでした。
私も"Singer of Songs: Teller of Tales"から彼のアルバムを聴いておりましたが、以前のアルバムはノー・チェック状態で、いざ聴こうとしたら、既にそれ以前のアルバムも廃盤となっておりました。
ですから、今回のCD化でちょっと聴いてみようかなと思い、とりあえずNigel Olssonもカヴァーした"A Little Bit of Soap"が収録されているということで、この1stを購入してみました。
初期のPaul Davisはカントリーということでちょっと心配しましたが、この1stアルバム、殆どカントリー臭はなく、良く出来たAORアルバムに仕上がっております。
今回のCD化では、この1stと5thアルバムの"Singer of Songs: Teller of Tales"の2枚だけの購入でしたが、1stを聴く限りでは、1974年の3rdアルバム"Ride 'Em Cowboy"や1976年の"Southern Tracks & Fantasies"も聴いてみようかなと思いますが、ジャケットがモロにカントリー風なので少し躊躇っております。
また今回のCD化では、1972年の2ndアルバム"Paul Davis"だけが未CD化となっておりますが、これはどういう訳なんでしょうね。
で、この1stですが、ボーナス・トラック2曲が追加され全12曲が収められております。
1曲目の"I Just Wanna Keep It Together"は軽快な感じのポップなAORしたナンバーで結構いけます。
2曲目の"Supernatural Power"はバックの女性のコーラスがいかしたファンキー・タッチのナンバーです。
3曲目の"If I Wuz A Musician"もポップに仕上がったAORナンバーです。
4曲目の"Pollyanna"はとてもお勧めのメロディアスで軽い感じのナンバーで、もうAORですね。
5曲目の"Sally's Sayin' Somethin''もファンキーながらメロディがいかした軽くロックンロールしたナンバーでお勧めですね。
6曲目の"A Little Bit Of Soap"は冒頭にも書きましたがAORファンからはNigel Olssonのカヴァーの方が有名なナンバーです。
まあ、出来としてもNigel Olssonの方が良いかも。
7曲目の"Mississippi River"がこのアルバムの中で最もカントリー臭いと言えるナンバーですが、それとてほのかに香る程度です。
8曲目の"Who's Gonna Love Me Tomorrow"はストリングスが効いたメロディアスなバラード・ナンバーで、かなりいかしてます。
9曲目の"Rainy Sunday Mornin"もポップなナンバーです。
10曲目の"Three Little Words"もメロディアスなAORしたナンバーです。
11曲目"When My Little Girl Is Smiling"と12曲目"I Feel I Better"はボーナス・トラックとして追加されたナンバーで、どちらもポップに仕上がっております。
私と同じようにカントリー臭さが心配でまだ手に入れていないAORファンの「貴方」、ほぼAORしておりますので、是非聴いてみてはいかがでしょうか?
2009-11-21
Tane Cain / Tane Cain (1983)

なお、1984年には、アーノルド・シュワルツネッガー主演の映画「ターミネーター」のサントラで、Tahnee Cain & Tryanglz名義で"You Can't Do That"を、1989年にはDouble Take名義で"Soakin' Wet"という12インチ・シングルを出しているようです。
さすが女優ということもあり、ジャケットを見ても判るとおりかなりの美人です。
女優としてのキャリアを見ると、1986年の"Crawlspace"が始まりみたいですので、歌手から女優に転向したということでしょうか。
それ以来30本弱の映画に出演しているようです。
本日紹介する"Tane Cain"は、アルバム自体はBillboard Pop Albums chartで121位が最高位でしたが、収録ナンバーの "Danger Zone" はチャートインしなかったものの2ndシングルとして発表した"Holdin' On"は、Billboard Hot 100で37位とヒットしました。
全体的には、プロデューサーがKeith Olssenと同じということもあって、フランス人女性ヴォーカリストSHEILAが1981年に発表した"Little Darlin'"に近いサウンドで、若干ハードなAORといった感じで、出来もなかなかです。
バック・ミュージシャンに目を向けると、ギターにNeal Schon、Tim Pierce、Chas Sanford、ベースにDennis Belfield、ドラムスにMike Baird、キーボードはもちろnJonathan Cain、そしてバッキング・ヴォーカルはRichard Page、Tom KellyとSheilaの"Little Darlin'"とかなり被っているのもサウンド的に似た感じとなっているのでしょうね。
1曲目の"Temptation"はメロディアスなハードポップ・ナンバーでかなりいかしてます。
2曲目の"Danger Zone"は冒頭にも書きましたがシングル・カットされたナンバーです。
Jonathan Cainのキーボードの音が素敵なメロディアスなモロ産業ロックしたパワー・バラードのナンバーで、どうしてランクインしなかったのでしょうね。
3曲目の"My Time To Fly"はメロディアスなバラード・ナンバーですが、こちらの方をシングル・カットした方がもっとヒットしたかも。
Neal SchonのギターとJonathan Cainのキーボードの掛け合いがとてもカッコ良いです。
4曲目の"Crazy Eyes"もほぼ産業ロックしたナンバーで、この曲を聴くとMichael ShrieveやCarlos Riosがいた産業ロック・バンドNovo Comboのサウンドを思い出します。
5曲目の"Holdin' On"もシングル・カットされ、こちらはBillboard Hot 100で37位にランクインされたナンバーらしく、とてもポップでメロディアスな産業ロック・ナンバーに仕上がっております。
かなりいけます。
6曲目の"Almost Any Night"は夫君Jonathan Cainとのデュエット・ナンバーで、メロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
また、Neal Schonのギター・ソロもとても雰囲気良いです。
7曲目の"Vertigo"もポップでメロディアスなナンバーでいかしてます。
8曲目の"Hurtin' Kind"も産業ロックしたポップ・ナンバーです。
ラストの9曲目"Suspicious Eyes"もJonathan Cainのキーボードがいかしたメロディアスなナンバーで、お勧めです。
全体的にはSheilaの"Little Darlin'"より若干落ちるものの平均的なレベルは軽く超えているハードポップ・アルバムです。
もちろんAORファンにも受けると思います。
2009-11-20
AOR (Fredric Slama) / Journey To L.A. (2009)

AORとしてのプロジェクトとしては、2006年の"L.A ATTRACTION "以来の約3年振りのオリジナル・アルバムです。
AORとしてアルバムを発表したのは、2000年の"L.A CONCESSION"(当該アルバムは、2006年にボーナストラックを追加しリ・イッシュー)で、それ以後、2001年に"NEXT STOP : L.A."、2002年に"L.A REFLECTION"、2003年に"DREAMING OF L.A."、2004年に初のベスト・アルバム"NOTHING BUT THE BEST"そして2006年の"L.A ATTRACTION"と続きます。
2000年以前には、1992年に"L.A RENDEZ-VOUS"、さらに1984年に"SECRET OBSESSION"というアルバムを発表しておりますが、これらのアルバムがプロジェクトAORの原型といわれております。
特に1984年の"SECRET OBSESSION"には、Lead Vocals: Richard Page, Sheryl Crow, Michael Kisur, John Fluker, Doug St John、Guitars: Steve Lukather, Michael Landau, Frédéric Slama, Dan Huff, Neal Schon, Dean Parks, Carlos Santana、Keyboards: James Newton Howard, Michael Omartina, Jay Winding, Alan Pasqua、Drums: Vinnie Colaiuta, Jeff Porcaro, Carlos Vega, Mike Baird、Bass: Neil Stubenhaus, Abraham Laboriel, Nathan East, David Hungate、Saxophone: Tom Scott, Ernie Watts、Background vocals: Richard Page, Steve George,Tom Kelly, David Lasley, Arnold Mc Culler, Michael McDonald,Tommy Funderburkといった錚々たるミュージシャンが名を連ねております。
1984年の発表ということとこのメンツを見れば、是非とも聴きたくなるアルバムですが、私もまだ聴いたことはありません。
"L.A CONCESSION"みたくリ・イッシューされないでしょうかね?
このように、Frederic SlamaのプロジェクトAORは、彼自身が一時L.A.に住んでいて、L.A.のミュージシャンとも交流があったことで、どのアルバムにもTotoのメンバーなど名うてのセッション・ミュージシャンがバックを務めており、サウンドもウエスト・コーストのハードポップに仕上がっており、常に私の期待を裏切らない内容となっております。
最新作の"Journey To L.A."はこれまたスウェーデンのAOR仕掛け人とも呼ばれているTommy Denanderとの共同プロデュースですので、この2人のコラボレーションによるアルバムが悪いわけはありません。
今回のゲスト・ミュージシャンは、Lead & Backing Vocals : Philip Bardowell, Steve Overland, Fergie Fredriksen, Dane Donohue, Bill Champlin、Guitars : Frédéric Slama, Tommy Denander, Steve Lukather, David Williams, Bruno Levesque, Eric Barkdull、Keyboards & Bass : David Diggs, Tommy Denander, Frédéric Slama, David Getrau、Drums : Joey Heredia、Backing Vocals : Johan Sahlenというメンツです。
いつも思いますが、このプロジェクトAORはとにかくヴォーカリストが凄いですよね。
AOR、ハードロック、それも飛びぬけて有名なミュージシャンが参加しております。
最新作では、先日このブログでも紹介した現Unruly ChildのPhilip Bardowellが全12曲中7曲を歌っておりますが、Philip BardowellのプロデュースもTommy Denanderということもあって、サウンド的にはとても近いものがあります。
殆ど捨て曲が無い強力な1枚ですが、FMのSteve Overlandがヴォーカルを務める1曲目の"Waiting In The Darkness"はフックに満ちた最高にメロディアスなナンバーですし、Philip Bardowellが歌う3曲目"Love Remains The Same"はメロディアスなパワー・バラードのとても魅力的なナンバーです。
同じくPhilip Bardwellが歌う4曲目"Read The Sign"は哀愁度タップリのメロディアスなバラード・ナンバーで、文句の付けようがありません。
Fergie Fredriksenが歌っている6曲目"Desperate Dreams"も哀愁のハードポップ・ナンバーで、かなりいかしてます。
再びPhilip Bardwellが歌っている7曲目"Never Surrender"も哀愁度タップリのハードポップ・ナンバーですが、もうメロディは最高ですし、言うことありません。
さらにこのナンバーでは、Tommy Denanderの官能的なギター・ソロをタップリと堪能することが出来ます。
あのAORの名曲"Casablanca"のDane Donohueが歌う10曲目"West Into The Sun"はバックのピアノとギターがいかしたメロディアスなモロAORしたナンバーに仕上がっておりますし、Bill Champlinが歌う11曲目"Lost In Your Eyes"は、これまたBill ChamplinのヴォーカルにピッタリのメロディアスなAORナンバーに仕上がっております。
この2曲は他のナンバーと雰囲気が違っており、完全にAORです。
それにしても、さすがAOR (Frederic Slama)のアルバムだと思います。
ハードポップ・ファン、AORファンにお勧めのアルバムです。
2009-11-19
The Beatles / Meet The Beatles! (1964)

