2010-03-31
Le Roux / Louisiana's LeRoux (1978)

私が彼らを初めて知ったのは、1982年の4thアルバム"Last Safe Place"からで、当時は、TOTOやBoston、Foreignerなどの産業ロックが華々しかった時期で、巷にTOTOフォロワーのバンドが雨後のタケノコのように出ておりました。
確かこのLe RouxもTOTOフォロワーみたいな扱いを受けていたと思います。
"Last Safe Place"は当時国内盤が出ていたかどうか定かではありませんが、私は、Tower Recordsでこの産業ロック風のジャケットを見て、すぐに購入しました。
1曲目の"Addicted"を聴いた瞬間に、これは私好みのバンドだと判り、2曲目の"It Doesn't Matter"は当時ヘヴィ・ローテーしていたナンバーでした。
その後、1983年に5thアルバム"So Fired Up"が発表され、このアルバムには、リード・ヴォーカリストとして、後にTOTOに参加するFergie Frederiksenがヴォーカルとして参加しております。
このアルバムからは、"Carrie's Gone"という産業ロックの名曲も生まれております。
Le Rouxは、他に、1979年に2ndアルバム"Keep The Fire Burnin'"、1980年に3rdアルバム"Up"を発表しておりますが、5thアルバムの"So Fired Up"を発表後、一度は解散しております。
しかしながら、1996年に"Bayou Degradable: The Best of"というベスト・アルバム発表し、これをきっかけに再度バンド活動を再開することとなります。
1999年には、6枚目となるオリジナル・アルバム"Ain't Nothing But A Gris Gris"を発表し、2000年には、"AOR Live"というライヴ・アルバムも出しております。
また、2002年には、1980年のライヴを収めた"Higher Up"を発表し、現在もライヴ活動を行っております。
1999年以降、オリジナル・アルバムが出されておりませんので、発表が待たれるところです。
本日紹介する1stアルバムは、バンド結成25周年記念にリ・イッシューされたCDで、オリジナルとは、ジャケット・デザインが変更(といってもデザインは殆ど同じで、色が白から青に変更)されております。
アルバムの内容は、基本的は産業ロック・AORした内容ですが、4th、5thアルバムのような洗練度はまだまだといったところですが、決して悪くはありません。
2ndも同じような路線でしたが、2ndよりは良くできていると私は思います。
彼らについては、3rdの"Up"以降が、産業ロック然としたサウンドで、私が最も好きな時期です。
1曲目の"Take A Ride On A Riverboat"はピアノの音なんか聴いていると、若干スワンプ風ですが、メロディアスで結構ポップなナンバーです。
2曲目の"Snake Eyes"は1曲目からつながって始まるナンバーで、こちらもスワンプ風ですが、ファンキーでノリの良いナンバーとなっております。
3曲目の"Bon Temp Roulette"もファンキーでノリの良いAOR風のナンバーとなっております。
4曲目の"New Orleans Ladies"はメロディアスなバラード・ナンバーで、お勧めのAORナンバーです。
5曲目の"Heavenly Days"はジャジーなアレンジがモダンなAORナンバーで、3rd以降のRe Louxにつながる、そんなナンバーで、かなりいかしてます。
6曲目の"Love Abductor"はメロディアスで、完全にAORしてます。
7曲目の"Slow Burn"はファンキーなプレイがいかしたAORナンバーで、これも結構お勧めです。
8曲目の"Bridge Of Silence"は、バックのピアノや他のプレイもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーとなっており、出来も良いですね。
9曲目の"Backslider"、10曲目の"Crazy I Love"もメロディアスなAORしたナンバーです。
ラストの11曲目"I Can't Do One More Two Step"もスワンプ風のサウンドのナンバーで、バックのプレイはとてもいかしてます。
Le Rouxのアルバムは、オフィシャル盤は殆どが廃盤でレア化しておりますが、彼らのミュージシャン・サイトから全て購入できますが、盤はCD-Rのようです。
でも、私は、5thアルバムの"So Fired Up"を実際に手に取ったことがありますが、ジャケットの作りは結構まともでした。
彼らのサイトを覗くと、全9枚が110USドルで購入出来るようです。
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2010-03-30
Bee Gees / Their Greatest Hits - The Record (2001)

ただ、このベスト、"Emotion"、"Heartbreaker"、"Islands in the Stream"といった他のアーティストに提供したナンバーをセル・カヴァーしているということが売りのようで、そのことを考えると、やはり680円は安いですよね。
また、国内盤には"Melody Fair 「小さな恋のメロディ」"が追加されているようですのが、この輸入盤には収録されていないのが残念です。
このアルバムには全40曲が、ほぼ年代順に収録されていることと、ヒット・ナンバーばかりですので、Bee Geesの入門アルバムとしては最適だと思います。
私がBee Geesを初めて聴いたのは、高校生の時で、当時は、"Massachusetts"、"Holigay"、"World"、"Words"、"I Started A Joke"、"First Of May"、"Melody Fair"など数多くのヒットを飛ばしておりました。
、"Massachusetts"、"Holigay"、"World"、"Words""は1967年の、"I Started A Joke""First Of May"、"Melody Fair"は1968年のヒット・ナンバーなんですね。
Bee Geesは、1965年に"The Bee Gees Sing and Play 14 Barry Gibb Songs"、1966年に"Spicks and Specks"という2枚のアルバムをオーストラリアで発表し(Gibb兄弟はイギリス生まれですが)、オーストラリアでは最優秀ボーカルグループに選ばれたり2ndアルバムからのタイトル・ナンバー"Spicks and Specks"が全豪1位にランクインするなどオーストラリアでは知られた存在だったようです。
この人気に着目したThe Beatlesのマネージャーであるブライアン・エプスタインは自らが経営するNEMSエンタープライズに入社したての新人ロバート・スティッグウッドをオーストラリアへ赴かせGibb兄弟にワールド・デビューの契約を持ち掛け、1967年にポリドール・レコードから"New York Mining Disaster 1941『ニューヨーク炭鉱の悲劇』"でレコード・デビューさせたということらしいです。
それからのBee Geesはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでメジャー・アーティストとなるわけですが、デビューから70年代初めまでのBee Geesは本当に凄いものがありました。
美しいメロディにコーラス、これが彼らの最大の魅力で、万人に受け入れらるサウンドだったということが売れた理由だと思います。
"To Love Somebody"、"Holiday"、"Massachusetts"、"Words""、"I Started A Joke"はまさにそんなナンバーで、極めつけは"First Of May 「若葉のころ」"と本アルバム未収録の"Melody Fair 「小さな恋のメロディ」"で、特に、"First Of May"は初期Bee Geesの最高傑作だと私は思います。
"First Of May"は本当に心に沁みるナンバーだとおもいます。
これこそ永遠のバラード・ナンバーです。
その後、70年代に入ると、彼らも低迷期を迎えますが、1977年に公開された映画"Saturday Night Fever"で見事に返り咲き、Bee Geesのディスコ・サウンドが一世を風靡することとなりますが、この頃のディスコ・サウンドの席捲の凄まじさは、本当に凄かったと思います。
70年代後半80年代前半はAORの全盛期でしたが、このディスコ・サウンドは、いろいろなジャンルに影響を及ぼしていました。
そんなことを考えると、このBee Geesって凄いバンドなんだなあと感心してしまいます。
この中期Bee Geesも"If I Can't Have You"、"You Should Be Dancing"、"Stayin' Alive"、"Night Fever"、"More Than A Woman"といった傑作ナンバーがありますが、この時期の最高傑作は、何といっても"How Deep Is Your Love 「愛はきらめきの中に」"で、これまた美しいメロディを持ったディスコティークのバラード・ナンバーで、これも長く心に残るナンバーだと思います。
"If I Can't Have You"はBee Geesのオリジナルより映画"Saturday Night Fever"のサントラに収められていたYvonne Ellimanのヴァージョンの方が良いですし、"More Than A Woman"も同サントラに収められていたTavaresのヴァージョンもオリジナルと同じくらい良く出来てます。
"Night Fever"を聴いたらジョン・トラボルタを思い出すのは私だけでは無いと思いますが、このナンバーは当時のディスコ・ミュージックの金字塔的なナンバーだといっても過言ではないと思います。
その後、70年代後半は、"Too Much Heaven"、"Tragedy"などのヒットを放ちますが、80年代に入るとBee Geesの活動よりも他のアーティストのために曲を作ることが多くなり、Barbra StreisandとBarry Gibbのデュエットによる"Guilty"やDionne Warwickの"Heartbtraker"などがヒットし、Bee Geesとしては、1987年に"You Win Again"が久々のヒットとなっております。
"Heartbreaker"はDionne Warwickのヴァージョンの方がかなり良いと思います。
1990年代には、"Alone (1997)"などのヒットぐらいしか有りませんでしたが、ライヴでは結構活躍していたようです。しかしながら、2003年にバンド・メンバーのMaurice Gibbの突然の死によりバンド活動を停止してしまいました。
Gibb兄弟と言えば、末弟としてAndy Gibbがおり、1977年に"Flowing Rivers"、1978年に"Shadow Dancing"、1980年に"Shadow Dancing"の3枚のアルバムを発表し、こちらも1988年に帰らぬ人となっております。
このベスト・アルバムを聴いていると、Bee Geesって本当に良い曲を書いているバンドだなあと思います。
このアルバム、まさに"Their Greatest Hits"です。
"First Of May"、"How Deep Is Your Love"は名曲です。
2010-03-29
Patriot / Love Worth Defenfing (1984)

The Pressは70年代後半から80年代前半の産業ロック・ハードポップした内容のアルバムでしたが、本日紹介するPatriotは、Vapour Trails (The VTs)やLittle River Band、Flyerなどのバンド形態のまさにAORしたサウンドで、これが実に素晴らしい。
この"Love Worth Defending"とタイトルされたアルバムは、1984年に発表されたものですので、まさにその当時に出されたアルバムです。
これだけのアルバムをノー・チェックだったのは驚きですね。
当時は、Tower Recordsや輸入盤専門店で、輸入レコードだって、簡単に手に入れることが出来た時代でしたのに、Retrospect RecordsからCD化されるまで、全く知らないバンドでした。
クレジットを見ても知っているミュージシャンやプロデューサーではありませんし、このジャケット・デザインだったからスルーしていたのかも知れませんし、マイナーなレコード会社の作品だったので、店頭にも並ばなかったのかも。
1曲目の"She's The One"は出だしのシンセの音がカッコ良い、メロディアスでファンキーな感じのAORです。
シンセとキーボードの音が気持ち良い産業ロック風のナンバーですが、この手の音が大好きな私にとって、とても堪らない魅力的なナンバーです。
2曲目の"Forever Together"もキラキラ・キーボードのメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
仕上がりもポップですし、言うことないですね。
3曲目の"Arms Of A Stranger"は、リン・ドラムが入ったモダンな感じのナンバーですが、当時の息吹を感じることが出来るナンバーです。
4曲目の"Melanie"はメロディアスなバラード・ナンバーで、完全にAORしております。
ヴォーカルも雰囲気が有って、とても良いです。
5曲目の"Photo Star"はこのアルバムの一押しで、出だしの哀愁度抜群のギター・ソロがいかしたメロディアスな最高にいかしたナンバーで、AORファン納得の1曲です。
バックの音が本当にいかしてます。
6曲目の"Borderline"は、これはもう当時のサウンドそのまんまのポップなAORナンバーで、このナンバーを聴いたAORファンは懐かしさを感じずにはいられないでしょう。
このナンバーも最高にいかしてます。
7曲目の"I Can't I Get Over You"もポップなAORナンバーです。
8曲目の"Unchained Love"もバックのシンセやギター、ベース、ドラムスの音が当時の雰囲気そのまんまで、懐かしさを覚えるAORナンバーで、これまたお勧めの1曲です。
9曲目の"(My) Heart Won't Hide"はバックの切なそうなサックスとピアノがとてもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーで、完全にAORしております。
雰囲気最高のナンバーです。
10曲目の"Lost And Found"も曲の中盤以降は、当時、どこかで聴いたことがあるようなそんな感じがするAORナンバーです。
ラストの11曲目"Love Worth Defending"は、どこか「ラスト・ダンスは私と」に似た雰囲気のメロディアスなAORナンバーです。
Retrospect RecordsからのCDですので、AmazonやHMVでは手に入りません。
この内容だったら、おそらくCruisin' Musicで取り扱うかも知れませんので、気になる方は、Cruisin' Musicに問合せしては?
AORファン納得の1枚です。
2010-03-28
Circus Diablo / Circus Diablo (2007)

