2010-01-31
Michelle Raitzin / Michelle Raitzin (2009)

ハードポップやメロハーのファンからも注目されているといっても内容はメロハーではありません。
プロデューサーにPaul Laineの名前も見え、ギターをTim Pierceが担当するなどハードポップらしい部分もあるのが、その要因と思われますが、基本的にはポップスです。
また、ご覧の通りジャケット映るMichelleはかなりの美形ですし、歌もそこそこ上手いです。
さらに、収められているナンバーがメロディアスなことも、注目されているところだと思います。
最近のアメリカの若い女性のアルバムといえば、ブラックあるいはラップなどのR&Bタイプのアルバムが殆どですが、このMichelle Raitzinは全く違うタイプでAORファンにも聴ける内容だと思います。
1曲目の"Be Prepared"はメロディアスポップなナンバーで、バックのキーボードがカッコ良いAORナンバーに仕上がっていると思います。
ヒット性抜群の良く出来たナンバーです。
2曲目の"Boy Toy"はバックのドラムスは打ち込みだと思いますが、曲全体はポップでメロディアスで、そこそこ聴けます。
3曲目の"I'm Me"はメロディアスでこれまたヒット性の高い良く出来たナンバーで、AORっぽさがとても良いと思います。
このナンバーは聴きものです。
4曲目の"Perfect Stranger"はキャッチーでメロディアスなポップなナンバーで、このナンバーもヒット性の高いそんな曲です。
5曲目の"About Tomorrow"は出だしのアコースティック・ギターの響きが印象的なメロディアスなバラード・ナンバーです。
Michelleのヴォーカルもそれに輪をかけて魅力的です。
6曲目の"Everybody Knows"はPaul Laineのペンによるナンバーです。
ヴォーカルに電気的に処理したファンキー・タッチなポップ・ナンバーに仕上げております。
7曲目の"Second Best"は打ち込みによるポップでメロディアスなナンバーです。
8曲目の"Still Not Over You"もメロディアスな哀愁のナンバーで、とてもお勧めのバラード・ナンバーです。
9曲目の"Feels Like Love"もメロディがいかしたポップなナンバーです。
曲の出来がとても良いです。
10曲目の"Shame"もとてもポップなナンバーです。
ラストの11曲目"Running Away"もメロディアスなAORしたナンバーで、いかしてます。
全体的に楽曲の出来はかなり良いと思いますが、バックの音を打ち込みではなく、生の楽器に替えれば、2倍も3倍も良くなると思います。
とにかくMichelleのヴォーカルが魅力的でメロディもかなり良いので、そこんとこがちょっと残念ですね。
まあ、このままでも結構良いと思いますが。
AORファンにもお勧めです。
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2010-01-30
Answered Questions / Happiness Is (1990)

これがGAP Bandにも通じるとてもカッコ良いファンク・ブラコンのアルバムに仕上がっているんです。
デジタルなダンス・ナンバーが多く収められておりますが、Morris E. Rentie IIとMarva Kingの2人よる息の合ったハーモニーがとにかくムーディーで、そこが堪らなく良いんですね。
1曲目の"Sentimental"はバックの打ち込みが全く気にならないミディアム・スロウのメロディアスなファンク・ナンバーです。
Marva Kingのヴォーカルが声質とかヴォーカルスタイルとか全て含め、ホント、すごく素敵です。
2曲目の"I Love It"はデジタルなファンク・ナンバーで、この時代の音といった感じですね。
3曲目の"All I Wanna Do"はMorris E. Rentie IIとMarva Kingのハーモニーがいかしたミディアム・テンポのバラード・ナンバーです。
お勧めの1曲です。
4曲目の"Loveland"はカッコ良いデジタル・ダンス・ナンバーです。
このナンバーももちろん打ち込み主体のナンバーですが、仕上がりはとてもカッコ良いです。
Marva Kingのヴォーカルが素敵だからなんでしょうね。
5曲目の"What You Deserve"も打ち込みのダンス・ナンバーですが、メロディがとても良いですね。
6曲目の"Happiness Is"も再びMorris E. Rentie IIとMarva Kingのハーモニーがいかしたナンバーです。
メロディアスなバラード・ナンバーです。
7曲目の"Thee Answer To The Question"は彼らのタイトル・ナンバーといったとてもカッコ良いファンキーなインスト・ナンバーです。
8曲目の"People"もミディアム・テンポのカッコ良いファンク・ナンバーです。
9曲目の"Together"はMarva Kingのヴォーカルが最高のメロディアスなバラード・ナンバーです。
Marva Kingのヴォーカルって、ホント、雰囲気があります。
10曲目の"Now That I Have You"もMorris E. Rentie IIとMarva Kingのハーモニーがいかしたメロディアスなスロウ・テンポのバラード・ナンバーです。
このナンバーもかなりお勧めです。
11曲目の"Let's Make Love Always"は8曲目に似たタイプのバラード・ナンバーです。
Marva Kingって本当に良いですね。
12曲目の"Give It Up"もMarva Kingのヴォーカルが素敵なミディアム・テンポのライト・ファンクしたナンバーです。
これもお勧めですね。
ラストの13曲目"I'm Serious"もカッコ良くファンクしたインスト・ナンバーです。
このAnswered Questionsの魅力は何と言ってもMarva Kingのヴォーカルと打ち込み主体のサウンドながらメロディがとても良いということだと思います。
とてもいかしたファンク・ブラコンのアルバムです。
でも、Amazonのカタログには載っていないようです。
2010-01-29
Los Angeles / Neverland (2009)

Spin Galleryはあと一歩というところでしたが、このLos Angelesも同じような感じがします。
このLos Angelesですが、こちらはイタリアのAOR・ハードポップの仕掛け人Fabrizio Grossiのプロジェクト・アルバムです。
ヴォーカルは前作同様Michele Luppiが担当し、Fabrizio Grossiはベースとプログラミングそしてプロデュースを担当しております。
このLos Angelesですが、Spin Galleryより少しハード目のサウンドのハードポップです。
前作より若干落ちると言いながらも、このLos Angelesの"Neverland"ももちろんハードポップ・アルバムの出来としてはかなりのものです。
1曲目の"Neverland"(このLos Angelesもタイトル・ナンバーを1曲目に持ってきてますね)はRoberto Prioriのギター・プレイが素晴らしいメロディアスなハードポップ・ナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Nothing To Hide"はとても素晴らしいメロディアスなナンバーだと思ったら、Richard Marxの作品でした。
また、Tommy Denanderがギターを弾いており、これも素晴らしいんですね。
伸びのあるMichele Luppiのヴォーカルも良いですし、このナンバーは、このアルバムのベスト・テイクですね。
お勧めです。
3曲目の"City Of Angels"はミディアム・スロウのメロディアスなバラード・ナンバーで、出来もかなりなものです。
AORファンも納得の1曲です。
4曲目の"Promises"もミディアム・テンポのメロディアスなAORナンバーに仕上がっており、お勧めのナンバーです。
5曲目の"Wait For You"は哀愁のハードポップ・ナンバーです。
曲の出来も良いですし、これもお勧めですね。
6曲目の"Nowhere To Run"はJohn Sykes風のギター・ソロから始まるメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。
とにかくギター・ソロが最高ですし、メロディもいかしてます。
7曲目の"Tonight Tonight"はメロディアスで哀愁度が抜群のハードポップ・ナンバーです。
バックのピアノとギターは最高です。
この曲の出来もかなり良いです。
8曲目の"Higher Love"もメロディアスなポップロック・ナンバーです。
Michele Luppiのヴォーカルがいかしたナンバーです。
9曲目の"Living Inside"も哀愁度抜群のフックに満ちたメロディアスなナンバーで、申し分ないですね。
お勧めです。
10曲目の"Welcome To My Life"もメロディアスなポップロックしたナンバーです。
ラストの11曲目"Paradise"もキャッチーでフックのあるナンバーで、とてもお勧めです。
曲の出来がとても良いです。
昨日のSpin Galleryといい今日のLos Angelesといい、イタリアのFrontiers Recordsは本当に良いバンド・アーティストを擁しているレーベルですよね。
レーベルと言えば、MTM Musicはどうしちゃったんでしょうか?
2010-01-28
Spin Gallery / Embrace (2009)

今回のプロジェクトは、ヴォーカリストのKristoffer Lagerstromとのプロジェクトで、ゲスト・ヴォーカリストとしてRobin BeckとDan Reed (ex: Dan Reed Network)の2人が参加しております。
サウンドは、相変わらずの哀愁のハードポップで、Tommy Denanderのギター・プレイが光っているアルバムに仕上がっております。
まあ、全体の出来としては前作の方が良いと感じますが、この"Embrace"もハードポップ・AORの作品としては、もちろん軽く平均点は超えております。
1曲目の"Embrace"はタイトル・トラックですが、これをアルバムの1曲目に持ってくるぐらいですから、かなりの自信作なんでしょうね。
出だしのピアノが魅力的な哀愁度抜群のメロディアスなパワー・バラード・ナンバーに仕上がっております。
Kristoffer Lagerstromのヴォーカルもハイトーンで歌唱力はもちろん抜群ですし、Tommy DenanderのSteve Lukatherばりのギターはカッコ良いですし、言うことありませんね
2曲目の"Stone By Stone"はTommy Denanderのカッコ良いギターのカッティングから入るウエスト・コースト風のハードポップのナンバーです。
3曲目の"Just A Momentary Why"はRobin BeckとのデュエットによるAORしたメロディアスでポップなナンバーで、お勧めの1曲です。
4曲目の"Brilliance Of The Drugs"は結構重た目のサウンドを持ったミディアム・スロウのナンバーですが、メロディアスです。
5曲目の"Eyes Wide Open"はキーボードとギターの音がとてもいかしたメロディアスな産業ロックのナンバーです。
さすがTommy Denanderといったところでしょうか。
6曲目の"Blood In My Veins"はTommy Denanderのアコースティック・ギターとバックのヴァイオリンの音色が素晴らしいメロディアスなバラード・ナンバーです。
Kristoffer Lagerstromのヴォーカルもしっとりと歌いあげており、堪りませんね。
素晴らしいの一語に尽きるナンバーです。
7曲目の"You Do The Things You Do"はDan Reedとのダブル・ヴォーカルによるキレのあるハードポップのナンバーに仕上がっております。
8曲目の"Indulge"はメロディがとてもいかしたバラード・ナンバーで、AORファンも納得の1曲です。
とにかく曲の出来が素晴らしいです。
9曲目の"Without Love"はファンキーなタッチのナンバーで、Kristoffer Lagerstromのヴォーカルもソウルしております。
10曲目の"Tic Toc"はメロディアスなポップロックしたナンバーとなっております。
11曲目の"Everything Fades"はバックのベース、ドラムス、ギターのプレイがとてもいかしたナンバーです。
ラストの12曲目"The End"は囁くように歌うKristoffer Lagerstromのヴォーカルがいかしたメロディアスなナンバーです。
Tommy Denanderのギター・ソロは最高です。
Tommy Denanderの関わるアルバムって、ホント、ほぼ全て当たりですね。
2010-01-27
Crown Of Thorns / Karma (2002)

2nd以降、この1stを超えるアルバムがなかったと以前にこのブログで書きましたが、先日彼らの最新作"Faith"は1stには及ばないもののその出来はかなりのものでしたと書き、その際、本日紹介する"Karma"の出来も"Faith"に匹敵する出来であるとも書きました。
本日は、その"Karma"を紹介いたします。
Crown Of Thornsは、Jean Beauvoir : Vocals, Guitars, Piano, Keyboards、Micki Free : Guitars、Tony Thompson : Drums, Percussion、Michael Paige : Bassの4人の黒人ミュージシャンで結成され、1994年に1stアルバムを発表しました。
そのサウンドはというと、これがまるで黒人特有の黒っぽさを感じさせないサウンドで、メロディアス・ハードの王道をいくサウンドで、特に"Dying For Love"というパワー・バラードのナンバーは、最高にメロディアスなナンバーで、私知っている全てのナンバーの中でもベスト・テンに入る素晴らしいナンバーでした。
その後の、彼らのアルバムもこの1stを踏襲するメロディアス・ハードロックの王道を行くアルバムばかりでしたが、メンバー交代(特に当初のメンバーMicki Freeが抜けたのが、私は大きいと思っております。)により、良くも悪くもJean Beauvoirのワンマン・バンドになったのが影響しているのでは?、と私は思っているのですが。
しかしながら、この"Karma"で、再びCrown Of Thornsらしさのメロディアスに拘る姿勢が戻ってきたと私は思っております。
このアルバムには。
01 Believer
02 Gotta Get Next To You
03 'Til You've Had Enough
04 My Sweet Lord
05 Shed No Tears
06 Before It Slips Away
07 Let's Start Over Again
08 I'm Sorry
09 Alone Again
10 Keep On Survivin'
11 Once In My Life
の11曲が収録されております。
02は軽快でポップな感じのメロハーでヒット性の高いナンバーに仕上がっております。
03はギターのリフがカッコ良い、これまたポップなメロハーです。
04のカヴァーにはちょっとビックリ、でした。George Harrisonの大ヒット・ナンバーのカヴァーですが、原曲を損なわないアレンジで、これが妙に嵌っていて、出来も素晴らしいと思います。
05はDoro Peschとのデュエット・ナンバーで、これがとてもメロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっており、その出来もかなり良いと、きてます。これは聴きものです。
06はこれぞメロディアス・ハードロックといたフックに満ちたメロディアスなナンバーで申し分の無い出来です。
07もメロディアス度は抜群で、哀愁度も高いナンバーです。
08はバックのキーボードが魅力的なメロディアスなバラード・ナンバーで、これもポイントは高いです。
09もギターのリフがカッコ良いメロハーです。
10もポップでメロディアスなハードロック・ナンバーです。
11はアコースティカルな、これまたメロディアスなバラード・ナンバーです。
Crown Of Thornsって、本当に素晴らしいメロハー・バンドだと思います。
もう少し売れても良いと思うのですが。
2010-01-26
Spandau Ballet / True (1983)