以前のブログでも"A Collection Of Beatles Oldies"を紹介いたしましたが、この"Meet The Beatles"(日本国内のタイトルは「ビートルズ!」)も紙ジャケの日本盤仕様となっており、写真のとおり日本語の帯付のアルバムです。
本国イギリスでは、"With The Beatles"のジャケット・デザインは同じですが収録ナンバーは違いますし、アメリカ盤はタイトルは"Meet The Beatles"と一緒でデザインも同じですが、日本盤の方が収録曲が多いです。
さらに、このアルバムと併せて、"Beatles For Sale"(日本盤タイトルは「ビートルズ'65」)、"Rock'N'Roll Music"(2枚組)とオーストラリア盤の"With The Beatles"(英国盤とはジャケット・デザインが異なる)の合計4枚(全て紙ジャケで、"With The Beatle"以外は日本盤デザイン)を60USドルで手に入れました。
もちろん、全てオフィシャルではなくコレクターズCDですが、これがジャケットの作りも素晴らしいですし、CDもプレスしたものでレーベル面もアップルでまるでオフィシャル盤のようです。
e-Bayのオークション・サイトからの購入ですが、他に"Hey Jude"もありましたが、結局何回もチャレンジしましたが、あと一息というところで手に入れることが出来す、とても残念。
今回の紙ジャケCDのプレスはドイツのものらしいですが、確か2,3年前にロシアでプレスした紙ジャケのコレクターズCDも出ており、こちらもジャケットなんかのの作りも良く、"Abbey Road"、"Let It Be"、"White Album"、"Sgt. Pepper's Lonely Haerts Club Band"、"Magical Mystery Tour"の5枚も手に入れてます。こちらは、帯は日本盤仕様で、ロシア語の対訳が付いておりました。The Beatles以外にPink FloydのCDも手に入れました。
The Beatlesは今年になってリマスター・アルバムやモノ・ボックスが出て、それらの売り上げもかなりなものとか。
私の洋楽の始まりはThe Beatlesで、彼らや彼らのサウンドに非常に思い入れがあります。
彼らの音楽に触れてからすでに40年以上経過しておりますが、彼らのアルバムを何年聴いても、全く飽きるというこもなく、その時その時で楽しんで聴けるThe Beatlesの存在って、何なんでしょうか。
The Beatlesを聴いて以来、ずっと音楽を聴き続け、音楽の無い人生なんか考えることなんか出来ないですね。
これほど音楽が密着した生活を送って来れたのも彼らがいたからです。
そういう意味で、彼らの存在なくして、私の生き方を語ることは出来ないですね。
この日本盤"Meet The Beatles!"ですが、私が高校生の頃、友人から中古レコードを購入し、いつも聴いておりました。
ペラペラのジャケットで、Odeon盤の赤いレコードでした。
それ以来、ずっとThe Beatlesのアルバムを買い続け、レコードがCDへと変わり、今じゃThe BeatlesのCDが150枚以上もあります。
オフィシャルでは、18枚(あと青盤、赤盤とキャピトルのボックス)のアルバムしかCDで出ておりませんから、殆どはコレクターズCDということになりますが。
今後もおそらく新手のコレクターズCDが出るたびに買うのかなあ?
まあ、それがコレクターというものなのかも知れませんが。
2009-11-18
Rubicon / Rubicon-America Dreams (2009)

Night Rangerといえば、アメリカン・メロディアス・ハードロックの代表的なバンドですが、このRubiconはそれとは全く違ったサウンドを持ったバンドです。
バンドには先の2人のほか、元Sly & the Family StoneのJerry Martiniがいることもあり、ホーン・セクションを多用したファンク・ミュージックを演っており、どちらかというとSly & the Family StoneやTower Of Powerに近いと思います。
また、このRubiconですが、1978年3月18日にOntario Motor Speedwayで開催されたCalifornia Jam IIに、Ted Nugent、Aerosmith、Santana、Dave Mason、Foreigner、Heart、Bob Welch (with special guests Stevie Nicks and Mick Fleetwood)、Frank Marino & Mahogany Rushらと参加し、この時の模様はライブ・アルバムとして発表されました。
出演バンドを見ると有名なバンドばかりですが、そのパフォーマンスも引けを取らないものだったようです。
このアルバムを聴いても、それが判ります。
とにかくヴォーカルもそこそこですし、バックのプレイもハイ・レベルです。
アルバムには、
01 And The Moon's Out Tonight
02 Far Away
03 Closely
04 Vanilla Gorilla
05 I'm Gonna Take Care Of Everything
06 I Want To Love You
07 Cheatin'
08 It's All For The Show
09 That's The Way Things Are
10 Dr. Spears
11 Hungry For Your Love
12 Gimme Some Loving
13 Love On The Run
14 America Dreams
15 Too Good To Take For Granted
16 Eyes Of Mary
17 Washington '73
18 Higher And Higher
19 Let Yourself Go
の19曲が収められております。
01はホーン・セクションがカッコ良いファンキーなナンバーです。
02は華麗なピアノのプレイから入るメロディアスなバラード・ナンバーで、AORファンに受けそうです。
03はファンキーながらも結構ハードロックしております。
04はStevie Wonderの"Superstion"っぽい前奏から始まるファンク・ナンバーです。
05はミディアム・テンポのメロディアスなAORナンバーです。
06はDr. Hook調の軽めなポップ・ナンバーで、これもAORしております。
07は黒人ファンク・バンド顔負けの最高にいかしたファンク・ナンバーです。
08もメロディアスなミディアム・テンポのAORナンバーです。
09はホーン・セクションがカッコ良いファンキーな1曲です。
10以降は2ndアルバムのナンバーですが、1stとサウンド的にはあまり変化がなく、10もいかしたファンク・ナンバーに仕上がっております。
11はJack Bladeのベースがビンビンの最高にいかしたファンク・ナンバーです。メロディもいかしてます。
12はもちろんThe Spencer Davis Groupのカヴァーですが、このナンバーでもJack Bladeのベース・プレイはいかしてます。Jack以外のメンバーのプレイも素晴らしいです。
13もホーン・セクションがカッコ良いファンク・ナンバーです。
14はバックのプレイがいかしたファンク・ロックしたナンバーです。
15はメロディアスなバラード・ナンバーで、これまたAORしております。曲の出来が結構良いです。
16はキーボードとギター、さらにホーン・セクションがカッコ良いミディアム・テンポのロック・ナンバーです。
17はヴォーカルのファルセットがいかしたミディアム・スロウのバラード風ナンバーです。
18バックのオルガンとホーン・セクションがいかしたファンキーなナンバーです。
19はJack Bladeのカッコ良いベースから入るファンク・ナンバーで、Brad Gillisのギターもいかしてます。
ファンキーなナンバーが多いですが、曲の作りも良いですし、メロディアスなナンバーも多いので、そういう意味では、AORファンにも受けそうなサウンドだと思いますね。
それにしても、ジャケット・デザインはいただけないなあ。2ndのジャケットとリバーシブルになっておりますが、2ndのジャケット・デザインもヒドイです。
2009-11-17
Covered Call / Money Never Sleeps (2009)

でも、これがとても良く出来たハードポップしたサウンドで、かなりお勧めのアルバムなんですね。
Covered CallというSweden産のハードポップ・バンドのデビュー・アルバムで、メンバーの写真を見ると大体30歳台から40歳台に見えますので、ちょっと出の新人バンドではなさそうです。
ヴォーカルの名前を見るとThomas Vikstromとありますので、これにはちょっとビックリ。
Thomas Vikstromは同じくスウェーデン産バンドTalk Of The Townで歌っていた人ですので、やはり実力派バンドなんですね。
キャッチーでメロディアス、絵に描いたようなメロディック・ロック、ハードポップ・サウンドで、もう言うことありません、状態です。
ジャケットは日本の証券市場を表したデザインのイラストですが、Covered Callは、「特約付株券消費貸借取引」という意味の言葉だそうですが、それにしてもひどいジャケット・デザインですね。
そういう意味で裏ジャケットに写るメンバーが全て黒いスーツにネクタイということで、ディーラーのつもりなんでしょうね。
これじゃいくら中身が良くても興味なんか湧きそうにありませんね。
でも、中身は抜群です。
1曲目の"All Because Of Me"はギター・オリエンティドした少しハードめの出だしから始まるナンバーですが、厚いコーラスとメロディがいかしたメロディック・ロックのナンバーです。
2曲目の"Til' The End"もギター・オリエンティドながらキャッチーでメロディアスなメロディック・ロックしたナンバーです。
バックの演奏、特にギターがカッコ良いですが、Thomas Vikstromはさすが歌は上手いです。
3曲目の"Shine"は厚めのギター・サウンドがとてもカッコ良いメロディアスでポップなナンバーです。
サビの部分はもう最高です。
4曲目の"Never Again"はこれまたキャッチーなメロディ・ラインのハードポップのナンバーです。
ポップですし、言うことありません。
5曲目の"Anything You Want"は美しいピアノとThomas Vikstromのヴォーカルだけのメロディアスなバラード・ナンバーです。
こういうバラード・ナンバーでは、ホント、Thomas Vikstromの歌の上手さが判るというものです。
6曲目の"I Wanna Be Free"はDeep Purpleを連想するメロディアス・ハードロックしたナンバーです。
とにかく曲が良いのと、バックの演奏レベルが高く、安心して聴いていられます。
7曲目の"Nothing At All"もとてもキャッチーでメロディアスなナンバーです。
メロディック・ロックのナンバーとはこのような曲のことを言うのでは。
8曲目の"Money Never Sleeps"もポップなメロハーのナンバーです。
9曲目の"What About Us"もキャッチーでメロディアスなナンバーです。
音に厚みもあって、かなりいかしてます。
ラストの10曲目"Let's Make It Real"は出だしのギターのリフがカッコ良い、メロディアス・ハードロックのナンバーです。
Covered Callの奏でるナンバーは、本当にキャッチーでポップでメロディアスです。
メロディック・ロックのファンには当然ですが、少しハードめのAORや産業ロックのファンにもお勧めです。
2009-11-16
The Score / The Good, The Bad, & The Ugly