CDの帯のオールスター・ロックンロール・バンドという文字と値段で決めました。
で、早速家に帰り、CDをプレイヤーに入れ、流れてきた音が、とてもカッコ良いロックンロール・ナンバーでした。
解説書を読みながら(CDの解説書って、とても字が小さく、私の年では、拡大鏡は必需品です)聴いていくと、The CultとかThe Almightyとかいったバンドの名前が出てくるじゃありませんか。
The Cultは2枚、The Almightyは1枚、それぞれCDを所有しており、The Cult辺りは嫌いじゃないですし、The Almightyもロックンロールを基調としたハードロック・バンドですので、まあ、聴けるバンドの一つです。
で、このCircus Diabloですが、同じようにロックンロールを基調としたハードロックで、Guns N' Rosesタイプ(Guns N' RosesはCDを5枚ほど持っています)のサウンドで、メンバーはBilly Duffy (ex:The Cult)、Ricky Warwick (ex: The Almighty)、Brett Scallions (ex: Fuel)、Matt Sorum (ex : Velvet Revolver)、Billy Morrison (ex: The Cult)の5人によるプロジェクトです。
1曲目の"Loaded"は少しばかり歪んだ音のギターがカッコよい最高にいかしたロックンロール・ナンバーで、ヒットpテンシャルが高い良く出来たナンバーです。
二人のギタリストがとても小気味良い音を聴かせてくれております。
2曲目の"So Fine"もギターのカッティングがとてもいかしたロックンロール・ナンバーです。
3曲目の"Restless"はタイトなリズムがいかしたナンバーで、バックのプレイはかなりいかしてます。
お勧めは4曲目の"Shine"で、これが哀愁度が高いメロディアスなバラード・ナンバーですが、曲の出来も演奏も素晴らしく、メロディ・マニアも納得の1曲です。
この曲が入っていたことで、このアルバムを手に入れたことに満足しております。
5曲目の"Mad Parade"はポップでスリージーなハードロック・ナンバーです。
Guns N' Rosesタイプのカッコ良いナンバーです。
6曲目の"Red Sun Rising"は、これまた出だしのギターの音がカッコ良い、ミディアム・テンポのロックンロール・ナンバーです。
7曲目の"Commercial Break"は、Jimmy Page風のギターをバックに普通に語っているナンバーです(?)。
8曲目の"Hello, Goodbye"はドラムスがとてもかっこよい、少しばかり歪んだ感じのサウンドがいかしたナンバーです。
途中のギター・ソロは最高です。
9曲目の"Ants Invasion"もバックのプレイがいかしたナンバーです。
10曲目の"Rollercoaster"はメタリックなサウンドがいかしたヘヴィなナンバーです。
11曲目の"Dignified"はアコースティック・ギターを大々的にフィーチャーしたバラード・ナンバーです。
12曲目の"A Thousand Times"はギター・オリエンティドのパワー・バラード風のナンバーで、ギター以外にベースの音がビンビンでカッコ良いです。
ラストの13曲目"Mary's Shadow"は、カッコ良いという言葉がピッタリのロックン・ロール・ナンバーです。
このバンド、ギターがとてもカッコ良いです。
また、4曲目はとても素晴らしいです。
Guns N' RosesやVelvet Revolver辺りが好きな方にお勧めの1枚です。
2010-03-27
Luba / Chain Reaction (1980)

ただし、このアルバムはLubaというバンド名義で発表されたものです。
その後、彼女は、Luba (EP) (1982)、Secrets And Sins (1984)、Between The Earth & Sky (1986)、Over 60 Minutes With Luba (1987)、All Or Nothing (1989)、Luba...Live On Tour (1990)、From The Bitter To The Sweet (2000)といったアルバムを発表しております。
シングルも20枚弱を出しており、カナダのチャートでは結構ヒットを飛ばしているシンガーです。
この1stアルバムは、Blondieを意識したニュー・ウェーヴっぽい音作りをしておりますが、とてもポップでメロディアスですし、曲によっては、ハードポップ風のナンバーが有ったりで、結構楽しめます。
歌は、かなり上手いですし、とても聴き易いというか魅力的な声質です。
1曲目の"Chain Reaction"はシングル・カットされたナンバーですが、ランクインはしなかったようです。
このナンバーが最もBlondieっぽいナンバーで、ほんのりとニュー・ウェーヴの香りがするナンバーです。
でも、曲はとてもポップですし、Lubaのヴォーカルもとても魅力的です。
2曲目の"Runaround"は出だしにキーボードがキラキラしたメロディアスなハードポップ風のナンバーです。
キーボードとギターの音は、もう産業ロックしておりますね。
とてもお勧めのナンバーです。
3曲目の"I Stand Alone"は、再びBlondie風のニュー・ウェーヴの香りがするナンバーです。
この曲を聴くと、本当にLubaの歌の上手さが判ります。
声がスムースというか、歌い方は惚れ惚れします。
4曲目の"Lookin' At Love"もメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
バックのプレイがとてもいかしてます。
5曲目の"Heaven In Your Eyes"もキラキラ・キーボードのメロディアスなハードポップ・ナンバーです。
良く出来ているナンバーですね。
6曲目の"Stay"もメロディアスで流れるようなLubaのヴォーカルとバックのプレイがとてもいかしたナンバーで、かなりお勧めです。
7曲目の"Have A Heart"はギターとキーボードの音にニュー・ウェーヴの香りを感じるポップなナンバーです。
8曲目の"Lovers In The Night"は7曲目に似たタイプのニュー・ウェーヴ風のナンバーですが、メロディはとてもいかしてます。
9曲目の"Seems Like A Dream"はスペイシーなサウンドのメロディアスなバラード・ナンバーです。
盛り上がりも抜群のナンバーです。
この人、本当に歌が上手いです。
10曲目の"Black & White"はギターの音がカッコ良いニュー・ウェーヴの香りがするポップなナンバーです。
何度も書きますが、このLuba Kowalchykという女性は歌が上手いですし、とても聴き易いです。
ニュー・ウェーヴの香りがするサウンドですが、ハードポップのファンでも気に入るアルバムだと思いますよ。
私は、ジャンルを敢えてハードポップとしました。
2010-03-26
The Press / Words : Hot Off The Press (1987)

キーワードはAORです。
今回は、本日紹介するThe Pressのほかに、Visitor、Powerglide、Patriot、Mata Hariというバンドのアルバムです。
全て初耳のバンドで、1980年代のバンドばかりです。
Mata Hariはいわゆるメロハーのバンドですが、それ以外は、産業ロック、ハードポップのバンドで、中でも最も気に入ったのが、このThe Pressです。
Retrospect Recordsでのアルバム紹介では、
Originally released as a limited edition vinyl-only EP in 1987, brace yourselves for this one! Finally issued on CD format with previously unreleased tracks and digitally remastered from the original tapes -- this is a fantastic Melodic Pomp Rock / AOR gem just waiting to be discovered!! Featuring the killer anthemic and dynamic songwriting of keyboardist / vocalist Jeff Gastineau and the solid guitar chops of Dole Shaffer (of the bands Scram, Beards Ghetto and No Reason), the music is pure 80's AOR bliss. Reminiscent of bands like Loverboy, Journey, The Innocent, Franke & The Knockouts, Honeymoon Suite, The Arrows, Aviator, Touch, Bon Jovi, The Tubes, etc... Check out the sound samples and don't hesitate to order this soon-to-be-classic CD today!
とあります。
Loverboy, Journey, The Innocent, Franke & The Knockouts, Honeymoon Suite, The Arrows, Aviator, Touch, Bon Jovi, The Tubesといったバンド名を挙げてアルバムを紹介しており、産業ロック・ハードポップのファンであれば、その内容にかなりの期待を寄せる筈です。
私も購入のきっかけは、これらのバンド名を見たからですが、これが、本当に極上の産業ロック・アルバムなんですね。
キラキラ・キーボードにメロディアスなギターとハイトーン、これにはもう堪らないです。
1曲目の"Words"の出だしは、TotoやTrillionを彷彿するロマンティック・ハードネスの若干プログレ・ハードしたナンバーで、この手のサウンドが好きな産業ロック・ファンにとっては堪んないナンバーだと思いますね。
もうこの1曲でノック・アウトです。
2曲目の"Do You Care Anymore"はメロディアスでポップなハード目のナンバーで、これまた、素晴らしいナンバーです。
バックのプレイもとてもいかしております。
3曲目の"Where Were You"はメロディアスで盛り上がりのあるまさに産業ロックのバラード・ナンバーです。
キーボード、ギターの音は最高です。
4曲目の"Never Say Goodbye"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーですが、ギター・オリエンティドした全体的に作りがハード目です。
でも、これがまたカッコ良く仕上がっております。
5曲目の"Playing Your Game"は、再びキーボードとギターのプレイがいかしたプログレハードしたナンバーです。
力強さを感じさせるハードポップ・ナンバーです。
6曲目の"Tell Me"はキラキラ・キーボードで始まるメロディアスな産業ロック・ナンバーです。
ハイトーン・ヴォーカルとギター・プレイがとてもいかしてます。
7曲目の"Something For Nothing"はタイトなリズムのハードポップ・ナンバーです。
途中のキーボード・ソロはまさにプログレ・ハードしておりますし、それに続くギター・ソロがとてもカッコ良いです。
ラストの8曲目"Time For A Change"もキーボードとギターの音がいかしたメロディアスでポップな産業ロック・ナンバーです。
サウンド・プロダクションがイマイチですが、捨て曲は殆ど無く、音もメジャー級です。
それにしてもRetrospect Recordsは良い音源を発掘してくれますね。
ただ、盤がファクトリー・メイドのCD-Rというのがちょっと(Retrospect RecordsのCDは最初の頃はCD-Rでしたが、その後プレス盤になったと思ったら最近は、また、CD-Rなんですね。今回購入したのは全てCD-Rでした)。
産業ロック・ファンは必聴でしょう!
ところで、今回、このThe PressとVisitor、Powerglide、Patriotの4枚を間違って2枚ずつ購入してしまいました。
どなたか、買っていただける方はいらっしゃらないでしょうか?
2010-03-25
Paul McCartney & Wings / Band On The Run (1973)

2007年には"Memory Almost Full"という22枚目のオリジナル・アルバムを発表し、2009年には"Good Evening New York City"というライヴ・アルバムを発表し元気な姿を見せてくれております。
言うまでもなく稀代のメロディ・メーカーで、ギネス・ブックでも、「ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家」として認定されております。
私はThe Beatlesの大ファンで、The Beatlesもメンバーのソロ・アルバムも殆ど持っており、Paul McCartneyについても発表されたアルバムを全て所有しております。
ただ、これはあくまでも私の個人的な意見ですが、Wings解散後のPaulのナンバーを聴くと、とても物足りなく感じます。
それでも、"Tug of War"、"Pipes Of Peace"、"Give My Regards To Broad Street"くらいまでは、メロディアスでポップなPaulらしさのあるナンバーも収められており、巷の評価も高いですし、私もとても気に入っております。
しかしながら、"Press To Play"以後のアルバムとなると、なんか物足りないというのが、正直な感想です。
これまでのソロ・アルバム及びWingsのアルバムのチャート・アクションを見ると、
McCartney(1970年)(英2/米1)
RAM(1971年)(厳密には「ポール&リンダ」名義)(英1/米2)
Wild Life (1971年)(英11/米10)
Red Rose Speedway (1973) (英5/米1)
Band on the Run (1973年) (英1/米1)
Venus and Mars (1975年) (英1/米1)
Wings at the Speed of Sound (1976年) (英2/米1)
London Town (1978年)(英4/米2)
Back to the Egg (1979年)(英6/米8)
McCartney II(1980年)(英1/米3)
Tug Of War(1982年)(英1/米1)
Pipes Of Peace(1983年)(英4/米15)
Give My Regard To Broad Street(1984年)(英1週1/米21)
Press To Play(1986年)(英8/米30)
Снова в CCCP - the russian album -(1991年) (英63/米109)
Flowers In The Dirt(1989年)(英1週1/米21)
Off The Ground(1993年)(英5/米17)
Flaming Pie(1997年)(英1/米2)
Run Devil Run(1999年)(英12/米27)
Driving Rain(2001年)(英46/米26)
Chaos And Creation In The Back Yard(2005年)(英10/米6)
Memory Almost Full(2007年)(英5/米3)
となっております。
このチャート・アクションを見ても判るとおり、私が冒頭で述べたことが、ある程度当たっていると思います。
実のところ、The Beatles時代からあれだけ良いメロディを書いてきた稀代のメロディ・メーカーのPaulも、いよいよ才能が枯渇し始めてきたのか?と、そんなことまで考えてしまいます。
最新作のMemory Almost Fullはチャート・アクションをを見ると、(英5/米3)で、2008年の第50回グラミー賞に3部門でノミネートされるとともに全米では1982年のタッグ・オブ・ウォー以来となるオリジナルアルバムでのプラチナ・ディスクに認定されましたが、私は全くピンと来ないアルバムでした。
最初に聴いた時、これがPaulの作品?、と思い、何度か聴き直してもやはり同じような印象しか無く、才能の枯渇か?、と。
で、そんなこんな考えていると、やはりPaulの最高傑作のアルバムを聴いては、比較してしまうんですね。
そうです、"Band On The Run"です。
おそらく、大勢の方がこの"Band On The Run"をPaulの最高傑作に挙げると思います。
他には、"Red Rose Speedway"、"Venus and Mars"、"Wings at the Speed of Sound"を挙げる方もいらっしゃると思います。
私も個人的には、2番目に"Red Rose Speedway"を挙げますし、1stソロの"McCartney"も捨て難いと思います。
おそらくPaul自身も、この"Band On The Run"が最高傑作だと思っているのでしょうね。
その証拠に、25th Anniversary Editionとして、2枚組の豪華ボックス仕様として、リ・イッシューしたのだと思います。
この"Band On The Run"には、本当に勢いを感じさせるものがあり、これぞPaul McCartneyだというナンバーばかりが収められております。
私は、一番最初に"Jet"が好きになりました。
あの前奏のカッコ良さったら、もうないですね。
"Band On The Run"は、The Beatles解散後のPaulのベスト・ナンバーだと思います。
次に"Maybe I'm Amazed"だと私は思っております。
"My Love"も外せません。
"Let Me Roll It"はスロウなブギのナンバーで、"Oh Darling"には及びませんが、気に入っているナンバーです。
"Helen Wheels"も最高にいかしたロックン・ロール・ナンバーです。
もしろん、他のナンバーも良く出来ていて、捨て曲なんか1曲もありません。
これがPaul McCartneyのアルバムなんです。
2010-03-24
She's China / Vibrations 1988-2003 (2003)

