2012-10-21
PARADISE LOST / TRAGIC IDOL (2012)

いつもですと、9月は秋という模様でしたが、今年は残暑が厳しく、一気に寒くなってしまいました。
11月に入れば平地でも雪が降り、来年の3月まで長い冬の季節となります。
道路事情や雪かきなどを思うと、憂鬱になります。
そんな時は、やはり家のの中で好きな音楽を聴いたり、ずっと嵌りっぱなしの海外ドラマを観たりで過ごすことになりそうです。
本日は、ゴシック・メタルのパイオニア的な存在のPARADISE LOSTの"Faith Divides Us - Death Unites Us"以来約2年ぶりの新作"TRAGIC IDOL"を紹介いたします。
1999年に発表された"HOST"でそれまでのファンから総スカンを食らい、ここ日本では彼らの人気も翳りを見せ始めましたが、ヨーロッパでは現在でも押しも押されもしない人気バンドです。
このブログでも何度か書いておりますが、私にとっては、PARADISE LOSTというバンドを知るきっかけになったのは"HOST"です。
それまで、デス・ヴォイスに嫌悪感を持っており、この"HOST"が完全ノーマル・ヴォイスでのアルバムだということを雑誌"BURRN!"で見て、それでは、ちょっと聴いてみようか、と思ったわけです。
デジタル化サウンドはへヴィ・メタルからは程遠かったですが、ゴシック感(憂いを帯びたメランコリックなサウンド)は十分伝わる内容だったと思います。
このアルバムをきっかけに、"ONE SECOND"、"DRACONIAN TIMES"、"ICON"、"Shades of God"、"Gothic"さらには殆どデス・メタル然とした1stアルバムの"Lost Paradise"にまで行き着くこととなります。
こうして、デス・ヴォイスにも慣れ(というか違和感がなくなって)、今ではメロディック・デス・メタルも聴くようになってしまいました。
そういう意味では、"HOST"というアルバムは私にとっては、PARADISE LOSTのファンになるきっかけの重要なアルバムです。
PARADISE LOSTのどこが魅力的かというと、NICK HOLMESのヴォーカル(声もスタイルも含め)とGreg Mackintoshのギター・プレイ(とにかくメタリックな部分)でしょうか。
本作"TRAGIC IDOL"でも、Nick HolmesもGreg Mackintoshも最高にいかしたパフォーマンスを披露してくれております。
前作Faith Divides Us - Death Unites Us"、前々作"In Requiem"は全盛期のPARADISE LOSTに戻ったような内容で、これぞ、GOTHIC METALの雄PARADISE LOSTのサウンドでした。
本作も、数多くのフォロワーを生み出してきた独創的かつ革新的なサウンド・スタイルは、黄金期と謳われるアルバム"DRACONIAN TIMES"を彷彿とさせる内容のゴシック・メタル・アルバムだと思います。
ほの暗く憂いを帯びたメランコリックなサウンドがここにあります。
収録ナンバーは、
01. Solitary One 4:08
02. Crucify 4:08
03. Fear of Impending Hell 5:25
04. Honesty in Death 4:08
05. Theories from Another World 5:02
06. In This We Dwell 3:55
07. To The Darkness 5:09
08. Tragic Idol 4:35
09. Worth Fighting For 4:12
10. The Glorious End 5:23
となっております。
国内盤は、ボーナス・トラックが5曲収録されております。
ゴシック・メタルのバンドは数多く存在いたしますが、このアルバムは、PARADISE LOSTが他のゴシック・メタル・バンドの追随を揺らさない存在であると証明してくれるアルバムです。
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2012-10-14
OXYGEN / FINAL WARNING (2012)

スウェーデン産のバンド OXYGEN のデビュー・アルバムです。
このOXYGENはNIVAのボーカリストTony Niva が、バンドの音楽の方向性を AOR やメロディックなものに軌道修正して出来上がったバンドで、このアルバムはまさに北欧系の哀愁度満点のメロディアスなハードポップ、メロハーのアルバムに仕上がっております。
私の聴いた感じでは、TOMMY DENANDERの一連のプロジェクト作品に通じるかなりレベルの高い作品だと、断言できます。
ギターを中心としたハイ・レベルのパフォーマンスにTony Nivaの伸びやかなヴォーカルが最高にいかしており、各楽曲の出来も素晴らしいです。
ちなみに収録ナンバーは、
01. Janitor of Love
02. Anything for you
03. When tomorrow never comes
04. I remember
05. Gold from the future
06. We must fight
07. I wanna know for sure
08. Final warning
09. Best days of our lives
10. You
11. Bring back the joy
の11曲が収められております。
ギター・オリエンティドのメロディアスでポップな01、07、ギター・プレイが最高にいかしたTOMMY DENANDERの一連の作品に似た作りのメロディ最高のハードポップ、メロハー・ナンバーの02、09、Tony Nivaのヴォーカルが素晴らしい03、バックのピアノの音が美しいメロディアスなバラードの04、10、ギターのカッティングがいかした疾走感のあるメロハー・ナンバーの05、メロディアスでポップな06、リズミックナ08、キーボードとギターのコラボがいかした80年代メロディック・ロック・スタイルの11と、今年発表されたメロハーのアルバムの中でも間違いなく上位にランク・インされるであろうアルバムだと思います。
もちろん、私のお店にも置いてあります。
2012-10-13
LULEY / TODAY'S TOMORROW (2012)