The Scoreという80年代中盤から90年まで活動していたアメリカのバンドで、いわゆる産業ロック・ハードポップ・スタイルのバンドですが、これが完成度も実に高いバンドなんです。
Retrospect Recordsのアルバム紹介記事では、
FOR THE FIRST TIME EVER ON CD MEET 80s AOR ACT 'THE SCORE'. THIS EAST COAST-BASED BAND PRODUCED SOME GREAT QUALITY MELODIC ROCK / AOR THAT HAS NEVER BEEN RELEASED - UNTIL NOW. THIS COLLECTION FEATURES RICH KEYBOARD WORK INTERLACED WITH TASTY GUITAR WORK AND UNFORGETTABLE HOOKS. FROM THE TOTO-ish 'Standing On This Borderline' TO THE SURVIVOR-INFLUENCED 'Chyna' , THERE IS SOME VERY CLASSY TUNES HERE. ONCE AGAIN RETROSPECT RECORDS DELIVERS A HIGH QUALITY AOR ACT THAT CERTAINLY SHOULD HAVE GONE TO THE NEXT LEVEL BACK IN THE DAY. THIS IS WHAT AOR IS ALL ABOUT. VERY HIGHLY RECOMMENDED TO FANS OF: Survivor , Adrenalin , Toto , Fortune , Champion , Franke & The Knockouts , The Innocent , Dreamstreet , Arrival ETC...
となっております。
Survivor , Toto , Fortune , Franke & The Knockoutsといったバンドを引き合いに出しておりますが、マイナーなバンドながら、これらのバンドに負けないくらいこのアルバムは良く出来てます。
今回のCDは過去にアルバムとして発表されたものではなく、84年から90年までの音源が1枚のアルバムとして出されたようですが、サウンドに纏まりもあり、アルバムとしての一体感もあります。
殆ど全て、ヴォーカルのSteve Buckley、キーボーディストのRobbie QuinnそしてギタリストのJamie Vlastarisの3人で曲を書いておりますが、ギターやキーボードを主体としたメロディは素晴らしく、曲の完成度はかなり高いと思いますね。
キラキラした感じの哀愁のハードポップ、そのまんまの音です。
1曲目の"She's Got A Way"はメロディアスでポップ、バックのキーボードが最高の産業ロック・ナンバーです。
2曲目の"Chyna"は出だしのピアノがいかしたメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。
もうメロディはメジャー級で、ライターとしてのセンスも抜群ですね。
覚えやすいメロディですぐに口ずさむことが出来ます。
もう5年ほど前にデビューしていたら、間違いなく注目を浴びていたと思いますね。
3曲目の"I Kow If I Breakdown"もメロディアスかつポップなキラキラキーボードのナンバーです。
ギター・ソロもいかしてますし、産業ロック・ナンバーとしては言うことありませんね。
4曲目の"It Feels So Right"は、これまた華麗なピアノから入るパワー・バラードのナンバーです。
しかし、このThe Scoreってバンドは、良いセンスをしております。
5曲目の"Call On Me"はこのアルバムの中では幾分ハードな音作りをしておりますが、彼らの生命線とも言えるメロディはきちんと生かされております。
キーボードとそれに絡むギターは最高です。
6曲目の"How Long"はバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
Steve Buckleyのヴォーカルも上手いですし、Jamie Vlastarisのギター・ソロもカッコ良いですし、言うことなしのバラードです。
7曲目の"Standing On This Borderline"は出だしのドラムスがカッコ良いメロディアスな産業ロック・ナンバーで、70年代後半から80年代前半の産業ロックが華々しい頃の音そのまんまです。
とにかく、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
8曲目の"Words Of Love"は再びピアノの音が心に沁みるメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。
もう本当にメロディがいかしてますね。
9曲目の"Angel Of Love"はライヴ音源のようです。
他のナンバーと若干雰囲気も違い、荒々しい感じに仕上がっております。
でも、メロディはかなり良いです。
10曲目の"Just For You"もライヴ音源のようです。
こちらはバックのピアノの音がかなりいかしたメロディアスなナンバーで、結構いけます。
なお、CDをプレスする際のミスのようで、11曲目も同じナンバーが収録されております。
ラストの12曲目"The Night Goes On Forever"はメロディアスなバラード・ナンバーで、かなりいけます。
ギター・ソロは最高です。
マイナーなバンドのせいかサウンド・プロダクションはあまり良くはありませんが、彼らの繰り出すメロディやサウンドはメジャー級だと思います。
70年代後半から80年代前半の産業ロック・ファンの方は必聴です。
AmazonやHMVでは手に入れることは出来ませんが、おそらくCruisin' Musicさん経由でしたら手に入るのではないでしょうか?
2009-11-15
Philip Bardowell / In The Cut (2005)

ということで、メロディック・ロックやハードポップのファンにとっては、かなりそそられるアルバムです。
Unruly Childでは、当然メロハーに合ったヴォーカルを披露しておりますが、このソロ・アルバムでは、抑え気味といった感じで、サウンド全体もハードなAOR、いわゆるハードポップしたものになっております。
また、このアルバム、とにかくライター陣も凄いんですね。
ざっと挙げると、Tommy Denander、Mark Spiro、Stan Bush、Curt Cuomo、Bobby Barth、Jim PeterikそしてPhilip Bardowell本人が曲を書いております。
こういったライター陣によるナンバーですので、当然曲のクオリティも高いです。
1曲目の"In The Cut"は幾分ハードですが、とてもポップなナンバーです。
2曲目の"Through The Eyes"はMark Spiroのペンによるナンバーで、メロディアスでフックに満ちたバラード・ナンバーです。
さすがMark Spiroという感じです。
Philip Bardowellのヴォーカルも上手いですし、Tommy Denanderのギターも素晴らしいです。
3曲目の"Heart Of A Hero"はメロディアスなこれぞハードポップといったナンバーです。
曲の出来も素晴らしいと思ったら、Stan Bushのペンによるナンバーでした。
とてもいかしてます。
4曲目の"I Gotta Believe"はバックのピアノがいかしたメロディアスなバラード・ナンバーで、これもStan Bushのペンによるナンバーです。
Stan Bushという人は、ホント、良い曲を書きますね。
5曲目の"She Will Never Know"は哀愁を帯びたハードポップのバラード風ナンバーです。
Philip Bardowell自身が書いたナンバーですが、結構センス良いです。
日本人好みのメロディを持ったナンバーです。
6曲目の"Never Too Late For Love"はCurt Cuomoもペンによりメロディアスなこれまたパワー・バラード風のナンバーです。
Curt CuomoはStan Bushのアルバムには必ずといって良いほど顔を見せているキーボーディストでアレンジャーとしても活躍している人ですので、本当にツボを押さえております。
7曲目の"It's A Long Road"はBobby Barthのペンによるナンバーです。
Bobby Barthと言えばAXEですが、AXE自身メロディアスを標榜しているバンドですので、彼の作る曲も素晴らしく、このナンバーもとてもメロディアスでフックに満ちたハードポップ・ナンバーに仕上がっております。
8曲目の"One Day In January"はこれまたいかしたメロディアスなミディアム・スロウのナンバーです。
曲の出来もかなり良いです。
9曲目の"Dreamin' With My Eyes Wide Open"はJim Peterikのペンによるナンバーです。
これまたさすがJim Peterikといった趣のメロディアスなナンバーです。
ラストの10曲目"Voices Of The Heart"もJim Peterikのペンによるナンバーです。
美しいピアノ・ソロから入るメロディアスなバラード・ナンバーでもう言うことないですね。
こういったバラード・ナンバーを歌わしても、このPhilip Bardowellという人は上手ですね。
最近聴いたハードポップのアルバムの中でもピカイチです。
この手の音が好きな方には堪らない内容だと思います。
2009-11-14
Harlequin / On/Q Live (2009)