先日、ドイツのネット・ショップSchmankerl Recordsから手に入れた1枚。
初めて耳にしたバンドでしたが、購入のきっかけは、AORという単語と値段でした。
これが、まさにビンゴの1枚で、感じとしては、Spandau Balletをハードポップにした感じの音で、ヴォーカルのSherman Noirの声質がTony Hadleyっぽく、とても魅力的なんです。
サウンドもとてもキャッチーでポップで適当に湿り気もあり、ドイツのバンドとは思えなく、英国産のハードポップ的な雰囲気がいっぱいのいかした音となっております。
このShe's China、The Night Of Illusion ( 1989 )、A Long Way Home ( 1994 )、The Age Of Consequence ( 1996 )、An Acousic Evening with... ( 1997 )、Satellite Motel ( 2001 )、Vibrations 1988 - 2003 ( 2003 )、Odyssey To Mars ( 2005 )、A Symphony Of Love And Peace ( 2006 )と既に8枚のアルバムを発表してますが、Schmankerl Recordsで見るまで、ノーチェックのバンドでした。
でも、このベスト・アルバムを聴く限り、はっきり言って私の好み(それも非常に)のサウンドで、何故今までノーチェックだったのか、とても不思議です。
さらに、The Night Of Illusion ( 1989 )、Woman ( 1989 )、Heaven Can Wait ( 1994 )、Flowers In The Sky ( 1994 )、Radio Talking ( 1994 )、We Are Always Winners ( 1995 )、Stop The War It's Christmas ( 1995 )、Politicians Little Nightmare ( 1996 )、Black Bird ( 1996 )、Champagne Casanova ( 1999 )、Space Child ( 2001 )と11枚のシングルを発表しているようです。
いやいや、私の好きなタイプのバンドがこの広い世界にまだまだ居るんですね。
このベスト・アルバム"Vibrations 1988-2003"には、シングル曲全てではありませんが、かなりの曲とライヴ音源が計16曲収録されております。
収録ナンバーは、
01 The Night Of Illusion
02 Make Love
03 Heaven Can Wait
04 Radio Talking
05 Enjoy The Silence
06 Politicians Little Nightmare
07 Black Bird
08 Moon Of Love
09 Always On The Run
10 Flowers In The Sky
11 Ride On Sally
12 Space Child
13 Stairway To The Stars
14 Romeo & Juliet
15 Oh He Ycha / Turn Back The Time
16 The Night Of Illusion
となっております。
01はシングル・カットされたナンバーですが、このナンバーを初めて聴いて、すぐに思い浮かべたのがSpandau Balletでした。
Sherman Noirの声質がTony Hadleyっぽかったということが、サウンド・スタイルがポップですが若干湿り気を帯びた感じで、メロディアス。
もうこの1曲を聴いただけで、She's Chinaが大好きになりました。
他のナンバーを聴いてもハードロックではなく、あくまでもハードポップというかAORしております。
16はこのナンバーのライヴ・ヴァージョンですが、前半はアコースティック・ピアノだけをバックにSherman Noirが歌い、中盤からは01タイプのメロディアスなハードポップ・スタイルとなる11分を超える大曲で、これは圧巻です。
02はシングル・カットはされておりませんが、これまたほぼSpandau Balletしたメロディアスなナンバーで、申し分ありません。
それにしても、Sherman Noirは声質も良いですが、歌も上手いです。
03や04なんかを聴くと結構ダンサンブルで、やはりSpandau Ballet辺りのニューロマンティックぽい雰囲気を感じさせてくれております。
これまた、ポップでとても良く出来たナンバーです。
05はライブ・ヴァージョンで、出だしのピアノがいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
これまたTony Hadley風に歌うSherman Noirのヴォーカルが最高です。
06はバックのヴィオラ(ヴァイオリン?)の音が印象的なミディアム・スロウのメロディアスなナンバーですが、これまた雰囲気最高です。
07もバックのピアノが印象的なメロディアスなバラード・ナンバーです。
このナンバーも最高の出来です。
全てのナンバーで、Sherman Noirが曲を書いておりますが、Sherman Noirって優れたソング・ライターだと思います。
08はギター・オリエンティドのルーズな感じのナンバーです。
この曲はハードポップしてますね。
09もライブ・ヴァージョンで、アコースティカルながらもとてもポップな感じのナンバーです。
10もライヴ・ヴァージョンです。
バックのキーボードがサイケ調のポップなナンバーです。
11はアコースティック・ギターがカッコ良い、アメリカン・ロックしたナンバーです。
12もアコースティカルなナンバーで、こちらはメロディアスなAORしたナンバーに仕上がっております。
13はタイトルから連想されるようなスペイシーなアレンジのメロディアスなナンバーで、これもかなり良く出来てます。
伸びのあるSherman Noirのヴォーカルがとてもいかしてます。
14はメロディアスなほぼAORしたナンバーです。
15はアコースティカルなバラード・ナンバーで、女性ヴォーカル(クレジットが無いので誰が歌っているかわかりませんが)とのデュエット・ナンバーです。
これまた、とても良く仕上がっております。
それにしても、このShe's Chinaというバンドはいかしてます。
是非、他のアルバムを聴いてみたいと思いますが、Amazonを覗くとレア化しているようです。
海外のネットショップで安い中古でも見つけたいと思います。
2010-03-23
Various Artists / Yogaku Tengoku (1998)

当時Toshiba EMI編とCBS Sony編の2種類が出されており、本日紹介するのはToshiba EMI編です。
このアルバムには全21曲が収録されており、メジャー・アーティストからいわゆる一発屋と呼ばれるバンド・ミュージシャンのナンバーまで収められておりますが、日本編集盤CDということもあり、この日本で大ヒットしたナンバーばかりが収録されております。
60年代から80年代の耳に馴染んだナンバーばかりですので、曲によっては懐かしさを感じます。
また、当時としては貴重な音源なんかも入っておりましたので、コンピ物やボックス物が大好きな私は、発表後直ぐに手に入れたCDでした。
収録ナンバーは、
01 48 Crash / Suzi Quatro
02 U Can't Touch This / M.C, Hammer
03 That's The Way (I Like It) / K.C. & The Sunshine Band
04 Nobody But Me / The Human Beins
05 Mandom - Lovers Of The World / Jerry Wallace
06 Bette Davis Eyes / Kim Carnes
07 Wildflower / Skylark
08 Boogie Oogie Oogie / A Taste Of Honey
09 My Sharona / The Knack
10 Manchurian Beat / The Ventures
11 Coming Home / Glen Campbell
12 Games People Play / Joe South
13 Love / The Lettermen
14 Trouble / Shampoo
15 Mah-Na-Mah-Na / Dave Pell Singers
16 Straight From Your Heart / Tavares
17 Hearts / Marty Balin
18 Summer Creation / Joan Shepherd
19 Heartbreaker / Grand Funk Railroad
20 Tombe La Neige / Adamo
21 Don't Dream It's Over / Crowded House
となっております。
確かこの時は、15 Mah-Na-Mah-Na / Dave Pell Singersが収録されていたことから購入したんだと思いますが、その後、アルバムも発表されましたが。
このナンバーは1969年に発表され、当時高校生だった私は、専らラジオの洋楽番組を熱心に聴いていた頃で、このへんてこりんなナンバーが耳から離れなかった、ことを思い出します。
決して名曲ではありませんが、何故か耳に残るナンバーです。
01 48 Crash / Suzi Quatroは当時はそれほど好きなナンバーではありませんでしたが、ここ10年位前にSuzi Quatroのベスト・アルバムを聴いた時に、このナンバーも含め、彼女の一連のヒット・ナンバーが結構良いと思うようになり、オリジナル・アルバムを集めるほどにもなりました。
02 U Can't Touch This / M.C, Hammerは本当に良くうれました。
普段はラップなんか殆ど聴きませんが、このナンバーも数年前にテレビのCMで使われた時に懐かしさを感じ、市内のリサイクル。ショップでかなり安い値段でCDを買いました。
ラップといいながらも結構ポップで聴き易いです。
03 That's The Way (I Like It) / K.C. & The Sunshine Bandも耳タコのナンバーですね。
彼は他にもヒット・ナンバーがありますが、このナンバーばかりが有名で、一発屋の印象も。
04 Nobody But Me / The Human Beinsは60年代のサイケ調の名曲です。
日本でもこのナンバーのヒットにより、来日公演を行ったとか。
05 Mandom - Lovers Of The World / Jerry Wallaceは邦題を「男の世界」といい、チャールズ・ブロンソンを起用したマンダム化粧品のCMソングで、当時、かなり売れました。
06 Bette Davis Eyes / Kim Carnesですが、Kim Carnesは結構アルバムを発表しておりますが、このナンバーの印象が強すぎるせいか、他のナンバーは、この日本ではヒットに結びついていないようです。
07 Wildflower / Skylarkはもちろん、David Fosterが在籍したバンドのナンバーで、AORファンからも高い支持を得ているナンバーです。
メロディや曲の出来は素晴らしいですが、Danny Gerradのヴォーカルが最高にいかしたナンバーです。
08 Boogie Oogie Oogie / A Taste Of Honeyはこのナンバー以外に、日本では坂本九の「上を向いて歩こう?スキヤキ」が有名ですね。
09 My Sharona / The KnackはThe Beatlesを意識したパフォーマンスで、このナンバーが大ヒット。
他にも結構良いナンバーがありますが、やはり一発屋のイメージが.....
10 Manchurian Beat / The Venturesはやはり懐かしいですね。
洋楽にのめり込んだのはThe Beatlesでしたが、洋楽を聴くきっかけは、当時の兄が聴いていた、このThe Venturesです。
11 Coming Home / Glen Campbellはコカ・コーラの宣伝に使われたナンバーですが、私には印象が薄いです。
12 Games People Play / Joe Southですが、彼については、Deep Purpleの"Hush"、Lynn Andersonの"Rose Garden"の作者としての方が有名かも。
13 Love / The LettermenはオリジナルのJohn Lennonよりこの日本ではヒットしたのでは?
14 Trouble / Shampooは90年代のヒット・ナンバーですが、このナンバーは殆ど興味がなかったです。
16 Straight From Your Heart / Tavaresもこのナンバーよりも映画「Saturday Night Fever」に使われたThe Bee Geesの作品"More Than A Woman"の方が有名でしょう。
17 Hearts / Marty Balinは歌謡AORの金字塔的なナンバーです。
18 Summer Creation / Joan Shepherdは元千昌夫の奥方の日本での大ヒット・ナンバー。
マックスファクターの化粧品のCMに使われたナンバーです。
19 Heartbreaker / Grand Funk Railroad、アメリカが誇るヘヴィ・メタル・バンドの大ヒット・ナンバー。
雷雨の中での後楽園球場でのライヴは、今じゃ伝説となっております。
20 Tombe La Neige / Adamo、フランス人歌手Adamoの「雪が降る」の日本語ヴァージョン。
21 Don't Dream It's Over / Crowded House、元Split EnzのメンバーだったNeil Finnを中心結成されたCrowded Houseですが、このナンバーは、ほぼAORしてます。
このコンピCD、Amazonを覗くと、結構レア化しているんですね。
2010-03-22
Mickey Thomas / As Long As You Love Me (1977)

この1stアルバムを発表後、1979年にはMarty Balinの代わりとしてJefferson Starshipに加入することとなります。
また、彼の加入により、Jefferson Starshipが産業ロックに変貌したことは周知の事実ですが、私はMickey Thomas加入後のJefferson Starship、Starshipが好きです。
1981年には2ndソロ・アルバム"Alive Alone"を発表しますが、このアルバムは産業ロックっぽいAORアルバムで、今でも私の愛聴盤となっております。
その後、Jefferson Starship、Starshipとバンド活動の傍ら、Forever Gold (2003)、Over the Edge (2004)と2枚のソロ・アルバムあるいはソロ・プロジェクトのアルバムを発表しております。
本日紹介する1stアルバム"As Long As You Love Me"には、Donald "Duck" Dunn (B)、Steve Cropper (G)、Elvin Bishop (G)、Booker T. Jones (Org)、Jim Horn (Sax)、Jeff Porcaro (Ds)、David Paich (Keys)といったミュージシャンが参加しております。
このメンツを見て判るとおりハードポップ・産業ロックのアルバムではなく、どちらかというとスワンプ・ロック風のアルバムですが、彼のハイトーンや曲自体も洗練されているせいか、メロディアスなAORアルバムとなっております。
1曲目の"My Girl Is So Fine"はメロディアスな少しハード目のAORナンバーに仕上がっており、ヒットポテンシャルも高く、このナンバーは聴きものです。
2曲目の"The Street Only Knew Your Name"はMickey Thomasの良く伸びるヴォーカルがいかしたメロディアスなAORナンバーです。
曲の出来がかなり良いですし、バックのパフォーマンスも素晴らしいです。
3曲目の"Nice Guys Finish Last"はスワンプ調のファンキーなナンバーです。
おそらくSteve Cropperと思われるギターのカッティングとDonald "Duck" Dunnのベースがビンビンのカッコ良いナンバーです。
4曲目の"Take Me To Your Love"はミディアム・テンポのメロディアスなパワー・バラード風のナンバーで、とてもいかしてます。
5曲目の"Can You Fool"はバックのピアノ(David Paichか)の音がいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
こういったナンバーを聴くと、さすが、Mickey Thomasの歌の上手さが判ります。
6曲目の"Somebody To Love"はJefferson Airplaneのナンバーだと思います(歌詞はそうなんですが、アレンジがというよりまるで違うナンバーに聴こえます)が、Booker T. Jonesのオルガンがカッコ良い産業ロックしたナンバーに仕上がっております。
7曲目の"Baby I Caught You"はとてもカッコ良いという表現がピッタリのメロディアスでファンキーなAORナンバーです。
全編に亘ってフィーチャーされているといっても過言ではないJim Hornのサックスがとても素晴らしいです。
最高です。
8曲目の"Where Are We"はメロディアスで洗練された感じのファンキーなAORナンバーです。
Mickeyのハイトーンが素晴らしいです。
9曲目の"As Long As You Love Me"はメロディアスで、AOR然としたナンバーです。
10曲目の"Dance It Off"が、このアルバムで最もAORしたナンバーと言えます。
バックのおそらくDavid Paichのピアノやその他のプレイが都会的な感じがします。
メロディも良いです。
以上10曲がオリジナル・アルバムに収められているナンバーですが、本日紹介のCDはコレクターCDで、ボーナス・トラックが3曲追加されております。
3曲とも"Skateboard"という映画のサントラからで、11曲目が"Skate Out"、12曲目が"Take Me Higher"、13曲目が"Gotta Be On Top"というナンバーです。
3曲ともいわゆる産業ロック然としたナンバーで、Mickey Thomasのハイトーン・ヴォーカルがとてもいかしてます。
このコレクターCDですが、オフィシャルではCD化されていないので、アナログ落としだと思いますが、針の擦れる音とかなく、音質はかなり良いです。
2ndもコレクターCDが出ておりますが、是非、オフィシャルでCD化して欲しいものです。
2010-03-21
Ian Thomas / Looking Back (1993)