Klaus Luleyは CRAAFT、TOKYOのヴォーカリスト、ギタリストを務めた人物で、メロハー、ハードポップのファンの方であれば、私も含め熱烈なファンの方もおられることと思います。
とにかく、CRAAFTもTOKYOもメロディアスな最高にいかしたハードポップ・バンドでした。
私は、TOKYOの1stアルバムに収められていた"TOKYO"を聴いた時の興奮を今でも覚えております。
このソロ・アルバムには、その"TOKYO"のリメイク・ヴァージョンが収められております。
ちなみに収録ナンバーは、
01. Can't Live Without You
02. Mountain Of Love
03. Slippin Away
04. Livin In The Night
05. Tokyo
06. Don't Wanna See Your Face
07. Higher
08. Here In My Arms
09. Still Got A Long Way To Go
10. Take Me Today
11. When The Night Comes Down
となっております。
本作は、ブレーンにMichael Voss
ミディアム・テンポながらギター・オリエンティドのメロディアスな01、ギターのトーンがいかしたメロディアスな02、ポップなメロハー・ナンバーの03、ギター・プレイがいかしたミディアム・スロウのパワー・バラード・ナンバーの04、ほぼオリジナルに近いアレンジの名曲の05、リズミックな06、キーボードとギターのコラボがいかしたメロディアスなハードポップ・ナンバーの07、ギター・オリエンティドながらもメロディアスなパワー・バラードの08、ブギ調のメロハー・ナンバーの09、キラキラ・キーボードがいかしたメロディアスなハードポップ・ナンバーの10、まさにTOKYO風のメロディアスなハードポップ・ナンバーの11と、殆ど捨て曲が無い強力な1枚です。
CRAAFT、TOKYOのファンばかりじゃなく、ハードポップ、メロハーの方には必聴の1枚です。
もちろん私のお店にも置いてありますので、ご興味のある方は是非どうぞ。
2012-10-07
HEAVEN / Take Me Back (1989)

オリジナル盤が1989年に発表されたHEAVENの"Take Me Back"といアルバムで、2003年にボーナス・トラック1曲とビデオ・クリップが収録されたものです。
最近、プレス盤のコレクターズCDとしてリ・イッシューされたものです。
とてもメロディアスでポップな哀愁漂う北欧メロディアス・ハードロックというよりハードポップのアルバムで、この手のサウンドが好きな方には堪らない内容だと思います。
収録ナンバーは、
01. Let Go
02. Take Me Back
03. Don't Stop Me Now
04. Sinners
05. Lonely Rider
06. Angelina
07. One More Night
08. Broken Wings
09. Out of My Life
10. Another Way
11. Children Of Our Time
12. Take Me Back (Video)
となっております。
メロディアスでキャッチーな01、ミディアム・スロウのメロディアスなバラードの02、08、若干ハード目のメロディアスな03、これまたメロディアスでギター・プレイがいかしたバラードの04、メロディアスでポップな05、キーボードギターがコラボした80年代産業ロック風のメロディアスな06、10、出だしのアコースティック・ギターの音色がとてもいかしたバラードの07、キラキラ・キーボードとギターのコラボがいかしたメロディアスな09、11と、ほぼ捨て曲が無い強力な1枚です。
ハードポップ・ファン必聴の1枚です。
もちろん、私のお店にも置いてありますので、ご興味のある方は、是非どうぞ。
2012-10-05
松下誠 / FIRST LIGHT (1982)