Harlequinは1975年にカナダで結成され、1979年に"Victim of a Song"、1980年に"Love Crimes"、1982年に"One False Move"、1984年に"Radio Romances"、1985年に"Harlequin"を発表し、1986年に一度解散しておりますが、2004年にオリジナル・メンバーでヴォーカリストのGeorge Belangerが同年に"Harlequin II"としてソロ・プレジェクトみたいな格好でアルバムを発表した後、新メンバーを集め、2007年にオリジナル・バンド名のHarlequinを名乗り"Waking the Jester"を発表し、このメンバーでバンド活動を展開し、今回のライヴ・アルバム"On/Q Live"の発表となりました。
すでに、オリジナル・メンバーはGeorge Belangerしかおらず、実際のところ、"Love Crimes"や"One False Move"の産業ロック・ハードポップ時代のサウンドが好きな私としては、"Harlequin II"や"Waking the Jester"などを聴くと、産業ロックというよりメロハー的な音となっていて、ちょっとガッカリしていたところです。
ただ、今回のライヴ・アルバムには、80年代前半の"Innocence"や"I Did It For Love"なんかが収められているということで期待に胸を膨らませ購入した次第です。
特に"I Did It For Love"はHarlequinの中のベスト・ソングにとどまらず、産業ロックの名曲だと私は思っております。
2ndの"Love Crimes"はCBSソニーから一度CD化されておりますが、"I Did It For Love"が収録されている3rdアルバム"One False Move"は未CD化ということで、CD化されることをずっと願っております。
まあ、"I Did It For Love"は彼らのベスト・アルバムに収められておりますので、CDで聴くことはできますが。
このライヴ・アルバムはバンド紹介のアラビアン調のイントロから始まり、最初のナンバーが"I Did It For Love"となっております。
いやー、いつ聴いても良いですね。
ホント、産業ロックの名曲です。
なお、このアルバムには、13曲が収められておりますが、半分近くは、1986年の解散前のナンバーが収められているのも嬉しいです。
2曲目の"Sweet Things In Life"も86年以前のナンバーで、メロディアスなハードポップ・ナンバーです。
3曲目の"You Are The Light"も86年以前のナンバーです。
メロディアスでポップ、これもかなり良いです。
4曲目の"Rise"は2007年の"Waking The Jester"からのナンバー。
まあ、良くは出来ています。
5曲目の"Survive"も86年以前のナンバーですが、やはり4曲目とは曲の作りというか感じが違います。
産業ロックしたとてもいかしたナンバーです。
6曲目の"How Long"と7曲目の"Hell Or High Water"は"Waking The Jester"から。
どちらも悪くはありませんが、メロディアス度がイマイチかな?
8曲目の"She's My Girl"は新曲のようです。
ご機嫌なロックンロールしたナンバーです。
9曲目の"Shine On"は"Waking The Jester"からのナンバーです。
ギター・オリエンティドのメロディアス・ハードロックしたナンバーで、これは出来もまあまあ。
10曲目の"Inbound Train"も"Waking The Jester"から。
9曲目以上にギター・オリエンティドしたメロハーのナンバーです。
11曲目の"Thinking Of You"は"Love Crimes"に収められていたナンバーです。
やっぱり雰囲気違いますね、最近のナンバーと比べると。
産業ロックしています。
12曲目の"Superstitious Feeling"も86年以前のナンバーです。
メロディアスなハードポップ・ナンバーです。
特にギター・ソロがカッコ良いです。
ラストの13曲目"Innocence"はこの日本ではHarlequinの中でも最も有名なナンバーだと思います。
2ndアルバムで日本でもCD化された"Love Crimes"に収められていたナンバーです。
産業ロックしてますねー。
佳き日のHarlequinのナンバーを聴いてみたい人にお勧めです。
私は結構気に入りました。
2009-11-13
Michael Furlong / Use It Or Lose It (1985)

ハワイで有名なハードロック・バンドといえば、Marty Friedmanが在籍していたそのバンド名もズバリのHawaiiが有名ですが、このMichael FurlongもBoxerというバンドを従えてハワイでは結構有名なバンドだったようです。
本日紹介しますMichael Furlongの1985年発表の"Use It Or Lose It"ですが、当時国内盤も発売されておりまして、日本では、Michael Furlong & Boxer名義で、タイトルも"Head On Rock N' Roll"というものでした。
発売がウーレル・レコードというインディ・レーベルということもあったのでしょうか、この日本では殆ど話題に上らなかったと記憶しております。
そんなアルバムが、アメリカのリ・イッシュー専門レーベルのRetrospect Recordsから初CD化されました。
Retrospect Recordsのアルバムの紹介を見ると、
FINALLY AFTER ALMOST 25 YEARS , MICHAEL'S DEBUT GETS ITS FIRST ISSUE ON CD. CALL IT AOR OR MELODIC ROCK , THIS 1985 RELEASE SHOWCASES EXCELLENT SONGWRITING , TASTY GUITAR WORK , MEMORABLE HOOKS AND AN ALBUM THAT SHOULD HAVE BEEN HUGE ON MAINSTREAM RADIO. VERY HIGHLY RECOMMENDED TO FANS OF: Benny Mardones , Robert Tepper , Bryan Adams , Steve Perry , Tim Feehan ETC...
ESSENTIAL!!
とあります。
一方で、Michael Furlongはヴォーカリストでギタリストですが、自身のバンド以外にも、Police、Cheap Trick、Eddie Money、Johnny Winterなどのコンサートでセッション・マンとして活躍していたそうで、ギターの腕は確かです。
この1stアルバムは、もちろんハードロックのスタイルですが、内容がポップで、とても聴きやすいものとなっております。
ヴォーカルは少しかすれ気味で、Eddie Moneyに似ているでしょうか。
また、さすがにギターは上手いです。
1曲目の"Careless"での出だしのギター・ソロはかなりカッコ良いです。
また、曲全体もギターとキーボード・プレイがいかしたメロディアスでポップなナンバーで、産業ロック風で一押しです。
2曲目の"Use It Or Lose It"は軽快なハード・ブギ調のナンバーで、ロックン・ロールしたご機嫌なナンバーです。
3曲目の"Head On Rock N' Roll"もロックン・ロールしたナンバーですが、出来としては2曲目の方が良いですね。
ギター・ソロはカッコ良いですが、メロディがイマイチといったところでしょうか。
4曲目の"Back To The Wall"もロックン・ロールを基本としてナンバーですが、これまたギター・プレイはいかしてますが、メロディに若干難があります。
5曲目の"On The Firing Line"はメロディ・ラインもかなり良く、カッコ良いという言葉がピッタリのハードポップしたナンバーです。
6曲目の"Right-A-Way"はハードなギターのリフから入る、メロディアス・ハードロックしたナンバーです。
7曲目の"Don't Start Lovin' Me"はハードながらとてもポップなナンバーで、これなんかもお勧めです。
8曲目の"Two Hearts"もメロディアスでポップなナンバーで、かなりいかしてます。
Michael Furlongのギターのトーンがとても印象的なナンバーです。
9曲目の"I've Got News For You"もハードにブギしたナンバーで、曲の出来も素晴らしく、Eddie Moneyが歌っても似合いそうなナンバーです。
ギター・ソロはかなりいかしてます。
ラストの10曲目"Don't Gimme The Biz"もハード・ドライヴィングしたロックン・ロール・ナンバーで、とてもご機嫌です。
このMichael Furlongですが、1987年に2ndアルバム"Breakaway"というアルバムも出しておりますが、今回Retrospect Recordsから一緒にCD化されました。
Retrospect Recordsから出されたCDはAmazonやHMVでは取り扱っていなく、直接レーベル会社から注文するかドイツ辺りのネットショップなどから手に入れなければならないようです。
2009-11-12
Dr. Hook / Pleasure & Pain-Sometimes You Win (2009)

その"Sometimes You Win"が最近アメリカのリ・イッシュー専門レーベルのBeat Goes On (BGO) Recordsから1978年の前作"Pleasure and Pain"との2 in 1という形でCD化されました。
今まで50,000円というバカ高い値段が付いていた"Sometimes You Win"がたとえ2 in 1という形でもリマスターされてCD化されたということは、このアルバムを所有していなかったAORファンにとっては朗報であったに違いありません。
で、もう一方の"Pleasure and Pain"も確か一度はCD化されていたと思いますが、こちらも合わせてのCD化でしたので、アルバムを持っていなかった私にとっては朗報でした。
この"Pleasure and Pain"は本国アメリカでは、"Sometimes You Win"より上位にランクインしたアルバムで、収録ナンバーの"Sharing the Night Together"、"When You're In Love With A Beautiful Woman"がシングル・カットされ、どちらも本国では6位にランクインし、"When You're In Love With A Beautiful Woman"は英国チャートでは1位を記録しております。
まあ、私の好みとしては、"Sometimes You Win"ですが、"Pleasure and Pain"もそこそこの出来ではあると思っております。
このアルバムは2 in 1ですので、"Pleasure and Pain"の11曲と"Sometimes You Win"の11曲がもちろん順番の収められております。
で、ずっと聴いていて感じたことは、アルバムが違いますが、妙に一体感があります。
11曲目で"Pleasure and Pain"が終わり、12曲目から"Sometimes You Win"が始まりますが、全く違和感がありません。
ただ、"Sometimes You Win"を聴き進んでいくうちに"In Over My Head"みたいなディスコ・タッチのナンバーに出くわすこととなるのですが、それでも、"Pleasure and Pain"に収められている"When You're In Love With A Beautiful Woman"もかなりディスコティックしたナンバーでしたが。
このDr. Hookですが、元々カントリー・ロックのバンドでしたので、"Pleasure and Pain"の方が"Sometimes You Win"に比べると幾分その香りも強いです。
シングル・カットされた"Sharing the Night Together"はメロディアスなバラード・ナンバーで、シングル・ヒットしたのも頷けます。
2曲目以降は、どちらかというとカントリー臭さが耳に残るナンバーです。
で、7曲目に"When You're In Love With A Beautiful Woman"が収録されており、これが次作の"Sometimes You Win"に収録されていても全く違和感がないディスコティックしたAORナンバーなんですね。
また、9曲目の"I Gave Her Comfort"なんかもとてもメロディアスなバラード風ナンバーで、これもいけます。
このアルバムのラストとなる11曲目の"You Make My Pants Want To Get Up And Dance"はファンキーなロックンロール調のナンバーでかなりご機嫌です。
12曲目以降は"Sometimes You Win"に収められているナンバーですので、以前のブログを見てください。
Amazon Japanを覗くと、1,346円から売っておりますので、"Sometimes You Win"を聴いていない、あるいは持っていないAORファンであれば、当然「買い」でしょう。
2009-11-11
Gregg Rolie Band / Rain Dance (2009)