ソロ名義では、ベスト・アルバムも含め、
1973 - Ian Thomas
1974 - Long Long Way
1975 - Delights
1976 - Calabash (aka Goodnight Mrs. Calabash)
1978 - Still Here
1979 - Glider
1980 - The Best of Ian Thomas
1981 - The Runner
1984 - Riders on Dark Horses
1985 - Add Water
1988 - Levity
1993 - Looking Back
といったアルバムを発表しておりますが、彼の最大のヒットは1stアルバムの"Ian Thomas"で、収録ナンバーの"Painted Ladies"がカナダのチャート4位、US Hot100で34位にランクインされました。
その後は、専らカナダのチャートではそこそこといった感じで、この日本でも知る人ぞ知るといった存在のAORシンガーです。
1991年から2002年までは、The Boomersというバンドで4枚のアルバムを発表しますが、これもグローバルに認知されることはありませんでした。
現在は、Marc JordanとLunch at Allen'sというバンドを結成し、2枚のアルバムを発表しているようです。
彼は、シンガーとしてだけでなく、ライターとしても知られており、いろいろなミュージシャンが彼のナンバーを取り上げております。
有名どころでは、Santanaの"Hold On"、Manfred Mann's Earth Bandの"The Runner"、Americaの"Right Before Your Eyes"、Chicagoの"Chains"、Bette Midlerの"To Comfort You"などとなっております。
本日紹介するベスト・アルバムの"Looking Back"には彼の大ヒット・ナンバー"Painted Ladies"やSantanaがカヴァーした"Hold On"など全18曲が収録されております。
初期のナンバーは、やはりシンガー・ソングライター的な音作りとなっておりますが、70年代後半から80年代前半は、当時のAORの雰囲気そのまんまの音となっております。
それを代表するナンバーは"Hold On"で、このオリジナルを聴くと、Santanaヴァージョンは結構オリジナルに忠実に演奏していたことが判ります(もちろん、Carlos Santanaのギター・ソロは違いますが-でも、このソロ・パートがカッコ良いのですが)。
この"Hold On"は、1981年の"The Runner"に収められてナンバーで、カナダではそこそこヒットしたようです。
また、タイトル・ナンバーの"The Runner"も"Hold On"タイプのメロディアスなAORナンバーでとても良く出来ていますが、こちらはランクインとはならなかったようです。
Ian ThomasはCrosby,Still, Nash & Youngなどから影響を受けたそうで、初期の作品は、David Crosby、Jackson Browne、Stephen Stills、Linda Ronstadt、James Taylor、J.D. Southerのようなウエストコースト風の音作りとなっております。
大ヒットした"Painted Ladies"はまさにCrosby,Stills,Nash & Young風のメロディアスでアコースティカルなナンバーです。
"Long Long Way"は1974年の"Long Long Way"に収められていた作品で、10ccを彷彿するポップでメロディアスな作品となっており、かなりお勧めです。
"Right Before Your Eyes"は、1976年の"Calabash"に収められていたナンバーで、メロディアスなこれまたAOR然としたナンバーに仕上がっております。
"Pilot"は、1979年の"Glider"に収められていたナンバーで、洒落たポップなAORで、とても良いですね。
"I Still Want To Hold You"も"Glider"からで、メロディアスなバラード・ナンバーで、J.D. Southerなどのウエストコースト系のAORナンバーとなっております。
"Time Is The Keeper"も"Glider"からですが、これの出来がまた良く、バックのプレイは素晴らしく、まさにAORです。
"Stringin' A Line"も1981年の"The Runner"からのナンバーで、これもオシャレでポップなAORナンバーに仕上がっております。
"Harmony"と"Touch Me"は、 1985年の"Add Water"からのナンバーで、どちらも、まさにMr.MisterスタイルのポップなAORナンバーです。
Ian Thomasのオリジナル・アルバムは殆どCD化されておりませんので、このベストは彼のサウンド・スタイルを知るには持ってこいのアルバムです。
また、近々、Wounded Bird Recordsから、1978年の"Still Here"がCD化されるようです。
これまでのWounded Bird RecordsのCD化の様子を見ると、Ian Thomasの他のアルバムのCD化も期待できそうです。
1979年の"Glider"と1981年の"The Runner"は是非CD化して欲しいですね。
2010-03-20
Tony O'Hora / Escape Into The Sun (2006)

プロデュースはLast TribeのギタリストMagnus Karlssonが担当しており、このアルバムでは、ギター以外の全ての楽器をこなすなどマルチ・プレイヤーぶりを見せております。
アルバムの出来は素晴らしく、メロディアスでキャッチーなナンバーが多く収められたメロディアス・ハードロックのアルバムで、最近のメロハーのアルバムの中でもトップランクに位置される内容だと思います。
Tony O'HoraのヴォーカルはPraying Mantisで実証済みですが、このアルバムでは、TonyよりもプロデューサーのMagnus Karlssonの役割がとても光っているように思います。
全てのナンバーをMagnus Karlssonが書いておりますし、それが何れもレベルが高いメロディアスでキャッチーなナンバーであることとアレンジが素晴らしいですし、ギターを始めバックのパフォーマンスはもう最高です。
1曲目の"Broken Soul"は美しいストリングスとピアノから入るキャッチーでフックに満ちたメロディアスなナンバーですが、このナンバーで完全にイカレテしまいます。
Magnus Karlssonの泣きのギターは最高です。
これはもう言葉は要りません。
本当にお勧めのナンバーです。
2曲目の"Escape Into The Sun"は哀愁度が高いメロディアスなハードポップ・ナンバーで、このナンバーもとても魅力的です。
これら2曲を聴いただけで、このアルバムの良さが判ってしまうほど、とても良く出来ております。
3曲目の"No More Innocence"は壮大でドラマティックな感じのメロディアス・ロックのナンバーです。
とにかくメロディがいかしてます。
4曲目の"High Enough"はハードブギながらメロディアスなとてもいかしたナンバーです。
厚みのあるバックの音は素晴らしいの一言です。
5曲目の"My Final Prayer"はドラマティックでメロディアスなバラード・ナンバーです。
ホント、素晴らしい仕上がりです。
6曲目の"Dreamless Nights"はPraying Mantisを聴いているかのように錯覚するメロディアスなナンバーです。
7曲目の"More Than We Know"はこれまた美しいストリングスとピアノから始まるフックに満ちたメロディアスなナンバーです。
8曲目の"Close To Me"もメロディアスなナンバーです。
Magnus Karlssonのギターを始めとするバックのプレイがとてもいかしたナンバーです。
9曲目の"Evil Love"は華麗なピアノ・ソロから入りますが、本編に入るとギター・オリエンティドのメロハーとなりますが、曲はとてもキャッチーでメロディアスです。
10曲目の"Black Wings"は出だしのギターのトーンがカッコ良いキャッチーでメロディアスなナンバーです。
バックのパフォーマンスを聴いていると、本当にMagnus Karlssonって天才だなあ、と思ってしまいます。
11曲目の"Start All Over"も本当に良く出来たメロハーのナンバーです。
ラストの12曲目"Never Alone"はTony O'Horaのヴォーカルが光るメロディアスなバラード・ナンバーです。
この"Escape Into The Sun"ですが、殆ど捨て曲が無い強力な1枚だと思います。
メロハー・ファンは必聴の1枚だと思いますね。
2010-03-19
Saxon / Innocence Is No Excuse (1985)

SAXONはN.W.O.B.H.M (New Wave Of British Heavey Metal)の代表格のバンドで、1979年のデビュー以来、その立場を不動のものとし、現在も活動している息の長いバンドです。
最近では、2009年に"Into the Labyrinth"という18枚目のオリジナル・アルバムを発表しております。
オリジナル・メンバーは、Biff Byford - vocals、Graham Oliver - guitar、Paul Quinn - guitar、Steve Dawson - bass、Pete Gill - drumsの5人でしたが、現在では、Biff Byford - vocalsとPaul Quinn - guitarの二人だけしか残っておりません。
このSAXONですが、デビューして一貫として変わらないのは、バンド名のロゴと彼らのサウンドでしょうか。
そんな中で、本日紹介する"Innocence Is No Excuse"は異色のアルバムと言って良いかも知れません。
その理由は、ジャケットに唯一女性を使ったデザインで、それもとびきりセンスが良いというか、思わず買ってしまいたい衝動に駆られるデザインだからです。
とにかく、写真に写る女の子の可愛さったら、ないですよね。
一連のSAXONのCDが今年になってリ・イッシューされ、このアルバムも一時期は高値の花だったようですが、こうやって手に入れることが出来、とても良かったです。
ジャケット・デザインはもちろん当時も話題にはなりましたが、あまり売り上げには結びつかなかったようです。
今回のリ・イッシューにより、ボーナス・トラックが7曲が追加されております。
1曲目の"Rockin' Again"はとても盛り上がりのあるメロディアスなパワー・バラード風のナンバーで、このアルバムの一押しです。
2曲目の"Call Of The Wild"はハード・ブギのナンバーですが、ギター・プレイがとてもいかしております。
3曲目の"Back On The Street"も重厚感のあるヘヴィ・メタルしたナンバーです。
4曲目の"Devil Rides Out"はドラムスとギターが最高のナンバーです。
5曲目の"Rock'n'Roll Gypsy"はタイトルほどロックン・ロールの感じはしないメロハーです。
6曲目の"Broken Heroes"はミディアム・テンポのメロディアスなバラードで、かなり良く出来ております。
7曲目の"Gonna Shout"はギターのリフがカッコ良いハードロック・ナンバーです。
8曲目の"Everybody Up"はヘヴィ・メタル・バンドSAXONを良く表したナンバーで、ギターのリフがとてもカッコ良く、最高のナンバーに仕上がっております。なお、このナンバーは、ホラー映画「Demoni」に使われました。
9曲目の"Raise Some Hell"はロックンロールしたカッコ良いナンバーです。
10曲目の"Give It Everything You've Got"もロックンロールしたナンバーでいかしてます。
11曲目以降17曲目までが、ボーナス・トラックとして収められております。
このSAXONですが、ヘヴィ・メタルといっても曲は結構ポップでメロディアスですので、とても聴き易いと思います。
今日は、このアルバム自体よりもジャケットを紹介したくてアップしました。
このジャケット、本当に良いですよね。
この女性、まさに好みです。
2010-03-18
Giant / Promise Land (2010)

でも、何曲かで華麗なソロ・ギターを聴かせてくれております。
ということで、David Huff率いるGIANTの4枚目のアルバム(途中、この日本ではライヴ・アルバムも発表されておりますが)。
メンバーも一新し、David Huff (drums, backing vocals)のほかは、Terry Brock (lead vocals)、John Roth (guitars, backing vocals)、Mike Brignardello (bass, backing vocals)の4名となっております。
Terry Brockは、Strangeways、Shooting Star、The Signなどのメロハー系のバンドを渡り歩いてきたヴォーカリストです。
そういうこともあってか、9年振りに発表されたこの"Promise Land"は、サウンドもハードポップからメロディアス・ハードロックにシフトした感じがあります。
Dann Huffも抜け、サウンドもハードになったということで、昔からのファンからは、"?"と言われそうですが、私はあまり気になりません。
1曲目の"Believer (Redux)"は、感じはやはりメロハーですが、この曲ではDann Huffがとてもカッコ良いギター・ソロを披露しております。
曲もメロディアスですし、出来はそこそこだと思いますね。
2曲目の"Promise Land"は、さすがアルバムのタイトルに持ってきただけあるナンバーです。
このナンバーはDann HuffとMark Spiroのペンによるナンバーで、産業ロック・バンドGiantを感じさせるミディアム・テンポのメロディアスなハードポップ・ナンバーとなっていて、かなりお勧めです。
3曲目の"Never Surrender"は溌溂としたタイトでポップなメロハーです。
ヒットポテンシャルの高いナンバーだと思います。
4曲目の"Our Love"はDann HuffとTerry Brockのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
盛り上がりもありますし、ここでのJohn Rothのギター・ソロはDann Huffにも負けておりません。
5曲目の"Prisoner Of Love"は、ギター・オリエンティドのカッコ良いという言葉がピッタリのロック・ナンバーです。
6曲目の"Two Worlds Collide"もタイトな感じのメロハーです。
さすが、Terry Brockは歌が上手いです。
7曲目の"Plenty Of Love"はDann Huff、David HuffそしてTerry Brockのペンによるメロディック・ロックのナンバーです。
ポップでカッコ良い曲です。
8曲目の"Through My Eyes"は再びDann HuffとMark Spiroのペンによるミディアム・スロウのメロディアスなパワー・バラードのナンバーです。
さすが二人により書かれたナンバーだと思いますね。
9曲目の"I'll Wait For You"はバンド・メンバーのJohn Rothのペンによるナンバーです。
ポップなナンバーで、なかなかのものです。
10曲目の"Dying To See You"は新生Giantの二人のメンバーJohn RothとTerry Brockのペンによるナンバーですが、これがメロディアスなバラード風のナンバーで結構いかしてます。
お勧めです。
11曲目の"Double Trouble"は、ブルース・ナンバーに同じタイトルの曲がありますが、このGiantの"Double Trouble"もとてもブルージーでファンキーに仕上がっております。
12曲目の"Complicated Man"もJohn RothとTerry Brockのペンによるナンバーで、とてもカッコ良いドライヴィングしたロックン・ロール・ナンバーです。
13曲目の"Save Me"では、再び最高にいかしたDann Huffのギター・ソロを聴くことが出来ます。
曲はとてもファンキーな感じのメロハーといったところでしょうか。
以前のGiantに比べ、若干ハードとなりましたが、私は好きです。
2010-03-17
Ceremony / Hang Out Your Poetry (1993)