かなり良く出来たAORアルバムです。
昨日紹介いたしました芳野藤丸の1枚と肩を並べる程の内容です。
3曲目、7曲目の2曲の短いナンバーは、まあアクセントみたいなものですが、それ以外の全ての曲の出来は最高に素晴らしいAORナンバーです。
ボーカルはそこそこという感じですが、松下のギター・プレイはもう最高です。
1曲目のタイトル・ナンバー"First Light"はカッコ良いベースの音がビンビンのアーバンなAORです。
アレンジも洒落ていて、これが松下 誠の音を如実に顕しているナンバーだと思います。
途中のフルーゲル・ホルンの音が最高のアクセントになっています。
かなりお薦めのナンバーだと思いますね。
2曲目の"One Hot Love"では、松下 誠の最高にいかしたギター・ソロが聴けます。
メロディもとてもいかしていて、もう云う事なしのAORナンバーです。
こんな最高なナンバーを奏でる日本のAORアーティストがいるなんて、最高ですね。
4曲目の"September Rain"はメロディアスなバラード・ナンバーです。
この曲は全編英語で歌われています。
作詞は本人で、使われている単語も難しいものはないけど、それでも英語で詩を書けるなんて羨ましいですね。
とても素敵なバラードだと思います。
5曲目の"Lazy Night"もバラード・タイプのナンバーです。
こういった軽めのナンバーでは松下 誠のヴォーカルが本当にフィットしています。
それにしても、彼のギター・プレイは最高ですね。
6曲目の"This Is All I Have For You"は、1曲目に似たタイプのアーバン・フィーリング溢れるAORナンバーです。
AB'Sのアルバムを聴いても似たタイプの曲は、松下 誠の作によるナンバーですので、やはり、この音が松下なんです。
7曲目の"I Know ..."は、再び英詩のナンバーです。
アカペラ・タッチのバラード・ナンバーですが、私にとってはちょっと消化不良の感も。
8曲目の"Love Was Really Gone"も全編英詩のナンバーです。
この曲もバックのベースがビンビンのメロディアスで最高にいかしたナンバーです。
もう堪りませんね。
ラスト・ナンバーの"Sunset"は出だしの音に違和感がありますが、全体的にはメロディアスなナンバーです。
しっとりとしたバラード・ナンバーで、曲の後半はとても素晴らしいですね。
バックのピアノの音がとても良い。
最近、「タワー・レコード限定」ということで、この1stと2nd、3rdがリ・イッシューされました。
私は、最初にCD化された時に、全て買い揃えましたが、2nd、3rdはプログレチックが強まり、1stだけあればいいか、と一度手放してしまいました。
その後、再度聴きたいと後悔しておりましたので、今回のリ・イッシューはとても嬉しかったです。
これらのアルバムも、芳野藤丸、AB'Sの各アルバム同様、5桁近い価格が付いていたので、Japanes AORファンの方には朗報だった筈です。
HMVでもAmazonでも売っておりません。
Tower Recordsだけです。
2012-10-03
芳野藤丸 / YOSHINO FUJIMAL (1982)

先日紹介いたしました浜田金吾、山下達郎のほか、松下誠、Hi-Fi-Set、荒井由実、大澤誉志幸、上田正樹、南義孝、黒住憲五、角松敏生など80年代のアルバムを引っ張り出しては聴いております。
そして本日紹介いたします芳野藤丸もこのアルバムを含め、最近発表された「ショーグン」のベスト・アルバムなんかもヘヴィー・ローテーしております。
先日もブログでも書きましたが、タワー・レコード限定やVIVID SOUNDからこれら80年代のJapanese AOR作品のリ・イッシューが進んでおり、確かAB'Sあたりもその内リ・イッシューされるといったアナウンスもあったと思います。
そのAB'Sのリ・イッシューに先駆けて再CD化されたのが、芳野藤丸の1stと2nd。
この2枚は、過去に2回CD化されておりますが、今まで、5桁近い高値の花でした。
私は既に最初にCD化されたものを持っておりますが、今回のリ・イッシューがSHM-CDの紙ジャケ仕様ということ、さらにボーナス・トラックとして"Girl's In Love With Me"のアコースティック・ヴァージョンが収録されているということで、再度購入。
とにかく、この1st"YOSHINO HUJIMAL"はAB'Sのメンバーが全面的にバック・アップしたアルバムで、今回はSHM-CDということで、音もかなりクリアになっておりますし、内容的にもう申し分のない出来です。
1982年に発表された時、1曲目の"WHO ARE YOU?"を聴いて、一発でノック・アウトを食らった作品です。
芳野藤丸のヴォーカルもギターのカッティングも最高ですし、松下誠のギター・プレイとJake H. Conceptionのサックス・プレイはもう言うことがありません。
また、このナンバーでは、桑名晴子とのデュエットを聴くことができますが、これが堪らなく素晴らしいんです。
もう、この1曲だけでお釣りがくる、そういったアルバムです。
2曲目の"Midnight Plus 1"も軽快なAORナンバーで、バックのメンバーもAB'Sを中心としたミュージシャンで固められ、悪いわけがありません。
サビのところが最高にいかした曲です。
3曲目の"One Shot Lady" でのギター・ソロは、松下 誠が担当しており、彼のギター・ワークはホントご機嫌です。
4曲目の"Free Way 5 To South"でも、芳野藤丸の軽快なギターのカッティングが最高です。
もちろんギター・ソロも。
5曲目の"Girl's In Love With Me"からは"in the NIGHT time"へと移りまして、夜を意識した作りとなっているようですが、サウンドは極端に変化しているということはなく、あくまでも曲の指向としてだと思います。
まあ、サックスが前面に出てくるとそんな感じもしますしね。
このナンバーでもJake H. Conceptionのサックス・ソロはとても心地よいです。
6曲目の"Shang-Hide Night"は、少しばかりエスニックしたサウンドが面白いナンバーで、ここでも軽快なギター・カッティングがご機嫌です。
7曲目の"Not What I'm Looking For"は、ちょっとばかりSteely Danを感じさせる曲です。
でも音のほうは、かなりファンキーだと思います。
この曲でも、松下 誠のギター・ソロはカッコ良いです。
8曲目のの"Pretender"は、AB'Sの1stに収められている"De Ja Vu"に似たタイプの曲です。
メロディアスなナンバーで、この曲では、Flugelhornがとても効果的で良い味を出しております。
ラストは、ボーナス・トラックの"Girl's In Love With Me"のアコースティック・ヴァージョンです。
素晴らしいアルバムです。