しかしながら、本日紹介する1983年の3rdアルバム"True"を発表するやいなや、アルバム・タイトル・ナンバーの"True"が母国イギリスだけでなく、アメリカそしてこの日本で大ヒットし、グローバルなポップ・バンドとしての位置を獲得することとなりました。
特に、この"True"はTony Hadleyのヴォーカル・スタイルやメロディアスで美しい曲ということで、AORファンをも魅了することとなります。
この"True"、アルバム・チャートでは、UK 1位、US Billboard 200で19位、シングル"True"はBillboard Hot 100で4位、Adult Contemporary Chartで1位を記録する大ヒットとなっております。
このアルバムには、
01 "Pleasure" 3:35
02 "Communication" 3:40
03 "Code of Love" 5:11
04 "Gold" 4:51
05 "Lifeline" 3:36
06 "Heaven is a Secret" 4:27
07 "Foundation" 4:08
08 "True" 6:29
の8曲が収められております。
どれもがメロディアスなとても良く出来たナンバーばかりで、他のニューロマンティック・バンドとの違いは、何といってもステージ・パフォーマンスーマンス(Tony Hadleyに依るところが多い)とサックス・プレイヤーのSteve Normanのカッコ良さだったと思います。
このアルバムには、"True"のほかに、"Gold"がBillboard Hot 100で27位、Adult Contemporary Chartで17位、さらに"Communication"がBillboard Hot 100で59位とシングル・ヒットしたナンバーが収められております。
01は出だしのベース・ラインと曲全体のギターのカッティングがいかしたメロディアスなAORしたナンバーです。このGary KempのギターのカッティングがこのSpandau Balletのもう一つの魅力でもあります。
02もGary Kempのギターのカッティングがカッコ良いポップなナンバーで、シングル・ヒットしただけあります。
03はメロディアスなバラード・ナンバーで、ほぼAORしております。
04はTony HadleyのヴォーカルとSteve Normanのサックスが素晴らしいメロディアスなナンバーで、AC Chartの17位に食い込んだのも当然といえば当然のAORしたナンバーです。
05はシングル・ヒットこそしませんでしたが、とてもポップでメロディアスなナンバーで、出来は素晴らしいです。
06もメロディアスな、これはもう完全にAORしたナンバーです。
07もポップでメロディアスなナンバーです。
極めつけはやはり08でしょうね。このナンバーを最初に聴いたのは、札幌市内のカフェ・バーでした。当時は、ニューロマンティックに殆ど興味がなく、Spandau Balletなんか聴いたこともありませんでした。で、店内でこの曲が流れた時、体に電流が走る、そんな感じがしました。一体誰が歌っているのだろう。是非レコードが欲しいということで、いろいろ調べ、Spandau Balletというバンドのナンバーだと判明し、その後は、もう首ったけでしたね。
この"True"ですが、かなりというか非常に思い入れのあるナンバーです。
Tony Hadleyってダンディですし、歌は上手いですし、声質が良いですよね。
このTony Hadleyに似たヴォーカリストにABCのMartin Fryがおりますが、彼らの"The Lexicon Of Love"も良く出来たアルバムです。
あと、この"True"のほか次作の"Parade"も良く出来たアルバムで、このアルバムに収められている"Only When You Leave"は"True"の次に好きなナンバーです。
また、再結成して2009年に発表した"Once More"も評判が良いようですね(まだ聴いておりませんので、その内聴いてみようと思っております)。
2010-01-25
L.A. Unit / Driving Music (1994)

国内盤で帯には、「ウエスト・コーストからの風をいっぱいに浴びた音...感じてほしい!」とあり、アルバム・タイトルは「ドライビング・ミュージック(Driving Music)」で、山下達郎と竹内まりやの曲を、L.A.の一流ミュージシャン達のアレンジ、演奏によるインストルメンタル・アルバムとあります。
発売は日本クラウンによる日本編集盤です。
アルバムの外側からは、どんな一流ミュージシャンが参加しているのかは判りませんでしたが、280円ということで購入してみました。
で、家に帰り早速、ジャケットを取り出して参加ミュージシャンを見ると、ホント、L.A.の有名なミュージシャンばかりでビックリでした。
ギターには、Pat Kelly、James Harrah、Jeff Baxter、Michael Thompson、Michael Landauが、ベースには、Tim Landers、Abraham Laboriel、ドラムスには、Mike Baird、Carlos Vega、ピアノにRandy Woldman、キーボードにDavid Garfield、Randy Woldman、Jeferey Vanston、シンゼサイザーにBarnaby Finch、サックスにChris Bunter、Brabdon Fields、Wilton Felder、Tom Scott、パーカッションにLenny Castro、Rafael Padilla、エレクトリック・ヴァイオリンにJerry Goodman、そしてコーラスにWatersとCarmen TwilleyというメンバーがL.A. Unitというプロジェクトでプレイしております。
1994年に発表された日本の企画物のアルバムですが、山下達郎と竹内まりやの代表的なヒット・ナンバーが10曲収録されており、ご覧のジャケット・デザインと相まって、内容は夏を連想させる軽快なフュージョン・アルバムとなっております。
特にギタリストが5人も参加していることもあり、いわゆるギターオリエンティドのとてもカッコ良いもので、ギター・フュージョンが大好きな私にとっては、もう最高で、これが280円(!?)にはビックリでした。
収録ナンバーは、
01 愛を描いて?Let's Kiss The Sun
02 夏の恋人
03 高気圧ガール
04 Loveland Island
05 Get Back In Love
06 元気を出して
07 悲しみのJody
08 Down Town
09 シングル・アゲイン
10 潮騒?The Whispering Sea
の10曲です。
誰がどの曲でプレイしているかは判りませんが、アレンジ(アレンジャーは、Jeferey VanstonとBarnaby Finch)が夏向きのアルバム・タイトルの"Driving Music"そのまんまのサウンドです。
とにかく、どのナンバーでもバックのプレイは確かで、素晴らしいフュージョン・アルバムに仕上がっております。
こういった企画物のアルバム(日本人アーティストの曲を海外のアーティストが取り上げたもの)は沢山あり、中にはどうでも良いようなアルバムもありますが、山下達郎のナンバーを取り上げた企画物って、結構良いアルバムが多いように感じます。
また、このような企画物はアレンジが全てですから、アレンジが悪いものは本当につまらないものになってしまいがちですが、この"Driving Music"は、そのアレンジが素晴らしく、他のアルバムよりも抜きんでた結果となっているのでしょうね。
Amazonのカタログには載っておりませんが、フュージョン・ファンにとっては一聴のアルバムです。
おそらく中古屋さんに行けばあるようなアルバムだと思いますが。
2010-01-24
Various Artists / St. Elmo's Fire (1985)

映画は、社会に出たばかりの7人の男女の仲間達の姿を描いた青春もので、Rob LoweやDemi Mooreの出世作となった作品だったと思います。
この日本でも結構ヒットし、後にテレビで日本人の若手俳優による似たようなシチュエーションのドラマが作られました。
このサントラからは、John Parrが歌う"St. Elmo's Fire (Man In Motion)"が、U.S. Billboard Hot 100で1位、U.S. A.C. Chartで4位を記録する大ヒットとなりました。
また、このアルバムには、David FosterとJay GraydonのプロジェクトAirplayが5年ぶりの新曲を披露しております。
ただし、Tommy FunderburkからPeter Beckett (ex:Player)にヴォーカルが変更となっておりますが。
このアルバムが出た後、再びAirplayのアルバムが出るのでは(?)と期待しましたが、結局。実現しませんでしたが。
さらに、このアルバムには、当時無名だったJohn & Dino ElefanteのElfante(John Elefanteは元Kansas)やJon Anderson (ex: Yes)さらにはBilly Squire、Fee Waybill (ex; Tubes)などのアーティストが参加しており、私を含め巷のAORファン、ロック・ファンを大いに喜ばせてくれたアルバムでした。
1曲目の"St. Elmo's Fire (Man In Motion"が冒頭に書きましたようにJohn Parrのヴォーカルによるナンバーです。
David FosterとJohn Parrによるナンバーで、いかにものDavid Fosterのアレンジによるメロディアスなハードポップ寄りのAORナンバーに仕上がっております。
2曲目の"Shake Down"はBilly Squireのヴォーカルによるハードロック・ナンバーです。
David Fosterとの関係は?ですが、当時"Rock Me Tonite"といったシングルをヒットさせ、注目を浴びていたロック・ミュージシャンです。
私は彼のファンで、1993年に発表した"Tell the Truth"というアルバムを特に気に入っております。
3曲目の"Young And Innocent"はElefanteによるナンバーです。
メロディアスなバラード・ナンバーです。
David FosterとこのElefanteとの関係も?です。
John ElefanteはKansasを始め色々なミュージシャン・バンドのアルバムに参加しており、最近再発されたMastedonの中心的メンバーでもありました。
4曲目の"This Time Was Really Right"はYesのJon Andersonのヴォーカルによるナンバーです。
David FosterとJon Andersonのペンによるナンバーで、Chicago風のブラスが入ったメロディアスなAORナンバーに仕上がっております。
とにかくバックのプレイがいかした1曲です。
そういえば、David FosterとJon Andersonの関係も?ですね。
5曲目の"Saved My Life"はFee Waybill (ex: Tubes)のヴォーカルによるナンバーです。
David Foster、Fee WaybillとSteve Lukatherの共作のナンバーで、Steve Lukatherのギターがカッコ良いハードな仕上がりとなっております。
David FosterがAlice Cooperをプロデュースをした時は驚きましたが、同じくらいThe Tubesをプロデュースした時も驚きました。
The TubesのアルバムはSteve Lukatherなんかも参加し、とてもポップな産業ロックのアルバムに仕上がっておりましたし、Fee Waybillのソロ・アルバムもDavid Fosterのプロデュースにより音も華麗になっておりました。
6曲目の"Love Theme From St. Elmo's Fire"はDavid Fosterのお美しく華麗なピアノを聴けるインスト・ナンバーです。
7曲目の"It I Turn You Away"はVikki Mossという女性ヴォーカリストによるナンバーです。
David FosterとRichard Marxのペンによるナンバーで、ヴォーカルをRichard Marxに替えれば、そのまんまRichard Marxのナンバーになってしまいそうな、メロディアスなバラード・ナンバーです。
Vikki MossはDavid Fosterが見つけ出したヴォーカリストで、確かDavidのソロ・アルバムでも歌っていたと思います。
8曲目の"Stressed Out (Close To The Edge)"はAirplayとしての新曲です。
David Foster、Jay Graydon、Steve KipnerとPeter Beckettのペンによるナンバーです。
もちろんPeter Beckettがヴォーカルを担当しておりますが、5年も経つとサウンドも変化するんですね。
モダンな感じのアレンジがイマイチといったところか。
9曲目の"Georgetown"はDavid Fosterのストリングス・アレンジとピアノがいかしたインスト・ナンバーです。
ラストの10曲目"Love Theme From St. Elmo's Fire (For Just A Moment)"は6曲目のヴォーカル・ナンバーです。
ヴォーカルを担当しているのはDonny GerrardとAmy Hollandで、とてもメロディアスなデュエット・ナンバーとなっており、AORファンは納得の1曲でしょう。
ホント、この頃のDavid Fosterは飛ぶ鳥の勢いがありましたね。
2010-01-23
Human Zoo / Over The Horizon (2007)

