2009-08-02
Gino Vannelli / A Good Thing (2009)

どういうわけか、Amazon Japanのカタログには載っておらず、HMV Japanのカタログには載っている作品で、通常のCDケースではなく、ロング・ボックス仕様となっており、インナーには歌詞のほかにGino Vannelliによる詩が23編掲載されております。
Gino Vannelliは1974年に"Crazy Life"でデビューし、現在まで本作を含め16枚のアルバムを発表しております。
特に1978年の"Brother To Brother"からのシングル曲"I Just Wanna Stop"は全米4位となる大ヒットを記録し、一躍時の人となりました。
さらに、1981年の次作の"Nightwalker"からのシングル曲""Living Inside Myself"も全米6位を記録しております。
この日本でも、この"Brother To Brother"と次作の"Nightwalker"と立て続けにヒットし、特にAORファンを中心に支持を集めました。
Gino Vannelliの魅力は何といっても情熱的でソウルフルなボーカル・スタイルだと思います。
また、Vannelli兄弟のJoe Vannelliのキーボードとアレンジによるボサノヴァ・タッチのフュージョン色の強いサウンドも魅力の一つだと思いますね。
また、Gino Vannelliは、圧倒的な歌唱力と高いサウンド・クリエイト能力から、「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と賞される程の評価を得ているアーティストでもあります。
ただ、残念なことに、"Brother To Brother"と"Nightwalker"以外のアルバムはセールス的にはあまり売れることはありませんでした。
1984年の"Black Cars"では、ニュー・ウェーヴっぽいサウンドに、っえ?とも思いました(でも、アルバムに収められている"Hurts To Be In Love"は最高に良く出来たバラードで彼の数あるナンバーの中でも1,2位を争うナンバーだと私は思っていますが)。
その後、1995年の"Yonder Tree"や1998年の"Slow Love"はジャズ・ヴォーカルのアルバムでした(決して内容としては悪くないと思いますが)。
そして、2002年の"Canto"で再び、っえ?となってしまうわけです。
で、2006年の前作"These Are The Days"は自身の過去のナンバーと新録を取り混ぜたアルバムで、AOR復帰作品となりました。
それから3年経過した発表された作品が本日紹介する"A Good Thing"です。
内容はというと、ジャズ色が濃いもののAORな作品だと思いますが、しっとりと歌い上げるナンバーが多く収められており、"Brother To Brother"や"Nightwalker"と比べると、少し物足りなく感じてしまいます。
これは、Joe VannelliやRoss Vannelliがアルバム制作に関わっていないからなのかも知れません。
1曲目の"A Good Thing"、2曲目の"This Day On"はバックのプレイがジャズっぽいメロディアスなナンバーで、Gini Vannelliの歌の上手さが際立っております。
5曲目の"Gypsy Days"はバックのピアノがとても美しいメロディアスなバラード・ナンバーで、出来もそこそこです。
7曲目の"Evermore"も良く出来たバラード・ナンバーでAORしていてお勧めです。
8曲目の"The Measure Of A Man"はバックのプレイがいかしてますし、コーラス・ワークもファンキーで結構いけます。
ラストの9曲目"Don't Give Up On Me"はGino Vannelliがしっとりと歌い上げるジャジーなナンバーです。
"Brother To Brother"とか"Nightwalker"を期待しちゃうと、ちょっと違うんじゃない?という感じですが、純粋にGino Vannelliのヴォーカルが好きな人にお勧めです。
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