60年代ロック、それもThe Beatlesの影響をモロに受けたようなサウンドがカッコ良い、ちょっぴりサイケなパワーポップ・アルバムです。
先日北大近くの中古ショップで390円で仕入れたCDで、店主からThe Beatlesっぽいよ、と勧められた1枚です。
で、家に帰り、早速CDをプレイヤーに入れ、流れてきたサウンドはまさに店主の言うとおりThe Beatles、それもJohn Lennonの遺伝子を引き継いでちょっぴりサイケ調ですが、甘いメロディ満載の良く出来たアルバムでした。
このCeremonyは米国産のバンドで、Chastity BonoのほかにChanceという女性二人をフロントに添えた6人組みのバンドで、バック・ミュージシャンには、Jim Keltner、Dennis Bellfield、Jerry Garcia、Jim Hornなどの名前を見ることができます。
1曲目の"Goodbye Sunshine"は"Magical Mystery Tour"や"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club"時代のThe Beatlesに通ずるサウンドで、ポップかつサイケでメロディアスなナンバーで、Enuff Z'Nuff辺りを彷彿するパワーポップのナンバーとなっております。
もう、この1曲を聴いただけで、このアルバムを気に入ってしまいました。
2曲目の"Steal Your Heart"は"Rubber Soul"や"Recolver"時代のThe Beatlesに通じるナンバーで、これまたいかしてます。
3曲目の"Day By Day"も1曲目同様に後期The Beatles風のナンバーで、これまたEnuff Z'NuffやOasisなんかのパワーポップ風のメロディアスなナンバーに仕上がっております。
4曲目の"Ready For Love"はメロディアスなバラード・ナンバーで、二人のヴォーカルが魅力的です。
お勧めですね。
5曲目の"Ready For Love Refain"はストリングスによる4曲目のリフレインです。
6曲目の"Hang Out Your Poetry"はバックのハーモニカがアクセントとなったメロディアスなナンバーです。
これまたお勧めのナンバーですね。
7曲目の"Could've Been Love"は、出だしのギターのカッティングがカッコ良いメロディアスなパワーポップしたナンバーです。
8曲目の"Turn It Over"はシタールやタブラをフィーチャーしたサイケな短いナンバーです。
9曲目の"Trust"はメロディアスなミディアム・スロウのナンバーですが、これまた後期The Beatlesに通ずるナンバーに仕上がっております。
こういった感じの曲に、私は弱いです。
10曲目の"2 Of 1"もポップでメロディアスなナンバーです。
11曲目の"First Day Of My Life"は"White Album"に収録されている"Don't Pass Me By"のメロディに似たナンバーですが、あれほどカントリー風ではありません。
12曲目の"Breathless"は出だしのギターのトーンがいかしたメロディアスなナンバーです。
13曲目の"Living In A Paradise"もポップに仕上がっております。
ラストの14曲目"Livin' It Up"もメロディアスなポップロックしたナンバーです。
この"Hang Out Your Poetry"ですが、The Beatlesのファンにはもちろんですが、Enuff Z'Nuff辺りのパワーポップのファンにもお勧めの1枚です。
2010-03-16
Darryl Way's Wolf / Canis-Lupus (1972)

当時はThe Beatlesや解散後のそれぞれのメンバーのソロ・アルバム、Deep Purple、Cream、Derek & The Dominos、Grand Funk Railroadなどのいわゆるメジャー・バンド、プログレもPink Floyd、Yes、King Crimsonなどのメジャー・バンドを主に聴いておりました。
もちろん、当時のLPレコードが2,500円位で、学生の身である私に今のように好きなアルバムを何枚も買う余裕がなかったからです。
この"Canis-Lupus"については、元Curved AirのヴァイオリニストDarryl Wayが結成したプログレ・バンドの1stアルバムで、プロデュースが元King CrimsonのIan McDonaldが担当していたということは、もちろん知っておりました。
その後、勤めてからは、AOR、産業ロック、フュージョンなど聴く音楽の幅も広がり、いつの間にかこのDarryl Wayのことも忘れることとなったわけですが、最近といってもここ10年位ですか、60年代、70年代、80年代の音楽を聴き直してみようということで、所有していないCDを買い集めることとなり、いろいろなバンド・ミュージシャンのアルバムを集めだしました。
ところが、いざ集めようとしても、お金には限度があるため、このDarryl Way's Wolfのアルバムは、ついつい後回しになっておりましたが、先日覗いた中古ショップで、国内盤帯付CDが、たまたま900円で売っておりましたので、ようやくこのアルバムを手に入れたわけです。
ですから、アルバムの存在は1972年から知っておりましたが、アルバムを聴くのは今回が初めてということになります。
Darryl Way's WolfのメンバーはDarryl Wayのほかに、Dek Messecar (B, Vo)、John Etheridge (G)、Ian Mosley (Ds)の4人で、John Etheridgeは後にSoft Machineに、Dek MessecarはCaravanに、Ian MosleyはMarrionに参加することとなりますが、さすが、このメンツによる演奏力は高く、このDarryl Way's Wolfもかなりハイ・レベルのパフォーマンスとなっております。
このアルバムには、
01 The Void
02 Isolation Waltz
03 Go Down
04 Wolf
05 Cadenza
06 Chanson Sans Paroles
07 McDonald's Lament
の全7曲が収められており、アナログ・レコードでは01から04までがA面、05から07までがB面に収録されており、A面はヴォーカル・トラックが、B面はインストルメンタル・トラックとなっておりました。
特に05以降のインスト・ナンバーが圧巻で、当時も、アナログ・レコードのB面の評判が高かったようです。
01から04のヴォーカル・トラックですが、演奏面では、Darryl Wayのヴァイオリンはもちろんですが、ジャズ・ギターも嗜んでいたJohn Etheridgeのギター・プレイもとてもいかしてます。
難を言えば、ベース担当でヴォーカルも兼ねていたDek Messecarのヴォーカルがちょっと弱いかな?と感じます。
プログレと言いながらも、ヴォーカル・トラックはとても聴き易く、02はDarryl Wayのヴァイオリンは聴いていて惚れ惚れしますし、03はメロディアスなバラード・ナンバーでポップですし、さらに04でのJohn Etheridgeもとてもメロディアスで、エンド部分でのジャジーなギターは圧巻です。
05は、まさにプログレでフリーフォームなdarryl Wayの速弾きヴァイオリンとJohn Etheridgeのギター・プレイは最高です。
06はさらにクラシカルな感じのメロディアスなナンバーで、かなり良いです。
07はプロデューサーのIan McDonaldに捧げたナンバーで、邦題は「悲しみのマクドナルド」ですが、曲の出だしの雰囲気は、Jeff Beckの"Cause We've Ended As Lovers 「哀しみの恋人たち」"にそっくりです。
Jeff Beckのギターが泣いていたように、Darryl Wayのヴァイオリンも泣いております。
Jeff Beckはこの"McDonald Lament"にインスパイアされて"Cause We've Ended As Lovers"を作ったのかなあ?
もし、そうだと言ったら納得できます。
このナンバーは圧巻で、この1曲のためにCDを買っても損はしないと、私は思います。
2010-03-15
Bridgette Wilson / I Only Want To Be With You (1994)

Bridgette Wilsonの1994年の1stアルバム"I Only Want To Be With You"。
このBridgette Wilsonは、アーノルド・シュワルツネッガー主演の「ラスト・アクション・ヒーロー」で、彼の娘役として出演した女優でもあります。
最近のポップスといえば、どちらかというとラップが入ったR&Bタイプのものが多いですが、この"I Only Want To Be With You"は、さすが、Joey Carboneのプロデュースだけあって、王道のポップスという感じで、今では逆に新鮮に感じられます。
Bridgette Wilsonは歌も結構上手ですし、カヴァー曲が2曲とJoey Carbone絡みのナンバーなどが6曲で、AORアルバムとしても聴けるアルバムです。
1曲目の"I Only Want To Be With You"は元々は1963年のDusty Springfieldが発表したナンバーで、Bay City Rollersのカヴァー{二人だけのデート」として有名なナンバーです。
このBridgetteのヴァージョンもとてもポップに仕上がっており、出来はかなり良いです。
さすが、Joey Carboneのプロデュースです。
2曲目の"Romeo And Juliet"はJoey Carboneの作品ですが、これもメロディアスでポップな仕上がりを見せております。
覚えやすいメロディのナンバーで、ヒットポテンシャルの高いナンバーだと思いますね。
参加ミュージシャンのクレジットが無いので、誰がギターを弾いているか判りませんが(この頃だったら、Joey Carboneと言えばRichie Zitoか?)、ギター・ソロはかなりいけてます。
3曲目の"Can't Stop"もJoey Carboneのナンバーで、とてもメロディアスなバラード・ナンバーに仕上がっております。
もうこれは完全にAORのバラードといった感じです。
4曲目の"Love Inside"はギター・オリエンティドのこのアルバムの中では少しハードなナンバーですが、キャッチーでポップに仕上がっていて、お勧めのナンバーです。
このナンバーでもギターがカッコ良いです。
5曲目の"Together"もメロディアスでキャッチー、そしてポップなナンバーで、これまた素晴らしいナンバーです。
Teri DeSarioの"Overnight Success"にも通ずるナンバーで、まさにJoey Carboneを感じさせてくれております。
6曲目の"Even If"はBridgetteも曲作りに携わっているアコースティカルな感じのメロディアスなバラード・ナンバーで、AORしております。
7曲目の"Da Doo Ron Ron"はPhil Spectorのペンにより1963年にThe Crystalsが歌って全米3位を記録したナンバーのカヴァーです。
このナンバーはさらにShaun Cassidyが1977年にカヴァーして全米1位となったナンバーで、このBridgetteのカヴァーは、さすがJoey Carboneらしくとてもポップに仕上げております。
ラストの8曲目"Until We Meet Again"はメロディアスなナンバーで、これもほぼAORしております。
このBridgette Wilsonの"I Only Want To Be With You"ですが、おそらくAORファンが聴いても納得する内容だと思いますね。
かなり歌は上手いです。
そしてJoey Carboneのプロデュースはさすがです。
2010-03-14
BoysVoice / Serenity (2005)

また、当時LPは国内盤で2,500円、輸入盤で2,000円前後と現在のCD価格と殆ど変わらず(今のCDの方が安いくらいです)、その頃薄給の身だった私は、月にせいぜい5枚ほどのアルバムを買うのがやっとでした。
それが、インターネットの普及に伴い、音楽情報は簡単に集められるようになったほか、YouTubeなどを利用すれば試聴することも出来るようになりましたし、ネットショップの隆盛と円高により家に居ながら海外からもCDを購入出来る時代になりました。
また、年を追うごとにCDに費やすことが出来るお金も増え、さらにCDの価格も当時の物価と比べ相対的に安くなったこともあり、ここ10年くらいは、毎年800枚近くCDを購入しておりました。
今じゃCDの所有枚数も約10,000枚となっておりますが、実際に聴いているのは1,000枚も無いと思います。
ということで、その内、私も中古のネット・ショップでも立ち上げ、聴かないCDを処分しようかな、と真剣に考えております。
話が横道にそれてしまいました。
で、最近の音楽情報の収集はネットが主となっておりますが、本日紹介するBoysVoiceの"Serenity"ですが、ドイツのネットショップSchmankerl Recordsで8.4ユーロ(日本円で1,000円ちょっと)で仕入れたアルバムですが、このバンドはドイツのバンドでメロディアスなハードロック・AORのアルバムということで手に入れたものです。
Schmankerl Recordsはかなりの頻度で利用しているネットショップで、同じドイツのTarget RecordsやAOR Heavenに比べ在庫の数が多いのと値段が良心的で対応が早くPayPalが使えるのが魅力です。
もう1店ドイツにはHang Loose Recordsというショップがあり、こちらも品揃えや値段は似たり寄ったりですが、PayPalが使えないのが難点です。
そのSchmankerl Recordsですが掲載CDに短いながらも紹介文が掲載されており、知らないバンドのアルバムについては、そこにAORという単語が入っているCDはチェックしており、価格を見て購入しております。
このBoysVoiceもそういうことで購入したCDです。
これがビンゴでした。
ドイツといえば、HelloweenとかGamma Rayなどのいわゆるジャーマン・メタルが有名ですが、私は、こういったタイプのバンドはあまり好きではありませんが、このBoysVoiceはUK産メロディアスロック、ハードポップした内容でかなり気に入りました。
1曲目の"Open Your Eyes"は出だしのギターのリフが幾分ハードですが、本編に入ると、これがメロディアスなハードポップ・ナンバーで、アルバムの内容に期待出来る、そんなナンバーです。
かなり良く出来たナンバーです。
2曲目の"Light's Out"は哀愁のハードポップといったメロディアスなナンバーです。
バックのプレイも良いですが、ヴォーカルを担当しているMani Gruberの歌い方と声質がとても良いです。
3曲目の"Best Friend's Lover"はファンキーなタッチのナンバーでアメリカナイズされたファンク・メタル的なナンバーです。
4曲目の"What You Get"は元気いっぱいのロックンロールしたナンバーですが、曲はとてもメロディアスです。
5曲目の"Always On My Mind"は、これまた哀愁のハードポップといった趣のナンバーです。
キャッチーさもフックもあり、とても良いと思います。
6曲目の"On Your Own"はパワーポップしたメロディアスなナンバーです。
7曲目の"Crazy"はキャッチーでフックのあるメロディアスな産業ロックしたナンバーです。
8曲目の"All About You"はファンキー・タッチのナンバーながら曲はとてもメロディアスです。
このナンバーもバックのプレイやヴォーカルがとてもいかしてます。
9曲目の"Only See You There"は出だしのギターのリフがカッコ良いミディアム・テンポのナンバーですが、十分にロックしております。
10曲目の"Too Late To Love You"はこのアルバムのハイライトといって良いナンバーかも。
メロディアスでポップな産業ロックに仕上がっております。
とても良い出来です。
11曲目の"Rocket"は厚みのある音がとてもカッコ良いメロディアスなハードポップ・ナンバーで、これまたお勧めです。
12曲目の"Light's Out"、13曲目の"Always On My Mind"はそれぞれRadio Editionとなっております。
曲に若干のバラツキがありますが、良く出来たハードポップ・アルバムだと思います。
2010-03-13
Rachelle Ferrell / Rachelle Ferrell (1992)

