2010-11-21
Peter Frampton / Peter Frampton (1994)

今年、"Thank You Mr. Churchill"を"Fingerprints"以来4年振りにアルバムを発表して元気なところを見せております。
Peter Framptonと言えば、1976年に発表した"Frampton Comes Alive!"のメガ・ヒットで、他のアルバムの影が薄い感じがしますが、他にもたくさんの良いアルバムがあります。
例えば、1977年の"I'm In You"、1979年の"Where I Should Be"そして私が彼のベスト・アルバムだと思っている1981年の"Breaking All The Rules"などを挙げることが出来ます。
ただ、"Breaking All The Rules"以降のアルバムは、エレクトニクスな感じや打ち込みなどのサウンドのアルバムでいささか疑問を持たざるを得ないようなものもあります。
また、これと並行するようにPeter Framptonの名前もヒット・チャートから消えることとなり、発表するアルバムの数も少なくなっていきます。
Peter Framptonというミュージシャンも正当に評価されないところがあります。
60年代後半にThe Herdというバンドでギタリストで参加しますが、その後ヴォーカルも執るようになり、これがきっかけかどうか判りませんが、あの甘いマスクのせいで、アイドル・スターとなってしまいます。
その後、Steve MarriottとHumble Pieを結成しますが、スタジオ・アルバムはあまりパッとしませんでした。
しかし、1971年に発表したライヴ・アルバム"Performance"はそこそこ売れましたが、Steve Marriottとの音楽的方向性の違いからアルバム発表前に離脱することとなります。
その後、いろいろなセッションに参加し(何とGeorge Harrisonの"All Things Must Pass"にも参加しているそうです)、1972年に"Wind Of Change"でソロ・デビューすることとなります。
1973年に"Frampton's Camel"、1974年に"Something's Happening"、1975年に"Frampton"を発表いたしましたが、結局は、どのアルバムもヒットに至りませんでした。
それが、突如、1975年に発表した"Frampton Comes Alive!"が大ヒットし、全世界で1,500万枚近く売れたとか。
この時も、彼の甘いマスクのせいか、多くの女性がこのアルバムを購入したようです。
このアルバムの大ヒットにより、ある面アイドルとして祭り上げられることが、逆にPeter Framptonが正当に評価されなくなった原因とも言えるのではないでしょうか。
本日紹介する"Peter Frampton"は、80年代後半以降低迷していた時期を払拭するため、起死回生を狙って発表したアルバムだと私は思っております。
オリジナル・アルバムとしては、前作"When All The Pieces Fit"以来5年振りとなるもので、アルバム・タイトルは自分の名前をそのままタイトルにしたものですが、このことからもこのアルバムにかけた意気込みが判るというものです(ただ、商業的には成功を収めることは出来なかったようです)。
でも、アルバムを聴けば、本当にPeter Framptonの意気込みが伝わってくる内容だと思います。
収録ナンバーは、
01 Day In The Sun 04:26
02 You Can Be Sure 04:27
03 It All Comes Down To You 06:23
04 You 05:08
05 Can't Take That Away 05:50
06 Young Island 01:39
07 Off The Hook 03:05
08 Waiting For Your Love 05:40
09 So Hard To Believe 05:14
10 Out Of The Blue 04:24
11 Shelter Through The Night 04:27
12 Changing All The Time 06:19
13 Diamond Eyes 03:40
となっております(13曲目は日本盤のボーナス・トラック)。
このアルバムはそれまでのデジタル処理した音ではなく、楽器による生の音が基本となっております。
どのナンバーもPeter Framptonの熱さを感じさせるナンバーばかりですが、カッコ良いギターのトーンで始まる04,
ブルース・ギターが最高のミディアム・スロウのメロディアスな05、カッコ良いブギー調の07、さらに11のようなロック・スピリットを感じさせるナンバーなどとても良く出来ております。
その一方で02、03のようなメロディアスなバラード・ナンバー、アコースティック・ギターの音色が美しい06や、メロディがとても美しい08、ギターの音色がジャジーな10もあります。
極めつけは12で、Peter Framptonのアコースティックとエレクトリック・ギターを堪能することが出来るナンバーですが、これがとてもメロディアスなナンバーで、本当に素晴らしいナンバーです。
この曲は名曲です。これは是非聴いて欲しいナンバーですね。
全曲、こうして聴いてみると、このアルバムの良さが本当に判ります。
こんなに良いアルバムが中古市場では100円を切る金額で売っているのを見ると、ちょっと寂しい気もします。
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コメント
Peter Frampton
私も"I Can't Stand It No More"は好きです。
一番好きなナンバーは、"Dig What I Say"で、その次が"I'm In You"そして"I Can't Stand It No More"という順番でしょうか。
一番好きなナンバーは、"Dig What I Say"で、その次が"I'm In You"そして"I Can't Stand It No More"という順番でしょうか。
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確かに・・・
私は彼の歌では、「I Can't Stand It No More」が好きです。