2009-08-03
Chris Spedding / Songs Without Words (1970)

Pete Brown & his Battered OrnamentsやNucleusの活動を通じ、Chris Speddingは1970年のメロディ・メーカー誌のジャズ・ギタリスト部門で2位(1位はJohn McLaughlin) に選ばれ、本日紹介する1stソロ・アルバム"Songs Without Words (邦題「無言歌」)"を録音するわけです。
ただ、すでにこの時点でChris Spedding自身がジャズにあまり興味を持てなくなっていたようで、アルバムを録音する条件として、出来上がった作品が気に入らなかった場合は、リリースしないということだったようです。
このことは、Chris Speddingのオフィシャル・サイトで、このアルバムのディスコグラフィに1992年のこのアルバムに対する彼自身のコメントが掲載されております。
コメントには、
"But I was wary enough to agree to try it only on the condition that it was to be an experiment, and if I didn't feel happy with the result then the record would never be put out. This condition was agreed to and I went ahead with the writing and recording, hoping that something speacial and magical would happen on the day of recording. Despite my best efforts I thought the result uninspiring, I felt I sounded ill at ease and unconvincing and there was nothing new being said. The producer stood by our agreement and said he wouldn't put it out. "
とあります。
このアルバムは一時はお蔵入りとなりましたが、1971年にこの日本で発表(一部ヨーロッパでも出されたようですが)され、このことを後で知ったChris Speddingは、何故このようなことが起こったのか訳が判らず、また、何か手を打とうとしたが手遅れだったとコメントしております。
そんないわくつきの"Songs Without Words"が再び、この日本だけで1992年にCD化された訳ですが、このコメントもこのCD化がきっかけで書かれたのかも知れません。
で、このアルバムですが、プログレッシヴなジャズ・ロックです。
Chris Speddingと言えば、"Motor Bikin'"や"Wild In The Street"などの作品やRobert Gordonとのセッションなどロックンロール・アーティスト、Bryan Ferry、Paul McCartneyなどの作品のセッション・ギタリストとしてのイメージが強いギタリストですが、このアルバムは冒頭にも書きましたとおりNucleusなどのジャズ・ロックのアルバムです。
メロディ・メーカー誌のジャズ・ギタリストの2位に選出され持ちかけられたレコーディングでしたが、Chris Spedding自身は内容に納得していなかった作品です。
でも、このアルバムで聴けるChris Speddingのギター・プレイはそれこそJohn McLaughlinを彷彿するといっても良いぐらいのプレイを聴かせてくれております。
アルバムには、
1 Station Song
2 Plain Song
3 Song Of The Deep
4 The Forest Of Fables
5 New Song Of Experience
6 I Thought I Heard Robert Johnson
の6曲が収められております。
1曲目はPete Brownとの共作で、Pete Brown & his Battered Ornamentsのヴァージョンは歌詞付きでした。
前衛ジャズっぽいプログレッシヴなナンバーで、当時の先鋭的なサウンドに仕上がっております。
2曲目はアコースティック・ギターから入るナンバーで、とてもメロディアスなナンバーに仕上がっております。
3曲目はいわゆるオーソドックスなジャズ・ナンバーで、ジャジーなピアノにSpeddingのジャズ・ギターがとてもカッコ良いナンバーです。
4曲目はフリー・フォーム的なナンバーで、Speddingは弓弾きやスライド・バーなどを使っていろいろな音を出しております。
5曲目はメロディもいかした聴いていてとてもポップな感じがする聴きやすいナンバーです。
出来も結構良いです。
6曲目はRobert Johnsonをインスピレーションして書かれたナンバーなんでしょうが、あまりブルース色が強いとは思いませんが。
このCDですが、最近手に入れたものです。
市内のブック・オフで1550円という価格で、このアルバムを見つけた時は、ホント興奮しましたね。
Chris Speddingの他のアルバムは全て持っており、是非このアルバムを手に入れたいと思っておりましたから。
殆どレア化し、いままで中古ショップで見たことがありませんでした。
いわくつきにアルバムですので、再びCDで出ることは無いと思いますし。
とりあえず、Amazon Japanのマーケットプレイスでは、9000円を切る金額で売っているようです。
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