Gregg RolieのソロはいわゆるAOR系のハードポップ・アルバムでしたので、そういったサウンドを期待し、ライヴ・アルバムだということもあり"I Wanna Go Back"が収録されていればいいなあ、などと思っていたら、1曲目から"Jingo"を演っていて、これはAbraxas Poolの路線かなとも思いましたが、収録ナンバーを見ると、"No One To Depend On"、Evil Ways"、"Black Magic Woman"や"Oye Como Va"などというナンバーが収録されているし、"Jingo"なんかを聴くと、もうこれはSantanaでした。
最近のSantanaのアルバムを聴いても昔のようなアイデンティティもあまり感じられませんでしたので、これがとても新鮮でしたね。
私にとってのSantanaはNeal SchonやこのGregg Rolieがいた頃の初期とAOR路線とも言われた80年代前半までで、特に初期Santanaはラテンロックという言葉を生みだすほどの勢いとアイデンティティがありました。
そういう意味でこのGregg Rolie Bandの"Rain Dance"はとても楽しんで聴くことができました。
Gregg Rolie以外のメンバーを見ると、Kurt Griffey (guitars), Alphonso Johnson (bass), Wally Minko (keyboards), Michael Carabello (congas), Ron Wikso (drums) and Adrian Areas (timbales)となっており、Santanaのメンバーに名を連ねていた者もおり、サウンド的には初期Santanaそのものと言って良いかも知れません。
特にギターを担当しているKurt Griffey(私は初めて耳にするプレイヤーですが)のギター・プレイはそれこそCarlos Santanaを髣髴する官能的なギター・プレイをしており、とても気に入りました。
収録ナンバーは、
01 Jingo
02 Going Home
03 No One To Depend On
04 As The Years Go Passing By
05 Evil Ways
06 Across The Water
07 Give It To Me
08 Soul Sacrifice
09 Black Magic Woman
10 Gypsy Queen
11 Oye Como Va
12 Bailamos El So
の全12曲が収められております。
本作品は今年出されましたが、2007年のライヴの音源のようです。
初期Santanaのナンバー"Jingo"、"Evil Ways"、"Black Magic Woman"、"Oye Como Va"などは、Gregg RolieがSantanaのリード・ヴォーカリストとして活躍していた時期のナンバーですので、全くといって良い程違和感はないですね。
声もかなり出ておりますし、先にも書いたとおりKurt Griffeyのギター・プレイも最高ですし、言うことありません。
他のナンバーを聴いてもラテンロックしたご機嫌なナンバーばかりで、最近のSantanaのアルバムを聴くより、ずっとSantanaらしいサウンドで最高の出来だと思います。
最近のSantanaの音に満足していないラテンロックのファンもそうでない方にもお勧めの1枚です。
2009-11-10
Pure Prairie League / Something In The Night (1981)

先日Amazon Japanのマーケットプレイスで「良い」が1280円で売っていたのを見て、速攻で購入しました。
で、手元に届いたCDを見て、ビックリ。
届いたCDは新品未開封品でした。
それまでは、Amazon Japanのマーケットプレイスで確か5000円以上の価格が付いていましたし、今も中古が5086円の値段が付いております。
Pure Prairie Leagueは、いわゆるカントリー・ロックで、初期・中期は泥臭ささがあるサウンド・スタイルでしたが、ヴォーカリストでギタリストのVince Gillが1978年に加入し、翌79年に発表した"Can't Hold Back"からはウエストコースト・ロックのAOR雰囲気いっぱいのサウンドに変化しました。
特に1980年に発表した"Firin' Up"はポップ・アルバム・チャートの37位にランクインし、収録ナンバーの"Let Me Love You Tonight"はアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位及びポップ・シングルの10位に輝いております。
過去のアルバムでは、1972年の"Bustin' Out"がポップ・アルバム部門で34位、1975年の"Two Lane Highway"が同24位、1976年の"If the Shoe Fits"が同33位と、"Firin' Up"より上位にランクインされましたが、シングルとしては、"Let Me Love You Tonight"が彼らのシングルで最も売れたものとなりました。
私は、当時、この"Firin' Up"で初めて彼らのサウンドを耳にし、すぐ彼らの虜となり、以前のアルバムを手に入れることになりましたが、前作の"Can't Hold Back"もかなり気に入りました。
しかしながら、それ以前のVince Gill加入前のアルバムは冒頭にも書いたとおりカントリー臭のある内容でしたので殆ど聴かず終いでした。
ですから、"Firin' Up"の次のアルバムである本作もアナログ・レコードでは手に入れておりましたが、前作を踏襲するようなサウンドではありましたが、前作にあったような"Let Me Love You Tonight" とか"I Can't Stop This Feelin'"や"I'm Almost Ready"などの強烈なナンバーがあまりなく、印象が薄かったように感じました。
そういうこともあって、Pure Prairie Leagueの一連のアルバムがCD化された確か90年代前半だとおもいますが、"Firin' Up"だけを購入しました。
その後、One Way Recordsから"Can't Hold Back"も購入することとなるわけですが、2000年を過ぎると"Firin' Up"やこの"Something in the Night"など当時Casablanca Recordsから発表されたCDも生産中止となり、レア化してしまいました。
"Firin' Up"は最近リ・イッシューされたようで現在ではかなり安価で手に入れることができますが、"Something in the Night"は今でも高いまんまとなっておりましたので、1280円で見つけた時は、ちょっとばかり興奮してしまいましたね。
で、実際にこのアルバムをCDで聴いてみて、印象が薄いと感じたことにそれほど誤りはなかったのかな?とは思いますが、良く聴いてみるとかなり良く出来たナンバーも数曲収められておりました。
1曲目の"Don't Keep Me Hangin'"は前作にあった"I'm Almost Ready"タイプのロックンロールした結構カッコ良いナンバーですし、2曲目の"Love Me Again"はVince Gillの透き通ったヴォーカルがいかしたポップのナンバーだと思います。
3曲目の"Hold On To Our Hearts"はDavid Sanbornのサックスがカッコ良いファンキーな1曲です。
4曲目の"Something In The Night"はブギー調のナンバーです。
5曲目の"Do You Love Me Truly, Julie?"はノリの良いご機嫌なロックンロール・ナンバーです。
このアルバムの一押しは6曲目の"You're Mine Tonight"でミディアム・スロウのメロディアスなナンバーで、モロAORしておりますし、バックのDavid Sanbornのサックス・プレイも見事です。
7曲目の"Still Right Here In My Heart"はミディアム・テンポのポップなナンバーです。
8曲目の"I Wanna Know Your Name"はカントリー・タッチのロックンロールしたナンバーです。
9曲目の"Feel The Fire"も6曲目と同じくらい良く出来たミディアム・テンポのAORしたポップなナンバーです。
10曲目の"Tell Me One More Time"はバックのピアノが美しいバラード・ナンバーです、Vince Gillのヴォーカルの上手さが光っております。
"Firin' Up"に比べると曲にバラツキもありますが、それでもPure Prairie Leagueの良さは出ているのかなと思います。
なお、この"Something In The Night"はポップ・アルバムで72位にランクインされ、シングル・カットされた" Still Right Here in My Heart"はアダルト・コンテンポラリー・チャートの4位にランクインしました。
でも、5000円超えはちょっと高いかな?
2009-11-09
Santa Esmeralda / Don't Let Me Be Misunderstood (1977)

ファンクやソウルミュージックからの影響を含んでいる。音量の大きい反響するボーカルが、一定のリズムを刻む4つ打ち、8分音符ないし16分音符刻みかつオフビートでオープンするハイハットパターン、そして突出したシンコペーションを持ち時にはオクターブで成るエレキベースのベースラインの上で演奏される。ストリングスやホーンセクション、エレクトリックピアノ、エレキギターが華やかなバッキングを創出する。フルートのようなオーケストラ楽器がしばしばソロに用いられ、またロックと異なりリードギターが用いられることはめったにない。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から)
70年代ディスコの立役者は何と言ってもThe Bee Geesだと思いますが、その起源についてウィキペディアでは、「世界初のディスコソングは1973年にリリースされたと広く言われているが、1972年にリリースされたManu Dibangoの「Soul Makossa」が最初だと主張するものもいる。」とも書いております。
1970年代後半のディスコ・パフォーマーには前出のThe Bee GeesやHues Corporation、K.C.& Sunshine Band、Donna Summer、Gloria Gaynorなど数多くのミュージシャンがおりますが、特にDonna SummerはDisco Queenと呼ばれるほどのポピュラーなディスコ・パフォーマーです。
一方ヨーロッパでも、時を同じくしてディスコ・ミュージックに火が付き、Silver Convention、Boney M.、Arabesque、Genghis Khan、Banzaiiや本日紹介するSanta Esmeraldaなどのディスコ・パフォーマーが現れ、この日本でもディスコ・ミュージックが大いに流行りました。
また、ディスコ・ミュージックはロック界にも影響を及ぼし、例えば、Blondieの"Heart of Glass" (1979)、 Eaglesの"One of These Nights" (1975)、 The Rolling Stonesの "Hot Stuff" (1976) や "Miss You" (1978)、 Aerosmithの"Give it up" (1977) 、David Bowieの"Let's Dance" (1983)、Rod Stewartの"Da Ya Think I'm Sexy?" (1979)、Wingsの"Goodnight Tonight" (1979)、Electric Light Orchestraの"Shine a Little Love"、Queenの"Another One Bites the Dust" (1980)など数え上げればきりがないですし、AORシーンでもあの独特なストリングスなどが多用されるようになりました。
その後、ディスコ・ミュージックはハウスやテクノ、トランス・ミュージック、さらにはアシッド・ジャズなどに進化することとなります。
Santa Esmeraldaはフランス人ニコラス・スカースキーが仕掛けたプロジェクトで、元々サックス奏者だったリロイ・ゴメスをヴォーカリストに迎え、The Animalsのヒット曲"Don't Let Me Be Misunderstood"(悲しき願い)をディスコ調にアレンジして発表したところ、ヨーロッパやこの日本で大ヒットしました。
紹介する"Don't Let Me Be Misunderstood"は1977年に発表されておりますが、これは、タイトル曲にボーナストラックを追加して、8曲を収録したアルバムです。
収録ナンバーは、
01 Don't Let Me Be Misunderstood
02 Gloria
03 You're My Everything
04 Black Pot
05 The House Of The Rising Sun
06 Sevilla Nights
07 Another Cha-Cha
08 I Don't Let Me Be Misunderstood
"Don't Let Me Be Misunderstood"を聴くと30年前のことを思い出しますね、哀愁のスパニッシュ・ディスコしたサウンドが受けたんでしょうね。
"Gloria"はVan Morrisonのペンによるナンバーで、Themの"The Angry Young Them"に収められていたナンバーのカヴァーです。
バックのサウンドもそれほどディスコしてなく、かなり聴けます。
"You're My Everything"はメロディアスなバラード・ナンバーで、バックのスパニッシュ・ギターの音がそそります。
出来もかなり良いです。
"The House Of The Rising Sun"もスパニッシュ・ディスコ調にアレンジされておりますが、「二匹目のドジョウ」とはならなかったようです。
"Sevilla Nights"もスパニッシュした異国情緒豊かなナンバーです。
とにかく70年代ディスコは凄かったですね。
2009-11-08
Herb Alpert / Rise (1979)