AORもののリ・イッシューが少ないですし、新譜もあまり発表されてませんが、ことハードポップやメロハーのアルバムはいろいろなバンドのアルバムがリ・イッシューされておりますし、もちろん新譜もたくさん出ておりますので、必然的にそうなってしまっております。
私はメロディアスなものであれば、AORに限らず、ハードポップ・産業ロックやメロハー、さらにゴシック・メロデスなど手当たり次第に聴いております。
本日紹介しますHUMAN ZOOはドイツのバンドですが、いわゆるHelloweenを代表とするジャーマン・メタルではなく、スケール感のあるメロディアスなハードロックを演っており、これがとても素晴らしいんですね。
この"Over The Horizon"は2007年の彼らの2ndアルバムです。
1stの"Precious Time"がメロハー・ファンから注目されたようですが、この2ndもギター・オリエンティドの厚みのあるサウンドがとてもいかしたメロディアス・ハードロックのアルバムです。
また、このバンドには専任のサックス・プレイヤーがバンド・メンバーにいるということが他のバンドと違った魅力を醸し出しております。
1曲目の"Cosmopolitan Scene Part II"はアルバムのプロローグとも言えるインスト・ナンバーです。
2曲目の"Cryin'"はギター・オリエンティドのナンバーで、とてもカッコ良いメロディアスなナンバーで、もうこの1曲でHuman Zooの虜になってしまうこと請け合いです。
3曲目の"Over The Horizon"もミディアム・スロウのメロディアスなナンバーです。
このバンドの魅力は、Thomas SeeburgerのヴォーカルとIngolf Englerのギターですね。
特にIngolfのギター・プレイは最高です。
4曲目の"Communicate"も本当にメロディアスなハードロック・ナンバーです。
5曲目の"Want It"は出だしのベースがカッコ良い、ファンキー・タッチのメロハーです。
さすがサックス・プレイヤーがバンドに居るだけあります。
6曲目の"Be The One"はバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
盛り上がりもありますし、結構良く出来ています。
7曲目の"Rock Your Town"は打って変わって、結構ハードなギターのリフから始まるメロディアスハードのナンバーです。
8曲目の"Interlude Creatures Theme I"は次の9曲目"Creatures Of The Night"の導入部で、その9曲目はカッコ良いサックス・ソロから始まるナンバーですが、これがメロディアスで最高に素晴らしく、このアルバムの一押しといったところでしょうか。
サックス・ソロにギター・ソロ、もう最高です。
メロディ・マニアであれば必ず気に入るナンバーだと思いますね。
10曲目の"Hit The Rock"はハード目のギターのリフから入るロックンロールしたカッコ良いナンバーです。
11曲目の"Lovin' You"はアコースティカルなメロディアスなロック・ナンバーです。
12曲目の"Endless Road"はアコースティック・ギター主体のメロディアスなバラード・ナンバーとなっております。
ラストの13曲目"Easten Girl"は日本盤のボーナス・トラックでギターのリフがカッコ良いメロディアスハードのナンバーです。
ギター・ソロはカッコ良いです。
出来もボートラとは思えないくらいです。
メロハー・ファン必聴の1枚です!
2010-01-22
Agent / Evidence.... (1998)

カナダのハードポップ・メロハー系のバンドといえば、Prism、Saga、Triumph、Boulevard、Emerald Rain、Final Frontier、Frozen Ghost、Harem Scarem、Harlequin、Honeymoon Suite、Just-If-I、Kick Axe、Loverboy、New England、Refugee、Rush、Santers、Toronto、Von Groove、Wrabit、Body Electric、Aliasなど数え上げればきりがないですが、ほぼ全てのバンドに通じるのが湿り気を帯びたメロディアスなサウンドを聴かせてくれるということではないでしょうか。
このAgentもまさにそういったサウンドを持ったバンドで、1996年に1stアルバム"Agent"と本日紹介する2ndアルバムのみで消えたバンドでしたが、この2枚のアルバムを聴くと、消滅したのがとても勿体なく思います。
湿り気を帯びたメロディアスなサウンドは、Final FrontierやNew Englandに通ずるサウンドで、これらの2組のバンドに比べると知名度がイマイチといった感じですが、中身では全く負けておりません。
1曲目の"One World"はカッコ良いギターのカッティングから入るメロディアスでポップなナンバーです。
出来もかなりなものです。
2曲目の"Never Forget"はミディアム・テンポのメロディアスな産業ロックしたナンバーです。
3曲目の"Don't Let Me Know"は出だしのドラムスとこれに絡むギターの音がいかしたキャッチーでメロディアスな産業ロック・ナンバーで、アルバムの一押しかも。
とても良く出来たナンバーです。
4曲目の"Heart In My Hand"はバックのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーで、とてもお勧めです。
5曲目の"Human Condition"は哀愁のハードポップといった感じのメロディアスなナンバーで、これもお勧めです。
6曲目の"Somebody"はメロディアスでとてもポップに仕上がったナンバーです。
Loverboy風かな?
7曲目の"Speaking In Tongues"はドラムスとベースのリズム・コンビのプレイがいかしたリズミカルな面白いナンバーです。
8曲目の"Just Say Tonight"はメロディアスでしっとりとした感じなAORナンバーに仕上がっております。
9曲目の"Maybe It's Time"はキャッチーメロディアスなハードポップ・ナンバーで、バックのサックスがアクセントとなった素晴らしいナンバーです。
3曲目を一押しと書きましたが、出来はこちらの方が良いかも。
10曲目の"Perfect Heart"はバックのギターがカッコ良いロックンロールしたナンバーで、これも出来はかなりなもの。
ラストの11曲目"She Wants Blood"はこのアルバムの中では最もハードな仕上がりですが、とても聴き易いメロディアスなナンバーです。
ラストの11曲目の続きヒドゥン・トラックが収録されておりますが、4曲目の"Heart In My Hand"のヴァージョン違いです。
本当にこのナンバーはメロディアスなバラードです。
このAgentの1stはまだ普通の値段で手に入りますが、2ndアルバムは既に廃盤となっており、レア化しております。
カナディアン・ハードポップがお好きな方にはお勧めです。
2010-01-21
Halestorm / Halestorm (2009)

巷の評価もかなり良く、Lzzyの力強くも華麗なヴォーカルがとても魅力的なそしてメロディアスな1枚です。
Halestormは1997年にバンド活動をスタートし、地元のペンシルバニアでは、結構知られていた存在のようで"Pennsylvania Musician"という雑誌に何度か取り上げられたとか。
そんなことから2005年にAtlantic Recordsとサインしましたが、さらに腕を磨くため、全米ツアーを行い、そして、2009年にこの1stアルバムが発表されたようです。
女性ヴォーカルのハードロックといえば、ゴシック・メタルが思い浮かび上がりますが、このHalestormは冒頭にも書きましたとおりメロディアスな正統派ハードロックしたアルバムですが、これが最高にいかしております。
1曲目の"It's Not You"はメロディアスでポップでハードなとてもカッコ良く仕上がったナンバーで、サビの部分がもう最高!といった感じです。
Lzzyのヴォーカルもバックのプレイも素晴らしく、この1曲を聴いただけで只者ではないバンドだとということが判ります。
2曲目の"I Get Off"はミディアム・テンポのメロディアスで盛り上がりのあるメロディアス・ハードロックしたナンバーです。
Lzzyは歌が上手いです。
3曲目の"Bet U Wish U Had Me Back"はギターの音がいかしたミディアム・スロウのメロディアスなパワー・バラードの最高にいかしたナンバーです。
やはり並みの新人ではないですね。
4曲目の"Innocence"は、これまたバックのプレイがとてもいかしたメロディアスなナンバーです。
さすがライヴで腕を磨いただけあります。
5曲目の"Familiar Taste Of Poison"はメロディアスなバラード・ナンバーで、抑え気味のLzzyのヴォーカルがとてもいかしてます。
Lizzy嬢ですが、本当に歌が上手いです。
6曲目の"I'm Not An Angel"もミディアム・テンポのメロディアスなバラード風ナンバーです。
このナンバーもいかしてます。
7曲目の"What Were You Expecting?"はギターのリフがハードなナンバーです。
バックのプレイがいかしてます。
8曲目の"Love/Hate Heartbreak"は盛り上がりのあるメロディがカッコ良いハードロックのナンバーです。
9曲目の"Better Sorry Than Safe"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、こういったナンバーが彼らの魅力なんでしょうね。
素晴らしい出来です。
10曲目の"Dirty Work"もLzzyのヴォーカルとバックのプレイが光るナンバーです。
ラストの11曲目"Nothing To Do With Love"はハードながらポップな感じの魅力的なナンバーです。
全曲彼らのオリジナルですが、曲作りも素晴らしいと思いますね。
ライヴで腕を磨いただけあって、プレイも素晴らしいです。
また、Lzzy嬢も結構な美人です。
巷で評価が高いのも納得の1枚です。
2010-01-20
Message / Message (1980)

1980年に出され、1995年にLong Island Recordsからリ・イッシューされました。
ジャケットはリ・イッシューの時(オリジナル・アルバムは見たことがないので判りません)のもので、最近ドイツのネット・ショップTarget Recordsから4.95ユーロで手に入れたものです。
おそらく、4.95ユーロでは手に入らないと思いますので、得した気分です。
Messageとして、Message (1980)、Lessons (1982)(なお、このLessonsは1stアルバムに収められていたナンバーもかなり収められておりますが)、Fine Line (1998)、Outside Looking In (2000)、Message Live (2006)といったアルバムを発表しております。
Richie Samboraが在籍していたのは"Lessons"までで、その後Bon Joviに参加することとなります。
最後までメンバーとして残っていたのは、ヴォーカルのDean Fasanoだけでしたが、彼は2008年に54歳という若さで亡くなりました。
このMessageの1stアルバムですが、Bon Joviよりもキャッチーなサウンドを聴かせるかも。
1曲目の"Where Were You"はメロディアスなキャッチーなナンバーで、もう何も言うことがありません。
Dean Fasanoのヴォーカルは伸びのある透き通った感じで、歌もかなり上手いです。
Richie Samboraのギター・ソロが堪らなく良いです。
2曲目の"I Can Feel It"もポップでメロディアスなナンバーです。
3曲目の"She's Gone"はBon JoViを髣髴するメロディアスでポップな元気いっぱいのハードロック・ナンバーです。
もう完全にBon Joviです。
4曲目の"Stories"もメロディアスなナンバーで、出来もかなり良いです。
哀愁のハードポップといった趣のナンバーです。
Richie Samboraのソロ・ギターはまさに聴きものです。
5曲目の"Pessimistic Man"は出だしのオルガンがカッコ良いメロディック・ロックしたナンバーです。
6曲目の"Swing"はミディアム・スロウのブルージーなナンバーです。
バックのピアノとギターのリフがカッコ良いです。
7曲目の"Lessons"はスペイシーな感じのメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。
Richie Samboranoのギター・ソロが素晴らしいです。
8曲目の"It Won't Be Long"もBon Joviタイプの溌剌としたポップでメロディアスなナンバーです。
9曲目の"Is There Love"はメロディアスで盛り上がりのあるバラード・ナンバーです。
バックのピアノの音が素敵です。
ラストの10曲目"Any Other Girl"はピアノの音がいかしたメロディアスな、これまたパワー・バラードしたナンバーです。
これもお勧めです。
かなりいかしたアルバムです。
2010-01-19
Bill Wolfer / Wolf (1982)

以前(2002年)にSanctuary Recordsから"The Best Of Bill Wolfer"というタイトルで、このアルバム丸ごと1枚に"Papa Was A Rollin' Stone (edit)"がボーナストラックとして追加され、ジャケットを差し替えて発表されましたが、今回のリ・イッシューはオリジナル・ジャケットを使用し、ボートラも8曲追加されたということが魅力ですし、やはりオリジナル・ジャケットにこだわりがありますので、AORファンにとっては嬉しい再発だと思います。
Bill Wolferは、Stevie Wonderの"Secret Life"やMichael Jacksonの"Billy Jean"などのプログラムを担当したことや、Shalamerをプロデュースしたことで知られるコンポーザー、アレンジャー、キーボーディスト、プログラマーとして有名です。
1982年といえば、AOR、Fusion、Black Contemporary、Funk Musicなどが持て囃されていた時期で、この日本でもクリスタルな音楽(オシャレ)として、私も含め、AORファンはフュージョンもブラコンもさらにファンクなどを好んで聴いていたと思います。
そして、この"Wolf (邦題「デジタルの夜」)"は、AOR、Fusion、Black Contemporary、Funkの良いとこどりみたいなライトメロした内容で、AORを始めこういった音楽が好きなファンから熱い視線を向けられたのも当然といったアルバムでした。
このアルバムでは、Bill Wolferが全編にわたってキーボード、プログラミングを担当し、ゲスト・ヴォーカルにFinis Henderson、CCM界からJohn Gibsonを迎え、雰囲気最高のデジタル・グルーヴなサウンドを作り上げています。
ほかに、Stevie Wonderがハーモニカで、Michael Jackson、Watersがバッキング・ヴォーカルで参加しています。
1曲目の"Call Me"はAORファンから最も支持が高いナンバーで、ヴォーカルにFinis Hendersonを配した、ソフト&メロウなAORナンバーに仕上がっております。
どことなく、Micheal McDonald風のナンバーが最高ににいかしてます。
2曲目の"So Why"はJohn Gibsonがヴォーカルを執ったナンバーです。
Johnのブルーアイド・ソウルしたヴォーカルがいかしたファンキーなタッチのメロディアスなAORナンバーです。
3曲目の"Window On A Dream"はBill Wolferのキーボードやシンセがとてもメロディアスなインスト・ナンバーで、もうこれは当時のFusion Musicといった趣のナンバーです。
4曲目の"Papa Was A Rollin' Stone"はBill Wolferのプログラミングの腕の見せ所といったファンクしたナンバーです。
ボコーダーがリードを執り、Michael Jackson、Watersがバッキング・ヴォーカルを担当しております。
5曲目の"Nobody Knows"もメロディアスなライト感覚のフュージョン・インストのナンバーで、どこかBob James風です。
このナンバーもとても魅力的です。
6曲目の"Why Do You Do Me"は再びJohn Gibsonがヴォーカルを執ったファンキーなブラコン風のナンバーです。
John Bibsonのヴォーカルもとても黒っぽくていかしてます。
7曲目の"Wake Up"もJohn Gibsonがヴォーカルを担当。
"Call Me"タイプのメロディアスでライト&メロウしたAORナンバーです。
8曲目の"Soaring"はCrystal Blakeという女性がヴォーカルを担当しているナンバーで、メロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
流れるようなBill Wolferのピアノと切ない感じのStevie Wonderのハーモニカがこの曲を盛り上げております。
9曲目の"Camouflage"もBill Wolferのプログラミングがいかしたファンキーなナンバーです。
ここでもボコーダーがリードを執っています。
10曲目の"Pop Quiz"はライト&メロウしたフュージョン・ナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリです。
11曲目以降18曲目までが、今回のCD化によって追加されたボーナストラックです。
11曲目の"You Are (One Sunny Day)"はとても良く出来たAORナンバーで、ボーナストラックとは思えない仕上がりです。
クレジットが無いので誰がヴォーカルを執っているか判りませんが、もう完全にAORしたライト&メロウしたナンバーで、お勧めです。
12曲目の"I Will Get You"も11曲目同様に出来がかなり良いAORナンバーです。
13曲目の"The Hard Way"はファンキーな感じのAORナンバーとなっております。
14曲目の"Little Miss Lover"はJimi Hendrixのカヴァーで、ロック感覚の若干ハードなナンバーですが、これが実にカッコ良いです。
15曲目の"Adam And Eve"はBill Wolferのプログラミングがいかしたファンク・ミュージックです。
16曲目の"Somebody Loves You"はBill Wolferのキーボードが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
17曲目の"Love Games"やラストの18曲目"9000 Problems"も完全にAORしたメロディアスなナンバーです。
ボーナストラックは全てヴォーカル入りのナンバーとなっており、内容もAORしておりますので、これは最高です。
既に、Sanctuary Recordsから発表された"The Best Of Bill Wolfer"を持っていても、このアルバムを手に入れるべきですね。
2010-01-18
Gunhill / Nightheat (1997)

