2010-03-21
Ian Thomas / Looking Back (1993)

ソロ名義では、ベスト・アルバムも含め、
1973 - Ian Thomas
1974 - Long Long Way
1975 - Delights
1976 - Calabash (aka Goodnight Mrs. Calabash)
1978 - Still Here
1979 - Glider
1980 - The Best of Ian Thomas
1981 - The Runner
1984 - Riders on Dark Horses
1985 - Add Water
1988 - Levity
1993 - Looking Back
といったアルバムを発表しておりますが、彼の最大のヒットは1stアルバムの"Ian Thomas"で、収録ナンバーの"Painted Ladies"がカナダのチャート4位、US Hot100で34位にランクインされました。
その後は、専らカナダのチャートではそこそこといった感じで、この日本でも知る人ぞ知るといった存在のAORシンガーです。
1991年から2002年までは、The Boomersというバンドで4枚のアルバムを発表しますが、これもグローバルに認知されることはありませんでした。
現在は、Marc JordanとLunch at Allen'sというバンドを結成し、2枚のアルバムを発表しているようです。
彼は、シンガーとしてだけでなく、ライターとしても知られており、いろいろなミュージシャンが彼のナンバーを取り上げております。
有名どころでは、Santanaの"Hold On"、Manfred Mann's Earth Bandの"The Runner"、Americaの"Right Before Your Eyes"、Chicagoの"Chains"、Bette Midlerの"To Comfort You"などとなっております。
本日紹介するベスト・アルバムの"Looking Back"には彼の大ヒット・ナンバー"Painted Ladies"やSantanaがカヴァーした"Hold On"など全18曲が収録されております。
初期のナンバーは、やはりシンガー・ソングライター的な音作りとなっておりますが、70年代後半から80年代前半は、当時のAORの雰囲気そのまんまの音となっております。
それを代表するナンバーは"Hold On"で、このオリジナルを聴くと、Santanaヴァージョンは結構オリジナルに忠実に演奏していたことが判ります(もちろん、Carlos Santanaのギター・ソロは違いますが-でも、このソロ・パートがカッコ良いのですが)。
この"Hold On"は、1981年の"The Runner"に収められてナンバーで、カナダではそこそこヒットしたようです。
また、タイトル・ナンバーの"The Runner"も"Hold On"タイプのメロディアスなAORナンバーでとても良く出来ていますが、こちらはランクインとはならなかったようです。
Ian ThomasはCrosby,Still, Nash & Youngなどから影響を受けたそうで、初期の作品は、David Crosby、Jackson Browne、Stephen Stills、Linda Ronstadt、James Taylor、J.D. Southerのようなウエストコースト風の音作りとなっております。
大ヒットした"Painted Ladies"はまさにCrosby,Stills,Nash & Young風のメロディアスでアコースティカルなナンバーです。
"Long Long Way"は1974年の"Long Long Way"に収められていた作品で、10ccを彷彿するポップでメロディアスな作品となっており、かなりお勧めです。
"Right Before Your Eyes"は、1976年の"Calabash"に収められていたナンバーで、メロディアスなこれまたAOR然としたナンバーに仕上がっております。
"Pilot"は、1979年の"Glider"に収められていたナンバーで、洒落たポップなAORで、とても良いですね。
"I Still Want To Hold You"も"Glider"からで、メロディアスなバラード・ナンバーで、J.D. Southerなどのウエストコースト系のAORナンバーとなっております。
"Time Is The Keeper"も"Glider"からですが、これの出来がまた良く、バックのプレイは素晴らしく、まさにAORです。
"Stringin' A Line"も1981年の"The Runner"からのナンバーで、これもオシャレでポップなAORナンバーに仕上がっております。
"Harmony"と"Touch Me"は、 1985年の"Add Water"からのナンバーで、どちらも、まさにMr.MisterスタイルのポップなAORナンバーです。
Ian Thomasのオリジナル・アルバムは殆どCD化されておりませんので、このベストは彼のサウンド・スタイルを知るには持ってこいのアルバムです。
また、近々、Wounded Bird Recordsから、1978年の"Still Here"がCD化されるようです。
これまでのWounded Bird RecordsのCD化の様子を見ると、Ian Thomasの他のアルバムのCD化も期待できそうです。
1979年の"Glider"と1981年の"The Runner"は是非CD化して欲しいですね。
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コメント
今年こそは・・・そして、今年度こそはCD係数を下げようと決断を先延ばししつつ耐えてきたのに、無理だわ(笑)。アマゾンさま様です。そういえばアドリブが休刊に。ニュースには「音楽ギフト券発売終了に」とか。いろいろ曲がり角ですね
激レアですが、1988 - Levity はCD化されていますね。
最初に買った彼のレコードはRiders on Dark Horses でした。
なぜStill Hereがチョイスされたのか分かりませんが、他のもきたいしちゃいますね。
最初に買った彼のレコードはRiders on Dark Horses でした。
なぜStill Hereがチョイスされたのか分かりませんが、他のもきたいしちゃいますね。
ADLIBの休刊
そうなんです。ADLIBが休刊するそうですね。
最近というか90年代になってからは、内容がラップやR&Bなどが増え、AORやFusionの記事があまり掲載されなくなり(というかこの時代のジャンルじゃなくなっていたのかも)、つまらなくなったということで、殆ど読んではおりませんでしたが。
ホントは、AORやFusionに特化したコアな雑誌になって欲しかったのですが。
まあ、確かにネットの発達で、今じゃ、音楽情報は簡単に手に入りますので、休刊も仕方がないですね。
最近というか90年代になってからは、内容がラップやR&Bなどが増え、AORやFusionの記事があまり掲載されなくなり(というかこの時代のジャンルじゃなくなっていたのかも)、つまらなくなったということで、殆ど読んではおりませんでしたが。
ホントは、AORやFusionに特化したコアな雑誌になって欲しかったのですが。
まあ、確かにネットの発達で、今じゃ、音楽情報は簡単に手に入りますので、休刊も仕方がないですね。
Still Here
確かにStill HereのみがCD化されるのは、良く判りませんね。
CD化するなら、最も売れた1stの"Ian Thomas"か"Hold On"が収録されている"The Runner"あたりかな?と思うのですが。
でも、Wounded Bird Recordsの今までのリ・イッシュー化を見ると、"Still Here"以外のアルバムのCD化も期待できますね。
私は、コレクターCDですが、"Add Water"を持っておりますが、このアルバムは、ブログにも書きましたとおりMr.Misterに通じるサウンドのアルバムだと思います。
"Glider"と"The Runner"の2枚のアルバムは是非CD化して欲しいですね。
CD化するなら、最も売れた1stの"Ian Thomas"か"Hold On"が収録されている"The Runner"あたりかな?と思うのですが。
でも、Wounded Bird Recordsの今までのリ・イッシュー化を見ると、"Still Here"以外のアルバムのCD化も期待できますね。
私は、コレクターCDですが、"Add Water"を持っておりますが、このアルバムは、ブログにも書きましたとおりMr.Misterに通じるサウンドのアルバムだと思います。
"Glider"と"The Runner"の2枚のアルバムは是非CD化して欲しいですね。
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