日本では、ニッポン放送系の深夜ラジオ番組、『オールナイトニッポン』のテーマソングとして"Bittersweet Samba"が長年使われ、親しまれており、この曲で彼を知る人が最も多いと思います。
その後、さらに彼を知らしめたのは、時はフュージョン・ミュージックが持て囃されていたこの日本を含むワールドワイドに、本日紹介する1979年に発表されたこの"Rise"が商業的に成功したことだと思いますね。
日本では、このアルバムからは、タイトル・ナンバーの"Rise"がヒット(同曲は1979年にマツダ・サバンナRX-7のCM曲に起用された)し、1980年から1986年にかけて、"Beyond"から"Wild Romance"までのソロアルバムの収録曲がキリン・シーグラムのウイスキー「ロバートブラウン」のCM曲に起用され(使用されたナンバーは、"Beyond"、"Magic man"、"Fandango"、"Route 101"、"Red Hot"、"Catch Me")、この日本でも飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
アルバムはとても仰々しい感じの"1980"から始まります。
2曲目の"Rise"は大ヒットしたのも当然のメロディアスなナンバーで、当時、ヘヴィ・ローテーしておりました。
ディスコティックしたフュージョンでもうご機嫌です。
3曲目の"Behind The Rain"はアクション映画にでも使えそうなファンキーながらメロディアスなナンバーです。
4曲目の"Rotation"はバックの音はリズミックですが、Harb Alpertのトランペットは泣いています。
5曲目の"Street Life"はThe Crusadersのカヴァーです。
オリジナルには若干負けますが、雰囲気はかなり良いです。
ノリの良いディスコティックでファンキーに仕上がっております。
6曲目の"Love Is"はBill Withersのペンによるヴォーカル入りのナンバーですが、ヴォーカルはHerb Alpert自身が歌っているようです。
7曲目の"Angelina"は、Pete SinfieldとGary Brookerのペンによるナンバーです。
カリプソ風にアレンジしております。
ラストの8曲目"Aranjuez (Mon Amour)"はクラシックの名曲「アランフェス・コンチェルト」をHerb Alpert流にアレンジしたものです。
この"Rise"ですが、長らく廃盤状態でそこそこんの価格で取引されていたようですが、2007年にリ・イッシューされ、曲順を一部変更し、ボーナス・トラックを追加しております。
2009-11-07
The Beatles / A Collection of Beatles Oldies (1966)

価格は送料込みで25USドルでしたので、決して高い買い物ではありませんでした。
ジャケットははご覧のとおりで日本で発売されたレコード(レコード番号AP-8016)をそのままCDサイズにした帯付の紙ジャケットです。
ジャケットの作りもまともですし、中袋は表はアップル・レーベル裏は同じくリンゴを半分に切ったデザインで、盤ももちろんアップル・レーベルです。
さらに驚いたのが歌詞カードが付いており、これも福田一郎氏の解説に歌詞がついている、国内盤レコードのものと同じです。
もちろん、オフィシャルで出ておりませんので、コレクターCDですが、プレスはドイツだそうです。
同じように、"Hey Jude"もオークションにかけられておりましたが、こちらは結局落札することが出来ませんでした。
本当は、"Hey Jude"の方が欲しかったのですが。
他にも"Love Songs"とか"Rock'n'Roll Music"とかがありました。
先日紹介した"The Beatles 1967-1970"も同じオークションで手に入れたものですが、こちらは、日本国内盤仕様ではありませんでしたが、DVDが同梱されておりました。また、併せて、"The Beatles 1962-1966"(こちらもDVD付き)も手に入れております。
今回手に入れたコレクターCDは、もうパーフェクトでしたね。
この"A Beatles Collection Of Oldies"はThe Beatles初のベスト・アルバムで、もちろんアルバムに収められた曲も収録されておりますが、当時シングルだけで発表されたナンバーも収録されております。
まあ、現在はPast Mastersにアルバム未収録のシングルなどは収録されておりますので、聴けますが。
UKオリジナル盤に収められていなかったナンバーは、"We Can Work It Out"、"I Feel Fine"、"Bad Boy"、"Day Tripper"、"Paperback Writer"ですが、US盤のアルバムには全て収録されております。
この"A Beatles Collection Of Oldies"は1966年12月10日にリリースされたアルバムですので、当然それ以前の音源(初期・中期)しか収録されておらず、"Revolver"以降のThe Beatlesの方がどちらかというと好きな私にとっては、それほど思い入れのあるアルバムではありません。
"A Beatles Collection Of Oldies"と書きましたが、正しくは"A Collection Of Beatles Oldies"で、日本では盤面と背表紙にクレジットに"A Beatles Collection Of Oldies"と間違って記載したようです。
このアルバムの中で好きなナンバーの一つ"Bad Boy"は当時英国で未発表曲の曲で、米国では"Beatles VI"に収録されました。
また、このアルバムですが、英国と英国編集の国(もちろん日本も)のみで発売され、米国や米国編集の国では発売されなかったようです。
さらに、当時の英国盤にはモノラル盤とステレオ盤の2種類が発売されていたそうです。当時The Beatlesは年間2枚のアルバムを制作する契約だったらしく、1966年の"Revolver"完成後にThe Beatlesがアルバムを制作せずオフに入ったため、パーロフォンが企画したものだったようです。
このアルバムの収録ナンバーは、
01 "She Loves You"
02 "From Me to You"
03"We Can Work It Out"
04 "Help!"
05 "Michelle"
06 "Yesterday"
07 "I Feel Fine"
08 "Yellow Submarine"
09 "Can't Buy Me Love"
10 "Bad Boy" (Larry Williams)
11 "Day Tripper"
12 "A Hard Day's Night"
13 "Ticket to Ride"
14 "Paperback Writer"
15 "Eleanor Rigby"
16 "I Want to Hold Your Hand"
です。
"Bad Boy"はLarry Williamsのカヴァーですが、リード・ヴォーカルはJohn Lennonで、これが実に嵌っていて最高です。
また、"Paperback Writer"はRevolver以降のThe Beatlesサウンドで結構好きなナンバーです。
"Day Tripper"もとても好きで、当時日本は空前のGS(グループ・サウンズ)ブームで、The Spiders(堺正章、井上順、かまやつひろしなどが在籍)のカヴァーを思い出します。
UKオリジナル盤として発表されたんですから、オフィシャルでリ・マスターものでCD化されても良いと思うのですが。
2009-11-06
The Montrose Avenue / Thirty Days Out (1998)

すぐに思い浮かべるバンドは、その筆頭格として、Badfinger、The Raspberries、Fotomaker、Cheap Trickなどが挙げられます。
次には、Oasis、The Blurを代表するブリット・ポップ勢。
UKやSweden辺りのギター・ポップ、メロコアなどのバンドもThe Beatlesの遺伝子を持っていると思います。
そして、ここにもう一つのバンドとして、The Montrose Avenueを挙げたいですね。
彼らについては、UK出身のバンドですが、The Beatlesよりもアメリカ・ウエストコースト・ロック勢のバンド、例えば、Baffaloo Springfield、Crosby, Still, Nash & Young、The Byrds、The Beach Boysなどから影響を受けているというようなことを言っている人たちの方が多いかもしれません。
事実、本日紹介する、彼らのワン・アンド・オンリーの1998年に発表された"Thirty Days Out"には、Crosby, Stills, Nash & Youngのヒット・ナンバー"Ohio"のカヴァーが収められているぐらいですから。
でも、私には上で紹介したバンドよりもThe Beatlesの影響が色濃くあるのではと思っております。
彼らのサウンドは、泣きメロ&ハーモニーさらに流麗かつグルーヴィーなサウンドと表現されております。
ここ日本では、1998年8月のフジ・ロック・フェスティヴァルでのパフォーマンスが有名らしいです。
実は私、つい最近まで彼らのサウンドを耳にしたことがありませんでした。
先日、北海道大学近くの中古ショップのマスターから紹介され、価格も国内盤の帯付が390円ということでしたので、勧めるまま購入しました。
で、聴いてみますと、哀愁を帯びたメロディの嵐で、えらく気に入ったわけです。
それもThe Beatlesの遺伝子を持ったサウンド、いわゆるパワーポップした音が。
このアルバムからは何曲もシングル・カットされているようです。
"She's Looking For Me"、"Thirty Days Out"、"Shine"、"Where Do I Stand?"、"Start Again"、"Yesterdays Return"がシングルとして発表されております。
"She's Looking For Me"はアルバムの1曲目に収められているナンバーですが、2分2秒という60年代ポップスを地でゆくメロディアスかつメランコリックなとてもポップなナンバーです。
この1曲を聴いただけで期待が膨らむというものです。
2曲目の"Helplessly Hoping"はコーラス・ワークがとても魅力的なポップなナンバーです。
3曲目の"Start Again"も60年代ポップしたナンバーで、当時の雰囲気そのまんまの甘いメロディのポップ・ナンバーです。
4曲目の"Yesterdays Return"はメロディアスで良く出来たナンバーです。
哀愁漂うメランコリックなナンバーで、日本人が好みそうな曲です。
もう言うこと無いですね。
これは最高にお勧めです。
バックにはハープシコードの音も。
5曲目の"Keep On The Road"はメロディアスなバラード・ナンバーで、The Beatles時代のPaul McCartneyが書きそうなナンバーです。
バックのストリングスも美しいです。
6曲目の"Where Do I Stand?"はギター・ポップしたナンバーですが、とてもメロディアスです。
彼らの魅力の一つであるコーラス・ワークも素晴らしいです。
7曲目の"Emergency Exit"は軽快なブリット・ポップしたナンバーです。
8曲目の"Shine"はFotomakerにも通ずるメロディアスなパワーポップ・ナンバーで、かなりいかしてます。
9曲目の"Leaving In The Morning"はバックのピアノがとてもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーで、曲の感じは違いますが、全体の雰囲気にThe Beatlesの"Let It Be"を私は連想しました。
10曲目の"Closing Time"はアコースティック・ギターにウッド・ベースそしてピアノが一体となったアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーです。
3分弱のナンバーですが聴き応えあるナンバーです。
11曲目の"Lost For Words"はCrosby, Stills, Nash & Youngに通ずるウエスト・コースト・ロックで、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
12曲目の"Thirty Days Out"なんかも11曲目に似たタイプのナンバーで、ウエスト・コースト・ロックしております。
このナンバーもいけます。
13曲目の"Ohio"は冒頭にも書きましたが、Crosby, Still, Nash & Youngのカヴァーです。
オリジナルに負けないくらい良く出来ております。
ラストの14曲目"Take One"はインスト・ナンバーですが、これがビックリするくらいハイレヴェルのプレイです。
曲調も13曲目までとは全く違い、まるで違うバンドのナンバーを聴いているようです。
曲が2分10秒と短く、ちょっとばかり中途半端な感じがし、もっと聴いてみたいといったナンバーです。
この"Thirty Days Out"ですが、駄曲は一切ない強力な1枚です。
パワーポップ・ファンは間違いなく気に入ると思います。
Amazonのマーケットプレイスでは新品が70円から売ってます。
まだ聴いたことが無いパワーポップ・ファンは「買い」です。
このアルバム1枚で終わったのはとても残念です。
2009-11-05
Arch Enemy / The Root Of All Evil (2009)