これらのバンドやソロ活動に通じるメロディアスなハードポップのアルバムに仕上がっております。
Gunhill名義では、1995年に"One Over the Eight "というアルバムも出しておりますが、こちらもメロディアスなハードポップ・アルバムとなっております。
このGunhillにはJohn Lawtonのほか、Neil Kavanagh (B,Keys)、Brian Bennett (G)、Chris Jones (Ds)となっております。
オリジナル・ナンバーにカヴァー曲が数曲収録されております。
1曲目の"Don't Stop Believing"はBrian Bennettのカッコ良いギターから入るメロディアスなハードポップです。
John Lawtonのペンによるナンバーで、キャッチーで最高にいかしたナンバーです。
2曲目の"Ready For Love"はBad Companyのあの曲のカヴァーです。
これはオリジナルに敵いませんが、軽い感じのアレンジでハードロック・ナンバーが産業ロック・ナンバーになった、そんな感じです。
3曲目の"Wall Of Silence"も出だしのBrian Bennettの泣きのギター・ソロが最高のメロディアスなバラード・ナンバーです。
これは聴きものです。
4曲目の"Nobody Loves You The Way I Do"美メロのパワー・バラードしたナンバーです。
John Lawtonのヴォーカルはもう最高です。
5曲目の"Far From Home"もBrian Bennettのギターが素晴らしい哀愁のバラード・ナンバーといったところでしょうか。
6曲目の"Eleanor Rigby"はもちろんThe Beatlesのカヴァーです。
これももちろん(?)オリジナルには敵いませんが、まあ、雰囲気は判ります。
そういえば、1stアルバムでもこの"Eleanor Rigby"を取り上げておりました。
7曲目の"Don't Look Back"は、Bostonにも同じタイトルのナンバーがありましたが、こちらもメロディアスな産業ロックのナンバーに仕上がっていて、結構良かったりします。
8曲目の"Waiting For The Heartache"も哀愁度抜群の美メロのハードポップ・ナンバーです。
9曲目の"When A Man Love A Woman"ももちろんPercy Sledgeの1966年の大ヒット・ナンバーのカヴァーです。
これもオリジナルに軍配は上がりますが、John Lawtonのソウルフルなヴォーカルも乙なものです。
10曲目の"Any Day Now"はアコースティカルながらとてもロックしたナンバーとなっております。
ラストの11曲目"Clearwater Highway"はこのアルバムの中で、最もメロディアス・ハードロックしたナンバーとなっております。
オリジナルのBad Companyに決して負けておりません。
さすがJohn Lawtonのバンドだけあって、アルバム全体がメロディアスなハードポップした仕上がりとなっております。
でも、Amazonのカタログにも載っておりませんので、今じゃレア盤なんでしょうね。
2010-01-17
渚のオールスターズ / 渚のカセット Vol.1 (1987)

約40cm弱も降り、午前中いっぱい雪かきに追われ、腰に重りが乗っかった感じがします。
ずっと札幌に住んでおりますが、この雪だけは好きになれないですね。
滑るし道路の幅が狭くなり交通渋滞が起きますし。
特に1月、2月は雪は多いですし、寒いです。
まあ、あと2か月半の辛抱ですが。
ということで、真冬をぶっ飛ばせの意味で、本日は、渚のオールスターズの「渚のカセット Vol.1」を紹介したいと思います。
渚のオールスターズは、1987年結成され、3枚のシングル、3枚のアルバムとベストアルバムを1枚発売しております。
TUBEに楽曲提供をしていた織田哲郎、亜蘭知子、栗林誠一郎とサポートメンバーの伊藤一義らが、TUBEの楽曲「サマードリーム」の歌詞の一節にある「渚のカセット 好きな歌だけ詰め込んで」のフレーズに意気投合して結成したと言われております。
この1stは、1987年の12月に発表されたアルバムですが、ジャケットを見ると、「TUBE / NAGISA NO CASSETTE VOL.1」となっており、当初はTUBEのアルバムの1枚として出されたのでしょうか?
帯には、「こんなことが今まで出来ると思わなかった!!チューブ初のライブ感覚ベスト」ともあります。
また、帯には「渚のオールスターズ」(織田哲郎、亜蘭知子、前田亘輝、春畑道哉、栗林誠一郎、伊藤一義)ともあり、さらにMusic by 渚のオールスターズとも表記されておりますので、渚のオールスターズの1stアルバムということでもあるのでしょうね。
私が渚のオールスターズに興味を持ったのは、TUBEが母体ということでは全く無く、亜蘭知子が参加していたからです。
彼女は、基本的には作詞家ですが、ソロ・アルバムも、「神経衰弱(1981.07.25)」、「色彩感覚(1982.07.25)」、「浮遊空間(1983.05.28)」、「MORE RELAX(1984.06.25)」、「IMITATION LONELY ―都会は、淋しがりやのオモチャ箱―(1985.04.25)」、「Last Good-bye(1986.04.25)」、「MIND GAMES(1987.03.25)」、「Stay In My Eyes(1989.11.21)」、「Sunny Side Memories (1990.04.21)と9枚のアルバムを出しており、どれもがメロウで都会的なAORした作品で、特にMORE RELAX(1984.06.25)」はとても良く出来た作品で、彼女のベスト・アルバムだと思います。
ただ、彼女のアルバムは全て廃盤となっており、特に初期ワーナーから出ていた作品はどれも5桁近くもするレア盤となっておりますので、是非、リ・イッシューが望まれます。
そんな亜蘭知子が参加しているこの「渚のカセット Vol.1」ですが、これがとても素晴らしいアルバムとなっております。
特に亜蘭知子が作詞しヴォーカルを担当しているナンバーはとても出来が良いですね。
収録ナンバーは、
01 サマー・ドリーム
02 ボーイズ・オン・ザ・ビーチ
03 ステキなサタデー・ナイト
04 Stay In My Eyes
05 SA・YO・NA・RA
06 My Sweet Milky Baby
07 Seaside Rock'n Roll
08 ダンス・ウィズ・ユー
09 Why Did You Go Away
10 Stay Forever
11 渚のMerry Boys
12 サンディー
の12曲です。
01はTUBEのヒット・ナンバーですが、前田亘輝と亜蘭知子そして織田哲郎が交互にヴォーカルを執っておりますが、彼女のヴォーカルが本当に素敵なんですね。
曲も亜蘭知子作詞、織田哲郎作曲ですので、悪いわけはありません。
02もTUBEのヒット・ナンバーですが、このナンバーでは、亜蘭知子がほぼ全てリード・ヴォーカルを執っており、前田亘輝、栗林誠一郎がデュエットで参加しております。
このナンバーも亜蘭知子と織田哲郎によるナンバーで、メロディアスなAORしたナンバーで、最高の出来です。
03は前田亘輝と織田哲郎のヴォーカルによるファンキーでポップなナンバーで、とてもカッコ良く仕上がっております。
04は栗林誠一郎がリード・ヴォーカルを担当し、亜蘭知子がハーモニー・ヴォーカルを執っているナンバーです。
メロディアスなバラード・ナンバーで、とても素敵な曲です。
05は織田哲郎がヴォーカルを執っているナンバーです。
メロディアスなパワー・バラード風のナンバーで、織田哲郎のヴォーカルにはピッタリです。
06は織田哲郎、亜蘭知子、前田亘輝、栗林誠一郎、伊藤一義の渚のオールスタースのヴォーカルによるナンバーです。
ウエスト・コースト・ポップしたAORナンバーに仕上がっております。
07は前田亘輝、栗林誠一郎のヴォーカルによるロックンロール・ナンバーです。
08は栗林誠一郎がリード・ヴォーカルを、亜蘭知子、前田亘輝がハーモニー・ヴォーカルを担当したシティ感覚いっぱいのメロウなナンバーです。
09は前田亘輝のヴォーカルによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
10は前田亘輝と伊藤一義のヴォーカルによるメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。
伊藤一義の甘めの声がとても良いです。
11は前田亘輝、織田哲郎のヴォーカルに亜蘭知子がハーモニーを付けた60年代ポップ風のナンバーです。
The Beach Boys辺りを意識して作られたんだろうと思います。
12は織田哲郎がヴォーカルを執ったメロディアスで盛り上がりのあるバラード・ナンバーす。
このナンバーも織田哲郎の声にピッタリです。
Japanese AORしたアルバムで、とてもGoodです。
2010-01-16
Mahavishnu Orchestra / Original Album Classic (5 CD) (2007)

この中古ショップでは、ここ1,2年HR/HMのアルバムがかなりの枚数入荷し、結構お世話になっているお店で、久しぶりということで、HR/HM系のアルバムが入荷していないかなあと期待しましたが、そっち系の入荷は殆ど無しでした。
で、他の棚を覗くと、本日紹介するMahavishnu Orchestraの5枚組(紙ジャケ)の"Original Album Classic"というボックスものが中古で2,080円という価格で売っておりましたので、これは安いと思い速攻の購入でした。
ところが、家に帰ってAmazonで調べてみると、これが新品で1,296円という値段で売っているじゃありませんか。
もうこの価格を観ただけでガッカリでした。
まあ、たまにこういうこともあるか。
Mahavishnu Orchestraは、1971年の1stアルバム"The Inner Mounting Flame"と1975年の5thアルバム"Visions Of The Emerald Beyond"のほかに、確か1973年の2ndアルバム"Birds Of Fire"を持っていた筈なのに、久しぶりに聴いてみたいと思い、どこを探しても"Birds Of Fire"がありません(処分した記憶もありません)。
そういうこともあり、このボックス・セットを見た時は思わずニンマリだったのですが。
このボックス・セットには、1stから5thアルバムまでの5枚が紙ジャケ(といっても単に紙で作られているといった程度)で収録されております。
Mahavishnu OrchesraはもちろんギタリストJohn McLaughlinのプロジェクトで、1971年に"The Inner Mounting Flame"、1973年に"Birds of Fire"、1973年に"Between Nothingness and Eternity"、1974年に"Apocalypse"、1975年に"Visions of the Emerald Beyond"、1976年に"Inner Worlds"、1980年に"The Best of Mahavishnu Orchestra"1984年に"Mahavishnu"、1986年に"Adventures in Radioland"、1994年に"The Collection"をそして1999年に1973年に録音した"The Lost Trident Sessions"を発表しております。
第1期(1971-1973)のメンバーは、John McLaughlin - guitar、Jan Hammer - keyboards、Jerry Goodman - violin、Rick Laird - bass guitar、Billy Cobham - drumsといったラインナップで、その後、Gayle Moran - keyboards, vocals、Jean-Luc Ponty - violin、Ralphe Armstrong - bass guitar、Narada Michael Walden - drums、さらにStu Goldberg - keyboards、Ralphe Armstrong - bass guitar、Mitchel Forman - keyboardsといったミュージシャンが参加し、1976年に一度解散しました。
そして、1984年にJohn McLaughlin - guitar、Mitchel Forman - keyboards、Bill Evans - saxophone、Jonas Hellborg - bass guitar、Billy Cobham - drumsといったラインナップで復活しましたが、"Adventures in Radioland"を発表後1987年に再度解散いたしました。
私は、特に1stの"The Inner Mounting Flame"と2ndの"Birds of Fire"の初期2枚のアルバムが大好きです。
とりわけ"Birds Of Fire"は彼らのアルバムのベストの作品だと思っております。
もう40年弱が経過するアルバムですが、今聴いても本当に新鮮な音なんです。
John McLaughlin - guitar、Jan Hammer - keyboards、Jerry Goodman - violin、Rick Laird - bass guitar、Billy Cobham - drumsの5人が繰り出す音は素晴らしいの一言に尽きます。
John McLaughlinのギターはもちろんのこと、Jan Hammerのテクニカルなキーボード、Jerry Goodmanのサイケデリックなエレクトリック・ヴァイオリン、Rick Lairdの確かなベース・ライン、極めつけは、Billy Cobhamの畳みかけるようなドラミング、どれをとっても最高のプレイですし、収められているナンバーもとても素晴らしいです。
彼らの傑作アルバム5枚を収めたこのボックスを1,296円で手に入れることが出来るというのは、もう夢みたいな話だと思います。
"Original Album Classic"はシリーズもので、Mahavishnu Orchestra以外にもいろいろなバンド・アーティストのアルバムが出ているようです。
また、これらがどれもAmazon Marketplaceでは、低価格に設定されており、買得感がいっぱいです。
私もJohn McLaughlinのソロ・アルバムのこのシリーズを思わず注文してしまいました。
2010-01-15
Jan Johansen / X My Heart (2003)

