2010-01-02
Rah Band / Mystery (1985)

1stの"The Crunch & Beyond" (1978)は既にCD化されておりますが、大ヒット・ナンバー"Clouds Across the Moon"が収録されている"Mystery"のCD化は特に嬉しい限りです。
以前にとてもダサいジャケットでベスト・アルバムが出ていて"Clouds Across the Moon"を聴くことは出来ますが、オリジナル・アルバムはレコードでもかなり高い取引がされておりましたので、今回のCD化は感無量といったところです。
RAH BANDは、Richard Anthony Hewsonのソロ・ワークの名称(頭文字のR.A.H.をとった)です。
このRichard Anthony Hewsonですが、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『欲望』のサウンドトラックを録音する為にロンドンを訪れていたHerbie Hancockのセッションにギタリストとして参加をきっかけに、その後、数多くのセッションに参加することとなります。
また、並行してリチャードは、ドラムスに後にTV俳優となるNigel Anthony、ベースにPeter Asher (ex Peter & GordonやLinda Ronstadtのプロデュース)というメンバーでトリオ結成し、Peter Asherを介してApple Recordsと関係することとなります。
Apple Recordsでの最初の仕事が、Mary Hopkinの"Those Were The Days"のストリングス・アレンジで、その後、James TaylorのAppleでの1stや最も有名なのが、Phil Spectorの意を受け、"Get Back Session"での"The Long And Winding Road"などのオーケストラのアレンジャー、コンダクターとしてセッションに参加したことです。
このヴァージョンはPaul McCartneyから酷評され、2003年の"Let It Be...Naked"でストリングスは削除されることとなりました。
しかしながら、その後Paul McCartneyはRichard Anthony Hewsonに"My Love"などのアレンジを依頼していることからも、その才能の高く評価していたと思われます。
彼の最大の成功は1975年から始めたRAH BANDで、1977年のファースト・シングル"The Chunch"が英国チャートで6位を記録したほか、1985年には、"Clouds Across The Moon"も6位を記録しております。
オリジナル・アルバムは冒頭に掲げた4枚のアルバムに、"Past, Present & Future" (1985)の計5枚のオリジナル・アルバムをリリースしており、最近では、DJ/レア・グルーヴ/渋谷系、エレポップ・ファンから見直され、かなりの支持を受けているようです。
もちろんAORファンにも受ける内容です。
私は本日紹介する"Mystery"が最も好きなアルバムで、このアルバムからは、"Are You Satisified? (Funka Nova)"、"Clouds Across the Moon"、"Sorry Doesn't Make it Anymore"の3曲がシングル・カットされ、"Are You Satisified? (Funka Nova)"は全英70位、"Clouds Across the Moon"は先ほど紹介したとおり全英6位と大ヒットしました。
RAH BANDの魅力は、何といっても最高にオシャレなサウンドで、UKのジャズ・ファンクの中でもかなりいけてると思います。
とにかく、女性ヴォーカルがこのプロジェクトの要となっていて、音もそうですが、この女性ヴォーカルがあってこそ、オシャレになっていると言っても過言ではないと思いますね。
彼らの全てのナンバーの中で、最も好きなナンバーが"Clouds Across the Moon"で、メロディが最高で、バックのストリングスがとても良い雰囲気を醸し出しています。
この1曲だけでもう悩殺されてしまうこと請け合いです。
ホント、オシャレです。
AORファンにも間違いなく受けるサウンドです。是非、聴いていただきたいと思いますね。
また、"Sorry Doesn't Make It Anymore"は再び女性ヴォーカルがフュチャーされたオシャレなサウンドとなっています。
RAH BANDはこうじゃなきゃいけません。
この"Mystery"のCD化は本当に嬉しい限りです。
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コメント
Rah Band
Rah Bandのポリスター・レコードから出ていたベスト・アルバム"Perfumed Garden - The Best Of Rah Band"は廃盤後、高値で取引されておりましたが、その後、ダサいジャケットでリ・イッシューされましたが、オリジナル・アルバムは"The Crunch & Beyond" だけでしたので、私にとっては、"Mystery"のCD化は本当に嬉しいです。
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今回も貴重な情報をありがとうございます。GOING UPのジャケを見るのは久しぶりです。妥協してベストとかを買わずに長い間堪えてよかったです。