2010-04-16
Poco / Legend (1978)

POCOは、1968年にBuffalo Springfieldが解散し、バンド・メンバーのRichie Furay - guitars, vocalsとJim Messina - guitars, bass, vocalsと後にEaglesに参加するRandy Meisner - bass, vocals、さらにスティール・ギターの名手Rusty Young - pedal steel guitar, banjo, Dobro, guitar, mandolin, vocals、George Grantham - drums, vocalsの5人で結成されたバンドです。
しかしながら、Randy MeisnerはEaglesに加入するため、1969年に発表された1stアルバム"Pickin' Up the Pieces"だけの参加となり、その後任としてTimothy B. Schmitが加入することとなりますが、Timothy B. Schmitも後にEaglesのメンバーとなります。
さらに、Jim Messinaも1970年の2ndアルバム"Poco"までで、バンド脱退後にLoggins & Messinaを結成することとなります。
後任として、Paul Cottonが加入し、その後、彼がこのPOCOの屋台骨として活躍することとなります。
オリジナル・メンバーだった、Richie Furayも1973年にバンドを離れソロ活動を展開していくこととなります。
しかしながら、1989年に発表された"Legacy"では、再びこの3人がバンドに戻りましたが、このアルバムをもってバンドは解散することとなります。
2002年には、Paul Cotton、Rusty Young、George Granthamの3人にCraig Fuller等を加え、再結成アルバム"Running Horse"を発表しますが、もう既に当時の勢いは無く、アルバムもチャートインすることはありませんでした。
この"Legend"は冒頭にも書きましたとおりPOCO最大のヒット・アルバムで、アルバム・チャートで全米14位を記録しており、シングル・カットされた"Crazy Love"は全米チャート17位、ACチャートでは1位を記録しており、さらにもう1曲""Heart of the Night""が全米20位、ACチャートの5位にランクインするヒットとなっております。
実は私、食わず嫌いというか聴かず嫌いというか、POCOのアルバムって殆ど聴いていないんです。
Pedal steel guitar, Banjo, Dobroといった楽器のラインナップを見ると、どうも食指が動かないようなんです。
確か最初にPOCOの初期のアルバムを聴いた時に、これは好みじゃないな、とそれ以降は全く聴いておりませんでした。
で、この"Legend"を最近ブック・オフで500円で売っていたのを見かけて購入したわけですが、これが聴いてみると、もう完全にAORしたウエストコースト・ロックで、「っえ!? POCOってこんなサウンドのバンドなの?」というのが正直な感想でした。
まあ、おそらく、このアルバムがそういった感じで、初期のアルバムは、やっぱりカントリー臭いんだろうと思いますが。
この"Legend"はかなり良いAORアルバムだと思いますね。
1曲目の"Boomerang"は曲の出だしがとてもカッコ良いポップロックしたブギ調のナンバーです。
Paul Cottonのギターがとてもカッコ良いです。
2曲目の"Spellbound"はRusty Youngのペンによるメロディアスなバラード・ナンバーで、EaglesのというよりTimothy B. Schmitの"I Can't Tell You Why"を彷彿するナンバーに仕上がっており、とてもお勧めの1曲です。
3曲目の"Barbados"もメロディアスなAOR然としたナンバーです。
このアルバムに収められているナンバーは、何れもPaul CottonかRusty Youngによって書かれておりますが、この2人、ソングライターとしてもかなりのものだと思いますね。
4曲目の"Little Darlin'"はライト&メロウなカラっとしたウエスト・コーストもモロに感じさせてくれるナンバーで、ご機嫌な1曲です。
5曲目の"Love Comes Love Goes"もメロディアスなAORナンバーに仕上がっております。
途中のサックス・ソロとギター・ソロはかなりいけてます。
6曲目の"Herat Of The Night"なんかもEaglesを連想させるウエスト・コーストの香りがいっぱいのメロディアスなナンバーとなっております。
ヒットしたのも頷けるナンバーですね。
7曲目の"Crazy Love"は彼らの最大のヒット曲です。
アコースティカルでメロディアスなナンバーで、CSN&Y風のバラードです。
8曲目の"The Last Goodbye"はEaglesの"Sad Cafe"や"Last Resort"辺りを連想させるメロディアスなバラード・ナンバーで、最高にいかしてます。
出来としては7曲目や6曲目以上だと思います。
ラストの9曲目"Legend"はとてもカッコ良い、ギター・オリエンティドな少しハード目のウエスト・コースト・ロックしたナンバーで、かなりいかしてます。
POCOの他のアルバムはあまり聴いたことが無いので判りませんが、この"Legend"は売れただけあって最高にいかしてます。
AORファンも納得の1枚ですね。
こんな内容のアルバムだと知っていれば、もっと早く聴けば良かったと思いますが、まあ、500円で手に入れることが出来たことを良しとしますか。
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コメント
ちょっと息抜きのつもりでここを見てうむ!と思わず懐かしくなって3時間近くずっとガチでPOCOの事しか考えられなくなりました。彼らは初期のイーグルスと思えばカントリーっぽさも気にならず、LEGEND以外のアルバムもいいと思いますヨ。私が最初に聴いたのはGHOST TOWNかINDIAN SUMMERのいずれかですが、悩みに悩んでLEGEND含めて3枚とも買うことにしましたw たぶんINDIANかLEGEND以降がカントリーよりロックテイストを強めていった作風に変わっていったと思います。なので他の作品もAORっぽさもあったりしますが、今まで買うまではいいかなと見送っていたのですが、管理人さんのブログで又してもその気にさせられてしまいました(汗 UNDER THE GUN(81)とか激レアで今は手に入らないアルバムもありますが、曲単位では75年のティモシー作の<KEEP ON TRYIN'>などはイーグルスの<I CAN'T TELL YOU WHY>と双璧を為す彼の代表曲といえる名曲だと思います。
KEEP ON TRYIN'
"KEEP ON TRYIN'"は、是非聴いてみたいものです。
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