IGNITIONでは力強いヴォーカルを聴かせるJan Johansenですが、ソロ・アルバムはほぼAORした内容のアルバムとなっております。
この4thアルバム"X My Heart"ももちろんメロディアスなスウェーデン産AORを聴かせてくれております。
哀愁を帯びた美メロのナンバーが多く収められており、バラードやデュエット・ナンバーは特にお勧めです。
1曲目の"Bad Is Good For You"はメロディアスでポップなナンバーで、1曲目からこんなナンバーを聴かせてくれるこのアルバムって、ただものではないと思います。
メロディ・マニアは、この1曲目からダウンしてしまうでしょうね。
2曲目の"When It Comes To Love"はメリハリのあるパワーポップ風のナンバーで、とてもカッコ良いナンバーです。
好きです、こんな感じのナンバーは。
3曲目の"From This Moment"はアコースティカルなメロディアスなバラード・ナンバーです。
Jan Johansenの伸びのあるヴォーカルが素晴らしいナンバーです。
4曲目の"Let It Be Me"はJill Johnsonという女性とのデュエット・ナンバーです。
バックの美しいピアノのメロディに2人の素晴らしいヴォーカルが乗るメロディアスで盛り上がりのあるナンバーです。
かなりお勧めのナンバーです。
5曲目の"Let's Not Fade Away"もメロディアスでポップなナンバーです。
とにかく曲の出来がとても良いです。
6曲目の"Just A Memory"は5曲目に似たタイプのメロディアスでポップなナンバーです。
バックの女性コーラスがアクセントになっていて、これがとても良いです。
7曲目の"Until The End Of Time"は美しいメロディを持ったバラード・ナンバーで圧巻です。
とにかく素晴らしいの一言に尽きます。
8曲目の"X My Heart"もデュエット・ナンバーで、相手方はMia Lofgrenという女性です。
これまた4曲目に優るとも劣らないメロディアスな盛り上がるバラード・ナンバーです。
9曲目の"Fallin'"はGeorge Harrison風のギターがいかしたミディアム・スロウのポップロックしたナンバーです。
メロディも素晴らしく、どこかThe Beatlesを連想させるナンバーで、私としては、このアルバムの一押しかも。
10曲目の"Ticking By"もとてもメロディアスなポップ・ナンバーです。
11曲目の"Let Your Spirit Fly"もPernilla Wahlgrenという女性とのデュエット・ナンバーですが、こちらはバラードではなく、とてもポップに仕上がったABBA風のナンバーです。
特にPernilla WahlgrenのヴォーカルがOlivia Newton-John風でとてもいかしてます。
このナンバーもお勧めです。
ラストの12曲目"United"も哀愁度いっぱいの美メロのバラード・ナンバーで、出来も素晴らしいです。
このアルバムの中でも1位、2位を争うナンバーだと思います。
とにかく捨て曲がないとても良く出来たアルバムだと思います。
AORファンはもちろんのこと全てのポップス・ファンにお勧めの1枚だと思います。
Amazonのカタログには載っておりませんが、Cruisin' Musicさんで取り扱っておりますのでご興味のある方はどうぞ。
2010-01-14
鰐淵晴子 / らしゃめん (1976)

1945年4月22日生ということですから、今年で64歳ということになります。
彼女は、日本人男性ヴァイオリニストとドイツ人女性の長女として生まれたということですから、いわゆるハーフですね。
彼女自身も父親の影響でヴァイオリンを演奏し、子供の頃は、全国各地でパフォーマンスを披露していたということですから、ヴァイオリンの実力もそこそこだったんでしょうね。
そして彼女の美少女ぶりに目を付けた映画関係者が彼女を女優として1952年(7歳?)デビューさせたようです。
私は彼女が出演している映画は一度も見たことはありませんが、テレビでも結構活躍していたので、私を含め50代以上の人には良く知られた存在でした。
そんな彼女が、1976年(31歳の時)に発表した唯一のアルバムが本日紹介する「らしゃめん」というアルバムです。
Amazonでのアルバム紹介では、「明治の文明開化の頃、らしゃめん(洋妾)とよばれた女達がいました……。
一人の女が、らしゃめんとなる悲運に始まり、その哀しみと生きざま、運命への抵抗とあきらめ――。女優・鰐淵晴子が演唱し、加藤和彦、井上忠夫、きくち寛ら豪華メンバーの筆による、妖気に溢れた哀切のロマン…ドラマチックなニュー・ミュージックの世界。」と書かれております。
「らしゃめん」をテーマとしたコンセプト・アルバムで、レトロな雰囲気の中にあって、フォーキーなナンバーやファンキーなナンバーも有り、また、彼女のセリフやあえぎ声、囁くようなヴォーカルが妙に色っぽくそして艶めかしい異色なアルバムとなっていると思います。
収められているナンバーは、
01 プロローグ(らしゃめん)
02 らしゃめn馬車
03 つぶて数え唄
04 らしゃめん
05 黒いらんたん
06 燃える
07 わるい夢
08 裏切りの夜明け
09 小舟節
10 死んでもいい
11 しばられて
12 エピローグ(らしゃめん)
の全12曲となっております。
01はシンセ、ヴァイオリン、ギター・プレイが素晴らしいインスト・ナンバーです。
02は彼女セリフから入るレトロな感じのナンバーです。
バックのアコースティック・ギター、ピアノ、ストリングスが美しい音色のいわゆる艶歌といった感じのナンバーでしょうか。
03は出だしのマンドリンとヴァイオリンが切ないメロディアスなバラード・ナンバーです。
さすが井上忠夫(大輔)のペンによるナンバーです。
04は加藤和彦のペンによるナンバーで、これまたメロディアスな最高にいかしたナンバーです。
アコースティック・ギターを始め、ヴァイオリンなどのバックのプレイはかなりいかしてます。
確か昔、彼女が歌っているシーンをテレビで見た記憶がありますが、おそらくこの曲だったのだと思います。
Japanese AORとしても聴けるナンバーかな?
05も出だしのマンドリンが物哀しいナンバーです。
このナンバーも加藤和彦のペンによるメロディアスなナンバーで、お勧めです。
06はとてもファンキーなナンバーで、艶めかしい彼女の喘ぎ声が素晴らしいです。
また、バックのエレクトリック・ギターが最高です。
07はしっとりとした感じのナンバーで、これも彼女のセリフと囁くようなヴォーカルがとても魅力的です。
08も07と似たタイプのナンバーですが、メロディはこちらの方が良いですし、バックのピアノやチェンバロ風の音がとても素敵なナンバーです。
これもかなりお勧めですね。
09は70年代フォークといった趣のナンバーです。
10もセリフと囁く感じのヴォーカルがとても色っぽいナンバーです。
曲もメロディアスで、これもお勧めですね。
11は彼女喘ぎ声とムチの音が入ったファンキーなベースとシンセを主体としたインスト・ナンバーで、これにはビックリです。
16ビートのディスコ・サウンドですが、もっとビートを速めればトランス・ミュージックになりそうです。
12は01にヴォーカルを乗せたナンバーですが、これがメロディアスで仕上がりも最高です。
このアルバムは、本日バーゲンで新品を1580円で仕入れたものです。
鰐淵晴子はテレビでしか知りませんが、本当に綺麗な人で、当時は結構憧れを抱いておりましたので、このCDを見つけた時は速攻でレジ行きでした。
Amazonのカタログにはまだ載っていますが、HMVにはありませんでしたので、在庫限りだと思います。
興味のある方、あるいは投資用としても購入して良いかも(?)。
なお、アルバムは紙ジャケです。
2010-01-13
Collide / Chasing The Ghost (2000)

Collideは1992年にアメリカはロサンゼルスで結成されたkaRIN (Vo)という女性とStatik (Noise)という男性によるユニットで、そのサウンドはDark Wave、Trip Rock、Technoといった感じのいわゆるインダストリアル・ゴシックです。
既に"Beneath the Skin"(1996)、"Distort"(1998)、"Chasing the Ghost"(2000)、"Some Kind of Strange"(2003)、"Vortex"(2004)、"Live At The El Rey"(2005)、"Two Headed Monster"(2008)、"These Eyes Before"(2009)と8枚のアルバムを発表しております。
私は、女性がフロントのゴシックやシンフォニック・ゴシックのアルバムが結構好きで、そこそこの枚数のCDを所有しておりますし、購入しております。
こういったバンドのアルバム・ジャケットはかなり凝ったものが多く、このCollideもご覧のとおりフロントを務めるkaRINを使ったデザインで、ゴシック・メタルの雰囲気がいっぱいのジャケットとなっております。
このCollideの購入のきっかけもジャケットと女性がヴォーカルを担当しているという単純なものです。
Collideはいわゆるインダストリアル・ゴシックのサウンドということで、ダーク(陰鬱)さはあるものの、エレクロニクス処理されたサウンドがメインで、メロディアスといった部分はそれほどでもありませんが、なぜか引き込まれてしまいます。
この"Chasing The Ghost"は2000年発表のアルバムで、kaRINとStatikのほか、ギターはスタジオ・ミュージシャンを使っていて、このようなサウンドのアルバムですが、珍しく(?)Tim Pierceが3曲ほど担当しております。
1曲目の"Transfer"はそこそこメロディアスなゴシック・メタルしたナンバーとなっております。
Tim Pierceがギターを担当しております。
2曲目の"Wings Of Steel"は退廃的な感じのkaRINのヴォーカルが魅力的なミディアム・スロウのインダストリアル・ゴシックのナンバーです。
歌詞の中に"Chasing The Ghost"という一節が流れており、このナンバーがアルバムのタイトル・トラックのようです。
バックのサウンドもなかなかです。
3曲目の"Razor Sharp"はミディアム・スロウの結構メロディアスなナンバーで、私としてはこのアルバムの中で最も気に入っています。
kaRINのヴォーカルも生の声とエレクトリック処理した声が混ざり合った不思議な感じが堪らないです。
4曲目の"Dreamsleep"もかなりメロディアスなこれぞゴシックといったナンバーで、とてもいかしてます。
このナンバーでもTim Pierceがギターを担当しております。
5曲目の"White Rabbit"はGrace SlickのペンによるJefferson Airplaneのカヴァーです。
アレンジの妙というか、ゴシック的アプローチだとこうなるんですね。
結構良かったりします。
6曲目の"Frozen"もkaRINの退廃的なヴォーカルがいかしたミディアム・スロウのナンバーです。
7曲目の"Halo"はシタールにテクノ的なシンセが乗ったミディアム・スロウのトランス・ミュージックといった不思議なナンバーですが、これが妙に嵌っていたりするんです。
8曲目の"Monochrome"はバックに女性のソプラノ・ヴォイスを配したミディアム・ハイのインダストリアル・ゴシック・ナンバーです。
9曲目の"Ocean"はバックのいろいろな楽器やサンプルなどのサウンドがカッコ良いナンバーです。
ラストの10曲目"Like You Want To Believe"もkaRINのヴォーカルがいかしたナンバーです。
Collideの魅力は何と言ってもkaRINのヴォーカルだと思いますね。
私はそこそこ気に入ってますが、AORやメロハーのファンに無理にはお勧めしませんけれども、たまに違ったサウンドのアルバムを聴くのも良いかも。
2010-01-12
Imperial Domain / The Ordeal (2003)