Rachelle Ferrellという女性シンガーの1992年発表のセルフ・タイトルのアルバムです。
打ち込みは殆ど無しのアルバムで、参加ミュージシャンは、George Duke (Keys)、Freddie Washington (B)、Ricky Lawson (Ds)、Paul Jackson,Jr. (G)などとなっております。
やはり生の楽器による演奏って最高ですよね。
収録ナンバーはミディアム、ミディアム・スロウのナンバーが多く収められており、Rachelleのヴォーカルもとても素敵です。
1曲目の"I'm Special"なんか聴くと、もうイチコロです。
アーバン感じのミッドナイトが良く似合いそうなメロディアスなバラード・ナンバーです。
バックのプレイも、もうホント最高です。
2曲目の"Welcome To My Love"はファンキー・タッチながらメロディアスで、これも良く出来たブラコンのナンバーです。
バックのプレイもRachelleのヴォーカルも本当にいかしてます。
3曲目の"Waiting"はMichael J. Powellのプロデュースによるナンバーですが、これまたスロウ・テンポのメロディアスなバラード・ナンバーです。
プロデューサーが違っても全く違和感はないですね。
4曲目の"It Only Took A Minute"も若干ファンキーなナンバーですが、とても洒落た曲となっております。
Rachelleのヴォーカルが光っているナンバーです。
5曲目の"With Open Arms"もミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、ここでのRachelleのヴォーカルは低音から高音まで7色に変化しております。
随分と音域の広いヴォーカリストで、音域の広さではMariah Carey以上かも。
6曲目の"'Til You Come Back To Me"はバックのベースがとても良い音を出しているメロディアスなバラード・ナンバーです。
このナンバーは極上のブラコンです。
7曲目の"You Can't Get (Until You Learn To Start Giving)"は、これまたFreddie Washingtonのベースがビンビンのライト・ファンクのとてもカッコ良いナンバーです。
とてもご機嫌なナンバーです。
8曲目の"Nothing Has Ever Felt Like This"はWill Downingとのヅエットによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
なお、このナンバーはBarry J. Eastmondのプロデュースによるナンバーです。
9曲目の"I Know You Love Me"はMichael J. Powellのプロデュースによるライト&メロウなとても良く出来たブラコン・ナンバーです。
10曲目の"Sentimental"は再びミディアム・スロウのメロディアスなバラード・ナンバーで雰囲気はかなり良いです。
11曲目の"Could've Fooled Me"はライターにD.Foster/D.Lambertとありますが、これって、David FosterとDennis Lambertのことでしょうか。
曲の感じからすると、この2人のような感じがします。
メロディアスなバラードで、George Dukeのピアノやキーボードの音はとても素晴らしいです。
12曲目の"Too Late"はミディアム・テンポのメロディアスなナンバーで、Kirk Whalumのサックスがカッコ良いです。
ラストの"Peace On Earth"はRachelle自身のプロデュースによるピアノの弾き語りのナンバーです。
彼女はヴォーカルだけでなくピアノの才能も素晴らしいです。
398円で仕入れたCDですが、これは儲けものでした。
Rachelle Ferrell - Welcome To My Love
アップロード者 klmbaby. - 他の音楽動画をもっと見る。
2010-03-12
Mysterell / Sensatinal (2004)

バンドと書きましたが、実際は、Mister Ellなる人物のワンマン・バンドで、ジャケットに写るElle氏はスキンヘッドのいかつい顔をした30代くらいの人物で、おそらく音楽活動にも年季が入っているのでしょう。
並みの新人が出したアルバムということは全く感じられず、いわゆるハードポップのアルバムとしての出来は確かなものがあります。
とにかく、メロディは良い。
それとキャッチー。
さらに、顔に似合わない声質。
どれをとってもハードポップ・ファンは間違いなく気に入る内容だと思いますね。
Frontiers Recordsから出ているアルバムで、以前から気にはなっていたアルバムで、その内購入しようと思っておりましたが、先日、ドイツのネット・ショップSchmankerl Recordsでまとめ買いをした時の1枚です。
1曲目の"Don't Ever Stop"は出だしのメロディアスなギター・ソロがいかしたハードポップのナンバーで、この1曲目を聴いただけで、アルバムの中身が期待できる、そんなナンバーです。
2曲目の"I Belong With You"はギターとキーボードがいかしたメロディアスな産業ロック・ハードポップのナンバーで、この手の曲が大好きな私にとっては堪らないナンバーです。
3曲目の"Why"も出だしのプレイで一発でイカれるナンバーです。
これもキーボードがとても良い産業ロックのナンバーに仕上がっております。
4曲目の"When You Love"はメロディアスで盛り上がりのあるバラード・ナンバーですが、このMister Elle氏、ソングライターとしても素晴らしいですね。
5曲目の"Bring The House Down"はギターのリフがカッコ良いタイトな感じのナンバーです。
6曲目の"There Was You"はメロディアスでアコースティカルな柔らかい感じのナンバーで、出来も素晴らしいです。
かなりお勧めのナンバーですね。
7曲目の"Remember Me"はキーボードとギターの音色がとてもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
雰囲気バッチリです。
8曲目の"Help Me Find A Way"はバックのストリングスとピアノの音が美しい、これまたメロディアスなバラード・ナンバーで、抑え気味に歌う部分と盛り上がって歌うMister Elle氏のヴォーカルもとても素敵です。
言うことの無いナンバーです。
9曲目の"Sling Shot"はギター・オリエンティドのハードポップ・ナンバーです。
ギターの音、良いですね。
10曲目の"Take Me To The River"はポップなメロハーしたナンバーです。
ラストの11曲目"The Challenge"はギター・ソロをふんだんにフィーチャーしたメロディアスなインスト・ナンバーで、ギター・インスト物が大好きな私はとても気に入りました。
Amazonを覗くと新品が700円台で売っておりますが、産業ロックやハードポップのファンであれば、この値段だったら「買い」でしょう。
2010-03-11
Oz Knozz / 10,000 Days & Nights (2008)

これが実に良く出来た産業ロック・ハードポップのアルバムなんです。
ネットショップのCD Babyでのバンド紹介では、Supertramp, Kansas, Peter Frampton, Point BlankそしてJudas Priestといったバンドの名前を挙げてこのOz Knozzを紹介しております。
また、私が購入したネットショップRock Avenueでは、SURVIVOR、JOURNEY、KANSASといったバンド名を挙げて、このアルバムを紹介しております。
Judas Priestはちょっと違いますが、他のバンド名を見て、彼らのサウンドも想像出来ると思います。
まさに、キーボード、ギターを主体とした極上の産業ロック、ハードポップした内容となっております。
1曲目の"Telephone"は、出だしのキーボードがEuropeの"Final Countdown"風のメロディアスなナンバーです。
途中のギター・ソロもカッコ良く、さすがポッと出の新人ではないですね。
2曲目の"Hear What I'm Saying"はキラキラ・キーボードから入るメロディアスなナンバーですが、ギターのリフはハードエッジな感じで、カッコ良いという言葉がピッタリのメロディック・ロックしたナンバーです。
ムーグ・シンセサイザーによるソロ・プレイは圧巻です。
3曲目の"You Can't Win"はメロディアスでポップな産業ロック・ナンバーです。
まさに70年代後半から80年代前半のあの産業ロックした音で、もう言うことないですね。
4曲目の"Graven Image"も出だしのキーボードの音はあの頃の産業ロックした音ですし、とにかくメロディが素晴らしいですし、ギター・プレイもいかしてます。
これぞ産業ロックの見本!みたいなナンバーです。
5曲目の"Hi Fi"は出だしのドラムスとベース、それに被さるギターがカッコ良い結構ハードでへヴィなナンバーですが、曲がポップでメロディアスですので、とても聴きやすいです。
このナンバーは、バックのプレイが最高です。
6曲目の"Midnight Mambo"はプログレ・ハードした作りのナンバーで、例えば、TrillionやTOTO、Kansasなどのアメリカン・プログレ・ハードのバンドにかなり近い音で、こういったナンバーが大好きな私にとっては、堪らないです。
7曲目の"Who's The Hero"もプログレ・ハードしたナンバーです。
こういったナンバーには、テクニックの善し悪しによって左右されますが、このOZ KNOZZはそのテクニックを十分身につけており、演奏のレベルもかなり高いです。
ラストの8曲目"S/M Woman"もバックのプレイが素晴らしいプログレ・ハードしたナンバーです。
途中のコーラスは、殆どQueenしてます。
それにしても、このOZ KNOZZの35年振りのアルバム、最高にカッコ良いです。
産業ロック・ファンは必聴でしょう。
2010-03-10
John O'Banion / Hearts (1997)

また、1974年にはToday's Childrenというバンドのリード・シンガーとして初めてレコーディングをし、地道に音楽活動を行っていたようです。
転機は、もちろん、1stアルバムの"John O'Banion"のブレイクで、Joey CarboneとRichie Zitoがこのアルバムに関わったことが大きかったと思います。
このアルバムからは、"Love You Like I Never Loved Before" がBillboard Hot 100 chartの24位にランクインする大ヒットとなり、1982年の東京音楽祭で"I Don't Want To Lose Your Love"が大賞を取ったことで、この日本でも一躍有名なシンガーとなりました。
John O'Banionは、1981年に"John O′Banion"、1982年に"Danger"、1983年に"Satomi Hakken–Den"、そして1997年に本日紹介する"Hearts"の4枚のアルバムを発表しております。
1st、2nd辺りのサウンドは、力強い彼のヴォーカルをいかしたメロディアスでポップなAORアルバムで、当時のAORファンからも高い支持を得ておりました。
また、3rdアルバムは映画「里見八犬伝」のサントラ仕立てのアルバムで、このアルバムからは、"White Light"がこの日本でヒットしております。
その後、彼が表舞台に復帰したのは90年代になってからで、アメリカのテレビ・スターとしてでした。
そして、満を持して発表したのがこの"Hearts"で、サウンド・スタイルも大きく変わり、カヴァー曲を主にしたジャジーなアルバムでした。
当初、このアルバムを聴いた時は、若干物足りなさを感じましたが、Bobby CaldwellやBoz ScaggsなどいわゆるAORの大物シンガーも同じようなジャズ・アルバムを発表しておりますし、プロデュースがJoey Carboneが担当していることと、選曲もAORの名曲ということもありますので、聴き直してみると、これが結構聴けるアルバムなんですね。
収録ナンバーは、
01 Hearts (Marty Balin)
02 I'm Not In Love (10cc)
03 What You Won't Do For Love (Bobby Caldwell)
04 Casablanca (Bertie Higgins)
05 Reminiscing (Little River Band)
06 Why Don't We Get Together
07 I.G.Y. (Donal Fagen)
08 If You Leave Me Now (Chicago)
09 You Can Do Magic (America)
10 I Don't Want To Lose Your Love
の10曲となっております。
どのナンバーもジャジーなアレンジが施され、オリジナルと違う雰囲気を味わうことができます。
01なんかが良く出来たナンバーだと思いますね。
オリジナルのMarty Balinヴァージョンは、どちらかというと歌謡ロック的なAORでしたが、このジャジーなアレンジはとても良いと思いますね。
02については、オリジナル・ヴァージョンの方が良いかも。
03なんかは、オリジナルのBobby Caldwell自身がジャズ・ヴァージョンで演っているくらいですから、こういったアレンジが似合うナンバーなんでしょうね。
04もオリジナル・ナンバー自体が、こういったジャジーなアレンジがしっくりくるナンバーなんだと思います。
Little River Bandの大ヒットナンバーの05もとても良く出来たナンバーに仕上がっております。
06はJoey Carboneのペンによるオリジナル・ナンバーですが、ジャジーな雰囲気がとてもいかしたナンバーです。
Donald Fagenという個性的なシンガーの曲を取り上げた07ですが、このナンバーについては、どういうアレンジを施してもオリジナルを超えることは出来ないと思いますね。
08はPeter Cetelaの声よりもJohn O'Banionの声が合っているかも。
09はRuss BallardのペンによるAmericaの大ヒット・ナンバーですが、曲が元々少しハード目な感じですので、このアレンジには、ちょっと違和感があるかも。
10は自身のナンバーのリメイクですが、Joey Carboneのペンによるナンバーで、ライターが最もこのナンバーを知り尽くしてのアレンジですので、この辺はさすがだと思いますね。
このJohn O'Banionの4枚のアルバムは、一度は全てCD化されておりますが、今手に入れることが出来るのはこの"Hearts"だけです。
他もアルバムは中古で5桁の値段が付いているようですが、是非、再CD化して欲しいですね。
また、John O'Banionは2007年に他界しており、彼の新しいアルバムを聴けないのは、とても残念です。
2010-03-09
Easy Action / That Makes One (1986)

