2009-09-25
ABC / The Lexicon Of Love (1982)

ニューロマンティックとは、1970年代後半のロンドンで、ニュー・ウェイヴシーンから派生した音楽ジャンルのひとつで、イギリスでYMOを最初に紹介したとされるスティーヴ・ストレンジが主宰していたクラブ・ビリーズで開催されていた「デヴィッド・ボウイ・ナイト」が発祥と言われております。
スティーヴ・ストレンジのバンド“ヴィサージ”が元祖ニューロマンティックであり、後にデュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、スパンダー・バレー、ABCなどが登場することとなります。
ニューロマンティックのサウンド面は、基本的にはシンセサイザーを多用したエレクトロ・ポップが主体ですが、生演奏主体のバンドも多く存在するため音楽性は様々となっております。
ルーツとしては、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック系等のグラム・ロックの流れからのダンディズムが構築されていったとされており、1980年代前半に一大ブームを巻き起こました。(ウィキペディアから)
特に冒頭の3つのバンドはライヴ活動も相当数こなし、生演奏を主体としたバンドで、当時のニューロマンティック・ファン以外からも高い支持を受けていたバンドでグローバルな人気を博しておりました。
その要因の一つとして挙げられるのは、歌が上手いということと曲自体の出来が素晴らしかったからだと思います。
また、MTVを上手く活用していた点だと思います。
私は当時殆どAORしか聴いておりませんでしたが、カフェ・バーや喫茶店などで、Spandau Balletの"True"を聴いた時は、すぐに彼らの虜となりましたし、Duran Duranの"Hungry Like The Wolf"をMTVで見た時の興奮は忘れることが出来ませんし、このABCの"Look Of Love"を聴いた時も、Bryan Ferryに通ずるダンディズムに参ってしまいました。
また、Culture ClubのMTVを見たときは、Boy Georgeがとてもセクシーに思えました。
それだけではなく、とにかく彼らの紡ぎだすメロディが素晴らしいんですね。
さらに、"True"を代表するバラード・ナンバーはもう殆どAORの世界でしたので、まるで抵抗なく彼らの音楽を楽しめました。
Culture Clubも含めこれら4つのバンドは今でも気に入って良く聴いております。
ABCのヴォーカリストMartin FryとSpandau BalletのTony Hadleyはヴォーカル・スタイルがとても似ておりますが、彼らに影響を与えたのはRoxy MusicのBryan Ferryその人だと私は思っております。
2人共Bryan Ferryと声の質は違いますが、ダンディズムに満ち溢れたパフォーマンスを見るとすぐに判ります。
これら2つのバンドを好きになったのも、Bryan Ferryからの影響を受けているからだと思います。
本日紹介します1stアルバムの"The Lexicon Of Love"からは"Tears Are Not Enough(涙まだまだ)"(全英19位)、"Poison Arrow」(全英6位)"、"The Look Of Love"(全英4位)、"All Of My Heart(我が心のすべてを)"(全英5位)と4曲ものビッグヒットを放ち、初登場でいきなり全英アルバムチャート1位となったアルバムです。
また、収録曲の一つ"Valentine's Day"は、本田技研工業が1982年発表したスクーター「リード」のCMソングに採用され、日本国内のみシングルカットされ発売されました。
特に"The Look Of Love"は日本でもディスコで連日流されるほどの大ヒットとなりました。
1983年に2ndアルバム"Beauty Stab"をリリースしますがセールスは芳しいものではありませんでした。。
その後メンバーチェンジを行い1985年に3rdアルバム"How To Be A Zillionare"をリリースし、"Be Near Me"(全米9位)や、メンバーがアニメキャラになったPV"How To Be A millionare"などで話題になり、再び全米で人気を博すこととなります。
1987年には、Martin FryとMark Whiteの2人となった彼らは"Alphabet City"をリリースし、さらにシングル・カットした"When Smokey Sings"は、全英11位/全米5位のビッグヒットとなりました。
1989年"Up"、1991年に"Abracadabra"をリリースしますが、セールスは伸び悩み、翌1992年にABC自体の活動も一旦停止しました。
2008年には、"Traffic"を発表し、現在も音楽活動を続けているようです。
それにしても、この"The Lexicon Of Love"はとてもカッコ良いアルバムですね。
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