ヴォーカルがデス声というよりも若干スクリームしている程度で、まあメロディアスですし、ギターのリフもギターのトーンも煽情的でそこそこカッコ良い。
市内のHR/HM専門店で新品を500円という価格で仕入れ、アルバムの内容はそれ以上の価値でした。
北欧産のメロデスといえば代表的なところで、私の好きなArch Enemy、In Flames、Soilwork、Chidren Of Bodomなどがおりますが、煽情的な部分では、Arch Enemyに敵わないですが、In Flames辺りと比べると、このImperial Domainもそこそこの出来で、メロデスのアルバムとしては、軽く平均点は超えていると思いますね。
このアルバムが録音されたのが2000年の10月、11月ですが、アルバムとして発表されたのは2003年のようで、おそらく彼らの唯一のアルバムだと思いますし、すでに解散しているかも知れません。
解散しているとすれば、かなり勿体ないと思います。
このアルバムを聴く限り、是非、次のアルバムを、とも思いましたし。
1曲目の"The Final Parade"は出だしのギターがメロディアスな、これぞメロディック・デス・メタルといった感じのカッコ良いナンバーです。
ヴォーカルは冒頭にも書いたとおり若干スクリームしている程度で本当に聴き易いナンバーです。
2曲目の"White Dust Valley"はミディアム・テンポのギターのリフがカッコ良いナンバーです。
曲調もポップで、普通のハードロックを聴いている人には、違和感があまり無く聴けるのでは?
3曲目の"The Wind Cries Her Name"は、1940年代の音楽をサンプリングとして出だしに使っており、本編はもちろんメロデスですが、このナンバーはとても煽情的でメロディアスに仕上がっており、このアルバムの一押しかも。
バックのギターはソロもリフもとてもカッコ良いです。
4曲目の"Foolish Nation"は畳みかけるようなドラムスとハードなギターのリフから始まるナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
5曲目の"The Shield"はミディアム・スロウのメロディアスなナンバーです。
煽情的なメロディとフックに満ちたナンバーで、メロディアス度はかなり高いと思います。
好きです、こんなナンバー。
6曲目の"A Portrait Of Chaos"はこれまたギターのリフが素晴らしい思わずヘッドバンキングしそうなナンバーです。
といってもスピード感のあるナンバーじゃなく、ミディアム・ハイといった感じですが、メタルはこれじゃなきゃ、みたいなナンバーです。
7曲目の"Dreamdemons"も出だしのギターのメロディがいかしたポップなナンバーです。
このImperial Domainというバンドは、本当に聴き易いメロデスを演っております。
8曲目の"The Ordeal"の出だしから最小の方はアコースティカルなバラード・ナンバーで、ヴォーカルもノーマル・ヴォイスで、途中から曲が転調しスクリーム・ヴォイスのメロデスに変わりますが、途中のコーラスは再びノーマル・ヴォイスとなるメロディアスなナンバーです。
ギターのトーンはもちろん煽情的です。
ラストの9曲目"When The Last Rain Falls"はカッコ良いギターのリフとギター・ソロから入るナンバーで、これもかなり出来が良いと思います。
とても煽情的なナンバーです。
曲のラスト部分のピアノ・ソロがとても素晴らしいです。
また、この9曲目の後に隠しトラックが収録されており、これまた出だしのギターのリフがカッコ良いヘヴィ・メタルしたナンバーです。
メロデス・ファンにはもちろんお勧めですが、結構聴き易いアルバムですので、メロデス初心者の方にもお勧めです。
2010-01-11
Dan Lucas / News (1996)

Dan Lucasは1988年にKAROのメンバーとして、セルフ・タイトルのアルバムを発表後、ソロ・アルバムとして、1992年に"Canada"、1994年に"2000!"そして1996年にこの"NEWS"を、また、1996年に"Heart of America - The Best of Dan Lucas"を発表しております。
このアルバムも年末にSchmankerl Recordsから纏め買いした内の1枚で、カットアウト盤(ジャケットの右隅のほんの一部が欠けている)だったせいか10ユーロはしなかったと思います。
ジャケットはご覧のとおりかなりダサいですが、この3rdアルバム"NEWS"も1stの"Canada"に劣らず良く出来たハードポップ・AORアルバムに仕上がっております。
全14曲が収められており、Dan Lucasのペンによるナンバーが殆どですが、1曲だけEaglesの"Desparade"をカヴァーしております。
Dan Lucasのナンバーはどれもメロディアスなナンバーで、ほぼAORしているといっても良いと思います。
1曲目の"Heart Of America '96"はロックンロールしたナンバーで、覚えやすいメロディを持ったポップなナンバーです。
ラストの14曲目にも収められておりますが、こちらがおそらくオリジナルなんでしょうね。
2曲目の"Love Is The Answer"はミディアムスロウのメロディが最高にいかしたナンバーで、このアルバムの中でもかなり良く出来たお勧めのナンバーです。
3曲目の"Please Don't Ever Try To Change Me"はメロディアスなAORしたバラード・ナンバーです。
5曲目の"Desparade"はEaglesのカヴァーですが、この3曲目なんかもEaglesが演りそうなウエスト・コーストのAORナンバーといったところで、後半部分のギター・ソロは泣けます。
4曲目の"In The Rain"はアコースティカルなメロディアスなバラード・ナンバーで、このナンバーもEagles風の良く出来たナンバーです。
こんなナンバーを聴いていると、Dun Lucasって本当にドイツ人のミュージシャンなんでしょうか。
とてもアメリカナイズしてます。
5曲目の"Desparade"はアレンジもあまり変えていなく、Eaglesに負けないくらい良く出来てます。
6曲目の"One-Woman Man"は出だしのギターの音が若干ハードな、これまたアメリカナイズされたポップロックしたナンバーです。
7曲目の"Music Is The Enemy Of War"は出だしのギター・ソロが素晴らしいメロディアスなAORしたバラード・ナンバーです。
8曲目の"No One Loves You More Than I"はメロディアスなパワー・バラードしたナンバーです。
9曲目の"Believe In Magic"はバックの音が幻想的な感じで始まるナンバーで、本編に入るディスコ調に変わる面白いナンバーです。
10曲目の"Face Another Day"は美しいピアノから始まるメロディアスなバラード・ナンバーのとてもお勧めの1曲です。
11曲目の"You're My Life"は美メロのバラード・ナンバーです。
盛り上がりもあり、最高の1曲です。
これは聴きものです。
12曲目の"Be Mine Tonight"はブルージーなギターから入るメロディアスなナンバーです。
バックのプレイがとてもいかしたナンバーです。
13曲目の"Tonight"もEaglesが演りそうなパワー・バラードのメロディアスなナンバーです。
この"NEWS"ですが、殆ど捨て曲なんかありません。
ハードポップというより、これは完全にAORアルバムです。
2010-01-10
El DeBarge / El DeBarge (1986)

Amazonを覗くと中古CDが4,000円以上もしているレアもの。
これだから、中古ショップ巡りはやめられません。
Jay Graydon、Peter Wolf、Robbie Buchananなどがプロデュースしている作品で、以前から探していた1枚です。
El DeBargeは、もちろん1985年に"Rhythm of the Night"をヒットさせた黒人ファミリー・グループの一員です。
この"Rhythm of the Night"に収められていたJay Graydonのプロデュースによる"Who's Holding Donna Now"はU.S. Billboard Hot 100で6位、U.S. Billboard Hot Adult Contemporaryで1位、U.S. Billboard Hot R&B/Hip-Hop Songsで2位を記録する大ヒットとなっております。
Adult Contemporary Chartで1位を記録したとおり、El DeBargeはAORファンにも認知度は高く、この"Who's Holding Donna Now"はAORのコンピ物にも良く収められておりますので、聴かれた方も多くいらっしゃると思います。
Jay Graydonがプロデュースしたことが大きいのでしょうね。
その"Rhythm of the Night"の大ヒットの翌年に出されたこの1stソロ・アルバムで、プロデューサー陣に再びJay GraydonやMaxusのRobbie BuchananさらにPeter Wolfの名前がクレジットされておりましたので、発表当時からAORファンからもかなり期待されていたアルバムだったと思います。
この1stアルバムには、
01 "Who's Johnny" (Wolf) – 4:11
02 "Secrets Of The Night" (Hammond, Warren) – 4:20
03 "I Wanna Hear It From My Heart" (Warren) – 4:25
04 "Someone" (Graydon, Mueller, Nevil) – 4:45
05 "When Love Has Gone Away" (Conrad, Henley) – 3:08
06 "Private Line" (Warren) – 3:48
07 "Love Always" (Bacharach, Roberts, Sager) – 5:32
08 "Lost Without Her Love" (Goodrum, Graydon) – 4:35
09 "Thrill Of The Chase" (Alan Roy Scott, Roy Freeland, Gary Pickus) – 3:47
10 "Don't Say It's Over" (Warren) – 4:32
の全10曲が収録されております。
シングル・カットされた01は、映画「ショート・サーキット」の主題歌にも使われたこともあり、US Pop Chartで3位、US R&B Chartで1位、US Dance Chartで10位、US AC Chartで18位の大ヒットしたナンバーです。
プロデュースはPeter Wolfでポップでダンサンブルなナンバーです。
02はRobbie Buchananのプロデュースによるナンバーで、キーボード主体によるサウンド・アプローチはさすがRobbie Buchananといったところでしょうか。
03は再びPeter Wolfによるプロデュース・ナンバー。
Diane Warrenのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、AORファンも納得の1曲です。
04はJay Graydonのプロデュースによるナンバーです。
このナンバーもシングル・カットされ、US Pop Chartで70位、US R&B Chartで32位、US AC Chartで20位にランクインされました。
バックのインストは全てJay Graydonが担当しており、Graydon色が強いAORナンバーに仕上がっております。
05もJay Graydonがプロデュースを担当。
Jay Graydonのほかに、David FosterやRandy Goodrum、Mike Bairdが参加したナンバーで、AORファンに人気が高いメロディアスなバラード・ナンバーです。
06はRobbie Buchananがプロデュースを担当。
ファンキーでポップなR&Bしたナンバーとなっております。
07はBurt BacharachとCarole Bayer Sagerのプロデュースによるナンバーです。
このナンバーもシングル・カットされ、US Pop Chartで43位、US R&B Chartで7位、US AC Chartで8位とヒットしました。
これまたメロディアスなバラード・ナンバーで、AORファンに人気の高いナンバーです。
08は再びJay Graydonのプロデュース。
Jay GraydonとRandy GoodrumのペンによるメロディアスなAORナンバーで、Richard Pageがバッキング・ヴォーカルで参加しております。
このナンバーもGraydon色が強く出ております。
09もJay Graydonがプロデュースを担当。
Robbie Buchananとの共同によるアレンジで、Jay GraydonとRobbie Buchananのそれぞれの色が程良くブレンドされたサウンドとなっております。
Jay Graydonのギター・ソロとRobbie Buchananのキーボード・シンセの音が素晴らしいです。
10はPeter Wolfのプロデュース。
メロディアスなパワー・バラードしたナンバーで、Dann HuffのギターとErnie Wattsのサックスがいかしてます。
豪華なプロデュース陣によって作られたこのアルバムは、とても聴き応えがあります。
2010-01-09
Russ Ballard / At The Third Stroke (1978)

Russ Ballardはハードポップ、ハードロックのファンに人気があるコンポーザー、マルチ・アーティストですが、この3枚目はAORファンからも良く知られている作品です。
それは、イギリスに本拠を構えて活動しているRuss BallardがアメリカはL.A.に渡って制作した作品で、バック・ミュージシャンにDavid Foster、Jeff Porcaro、David Paich、David HungateなどのTOTO一派が参加しているアルバムだということからだと思います。
Russ BallardはArgent時代に書いた"Liar"がThree Dog Nightに、また、"Since You Been Gone"がRainbowに取り上げられたことでもソング・ライターとしても有名です。
ソロ作品は、1975年に"Russ Ballard"、1976年に"Winning"、1978年にこの"At the Third Stroke"、1980年に"Barnet Dogs" (U.S. Billboard 200 #187)、1981年に"Into The Fire"、1984年に"Russ Ballard" (U.S. Billboard 200 #147)、1985年に"The Fire Still Burns" (U.S. Billboard 200 #166)、1995年に"Seer"、2006年に"Book of Love"と9枚のオリジナル・アルバムの他、何枚かのベスト・アルバムを発表しております。
この"At the Third Stroke"は冒頭にも書いたとおり、Keith OlssenのプロデュースによるL.A.録音ということで、他のソロ・アルバムと一味違った色合いのアルバムとなっており、AORファンも納得する1枚です。
1曲目の"Dancer"はメロディアスなハードポップ・ナンバーに仕上がっております。
Russ Ballardのギター・ソロとJeff Porcaroのドラミングがとても素晴らしいです。
2曲目の"Helpless"はメロディアスなAOR然としたメロディアスなバラード・ナンバーです。
David FosterのFender Rhodesがとても魅力的ですし、Tom KellyとDenny HensonというFools Goldのバッキング・ヴォーカルもとても良いです。
3曲目の"Treat Her Right"もメロディアスなミディアム・スロウの完全にAORしたナンバーです。
4曲目の"Expressway To Your Heart"ももうこれはAORナンバーですね。
5曲目の"Cast The Spirit"もDavid Fosterのピアノ、David PaichのオルガンさらにはRuss BallardのギターがとてもいかしたメロディアスなAORナンバーです。
6曲目の"Look At Her Dance"はTom Scottのサックスがカッコ良いノリの良いファンキーなナンバーです。
7曲目の"What Does It Take"はミディアム・スロウのRuss Ballardのギターのカッティングとベース、Tom Scottのフルートとサックス、David Fosterのローズ・ピアノなどがいかした当時のアーバンな感じのブラコンっぽいオシャレなナンバーです。
こんな曲なんて、それまでのRuss Ballardには無かったナンバーで、かなり気に入ってます。
8曲目の"I'm A Scorpio"での出だしのRuss Ballardのギター・ソロも本編でのギター・ソロもとてもカッコ良い少しハード目のナンバーです。
ラストの9曲目"My Judgement Day"はDavid Fosterのピアノが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
やはりこの"At the Third Stroke"は、他のRuss Ballardのアルバムに比べると、良い意味で異色の作品だと思います。
先ず、AORファンはかなり気に入ると思います。
でも、"Since You Been Gone"などのハードロックのファンからは軟弱なアルバムだと批判を浴びるかも。
Russ Ballardのソロ・アルバムは過去にこの日本でも何枚かCD化されましたが、国内盤は廃盤となっているようです。
ただし、米国のリ・イッシュー・レーベルRenaissance Recordsから出された再発盤は今でもかなり安く手に入りますし、他のアルバムも若干レア化しているものの全てのアルバムを手に入れることが出来ますので、Russ Ballardに興味をお持ちの方はどうぞ。
2010-01-08
Alianza / Huellas