Easy Actionは1982年にストックホルムで結成されたバンドで、当初は、Swedish glam metal bandと紹介されておりました。
2008年にリ・イッシューされた1983年の1stアルバムのジャケットを見ると、グラマラスな格好のメンバーが写っております。
1stアルバム発表時のメンバーは、Zinny J. Zan - Vocals、Kee Marcello - Guitar、Danny Wilde - Guitar、Freddie Von Gerber - Drums、Alex Tyrone - Bassの5人でしたが、この2ndアルバムでは、Zinny J. Zanに替わりTommy Nilssonがヴォーカルを、Danny Wildeに替わりChris Lindがリズム・ギターを、Alex Tyroneに替わりBjörn Påhlssonがベースを担当しております。
バンドの要は、その後EuropeやRed Funといったバンドでもギターを担当していたKee Marcelloで、2006年にバンド当初のヴォーカリストZinny J. Zanとバンドの再結成に力を注いだとか。
1stと2ndには、バンド・スタイルやサウンドにやはり変化は見られますね。
ヴォーカルにTommy Nilssonが参加したことが最も大きいと思います。
Tommy Nilssonは、1982年の2ndソロ・アルバム"Tommy Nilsson"を発表しておりますが、このアルバムは、L.A.録音ということもあり、Michael Landau, Mike Baird, Mike Porcaro, Richard Page, Steve George, Steveなどが参加しており、とても良く出来たAORアルバムで、このアルバムからシングル・カットされた"Radio Me"は日本でも当時のAORファンから注目を浴びたナンバーでした。
そんなTommy Nilssonの参加により、メロディアス度にも磨きがかかり、さらにヴォーカリストが替わって聴きやすくなったのが2ndアルバムです。
1曲目の"Talk Of The Town"はポップでメロディアスなとてもいかしたナンバーです。
2曲目の"Teachers Do It With Class"は、Kee Marcelloのギターはもちろんのこと、キーボード、ドラムス、ベースの全てのプレイがいかしたタイトな感じのナンバーです。
カッコ良いという言葉がぴったりの雰囲気抜群のナンバーで、かなりお勧めです。
3曲目の"Code To Your Heart"は出だしのキーボードとこれに絡むギターが最高のメロディアスな産業ロック・ナンバーとなっております。
1stには見られなかったナンバーですね。
4曲目の"Only Love"はTommy Nilssonのヴォーカルが良く似合ったメロディアスなバラード・ナンバーで、盛り上がり度も抜群ですし、Kee Marcelloのギター・ソロも素晴らしいです。
5曲目の"One In A Million"はバックのキーボードがとてもいかしたハードポップ・ナンバーに仕上がっております。
6曲目の"Talk, Talk, Talk"はタイトな感じのドラムスがいかしたポップなハードロックのナンバーです。
7曲目の"Partners In Crime"は、これまたバックのプレイがとてもいかしたポップな感じのナンバーです。
8曲目の"Love Reaction"はTommy NilssonのヴォーカルがいかしたAORナンバーで、彼の2ndに入っていても違和感が無いメロディアスなナンバーで、とてもお勧めです。
9曲目の"Rosie"はKee Marcelloのギターとコーラスがいかしたメロディアスな産業ロック・ナンバーです。
このナンバーもお勧めですね。
ラストの10曲目"In The Middle Of Nowhere"は再びメロディアスなバラード・ナンバーで、Tommy Nilssonのヴォーカルがとても素晴らしいです。
このアルバムは当時国内盤がジャケット・デザインが変更され、さらにボーナストラック1曲が追加されて出されましたが、今じゃレア盤となっております。
輸入盤も若干レア化しておりますが、海外のネットショップではそこそこの値段で手に入るかも。
2010-03-08
Robert Tepper / No Easy Way Out (1986)

Robert Tepperのアルバムは、この1st以外に1988年に2ndアルバム"Modern Madness"、1996年に3rdアルバム"No Rest For The Wounded Heart"と3枚のアルバムを発表しておりますが、1996年にMTM Musicから発表された3rdでさえ、今はレア化しておりますが、1st、2ndはそれ以上に入手が困難なアルバムでした。
私は、2ndアルバムのみCDを所有しておりまして、今回の1stのリ・イッシューには、飛び上るほど喜んだクチです。
何故って、出来はこの1stの方が良いからです。
全体的に、Tim Feehan(声質もスタイルも違いますが)などのハード目のAOR、あるいはSurvivor辺りの産業ロック・スタイルのアルバムで、この手のサウンドが好きな私にとって、とても満足する内容となっております。
さすがに「Rocky IV」に使われた1曲目"No Easy Way Out"は、"Eye Of The Tiger"や"Burning Heart"に通ずるメロディアスな産業ロック・ナンバーで、バックのキーボードの音は、もう最高です。
キーボードはAlan Pasqua、ギターにDann Huff(但し、ギター・ソロはGuy Marshall)、バッキング・ヴォーカルに、Tom Kelly、Tommy Funderburkといった豪華な布陣ですので、悪いわけがないです。
「Cobra」に使われた2曲目"Angel Of The City"もバックのドラムスが曲全体をタイトにしており、これまた、メロディアスな産業ロックしたナンバーとなっております。
このナンバーでもAlan Pasqua、Dann Huff(このナンバーでは、とてもカッコ良いギター・ソロを披露しております)に加え、Kim Bullardもキーボードで参加しております。
3曲目の"Don't Walk Away"もAlan Pasquaのキーボードがカッコ良いハードポップのナンバーですが、それと同じくらいPhil Kenzieの短いながらファンキーなサックス・ソロもカッコ良いです。
4曲目の"Your Love Hurts"はタイトルから連想されるとおりのメロディアスなバラード・ナンバーです。
メロディもいかしておりますし、盛り上がりも抜群のナンバーで、バックの女性ヴォーカル・ソロが最高です。
どことなく、Nazarethの"Love Hurts"に雰囲気が似ております。
5曲目の"Restless World"はDann Huffのギター・プレイがいかしたポップロックしたナンバーです。
6曲目の"Hopeless Romantic"もギター・オリエンティドのハードポップ・ナンバーです。
なお、このナンバーには、Van Stephensonもバッキング・ヴォーカルで参加しております。
7曲目の"Soul Survivor"はポップでメロディがいかしたナンバーで、1曲目に匹敵するくらい良く出来たナンバーです。
ここでもDann Huffのギター・ソロは最高です。
8曲目の"If That's What You Call Lovin'"もAlan Pasquaのピアノの音色がとてもいかしたメロディアスなバラード・ナンバーです。
ピアノだけじゃなく、ドラムスやベース、そしてDann Huffのギター、どれをとっても素晴らしいです。
ラストの9曲目の"Domination"もバックのドラムスのビートがとてもいかしたタイトな感じの産業ロック・ナンバーです。
全体的には、Robert Tepperのヴォーカルも良いですし、Dann Huffのギターや、Alan Pasquaのキーボードも素晴らしいですが、全曲でドラムを叩いているMyron Grombacherというドラマーの存在感がとても大きいと思います。
少しハード目のAORや産業ロックのファンは間違いなく気に入ると思いますね。
2010-03-07
Dave Mason / Mariposa De Oro (1978)

CBS時代に発表されたアルバムは、ライヴやベストを含め、
1973 It's Like You Never Left
1974 Dave Mason
1975 Split Coconut
1976 Certified Live
1977 Let It Flow
1978 The Very Best of Dave Mason
1978 Mariposa De Oro
1980 Old Crest On A New Wave
1981 The Best of Dave Mason
の9枚となっており、1978 The Very Best of Dave Masonを除いて他のアルバムが全てが紙ジャケで出される予定です。
これらのうち、レア化しているのは、1974年の"Dave Mason"、1975年の"Split Coconut"、1978年の"Mariposa De Oro"の3枚ですが、"Dave Mason"と"Split Coconut"は、単体ではレア化しておりますが、2in1として出されておりますので、音源は普通に聴くことができます。
しかしながら、本日紹介する"Mariposa De Oro"に限っては、日本と米国で一度CD化されたものの廃盤となり、2in1みたいな形でも出されたことは無く、今では5桁となる貴重盤となっております。
私も一度は手に入れたものの、廃盤後にコピーを残し、そこそこの価格で手放してしまい、ちょっとばかり後悔しておりました。
この"Mariposa De Oro"ですが、Dave Masonのアルバムの中では、内容としてはちょっと地味目な感じがするアルバムで、Gerry GoffinとCarole Kingのペンによる"Will You Still Love Me Tomorrow"は、1960年にThe Shirellesが歌って大ヒットしたナンバーですが、Dave Masonによるこのカヴァー・ソングも全米チャートの39位にランクインするヒットとなったものの、1曲目の"Don't It Makes You Wonder"はシングル・カットされましたがランクインすることもありませんでした。
他のナンバーも、ゴスペル調のナンバーやカントリー・フレーバーのナンバーさらにAOR調のナンバーなどもありますが、出来は悪くないものの、全体的にはやはり地味という印象は否めないかもしれませんね。
やはりこのアルバムの中では、6曲目の"Will You Still Love Me Tomorrow"は出色の出来ですね。
ミディアム・スロウのアレンジで、バックのストリングスがなんとも華麗ですし、Dave Masonのギター・ソロはもちろんカッコ良いですが、それ以上にDave Masonの伸びやかに歌うヴォーカルがとても素晴らしいです。
ほかに8曲目の"Bird On The Wind"は"Every Woman"風のメロディアスなナンバーでAORを感じさせてくれております。
1曲目の"Don't It Make You Wonder"もDave Masonのドブロ・ギターをフィーチャーしたナンバーですが、ドブロ・ギターというとどちらかというと泥臭い感じがしますが、このナンバーには殆ど感じません。
結構良く出来たナンバーで、シングル・カットしたのも頷けますが、どうしてヒットしなかったのでしょうか。
4曲目の"Warm Desire"もミディアム・スロウのメロディアスなナンバーで、Dave Masonのギター・ソロがカッコ良いナンバーです。
私は、現在、このアルバムとベストを除いて、他のアルバムは単体でも持っておりますので、取りあえず、この "Mariposa De Oro"だけを予約しましたが、リマスターされているようですので、全てを揃えたいと思ってはいるのですが、1枚もので1,995円、2枚もので2,940円もするので、とても迷っております。
どうしようかなあ?
それにしても、AmazonマーケットプレイスでのオリジナルCDの中古の値段18,606円は高過ぎますね。
2010-03-06
Indigo Dying / Indigo Dying (2007)

このセルフ・タイトルのアルバムは、2007年にFrontiers Recordsから発表されたもので、プロデュースは同レーベルのメロハー、ハードポップ仕掛け人のFabrizio Grossiが担当し、自身はプロデュースの他にベースも弾いております。
ゲスト・ミュージシャンにTommy Denander (G)、Michael Kiske (Vo)、Mark Boals (Vo)が参加していることもあり、そのサウンドは、つい最近2ndアルバムを発表したLos Angeles辺りにも通ずるメロディアスなハードロック・ハードポップしたものとなっております。
Gisa嬢のヴォーカルは良く伸びるオーソドックスな声質で、上手ですし、とても聴き易いものとなっております。
最近の女性ヴォーカルもののハードロック・ハードポップのアルバムの中でも出来はトップ・クラスだと思いますね。
メロディアスでドラマティックなナンバーが多く収められており、さすが、Fabrizio Grossiのプロデュースだと思いますね。
このFabrizio GrossiというプロデューサーはFrontiers Records専属のプロデューサーで、最近同レーベルから発表されたアルバムにも、かなりの頻度で、彼の名前があります。
1曲目の"All I Never Wanted"はドラマティックな前奏から始まるメロハーのナンバーです。
美メロのナンバーで、彼女のヴォーカルも最高ですし、バックのプレイもかなりいかしてます。
もうこの1曲目から、このIndigo Dyingにのめり込んでしまいます。
2曲目の"Hear Me"はメロディアスなパワー・バラードナンバーです。
また、このナンバーはKelly Clarksonがオリジナルで、Clif Magnesがライターで参加しております。
これまた良く出来たナンバーで、Gisaのヴォーカルは最高ですし、おそらくTommy Denanderだと思いますが、ギター・ソロがエラくカッコ良いナンバーです。
3曲目の"Breathe In Water"はMichael Kiskeとのデュエットによるメロディアスなバラード・ナンバーです。
このアルバムの一押しのナンバーで、盛り上がりも最高です。
このナンバーでもギターソロは素晴らしいです。
言うこと無しのナンバーです。
4曲目の"Better"はバックのピアノがいかしたメロディアスなナンバーで、これまたお勧めです。
5曲目の"Taken"はエレクトリック・ギターがフィーチャーされておりますが、全体的にアコースティカルな感じのメロディアスなナンバーで、出来もかなり良いです。
6曲目の"Superman"もバックのピアノがいかしたミディアム・テンポのナンバーながら、ギターのリフが結構ハードな、メロハーのナンバーです。
なお、このナンバーではMark Boalsのヴォーカルもフィーチャーされております。
7曲目の"Island"でのバックのギターはハードですが、曲全体としては結構ポップです。
それにしてもGisaのヴォーカルは魅力的です。
8曲目の"Remenmber (I.O.U.)"は、Tommy Denanderとすぐ判るギター・ソロから始まるミディアム・スロウのパワー・バラードのナンバーです。
バラードと言ってもバックの音は結構ハードです。
これもかなり良く出来たナンバーだと思いますね。
9曲目の"Real Life Fairytale"も結構メロディアスなナンバーですが、アレンジがイマイチといった感じもします。
10曲目の"Far Enough"は再びMark Boalsのヴォーカルをフィーチャーしたナンバーで、ヴォーカルは若干平坦な感じがしますが、バックのプレイはとてもドラマティックです。
11曲目の"Shattered Life"もバックのプレイがとてもいかしたメロハーのナンバーです。
ラストの12曲目"Go"はバックのストリングスが美しいアコースティカルなバラード・ナンバーです。
ギター・ソロはおそらくTommy Denanderだと思います。
これも結構良く出来ています。
このアルバムですが、Gisa嬢のヴォーカルがとても良いですし、若干ハードながらバックのプレイもとてもいかしており、メロハー・ファンにはお勧めです。
2010-03-05
Slave / Original Album Series (5 CD) (2009)

