2010-11-05
Pink Floyd / The Dark Side Of The Moon (1973)

名盤の条件は、内容が素晴らしいということはもちろんですが、世の中、多くの名盤はありますが、そこに共通してあるのが、ジャケット・デザインも素晴らしいということです。
The Beatlesの"Sgt. Pepper's Lonely Heart Club Band"、"Abbey Road"、"White Album"、John Lennonの"iamgine"、Electric Light Orchestraの"Out of the Blue"、Bostonの"Boston"、Eaglesの"Hotel California"そしてYesの"Close to the Edge"などは、その内容が素晴らしいばかりではなく、ジャケット・デザインも素晴らしいです。
これが名盤の条件だと私は思っております。
その中でも、The Beatlesの"Sgt. Pepper's Lonely Heart Club Band"とこのPink Floydの"The Dark Side Of The Moon"は特に傑出したデザインではないでしょうか?
この"The Dark Side Of The Moon"はデザイナー集団「Hipgnosis」によってデザインされたもので、レコード・ジャケットのデザイナーとしては、Yesの一連のアルバムのデザインを手がけたRoger Deanと対をなすデザイナーだと思います。
HipgnosisはPink Floydの一連のアルバムのほか、10CCやWishbone Ash、Brand Xなど数多くのバンドのデザインを手掛けております。
この"The Dark Side Of The Moon"以前にも、何枚ものアルバムのデザインを手がけましたが、彼らの名前を一躍有名にしたのは、おそらくこのアルバムだったと思います。
また、それまでのPink Floydは、いわゆるプログレ・ファンには良く知られていた存在ではありましたが、それ以外のファンにも良く知られるようになったのは、このアルバムが最初だったはずです。
ウィキペディアには、「1973年発表のアルバム『狂気』は、芸術性と大衆性を高い次元で融合させ、商業的にも成功した金字塔的な作品であった。この成功が余りに巨大であった為、以降彼らは新作を制作する度に大変な重圧と戦うこととなる(そんな中で、『炎〜あなたがここにいてほしい』や『ザ・ウォール』といった名盤を残している)。内省的なテーマを扱い、前衛的な要素も取り込みながら、常識外れのセールスを記録したこの作品は、プログレッシブ・ロックの一つの到達点・飽和点とも言える。」とありますが、ここに書いてあるとおり、プログレッシブ・ロックの一つの到達点・飽和点とは、このアルバムの説明に的を得たものだと思います。
私が初めてこのアルバムを聴いたのは、1973年で、浪人生活をしている時でした。
その時は、精神的にも不安定な時期ということもあったのでしょうが、このアルバムは、さらに自分を落ち込まさせる、そんな印象を受けたのを、このアルバムを聴くと今でも思い出します。
だからって、嫌いなアルバムでは無く、全くその逆で、とても好きなアルバムではあります。
出だしの心臓の鼓動のような音から狂人ような叫びをフィーチャーした"Speak To Me"、その後のDavid Gilmoreの泣きのギター、メロディアスなフレーズの"Breath In The Air"はとても素晴らしいのですが、そしてヘリコプターの音とその後、急に大きく入る鐘の音までの一連のサウンド"On The Run"から"Time"の出だしまではどこか不安定で、心を不安にするような音作りだと思いませんか?
しかし、一転して"Time"の本編に入るととてもメロディアスな素晴らしいナンバーで、David Gilmoreの泣きのギターがふんだんにフィーチャーされており、バックの女性のスキャットと言い、もうこれは素晴らしすぎます。
"The Great Gig In The Sky"はClare Torryのスキャットを大々的にフィーチャーしたナンバーですが、これもとても素晴らしいですし、邦題を「虚空のスキャット」とタイトルを冠した人のセンスは素晴らしい、いや、このアルバムの邦題を「狂気」と付けた人の感性は素晴らしいと思いますね。
個人的には、このアルバムの中で最も好きなナンバーがこの"The Great Gig In The Sky"なんです。
殆どの洋楽のアルバムの邦題は、ひどいものばかりですが、この「狂気」だけは違います。
アルバムの内容をまさに表現したタイトルだと私は思っております。
トータル・アルバムのこの"The Dark Side Of The Moon"からシングル・カットされたのは"Money"で全米13位の大ヒットとなりましたが、レコード会社が勝手にシングル・カットしたとかで、メンバーとひと悶着あったとか。
"Us And Then"はバックのサックスの音色がそそるメロディアスなバラード・ナンバーで、もう最高としか言えません。
そして、後半のハイライトとも言えるのが"Any Colour You Like"でRichard Rightのキーボードが素晴らしいですが、それ以上にDavid Gilmoreのギター・プレイは、もう泣けます。
歌詞に"Lunatic"と"The Dark Side Of The Moon"いう言葉が入る"Brain Damage"ですが、「狂気」と名付けられたこのアルバムのタイトル・ナンバーは、これなんでしょうね。
メロディアスなとても素晴らしいナンバーで、ここでも女性のバック・ヴォーカルが効果的に使われております。
ラストの"Eclipse"は全曲から切れ目が無く入るナンバーですが、これももう最高です。
先日、近くの中古ショップで500円で売っていたのを車用として買いました。
でも、車で聴くには、ちょっと重たい気分になるかも。
久しぶりに聴きましたが、やはり素晴らしいアルバムですね
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コメント
WALLの良さが今一つ理解出来ませんが、これと「炎」はゲロ吐くほど何度も聴き倒しましたね。懐かしいです。ブログで取りあげて下さった事をきっかけに私もこれを聴きながら寝ようかなみたいな。
The Dark Side Of The Moon
仰るとおり、「Wall」の巷の評価はかなり良いですが、私もあまりピンときません。
しかしながら、この"The Dark Side Of The Moon"と次作"Wish You Were Here"は私もヘヴィ・ローテーしておりました。
"The Dark Side Of The Moon"はPink Floydのアルバムの中で最も好きなアルバムで、もちろん2番目は"Wish You Were Here"です。
そして最も好きなナンバーが"Wish You Were Here"に収められている". "Shine On You Crazy Diamond" (Parts I–V) なんです。
もう、David Gilmourのギターは泣けます。
しかしながら、この"The Dark Side Of The Moon"と次作"Wish You Were Here"は私もヘヴィ・ローテーしておりました。
"The Dark Side Of The Moon"はPink Floydのアルバムの中で最も好きなアルバムで、もちろん2番目は"Wish You Were Here"です。
そして最も好きなナンバーが"Wish You Were Here"に収められている". "Shine On You Crazy Diamond" (Parts I–V) なんです。
もう、David Gilmourのギターは泣けます。
今朝は本当に狂気を聴きながら少しだけ寝ました。私は彼らの最高傑作はタイムだと思っています。あの時代でこんなかっこいいアレンジ思いついたのは誰のアイディアなのでしょうか。(メンバー全員かロジャーか?)ギルモアのギターソロも決まり過ぎてます。タイム~虚空のスキャット~マネーと流れる辺り、凄過ぎる展開だと改めて思いました。これとクリムゾン・キングの宮殿はアビー・ロードに匹敵する位、素晴らしい名盤だと思います。ただ、キンクリの方は静と動のメリハリが極端すぎて間に挟まる2曲がどうも地味過ぎて好きではないのですが、狂気はコンセプトとして頭からしっぽまで完璧です。あと、私のフロイドのリアルタイム体験は「炎」からでしたから、やっぱり狂ったダイヤモンドパート1の世界観もたまらないですね。やっぱりプログレは泣きのギターソロです。
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