発表年は判りませんが、ここ2,3年のものだと思います。
見た感じ、ジャケットもチープで、殆ど内容も判りませんでしたが、価格が500円(もちろん新品で)で決めた1枚。
家に帰ってから、ネットでALIANZAを調べてもヒット無しで、レーベルのNEMS Enterprisesを調べると南米を中心に配信しているレーベル会社と判り、ALIANZAも一応カタログには掲載されていましたが、詳細は判らずでした。
アルバム・ジャケットのクレジットには発表年は書いておりませんでしたが、メンバーはAdrian Barilari (Vo)とHugo Bistolfi (Keys)の二人のユニットに、メキシコ人のスタジオ・ミュージシャンという構成となっております。
収録ナンバーは全てメキシコの公用語のスペイン語で歌われております。
実は、スペイン語で歌われているメロハーってあまり良い印象を持っておりませんでした。
あの、独特のコブシの効いた節回しが、ちょっと苦手で。
このALIANZAももちろんスペイン語で歌われておりますので、そういった部分は多少ありますが、とにかくメロディが良いナンバーが多く収められております。
1曲目の"Mienten"を聴いた時は、若干プログレ・メタルしたナンバーで、あの節回しですし、それほどでも無いかと思いましたが、順に聴いていく内に、これは(!)というナンバーなんかも収められており、また、プログレ・メタルした部分もありますので、バックの演奏力もレベルが高く、結構引き込まれました。
2曲目の"Erks"は華麗なストリングスにキーボードが乗るインスト・ナンバーで、もうこれは完全にプログレですね。
3曲目の"Huellas"はその2曲目の余韻を残して始まるメロディアスなナンバーで、もうこの2曲目、3曲目で完全にやられました。
これら2曲目、3曲目を聴けば500円ってかなり安いですね。
4曲目の"Fabula Del Bien Y El Mal"もバックのキーボードがカッコ良いメロディアスハード・ロックしたナンバーです。
5曲目の"S.O.S."はこれまたバックのピアノとストリングスが美しいメロディアスなバラード・ナンバーです。
これは本当に良く出来たナンバーで、聴きものです。
6曲目の"Tribus Del Sol"はギターのリフがカッコ良いメロディアス・ハードロックのナンバーです。
7曲目の"Himno Del Mundo"は荘厳な感じのパイプオルガン風のサウンドから入る盛り上がりのあるメロディアスなバラード・ナンバーで、これもかなり素晴らしいです。
雰囲気は初期Prucol Harum風です。
8曲目の"Metralla"はJon Lord風のオルガンから入るメロディアス・ハードロックしたナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリのナンバーです。
9曲目の"Sueno Real"も雰囲気バッチリのミディアム・スロウなメロディアスなパワー・バラードしたナンバーですが、特にメロディが素晴らしいです。
AORしてます。
バックの伸びのあるギター・ソロも最高です。
10曲目の"Nostalgirs"は華麗なピアノとヴォーカルによるメロディアスなバラード・ナンバーで、スペイン語で歌われた殆どAORしたナンバーに仕上がっております。
11曲目の"Veni A Escuchar Rock'n Roll"はキーボードとギターによるメロディアスなStyxやJourneyを髣髴する完全に産業ロックしたナンバーで、もう最高にいかしてます。
美メロのフックに満ちたエモーショナルなナンバーです。
ラストの12曲目"Traces"もキーボード、ピアノに華麗なストリングスが乗ったメロディアスなパワー・バラード風のナンバーです。
ホント、このAlianza、メロディが素晴らしいです。
これで、500円だったら本当に安い!!
AmazonやHMVのカタログにも載っておりませんし、他でも殆ど見たことが無かったアルバムですが、このAlianzaは儲けものでした。
2010-01-07
Dzjenghis Khan / Dzjenghis Khan (2007)

しかしながら、そのサウンドは、Blue Cheerスタイルの70年代前半のハードロック・スタイルそのまんまのサウンドです。
メンバーは、Tommy Tomson (Vo/Ds)、Mongol Mark (G)、Binksebus Eruptum (B)の3人ですが、前出のBlue CheerやJimi Hendrix Experienceを髣髴する重たいサウンドで、これがエラくカッコ良いときてます。
70年代前半に発表されていたとしても、全く違和感が無い、そんなサウンドです。
本人たちもかなり拘っているんでしょうね。
このCDはリーフハウンドレコードという日本のインシーズ・レーベルから発売されておりますが、このレーベルの売りは「ヘビー・サウンド・ロックのリーフハウンドレコード」をキャッチコピーに、最近のバンドの内、70年代ハードロックを意識して作られたアルバムを発表しているレーベルです。
私もこのシリーズのアルバムを4枚ほど持っておりますが、その何れもが70年代ハードロックそのまんまの音で、どのアルバムもカッコ良いという言葉がピッタリのアルバムでした。
このDzjenghis Khanのアルバムには、Blue Cheerのヘヴィネス、Jimi Hendrix Experienceのヘヴィ・ブルース、Black Sabbathのドゥーミーな部分が色濃く出たナンバーが収められており、特にギターのトーンはまさにあの時代の音です。
1曲目の"Snake Bite"はインスト・ナンバーですが、ドラムス、ベース、ギターがまさにバトルしている感じのナンバーでCream辺りを想起させてくれます。
2曲目の"Wildcat"、4曲目の"No Time For Love"はヘヴィなギターのリフが最高にいかしたミディアム・スロウの70年代ハードロックそのまんまのサウンドで、最高にいかしてます。
3曲目の"The Widow"もモロに70年代のハードロック・サウンドです。
5曲目の"Avenue A"でのギターのトーンはモロJimi Hendrix風です。
曲調は結構ポップな作りで、かなりいかしたナンバーです。
6曲目の"Against The Wall"のギターのトーンもJimi Hendrixしています。
7曲目の"Black Saint"はギターのリフがカッコ良い、かなりメロディアスなナンバーです。
8曲目の"End Of The Line"はBlack Sabbath風のドゥーミーなナンバーです。
ギターのトーンは素晴らしいですね。
9曲目の"Rosie"は8分に及び大曲です。
出だしのノイジーな長めのギター・ソロがカッコ良いナンバーです。
このナンバーも雰囲気はBlack Sabbathです。
ラストの10曲目"Sister Dorien"は9曲目までとは打って変わったアコースティック・ギターを主体としたインスト・ナンバーです。
このDzjenghis Khanですが、70年代初めのハードロックが大好きな人には堪らないアルバムだと思います。
2010-01-06
Heaven's Wish / Heaven's Wish (1994)

このRetrospect Recordsはマイナーながら良質なハードロック、ハードポップのバンドのリ・イッシューのレーベルですが、過去にAlliance、Fury、Messano、Joey Dalmon、Arrival、The Score、Mass、Michael Furlongなどのマイナーながらも内容はメジャー級のバンド・アーティストの再CD化、初CD化のアルバムを発表しており、このレーベルで取り扱っているアイテムもかなりの数に上っております。
私が所有している同レーベルのCDも60枚を超え、Renaissancs Records、Wounded Bird Record、Rock Candy Recordsなどのリ・イッシュー・レーベル同様、かなりお世話になっております。
特にRetrospect Recordsは冒頭にも書きましたとおり、殆ど名前が知られていなマイナーなバンドを多く取り扱っておりますので、初めて聴いた時に、内容がビンゴだったら、とても嬉しくなってしまいます。
本日紹介するHeaven's Wishもそんなバンドの1枚です。
発表は、1994年ということで、それほど古いバンドではありませんが、当時からこのようなメロディアス・ハードロックは良く耳にしていた筈でしたが、今回のCD化で初めて耳にしたバンドです。
これが、とても良く出来たメロディアス・ハードロックで、哀愁度もあり、適度にポップでフックのあるサウンドを聴かせてくれるバンドなんです。
メンバーは、Ron Vanderlip (Vo)、Tom Janssen (G)、Jamie Darnell (Ds)、Mike Blair (G)、Brooks Bauer (B)の5名で、特に魅力的なのは、Tom JanssenとMike Blairの2人によるツイン・リードのギターでしょうか。
ギターのトーンは、John Sykes風ということもあり、曲によっては、John Sykesが居た時のWhitesnakes風だったりします。
また、ヴォーカルのRon Vanderlipの声質も聴きやすくオーソドックスなスタイルで好感が持てます。
1曲目の"Stay The Night"は元気いっぱいのロックンロールしたカッコ良いナンバーです。
Tom JanssenとMike Blairのギター・プレイはとてもいかしてます。
2曲目の"Ridin' High"もとてもポップなロックンロール・スタイルのナンバーです。
3曲目の"Bring Back Yesterday"はWhitesnakeの"Is This Love"を髣髴するメロディアスなバラード・ナンバーです。
サウンドにもう少し厚みが増せば、"Is This Love"になってしまいます。
もうギターはJohn Sykesです。
最高にいかしたナンバーで、この曲だけでお釣りが出そうです。
4曲目の"On The Rock"カッコ良いドラミングから入るメロディアス・ハードロックしたナンバーです。
5曲目の"Boulevard Of Broken Dreams"は盛り上がりのあるメロディアスなハードロックナンバーで、このアルバムの中でも3曲目の次ぐらいに良く出来たナンバーです。
このナンバーもWhitesnake風です。
6曲目の"Just A Dream"は、これまたバックのギターがいかしたメロディアスでフックに満ちたハードロック・ナンバーです。
7曲目の"One More Reason"はどこか聴いたことがあるようなポップでメロディアスなハードロック・ナンバーで、仕上がりもかなり良いです。
お勧めのナンバーです。
8曲目の"Memories"は"Bring Back Yesterday"に続くバラード・ナンバーですが、曲の感じは違いますが、こちらもかなり良く出来たパワー・バラードのナンバーです。
とにかくメロディがいかしてます。
9曲目"Holy Smoke"はバックのギターがいかしたメロディアス・ハードロックのナンバーです。
ラストの10曲目"Cinderella's Ball"はポップな感じのロックンロールしたナンバーです。
その昔のL.A.メタルした感じのナンバーです。
マイナーなバンドですが、サウンドはメジャー級のとてもいかした内容のアルバムです。
でも、Retrospect RecordsのCDはAmazonやHMVのカタログに掲載されておりません。
ご興味のある方は、直接Retrospect Recordsのサイトまで。
2010-01-05
Crawler / Crawler (1977)