私も、Mahavishnu OrchestraのほかにJohn McLaughlin、Agnetha Fältskog (ABBA)、Tommy NilssonそしてこのSlaveを手に入れました。
収められているアルバムは、オリジナル・デザインを使った紙ジャケ(といっても、装丁はあまり良くなく安物の感じはしますが)仕様となっており、中にはレア化したアルバムなんかもあり、とてもお買い得感があるもののとなっております。
このSlaveについては、それぞれのアルバムを集めようかなと思っておりましたので、このボックス・セットを見つけた時は、速攻、購入ボタンをクリックしてしまいました。
Slaveは1975年にオハイオ州で結成されたファンク・バンドで、1996年に解散するまで、
1977 Slave
The Hardness of the World
1978 The Concept
1979 Just a Touch of Love
1980 Stone Jam
1981 Show Time
1982 Visions of the Lite
1983 Bad Enuff
1984 New Plateau
1985 Unchained At Last
1987 Make Believe
1988 Slave
1991 Rebirth
1992 Funk Strikes Back
1994 Stellar Fungk: The Best Of Slave
1995 Masters of The Fungk
と約11年間に16枚ものアルバムを発表しております。
彼らの全盛期は、Cotillion Recordsに在籍していた1980年代前半くらいまででしょうか。
Cotillion Records時代には、1stの"Slave"がUS Top R&B/Hip-Hop Albumsで6位、 US Billboard 200で22位、1980年の5thの"Stone Jam"が同5位並びに同53位、1981年の6thの"Show Time"が同7位並びに同46位とヒットしております。
また、シングルは、1stに収められている"Slide"がUS Hot R&B/Hip-Hop Singles & Tracksで1位を記録する大ヒットとなっております。
Slaveの魅力は何と言っても、ビンビンのベース・プレイを始めとする彼らの演奏力の高さでしょうね。
この当時のファンク・バンドは、Slaveだけじゃなく、The Bar-Kays、Cameo、Con Funk Shun、Lakeside、Ohio Playersなど大所帯のバンドが多かったと思います。
もちろんヴォーカルが中心ではありましたが、それと同じくらいにバックのプレイも重要で、ヴォーカルとバックのプレイが織りなすパフォーマンスの高さがファンク・バンドの質の高さとイコールだったと思います。
さらに、これらのバンドに共通するのは、バックのプレイのレベルが高かったということでしょうか。
また、サウンド面では、ノリの良いファンク・ナンバーはもちろんですが、ほぼどのアルバムにもメロディアスなバラード・ナンバーが収められていて、それが極上だということですね。
Con Funk Shunの"By Your Side"、The Bar^Kaysの"Love Won't Wait"などは歴史に残るバラード・ナンバーといっても良いと思いますね。
本日紹介するSlaveの5枚組ボックス・セットには、1977年のSlave、The Hardness of the World、1978年のThe Concept、1979年のJust a Touch of Love、1980年のStone Jamが収められております。
さすがに1stの"Slave"の出来は素晴らしく、シングル・カットされた"Slide"はノリの良いカッコ良いファンク・ナンバーに仕上がっております。
ベースがビンビンですし、ギター・ソロも本当に素晴らしいです。
2ndに収めらている"Baby Sinister"は彼らの演奏力の高さを証明しているとてもカッコ良いインストのファンク・ナンバーですし、"The Party Song"もこれぞファンクといった感じのナンバーです。
3rdアルバムに収められている"Stellar Fungk"なんかもバックのプレイがとてもいかしたファンク・ナンバーに仕上がっております。
4thアルバムに収められているタイトル・ナンバーの"Just a Touch of Love"もベースの音がビンビンのコーラスがいかしたメロディアスなファンク・ナンバーです。
5thアルバムに収められている"Let's Spend Some Time"は女性ヴォーカルがとてもいかしたアーバンな感じのファンク・ナンバーでもう言うことありません。
また、"Starting Over"はメロディアスなバラード・ナンバーでとても素敵ですし、"Watching You"は軽い感じのご機嫌なファンク・ナンバーです。
いやー、この当時のFunk Musicって本当にカッコ良いですよね。
2010-03-04
Various Artists / Reason (1992)

千趣会から出されたCDということで、一般のCDショップには置いてないCDです。
確か200円くらいだったと思います。
日本人アーティストによるコンピレーション・アルバムで、タイトルは「Reason - 不安な日々の...理由(約束のないロマンス)」というものです。
千趣会もののこういったシリーズって、結構良い曲がはいっていたりします。
このアルバムはいわゆるニューミュージックに属するアーティストが収められており、珍しい音源は入っていないものの選曲はそこそこです。
収録ナンバーとアーティストは、
01 その気××× 大沢誉志幸
02 こっちをお向きよソフィア 山下久美子
03 モニカ 吉川晃司
04 ペガサスの朝 五十嵐浩晃
05 ジョニイへの伝言 ペドロ&カプリシャス
06 ラ・セゾン アン・ルイス
07 ボヘミアン 葛城ユキ
08 夏のラジオ 徳永英明
09 そして僕は途方に暮れる 大沢誉志幸
10 私のハートはストップモーション 桑江知子
11 終わらないSun Set 吉川晃司
12 ディープ・パープル (Red Sky Version) 五十嵐浩晃
13 SINGLE?シングル? 山下久美子
14 LUV-YA アン・ルイス
15 風のエオリア 徳永英明
の全15曲が収録されております。
大沢誉志幸やアン・ルイスはかなり好きなので、殆どのアルバムを持っておりますし、ペドロ&カプリシャス、桑江知子、山下久美子なんかはベスト・アルバムは持っておりますが、そのほかのアーティストのアルバムは持っておりませんので、まあ、200円で手に入れることが出来たのは良かったかな、と思っております。
特に私は、コンピレーションとかボックス物が好きですし。
このアルバムのジャケット・デザインやタイトルと中身の選曲がイマイチ判らないですよね。
とくにサブ・タイトルの「不安な日々...理由(わけ)」と中身の曲がつながらないような感じがするのですが、一体誰が付けたのでしょうかね。
でも、選曲は悪くありませんね。
それこそ大ヒットしたナンバーばかりですので。
「そして僕は途方に暮れる」はとても大好きなナンバーですし、「ラ・セゾン」なんかも歌謡ロックの名曲です。
「ジョニイへの伝言」、「私のハートはストップ・モーション」なんかも気にいているナンバーです。
「夏のラジオ」、「ペガサスの朝」なんかも結構懐かしいナンバーですよね。
大沢誉志幸のヴォーカルって、ホント、カッコ良いですよね。
2010-03-03
Bobby Caldwell / Cat In The Hat (1980)

Bobby Caldwellのベスト・アルバムと言えば、もちろん1978年の"Bobby Caldwell - What You Won't Do for Love"であるということは、おそらく衆目の一致するところであろうと思います。
1stアルバムについては、アルバムが大ブレイクする前に、いつも行っていた喫茶店で流れていた(ここの喫茶店はレコード会社のプロモーター達の集まる喫茶店で、BGMはレコードを廻しておりました)のを聴いて、直ぐに気に入って輸入レコード・ショップに行き、速攻で購入しました。
"Special To Me"や"Come To Me"などを聴いた時は、鳥肌ものでした。
日本では1979年に大ブレイクし、確か翌年に来日しており、当時は、ここ札幌にも来ております。
この2nd"Cat In The Hat"を発表する直前の来日で、私もコンサートに足を運び、この2ndに収められているナンバー数曲を聴いた記憶があります。
コンサートでは、Bobby Caldwellって、本当に歌が上手い人だなあということが印象に残っております。
1stアルバムがあまりにも印象が深く、また、衝撃的だったということで、この1stを超えるアルバムが無いのが残念ですが、まあ、1stが出来過ぎということもあるのでしょう。
それでも、この2ndアルバムも本当に良く出来たAORアルバムで、出来としては1stの次くらいだと思います。
1曲目の"Coming Down From Love"を最初に聴いたのは、来日コンサートだったと思います。
張りのあるBobby Caldwellのヴォーカルが最高にいかしたナンバーで、今となっては、彼の代表作にもなっているメロディアスなAORナンバーです。
Bobbyのヴォーカルだけではなく、バックのプレイ(マルチ・アーティストとしてのBobbyのパフォーマンスが光っている)も最高です。
2曲目の"Wrong Or Right"もメロディアスでとてもいかしたナンバーですよね。
3曲目の"To Know What You've Got"は、この2ndの中で最も好きなナンバーです。
ミディアム・テンポのメロディアスなこれぞAORといったナンバーで、特にギターを始め、バックのプレイがとてもいかしてます。
4曲目の"You Promised Me"でのBobbyのファルセットは最高です。
5曲目の"It's Over"はタイトな音がとてもカッコ良い若干ファンキーなナンバーで、これまたBobbyのヴォーカルがとてもいかしております。
6曲目の"Open Your Eyes"はメロディアスなバラード・ナンバーで、ソング・ライターBobby Caldwellとしての存在感を十分感じさせるナンバーとなっております。
7曲目の"Mother Of Creation"は、TOTO辺りを連想させてくれるバックのプレイが若干ハードなAORナンバーです。
ピアノとベースの音は最高です。
ラストの8曲目"I Don't Want To Lose Your Love"もメロディアスなバラード・ナンバーで、とてもいかしております。
Bobbyのヴォーカルも最高です。
Bobby Caldwellのアルバムは、全て所有しておりますが、今まで私のHPで紹介していたのは1stだけでしたが、この2ndもなかなか良く出来たアルバムで、アルバムの良さを再認識しました。
2010-03-02
Spandau Ballet / Once More (2009)

このアルバムは、もう完全にAORアルバムです。
1990年には一度は解散したSpandau Balletは2009年に復活し、アルバムとしては、1989年の"Heart Like a Sky"以来、実に20年振りに"Once More"というアルバムを発表しました。
メンバーも、Tony Hadley – lead vocals, synthesizers、Gary Kemp – guitar, keyboards, backing vocals、Martin Kemp – bass、Steve Norman – saxophone, guitar, percussion backing vocals、John Keeble – drums, backing vocalsといったオリジナル・メンバーによる復活で、アルバム・ジャケットの写真を見ると、まさに20年という時の経過を感じることができます。
復活アルバム"Once More"には全13曲が収められており、"Once More"と"Love is All"の2曲が新曲で、残るナンバーは、"True"や"Gold"などの彼らのヒット曲のリメイクが収められております。
ほぼ全ての曲のアレンジはがバラード風のAORナンバーとなっており、これはおそらく賛否両論があると思いますね。
もちろんオリジナルの良さということはあると思いますが、今回のニュー・ヴァージョンは、これはこれで良くできていると思いますし、Spandau Balletのサウンドは当時はニュー・ロマンティックと呼ばれていたものの、当時からかなりAORっぽく、"True"なんかはAORファンの心も掴んでおりましたので、この新作も、私を含めAORファンには受け入れられるものとなっております。
収録ナンバーは、
01 Once More
02 To Cut A Long Story Short
03 Gold
04 True
05 Chant No.1
06 I'll Fly For You
07 Only When You Leave
08 Through The Barricades
09 She Loved Like Diamond
10 Communication
11 Lifeline
12 With The Pride
13 Love Is All
の全13曲です。
01はアコースティカルでメロディアスなバラード・ナンバーで、とても素晴らしい出来となっております。
先ずTony Hadleyのヴォーカルは全く衰えというものを感じさせませんし、この手のバラード・ナンバーは得意ですので安心して聴いていられます。
また、Steve Normanのサックスも最高です。
02はストリングスを上手く使っており、もう完全にAORナンバーにアレンジされております。
このナンバーなんかはオリジナルより良く出来ていると思いますね。
03はオリジナル自体の出来が素晴らしかったナンバーですが、20年の歳月が費やされてたどり着いたという大人を感じさせるアレンジが堪らないです。
04はここに収められているナンバーはもちろん素晴らしいですが、やはり、このナンバーに限っては、オリジナルに軍配が上がると思いますね。
05も大人のアレンジです。
06もオリジナルはかなり良く出来ていましたが、これも完全にAORナンバーになっております。
07もとてもよく出来たAORナンバーに仕上がっており、これはこれで良く出来ていると思います。
でも、私はオリジナルの方が好きです。
08もアコースティカルなアレンジのAORナンバーに仕上がっております。
09なんかもストリングスを上手く使ったメロディアスなAORナンバーとなっております。
10や11なんかもソフトな感じのアレンジがとても良いですが、やはり当時の勢いに懐かしさを感じずにはいられないというのも事実かな。
12もアコースティカルなアレンジがとても素晴らしいナンバーで、これはかなり良いです。
13もメロディアスなバラード・ナンバーです。
当時のサウンドが好きな方からは、?、という評価もされそうですが、聴いているほうも20年という年月が経過しておりますので、それなりに評価もされると思います。
でも、AORファンからは高い評価を受けるのではないでしょうか。
私は満足しております。