ARCH ENEMYは言わずと知れたSwedenのメロディック・デスメタル・バンドです。
以前に私のHPでも書きましたが、6、7年程前までは、デスメタルに嫌悪を抱いており全く聴いておりませんでした。
きっかけは、Paradise Lostの1999年の"Host"を聴いてからでした。雑誌「BURRN!」でPaladise Lostの"Host"の記事が掲載され、そこにはゴシックという言葉の響きとParadise Lostがデス声をやめたという記事を見て、とりあえずこの"Host"を購入してみることとしました。
その時のParadise Lostの暗鬱ながらメランコリックというサウンドが私にとってとても印象的で、すぐに虜となってしまいました。
それ以降、Paradise Lostの"One Second"、"Draconian Times"を聴くこととになるんですが、"One Second"を聴いた時も凄いと思いましたが、"Draconian Times"を聴いた時に彼らの求めているサウンド"GOTHIC"が心に沁みました。
それからは、だんだんと彼らのデビュー時のデス・メタル・サウンドまで遡ることとなります。
まだスクリーム・ヴォイスだった1992年の"Shades Of God"に収められている"As I Die"を聴き、1991年の"Gothic"(このアルバムを経緯に彼らのサウンドがゴシック・メタルと呼ばれるようになった)を聴いていく内にデス・ヴォイスも難なく聴けるようになり、それ以降ゴシック・メタルのアルバムを集めるようになりました。
で、手当たり次第に聴いていくうちに、ARCH ENEMYに出会ったわけです。
あくまでもメロディック・デス・メタルで、単なるデス・メタルは今でも殆ど聴けません。
そこには、非常に高い叙情性を有するメロディがあります。
音楽はメロディがあって音楽なわけで、Paradise LostもこのArch Enemyもメロディが美しいから聴けるんですね。
同じ意味で、ラップも全く聴きません。
彼らのアルバムで最初に聴いたのは、1999年の"Burning Bridges"です。
その時はぶっ飛びましたね。
アルバムに収められていた"Silverwing"はまさに衝撃の1曲でした。メロディも美しいですし、MichaelとChristopherのAmott兄弟の奏でるギターがこの上なくメロディアスで、このナンバーでARCH ENEMYに一発でいかれました。
それ以降、In FlamesとかChildren Of BodomとかSoilwork、Opeth、Sentencedなどのアルバムを集めるようになりました。
元々エレクトリック・ギターの音が大好きな私ですので、ギターが織りなすメロディアスなフレーズを聴くのが楽しみでしたので、メロディック・デス・メタルもゴシック・メタルも難なく聴けるようになったのだと思います。
そういう意味で、Paradise LostとこのArch Enemyは今でもFavorite Bandで、彼らのアルバムは全て手に入れてます。
Paradise Lostの美しくそしてメランコリックなところとArch EnemyのAmott兄弟が織りなすメロディアスなギター・サウンドはもう最高です。
本日紹介のArch Enemyの新作ですが、純然たる新作と呼べるかは微妙なところかも。
現在のArch Enemyのヴォーカルは、Angela Gossowという女性が担当しておりますが、これが男顔負けのスクリーム・ヴォイスで凄いんです。
彼女は、2001年のスタジオ3作目の"Wages Of Sin"から担当しているのですが、当時、ヴォーカルが女性に代わるということでかなり心配しましたが、それは杞憂に終わりました。
今回のアルバムは彼女が加入以前の3rdアルバムまでとライブ・アルバムからの選曲となっております。
そういう意味で、新録ではありますが、新作と言えるかどうか、ということなんですね。
バンドのリーダーMichael AmottはヴォーカルをAngela Gossowに替えてからを本当の意味でのArch Enemyだと話していたことを考えると、今回の"The Root Of All Evil"を出したということも納得出来ます。
タイトルからしてMichael Amottが何を訴えたいか判るというものです。
1stから3rd、そしてライブ・アルバム"Burning Japan Live 1999"まではJohan Liivaという男性がとっており、それなりに良かったと思いますが、Angela嬢のヴォーカルを聴いた時はホントびっくりしました。
そして、アルバムを出すたびに、彼女のスクリーム・ヴォイスにも磨きがかかってきました。
ですから、このアルバムを聴くのをとても楽しみにしておりました。
私が大好きな"Silverwing"が収録されているということで、オリジナルとどう違うのかを是非聴いてみたかったからです。
"Silverwing"に限らず、他のナンバーも素晴らしいです。
Angela Gossowのスクリーム・ヴォイスとAmott兄弟のツインリードによるギター、もう最高ですね。
2009-11-04
Jon Mark / Songs For A Friend (1975)

Mark-Almond解散後の1975年に発表されたジョン・マークの初ソロ・アルバムです。
Sony Music Storeでのこのアルバムの紹介文には、「この美しい佳曲に溢れたアルバムは人の一生をテーマにし、人生の機微を四季の移り変わり、航海の旅のように歌い語ります。ジョン・マークがそれまで自分のサウンドとしてきたジャズ、ロック、フォークの混合ユニットとしてきたマーク=アーモンドを離れて、一人深く豊かな音楽表現を成しえたことは、まさに驚嘆に値することです。74年から曲を書き、ロンドン、パリ、ミュンヘン、さらにはカリフォルニアのカーメルの静かな自然のなかで完成させたアルバムです。アルバムはシンプルでクラシカル・オーケストラ本位のアレンジ、プロデュースはサイモン&ガーファンクルのロイ・ハリー,ジャズ界からはロン・カーターが、「明日に架ける橋」の印象的なピアノのラリー・ネクテルが参加しています。非の打ち所の無いアルバムです。」とあります。
この紹介文はかなり核心を付いていると思いますね。
Mark-Almondはジャズ、ロック、フォークの混合ユニットでAORファンからも高い支持を得ており、特に、1978年に発表された"Other Peoples Rooms"はMichael Franksにも通じるサウンドで、彼らを一躍有名にしたアルバムでした。
もちろんこの1stソロ・アルバムも十分AORファンを納得させるアルバムですが、聴きようによっては、ヴォーカル入りのニュー・エイジ・ミュージックとも言えるかも。
とにかく全体的にピアノとかストリングスのサウンドが美しいんですね。
1曲目の"Signal Hill"はそんな美しいピアノ・ソロから入るナンバーで、曲もメロディアスでもう言うことないですね。
ピアノのほかウッド・ベースの音が最高です。
2曲目の"Joey"はアコースティック・ギターから入るこれまたメロディアスなナンバーで、ストリングスがホント美しいです。
3曲目の"Ballad Of The Careless Man"もピアノとウッド・ベースが印象的な盛り上がりのあるナンバーです。
また、Jon Markのヴォーカルも情感豊かですし、バックの女性ヴォーカルもかなり良いです。
4曲目の"Someday I'll Build A Boat"はアコースティック・ギターが素晴らしいメロディアスなナンバーです。
5曲目の"The Bay"はクラシカルなピアノが印象的なメロディアスなとても良く出来たナンバーで、心が洗われる感じです。
かなりお勧めです。
6曲目の"Liars Of Love"は、これまた映画のワン・シーンにでも使えそうな、情感豊かなピアノの音が素晴らしいナンバーです。
ストリングスも素晴らしいですし、このアルバムの一押しかも。
7曲目の"Alone With My Shadow"は出だしのハープシコード(?)がとても印象的な美しいナンバーです。
8曲目の"Old People's Homes"は物哀しそうなピアノの音から入るしっとりとした感じのナンバーです。
この曲も美しいですね。
ラストの9曲目"Carousel"は美しいストリングスから入るナンバーで、全体的にクラシックしております。
ここでのJon Markはバックのクラシカルな演奏をバックに囁いております。
昨日紹介したLiving Loudみたいなヘヴィ・メタルしたアルバムの次にこのJon Markを聴いたら落差が大きすぎますね。
私は色々なジャンルの音楽を聴きます。
いつも思いますが、音楽って本当に素晴らしいですよね。
2009-11-03
Living Loud / Living Loud (2003)