Crawlerは元々Paul KossoffのBack Street Crawlerが母体のバンドです。
Back Street Crawlerのメンバーとしては、Paul Kossoff、Terry Wilson-Slesser、John 'Rabbit' Bundrick、Terry Wilson、Tony Braunagel、Mike Montgomeryが在籍しており、1975年に"The Band Plays On"、1976年に"Second Street"の2枚のアルバムを残しております。
Paul Kossoffが1976年に亡くなり、一時はバンドの存続も危ぶまれましたが、Terry Wilson-Slesser、Geoff Whitehorn、John 'Rabbit' Bundrick、Terry Wilson、Tony Braunagelという布陣で1977年に今回紹介する1stアルバム"Crawler"を発表し、その後、1978年に"Snake, Rattle & Roll"の2枚のアルバムを発表して解散しました。
しかしながら、1997年に1977年に録音されたライヴ音源の"Pastime Dreamer (Live)"を2001年に1978年のライヴ音源の"Snake Bite (Live)"さらに2002年には、1978年のライヴ音源の"Crawler Live - Agora Club Ohio 1978"が発表されております。
この"Crawler"ですが、まさにブリティッシュ。ロックした玄人受けする渋いアルバムです。
哀愁度もまずまずですし、Paul Kossoffに比べ線の細さをかんじますが、Geoff Whitehornのギターのトーンがもう最高なんですね。
同じくイギリス人ギタリストのPhil Palmer (ex The Bliss Band, Eric Clapton)に似た透き通った感じのトーンが堪りません。
1曲目の"Without You Babe"はメロディアスな湿り気を帯びたBritish Rockしたナンバーで、最高にいかしたナンバーです。
Geoff Whitehornのギター・ソロも圧巻です。
2曲目の"You Got Money"は渋い感じのメロディック・ロックしたナンバーです。
Terry Wilson-Slesserのヴォーカルがとても良い感じです。
3曲目の"Sold On Down The Line"はシャッフル・ビートのブルージーなナンバーで雰囲気最高のナンバーです。
バックのプレイは素晴らしいです。
4曲目の"One Too Many Lovers"は若干スワンプ・ロックしたナンバーで、Delaney & Bonnieスタイルのナンバーです。
Geoff WhitehornのギターもDelaney & Bonnie当時のEric Clapton風です。
5曲目の"You Are My Saviour"はミディアム・スロウのブルース・フィーリングあふれたナンバーで、渋くてとてもカッコ良いバラード・ナンバーです。
6曲目の"Pastime Dreamer"はTony Braunagelのカッコ良いドラミングから入るナンバーで、FreeやBad Companyに通ずるブリティッシュ・ハード・ロックしたとてもカッコ良いです。
7曲目の"Never Loved A Woman"もGeoff Whitehornのカッコ良いギターから入るシャッフル・ビートのスロウなナンバーで、このナンバーも湿り気のあるブリティッシュ・ロック然としたナンバーです。
8曲目の"You And Me"はミディアム・テンポのナンバーですが、雰囲気を持ったとてもカッコ良いナンバーです。
どこの部分がというより、曲全体がとても素敵です。
ラストの9曲目"Stone Cold Sober"は再びGeoff Whitehornのギターのトーンが素敵なメロディアスなナンバーで、これまた湿り気を帯びたブリティッシュ・ロック然としたナンバーです。
このCrawlerの1stアルバムですが、最初の印象と2回目、3回目と聴くと印象が変わります。
最初はただなんとなく流れてしまったという感じでしたが、2度3度と聴くととても良く出来たアルバムだということが判ります。
アルバム全体の雰囲気がとてもいかしてます。
2010-01-04
Outland / Long Way Home (2004)

ゲストとしてドラムスにはMr. BigのPat Torpeyが参加。
年末にSchmankerl Recordsからまとめ買いした中の1枚。
メロハーではなく、ほぼ70年代後半から80年代中盤にかけての産業ロックが華やかしき頃のStyx、Foreignerなどを彷彿するドラマティックなサウンドと、美しい旋律が魅力の最高の1枚です。
ポップで、聴き易くメロディアスなサウンドが堪らなく素敵です。
Jeff Prenticeがヴォーカル・リード&リズム・ギターとキーボードを、Rob Nishidaがリード・リズム・Midiギター、ベース、キーボードをそして全てのドラムスがPat Torpeyが担当しております。
1曲目の"Borderline"は出だしのキーボードとギターのアンサンブルはもう完全に産業ロックです。
メロディアスでフックに満ちたメロディがとても気持ち良いですね。
2曲目の"Love Ain't The Answer"はギターのリフとトーンがカッコ良い、これまた産業ロックしたナンバーです。
ヴォーカルのJeff Prenticeも声質もごくオーソドックスで、とても聴き易いです。
3曲目の"The Hardest Part Of All"もフックに満ちたメロディアスな哀愁のハードポップしたナンバーで、お勧めです。
4曲目の"Madeline"は、これまた、キーボードとギターのアンサンブルがカッコ良いモロに産業ロックしたナンバーです。
特にキーボードの音はそそります。
5曲目の"How Many Times"はメロディアスなギター・ソロから入るフックの満ちた哀愁のハードポップ・ナンバーで、かなりお勧めです。
6曲目の"Long Way Home"ももう完全に70年代から80年代中盤の産業ロックしたナンバーで、もう最高に好みの音です。
7曲目の"Somebody Just Like You"はストリングスが入ったメロディアスなバラード・ナンバーです。
8曲目の"Turn Some Pages"は打って変わったギター・オリエンティドのメロディアスなハードポップ・ナンバーで、カッコ良いという言葉がピッタリです。
9曲目の"Don't Turn Back"もバックのキーボードとギターがいかしたメロディアスでドラマティックな産業ロックしたナンバーです。
10曲目の"What In The World"も出だしのギター・ソロがいかしたミディアム・テンポのハードポップ・ナンバーです。
ラストの11曲目"Hollywood"はこのアルバムの中で最もハードなナンバーかも知れません。
ギターのリフが若干メタリックなタイトなナンバーです。
なお、このナンバーはThin Lizzyのカヴァーです。
このアルバムが発表されたのは2004年ですが、70年代後半から80年代中盤に発表されていたとしても全く違和感は無いですね。
私はとても気に入ってしまい、早速Amazonで1stアルバムを注文してしまいました。
2010-01-03
Daryl Hall & John Oates / Livetime (1978)

6日間があっという間に過ぎてしまいました。
今回の年末年始休暇も、CDとDVD三昧で過ごしました。
購入して聴いていなかったCDや年末にドイツのネットショップSchmankerl Recordsから纏め買いしたCD、さらに市内のGEOで購入した映画のDVD(1枚580円で3枚買えば500円引き)を観て過ごしました。
明日からの仕事を考えるととても憂鬱です。
ましてや月曜日から始まりますので、休み慣れした身体には長い一週間となりそうです。
Daryl Hall & John Oatesと言えば、昨年後半に発表された4枚組のボックス・セット"Do What You Want, Be What You Are: The Music of Hall & Oates"がファンから話題になりました。
もちろん、私もすぐに手に入れた口です。
このボックス・セットには全74曲が収められており、Daryl HallとJohn Oatesがデュオを組む前のそれぞれのバンドのナンバーや未発表曲などが収められておりました。
Dary Hall & John Oatesは1972年に"Whole Oats"でレコードデビューし、一度は解散状態に陥ったものの現在もデュオとして活躍しているバンドです。
現在まで、オリジナル・スタジオ・アルバムを18枚発表しており、ライヴ・アルバムも本日紹介する"Livetime"を皮切りに有名な"Live at the Apollo"や最近では2008年に"Live at the Troubadour"などを発表しております。
ベスト盤はそれこそ何枚も手を変え、品を変え出されております。
私は、彼らの大ファンで、50枚弱(ただし、ブートCDは持ってません)を所有しております。
最近リマスターされたアルバムにはボーナス・トラックが収録されていることもあって、複数のタイトルでオリジナル盤とリマスター盤を持っております。
リマスターやリ・イッシューされるまで、初期の"Whole Oats"、"War Baby"さらには"Live At The Apollo"なんかは結構な金額で取引されていたようです。
本日紹介する"Livetime"も昨年Friday Musicからリ・イッシューされたもので、私もつい最近になって手に入れたものです。
アルバムが出たのが1978年ですから、"Beauty On A Back Street"の後のライヴ音源です。
収録ナンバーは、
01 Rich Girl
02 The Emptyness
03 Do What You Want, Be What You Are
04 I'm Just A Kid (Don't Make Me Feel Like A Man)
05 Sara Smile
06 Abandoned Luncheonette
07 Room To Breathe
の7曲が収められております。
"Rich Girl"、"Do What You Want, Be What You Are"と"Room To Breathe"は1976年の5thアルバム"Bigger Than Both Of Us"から、"The Emptyness"は1977年の6thアルバム"Beauty On A Back Street"から、"I'm Just A Kid (Don't Make Me Feel Like A Man)"と"Abandoned Luncheonette"は1973年の2ndアルバム"Abandoned Luncheonette"からの選曲となっております。
アルバム化に当たり録音時間などの制限があったのだろうと思いますが、"She's Gone"、"Camellia"や"Don't Change"辺りはステージで披露していたのかも知れませんが、収録されなかったことは残念です。
やはり秀逸は、"Sara Smile"、"Do What You Want, Be What You Are"、"Rich Girl"の3曲ですね。
あと、Hall & Oatesと言えば、Daryl Hallの方が目立っておりますが、John Oatesがヴォーカルをとる"The Emptyness"や"I'm Just A Kid (Don't Make Me Feel Like A Man)"も素晴らしい仕上がりです。
John Oatesがヴォーカルを執ったナンバーもDaryl Hallには決して劣ってはいなく、前出の"Camellia"なんかもそうですが、1982年の"H2O"に収められていた"Italian Girls"なんか、もう最高の出来だと思いますね。
"Sara Smile"は8分のヴァージョンとなっておりますが、これがエラくカッコ良く仕上がっております。
リード・ギターはElton John BandにいたCaleb Quayeが担当しておりますが、これがとても良いんです。
Daryl Hallのブルーアイド・ソウルしたヴォーカルももちろん素晴らしいです。
Daryl Hallは63歳、John Oatesは60歳という年齢になってしまいましたが、60歳を超えても現役で頑張っているロック・ニュージシャンはたくさんおりますので、2004年の"Our Kind of Soul"に続く(2006年には、"Home for Christmas"という企画物のアルバムを発表しておりますが)、オリジナル・アルバムを早く発表して欲しいですね。
2010-01-02
Rah Band / Mystery (1985)

1stの"The Crunch & Beyond" (1978)は既にCD化されておりますが、大ヒット・ナンバー"Clouds Across the Moon"が収録されている"Mystery"のCD化は特に嬉しい限りです。
以前にとてもダサいジャケットでベスト・アルバムが出ていて"Clouds Across the Moon"を聴くことは出来ますが、オリジナル・アルバムはレコードでもかなり高い取引がされておりましたので、今回のCD化は感無量といったところです。
RAH BANDは、Richard Anthony Hewsonのソロ・ワークの名称(頭文字のR.A.H.をとった)です。
このRichard Anthony Hewsonですが、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『欲望』のサウンドトラックを録音する為にロンドンを訪れていたHerbie Hancockのセッションにギタリストとして参加をきっかけに、その後、数多くのセッションに参加することとなります。
また、並行してリチャードは、ドラムスに後にTV俳優となるNigel Anthony、ベースにPeter Asher (ex Peter & GordonやLinda Ronstadtのプロデュース)というメンバーでトリオ結成し、Peter Asherを介してApple Recordsと関係することとなります。
Apple Recordsでの最初の仕事が、Mary Hopkinの"Those Were The Days"のストリングス・アレンジで、その後、James TaylorのAppleでの1stや最も有名なのが、Phil Spectorの意を受け、"Get Back Session"での"The Long And Winding Road"などのオーケストラのアレンジャー、コンダクターとしてセッションに参加したことです。
このヴァージョンはPaul McCartneyから酷評され、2003年の"Let It Be...Naked"でストリングスは削除されることとなりました。
しかしながら、その後Paul McCartneyはRichard Anthony Hewsonに"My Love"などのアレンジを依頼していることからも、その才能の高く評価していたと思われます。
彼の最大の成功は1975年から始めたRAH BANDで、1977年のファースト・シングル"The Chunch"が英国チャートで6位を記録したほか、1985年には、"Clouds Across The Moon"も6位を記録しております。
オリジナル・アルバムは冒頭に掲げた4枚のアルバムに、"Past, Present & Future" (1985)の計5枚のオリジナル・アルバムをリリースしており、最近では、DJ/レア・グルーヴ/渋谷系、エレポップ・ファンから見直され、かなりの支持を受けているようです。
もちろんAORファンにも受ける内容です。
私は本日紹介する"Mystery"が最も好きなアルバムで、このアルバムからは、"Are You Satisified? (Funka Nova)"、"Clouds Across the Moon"、"Sorry Doesn't Make it Anymore"の3曲がシングル・カットされ、"Are You Satisified? (Funka Nova)"は全英70位、"Clouds Across the Moon"は先ほど紹介したとおり全英6位と大ヒットしました。
RAH BANDの魅力は、何といっても最高にオシャレなサウンドで、UKのジャズ・ファンクの中でもかなりいけてると思います。
とにかく、女性ヴォーカルがこのプロジェクトの要となっていて、音もそうですが、この女性ヴォーカルがあってこそ、オシャレになっていると言っても過言ではないと思いますね。
彼らの全てのナンバーの中で、最も好きなナンバーが"Clouds Across the Moon"で、メロディが最高で、バックのストリングスがとても良い雰囲気を醸し出しています。
この1曲だけでもう悩殺されてしまうこと請け合いです。
ホント、オシャレです。
AORファンにも間違いなく受けるサウンドです。是非、聴いていただきたいと思いますね。
また、"Sorry Doesn't Make It Anymore"は再び女性ヴォーカルがフュチャーされたオシャレなサウンドとなっています。
RAH BANDはこうじゃなきゃいけません。
この"Mystery"のCD化は本当に嬉しい限りです。