2008-12-29
John Valenti / I Won't Change (1981)

John Valentiと言えば、1976年に発表された"Anything You Want"が隠れた名盤ということでAOR本にも良く紹介され、長らくアナログ・レコードもレア化しておりましたが、2006年に紙ジャケで初CD化され、かなりの反響を呼んだようです。
私もこのCD化で初めて音源に触れ、代名詞ともなっているブルー・アイド・ソウルしたサウンドを楽しみましたが、私の個人的な意見を言わせていただくと、AORのアルバムとしては、本日紹介する"I Won't Change"の方がよほど出来が良いと思いますね。
はっきり言わせていただくと、とかく、AOR本なんかで、レアなアルバムを紹介しておりますが、今までこういったレアな音源がCD化された時に思うのが、期待したほどの無い内容のアルバムがままあるということです。
例えば、Jakob Magnussonの"Jack Magnet"とかJaye P. Morganの"Jaye P. Morgan"とかのアルバムにはあまり魅力を感じませんでしたね。
同じように、このJohn Valentiの"Anything You Want"も期待外れの感がありました。
70年代後半から80年代前半のAORの隆盛期には、それこそ多くのアーティストが雨後の筍のように出ては消えしておりました。
中には、以前にこのブログでも紹介した"Gregg Suttonの"Soft As A Side Walk"などのマイナーなアーティストながら私の記憶に残るアルバムもかなりの数ありました。
ただ、金澤 寿和氏や中田 利樹氏の著したAOR本に掲載されているレア物の中には両氏の自己満足的な部分があることも否めないと思いますね。
まあ、内容の善し悪しについては個人の感想に依るところが多いので仕方がないですし、これは、もちろん私にも通ずることですが。
まあ、両氏とも「AORについては人それぞれのとらえ方ある」と認められていることに私も大賛成です。
で、この"I Won't Change"は1980年に発表の予定が、シングルのみ2枚がリリースされ、アルバムは本国アメリカでお蔵入りとなったらしく、1981年に日本だけでリリースされたといういわくつきのアルバムだったようです(その後、本国で発売されたかどうかは判りませんが)。
アルバムは、アメリカでシングル・カットされた"Who Will It Be"から始まります。
このナンバーの邦題は「女はドラマティック」といったイマイチなタイトルですが、曲の内容は素晴らしく、このアルバムの一押しのナンバーです。
TOTO風のプログレ的な前奏が始まるナンバーで、最高にメロディアスなAORナンバーとなっております。
2曲目の"Did She Mention Me"はこれまたAORした明るい感じのメロディアスなナンバーです。
これまた文句なしのナンバーですね。
3曲目の"I'll Talk You Back"はバックの音がChristopher Crossの"Ride Like The Wind"に似たところもあります。
バックのピアノとギターの音がカッコ良いです。
4曲目の"That's The Way Love Goes"もメロディアスなAORナンバーで、どことなくThe Doobie Brothers風です。
5曲目の"Best For You"はAORのコンピ物にも収められているロマンティックなバラード・ナンバーです。
まあ、もし私がAORのコンピ物に収録するとしたら、この曲ではなく、1曲目ですが。
6曲目の"I Won't Change"での歌い方はモロStevie Wonder風です。
歌い方がStevie Wonder風であるということは、この人を紹介する時の代名詞ともなっておりますね。
7曲目の"Stephanie"もモロThe Doobie Brothers風のサウンドのナンバーです。
8曲目の"Runnin' Scared"は出だしのピアノが心地よいミディアム・テンポのメロディアスなAORナンバーです。
9曲目の"Make It Up To You"は全曲を通して流れるバックのピアノの音がとても素敵なナンバーです。
ラストの10曲目"Fight For Love"はこれまたバックのピアノが素晴らしいポップなナンバーです。
メロディもとても良いですし、お薦めです。
やはり、"Anything You Want"より良く出来たAORアルバムだと思いますね。
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コメント
John Valenti
私もじょんさんと同じです。
こちらのアルバムの方がやっぱり良いですね。
こちらのアルバムの方がやっぱり良いですね。
これは私の大好きなジョージ・トビン・プロダクションの手掛けた作品ですね。(彼らはその他、ロバート・ジョン、スモーキー・ロビンソン、ラニ・ホールなども手掛けています)
私はギタリスト/ソングライターのマイク・ピッサリロという人も大好きで、そういう理由からもこのアルバムは大好きです。基本的にこれらのアルバムはブルー・アイド・ソウルテイストで通じる部分が大きいです。
私はギタリスト/ソングライターのマイク・ピッサリロという人も大好きで、そういう理由からもこのアルバムは大好きです。基本的にこれらのアルバムはブルー・アイド・ソウルテイストで通じる部分が大きいです。
マイク・ピッサリロ
お世話になっております。
マイク・ピッサリロって、他のアーティストのバックも結構務めてますよね。
Davidの2枚のCD届きました。
来年もよろしくお願いいたします。
マイク・ピッサリロって、他のアーティストのバックも結構務めてますよね。
Davidの2枚のCD届きました。
来年もよろしくお願いいたします。
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anyのほうはなんとなくギクシャクした感じを受けてしまって。