こんな中年(すでに老年?)ロッカー達が集まって出来たプロジェクトのアルバムですが、バンド名よろしく、音的にも結構ラウドかつメロディアスです。
Jimmy Barnesは元Cold Chiselでソロ活動も長いオーストラリアのロック・ヴォーカリスト、Steve Morseは元Dixie Dregs、元Steve Morse Band、元Kansasそして現Deep Purpleの技巧派ギタリスト、Bob DaisleyはOzzy Osbourne, Black Sabbath, Uriah Heep, Rainbow, Gary Moore, Yngwie Malmsteen, Living Loud, Jon Lord, Chicken Shack, Mungo Jerry, Widowmakerなどとセッションの経験があるベーシスト、Lee KerslakeはUriah HeepのドラマーそしてDon AileyはRainbow, Ozzy Osbourne, Black Sabbath, Electric Light Orchestra, Gary Moore, Judas Priest, Whitesnakeなど数多くのセッションをこなし現在はDeep Purpleのキーボーディストで、メンバーのそれぞれが活動歴も長く、さらに腕も確かなので安心して聴くことが出来ます。
また、アルバムを発表後の2004年にシドニーでライヴを行い、その模様はライヴ・アルバムとしてCD化あるいはDVD化もされております。
このアルバムの中心人物はベーシストのBob Daisleyのようで、どうもOzzy Osbourneが1980年に発表した"Blizzard of Ozz"と1981年に発表した"Diary of a Madman"を2002年にリ・イッシューする際、何のロイヤリティもなく、新しいベーシストとドラマーに置き換えられたようですし、また、"Diary of a Madman"では、彼ら2人のパフォーマンスが何年もの間Rudy SarzoとTommy Aldridgeとクレジットされていたようです。
それに怒った(?)Bob DaisleyがドラマーのLee Kerslakeに話を持ちかけたのが、このプロジェクトのきっかけのようです。
それもOzzy Osbourneの1980年の作品"Blizzard of Ozz"から、 "I Don't Know"、"Crazy Train"、"Flying High Again"、"Mr. Crowley"、"Tonight"そして"Over the Mountain"の6曲を新たに録音し直し、さらに新曲5曲を追加し、このアルバムは2003年の8月から、Jimmy Barnes、Steve Morse、Don Aileyの協力を得録音されました。
どのナンバーもラウドかつメタリックなサウンドで、とても中年ロッカーの繰り出す音とは思えないです。
1曲目の"Last Chance"はポップかつハードなナンバーで、Jimmy Barnesが53歳とは思えないくらいほど声が出ておりますし、Steve Morseのギターも最高です。
2曲目の"I Don't Know"でもメタリックなSteve Morseのリフは最高です。
ヘヴィ・メタルしております。
3曲目の"Every Moment A Lifetime"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
曲の出来も良いですが、Steve Morseのギターのトーンが何ともいえないです。
4曲目の"Crazy Train"は完全にヘヴィ・メタルしております。
Lee Kerslakeは既に62歳、Bob Daisleyは59歳、Steve Morseは55歳、Don Aireyは61歳、そしてJimmy Barnesが53歳。
ホント?
凄すぎます。
5曲目の"In The Name Of God"はアコースティカルでどこか西南アジアを連想させるナンバーで、異国情緒のあるナンバーです。
6曲目の"Flying High Again"はハード・ブギしたとてもカッコ良いナンバーです。
Steve Morseのギター・リフがとても素晴らしいです。
7曲目の"Pushed Me Too Hard"はミディアム・テンポのナンバーですが、さすが兵揃いで演奏力のレベルはとても高いです。
8曲目の"Mr. Crowley"は出だしのDon Aileyのオルガンが素晴らしいメロディアスなナンバーです。
とてもカッコ良いナンバーです。
Steve Morseのギター・ソロはもう泣けます。
9曲目の"Tonight"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーですが、かなりロックしております。
10曲目の"Walk Away"はメロディアスなパワー・バラードのナンバーですが、バックのプレイはとても素晴らしいです。
ラストの11曲目"Over The Mountain"も4曲目同様にヘヴィ・メタルしております。
こいつら、中年のくせに凄いぞ。
ヘヴィ・メタルやハードロックのファンにももちろんお勧めですが、ずっとロックを聴いてきた40代、50代のファンに特にお勧めです。
2009-11-02
Johnnie Taylor / Lover Boy (1987)

購入価格は全て1枚500円と割安なものでした。
少なくともどのアルバムも価格以上の内容で十分納得いくものでした。
本日は、"Just Ain't Good Enough"に引き続き、1987年にMalaco Recordsから発表された"Lover Boy"を紹介いたします。
それにしても、Johnnieには歌心がありますね。
メロディアスなバラード・ナンバーはもちろんのこと、ディスコティックしたナンバーも素晴らしいですね。
ホント情感豊かで歌も最高に上手いです。
1曲目の"Don't Make Me Late"はメロディアスで蕩けそうなソウル・バラードのナンバーで、のっけからこれじゃ、もうホント期待してしまいます。
雰囲気いっぱいの魅力的なナンバーです。
Johnnieのヴォーカルにバックの女性コーラス、さらにはフルーゲル・ホルンの音が素晴らしいです。
2曲目の"Lover Boy"はカリビアン風のアレンジの軽い感じのナンバーです。
でもJohnnieのヴォーカルはソウルしております。
この人って、本物のソウル・シンガーですよね。
3曲目の"Lately"はこのアルバムの中でも一押しのナンバーです。
メロディアスなソフィスティケイテッドしたバラード・ナンバーで、これぞブラコンといった感じの曲です。
それが、殆どLionel Richieしております。
もう最高の1曲です。
4曲目の"You Can't Win"はリズミックなファンキーなナンバーです。
バラードも素敵ですが、こういったナンバーでも彼のヴォーカルは天下一品ですね。
5曲目の"Something Is Going Wrong"はこれまた最高のスロウ・ブルースしたメロディアスなナンバーです。
もう出だしのブルース・ギターのソロは最高です。
このギター・ソロだけでいかれてしまいました。
6曲目の"If I Lose Your Love"はアーバンな感じのライト&メロウのファンク・ナンバーです。
とても聴きやすいポップなナンバーです。
7曲目の"Girl Of My Dreams"は6曲目以上にファンクしたナンバーです。
Con Funk ShunやBar-Kaysにも通ずるとてもカッコ良いナンバーです。
途中のサックス・ソロとギターのカッティングがとても良いですね。
8曲目の"Nothing Like A Lady"もメロディアスで魅力的なソウル・バラードのナンバーです。
Johnnieの歌心が満点のナンバーです。
お勧めです。
9曲目の"Happy Time"はミディアム・テンポの軽めのソウル・ナンバーです。
これまたお勧めの1曲です。
ラストの10曲目"Universal Lady"はバラード風のメロディアスなナンバーです。
Johnnie Taylorって最高のソウル・シンガーですね。
本格的に彼のアルバムを集めてみようかな。
2009-11-01
Irene Cara / What A Feelin' (1983)

その活躍として有名なのが、1980年の映画"Fame"(「フェーム」)へ女優としての主演と、1983年に映画"Flash Dance"(「フラッシュ・ダンス」)の主題歌「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング(Flashdance... What A Feeling)」を歌い、それが全米1位となり、世界中で大ヒットを記録し、アカデミー歌曲賞、グラミー賞の最優秀女性歌唱賞などを受賞したということが挙げられます。
映画初出演は1975年の"Aaron Loves Angela"で、その後十数本の映画に出ているようですが、"Fame"を超えてヒットした作品は無いようです。
また、歌手として、1982年に"Anyone Can See"、1983年に"What a Feelin'"、1987年に"Carasmatic"の3枚を発表し、ほかにサントラ盤での参加やシングルを十数枚出しているようですが、いずれも"Fame"そして"Flashdance... What a Feeling"を超えるヒットとはなっておりません。
本日紹介する"What a Feelin'"は彼女の大ヒットアルバムで1983年に発表されました。
冒頭にも書きましたが、 このアルバムにも収められておりますが、元々映画"Flash Dance"(「フラッシュ・ダンス」)のサントラに収められていた主題歌の「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング(Flashdance... What A Feeling)」がアカデミー歌曲賞、グラミー賞の最優秀女性歌唱賞などを受賞しました。このサントラからは他にMichael Sembelloの"Maniac"なんかもヒットしました。
この"What a Feelin'"ですが、1997年にリ・イッシューされましたが、その時に若干の曲の順番が変わり、またボーナス・トラックが4曲追加されました。
このアルバムに収録されている"The Dream (Hold On To Your Dream)" (US #37)、 "Flashdance... What A Feelin'" (US#1)、 "Why Me?" (US #13)、 "You Were Made For Me" (US #78)、"Breakdance" (US#8)と5曲がヒットしました。
プロデュースはGiorgio Moroderが担当しておりますが、当時の彼は飛ぶ鳥を落とす勢いで、"American Gigolo"(1980年)、"Over The Top"(1987年)、"Metropolis"(1984)、"The NeverEnding Story"(1984年)、"Electric Dreams"(1984年)など数多くのサントラを手掛けております。
この"What a Feelin'"はGiorgio Moroderのプロデュースということで、ダンス・ユーロビート風のナンバーが多いですが、このアルバムで忘れてはいけないサウンド・クリエイターが一人おります。
その人は、Richie Zitoで、このアルバムのアレンジを手掛けておりますが、元々ギタリストですのでギターも弾いております。
このアルバムはGiorgio MoroderのプロデュースよりもRichie Zitoのアレンジがあったからこれだけヒットしたのではないでしょうか?もちろん、楽曲の良さもありますが。
1984年にRichie ZitoとJoey CarboneがプロデュースしたTeri DeSarioの"Overnight Success"に雰囲気似てますよね?
"Flashdance... What a Feeling"はもう有名な曲ですので、コメントしないですが、"The Dream (Hold On To Your Dream)" はとてもメロディアスなAORナンバーで、どこか"The Never Ending Story"を連想するナンバーです。
"You Took My Life Away" や"Keep On"、"Cue Me Up"もモロAORしたメロディアスなナンバーでお勧めです。
"You Were Made For Me"はメロディアスなバラード・ナンバーで出来も良いですね。
ボーナス・トラックとして"Flashdance... What a Feeling"がエクステンド・ヴァージョンとインスト・ヴァージョン2種類収められておりますが、どちらもリミックスを担当しているのはJellybeanですが、当時、このJellybeanもディスコ・ミュージック界ではとても名の知れたクリエイターでした。
このアルバムも現在は生産中止になっているみたいで、在庫限りのようです。
ご興味のある方はお早めにどうぞ。